JP5822767B2 - イオン源装置及びイオンビーム生成方法 - Google Patents

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Description

本発明はイオン源装置に関し、例えばイオン注入装置に適したイオン源装置、及びイオンビーム生成方法に関する。
イオン注入装置用のイオン源装置として、電子源と、電子源からの電子を反射するためのリペラとを備えたものが知られている(特許文献1)。
図3を参照して、イオン源装置の一例について説明する。
図3において、イオン源装置はプラズマ形成用空間を持つアークチャンバー20を有する。アークチャンバー20は、正面側の壁にフロントスリット20−1を有し、側面側の壁にソースガスの導入部20−2を有する。イオン源装置はまた、アークチャンバー20のプラズマ形成用空間を間に挟んだ対向位置の一方に電子源が設置され、他方にはリペラ23が設置されている。電子源はフィラメント21とカソード22を含む。フロントスリット20−1の前方には、イオンビームを通す開口を持つサプレッション電極24とGND(グランド)電極25がイオンビームの引出方向に並べて配置されている。
本イオン源装置は以下のように動作する。まず、フィラメント電源26でフィラメント21を発熱させてフィラメント21の先端に熱電子を発生させる。発生した熱電子をカソード電源27で加速してカソード22に衝突させ、その衝突時に発生する熱でカソード22を加熱する。加熱されたカソード22は熱電子を発生し、発生した熱電子はカソード22とアークチャンバー20の間に印加されたアーク電源28のアーク電圧によって加速され、ガス分子を電離するのに十分なエネルギーを持ったビーム電子としてアークチャンバー20内に放出される。
一方、アークチャンバー20内には導入部20−2からソースガスが導入されると共に、外部磁場Bが印加される。また、アークチャンバー20内にはカソード22の熱電子放出面と対向させてリペラ23が設けられている。リペラ23は電子を反射させる機能を持つ。外部磁場Bの方向は、カソード22とリペラ23を結ぶ軸と平行である。このため、カソード22から放出されたビーム電子は外部磁場Bに沿ってカソード22とリペラ23の間を往復移動し、アークチャンバー20内に導入されたソースガス分子と衝突電離してイオンを発生させ、アークチャンバー20内にプラズマ状態を生成する。
ビーム電子は印加磁場によってほぼ限局された範囲に存在するので、イオンは主にその範囲内で生成され、拡散によりアークチャンバー20の内壁、フロントスリット20−1、及びカソード22、リペラ23に到達し、壁面で失われる。
一方、イオンビームの引出しについては、フロントスリット20−1に拡散してきたプラズマから磁場に平行なスリットを通して行われるが、引き出されるイオンビームの電流(引出電流)はフロントスリット20−1でのプラズマ密度に大きく左右される。例えばフロントスリット20−1でのプラズマ密度が高ければ引出可能なビーム電流(引出電流)は大きくなる。
特開2002−117780号公報
ところで、アークチャンバー20内のプラズマの拡散では、外部磁場Bに平行な拡散に比べ外部磁場Bに直角な方向の拡散はしにくい。従って、プラズマ密度は、外部磁場Bに直角な方向に関しては急速に低下する。現状のイオン源装置では、ビーム引出部はプラズマが外部磁場Bに直角な方向に拡散していく位置に置かれている。つまり、フロントスリット20−1は、外部磁場Bの方向と直交する方向のアークチャンバー20の壁に設けられている。このため、フロントスリット20−1でのプラズマ密度が低くなり、引き出されるイオンビーム量、つまり引出電流も制限される。
現状では、引出ビームを多くするため、即ち、フロントスリット20−1でのプラズマ密度を高くするために、カソード22からの熱電子電流を大きくする等の方法が採られているが、当然のことながらカソード22やリペラ23のプラズマ密度も高くなるためカソード22の寿命が短くなる等の問題が生じている。
