JP5183529B2 - 作業車輌 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンから走行部へ至る走行系伝動経路に介挿されたHSTと、前記HSTの出力調整部材を作動させる変速用電動アクチュエータと、前記変速用電動アクチュエータの作動制御を行う制御装置とを備えた除雪機等の作業車輌に関する。
エンジンから走行部へ至る走行系伝動経路に介挿されたHSTと、前記HSTの出力調整部材を作動させる変速用電動アクチュエータと、前記変速用電動アクチュエータの作動制御を行う制御装置とを備え、前記HSTが変速操作部材の操作に応じた回転動力を出力するように前記制御装置が前記変速用電動アクチュエータの作動制御を行うように構成された除雪機の形態をなす作業車輌が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
詳しくは、前記作業車輌は、前記エンジン、前記走行部、前記HST、前記変速操作部材及び前記変速用電動アクチュエータに加えて、前記変速操作部材の操作状態を検出する変速操作側センサと、前記変速用電動アクチュエータの作動状態を直接又は間接的に検出する変速作動側センサと、記エンジンからの回転動力によって発電を行う発電機と、前記発電機によって発電された電力を蓄電し且つ前記センサを含む電気機器の電力源として作用する前記バッテリと、前記エンジンを起動させる為のスタータと、主電源のオン/オフ並びに前記スタータのオン/オフ操作を行うメイン操作部材と、前記メイン操作部材の操作状態を検出する主電源/スタータセンサと、前記主電源/スタータセンサからの信号に基づき主電源のオン/オフ切替制御及び前記スタータのオン/オフ切替制御を行うと共に、前記変速操作側センサ及び前記変速作動側センサからの信号に基づき前記変速用電動アクチュエータの作動制御を行う車速制御を実行する制御装置とを備えている。
ところで、前記メイン操作部材は、主電源オフ位置,主電源オン位置及びスタータ作動位置をとり得るように構成されており、前記制御装置は、主電源がオンされると前記車速制御を開始するように構成されている為、以下に示す不都合があった。
即ち、前記メイン操作部材が主電源オフ位置から主電源オフ位置へ操作されると、前記制御装置は主電源をオン状態とすると共に車速制御を開始する。そして、前記メイン操作部材が主電源オフ位置からスタータ作動位置へ操作されると、前記制御装置は前記スタータを駆動して前記エンジンを始動させる。
ところで、前記制御装置は、前記バッテリから供給される電力を利用した基準電圧に基づいて前記車速制御を含む制御を実行する。
しかしながら、前記バッテリは前記スタータの電力源としても用いられる為、前記スタータの駆動時には前記バッテリの電圧が降下する。
つまり、前記スタータの駆動時には、前記制御装置は基準電圧が降下した状態で前記車速制御を実行することになり、例えば、前記変速操作部材を中立位置に位置させているにも拘わらず、前記制御装置が前記変速用電動アクチュエータを前進側へ作動させる恐れがある。
特開2008−055924号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、変速操作部材の操作に応じてHSTの出力調整部材を作動させる変速用電動アクチュエータの作動制御を行う制御装置を備えた作業車輌において、スタータ駆動時における前記変速用電動アクチュエータの誤作動を防止し得る作業車輌の提供を目的とする。
本発明は、前記目的を達成する為に、エンジンと、走行部と、前記エンジンから前記走行部へ至る走行系伝動経路に介挿されたHSTと、人為操作可能な変速操作部材と、前記HSTの出力調整部材を作動させる変速用電動アクチュエータと、前記変速操作部材の操作状態を検出する変速操作側センサと、前記変速用電動アクチュエータの作動状態を直接又は間接的に検出する変速作動側センサと、前記エンジンからの回転動力によって発電を行う発電機と、前記発電機によって充電されるバッテリと、前記バッテリからの電力を利用して前記エンジンを始動させるスタータと、主電源オフ位置,主電源オン位置及びスタータ作動位置をとり得る人為操作可能なメイン操作部材と、前記メイン操作部材の操作状態を検出する主電源/スタータセンサと、前記主電源/スタータセンサからの信号に基づき主電源のオン/オフ切替制御及び前記スタータのオン/オフ切替制御を行うと共に、前記変速操作側センサ及び前記変速作動側センサからの信号に基づき前記変速用電動アクチュエータの作動制御を行う車速制御を実行する制御装置とを備えた作業車輌であって、前記制御装置は、前記メイン操作部材の主電源オフ位置から主電源オン位置への操作に応じて前記車速制御を開始させると共に、前記スタータがオン状態の間には前記変速用電動アクチュエータの作動制御を禁止するように構成されている作業車輌を提供する。
