JP5183588B2 - 光起電力装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光起電力装置の製造方法に関し、特に結晶シリコン基板をベースとして高効率化が可能なヘテロ接合構造を有する太陽電池などの光起電力装置の製造方法に関する。
現在の多結晶シリコン太陽電池は、厚さが200μm程度のp型多結晶シリコン基板を用い、光吸収率を高める表面テクスチャ、n型拡散層、反射防止膜および表面電極(例えば、櫛型Ag電極)を当該基板の受光面側に順次形成し、また、裏面電極(例えば、Al電極)をスクリーン印刷によって当該基板の非受光面側に形成した後、これらを焼成することによって一般に製造されている。かかる焼成では、表面電極および裏面電極の溶媒分が揮発すると共に、当該基板の受光面側において櫛型Ag電極が反射防止膜を突き破ってn型拡散層に接続され、また、当該基板の非受光面側においてAl電極の一部のAlが当該基板に拡散して裏面電界層(BSF:Back Surface Field)を形成する。このBSF層は、当該シリコン基板との接合面で内部電界を形成してBSF層近傍で発生した少数キャリアをシリコン基板内部へ押し戻し、Al電極近傍でのキャリア再結合を抑制するため、開放電圧を高くすることができる。
特許文献1〜3では、結晶シリコン基板に薄い真性半導体層を介して不純物ドープシリコン層からなる接合或いはBSF層を形成するヘテロ接合構造を有する太陽電池に関する発明が記載されている。不純物ドープ層を薄膜で形成することにより不純物ドープ層の濃度分布を自由に設定でき、また、不純物層が薄いため膜中でのキャリアの再結合を抑制することができる。また、間に挿入した真性半導体層は接合間の不純物拡散を抑制し、急峻な不純物プロファイルをもつ接合を形成することができるため、良好な接合界面形成により高い開放電圧を得ることができる。さらに、真性半導体層、不純物ドープ層は200℃程度の低温で形成できるため、基板の厚みが薄くても熱により基板に生じるストレスや、基板の反りを低減することができる。また、熱により劣化しやすい多結晶シリコン基板に対しても基板品質の低下を抑制できることが期待できる。
しかしながら、ヘテロ接合構造を有する太陽電池を多結晶シリコンに適用する場合、多結晶シリコン基板が基板内部や粒界に多くの欠陥をもつため、上記のヘテロ接合構造を形成するだけでは高効率な特性を得るのは難しい。特許文献4には、真性半導体層形成前に水素プラズマ処理を行い、多結晶シリコン基板内部や粒界に存在する欠陥を修復することにより高効率な多結晶シリコンのヘテロ接合を形成する方法が記載されている。
特許第2132527号公報 特許第2614561号公報 特許第3469729号公報 特許第2891600号公報
水素プラズマ処理により多結晶シリコン基板内部の欠陥を抑制する場合、多結晶シリコン基板表面に直接水素プラズマ処理を行うと基板表面にダメージを生じてしまう。特許文献4では、真性半導体層形成前に水素プラズマ処理を行っているが、生じたダメージ層を除去するための化学的なエッチング工程が必要となる。
水素の脱離を防ぐため、透明導電膜や反射防止膜、電極などを形成することで、太陽電池が完成してから水素プラズマ処理を行う方法もある。しかしながら、厚い透明導電膜や反射防止膜を介しての水素プラズマ処理では基板内部および基板とシリコン半導体層との界面の欠陥を有効に修復することができず、また、透明導電膜や電極などにダメージが生じるという問題もあった。
さらに、シリコン半導体層を形成してから水素プラズマ処理を行う方法も考えられる。しかしながら、シリコン半導体層を介してプラズマ処理を行うと、水素が基板の深い位置にある欠陥を修復することができない。また、プラズマ処理において表面に発生する熱によってシリコン半導体層或いは基板から簡単に水素が脱離してしまい、基板内部および基板とシリコン半導体層との界面の欠陥を有効に修復できなかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、結晶シリコン基板内部および結晶シリコン基板とシリコン半導体層との界面における欠陥を、結晶シリコン基板にダメージを与えることなく、有効に修復することができる光起電力装置の製造方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる光起電