JP5186104B2 - イソシアネート硬化型シーリング材組成物 - Google Patents

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Description

本発明はイソシアネート硬化型シーリング材組成物に関するものであり、さらに詳しくは耐候性、耐熱性および耐熱試験後の物性低下抑制に優れたイソシアネート硬化型シーリング材組成物に関するものである。
建築物や車両(例えばトラック架装部)等の内外装の目地部や窓枠周り、連結部等の密閉のために使用されるシーリング材には、シリコーン系、変成シリコーン系、ポリサルファイド系、アクリルウレタン系、ウレタン系等の各種のものがあり、これらは適用される部材の種類、目地の種類、必要とされる性能等により選択して使用されている。
これらのうちでも、ポリサルファイド系、アクリルウレタン系、ポリウレタン系、すなわち「イソシアネート硬化型シーリング材」は、成分中にウレタンプレポリマー(以下、単に「プレポリマー」と記載することがある)が含まれており、このプレポリマーの設計自由度が高いために、要求性能に合わせた物性調整が可能であるという特徴を有する。さらに、これらポリサルファイド系、アクリルウレタン系、ポリウレタン系シーリング材のなかで、ポリウレタン系シーリング材は経済性に最も優れるために、シーリング材分野における主力シーリング材として拡販されるに至っている。
また、近年、シーリング材分野においては、作業時間の短縮、行程の簡略化等の観点から、2液型よりも1液型が好まれ、さらになかでも硬化速度の速いものが好まれる傾向がある。硬化速度が速いシーリング材、すなわち短時間で表面が乾燥するタイプのシーリング材は、表面に塗装を施す等の次工程までの時間がさらに短縮され、生産性が向上するメリットを有する。
しかしながら、斯かるポリウレタン系シーリング材、特に1液湿気硬化型のポリウレタン系シーリング材においては、以下のような問題点があった。
(1)耐候性
屋外に暴露される形態で使用された場合には、硬化物の劣化が早く起きてしまい、クラック等が生じる。
(2)耐熱性
ポリウレタン系シーリング材において、硬化速度を速めるために、公知であるスズ触媒や3級アミノ基を有するモルホリン系触媒の添加量を増やすと、添加量の増加に従って硬化速度は速くなる一方、耐熱性が著しく低下する。
(3)耐熱試験後の物性低下
ポリウレタン系シーリング材のなかでも硬化速度が速くかつ低モジュラスタイプのものの場合、設計上プレポリマーの架橋密度およびウレタン基濃度が低いために特に耐熱試験後の物性低下が著しい。
これらの問題点は、ポリウレタン系シーリング材において特に顕著であるが、他のイソシアネート硬化型シーリング材においても、主鎖構造により若干の改善は見られるものの、基本的にはウレタン結合を有することから、同様の問題を潜在的に抱えている。
このような問題点を解決するための従来技術としては、表面の劣化を遅延させる添加剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤およびベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤を添加するなどの処方が施されている(例えば、非特許文献1)。
また、使用されるプレポリマーとして、通常のプレポリマー(主鎖骨格がプロピレングリコール)に代えて耐候性に優れたポリエステル系やアクリル系のものを用いるといったこと(例えば、特許文献1)や、脂肪族系のイソシアネート等いわゆる無黄変タイプのイソシアネートを用いるといったこともなされている。
また、硬化速度が速いタイプで耐熱試験後の物性低下を抑制するためには、プレポリマーの架橋密度およびウレタン基濃度を高く設計するといった手法が一般的である。
建築用シーリング材−基礎と正しい使い方−改訂版(日本シーリング材工業会編、平成14年、p.190) 特開2001−348560号公報
しかしながら、前述のように各種酸化防止剤、光安定剤および紫外線吸収剤を添加しても、十分な耐候性を付与することができていないのが現状である。また、プレポリマーとしてポリエステル系やアクリル系のものを用いたものでは、耐候性の改善は得られるものの、通常用いられるプレポリマーに比べて高価且つ高粘度であるために、コストの大幅な上昇を招くと同時に良好な作業性を付与するのが極めて難しいという問題を有している。また、脂肪族系のイソシアネート等いわゆる無黄変タイプのイソシアネートを用いた場合においても、汎用の芳香族系イソシアネート(TDIやMDI)を用いた場合と比較してコストの大幅な上昇を招くと同時に、イソシアネートの反応性が低いためにしばしば硬化性が極端に遅くなるという問題に直面する。