イオン注入装置等のイオン源装置においては、生産性向上の観点から見て、イオン源装置からの引出電流をより多く得ることが求められる。引出電流を多く得るためには、より高密度のプラズマをイオン源装置のイオンビーム引出部(フロントスリット)近傍に生成することが必要になる。そのためには、イオン源装置へ高パワーを投入することが必要である。
これに対し、本発明は、高パワーを投入することなくイオンビーム引出部近傍のプラズマ密度を高くできるようにして引出電流を大きくすることを目的とする。
本発明の態様によれば、プラズマ形成用空間を持つアークチャンバーに、中性分子を電離するビーム電子を生成するための熱電子を放出するカソードを設けると共に、前記プラズマ形成用空間を間において前記カソードの熱電子放出面に対向するようにリペラを配置した構成を備え、前記プラズマ形成用空間に、前記カソードと前記リペラを結ぶ軸と平行な方向にソース磁場装置により誘起される外部磁場Bを印加するよう構成し、前記リペラのうち、前記プラズマ形成用空間に形成されたプラズマ中の最も密度の高い部分に対応する箇所に開口部を設け、該開口部からイオンビームを引き出すよう構成したことを特徴とするイオンビーム生成用のイオン源装置が提供される。
本イオン源装置においては、前記イオンビームの引出方向は前記カソードと前記リペラを結ぶ軸と平行である。
本イオン源装置においては、前記開口部は、前記アークチャンバーにおけるイオンビームの出口開口と対向する箇所に設けられることが望ましく、前記開口部の形状、前記イオンビームの出口開口の形状はそれぞれ円形で良いが、その他の形状でも良い。
本イオン源装置においては、前記開口部は、前記イオンビームの出口開口と同じ大きさかあるいは小さく、しかも前記プラズマ形成用空間に形成されたプラズマの密度を低下させない大きさであることが望ましい。
本イオン源装置においては、前記リペラを前記カソードと前記リペラを結ぶ軸の方向に可動とし、前記イオンビームの出口開口と前記リペラとの間のギャップを可変とする手段を備えるようにしても良い。
本イオン源装置においては、前記リペラは電位をかけずにフローティングとしても良いし、あるいはまた前記リペラに負の定電位あるいは負の可変電位を印加しても良い。
本イオン源装置においては、前記アークチャンバーは筒状であってその中心軸方向の一端側に前記カソードを含む電子源が設置されると共に、他端側に前記リペラが設置され、前記アークチャンバーの周囲に該アークチャンバーの筒壁を包囲するように前記ソース磁場装置が配置される。
本発明の別の態様によれば、プラズマ形成用空間を持つアークチャンバーに、中性分子を電離するビーム電子を生成するための熱電子を放出するカソードを設けると共に、前記プラズマ形成用空間を間において前記カソードの熱電子放出面に対向するようにリペラを配置した構成を備えるイオン源装置によるイオンビームの生成方法において、前記プラズマ形成用空間に、前記カソードと前記リペラを結ぶ軸と平行な方向にソース磁場装置により誘起される外部磁場Bを印加し、前記リペラのうち、前記プラズマ形成用空間に形成されたプラズマ中の最も密度の高い部分に対応する箇所に設けた開口部からイオンビームを引き出すようにしたことを特徴とするイオンビーム生成方法が提供される。
本発明によるイオン源装置は、従来のプラズマ引出部におけるプラズマ密度と比較して数十倍の高密度プラズマからのイオンビーム引出しが可能となるため、ビーム電流の増強が可能となる。
一方、従来と同等のビーム電流を得る場合には、投入パワーや導入ガス量は少なくて済む利点がある。
多価のイオンを増加させるためにアーク電源の電圧を高く設定することが必要であるが、従来であればカソードのプラズマ密度を高くしようとするとカソードは短寿命となる問題があった。しかし、本発明では、カソードのプラズマ密度を高くするのではなく、従来のプラズマ引出部のプラズマ密度に比べれば十分に高いカソードのプラズマ密度にほぼ等しいプラズマからイオンビームを引き出すことを可能したので、カソードのプラズマ密度を高くする場合に比べればカソード寿命が延びる。
本発明に係るイオン源装置を説明するための正面図(図a)及び側面断面図(図b)である。 図1のイオン源装置において、リペラの位置を可変とするための機構の一例を説明するための側面断面図である。 従来型のイオン源装置を説明するための正面断面図(図a)及び側面断面図(図b)である。