力装置の製造方法は、一導電型の結晶シリコンを基板とし、該基板の受光面側に真性型シリコン層、前記基板と逆の導電型の不純物ドープ層、透明導電膜、および電極が順次積層された積層構造、或いは前記基板の受光面側とは反対側に真性型シリコン層、前記基板と同じ導電型の不純物ドープ層、および電極が順次積層された積層構造の少なくとも一方を備える光起電力装置の製造方法であって、少なくとも一方の層に酸素、窒素或いは炭素のいずれかの元素を含ませて前記真性型シリコン層と前記不純物ドープ層とを前記基板に形成する工程と、前記基板に形成されたこれらの前記真性型シリコン層および前記不純物ドープ層を介して低周波水素プラズマ処理を施す工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、半導体層(真性型シリコン層または不純物ドープ層)が酸素、窒素或いは炭素のいずれかの元素を含むことにより、半導体層への水素プラズマ処理において半導体層のエッチングを抑制しながら水素の脱離も抑制し、有効に結晶シリコン基板内部および結晶シリコン基板と半導体層との界面における欠陥を修復することができ、また、低周波水素プラズマ処理は、結晶シリコン基板にダメージを与えることのない半導体層を介してのプラズマ処理であっても、より深い位置まで水素を導入することができ、よって、良好な特性を有する光起電力装置を製造することができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1の製造方法によって製造される太陽電池のセル構成を模式的に示す断面図である。 図2は、実施の形態1の製造方法を示す概略工程図である。 図3は、実施の形態2の製造方法によって製造される太陽電池のセル構成を模式的に示す断面図である。 図4は、実施の形態2の製造方法を示す概略工程図である。
以下に、本発明にかかる光起電力装置の製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態では、光起電力装置として太陽電池の例を挙げて説明するが、これらの実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の実施の形態に示す太陽電池の断面図は、模式的なものであり、層の厚みと幅との関係や各層の厚みの比率などは現実のものとは異なる。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態1の製造方法によって製造される太陽電池のセル構成を模式的に示す断面図である。この太陽電池1は、基板としてのp型多結晶シリコン基板11と、このp型多結晶シリコン基板11の受光面側に順次積層されたn型拡散層12、反射防止膜13、および表面電極14と、p型多結晶シリコン基板11の受光面側とは反対側の表面に順次積層された真性型シリコン層15、p型不純物ドープ層16、および裏面電極17とを備える。
本実施の形態1では、基板として多結晶シリコン基板11を用いているが、品質の劣る単結晶シリコン基板など、水素プラズマによる修復が可能なものであれば多結晶シリコン基板11に限定されるものではない。また、多結晶シリコン基板11の一導電型をp型としているが、n型としてもよい。また、不純物ドープ層16は、多結晶シリコン基板11の受光面側とは反対側の表面を形成面位置としているため、多結晶シリコン基板11と同じp型の導電型としている。これにより、p型多結晶シリコン基板11に真性型シリコン層15を介してp型不純物ドープ層16からなるBSF層を形成するヘテロ接合構造を有する太陽電池1として構成されている。
つぎに、このような太陽電池1の製造方法について図2を参照して説明する。図2は、太陽電池1の製造方法を示す概略工程図である。
まず、基板として抵抗率が1Ωcmのp型多結晶シリコン基板11を用意し、アルカリ溶液中でスライス時のワイヤーソーダメージを除去した後、アルカリ溶液による異方性エッチングにより表面にテクスチャ構造を形成する(工程P1)。テクスチャ構造は、基板表面を意図的に微細な凹凸構造とすることで、光吸収率を高めるためのものである。本実施の形態1では受光面の反射率低減のためのテクスチャとしてアルカリ溶液による異方性エッチングを用いたが、テクスチャの形成方法はアルカリ溶液による異方性エッチングに限定されるものではない。