また、硬化速度が速いタイプで耐熱試験後の物性低下を抑制するために、プレポリマーの架橋密度およびウレタン基濃度を高く設計すると、製品のモジュラスが高くなりいわゆる硬くて伸びにくい物性となる。モジュラスが高いと、施工後目地が伸縮した場合に、シーリング材と目地界面でのはく離といった事故につながる。一方で、モジュラスを低く設定し硬化速度を速めると、加熱後の物性低下が著しくなる。
本発明は、これら従来のイソシアネート硬化型シーリング材、特に1液湿気硬化型のポリウレタン系シーリング材において問題とされていた、耐候性、耐熱性、耐熱試験後の物性低下抑制に優れたイソシアネート硬化型シーリング材組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、ポリスルフィドシラン化合物を配合することによって、上記課題をすべて解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、第1の発明は、ポリスルフィドシラン化合物を配合したイソシアネート硬化型シーリング材組成物であって、ポリスルフィドシラン化合物が、下記の一般式(1)で表される化合物であることを特徴とするイソシアネート硬化型シーリング材組成物である。
Figure 0005186104
・・・(1)
但し、xは2〜10の整数を、R 、R 、R は炭素数1〜20個のアルキル基を、nは0、1または2を、それぞれ示す。
また、第2の発明は、ポリスルフィドシラン化合物を配合したイソシアネート硬化型シーリング材組成物であって、ポリスルフィドシラン化合物が、下記の化学式(2)で表される化合物であることを特徴とするイソシアネート硬化型シーリング材組成物である。
Figure 0005186104
・・・(2)
また、第3の発明は、ポリスルフィドシラン化合物を配合したイソシアネート硬化型シーリング材組成物であって、ポリスルフィドシラン化合物が、下記の化学式(3)で表される化合物であることを特徴とするイソシアネート硬化型シーリング材組成物である。
Figure 0005186104
・・・(3)
また、第4の発明は、イソシアネート硬化型シーリング材組成物が、1液湿気硬化型ポリウレタン系シーリング材組成物であることを特徴とする、第1〜3の発明に係るイソシアネート硬化型シーリング材組成物である。
なお、本発明における「イソシアネート硬化型シーリング材組成物」とは、成分中に湿気硬化性のウレタンプレポリマーを含むシーリング材のことであり、具体的には、1成分形または2成分形であって、ポリウレタン系、アクリルウレタン系、ポリサルファイド系の各シーリング材組成物を指すものである。
イソシアネート硬化型シーリング材組成物において、ポリスルフィドシラン化合物を配合することによって、耐候性、耐熱性および耐熱試験後の物性低下抑制に優れたイソシアネート硬化型シーリング材組成物が得られる。
以下、本発明の実施の形態を、詳細に説明する。なお、本発明はこれらの例示にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
[シーリング材について]
シーリング材は、使用されるポリマーの種類によって、ポリウレタン系、シリコーン系、変成シリコーン系、ポリイソブチレン系、アクリルウレタン系、ポリサルファイド系等の分類がなされる。これらは、化学的な架橋反応により硬化するものであるが、硬化反応の種類で分類すると、(1)イソシアネート硬化型として、ポリウレタン系、アクリルウレタン系およびポリサルファイド系が、(2)シラノール硬化型として、変成シリコーン系およびポリイソブチレン系が、(3)脱ヒドロキシルアミン硬化型としてシリコーン系がある。また、製品形態としては、現場にて基剤と硬化剤を混合して用いる2成分形シーリング材と、混合を要さず紙管カートリッジ等の形態で供給され、直接目地部に施工可能な1成分形シーリング材とがある。
上記シーリング材が用いられる用途としては、土木・建築分野や車両(例えばトラック架装部)等の目地部や窓枠周り、連結部などの気密、水密用途等がある。これらは適用される部材の種類、適応箇所、必要とされる性能等により適宜選択して使用される。
[イソシアネート硬化型シーリング材について]
イソシアネート硬化型シーリング材について、代表的なポリウレタン系シーリング材を例にとり、説明する。
