JP2009084329A - 樹脂組成物、樹脂膜および半導体装置 - Google Patents

樹脂組成物、樹脂膜および半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、低誘電率、かつ機械強度に優れた樹脂膜を形成し得る樹脂組成物を提供すること。また、本発明の別の目的は、低誘電率、かつ耐熱性および機械特性に優れた樹脂膜およびその樹脂膜を有する半導体装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の樹脂組成物は、樹脂膜を形成するために用いる樹脂組成物であって、前記樹脂組成物は、カゴ型構造を有する化合物を含み、前記カゴ型構造を有する化合物は、該カゴ型構造を有する化合物を製膜して陽電子消滅寿命測定法で測定して得られる空孔サイズに対応した陽電子消滅寿命の第1ピークトップが、10ns以上の領域にあることを特徴とする。また、本発明の樹脂膜は、上記に記載の樹脂組成物の硬化物で構成されていることを特徴とする。また、本発明の半導体装置は、上記に記載の樹脂膜を有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、樹脂組成物、樹脂膜および半導体装置に関する。
近年、電子材料分野においては、半導体デバイスの高集積化、高速化および高性能化が進むに従って、半導体集積回路の配線間抵抗の増大や電気容量の増大による遅延時間が大きな問題となってきている。この遅延時間を減少させ、半導体デバイスをより高速化させるためには、配線間の抵抗および電気容量の低減が必要で、低誘電率の絶縁膜を回路に用いることは電気容量の低減に効果的である。
この絶縁膜のより一層の低誘電率化を図るために、材料を多孔質化するという検討が行われている。多孔質化する方法としては、熱分解性成分(ポロジェン)を混合あるいは結合により導入し、絶縁膜を形成する際の加熱焼成工程において、ポロジェンを分解させ、絶縁膜中に空孔を形成させる方法、nmスケールで自己組織化する高分子ナノ材料を用いることでエッチングにより空孔を形成させる方法等が挙げられる。しかしながら、このような方法による多孔質化においては、膜中に存在する空孔は数nmから数10nmのサイズであり、また、これら空孔は独立してではなく連結して存在している。そのため、必然的に材料の強度が低下し、機械的な応力が隣接層に伝わることで発生するチップの動作不安定性や、上層部加工時の下層部への影響が危惧される等、半導体製造プロセスにおいて空孔に起因した様々な問題点が指摘されている。このような問題点を解決する方法として、ポアシール等のプロセスを導入するといった検討も行われているが、製造工程が増え、コスト増大につながることが懸念されている。
このような問題点を解決するものとして、樹脂構造の内部に分子レベルの多数の空孔を有する材料が報告されているが機械的強度が充分でない場合が多かった。そこで、機械的強度を高める為に分子内に−C≡CH基のような架橋可能な構造を有する化合物からなる材料が報告されているが(例えば、特許文献1参照)、該材料からなる樹脂膜は、誘電率が充分なものではなかった。
特開2005−41938号公報
このような事情のもとで、本発明の目的は、低誘電率、かつ機械強度に優れた樹脂膜を形成し得る樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の目的は、低誘電率、かつ耐熱性および機械特性に優れた樹脂膜およびその樹脂膜を有する半導体装置を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(14)に記載の本発明により達成される。
(1)樹脂膜を形成するために用いる樹脂組成物であって、前記樹脂組成物は、カゴ型構造を有する化合物を含み、前記カゴ型構造を有する化合物は、該カゴ型構造を有する化合物を製膜して陽電子消滅寿命測定法で測定して得られる空孔サイズに対応した陽電子消滅寿命の第1ピークトップが、10ns以上の領域にあることを特徴とする樹脂組成物。
(2)さらに、陽電子消滅寿命の第2ピークトップが、10ns未満の領域に存在するものである上記(1)に記載の樹脂組成物。
(3)前記第1ピークトップの強度が、前記第2ピークトップの強度よりも強いものである上記(1)または(2)に記載の樹脂組成物。
(4)前記第1ピークトップにおける陽電子消滅寿命が、10ns以上、50ns以下である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(5)前記カゴ型構造を有する化合物の密度が、0.7以上、1.0以下である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(6)前記カゴ型構造を有する化合物は、アダマンタン構造を最小単位に有する化合物である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(7)前記カゴ型構造を有する化合物は、重合性不飽和結合を有する官能基を複数以上有しているものである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(8)前記カゴ型構造を有する化合物は、前記重合性不飽和基を反応させて得られた重合体である上記(7)に記載の樹脂組成物。
(9)前記重合体の数平均分子量が、2,000以上、500,000以下である上記(8)に記載の樹脂組成物。
(10)実質的に空孔形成剤を含まないものである上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(11)上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物で構成されていることを特徴とする樹脂膜。
(12)絶縁膜、表面保護膜およびエッチング保護膜の中から選ばれる1種以上の膜として用いられる上記(11)に記載の樹脂膜。
(13)前記樹脂膜を陽電子消滅寿命測定法で測定して得られるスペクトルを、陽電子消滅寿命解析プログラムで解析処理して得られるナノレベル空孔成分を含むI4(%)項が5〜40%である上記(11)または(12)に記載の樹脂膜。
(14)上記(11)に記載の樹脂膜を有することを特徴とする半導体装置。
本発明によれば、低誘電率、かつ機械強度に優れた樹脂膜を形成し得る樹脂組成物を得ることができる。
また、本発明によれば、低誘電率、かつ耐熱性および機械特性に優れた樹脂膜およびその樹脂膜を有する半導体装置を得ることができる。
以下、本発明の樹脂組成物、樹脂膜および半導体装置について説明する。
本発明の樹脂組成物は、樹脂膜を形成するために用いる樹脂組成物であって、前記樹脂組成物は、カゴ型構造を有する化合物を含み、前記カゴ型構造を有する化合物は、該カゴ型構造を有する化合物を製膜して陽電子消滅寿命測定法で測定して得られる空孔サイズに対応した陽電子消滅寿命の第1ピークトップが、10ns以上の領域にあることを特徴とする。
また、本発明の樹脂膜は、上記に記載の樹脂組成物の硬化物で構成されていることを特徴とする。
また、本発明の半導体装置は、上記に記載の樹脂膜を有することを特徴とする。
まず、樹脂組成物および樹脂膜について説明する。
本発明の樹脂組成物は、樹脂膜を形成するために用いられるものである。樹脂膜としては、絶縁膜、表面保護膜、エッチング保護膜、ソルダーレジスト膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、液晶配向膜等が挙げられる。これらの中でも絶縁膜、表面保護膜およびエッチング保護膜の中から選ばれる1種以上の膜が好ましい。これにより、半導体素子の電気容量を低減することができる。
この樹脂膜を構成する樹脂組成物は、カゴ型構造を有する化合物を含んでいる。これより、ナノ空孔が形成され誘電率を低減することができる。