ついで、POClガス雰囲気下で熱処理することによりp型多結晶シリコン基板11と逆導電型の接合層としてn型拡散層12を形成し、さらに熱処理した基板をフッ酸に浸漬して熱処理工程で形成したリンガラスを除去する(工程P2)。ここで、本実施の形態1では、n型拡散層12は、リン拡散層とした。
さらに、p型多結晶シリコン基板11の受光面側に反射防止膜13としてシランとアンモニアを原料とするプラズマCVDでSiN反射防止膜を形成する(工程P3)。その後、受光面側のSiN反射防止膜(反射防止膜13)を保護した状態で、裏面をフッ硝酸に浸漬することによりp型多結晶シリコン基板11の裏面を5μm程度除去し、裏面(受光面側と反対の面)に形成されたn型拡散層を完全に除去する(工程P4)。
そして、受光面側のSiN反射防止膜(反射防止膜13)上にAgの電極ペーストを用いたスクリーン印刷により櫛型電極を形成し、800℃で焼成することにより表面電極14を形成する(工程P5)。
その後、p型多結晶シリコン基板11の裏面をRCA洗浄によりクリーニングするとともに、希フッ酸での酸化膜除去を施し、真性型シリコン層15として60MHzのVHFプラズマCVDチャンバで膜厚約4nmのi型非晶質酸化シリコン層を形成する。i型非晶質酸化シリコン層は、RF出力15mW/cm、基板温度170℃、ガス圧0.4Torrの雰囲気下で、シラン6.0sccm、水素180sccm、炭酸ガス3.0sccmの流量で流して成膜を行った。この条件による膜の酸素含有量は約10原子%であった。酸素含有量、表面再結合を抑制するために続けて同様の60MHzプラズマCVDチャンバで、高濃度のp型不純物ドープ層16として膜厚約30nmのp型微結晶酸化シリコン層を形成する(工程P6)。成膜条件は基板温度170℃、ガス圧0.5Torrの雰囲気下で、RF出力45mW/cm、流量はシラン2.0sccm、水素200sccm、1%に水素希釈したジボラン1.0sccm、炭酸ガス0.5sccmとした。この条件による酸素の含有量は約8原子%であった。
このようにして、酸素を含む真性型シリコン層15およびp型不純物ドープ層16を形成した後、低周波プラズマチャンバに移動し、RF周波数300kHz、プラズマ出力100mW/cm、水素流量60sccmでp型多結晶シリコン基板11の裏面側からp型不純物ドープ層16および真性型シリコン層15を介して約30分間の低周波水素プラズマ処理を施す(工程P7)。
その後、裏面側全面に真空蒸着により裏面電極17としてAl電極を形成し(工程P8)、フォーミングガス(水素5%含有の不活性ガス雰囲気)中で約200℃、約30分間のアニールを行う(工程P9)。本実施の形態1において裏面電極は裏面全面に形成したAl蒸着膜を用いるが、裏面電極は透明導電膜と金属電極の任意の組み合わせにより構成することができる。金属電極を局所的に形成する場合は比較的抵抗の高い不純物ドープ層からキャリアを金属電極に有効に取り出すため、不純物ドープ層と金属電極の間の全面に透明導電膜を用いることが望ましい。
比較のため上記プロセスにて作製した太陽電池と同じ結晶、同じ特性をもつ基板を用い、低周波水素プラズマ処理を行わないこと以外はすべて同じプロセスによる太陽電池を作製した。そして、AM1.5のソーラーシミュレータにて電流−電圧特性を評価したところ、低周波水素プラズマ処理を行った本実施の形態1のサンプルにおいて約3mV高い開放電圧を得ることができたものである。
本実施の形態1においては、酸素を含む半導体層(真性型シリコン層15およびp型不純物ドープ層16)に低周波水素プラズマ処理を施すことにより水素の脱離を抑制し、有効にp型多結晶シリコン基板11内部およびp型多結晶シリコン基板11と半導体層との界面における欠陥を修復することが可能となった。また、低周波プラズマによる水素処理は、結晶シリコン基板にダメージを与えることのない半導体層を介してのプラズマ処理であっても、より深い位置まで水素を導入することが可能となり、開放電圧を向上させることができる。
また、本実施の形態1においては、低周波水素プラズマ処理の周波数は300kHzとしたが、100kHz〜1MHzの周波数を用いることで、半導体層(真性型シリコン層15およびp型不純物ドープ層16)を介して水素がp型多結晶シリコン基板11に有効に照射されると同時に、p型多結晶シリコン基板11の深い位置にある欠陥を修復することができ、開放電圧の向上効果が得られる。また、本実施の形態1では、酸素を含む半導体層(真性型シリコン層15およびp型不純物ドープ層16)を用いたが、窒素または炭素を含む半導体層を用いてもよい。