2成分形イソシアネート硬化型シーリング材は、「基剤」と「硬化剤」の2成分からなり、これら基剤と硬化剤は、建築・工事・組み立ての現場等においてシーリング材用混合機で均一に混合され、各種目地等に充填施工され、最終的に反応・硬化してゴム状のシーリング材組成物となる。基剤と硬化剤の反応・硬化機構は、ウレタンプレポリマーがその分子内に1以上、通常は複数有するイソシアネート基と、ポリオール化合物が有する水酸基との反応を利用したものである。
ウレタンプレポリマーと硬化剤の配合比率は、ウレタンプレポリマーのイソシアネート含有量からイソシアネート基数を算出し、硬化剤中のポリオール成分の水酸基含有量から水酸基数を算出し、その比率(NCO/OH比)が0.90〜1.30、好ましくは、1.05〜1.25の範囲になるように、各々の配合量を決定する。
2成分形イソシアネート硬化型シーリング材としての市販品としては、ボンド ビューシール6909(コニシ株式会社製2成分形ポリウレタン系シーリング材)、ボンド AUシール(コニシ株式会社製2成分形アクリルウレタン系シーリング材)、ボンド PSシール(コニシ株式会社製2成分形ポリサルファイド系シーリング材)等がある。
1成分形イソシアネート硬化型シーリング材は、2成分形のような混合を要さず紙管カートリッジ等の形態で供給され、直接目地部に施工可能なシーリング材である。1成分形イソシアネート硬化型シーリング材の反応・硬化機構は、組成物中に含まれるウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基が空気中の湿気と反応しカルバミン酸を形成し、その後脱炭酸してアミノ基を形成し、次いで該アミノ基と他のイソシアネート基とが反応する硬化機構ともしくはカルバミン酸とイソシアネート基が反応した後に脱炭酸する反応機構を経由することにより、架橋・硬化し、ゴム状のシーリング材組成物となるものである。
1成分形イソシアネート硬化型シーリング材としての市販品としては、ボンド ウレタンコーク、ボンド ウレタンコークNB(いずれもコニシ株式会社製1成分形ポリウレタン系シーリング材)、ボンド AUクイック(コニシ株式会社製1成分形アクリルウレタン系シーリング材)等がある。
[ウレタンプレポリマーについて]
ウレタンプレポリマーについて説明する。本発明におけるウレタンプレポリマーは、従来公知のポリイソシアネート化合物と、ポリオール、ポリアミン、ポリチオール等1分子中に2個以上の活性水素を有する化合物とを公知の方法で遊離イソシアネート基が残存するように反応せしめたものであり、公知の製造方法により得られる。
使用されるポリイソシアネート化合物としては、従来公知の分子中に複数個の、好ましくは平均2〜3個のイソシアネート基を有する脂肪族、芳香族、脂環族等のポリイソシアネート化合物が例示される。具体例を挙げれば、例えば2,4−および/または2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4’−および/または2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、その粗製品、これらの異性体混合物あるいはこれらのカルボジイミド変性物、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビュレットポリイソシアネート化合物、イソシアネート環を有するポリイソシアネート化合物、アダクトポリイソシアネート化合物、およびこれらのポリイソシアネート化合物の不飽和二重結合を水素添加した化合物等がある。
ポリオール、ポリアミン、ポリチオール等1分子中に2個以上の活性水素を有する化合物としては、その主鎖骨格によって、ポリエーテル系、ポリエステル系、アクリル系ポリカーボネート系、ポリカプロラクトン系、ポリブタジエン系、ポリオレフィン系等が例示される。また、これらの活性水素含有化合物の分子量は特に制限されないが、通常は分子量1,000〜20,000程度のものが用いられる。
これらのなかでも、低粘度で液状であり、取り扱いが容易なことからポリエーテル系ポリオールである、ポリオキシアルキレンジオール類およびポリオキシアルキレントリオール類の使用が好ましい。
ウレタンプレポリマーの製造方法について、一例を挙げれば、撹拌機、加熱装置、減圧脱水装置、窒素気流装置を備えたウレタン重合装置に、ポリオール成分として、ジオールとトリオールの質量比を0〜10/10〜0として仕込む。80〜100℃で減圧脱水後、窒素置換をおこない、窒素気流下で50℃程度に一旦冷却しNCO/OH比が1.1〜4.0、好ましくは1.3〜3.0となるように計算したポリイソシアネート化合物を添加後、80〜100℃で4〜8時間程度反応し、設計値のイソシアネート含有率に至れば、反応終点として冷却後、窒素パージしながら密閉容器に貯蔵する。