さらに、前記カゴ型構造を有する化合物の中でも、図1に示すように該カゴ型構造を有する化合物を製膜して陽電子消滅寿命測定法で測定して得られる空孔サイズに対応した陽電子消滅寿命の第1ピークトップ(A)が、10ns以上の領域にあることを特徴とする。これにより、樹脂膜を構成する樹脂構造の内部にナノレベルの空孔を多数形成することができ、それによって樹脂膜の誘電率を低下することができる。
より具体的に前記第1ピークトップ(A)における陽電子消滅寿命は、10ns以上、50ns以下であることが好ましく、特に18ns以上、40ns以下であることが好ましい。第1ピークトップ(A)における陽電子消滅寿命が前記範囲内であると、誘電率を下げることができる。
ここで、第1ピークトップとは、後述する他のピークトップと明確に区別するためのものであり、第1番目のピーク等とは異なる意味である。
ここで、前記陽電子消滅寿命は、例えば陽電子・ポジトロニウム寿命測定・ナノ空孔計測装置(フジ・インバック株式会社製)を用いて、陽電子が消滅する際に発生する電磁波(消滅γ線)を測定することで求めることができ、得られた陽電子消滅寿命スペクトルを解析プログラムを用いて逆ラプラス変換処理することで空孔サイズ分布を得ることができる。
なお、測定に際しては上述のカゴ型構造を有する化合物をスピンコート法によりシリコンウエハー上に塗布し、さらに硬化処理することで作製した厚さ300nmの膜を用いた。
前記カゴ型構造を有する化合物としては、例えばアダマンタン構造、アイサン構造、テトラヘドラン構造、キュバン構造、ドデカヘドラン構造、フラーレン構造、カゴ型シルセスキオキサン等のカゴ状シロキサン等を最小単位として有する化合物が挙げられる。これらの中でもアダマンタン構造を最小単位に有する化合物が好ましい。これにより、誘電率をより低下させることができる。さらに、熱安定性と製膜性とのバランスに優れる。
前記アダマンタン構造を最小単位に有する化合物としては、アダマンタン、ポリアマンタン、ポリアダマンタン、ポリ(ポリアマンタン)等を有する化合物が挙げられる。
前記アダマンタンを有する基としては、例えばアダマンタンとして、アダマンチル基;ポリアマンタンとして、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基およびウンデカマンチル基等の(脂肪族)多環式骨格構造を有する基が挙げられ、更には、前記多環式骨格構造を有する基を複数個有する基等が挙げられる。前記多環式骨格構造を有する基を複数個有する基としては、ポリ構造を有する基等が挙げられるが、ポリアダマンタンとして、前記多環式骨格構造を有する基としてアダマンチル基の場合、例えば、ジ(1,3−アダマンタン)基およびジ(2,2−アダマンタン)基等のビアダマンチル基、トリ(1,3−アダマンタン)基およびトリ(2,2−アダマンタン)基等のトリアダマンチル基、テトラ(1,3−アダマンタン)基およびテトラ(2,2−アダマンタン)基等のテトラアダマンチル基、ペンタ(1,3−アダマンタン)基およびペンタ(2,2−アダマンタン)基等のペンタアダマンチル基、ヘプタ(1,3−アダマンタン)基およびヘプタ(2,2−アダマンタン)基等のヘプタアダマンチル基、ヘキサアダマンチル基、オクタアダマンチル基、ノナアダマンチル基、デカアダマンチル基、ウンデカアダマンチル基等や、更にアダマンチル基の個数の多いポリアダマンタンを有する基等が挙げられ、また、前記多環式骨格構造を有する基としてアダマンチル基以外の基の場合、前記ポリアダマンタンを有する基において、該アダマンチル基を前記ポリアマンタンに置換したポリ(ポリアマンタン)を有する基が挙げられ、例えば、ジ−(ジアマンタン)基、トリ−(ジアマンタン)基、テトラ−(ジアマンタン)基、ペンタ−(ジアマンタン)基、ヘキサ−(ジアマンタン)基、ヘプタ−(ジアマンタン)基、オクタ−(ジアマンタン)基、ノナ−(ジアマンタン)基、デカ−(ジアマンタン)基およびウンデカ−(ジアマンタン)基、等のジアマンタン基を複数個有する基、ジ−(トリアマンタン)基、トリ−(トリアマンタン)基、テトラ−(トリアマンタン)基、ペンタ−(トリアマンタン)基、ヘキサ−(トリアマンタン)基、ヘプタ−(トリアマンタン)基、オクタ−(トリアマンタン)基、ノナ−(トリアマンタン)基、デカ−(トリアマンタン)基およびウンデカ−(トリアマンタン)基、等のトリアマンタン基を複数個有する基、ジ−(テトラアマンタン)基、トリ−(テトラアマンタン)基、テトラ−(テトラアマンタン)基、ペンタ−(テトラアマンタン)基、ヘキサ−(テトラアマンタン)基、ヘプタ−(テトラアマンタン)基、オクタ−(テトラアマンタン)基、ノナ−(テトラアマンタン)基、デカ−(テトラアマンタン)基およびウンデカ−(テトラアマンタン)基、等のテトラアマンタン基を複数個有する基、等が挙げられる。
前記アダマンタンおよびポリアマンタンの水素は、アルキル基、アリール基、ハロゲン等の置換基を有していても良く、これらの中でも、置換基としては、例えば炭素数1以上、20以下のアルキル基が好ましく、誘電率の低減効果に優れる。
このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基およびオクチル基等が挙げられ、この中でも、メチル基およびエチル基がより好ましい。アダマンタン構造に、アルキル基を導入することで、有機溶媒への溶解性および耐熱性を向上させることができる。
前記アダマンタン構造を有する化合物としては、例えば下記式(1)または式(2)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2009084329
Figure 2009084329
ここで、式(1)または式(2)中のR〜R16を構成する有機基としては、例えば脂肪族基または芳香族基等が挙げられる。
前記脂肪族基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基およびデシル基等の炭素数1以上〜10以下の鎖状脂肪族基が挙げられ、前記芳香族基としてはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、芳香族環が4〜6個の多環式芳香族基、フルオレニル基、ジフェニルフルオレニル基およびビフェニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。
前記鎖状脂肪族基および芳香族基中の水素原子は、フッ素原子およびトリフルオロメチル基等のハロゲン基;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチルおよびペンチル基等の炭素数1〜5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基およびペンチルオキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基等で置換されていても良い。
これらの中でも、置換基としては、例えば炭素数1以上、10以下の鎖状脂肪族基が好ましく、誘電率低減に優れる。そのような鎖状脂肪族基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基およびオクチル基等が挙げられ、この中でも、さらに、メチル基およびエチル基がより好ましい。これらアルキル基を導入することで、有機溶媒への溶解性および耐熱性を向上させることができる。
このようなカゴ型構造を有する化合物は、特に限定されないが、重合性不飽和結合を有する官能基を複数以上有していることが好ましい。これにより、分子内に架橋構造が構築でき、機械的強度および耐熱性を向上することができる。