また、本実施の形態1においては、真性型シリコン層15として約4nmの膜を、p型不純物ドープ層16として約30nmの膜を用いたが、真性型シリコン層15とp型不純物ドープ層16との膜厚の合計が10〜50nmとなるときにプラズマ処理によるパッシベーション効果が最大となると同時に受光面側の接合特性或いは裏面側の裏面電界効果が良好となる。
また、本実施の形態1においては、真性型シリコン層15として酸素含有量が約10原子%のi型非晶質酸化シリコン層を、不純物ドープ層16として酸素含有量が約8原子%の微結晶酸化シリコン層を用いたが、真性型シリコン層15或いは不純物ドープ層16のいずれかが5原子%以上の酸素を含んでいれば電圧が向上する効果が得られる。また、各半導体層の酸素含有量は高いほど良好なパッシベーション効果が得られるが、それ以上の含有率では膜の導電性が低下し、直列抵抗が増加するため、酸素含有量は5〜20原子%が望ましい。また、本実施の形態1においては、不純物ドープ層16として微結晶酸化シリコンを用いたが、非晶質酸化シリコンを用いてもよい。
また、本実施の形態1においては、低周波水素プラズマ処理後に、水素を含む雰囲気下でアニール処理を行うことにより、低周波水素プラズマ処理によりp型多結晶シリコン基板11内部に導入した水素のp型多結晶シリコン基板11あるいは界面へのパッシベーション効果を高めることができる。本実施の形態1では、水素5%を含む不活性ガスを用いたが、水素を含まない不活性ガスでは電極付近の酸化を生じやすく、直列抵抗が増加することがあるため、水素含有ガスを用いることが望ましい。
実施の形態2.
図3は、本実施の形態2の製造方法によって製造される太陽電池のセル構成を模式的に示す断面図である。この太陽電池2は、基板としてのp型多結晶シリコン基板11と、このp型多結晶シリコン基板11の受光面側に順次積層された真性型シリコン層21、n型不純物ドープ層22、透明導電膜23、および表面電極14と、p型多結晶シリコン基板11の受光面側とは反対側の表面に順次積層された真性型シリコン層15、p型不純物ドープ層16、および裏面電極17とを備える。
本実施の形態2でも、基板として多結晶シリコン基板11を用いているが、品質の劣る単結晶シリコン基板など、水素プラズマによる修復が可能なものであれば多結晶シリコン基板11に限定されるものではない。また、多結晶シリコン基板11の一導電型をp型としているが、n型としてもよい。さらに、不純物ドープ層22は、多結晶シリコン基板11の受光面側の表面を形成面位置としているため、多結晶シリコン基板11と逆のn型の導電型としている。これにより、p型多結晶シリコン基板11に真性型シリコン層21を介してn型不純物ドープ層22からなる接合部を形成するヘテロ接合構造を有する太陽電池1として構成されている。また、裏面側のヘテロ接合構造については、実施の形態1の場合と同様である。
つぎに、このような太陽電池2の製造方法について図4を参照して説明する。図4は、太陽電池2の製造方法を示す概略工程図である。
まず、基板として抵抗率が10Ωcmのp型多結晶シリコン基板11を用意し、アルカリ溶液中でスライス時のワイヤーソーダメージを除去した後、アルカリ溶液による異方性エッチングにより表面にテクスチャ構造を形成する(工程P11)。テクスチャ構造は、基板表面を意図的に微細な凹凸構造とすることで、光吸収率を高めるためのものである。本実施の形態2では受光面の反射率低減のためのテクスチャとしてアルカリ溶液による異方性エッチングを用いたが、テクスチャの形成方法はアルカリ溶液による異方性エッチングに限定されるものではない。ついで、p型多結晶シリコン基板11に対してゲッタリング処理を施して不純物を除去する(工程P12)。
さらに、RCA洗浄、希フッ酸での酸化膜除去を施した後、受光面側に60MHzのVHFプラズマCVDチャンバで、真性型シリコン層21として膜厚約4nmのi型非晶質酸化シリコン層を形成する。i型非晶質酸化シリコン層は、RF出力15mW/cm、基板温度170℃、ガス圧0.4Torrの雰囲気下で、シラン6.0sccm、水素180sccm、炭酸ガス3.0sccmの流量で流して成膜を行った。続けて、同様の60MHzのプラズマCVDチャンバに移動し、n型不純物ドープ層22として膜厚約30nmのn型微結晶酸化シリコン層を形成する(工程P13)。成膜条件は、基板温度170℃、ガス圧0.5Torrの雰囲気下で、RF出力45mW/cm、流量をシラン2.0sccm、水素200sccm、水素で1%に希釈したホスフィン1.0sccm、炭酸ガス0.5sccmとした。
