JP5185223B2 - 管路バイパス装置およびこの装置を用いる管路バイパス工法 - Google Patents
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Description
上記止水設備は、管路内径に沿って止水ゴムにより水封固定される弓形のキャッチ枠と、このキャッチ枠の弦上部に固定できるリリース樋受け部と、このリリース樋受け部と前記キャッチ枠の弦上部との間に形成される隙間を塞ぐ止水板とを備え、
上記バイパス設備は、上記リリース樋受け部に配置されるリリース樋配管と、上記弓形のキャッチ枠に設けられた開口孔部に接続されるリリース配管とを備え、
上記止水設備およびバイパス設備に用いられる部材がマンホールより搬入できる大きさであると共に、上記止水設備およびバイパス設備が補修区間内で組み立てられることを特徴とする。
また、上記リリース樋配管の上端開口部を覆う蓋を設けることを特徴とする。
(1)管路内径に沿って止水ゴムにより水封固定される弓形のキャッチ枠を、管路の流水の上流側と下流側とに設ける工程と、(2)キャッチ枠の弦上部にリリース樋受け部を固定すると共に、止水板をキャッチ枠に嵌合する工程と、(3)キャッチ枠に設けられた開口孔部にリリース配管を接続して、流水を上流側から下流側へとバイパスする工程と、(4)リリース樋受け部にリリース樋配管を配置して組み立てる工程とを備える。
このリリース樋配管には、開口部を覆う蓋を設けたので、流水の臭気を防ぐことができる。また、管路修理にともなう壁面の剥離片や、工具等の落下物によるリリース樋配管内の流水障害を防ぐことができる。さらに、チューブで流水をバイパスさせる他の工法に比較して、リリース樋配管を覆う蓋は管路内壁や管路天井からの流出水等を捕集するための捕集孔などを蓋面に取り付けることが容易にできるので、環境の異なる工事現場に対処できる。
管路9の補修区間は、マンホールより管路9に連絡する地下空間9aであり、インバートコンクリートおよび増厚コンクリート等で補強された平面視4角形の部屋である(図3)。また、管路9の径は1000mm〜1350mmφの大きさである。
管路バイパス装置1は、管路の上流側と下流側とを堰き止める止水設備2と、流水Wをバイパスさせるバイパス設備3とを備える。
管路内径に沿って止水ゴム4aによりキャッチ枠4を水封固定する(図4(a))。キャッチ枠4の円弧および弦で囲まれた略中央部には、リリース配管7aおよび7bを接続するための開口孔部5aおよび5bが設けられている。
このキャッチ枠4の弦上部にリリース樋受け部5を固定する(図4(b))。リリース樋受け部5は弓形のキャッチ枠4に予め溶接などで固定しておいても、あるいは別々の部材として管路に搬入して、管路内でボルトとナットにより固定してもよい。マンホールの径が500mmφの大きさ程度であり、管路9の径は1000mm〜1350mmφの大きさ程度の場合、キャッチ枠4とリリース樋受け部5とは管路内で組み立てるのが好ましい。
リリース樋受け部5とキャッチ枠4の弦上部との間に形成される隙間4bとを塞ぐために、止水板6をキャッチ枠4の内円周に形成される溝4cに差し込んで嵌合する(図4(c)および(d))。なお、止水板6には、キャッチ枠4との嵌合時に上記リリース配管7を接続するための開口孔部5aおよび5bに対応する開口孔部6aおよび6bが設けられている。
図5に示すように、リリース樋配管8は、マンホールからの搬入を容易にするため、底部8aと、側部8bおよび8cとに3分割されている。底部8aはコの字型底板であり、側部8bおよび8cは山折および谷折された板状である。側部8b、8cは底部8aの上辺および垂直壁面に一部重なるように取付けられている。重なり部となる接合部8’にはシール処理がなされ漏水を防いでいる。シール処理としては、これらの隙間や漏水箇所に対しシールテープの貼り付け、シーリングコンパウンドや止水ボンド、止水モルタル打設等の処理を挙げることができる。
また、リリース樋配管8は、補強治具10により支持されている(図1、図2)。また、管路修理作業の安全を確保するとともに、管路修理にともなう壁面の剥離片や、工具等の落下物によるリリース樋配管8内の流水障害を防ぐために、リリース樋配管8の上端開口部を覆う蓋8dを取付けることが好ましい(図5)。
内径1350mmを有する管路の補修を、内径500mmの入口マンホールから資機材を搬入して本発明の管路バイパス装置を組立て、管路壁面に流水のない管路補修区間を確保する管路バイパス工法を例にする。
(1)キャッチ枠を管路の流水の上流側と下流側とに設ける工程