この際、任意の段階で少量のジブチル錫ラウリレート(DBTDL)のような重合触媒を配合してもよい。
得られたウレタンプレポリマーのNCO含有率は、0.7〜4.0%、好ましくは0.9〜2.2%の範囲にあることが好ましい。
[ポリスルフィドシラン化合物について]
本発明における、ポリスルフィドシラン化合物とは、分子中央部にポリスルフィド部があり、分子末端に加水分解性アルコシキシリル基を有する化合物を指し、以下の一般式(1)で示される。
Figure 0005186104
・・・(1)
但し、xは2〜10の整数を、R、R、Rは炭素数1〜20個のアルキル基を、nは0、1または2を、それぞれ示す。
なお、式中のR、RおよびRは互いに同じでも異なっていてもよく、またR同士、R同士およびR同士も異なっていてもよく、必ずしもスルフィド部を挟んで対称形である必要はない。本発明の要旨としては、ポリスルフィド部(Sx)および加水分解性アルコキシシリル基を有すればよく、これらの構造を有する化合物を使用すれば、本発明の効果が得られる。これらのなかでも、x=2または4、R=C、n=0、R=Cであるものが好ましい。
ポリスルフィドシラン化合物は、ウレタンプレポリマー100質量部あたり0.1〜20質量部、より好ましくは0.3〜15質量部配合される。ポリスルフィドシラン化合物はごく少量の配合でその効果を発揮するが、その配合量が0.1質量部よりも少ないとその効果は十分ではなく、その配合量が20質量部より多くてもその効果は頭打ちとなりコスト面から好ましくない。
このようなポリスルフィドシラン化合物の市販品としては、東レ・ダウコーニング(株)製Z−6920、Z−6940、信越化学工業(株)製KBE−846、GE東芝シリコーン(株)製A−1289,A−1589等が例示される。
その作用については、詳細には解明されていないが、イソシアネート硬化型シーリング材組成物の硬化物が有するウレタン結合に対して、ポリスルフィドシラン化合物が有するポリスルフィド部が作用し、耐候性および耐熱性を向上させる結果が得られるものと推察する。また、一般的な酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等は、シーリング材が屋外に暴露されている間表面にブリードすることによりその効果を発現するが、経時で雨水等により流されてしまうため、効果の持続時間に限りがあるのに対して、ポリスルフィドシラン化合物は分子内にアルコキシ基を有するため、シーリング材中の無機フィラーの表面に一部吸着するため効果が長く続くものと推察する。
[その他成分]
本発明に係るイソシアネート硬化型シーリング材組成物は、ポリスルフィドシラン化合物を含有するものであるが、更に従来公知の任意成分が含有されていてもよい。例えば、重質炭酸カルシウム、表面処理炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、珪砂、シリカ等の充填剤、酸化チタン、カーボンブラック、その他の染料或いは顔料等の着色剤、フタル酸系エステルやアジピン酸系エステル等の可塑剤、有機錫系触媒、アミン系触媒等の硬化触媒、ケトン類、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素等の希釈剤、粘接着付与剤、増粘剤、シランカップリング剤、光硬化性アクリル系オリゴマー、顔料分散剤、消泡剤、チタンカップリング剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等の任意成分が含有されていてもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、1液湿気硬化型ポリウレタン系シーリング材組成物を例示するが、2成分形イソシアネート硬化型シーリング材組成物においても同様の結果が得られる。
本発明は、ポリスルフィドシラン化合物をイソシアネート硬化型シーリング材組成物に配合することにより、耐候性、耐熱性、耐熱試験後の物性低下抑制に優れたイソシアネート硬化型シーリング材組成物が得られるという知見に基づくものとして解釈されるべきである。
以下の実施例、比較例で調製される1液湿気硬化型ポリウレタン系シーリング材組成物の耐候性、耐熱性および耐熱試験の前後の物性値は、次の試験方法により調査し、評価した。
(硬化物物性の測定)
離型板上に幅20mm、深さ5mm、長さ150mmの目地を作成し、1液湿気硬化型ポリウレタン系シーリング材組成物を充填し、23℃/50%RHの環境下で3日間養生後、引き続き50℃4日間の養生を行い試験に供した。このときの値を「養生後物性値」とする。この試験には、JIS−K−6301に準じた3号ダンベル状試験片を用い、引張速度を200mm/minとした。50%モジュラス(M50)、最大引張応力(Tmax)および破断時の伸び(Emax)を求めた。