このようにして、酸素を含む真性型シリコン層21およびn型不純物ドープ層22を形成した後、低周波プラズマチャンバに移動し、RF周波数300kHz、プラズマ出力100mW/cm、水素流量60sccmで、p型多結晶シリコン基板11の表面側からn型不純物ドープ層22および真性型シリコン層21を介して約30分間の低周波水素プラズマ処理を施す(工程P14)。その後、受光面側全面に透明導電膜23を形成する(工程P15)。
さらに、p型多結晶シリコン基板11の裏面をRCA洗浄によりクリーニングするとともに、希フッ酸での酸化膜除去を施し、真性型シリコン層15として60MHzのVHFプラズマCVDチャンバで膜厚約4nmのi型非晶質酸化シリコン層を形成する。i型非晶質酸化シリコン層は、RF出力15mW/cm、基板温度170℃、ガス圧0.4Torrの雰囲気下で、シラン6.0sccm、水素180sccm、炭酸ガス3.0sccmの流量で流して成膜を行った。酸素含有量、表面再結合を抑制するために続けて同様の60MHzプラズマCVDチャンバで、高濃度のp型不純物ドープ層16として膜厚約30nmのp型微結晶酸化シリコン層を形成する(工程P16)。成膜条件は基板温度170℃、ガス圧0.5Torrの雰囲気下で、RF出力45mW/cm、流量はシラン2.0sccm、水素200sccm、1%に水素希釈したジボラン1.0sccm、炭酸ガス0.5sccmとした。
このようにして、酸素を含む真性型シリコン層15およびp型不純物ドープ層16を形成した後、低周波プラズマチャンバに移動し、RF周波数300kHz、プラズマ出力100mW/cm、水素流量60sccmでp型多結晶シリコン基板11の裏面側からp型不純物ドープ層16および真性型シリコン層15を介して約30分間の低周波水素プラズマ処理を施す(工程P17)。
ついで、受光面側に低温焼結Agの櫛型電極をスクリーン印刷により形成し、約200℃に加熱して表面電極14を形成する(工程P18)。また、真空蒸着により裏面に裏面電極17としてAl電極を形成し(工程P19)、フォーミングガス(水素5%含有の不活性ガス雰囲気)中で200℃、30分間のアニールを行う(工程P20)。本実施の形態2において裏面電極は裏面全面に形成したAl蒸着膜を用いるが、裏面電極は透明導電膜と金属電極の任意の組み合わせにより構成することができる。金属電極を局所的に形成する場合は比較的抵抗の高い不純物ドープ層からキャリアを金属電極に有効に取り出すため、不純物ドープ層と金属電極の間の全面に透明導電膜を用いることが望ましい。
本実施の形態2においては、比較のため上記プロセスにて作製した太陽電池と同じ結晶、同じ特性をもつ基板を用い、低周波水素プラズマ処理を行わない以外はすべて同じプロセスによる太陽電池を作製し、AM1.5のソーラーシミュレータにて電流−電圧特性を評価したところ、低周波水素プラズマ処理を行った本実施の形態2のサンプルにおいて約5mV高い開放電圧を得ることができたものである。
なお、本実施の形態2における受光面側および裏面側の真性型シリコン層21,15の酸素の含有量は約10原子%、受光面側のn型不純物ドープ層22および裏面側のp型不純物ドープ層16の酸素含有量は約8原子%であった。
本実施の形態2においては、受光面の接合部および裏面の裏面電界層の両方に酸素を含む半導体層(真性型シリコン層21とn型不純物ドープ層22、および真性型シリコン層15とp型不純物ドープ層16)に低周波水素プラズマ処理を施すことにより水素の脱離を抑制し、有効にp型多結晶シリコン基板11内部およびp型多結晶シリコン基板11と半導体層との界面における欠陥を修復することが可能となった。また、低周波プラズマによる水素処理は、結晶シリコン基板にダメージを与えることのない半導体層を介してのプラズマ処理であっても、より深い位置まで水素を導入することが可能となり、開放電圧を向上させることができる。