前記重合性不飽和結合を有する官能基としては、炭素−炭素二重結合を有する基、炭素−炭素三重結合を有する基、炭素−窒素三重結合を有する基等が挙げられる。これらの中でも、炭素−炭素三重結合を有する基が、重合体の合成の容易さと耐熱性の観点でより好ましく、特にエチニル基が好ましい。これらの官能基は、フェニル基等の置換基を有していても良い。また、これらの重合性不飽和結合を有する基は、フェニル基、ナフチル基等の基に結合したものを挙げることもできる。
前記重合性不飽和結合を有する基の具体例としては、前記炭素−炭素三重結合を有する基として、エチニル基を代表とする下記式(3)〜(5)で表されるものを挙げることがきる。
Figure 2009084329
式(3)中のZが芳香族基の場合としては、例えばフェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、フェナントレニレン基、芳香族環が4〜6個の多環式芳香族基、フルオレニレン基、ジフェニルフルオレニレン基およびビフェニレン基等が挙げられるが、これらに限定されない。前記芳香族基中の水素原子は、例えばフッ素原子、メチル基、メトキシ基およびトリフルオロメチル基等で置換されていても良い。
式(3)中の脂肪族基(R17)としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基およびデシレン基等の炭素数1〜10の鎖状脂肪族基等が挙げられるが、これらに限定されない。前記脂肪族基中の水素原子は、例えばフッ素原子およびトリフルオロメチル基等のハロゲン基;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチルおよびペンチル基等の炭素数1〜5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基およびペンチルオキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基等で置換されていても良い。
式(3)中の有機基(R18)としては、例えば鎖状脂肪族基および環状脂肪族基等の脂肪族基、芳香族基等が挙げられる。前記鎖状脂肪族基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基およびオクチル基等;前記環状脂肪族基としては、例えばシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ビシクロ[2,2,1]ヘプチル基およびアダマンチル基等が挙げられる。前記芳香族基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フェノキシフェニル基、芳香族環が4個以上の多環式芳香族基、フルオレニル基、ジフェニルフルオレニル基およびビフェニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。なお、前記有機基中の水素原子は、例えばフッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、アダマンチル基およびフェニル基等で置換されていても良い。
Figure 2009084329
式(4)中の有機基としては、例えば鎖状脂肪族基および環状脂肪族基等の脂肪族基、芳香族基等が挙げられる。前記鎖状脂肪族基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基およびオクチル基等;前記環状脂肪族基としては、例えばシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ビシクロ[2,2,1]ヘプチル基およびアダマンチル基等が挙げられる。前記芳香族基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フェノキシフェニル基、芳香族環が4個以上の多環式芳香族基、フルオレニル基、ジフェニルフルオレニル基およびビフェニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。なお、前記有機基中の水素原子は、例えばフッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、アダマンチル基およびフェニル基等で置換されていても良い。
Figure 2009084329
式(5)中の有機基としては、例えば鎖状脂肪族基および環状脂肪族基等の脂肪族基、芳香族基等が挙げられる。前記鎖状脂肪族基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基およびオクチル基等;前記環状脂肪族基としては、例えばシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ビシクロ[2,2,1]ヘプチル基およびアダマンチル基等が挙げられる。前記芳香族基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フェノキシフェニル基、芳香族環が4個以上の多環式芳香族基、フルオレニル基、ジフェニルフルオレニル基およびビフェニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。なお、前記有機基中の水素原子は、例えばフッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、アダマンチル基およびフェニル基等で置換されていても良い。
また、前記炭素−炭素二重結合を有する基としてビニル基を代表とする下記式(6)〜(8)で表されるものを挙げることができる。
Figure 2009084329
式(6)中のZとしての芳香族基としては、例えばフェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、フェナントレニレン基、芳香族環が4〜6個の多環式芳香族基、フルオレニレン基、ジフェニルフルオレニレン基およびビフェニレン基等が挙げられるが、これらに限定されない。前記芳香族基中の水素原子は、例えばフッ素原子、メチル基、メトキシ基およびトリフルオロメチル基等で置換されていても良い。
式(6)中の脂肪族基(R17)としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基およびデシレン基等の炭素数1〜10の鎖状脂肪族基等が挙げられるが、これらに限定されない。上記脂肪族基中の水素原子は、例えばフッ素原子およびトリフルオロメチル基等のハロゲン基;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチルおよびペンチル基等の炭素数1〜5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基およびペンチルオキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基等で置換されていても良い。
式(6)中の有機基としては、例えば鎖状脂肪族基および環状脂肪族基等の脂肪族基、芳香族基等が挙げられる。前記鎖状脂肪族基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基およびオクチル基等;前記環状脂肪族基としては、例えばシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ビシクロ[2,2,1]ヘプチル基およびアダマンチル基等が挙げられる。前記芳香族基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フェノキシフェニル基、芳香族環が4個以上の多環式芳香族基、フルオレニル基、ジフェニルフルオレニル基およびビフェニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。なお、前記有機基中の水素原子は、例えばフッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、アダマンチル基およびフェニル基等で置換されていても良い。