(耐熱性試験)
上記で得られたダンベル状試験片を、80℃の環境下に14日間暴露した。暴露後の試験片について、上記と同様の硬化物物性の測定試験に供した。このときの値を「耐熱試験後物性値」とする。
<評価>
下記の計算式において求められる、最大引張応力(Tmax)の変化率の値が65%以上のもの(すなわち養生後と耐熱試験後における物性値の低下度合いの少ないもの)を○、65%以下のもの(すなわち養生後と耐熱試験後における物性値の低下度合いの大きいもの)を×とした。耐熱試験後において破断時伸びの値が著しく低下した場合には、長期暴露後の可動目地への追従性の低下、目地切れ等の諸問題の原因となる場合があるため好ましくない。
[変化率(%)]=( [耐熱試験後Tmax]/[養生後Tmax] )×100
(耐候性試験)
上記と同様に得た1液湿気硬化型ポリウレタン系シーリング材組成物の硬化物を、JIS−A−1415に準拠してサンシャインウェザーメーター(スガ試験機製WEL−SUN−HC型)を用いて照射し、経時での表面劣化を目視で観察した。
<評価>
目視による観察において試験体表面にクラックが発生するまでの時間を記録した。すなわち、クラックが入るまでの時間が長いほど、耐候性が良好であると判断した。
(試験に用いたウレタンプレポリマー)
以下の実施例、比較例で調製される1液湿気硬化型ポリウレタン系シーリング材組成物に用いたウレタンプレポリマーは、主鎖骨格がポリプロピレンオキサイドであり、分子末端にMDIに由来するイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(NCO含有率=1.65%)である。
(1液湿気硬化型ポリウレタン系シーリング材ベース組成物の調製)
2軸混連ミキサーに、ウレタンプレポリマーを500質量部、ジイソノニルフレタレートを350質量部、モルホリン系触媒としてUcat 660M(サンアプロ(株)製)を12質量部、パラトルエンスルホニルイソシアネートを7.5質量部、炭酸カルシウムを700質量部、酸化カルシウムを40質量部、酸化チタンを30質量部、粘度調整剤としてキシレン100質量部を順次投入し、真空状態で撹拌・混練し、その後脱泡を行い、1液湿気硬化型ポリウレタン系シーリング材ベース組成物(以下、単に「シーリング材ベース組成物」と記載する)を得た。
(実施例1)
上記シーリング材ベース組成物1739.5質量部(すなわち、ウレタンプレポリマー500質量部を含む組成物)に対し、ポリスルフィドシラン化合物としてZ−6940(東レ・ダウコーニング(株)製)2.5質量部を添加し、真空状態で撹拌・混練し、その後脱泡を行い、1液湿気硬化型ポリウレタン系シーリング材組成物を得た。
(実施例2)
実施例1におけるポリスルフィドシラン化合物2.5質量部を5.0質量部に増量したこと以外は、実施例1と同様に1液湿気硬化型ポリウレタン系シーリング材組成物を得た。
(実施例3)
実施例1におけるポリスルフィドシラン化合物2.5質量部を10質量部に増量したこと以外は、実施例1と同様に1液湿気硬化型ポリウレタン系シーリング材組成物を得た。
(実施例4)
実施例1におけるポリスルフィドシラン化合物2.5質量部を20質量部に増量したこと以外は、実施例1と同様に1液湿気硬化型ポリウレタン系シーリング材組成物を得た。
(実施例5)
実施例1におけるポリスルフィドシラン化合物2.5質量部を60質量部に増量したこと以外は、実施例1と同様に1液湿気硬化型ポリウレタン系シーリング材組成物を得た。
(比較例1)
上記のシーリング材ベース組成物をそのまま用いた。
(比較例2)
実施例1におけるポリスルフィドシラン化合物2.5質量部を、ヒンダードアミン系光安定剤であるTINUVIN765(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)10質量部に替えた以外は、実施例1と同様に1液湿気硬化型ポリウレタン系シーリング材組成物を得た。
(比較例3)
実施例1におけるポリスルフィドシラン化合物2.5質量部を、ヒンダードアミン系光安定剤であるアデカスタブLA−62を7.5質量部およびベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であるアデカスタブLA−36を2.5質量部(いずれも(株)アデカ製)に替えた以外は、実施例1と同様に1液湿気硬化型ポリウレタン系シーリング材組成物を得た。
(比較例4)