また、本実施の形態2においては、低周波水素プラズマ処理の周波数は300kHzとしたが、100kHz〜1MHzの周波数を用いることで、半導体層(真性型シリコン層21とn型不純物ドープ層22、および真性型シリコン層15とp型不純物ドープ層16)を介して水素がp型多結晶シリコン基板11に有効に照射されると同時に、p型多結晶シリコン基板11の深い位置にある欠陥を修復することができ、開放電圧の向上効果が得られる。また、本実施の形態1では、酸素を含む半導体層(真性型シリコン層21とn型不純物ドープ層22、および真性型シリコン層15とp型不純物ドープ層16)を用いたが、窒素または炭素を含む半導体層を用いてもよい。
また、本実施の形態2においては、真性型シリコン層15,21として約4nmの膜を、不純物ドープ層16,22として約30nmの膜を用いたが、真性型シリコン層15と不純物ドープ層16との膜厚の合計、或いは真性型シリコン層21と不純物ドープ層22との膜厚の合計がそれぞれ10〜50nmとなるときにプラズマ処理によるパッシベーション効果が最大となると同時に受光面側の接合特性或いは裏面側の裏面電界効果が良好となる。
また、本実施の形態2においては、真性型シリコン層15,21として酸素含有量10原子%のi型非晶質酸化シリコン層を、不純物ドープ層16,22として酸素含有量8原子%の微結晶酸化シリコン層を用いたが、真性型シリコン層15,21或いは不純物ドープ層16,22のいずれかが5原子%以上の酸素を含んでいれば電圧が向上する効果が得られる。また、各半導体層の酸素含有量は高いほど良好なパッシベーション効果が得られるが、それ以上の含有率では膜の導電性が低下し、直列抵抗が増加するため、酸素含有量は5〜20原子%が望ましい。また、本実施の形態2においては不純物ドープ層16,22として微結晶酸化シリコンを用いたが、非晶質酸化シリコンを用いてもよい。
また、本実施の形態2においては、低周波水素プラズマ処理後に、水素を含む雰囲気下でアニール処理を行うことにより、低周波水素プラズマ処理によりp型多結晶シリコン基板11内部に導入した水素のp型多結晶シリコン基板11あるいは界面へのパッシベーション効果を高めることができる。さらに、本実施の形態2では、水素5%を含む不活性ガスを用いたが、水素を含まない不活性ガスでは電極付近の酸化を生じやすく、直列抵抗が増加することがあるため、水素含有ガスを用いることが望ましい。
以上のように、本発明にかかる光起電力装置の製造方法は、結晶シリコン基板を用いてヘテロ接合構造を有する光起電力装置を製造する場合に有用である。
1,2 太陽電池
11 多結晶シリコン基板
14 表面電極
15 真性型シリコン層
16 不純物ドープ層
17 裏面電極
21 真性型シリコン層
22 不純物ドープ層
23 透明導電膜

Claims (5)

  1. 一導電型の結晶シリコンを基板とし、該基板の受光面側に真性型シリコン層、前記基板と逆の導電型の不純物ドープ層、透明導電膜、および電極が順次積層された積層構造、或いは前記基板の受光面側とは反対側に真性型シリコン層、前記基板と同じ導電型の不純物ドープ層、および電極が順次積層された積層構造の少なくとも一方を備える光起電力装置の製造方法であって、
    少なくとも一方の層に酸素、窒素或いは炭素のいずれかの元素を含ませて前記真性型シリコン層と前記不純物ドープ層とを前記基板に形成する工程と、
    前記基板に形成されたこれらの前記真性型シリコン層および前記不純物ドープ層を介して低周波水素プラズマ処理を施す工程と、
    を含むことを特徴とする光起電力装置の製造方法。
  2. 前記低周波水素プラズマ処理の周波数が、100kHz〜1MHzであることを特徴とする請求項1に記載の光起電力装置の製造方法。
  3. 前記真性型シリコン層と前記不純物ドープ層との合計膜厚が、10〜50nmであることを特徴とする請求項1または2に記載の光起電力装置の製造方法。
  4. 前記真性型シリコン層または前記不純物ドープ層が、5〜20原子%の酸素を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の光起電力装置の製造方法。
  5. 低周波水素プラズマ処理を施した後に、水素を含む雰囲気下でアニール処理を行う工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光起電力装置の製造方法。
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