Figure 2009084329
式(7)中の有機基としては、例えば鎖状脂肪族基および環状脂肪族基等の脂肪族基、芳香族基等が挙げられる。前記鎖状脂肪族基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基およびオクチル基等;前記環状脂肪族基としては、例えばシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ビシクロ[2,2,1]ヘプチル基およびアダマンチル基等が挙げられる。前記芳香族基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フェノキシフェニル基、芳香族環が4個以上の多環式芳香族基、フルオレニル基、ジフェニルフルオレニル基およびビフェニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。なお、前記有機基中の水素原子は、例えばフッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、アダマンチル基およびフェニル基等で置換されていても良い。
Figure 2009084329
式(8)中の有機基としては、例えば鎖状脂肪族基および環状脂肪族基等の脂肪族基、芳香族基等が挙げられる。前記鎖状脂肪族基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基およびオクチル基等;前記環状脂肪族基としては、例えばシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ビシクロ[2,2,1]ヘプチル基およびアダマンチル基等が挙げられる。前記芳香族基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フェノキシフェニル基、芳香族環が4個以上の多環式芳香族基、フルオレニル基、ジフェニルフルオレニル基およびビフェニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。なお、前記有機基中の水素原子は、例えばフッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、アダマンチル基およびフェニル基等で置換されていても良い。
また、炭素−窒素三重結合を含む基として、ニトリル基を代表として挙げることができ、さらには、マレイミド基、ナジイミド基、ビフェニレン基、およびシクロペンタジエニル基等も挙げることができる。
前記重合性不飽和基の数は、複数以上であることが好ましく、より具体的には4つであることが好ましい。これにより、架橋密度を高めることが可能となり、機械的強度および耐熱性を向上することができる。
前記カゴ型構造を有する化合物の密度は、特に限定されないが、0.7以上、1.0以下であることが好ましく、特に0.75以上、0.9以下であることが好ましい。密度が前記範囲内であると、特に誘電率の低減に優れる。
前記カゴ型構造を有する化合物は、特に限定されないが、前記重合性不飽和基を反応させて得られた重合体であっても構わない。これにより、耐熱性を向上することができる。
前記重合体の数平均分子量は、特に限定されないが、2,000以上、500,000以下であることが好ましく、特に10,000以上、300,000以下であることが好ましい。数平均分子量が前記範囲内であると、特に溶媒への溶解性およびろ過性に優れる。
前記数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフ(GPC)により測定したポリスチレン換算の数平均分子量で評価した。
また、前記カゴ型構造を有する化合物は、前述した該カゴ型構造を有する化合物を製膜して陽電子消滅寿命測定法で測定して得られる空孔サイズに対応した陽電子消滅寿命の第1ピークトップ(A)に加え、第2ピークトップ(B)を10ns未満の領域に有することが好ましい。
また、前記第1ピークトップの強度は、特に限定されないが、前記第2ピークトップの強度よりも強いことが好ましい。これにより、ナノレベルの空孔を多く有することができ、誘電率の低減を実現することができる。
また、前記樹脂膜を陽電子消滅寿命測定法で測定して得られるスペクトルを、陽電子消滅寿命解析プログラムで解析処理して得られるナノレベル空孔成分を含むI4(%)項が、特に限定されないが、5〜40%であることが好ましく、特に10〜30%であることが好ましい。I4(%)項が前記範囲内であると、特に誘電率の低減と機械的強度保持のバランスに優れる。
前記樹脂組成物は、上述したカゴ型構造を有する化合物以外に、シランカップリング剤に代表される密着助剤、加熱により酸素ラジカルや硫黄ラジカルを発生させるラジカル開始剤、重合禁止剤、界面活性剤、ジスルフィド類等の触媒等も各種添加剤等を含んでいても良い。
上述の樹脂組成物は、特に限定されないが、実質的に空孔形成剤を含まないものであることが好ましい。これにより、低誘電率と、得られる樹脂膜の機械特性との両立が図れる。
前記実質的に空孔形成剤を含まないとは、例えば前記樹脂組成物中の空孔形成剤の含有量が5%以下である場合をいう。
上述したような樹脂組成物を、例えばスピンコート法によりシリコンウエハー上に塗布し、さらに硬化処理することで硬化した樹脂膜を得ることができる。
次に、半導体装置の好適な実施形態について、図2に基づいて説明する。但し、本発明はこの形態に限定されるものではない。
図2は、本発明の半導体装置の一例を模式的に示す断面図である。
半導体装置100は、素子が形成された半導体基板1と、半導体基板1の上側(図2上側)に設けられた配線構造から構成されている。トランジスタ等の素子を作り込んだ半導体基板1に、まず1層目の層間絶縁膜2を形成する。この層間絶縁膜2には、上述の樹脂組成物より形成された樹脂膜(有機絶縁膜)あるいは化学気相堆積(CVD)法により形成した無機絶縁膜等が使用される。
層間絶縁膜2には、配線すべきパターンに対応した凹部が形成されており、その凹部の内部には銅配線層3が設けられている。
また、層間絶縁膜2と、銅配線層3との間には、バリアメタル層4を有していてもよい。層間絶縁膜2とバリアメタル層4もしくは層間絶縁膜2と銅配線層3との密着性を向上する目的で、例えば、配線溝の内面にプラズマ処理等により改質処理層を設けることがある。
また、層間絶縁膜2の上側(半導体基板1と反対側面)には、ハードマスク層5が形成されている。この1層目の配線の上部には、さらに配線層が形成され、上記と同様にして層間絶縁膜等が形成され多層配線構造とすることができる。
前記半導体装置100の製造方法の一例としては、まず、シリコンウエハーにトランジスタ等のデバイスが作製された半導体基板1を用意し、その上に、層間絶縁膜2およびハードマスク層5を形成する。さらにその上にフォトレジスト層を形成し、ドライエッチングにより、層間絶縁膜2およびハードマスク層5からなる絶縁層の所定の位置に貫通した配線溝(凹部)を加工する。次に、この配線溝の内面に、PVD法やCVD法等の方法により、Ta、Ti、TaN、TiNおよびWN等で構成されるバリアメタル層4を形成する。さらに、電界メッキ法等により配線層となる銅配線層3を形成し、その後、CMP法により配線部以外の銅層およびバリアメタル層を研磨除去、平坦化することで前記半導体装置100を作製することができる。
さらに配線層を積層する場合にも、基本的に上記1層目の配線形成と同様な方法により形成することができる。