好ましくは、前記制御装置は、前記車速制御に際し、前記変速操作側センサからの信号に基づく変速操作状態と前記変速作動側センサからの信号に基づく変速作動状態との間に所定の不感帯範囲を超えた偏差が生じている場合には前記偏差の大きさに応じたパルス幅の制御信号を前記変速用電動モータに出力するように構成される。斯かる形態においては、前記制御装置は、前記スタータがオン状態の間はパルス幅ゼロの制御信号を前記変速用電動アクチュエータに出力するように構成される。
好ましくは、前記制御装置は、前記変速操作部材が中立位置以外に位置された状態で前記メイン操作部材が主電源オン位置からスタータ作動位置に操作された際には前記スタータの駆動を行わないように構成される。
本発明に係る作業車輌においては、制御装置が、メイン操作部材の主電源オフ位置から主電源オン位置への操作に応じて変速操作側センサ及び変速作動側センサからの信号に基づき変速用電動アクチュエータの作動制御を行う車速制御を実行するように構成されつつ、車速制御の実行中であってもスタータがオン状態の間には前記変速用電動アクチュエータの作動制御を禁止するように構成されている。
従って、スタータ駆動時におけるバッテリの電圧低下に起因して、前記変速用電動アクチュエータが誤作動されることを有効に防止できる。
さらに、前記スタータ及び前記変速用電動アクチュエータが同時に作動されることを防止でき、前記バッテリの電圧低下を可及的に防止できる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る作業車輌の概略側面図である。 図2は、図1に示す前記作業車輌の概略平面図である。 図3は、図1及び図2に示す前記作業車輌の伝動模式図である。 図4は、図1〜図3に示す前記作業車輌における制御装置のシステムブロック図である。 図5は、前記制御装置に収納された制御プログラムのフローチャートである。
以下、本発明に係る作業車輌の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1〜図3は、それぞれ、本実施の形態に係る作業車輌1の概略側面図,概略平面図及び伝動模式図である。
図1及び2に示すように、本実施の形態に係る前記作業車輌1は歩行型除雪機の形態をなしている。
詳しくは、前記作業車輌1は、機体フレーム10と、前記機体フレーム10に支持されたエンジン20と、左右一対の走行部30L,30Rと、前記機体フレーム10の前方側に配設され且つ前記エンジン20からの回転動力によって駆動される作業部40と、前記エンジン20から前記走行部30L,30Rへ至る伝動経路に介挿されたトランスミッション50と、前記機体フレーム10の後方側に配設された操作部70とを備えている。
前記除雪機の形態をなす前記作業車輌1においては、前記作業部40は、走行路面上における雪を集約して放出する除雪部とされている。
具体的には、前記作業部40は、図1〜図3に示すように、前記機体フレーム10の前方側に配設された掻き込みオーガ41と、前記掻き込みオーガ41を囲繞するオーガハウジング42と、前記オーガハウジング42に連通された状態で後方へ延びるブロアハウジング43と、前記ブロアハウジング43に内装されたブロア44と、前記ブロア44の上方に配設されたシュータ45とを備えている。
前記掻き込みオーガ41は、前記エンジン20から伝達される回転動力によって機体幅方向に沿った回転軸回りに回転駆動されて、走行路上における雪を機体幅方向中央に掻き集めて前記ブロアハウジング43内の前記ブロア44に向けて送るように構成されている。
具体的には、前記掻き込みオーガ41は、前記エンジン20に作動連結された状態で機体幅方向に沿うように前記オーガハウジング42に軸線回り回転可能に支持されたオーガ駆動軸41aと、前記オーガ駆動軸41aの外周面に螺旋状に設けられた突起41bとを備えている。
前記オーガハウジング42は、前下方が開放された状態で前記掻き込みオーガ41を囲繞している。
前記ブロアハウジング43は、基端側が前記機体フレーム10に連結され且つ先端側が前記オーガハウジング42に連結された状態で、前記ブロア44を収容している。