管路9に止水設備2、2を設置する位置を決めた後、管路内周囲の清掃を実施する。管路内周囲の清掃時には流水を止めておく。入口マンホールから搬入されたキャッチ枠4、4を止水ゴム4a、4aを用いて管路内壁に管路方向に対し垂直に固定する。
キャッチ枠の弦上部にリリース樋受け部5をボルトで固定する。入口マンホールの径が大きい場合は、キャッチ枠の弦上部にリリース樋受け部5を溶接等で固定しておくことができる。
止水板6、6をキャッチ枠4、4の溝部4cに管路内で差込み嵌合する。
キャッチ枠4に設けられた開口孔部5aにリリース配管7aを、同開口孔部5bにリリース配管7bをそれぞれ接続する。接続方法としては、ねじ込み式、フランジ止め式等公知の方法を採用できる。また、リリース配管7aに設けられたバルブ7c、およびリリース配管7bに設けられたバルブ7dを閉めた状態で接続する。その後、バルブ7を開として、流水を管路補修区間の管壁に触れないように予備的にバイパス放流させる。バイパス放流時のバルブ7cおよび7dの開閉は流水の状態により行なう。例えば流水量が多量であった場合、バルブ7cおよび7dを共に開とする。
リリース樋受け部5にリリース樋配管8を配置して組み立てる。組み立て方法はねじで止める方法等公知の方法を採用できる。また、管路頂部に取付けた補強治具10、10にてリリース樋配管8を支持させる。
各部位から漏水、特に現地で組み立てた部位の隙間から漏水がないことを確認し、漏水状況に応じてシールテープの貼り付け、シーリングコンパウンドや止水モルタル打設等のシール処理を施す。また、リリース樋配管上端に安全蓋8dを取り付け、修理作業における安全を確保するとともに、管路修理にともなう壁面の剥離片や、工具等の落下物によるリリース樋配管内の流水障害を防くことができる。さらに、安全蓋8dは管路内壁や管路天井からの流出水等を捕集するための捕集孔8eなどを蓋面に取り付けることができる。捕集孔8eの形状、大きさは工事現場の実情に応じて設定することができる。
その後、バルブ7cおよび7dを閉として、流水wをリリース樋配管8を経てバイパスさせる。
以上の工程により、装置の構成部材をマンホールから搬入でき、管路内で容易に管路バイパス装置を組み立てることができ、下水道管の補修スペースを広く確保する管路バイパス工法を実行することができる。
2 止水設備
3 バイパス設備
4 キャッチ枠
4a 止水ゴム
5 リリース樋受け部
6 止水板
7 リリース配管
8 リリース樋配管
9 管路
10 補強治具
Claims (4)
- マンホールで地表と連絡されている管路の補修区間を流れる流水の上流側と下流側とに設けられた止水設備と、該止水設備で止められた流水を前記上流側から前記下流側へとバイパスさせるバイパス設備とを備える管路バイパス装置であって、
前記止水設備は、管路内径に沿って止水ゴムにより水封固定される弓形のキャッチ枠と、このキャッチ枠の弦上部に固定できるリリース樋受け部と、このリリース樋受け部と前記キャッチ枠の弦上部との間に形成される隙間を塞ぐ止水板とを備え、
前記バイパス設備は、前記リリース樋受け部に配置されるリリース樋配管と、前記弓形のキャッチ枠に設けられた開口孔部に接続されるリリース配管とを備え、
前記止水設備および前記バイパス設備に用いられる部材が前記マンホールより搬入できる大きさであると共に、前記止水設備および前記バイパス設備が前記補修区間で組み立てられることを特徴とする管路バイパス装置。 - 前記リリース樋配管が、1個のコの字型底板と、山折および谷折された2個の側板とで凹部を有する樋形状に組み立てられ、前記底板と側板との組み立て接合部がシール処理されていることを特徴とする請求項1記載の管路バイパス装置。
- 前記リリース樋配管の上端開口部を覆う蓋を設けることを特徴とする請求項1または請求項2記載の管路バイパス装置。
- マンホールで地表と連絡されている管路を補修するために、漏水のない管路補修区間を確保する管路バイパス工法であって、
管路内径に沿って止水ゴムにより水封固定される弓形のキャッチ枠を、管路の流水の上流側と下流側とに設ける工程と、
前記キャッチ枠の弦上部にリリース樋受け部を固定すると共に、止水板を前記キャッチ枠に嵌合する工程と、
前記キャッチ枠に設けられた開口孔部にリリース配管を接続して、流水を前記上流側から前記下流側へとバイパスする工程と、
前記リリース樋受け部にリリース樋配管を配置して組み立てる工程とを備え、
前記キャッチ枠、止水板、リリース配管、およびリリース樋配管が請求項1、請求項2または請求項3記載の管路バイパス装置に用いられていることを特徴とする管路バイパス工法。
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