図1を参照して、本発明によるイオン源装置の実施形態について説明する。図1(a)はイオン源装置をイオンビームの引出部側から見た正面図であるが、図1(b)に示したサプレッション電極14−1やグランド電極14−2を除いた状態で見た場合を想定している。
[構成]
図1において、本イオン源装置は、プラズマ形成用空間を持つアークチャンバー10を備える。アークチャンバー10は、筒状、ここでは円筒状のものを横向きとし、中心軸方向の一端側(背面側)に電子源を構成している。図3で説明した電子源と同様、本イオン源装置における電子源もフィラメント11、カソード12を含む。カソード12は、その熱電子放出面から、中性分子を電離するビーム電子を生成するための熱電子を放出する。アークチャンバー10の中心軸方向の他端側(正面側)の内部には、プラズマ形成用空間を間においてカソード12の熱電子放出面と対向するようにリペラ13を設置している。アークチャンバー10の中心軸方向の他端の中心には、イオンビームの出口開口10−1が設けられている。このほか、アークチャンバー10にはプラズマ形成用空間内にソースガスを導入するためのガス導入部が設けられるが、図示は省略している。
図3で説明した例と同様に、フィラメント11にはフィラメント電源16が接続され、フィラメント11とカソード12との間にはカソード電源17が、アークチャンバー10とカソード12との間にはアーク電源18がそれぞれ接続されている。
アークチャンバー10の周囲には、アークチャンバー10の筒壁を包囲するように、同心の筒状のヒートシールド19を介してソース磁場装置30が配置されている。ソース磁場装置30は、ここではソレノイドコイル30−1により実現され、プラズマ形成用空間に、カソード12とリペラ13を結ぶ軸と平行な方向に外部磁場Bを誘起して印加するものである。ソース磁場装置30は、ソレノイドコイル30−1による磁場の他、永久磁石装置による磁場で構成することができる。
図3で説明したように、アークチャンバー10の中心軸方向の他端側には、イオンビームの出口開口10−1から少し離れた外側の位置にサプレッション電極14−1やGND(グランド)電極14−2がイオンビームの引出方向に並べて配置される。
以上のような構成において、本実施形態では、リペラ13は、アークチャンバー10の中心軸方向の他端との間に所定のギャップGができるように配置している。リペラ13において、イオンビームの出口開口10−1と対向する箇所には開口部13−1を設けている。この対向箇所は、後述するように、板状のリペラ13のうち、プラズマ形成用空間に形成されたプラズマ中の最もイオン密度の高い部分に対応する箇所である。その結果、イオンビームの引出方向がカソード12とリペラ13を結ぶ軸と平行になり、しかも開口部13−1及び出口開口10−1の中心とそこから引き出されるイオンビームの中心軸が一致する。
ここでは、開口部13−1、出口開口10−1共に円形形状としているが、円形以外の形状でも良い。また、開口部13−1の大きさを出口開口10−1と同じかあるいは小さくする共に、プラズマ形成用空間に形成されるプラズマの密度を低下させることの無い大きさに設定する。
なお、リペラ13は、電位をかけずに、いわゆるフローティング状態にするか、数十Vの範囲でビーム電子を反射するに足りる大きさの負の固定電位あるいは可変電位を印加するようにしても良い。
以上のように、本実施形態に係るイオン源装置では、アークチャンバー10内に従来と同じく中性分子を電離するビーム電子を生成するための熱電子を放出するカソード12を配置すると共に、カソード12の熱電子放出面に対向するようにリペラ13を配置する。そして、カソード12とリペラ13を結ぶ軸と平行な方向にソレノイドコイル30−1により誘起される外部磁場Bを印加している。
ここで、従来は、イオンビームの引出しについては、イオンビームを引き出すために外部磁場Bの方向と直交する方向のアークチャンバーの正面側の壁にフロントスリットを設けイオンビームを引き出している。