層間絶縁膜2の形成方法としては、半導体基板1の上に、層間絶縁膜2を形成するための樹脂組成物ワニスを直接塗布して形成することができるが、予め層間絶縁膜2のドライフィルムを用意し、これを半導体基板1の上に積層するようにして層間絶縁膜2を形成することもできる。より具体的には、半導体基板1の上に、上記で得た樹脂組成物のワニスを直接塗布して塗膜を形成し、加熱および/または活性エネルギー線を照射して硬化して形成することができる。ドライフィルムを用いる場合は、予め、上述の樹脂組成物のワニスを用いて、基材上に樹脂層を形成して乾燥して、ドライフィルムを形成し、これを、上記半導体基板1の上に、積層して、加熱および/または活性エネルギー線を照射して硬化して形成することができる。なお、層間絶縁膜を形成する位置はこれに限定されない。
また、本実施の形態では、層間絶縁膜2を用いた半導体装置100について説明したが、本発明はこれに限定されない
本発明の半導体装置は、上述したような層間絶縁膜2を用いているので寸法精度に優れ、絶縁性を十分に発揮できるので、それにより接続信頼性が優れている。
また、上述したような層間絶縁膜2は、誘電特性に優れているので、配線遅延を低下することができる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
重合体の合成
(合成例1)
[7,7’−ビス(3,5−ビス(フェニルエチニル)フェニル)−3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタンの合成]
1)3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタンの合成
温度計、撹拌機および還流管を備えた4つ口の1000mLフラスコに、金属ナトリウム14g(0.6mol)とn−オクタン600mlを入れ、内温を0℃に冷やした。激しく撹拌しながら、n−オクタン300mlに予め溶解した1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタン73.0g(0.3mol)を徐々に滴下した。滴下中、内温は、0℃〜5℃に保った。滴下終了後、温度が上昇しなくなったら、引き続き1時間反応を続けた。その後、冷水約1500mLに注いで、粗生成物を濾別し、純水で洗い、乾燥した。更に粗成生物を、熱ヘキサンにより、再結晶した。得られた再結晶物を、減圧乾燥することにより、生成物78.2gを得た。
IR分析によりBr基の吸収(690−515cm−1付近)が消失し、質量分析による分子量が326である結果より、生成物が3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタンであることが示された。
2)7,7’−ジブロモ−3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタンの合成
温度計、撹拌機および還流管を備えた4つ口の2000mLフラスコに、四塩化炭素700mL、臭素35g(0.22mol)を入れ、撹拌しながら、上記で得た3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン65.2g(0.2mol)を、少量ずつ添加した。添加中、内温は20℃〜30℃に保った。添加終了後、温度が上昇しなくなったら、引き続き1時間反応を続けた。その後、冷水約2000mLに注いで、粗生成物を濾別し、純水で洗い、乾燥した。粗生成物を、熱エタノールにより再結晶した。得られた再結晶物を、減圧乾燥することにより、生成物65.0gを得た。
IR分析によりブロモ基の吸収が690〜515cm−1に見られること、質量分析による分子量が482である結果より、生成物が7,7’−ジブロモ−3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタンであることが示された。
3)7,7’−ビス(3,5−ジブロモフェニル)−3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタンの合成
3Lナスフラスコに、上記で合成した7,7’−ジブロモ−3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン48.4g(100mmol)、1,3−ジブロモベンゼン1180g(500mmol)および撹拌子を投入し、窒素気流下、室温で撹拌しながら、臭化アルミニウム(III)26.7g(100mmol)を少量ずつ添加した。添加終了後、50℃で7時間撹拌した。反応液を1mol/L塩酸水溶液2Lに投入し、水層を分液除去した後、アセトン1Lを加えて抽出した固体を濾過により回収し、減圧乾燥することで、7,7’−ビス(3,5−ジブロモフェニル)−3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン71.5g(90.0mmol;収率90.0%)を得た。
4)7,7’−ビス(3,5−ビス(フェニルエチニル)フェニル)−3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタンの合成
次に、3Lナスフラスコに、上記で得た7,7’−ビス(3,5−ジブロモフェニル)−3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン39.7g(50.0mmol)、エチニルベンゼン40.9g(400mmol)、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム3.5g(5.0mmol)、ヨウ化銅(I)3.8g(20.0mmol)、トリフェニルホスフィン5.2g(20.0mmol)、トリエチルアミン1Lおよび攪拌子を投入し、窒素気流下、95℃で6時間攪拌した。反応液をアセトン1Lに投入し、析出固体を2mol/L塩酸水溶液1L、アセトン1Lで洗浄後、減圧乾燥させることで、生成物26.4gを得た。
以下に、上記で得られた生成物の外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が7,7’−ビス(3,5−ビス(フェニルエチニル)フェニル)−3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタンであることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):878(M
元素分析:理論値(/%)C;92.89、H;7.11
実測値(/%)C;92.95、H;7.05
[7,7’−ビス(3,5−ビス(フェニルエチニル)フェニル)−3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタンの重合]
5)上記で得られた7,7’−ビス(3,5−ビス(フェニルエチニル)フェニル)−3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン5.0gを、トルエン95gに溶解させ、塩化タンタル(V)0.5gを添加し、乾燥窒素下30℃で24時間反応させ、反応液を、10倍の体積のメタノールに滴下して沈殿物を集めて乾燥し、3.5gの重合体(A)を得た。得られた重合体(A)の分子量を、東ソー株式会社製ゲルパーミュエーションクロマトグラフ(GPC)を用いてポリスチレン換算で求めたところ、数平均分子量26,000であった。
(合成例2)
[7,7’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタンの合成]
1)合成例1−3)に記載した方法により、7,7’−ビス(3,5−ジブロモフェニル)−3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタンを合成した。