前記ブロア44は、前記エンジン20から伝達される回転動力によって駆動され、前記掻き込みオーガ41から前記ブロアハウジング43内に搬送されてきた雪を前記シュータ45に向けて跳ね飛ばすように構成されている。
前記シュータ45は、前記ブロア44によって飛ばされた雪の放出ガイドとして作用する。
具体的には、前記シュータ45は基端部が前記ブロアハウジング43に連結された筒状部材とされている。
本実施の形態においては、前記シュータ45は、前記ブロアハウジング43の上面に略垂直方向に沿った回転軸回り回転可能に連結された基端側部材と、基端側部材に対して略水平方向に沿った回転軸回り回動可能に連結された先端側部材とを有しており、前記シュータ45を介して放出される雪の放出方向及び放出角度が調整可能とされている。
前記作業部40は、図3に示すように、作業機系伝動機構100を介して前記エンジン20から回転動力を入力している。
詳しくは、図1及び図2に示すように、前記エンジン20は、前記作業部40の後方において前記機体フレーム10に支持されたエンジン本体21と、前記エンジン本体21から前方へ突出されたエンジン出力軸22とを有している。
そして、前記作業機系伝動機構100は、前記エンジン出力軸22と前記作業部40の入力軸40aとを作動連結している。
本実施の形態においては、前記作業機系伝動機構100は、図1及び図3に示すように、プーリ・ベルト式伝動機構とされている。
詳しくは、前記作業機系伝動機構100は、図1及び図3に示すように、前記エンジン出力軸22に相対回転不能に支持された作業機系駆動側プーリ101と、前記作業機40の入力軸40aに相対回転不能に支持された作業機系従動側プーリ102と、前記駆動側及び従動側プーリ101,102に巻き回された作業機系無端帯103とを有している。
なお、本実施の形態においては、図1に示すように、前記エンジン出力軸22は、中間部位において前記機体フレーム10に連結されたブラケット11に軸受け(図示省略)を介して支持されており、前記作業機系駆動側プーリ101は前記エンジン出力軸22のうち前記ブラケット11より前方側に位置する部分に支持されている。
さらに、本実施の形態に係る前記作業車輌1は、図1及び図3に示すように、前記作業機系伝動機構100の伝動状態を選択的に係脱する作業クラッチ機構105を備えている。
前記作業クラッチ機構105は、例えば、前記エンジン出力軸22と前記作業機系駆動側プーリ101との間に配設され、前記作業機系駆動側プーリ101を前記エンジン出力軸22に対して相対回転不能とするクラッチ係合状態と前記作業機系駆動側プーリ101を前記エンジン出力軸22に対して相対回転自在とするクラッチ遮断状態とをとり得るように構成される。
前記トランスミッション50は、前記エンジン20より後方側において前記機体フレーム10に支持されている。
前記トランスミッション50は、図1〜図3に示すように、前記エンジン20からの回転動力を無段変速するHST510と、左右一対の旋回用電動モータ520L,520Rと、前記HST510からの走行回転動力及び対応する前記旋回用電動モータ520L,520Rからの旋回回転動力を合成して対応する前記走行部30L,30Rへ向けて出力する左右一対の差動機構530L,530Rと、前記差動機構503L,530Rを収容するミッションケース550とを備えている。
前記HST510は、図3に示すように、前記エンジン20に作動連結されたポンプ軸511と、前記ポンプ軸511に相対回転不能に支持された油圧ポンプ512と、前記油圧ポンプ512に一対のHSTライン519を介して流体接続された油圧モータ514と、前記油圧モータ514を相対回転不能に支持するモータ軸513と、前記油圧ポンプ512及び前記油圧モータ514のうち可変容積型とされた少なくとも一方(本実施の形態においては前記油圧ポンプ512であり、以下、可変容積部材という)の吸引/吐出量及び吸引/吐出方向を変化させる出力調整部材515とを備えている。
本実施の形態においては、前記HST510は、前記ミッションケース550の後端面に支持されており、前記ポンプ軸511は、前記ミッションケース550から前方へ延びる走行系伝動軸115及び走行系第1伝動機構110を介して前記エンジン出力軸22に作動連結されている。
詳しくは、前記ミッションケース550には、後端部が前記ポンプ軸511に軸線回り相対回転不能に連結され且つ前端部が前記ミッションケース550から前方へ延在された前記走行系伝動軸115が支持されている。