これに対し、本実施形態では、リペラ13のうち、プラズマ形成空間に形成されたプラズマ中で最もイオン密度の高い部分に対応する箇所に開口部13−1を設け、その開口部13−1から出口開口10−1を通してイオンビームを引き出すようにしている。このようなイオン源装置は、いわば軸対称の構造を持つとも言える。
[作用]
次に、開口部13−1の作用について説明する。
一般に、カソード12から出たビーム電子は、外部磁場Bに沿って移動しリペラ13で反跳され、カソード12とリペラ13の間で往復運動する間に、ガス導入部から導入された中性ガスをイオン化し、発生したイオンは周囲のアークチャンバー内壁に拡散していく。
そのため、カソード12とリペラ13を結ぶ軸上であってプラズマ形成用空間の中心となるA点(図1a)で最もプラズマ密度が高く、外部磁場Bを横切って拡散するB点(アークチャンバー10の筒壁近傍)ではプラズマ密度が急速に低下する。
一方、カソード12とリペラ13を結ぶ軸上であってリペラ13に近いC点では外部磁場Bに沿った方向への拡散で、いわゆるプラズマの両極性拡散となり拡散しやすくプラズマ密度は高い。これは、カソード12に近い箇所でも同様である。ある条件のプラズマ密度計算では、B点はA点の1/100程度であるのに対し、C点はA点の1/2程度になる。従って、本実施形態でイオンビームを引き出すC点のプラズマ密度は、従来のイオンビーム引出部に対応するB点のプラズマ密度より約50倍程度高くなる。
なお、リペラ13に開口部13−1を設けると、中性分子の電離に寄与するビーム電子の一部はリペラ13では反跳されないが、引出部に到達して引出電位によって反跳されるためプラズマの生成効率が低下しない。
また、リペラ13とイオンビームの出口開口10−1との間の距離(ギャップG)を可変とすることで、イオンビーム出口部近傍のプラズマ密度を調整することができ、より特性の良いイオンビーム引出しが可能となる。
図2は、リペラ13の位置を可変とすることでリペラ13とイオンビームの出口開口10−1との間のギャップGを可変とする機構の一例を示す。図2において、イオン源装置の一端側(背面側)に設けられる蓋部材40の外側にリペラ位置調整装置45を設けている。リペラ位置調整装置45は、蓋部材40を貫通してアークチャンバー10とヒートシールド19の間を、アークチャンバー10の他端側に延びる軸部材46を有する。リペラ位置調整装置45は、手動又は自動で軸部材46を軸方向に変位させることができる構造となっている。軸部材46の先端はかぎ状になっていて、アークチャンバー10の側壁に設けた開口を通してリペラ13を保持し、かつ保持したリペラ13をアークチャンバー10の出口開口10−1に対して接近、離反可能にしている。47は真空シールである。また、特許文献1のように、リペラとビーム引出孔を兼用する場合には、リペラと同様にビーム引出孔は負電位となり、厳しいスパッタにより短時間でビーム引出孔が変形して、ビーム引出に支障をきたすものであるが、本発明によれば、リペラは負電位であるのに対し、ビーム引出孔がプラズマと同電位であるため、ビーム引出孔の変形の問題は発生せず、ビーム引出孔の長寿命化を図ることができる。
上記実施形態によれば、従来のプラズマ引出部におけるプラズマ密度と比較して数十倍の高密度プラズマからのイオンビーム引出が可能となるため、ビーム電流の増強が可能となる。一方、従来と同等のビーム電流を得る場合には、投入パワーや導入ガス量は少なくて済む利点がある。
従来であれば、イオンビームの引出部のプラズマ密度を高くするためにカソードのプラズマ密度を高くすると、カソードが短寿命となる問題があった。しかし、上記実施形態では、カソードのプラズマ密度を高くするのではなく、従来のプラズマ引出部のプラズマ密度に比べれば十分に高いカソードのプラズマ密度にほぼ等しいプラズマからイオンビームを引き出すことを可能にしたので、カソードのプラズマ密度を高くする場合に比べればカソード寿命が延びる。
以上、本発明を、好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、請求項に記載された本発明の精神や範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
