JP5186599B2 - 電子銃、真空処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は電子銃に関するものである。
電子銃は放出した電子を加速すると共にビーム状に収束させ、電子ビームを真空槽内に配置した対象物に照射する装置であり、例えば、対象物に電子ビームを照射して加熱し、真空雰囲気中で基板の成膜を行う成膜装置に用いられている。
このような電子ビームが電子銃の内部や真空槽の内部を進行する際に、残留ガスと衝突し、正に帯電したイオンを発生させる。
その正イオンは、電子ビームの空間電荷に引き寄せられ、電子ビームの中心軸線上に集まり、さらに電位の低いカソード電極に向かって中心軸線に沿って逆進する。
真空槽内や電子放出口付近で発生した正イオンは最終的にカソード電極に引き付けられて加速され、カソード電極に衝突してしまう。
この衝突によるイオン衝撃によってカソード電極は損傷を蒙り、電子放出面の後退、変形、甚だしい場合には中心部に穿孔が生じ、カソード電極の寿命を縮める主要な原因となっている。また、イオンの衝突によってカソード電極がスパッタされ、飛散したカソード電極材料は主にアノード電極に付着して、これがアノード電極の温度変化などにより剥がれるなどして異常放電の原因にもなっている。
特公平07−007648号公報
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、真空槽内部や電子銃内部で電子と残留ガスとが衝突し、発生した正イオンがカソード電極に衝突することを防止し、長寿命の電子銃を提供することにある。
本発明は、加熱されて熱電子を放出するカソード電極と、前記カソード電極から放出された電子ビームを集束するウェーネルト電極と、アノード孔を有し、前記カソード電極に対して正電圧が印加され、前記熱電子が電子ビームとして前記アノード孔を通過するアノード電極と、前記アノード電極に対して正電圧が印加され、前記アノード電極と前記電子ビームが放出される放出口の間に設けられ、前記電子ビームを中心軸線に沿って通過させるリペラー電極と、前記リペラー電極を通過した前記電子ビームが放出される放出口とを有する電子銃である。
本発明は、前記カソード電極と前記ウェーネルト電極と前記アノード電極と前記リペラー電極が配置された筺体を有し、前記筺体には、前記筺体内の空間のうち、前記アノード電極と前記カソード電極との間の部分を真空排気する第一の真空排気口と、前記アノード電極と前記放出口の間の部分を真空排気する第二の真空排気口とが設けられた電子銃である。
本発明は、前記リペラー電極には細孔が形成され、前記リペラー電極で囲まれた空間に位置するガスは、前記細孔を通過して前記第二の真空排気口から真空排気される電子銃である。
本発明は、前記リペラー電極は網状の導電材料によって円筒形形状に成形された電子銃である。
本発明は、前記リペラー電極は、内周面が同一の筒形状の側面に位置するようにされた電子銃である。
本発明は、真空槽と、上記いずれかの電子銃とを有し、前記真空槽の内部と前記電子銃の内部が接続され、前記真空槽内に前記放出口から放出された前記電子ビームが照射される照射対象物が配置された真空処理装置である。
本発明は上記のように構成されており、リペラー電極は、その中心軸線上を電子ビームが通過する軸対称の円筒形形状又はリング形形状であり、アノード電極よりも電子ビームの下流側に配置されている。
リペラー電極には、アノード電極に対して正電圧が印加され、放出口側からリペラー電極に向かって飛来する正イオンを放出口側に押し戻すように構成されている。
リペラー電極により電子ビームの中心軸線上を遡上してくる正イオンを真空槽側に追い返すことにより、カソード電極の損傷を防ぎ寿命を延ばすことができる。同時に、イオンボンバードによりスパッタされたカソード電極材料がアノード電極に付着することによる異常放電の発生を低減させる。
また、リペラー電極には細孔を形成し、細孔を介してリペラー電極で取り囲んだ空間を真空排気できるようにしたから、リペラー電極を設けても中間室の排気を妨げない。
本発明の電子銃を説明するための図 リペラー電極を無くしたときの電子銃内部の正イオンの挙動を説明するための図 本発明の一例の電子銃内部の正イオンの挙動を説明するための図 本発明の一例の電子銃の電子ビームの軌道外形を説明するための図 (a):本発明の一例の真空処理装置を説明するための図 (b):導電性の網で形成したリペラー電極を説明するための図
2:真空処理装置
3:基板
4:蒸着材料
5:基板ホルダ
6:真空槽用真空ポンプ
10:電子銃
11:筺体
12:底面
13:放出口
16、17:真空ポンプ
18:真空槽
21:カソード電極
22:ウェーネルト電極
23:アノード電極