次に、7,7’−ビス(3,5−ジブロモフェニル)−3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン50g(62.9mmol)、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム3.53g(5.0mmol)、トリフェニルホスフィン6.60g(25.2mmol)、ヨウ化銅(II)4.79g(25.2mmol)、トリエチルアミン750mlをフラスコに投入し、攪拌した。これを75℃に昇温した後、トリメチルシリルアセチレン37.1g(377.7mmol)をゆっくり添加した。これを75℃において7時間攪拌した後、120℃に昇温してトリエチルアミンを留去した。室温に戻し、ジクロロメタン1000mlを反応液に添加し、20分間攪拌した。反応液中の析出物をろ過により除去し、ろ液に5%塩酸水溶液1000mlを加えて分液した。分液により得られた有機層を水1000mlで3回洗浄した後、有機層の溶媒を減圧除去し化合物を得た。得られた化合物をヘキサン1500mlに溶解させ、不溶物をろ過により除去し、ろ液部のヘキサンを減圧除去した。これに、アセトン1000mlを投入し、析出物をアセトンで3回洗浄することにより、7,7’−ビス(3,5−ジトリメチルシリルエチニルフェニル)−3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン43gを得た。
さらに、上記で得られた7,7’−ビス(3,5−ジトリメチルシリルエチニルフェニル)−3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン39.8g(53.5mmol)と炭酸カリウム1.46g(10.6mmol)を、テトラヒドロフラン600mlおよびメタノール300ml混合溶媒中において、窒素雰囲気下、室温で4時間攪拌させた。これを10%塩酸水溶液1000mlに投入して、析出物をろ過し、得られた析出物を水1000mlで洗浄し、さらにアセトン1000mlで洗浄したのち乾燥させることにより、生成物21.2gを得た。
以下に、上記で得られた生成物の外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が7,7’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタンであることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):574(M
元素分析:理論値(/%):C,91.93;H,8.07
実測値(/%):C,91.89;H,8.11
[7,7’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタンの重合]
2)上記で得た、7,7’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン5.0gを、アニソール45gに溶解させ、乾燥窒素下155℃で18時間反応させ、反応液を、10倍の体積のメタノールに滴下して沈殿物を集めて乾燥し、4.2gの重合体(B)を得た。得られた重合体(B)の分子量を、東ソー株式会社製ゲルパーミュエーションクロマトグラフ(GPC)を用いてポリスチレン換算で求めたところ、数平均分子量22,500であった。
(合成例3)
[9,9’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−4,4’−ビジアマンタンの合成]
1)4,4’−ビ(ジアマンタン)の合成
温度計、撹拌機および還流管を備えた4つ口の500mLフラスコに、金属ナトリウム14g(0.6mol)とn−オクタン600mlを入れ、内温を0℃に冷やした。激しく撹拌しながら、n−オクタン300mlに予め溶解した4−ブロモジアマンタン80.2g(0.3mol)を徐々に滴下した。滴下中、内温は、0℃〜5℃に保った。滴下終了後、温度が上昇しなくなったら、引き続き1時間反応を続けた。その後、冷水約1500mLに注いで、粗生成物を濾別し、純水で洗い、乾燥した。更に粗生成物を、熱ヘキサンにより、再結晶した。得られた再結晶物を、減圧乾燥することにより、生成物78.6gを得た。
IR分析によりBr基の吸収(690−515cm−1付近)が消失し、分子量が374である質量分析の結果により、生成物が4,4’−ビ(ジアマンタン)であることが示された。
2)9,9’−ジブロモ−4,4’−ビジアマンタンの合成
上記で得た4,4’−ビ(ジアマンタン)を、合成例1−2)と同様な方法で反応させることにより、9,9’−ジブロモ−4,4’−ビジアマンタン66.6gを得た。
IR分析によりブロモ基の吸収が690〜515cm−1に見られること、質量分析による分子量が530である結果より、生成物が9,9’−ジブロモ−4,4’−ビジアマンタンであることが示された。
3)9,9’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−4,4’−ビジアマンタンの合成
上記で得た9,9’−ジブロモ−4,4’−ビジアマンタン60gを、合成例2−1)と同様な方法で反応させることにより、9,9’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−4,4’−ビジアマンタン19.5gを合成した。
以下に、生成物の外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が9,9’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−4,4’−ビジアマンタンであることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):622(M
元素分析:理論値(/%):C;92.56、H;7.44
実測値(/%):C;92.68、H;7.32
[9,9’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−4,4’−ビジアマンタンの重合]
4)上記で得た9,9’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−4,4’−ビジアマンタン5.0gを、合成例2−2)と同様な方法で反応させることにより4.0gの重合体(C)を得た。得られた重合体(C)の分子量を、東ソー株式会社製ゲルパーミュエーションクロマトグラフ(GPC)を用いてポリスチレン換算で求めたところ、数平均分子量26,000であった。
(合成例4)
[3,3’’’−ジメチルエチニル−5,7,5’,7’,5’’,7’’,5’’’,7’’’−オクタメチル−1,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−テトアラダマンタンの合成]
1)フラスコ内で、3,3’’’−ジブロモ−5,7,5’,7’,5’’,7’’,5’’’,7’’’−オクタメチル−1,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−テトアラダマンタン55g(68mmol)およびブロモエテン18ml(256mmol)をジクロロメタン240mlに溶解させ、乾燥窒素下−15℃において、塩化アルミニウム(III)3.0g(22mmol)を滴下し、これを1時間攪拌した。さらに、−15℃において、水40mlを滴下した後、室温に戻し、反応液を得た。10%塩酸水溶液400mlに、反応液を投入し、ジクロロメタン80mlずつを用いて、3回抽出、水80mlで洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、有機層を濃縮して、3,3’’’−ビス(ジブロモエチル)−5,7,5’,7’,5’’,7’’,5’’’,7’’’−オクタメチル−1,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−テトアラダマンタン50.2gを得た。