10、20 アークチャンバー
10−1 出口開口
11、21 フィラメント
12、22 カソード
13、23 リペラ
13−1 開口部
14−1、24 サプレッション電極
14−2、25 GND電極
16、26 フィラメント電源
17、27 カソード電源
18、28 アーク電源
19 ヒートシールド
30 ソース磁場装置
30−1 ソレノイドコイル
40 蓋部材
45 リペラ位置調整装置
46 軸部材

Claims (8)

  1. プラズマ形成用空間を持つアークチャンバーの一端側に中性分子を電離するビーム電子を生成するための熱電子を放出するカソードを設け、他端側にはイオンビームの出口開口を設けると共に、前記アークチャンバーの他端側の内部には前記プラズマ形成用空間を間において前記カソードの熱電子放出面に対向するようにリペラを配置した構成を備え、
    前記プラズマ形成用空間に、前記カソードと前記リペラを結ぶ軸と平行な方向にソース磁場装置により誘起される外部磁場Bを印加するよう構成し、
    前記リペラのうち、前記プラズマ形成用空間に形成されたプラズマ中の最もプラズマ密度の高い部分に対応する箇所に開口部を設け、該開口部からイオンビームを引き出すよう構成し
    前記リペラは電位をかけずにフローティングとするか、又は、前記リペラに、アークチャンバーに対して負の定電位あるいは負の可変電位を印加する構成としたことを特徴とするイオンビーム生成用のイオン源装置。
  2. 前記イオンビームの引出方向が前記カソードと前記リペラを結ぶ軸と平行であることを特徴とする請求項1に記載のイオン源装置。
  3. 前記開口部は、前記アークチャンバーにおけるイオンビームの出口開口と対向する箇所に設けられ、前記開口部の形状、前記イオンビームの出口開口の形状がそれぞれ円形であることを特徴とする請求項1又は2に記載のイオン源装置。
  4. 前記開口部は、前記イオンビームの出口開口と同じ大きさかあるいは小さく、しかも前記プラズマ形成用空間に形成されたプラズマの密度を低下させない大きさであることを特徴とする請求項3に記載のイオン源装置。
  5. 前記リペラを前記カソードと前記リペラを結ぶ軸の方向に可動とし、前記イオンビームの出口開口と前記リペラとの間のギャップを可変とする手段を備えたことを特徴とする請求項3又は4に記載のイオン源装置。
  6. 前記アークチャンバーは筒状であってその中心軸方向の一端側に前記カソードを含む電子源が設置されると共に、他端側に前記リペラが設置され、前記アークチャンバーの周囲に該アークチャンバーの筒壁を包囲するように前記ソース磁場装置が配置されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のイオン源装置。
  7. プラズマ形成用空間を持つアークチャンバーの一端側に中性分子を電離するビーム電子を生成するための熱電子を放出するカソードを設け、他端側にはイオンビームの出口開口を設けると共に、前記アークチャンバーの他端側の内部には前記プラズマ形成用空間を間において前記カソードの熱電子放出面に対向するようにリペラを配置した構成を備えるイオン源装置によるイオンビームの生成方法であって、
    前記プラズマ形成用空間に、前記カソードと前記リペラを結ぶ軸と平行な方向にソース磁場装置により誘起される外部磁場Bを印加し、
    前記リペラのうち、前記プラズマ形成用空間に形成されたプラズマ中の最もプラズマ密度の高い部分に対応する箇所に設けた開口部からイオンビームを引き出すようにし
    前記リペラは電位をかけずにフローティングとするか、又は、前記リペラに、アークチャンバーに対して負の定電位あるいは負の可変電位を印加することを特徴とするイオンビーム生成方法。
  8. 前記イオンビームの引出方向が前記カソードと前記リペラを結ぶ軸と平行であることを特徴とする請求項に記載のイオンビーム生成方法。
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