24:リペラー電極
25:ウェーネルト孔
26:アノード孔
28:中心軸線
31:第一集束コイル
32:第二集束コイル
33:揺動コイル
34:第一の真空排気口
35:第二の真空排気口
図5(a)は、本発明の一例の真空処理装置2であり、真空槽18の内部に蒸着材料4が配置され、蒸着材料4の上方に基板ホルダ5が配置されている。
真空槽18には、真空槽用真空ポンプ6が接続されており、この真空槽用真空ポンプ6によって真空槽18内部を真空排気し、真空雰囲気を維持しながら真空槽18内に基板3を搬入し、基板ホルダ5に保持させる。
真空槽18の壁面や天井に、本発明の電子銃10が取り付けられており、電子銃10内を直接真空排気して、電子銃10内を真空槽18内よりも高真空雰囲気にしながら、電子銃10から電子ビームを真空槽18内に放出させ、蒸着材料4に照射すると、真空雰囲気中で蒸着材料4が蒸発し、その蒸気が基板3に到達して基板3表面に蒸着材料4の薄膜が形成される。
図1に本発明による電子銃10の内部の模式図を示す。
この電子銃10は、筒状の筺体11を有しており、筺体11の一端部には放出口13が形成されている。放出口13とは反対側の底面12の上には、カソード電極21が配置されている。また、カソード電極21と近接して離間した位置にウェーネルト電極22が配置されている。
ウェーネルト電極22は、中央に貫通孔であるウェーネルト孔25を有するリング形状であり、カソード電極21と同じ中心軸線28を持ち、ウェーネルト孔25の内面とカソード側面が隣合うように配置する。
カソード電極21とウェーネルト電極22よりも放出口13側には、ウェーネルト電極22側からアノード電極23とリペラー電極24とがこの順序で配置されている。
アノード電極23は、中央に、貫通孔であるアノード孔26を有するリング形状であり、リペラー電極24は、一端をカソード電極21側と他端を放出口13側に向けた筒形状であり、リペラー電極24の中心軸線28は、カソード電極21の中心を通っており、また、ウェーネルト電極22の中心軸線とアノード電極23の中心軸線と一致するようにされている。ここでは、リペラー電極24は、リペラー電極24内部の電界が軸対称になるように、円筒形状である。
筺体11は、筺体11の内部が、放出口13を介して、真空槽18の内部と接続するように真空槽18に取り付けられており、筺体11は真空槽18と共に接地電位に接続されている。
筺体11及び真空槽18の外部には電源装置30が配置されており、各電極21〜24は電源装置30に接続されている。
筺体11には、第一、第二の真空排気口34、35が設けられており、第一、第二の真空排気口34、35は、真空ポンプ16、17に接続されている。ここでは、第一、第二の真空排気口34、35は、それぞれ別の真空ポンプ16、17に接続されている。
真空処理装置2を使用する際には、真空槽用真空ポンプ6と、第一、第二の真空排気口34、35に接続された真空ポンプ16、17とを動作させ、真空槽18の内部と筺体11の内部とを真空排気しておく。
カソード電極21の裏面には、加熱装置38が配置されており、加熱装置38を発熱させ、カソード電極21を加熱しながら、電源装置30によって、カソード電極21には接地電位に対する負電圧を印加し、ウェーネルト電極22にはカソード電極21と同電圧を印加する。アノード電極23にはカソード電極21に対する正電圧を印加する。ここではアノード電極23は接地電位に接続されている。
カソード電極21には、負の高電圧(例えば−40kV)が印加されており、カソード電極21から放出された熱電子は、ウェーネルト電極22とアノード電極23とによってビーム状に集束され、アノード電極23によって加速され、ウェーネルト孔25とアノード孔26を通過し、リペラー電極24の中心軸線28に沿って進行し、リペラー電極24内を通過する。
電源装置30により、リペラー電極24にはアノード電極23に対する正電圧が印加されているが、ビームの中心軸はリペラー電極24の中心軸線28と一致しているのでビームの軸対称性が崩れることはない。
各電極21〜24の電位を比較すると、ウェーネルト電極=カソード電極<アノード電極<リペラー電極 の順にされており、ここではアノード電極23は接地電位に接続されている。
符号31、32、33は、それぞれ第一集束コイルと第二集束コイルと揺動コイルであり、第一集束コイル31は、アノード電極23の一部の外側に位置し、アノード電極23の一部を取り囲んで配置されている。
第二集束コイル32と揺動コイル33は、第一集束コイル31よりも電子ビームの下流側であって、第一集束コイル31側からこの順序で、電子ビームの軌道を取り囲むように配置されている。リペラー電極24は、第一集束コイル31と第二集束コイル32の間に位置している。