IR分析によりブロモ基の吸収が690〜515cm−1に見られること、質量分析による分子量が1018である結果より、生成物が3,3’’’ −ビス(ジブロモエチル)−5,7,5’,7’,5’’,7’’,5’’’,7’’’−オクタメチル−1,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−テトアラダマンタンであることが示された。
2)さらに、上記得られた3,3’’’−ビス(ジブロモエチル)−5,7,5’,7’,5’’,7’’,5’’’,7’’’−オクタメチル−1,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−テトアラダマンタンをジメチルスルホキシド400mlに溶解させ、カリウムtert−ブトキシド28g(250mmol)を室温で添加し、これを48時間攪拌した。さらに、800mlの水に反応液を投入し、ジクロロメタン400mlずつを用いて、3回抽出、水400mlで洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、有機層を濃縮して、3,3’’’−ジエチニル−5,7,5’,7’,5’’,7’’,5’’’,7’’’−オクタメチル−1,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−テトアラダマンタン36.1gを得た。
3)上記で得られた3,3’’’−ジエチニル−5,7,5’,7’,5’’,7’’,5’’’ ,7’’’−オクタメチル−1,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−テトアラダマンタン36.1gおよびヨウ化メチル22.7g(160mmol)をトリエチルアミン80mlおよびピリジン40mlに溶解させ、ヨウ化銅(II)0.124g(0.66mmol)およびトリフェニルホスフィン0.48g(1.82mmol)を添加した。さらに、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.116g(0.164mmol)を添加し、乾燥窒素雰囲気下110℃で5時間反応させた。反応後、トリエチルアミンとピリジンを留去し、2mol/L塩酸水溶液1000mlを加えることにより、沈殿物を析出させた。沈殿物を濾過し、水1000mlとメタノール1000mlで洗浄し、真空乾燥機を用いて60℃の雰囲気で24時間乾燥させることにより、3,3’’’−ジメチルエチニル−5,7,5’,7’,5’’,7’’,5’’’,7’’’−オクタメチル−1,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−テトアラダマンタン32.8gを得た。
以下に、生成物の外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が3,3’’’−ジメチルエチニル−5,7,5’,7’,5’’,7’’,5’’’,7’’’−オクタメチル−1,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−テトアラダマンタンであることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):727(M
元素分析:理論値(/%):C;89.19、H;10.81
実測値(/%):C;89.25、H;10.75
[3,3’’’−ジメチルエチニル−5,7,5’,7’,5’’,7’’,5’’’,7’’’−オクタメチル−1,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−テトアラダマンタンの重合]
4)上記で得た3,3’’’−ジメチルエチニル−5,7,5’,7’,5’’,7’’,5’’’,7’’’−オクタメチル−1,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−テトアラダマンタン5.0gを、合成例2−2)と同様な方法で反応させることにより3.7gの重合体(D)を得た。得られた重合体(D)の分子量を、東ソー株式会社製ゲルパーミュエーションクロマトグラフ(GPC)を用いてポリスチレン換算で求めたところ、数平均分子量130,900であった。
(合成例5)
カゴ型構造を有しない化合物として、下記式(化9)のスキームにより重合体(E)を
合成した。得られた重合体(E)の分子量を、東ソー株式会社製ゲルパーミュエーションクロマトグラフ(GPC)を用いてポリスチレン換算で求めたところ、数平均分子量32,000であった。
Figure 2009084329
(合成例6)
フラスコ内で、テトラヒドロフラン60ml、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム1.73g、ヨウ化銅(II)0.72g、ビペリジン10ml、1,2,4−トリヨードベンゼン54.7g(120mmol)を加えた。次に、4,4’−ジエチニルジフェニルエーテル32.74g(150mmol)を加え、25℃で20時間反応させた。この反応液を酢酸1Lに滴下し、沈殿物集めて乾燥し、重合体(F)を得た。得られた重合体(F)の分子量を、東ソー株式会社製ゲルパーミュエーションクロマトグラフ(GPC)を用いてポリスチレン換算で求めたところ、数平均分子量22,900であった。
(合成例7)
200mlフラスコに、ジブロモアダマンタン5.0g(17mmol)、臭化アルミニウム2.3g(9mol)およびm−ジブロモベンゼン100mlを仕込み、60℃で10時間撹拌した。冷却後、反応液を、濃塩酸10gを溶解させた氷水150gに添加し、撹拌後、水層を除去した。過剰のジブロモベンゼンを減圧蒸留で除去した後、残渣に塩化メチレン100mlを添加、溶解させ、水および食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムを濾別後、エバポレーターで塩化メチレンを濃縮し、メタノール100mlを加えて撹拌した。析出した結晶を濾別し、減圧乾燥させた。この結晶6.0gを200mlフラスコに仕込み、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム200mg、トリフェニルホスフィン400mg、よう化銅(I)180mgおよびトリエチルアミン100mlを加え、80℃まで昇温した。トリメチルシリルアセチレン6.7gを1時間かけて滴下し、80℃で4時間反応させた。冷却後、溶媒を留去し、残渣にジエチルエーテル200mlを加え、不溶塩を濾過した。濾液を1mol/L塩酸、飽和食塩水および水で洗浄し、エーテル層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾別し、エーテルを留去し、残渣をカラムで精製した。生成物5.5gをメタノール150ml、テトラヒドロフラン100mlに溶解させ、炭酸カリウム0.5gを加え、室温で4時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、残渣に塩化メチレン200ml、1mol/L塩酸100mlを加え、撹拌後、塩酸相を除去した。塩化メチレン層を純水100mlで3回洗浄し、塩化メチレン相から溶媒を留去し、残渣を減圧乾燥することで、ビス(3,5−ジエチニルフェニル)アダマンタン3.0gを得た。このビス(3,5−ジエチニルフェニル)アダマンタンを、合成例2−2)と同様な方法で反応させることにより2.7gの重合体(G)を得た。得られた重合体(G)の分子量を、東ソー株式会社製ゲルパーミュエーションクロマトグラフ(GPC)を用いてポリスチレン換算で求めたところ、数平均分子量32,000であった。