なお、前記走行系伝動軸115は、図1に示すように、前端部が前記ブラケット11に軸受けされている。
前記走行系第1伝動機構110は、前記エンジン出力軸22と前記走行系伝動軸115とを作動連結している。
本実施の形態においては、図1及び図3に示すように、前記走行系第1伝動機構110はプーリ・ベルト伝動機構とされている。
詳しくは、前記走行系第1伝動機構110は、図1及び図3に示すように、前記エンジン出力軸22に相対回転不能に支持された走行系駆動側プーリ111と、前記走行系伝動軸115に相対回転不能に支持された走行系従動側プーリ112と、前記駆動側及び従動側プーリ111,112に巻き回された走行系無端帯113とを有している。
なお、本実施の形態において、前記走行系駆動側プーリ111は、図1に示すように、前記エンジン出力軸22のうち前記ブラケット11より後方側に位置する部分に支持されている。
本実施の形態においては、前記油圧ポンプ512及び前記油圧モータ514はアキシャルピストン型とされている。
従って、前記出力調整部材515は、揺動軸回りの傾転位置に応じて前記可変容積部材(本実施の形態においては前記油圧ポンプ512)の吸引/吐出量及び吸引/吐出方向を変化させる可動斜板(図示せず)と、自己の軸線回りの回動に応じて前記可動斜板が前記揺動軸回りに傾転するように前記可動斜板に連結された制御軸515a(図2参照)とを有している。
なお、図2中の符号515bは、前記制御軸515aに相対回転不能に支持された制御アームである。
前記出力調整部材515は以下のように作動する。
前記可動斜板が前記揺動軸回り中立位置に位置されると、前記ポンプ軸511が軸線回りに回転駆動されても、前記油圧ポンプ512が圧油を吐出せず、従って、前記油圧モータ514及び前記モータ軸513の回転が停止されるHST中立状態が現出される。
前記可動斜板が前記中立位置から前記揺動軸回り一方側へ傾転されると、前記油圧ポンプ512が前記可動斜板の傾転方向に応じた方向に前記可動斜板の傾転角度に応じた量の圧油を吐出し、これにより、前記油圧モータ514及び前記モータ軸513が前記可動斜板の傾転方向に応じた第1回転方向へ前記可動斜板の傾転角度に応じた回転速度で回転する。
つまり、前記可動斜板が前記中立位置から前記揺動軸回り一方側へ傾転されると、前記モータ軸513は車輌前進方向又は車輌後進方向の一方(例えば前進方向)に、前記可動斜板の傾転角度に応じた回転速度で回転する。
前記可動斜板が前記中立位置から前記揺動軸回り他方側へ傾転されると、前記油圧ポンプ512が前記可動斜板の傾転方向に応じた方向に前記可動斜板の傾転角度に応じた量の圧油を吐出し、これにより、前記油圧モータ514及び前記モータ軸513が前記可動斜板の傾転方向に応じた第2回転方向へ前記可動斜板の傾転角度に応じた回転速度で回転する。
つまり、前記可動斜板が前記中立位置から前記揺動軸回り他方側へ傾転されると、前記モータ軸513は車輌前進方向又は車輌後進方向の他方(例えば後進方向)に、前記可動斜板の傾転角度に応じた回転速度で回転する。
次に、前記左右一対の差動機構530L,530Rについて説明する。
なお、前記左右一対の差動機構530L,530Rは、前記作業車輌1の長手方向中央面を基準にして互いに対して対称とされている。
従って、図中、左側の差動機構530L及び右側の差動機構530Rの構成部材に対して末尾の文字をそれぞれL及びRとした同一符号を用いている。
前記左側の差動機構530Lは、前記HST510から作動的に回転動力を入力する第1要素と、対応する左側の旋回用電動モータ520Lから作動的に回転動力を入力する第2要素と、対応する左側の走行部30Lへ回転動力を出力する第3要素とを備えている。
同様に、前記右側の差動機構530Rは、前記HST510から作動的に回転動力を入力する第1要素と、対応する右側の旋回用電動モータ520Rから作動的に回転動力を入力する第2要素と、対応する右側の走行部30Rへ回転動力を出力する第3要素とを備えている。
斯かる構成を備えた前記作業車輌1においては、前記旋回用電動モータ520L,520Rから対応する前記差動機構530L,530Rの前記第2要素へ入力される回転動力が旋回用の制動回転動力として作用する。即ち、左側及び右側の前記旋回用電動モータ520L,520Rから対応する前記差動機構530L,530Rの前記第2要素に回転動力を入力することで、前記左右一対の差動機構530L,530Rの第3要素間に回転速度差を生じさせ、これにより、前記作業車輌1の左又は右旋回を現出させる。