電子ビームは第一、第二集束コイル31、32によって集束されて放出口13から放出され、真空槽18内の対象物に照射される。
図4の符号L1は、リペラー電極24に、接地電位に対して300Vの正電圧を印加したときの電子ビームの軌道外形を示す曲線であり、リペラー電極24を設けないときと略同じ形状であることが確認されている。従って、正電圧を印加されるリペラー電極24は、第一、第二の集束コイル31、32の電子ビーム集束作用に悪影響を及ぼすものではないことが分かる。
この図4及び後述する図2、3は、電子銃10及びリペラー電極24の中心軸線28の排気口が位置する片側だけが示されている。
なお、揺動コイル33を動作させると放出口13から放出される電子ビームは進行方向が揺動され、対象物には、電子ビームの断面積よりも大きい範囲に照射することができる。
上述した第一の真空排気口34は、筺体11内部の空間のうち、アノード電極23とカソード電極21との間の部分である電子銃室に接続され、電子銃室に位置するガスを真空排気するように構成されている。
また、第二の真空排気口35は、筺体11内部の空間のうち、アノード電極23と放出口13の間の部分であって、第二集束コイル32よりもカソード電極21に近い部分である中間室に接続され、中間室内に位置するガスを真空排気するように構成されている。
ここでは、上述したように、電子ビームは、リペラー電極24の中心軸線28上を中心軸線28が伸びる方向に沿って進行しており、第二の真空排気口35はリペラー電極24の外側に配置されている。
リペラー電極24は、図5(b)に示すように、金属製の網41から構成されており、中間室に位置するガスは、網41の目42を通過して、第二の真空排気口35から真空排気される。
なお、上述した実施例では、金属製の網としたが、複数本の金属製の細い棒で同じ円筒の側面に位置するように、電子ビームの進行方向と平行に等間隔に配置して、筒状形状のリペラー電極24を構成してもよい。また、細孔が多数形成された導電性の板を円板状に成形してリペラー電極24にしてもよい。また、金属製の中空円筒の一部をスリット加工や切り欠き加工、例えば、王冠形状に加工し、または、螺旋形状に加工したリペラー電極24にしてもよい。
これらリペラー電極24では、細孔、スリット、又は切り欠きをガスが通過でき、通過したガスが第二の真空排気口35から真空排気される。
いずれのリペラー電極4の場合でも、スリット、切り欠き、細孔、又はその他のガス通過手段では、電子ビームの軌道に影響を及ぼさないように、リペラー電極24を電子ビームの中心軸線と垂直に交わる平面で截断したときに、ガス通過手段は電子ビームの中心軸線を中心として回転対称となるように設けることが望ましい。
リペラー電極24の機能を説明すると、アノード電極23に対する正電圧をリペラー電極24に印加すると、リペラー電極24の中心軸線28の位置の電位が、リペラー電極24が無い従来技術の電子銃に比べて、正電圧側に上昇されている。
電子銃10の筺体11の内部では、第一、第二の真空排気口34、35からの真空排気によって、電子銃室の圧力が中間室の圧力よりも低くなっており、中間室の圧力は、中間室よりも真空槽18に近い部分の圧力よりも低くなっている。
真空槽18の内部や、筺体11内部の中間室よりも真空槽18に近い部分は圧力の高い空間であり、多い残留気体に電子ビームが衝突し、残留気体が電離して正イオンが発生する。
発生した正イオンは、電位が低い電子ビームの中心軸線に集まり、更に負電位が大きいカソード電極21側に向かって進行する。
本発明の電子銃10では、リペラー電極24には、アノード電極23に対して正電圧が印加され、リペラー電極24の中心軸線28の電位が、正電圧を印加されるリペラー電極24が無いときよりも上昇されている。
特に、本発明では、カソード電極21から放出された電子ビームがリペラー電極24の中心軸線28上を進行しているときでも、リペラー電極24の中心軸線28上の電位が、リペラー電極24内部で最大になる電圧がリペラー電極24に印加されている。
従って、放出口13とリペラー電極24の間にはリペラー電極24側の電位が、放出口13側の電位よりも高い電界が形成され、真空槽18内部やリペラー電極24よりも放出口13に近い空間内で発生した正イオンは、その電界によって押し戻され、リペラー電極24が形成する電界を越えてカソード電極21側に侵入しないようになっている。
図3は、図1の構造の電子銃のカソード電極21から電子ビームを照射したときに電子銃10の内部に位置する正イオンの挙動をシミュレーションした結果であり、カソード電極21に引き付けられ、カソード電極21に入射した正イオンが位置していた範囲を、符号Aを付した一点鎖線で囲んで示した。