実施例1におけるポリスルフィドシラン化合物2.5質量部を、ヒンダードフェノール系酸化防止剤であるアデカスタブAO−60((株)アデカ製)10質量部に替えた以外は、実施例1と同様に1液湿気硬化型ポリウレタン系シーリング材組成物を得た。
(比較例5)
実施例1におけるポリスルフィドシラン化合物2.5質量部を、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびヒンダードフェノール系酸化防止剤の3種が予め混合調製されたTINUVIN B75(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)10質量部に替えた以外は、実施例1と同様に1液湿気硬化型ポリウレタン系シーリング材組成物を得た。
(比較例6)
実施例1におけるポリスルフィドシラン化合物2.5質量部を、シランカップリング剤である3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランを7.7質量部に替えた以外は、実施例1と同様に1液湿気硬化型ポリウレタン系シーリング材組成物を得た。
(比較例7)
実施例1におけるポリスルフィドシラン化合物2.5質量部を、チオエーテル系酸化防止剤であるアデカスタブAO−503((株)アデカ製)である10質量部に替えた以外は、実施例1と同様に1液湿気硬化型ポリウレタン系シーリング材組成物を得た。
Figure 0005186104
表1に実施例および比較例の組成、ならびに耐候性試験の結果を示す。
表1に示す結果によれば、本発明に係るポリスルフィドシラン化合物を配合した1液湿気硬化型ポリウレタン系シーリング材組成物(実施例1〜5)は、従来技術に係る光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を配合したもの(比較例2〜5)、もしくは配合しないもの(比較例1)、シランカップリング剤である3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランを配合したもの(比較例6)、チオエーテル系(すなわちS−S結合(ポリスルフィド部)を含まない)酸化防止剤であるアデカスタブAO−503を配合したもの(比較例7)と比較して、耐候性に優れることがわかる。
Figure 0005186104
表2に実施例4および比較例1の組成、ならびに耐熱性試験の結果を示す。表2に示す結果によれば、本発明に係るポリスルフィドシラン化合物を配合した1液湿気硬化型ポリウレタン系シーリング材組成物は、ポリスルフィドシラン化合物を配合しない1液湿気硬化型ポリウレタン系シーリング材組成物と比較して、耐熱試験後の物性低下抑制に優れることがわかる。
以上のように、本発明のイソシアネート硬化型シーリング材組成物によれば、従来のイソシアネート硬化型シーリング材、特に1液湿気硬化型のポリウレタン系シーリング材において問題とされていた、耐候性、耐熱性、耐熱試験後の物性低下抑制に優れたイソシアネート硬化型シーリング材組成物を得ることができる。

Claims (4)

  1. ポリスルフィドシラン化合物を配合したイソシアネート硬化型シーリング材組成物であって、ポリスルフィドシラン化合物が、下記の一般式(1)で表される化合物であることを特徴とするイソシアネート硬化型シーリング材組成物
    Figure 0005186104
    ・・・(1)
    但し、xは2〜10の整数を、R 、R 、R は炭素数1〜20個のアルキル基を、nは0、1または2を、それぞれ示す。
  2. ポリスルフィドシラン化合物を配合したイソシアネート硬化型シーリング材組成物であって、ポリスルフィドシラン化合物が、下記の化学式(2)で表される化合物であることを特徴とするイソシアネート硬化型シーリング材組成物
    Figure 0005186104
    ・・・(2)
  3. ポリスルフィドシラン化合物を配合したイソシアネート硬化型シーリング材組成物であって、ポリスルフィドシラン化合物が、下記の化学式(3)で表される化合物であることを特徴とするイソシアネート硬化型シーリング材組成物。
    Figure 0005186104
    ・・・(3)
  4. イソシアネート硬化型シーリング材組成物が、1液湿気硬化型ポリウレタン系シーリング材組成物であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のイソシアネート硬化型シーリング材組成物。
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