樹脂膜の製造
(実施例1)
上述の合成例1−5)で得た重合体(A)3gを、シクロペンタノン27gに溶解させ、孔径が0.05μmのフィルターでろ過することで有機絶縁膜用ワニスとした。この有機絶縁膜用ワニスを用いて、スピンコーターにより、シリコンウエハー上に塗布した。この際、熱処理後の樹脂膜の厚さが約0.3μmとなるように、スピンコーターの回転数と時間を設定した。塗布後に200℃のホットプレート上で1分間乾燥。その後、400℃のオーブン中で窒素雰囲気下30分間硬化することで、硬化性樹脂の樹脂膜(硬化膜)を得た。樹脂膜を陽電子消滅寿命測定法で評価したところ、空孔サイズに対応した陽電子消滅寿命の第1ピークトップが、20.9nsであった。
(実施例2〜4)
実施例2〜4は、下記に記載の実施例1と異なるカゴ型構造もしくは重合性不飽和結合を有する化合物を用いた以外は、実施例1と同様にした。
合成例2−2)、合成例3−4)、合成例4−4)で得られた重合体(B)、(C)、(D)について、それぞれ実施例1と同様の操作を行うことで硬化性樹脂の樹脂膜(硬化膜)を得た。樹脂膜を陽電子消滅寿命測定法で評価したところ、空孔サイズに対応した陽電子消滅寿命の第1ピークトップが、それぞれ、21.4ns、20.3ns、21.7nsであった。
(比較例1)
下記に記載のカゴ型構造を有しない化合物を用いた以外は、実施例1と同様にした。
合成例5で得られた重合体(E)について、実施例1と同様の操作を行うことで硬化性樹脂の樹脂膜(硬化膜)を得た。樹脂膜を陽電子消滅寿命測定法で評価したところ、空孔サイズに対応した陽電子消滅寿命の第1ピークトップが、10ns以上の領域には認められなかった。
(比較例2)
下記に記載のカゴ型構造を有しない化合物を用いた以外は、実施例1と同様にした。
合成例6で得られた重合体(F)について、得られた重合体2.5gをアニソール22.5gに溶解させて有機絶縁膜用ワニスとした以外は実施例1と同様の操作を行うことで硬化性樹脂の樹脂膜(硬化膜)を得た。樹脂膜を陽電子消滅寿命測定法で評価したところ、空孔サイズに対応した陽電子消滅寿命の第1ピークトップが、10ns以上の領域には認められなかった。
(比較例3)
カゴ型構造および重合性不飽和結合を有する化合物であるが、陽電子消滅寿命の第1ピークトップが10ns以上の領域には認められないものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
合成例7で得られた重合体(G)について、得られた重合体2.5gをアニソール22.5gに溶解させて有機絶縁膜用ワニスとした以外は実施例1と同様の操作を行うことで硬化性樹脂の樹脂膜(硬化膜)を得た。樹脂膜を陽電子消滅寿命測定法で評価したところ、空孔サイズに対応した陽電子消滅寿命の第1ピークトップが、10ns以上の領域には認められなかった。
樹脂膜の評価
各実施例および比較例で得られた樹脂膜について、以下の評価を行った。評価項目を内容と共に示す。得られた結果を表1に示す。
1.膜厚
膜厚は、n&kテクノロジー社製n&kアナライザー1500で評価した。
2.誘電率
誘電率は、日本エス・エス・エム(株)製、自動水銀プローブCV測定装置SSM495で評価した。
3.空隙径およびI4(%)項
空隙径およびI4(%)項は、陽電子消滅寿命測定法で評価した。
ここで、前記陽電子消滅寿命は、例えば陽電子・ポジトロニウム寿命測定・ナノ空孔計測装置(フジ・インバック株式会社製)を用いて、陽電子が消滅する際に発生する電磁波(消滅γ線)を測定することで求めることができ、得られたスペクトルを陽電子消滅寿命解析プログラムで逆ラプラス変換処理解析することにより空孔サイズ分布およびナノレベル空孔成分情報を含むI4(%)項を得た。
4.ガラス転移温度(Tg)
Tgは、膜を削り取り、ティー・エイ・インスツルメント社製DSC−Q1000装置で評価した。測定温度範囲を、250℃〜450℃とし、昇温速度を2℃/分とした。ガラス転移温度の評価は、250℃〜450℃の温度範囲においてリバースヒートフローに変極点がないかを解析して求めた。
5.弾性率
弾性率は、MST社製ナノインデンターで薄膜測定用プログラムを用いて評価した。
Figure 2009084329
表1から明らかなように、実施例1〜4の樹脂膜は、誘電率が低く、かつ弾性率が高く機械強度に優れていた。
半導体装置の製造
次に、実施例2および3で得られた樹脂膜を用いた半導体装置について、信号遅延の評価を行った。実施例2および3の樹脂膜を層間絶縁膜として用いた半導体装置は、層間絶縁膜の誘電率が低いので、特に信号遅延の低減効果に優れていた。
陽電子消滅寿命測定法で得られる陽電子消滅寿命スペクトルの一例を示す図である。 半導体装置を模式的に示した断面図である。
符号の説明
1 半導体基板
2 層間絶縁膜
3 銅配線層
4 バリアメタル層
5 ハードマスク層
100 半導体装置

Claims (14)

  1. 樹脂膜を形成するために用いる樹脂組成物であって、
    前記樹脂組成物は、カゴ型構造を有する化合物を含み、
    前記カゴ型構造を有する化合物は、該カゴ型構造を有する化合物を製膜して陽電子消滅寿命測定法で測定して得られる空孔サイズに対応した陽電子消滅寿命の第1ピークトップが、10ns以上の領域にあることを特徴とする樹脂組成物。
  2. さらに、陽電子消滅寿命の第2ピークトップが、10ns未満の領域に存在するものである請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記第1ピークトップの強度が、前記第2ピークトップの強度よりも強いものである請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記第1ピークトップにおける陽電子消滅寿命が、10ns以上、50ns以下である請求項1ないし3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 前記カゴ型構造を有する化合物の密度が、0.7以上、1.0以下である請求項1ないし4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 前記カゴ型構造を有する化合物は、アダマンタン構造を最小単位に有する化合物である請求項1ないし5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 前記カゴ型構造を有する化合物は、重合性不飽和結合を有する官能基を複数以上有しているものである請求項1ないし6のいずれかに記載の樹脂組成物。
  8. 前記カゴ型構造を有する化合物は、前記重合性不飽和基を反応させて得られた重合体である請求項7に記載の樹脂組成物。
  9. 前記重合体の数平均分子量が、2,000以上、500,000以下である請求項8に記載の樹脂組成物。
  10. 実質的に空孔形成剤を含まないものである請求項1ないし9のいずれかに記載の樹脂組成物。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物で構成されていることを特徴とする樹脂膜。
  12. 絶縁膜、表面保護膜およびエッチング保護膜の中から選ばれる1種以上の膜として用いられる請求項11に記載の樹脂膜。
  13. 前記樹脂膜を陽電子消滅寿命測定法で測定して得られるスペクトルを、陽電子消滅寿命解析プログラムで解析処理して得られるナノレベル空孔成分を含むI4(%)項が5〜40%である請求項11または12に記載の樹脂膜。
  14. 請求項11に記載の樹脂膜を有することを特徴とする半導体装置。
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