また、電子ビームを照射してもカソード電極21に到達しなかった正イオンが位置していた範囲を、符号Bを付した一点鎖線で囲んで示した。
電子銃室と中間室は、第一、第二の真空排気口34、35からそれぞれ直接真空排気されており、電子銃室は1×10-4Pa以下、中間室は1×10-3Pa以下の圧力にされており、実際には正イオンはほとんど発生せず、カソード電極21に入射する正イオンは微少である。
シミュレーションの条件は、リペラー電極24の電位は+300V、ウェーネルト電極22の電位は−40kV、カソード電極21の電位は−40kV、アノード電極23は0V(接地電位)、電子ビーム電流は6Aである。イオン初速としては1000Kのランダムな熱速度を与えた。
その条件では、リペラー電極24よりも放出口13側に位置していた正イオンは、カソード電極21側に移動せず、真空槽18内や、真空槽18に近い空間で多量に発生した正イオンは、カソード電極21には入射しないことが分かった。
図2は、図1の構造の電子銃10からリペラー電極24をはずした電子銃のシミュレーション結果であり、正電圧を印加されるリペラー電極24が無い他は、図1の電子銃10と同じ構造の電子銃のシミュレーション結果である。
リペラー電極24が位置する部分よりも放出口13に近い位置の正イオン(符号Aの範囲)がカソード電極21に入射しており、この位置の残留ガスの圧力は高いために、大量に発生した正イオンが入射するから、カソード電極21が早く損傷することが分かった。
なお、上記実施例では、本発明の真空処理装置が蒸着装置の場合を説明したが、蒸着装置に限定されるものではなく、他の真空処理装置も含まれる。
また、上記実施例では、リペラー電極24は内周も外周も円筒状であったが、内周面が円筒状であれば、外周面が円筒でなくてもよい。
リペラー電極の断面形状は、上記実施例のように、電子ビームの軌道に影響を及ぼさない円形が望ましいが、装置構成上の制約や製造コストの都合により、ルーローの三角形やペリトロコイド曲線(繭型)といった多角形と円弧を組み合わせた形状でも良い。
また、内周面が円筒形状の側面と密着できる螺旋形状のリペラー電極も含まれるし、互いに電気的に接続された複数の円形リングを、互いに平行に、中心が同一の中心軸線上に位置するようにしてリペラー電極を構成してもよい。
また、互いに電気的に接続された棒状の電極を、一つの円の円周上に、互いに平行に、円柱とは直角に、設けてリペラー電極を構成してもよい。
要するに、上記実施例のリペラー電極24は、内周面が同一の筒形状の側面に位置するようにされたリペラー電極の一例である。
また、円筒に限らず、内周面が一方の開口が他方の開口よりも広がった円錐台形状のリペラー電極であってもよい。

Claims (6)

  1. 加熱されて熱電子を放出するカソード電極と、
    前記カソード電極から放出された電子ビームを集束するウェーネルト電極と、
    アノード孔を有し、前記カソード電極に対して正電圧が印加され、前記熱電子が電子ビームとして前記アノード孔を通過するアノード電極と、
    前記アノード電極に対して正電圧が印加され、
    前記アノード電極と前記電子ビームが放出される放出口の間に設けられ、前記電子ビームを中心軸線に沿って通過させるリペラー電極と、
    前記リペラー電極を通過した前記電子ビームが放出される放出口とを有する電子銃。
  2. 前記カソード電極と前記ウェーネルト電極と前記アノード電極と前記リペラー電極が配置された筺体を有し、
    前記筺体には、前記筺体内の空間のうち、前記アノード電極と前記カソード電極との間の部分を真空排気する第一の真空排気口と、前記アノード電極と前記放出口の間の部分を真空排気する第二の真空排気口とが設けられた請求項1記載の電子銃。
  3. 前記リペラー電極には細孔が形成され、
    前記リペラー電極で囲まれた空間に位置するガスは、前記細孔を通過して前記第二の真空排気口から真空排気される請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の電子銃。
  4. 前記リペラー電極は網状の導電材料によって円筒形形状に成形された請求項3記載の電子銃。
  5. 前記リペラー電極は、内周面が同一の筒形状の側面に位置するようにされた請求項3記載の電子銃。
  6. 真空槽と、
    請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の電子銃とを有し、
    前記真空槽の内部と前記電子銃の内部が接続され、
    前記真空槽内に前記放出口から放出された前記電子ビームが照射される照射対象物が配置された真空処理装置。
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