本実施の形態においては、図3に示すように、サンギヤ531L(531R),リングギヤ535L(535R)及びキャリア534L(534R)がそれぞれ前記第1〜第3要素として作用している。
即ち、前記差動機構30L(30R)は、前記HST510の前記モータ軸513に作動連結された前記サンギヤ531L(531R)と、前記サンギヤ531L(531R)の回りを公転し得るように該サンギヤ531L(531R)と噛合する遊星ギヤ532L(532R)と、前記遊星ギヤ532L(532R)を相対回転自在に支持すると共に該遊星ギヤ532L(532R)の公転に従って前記サンギヤ531L(531R)の回りを公転する前記キャリア534L(534R)と、前記遊星ギヤ532L(532R)と噛合する内歯を有し且つ外周面において対応する前記旋回用電動モータ520L(520R)に作動連結された前記リングギヤ535L(535R)とを備えている。
本実施の形態においては、前記サンギヤ531L(531R)は、前記ミッションケース550内に収容された走行系第2伝動機構120を介して前記モータ軸513に作動連結されている。
詳しくは、図3に示すように、前記走行系第2伝動機構120は、機体幅方向に沿うように前記ミッションケース550に収容された第1伝動軸121と、機体幅方向に沿い且つ両端部に前記左右一対の差動機構の前記サンギヤがそれぞれ相対回転不能に支持された第2伝動軸125と、前記モータ軸513及び前記第1伝動軸121を作動連結する上流側伝動機構122と、前記第1及び第2伝動軸121,125を作動連結する下流側伝動機構126とを有している。
本実施の形態においては、前記モータ軸513は車輌前後方向に沿っている。
従って、前記上流側伝動機構122は、前記モータ軸513における前記ミッションケース550内に突入された端部に相対回転不能に支持された駆動側ベベルギヤ122aと、前記駆動側ベベルギヤ122aに噛合された状態で前記第1伝動軸121に相対回転不能に支持された従動側ベベルギヤ122bとを含んでいる。
なお、前記モータ軸513から前記第1伝動軸121に回転動力が減速伝達されるように、前記駆動側ベベルギヤ122aが小径とされ且つ前記従動側ベベルギヤ122bが大径とされている。
前記下流側伝動機構126は、前記第1伝動軸121に相対回転不能に支持された駆動側スプロケット126aと、前記第2伝動軸125に相対回転不能に支持された従動側スプロケット126bと、前記駆動側スプロケット126a及び前記従動側スプロケット126bに巻き回されたチェーン126cとを備えている。
なお、前記第1伝動軸121から前記第2伝動軸125へ回転動力が減速伝達されるように、前記駆動側スプロケット126aが小径とされ且つ前記従動側スプロケット126bが大径とされている。
好ましくは、前記モータ軸513から前記左右一対の差動機構530L,530Rのサンギヤ531L,531Rへ至る伝動経路に選択的に制動力を付加し得るブレーキ機構130が備えられる。
本実施の形態においては、図3に示すように、前記ブレーキ機構130は、前記第1伝動軸121に選択的に制動力を付加し得るように構成されている。
本実施の形態においては、前記リングギヤ535L(535R)は、対応する前記旋回用電動モータ520L(520R)の出力軸522L(522R)に作動連結されている。
詳しくは、前記左右一対の旋回用電動モータ520L,520Rは、それぞれ、前記ミッションケース550の外側面に支持された電動モータ本体521L,521Rと、先端部が前記ミッションケース550内に突入された出力軸522L,522Rとを有している。
前記旋回用電動モータ520L(520R)の前記出力軸522L(522R)には、ウォームアップギヤ523L(523R)が相対回転不能に設けられており、対応する前記差動機構530L(530R)の前記リングギヤ531L(531R)の外周面に前記ウォームアップギヤ523L(523R)と噛合するギヤが設けられている。
前記キャリア534L(534R)には、対応する前記走行部30L(30R)の走行駆動軸31L(31R)が連結されている。
本実施の形態においては、前記走行部30L(30R)はクローラ式走行装置を有している。
詳しくは、前記走行部30L(30R)は、図1〜図3に示すように、対応する前記差動機構530L(530R)の前記キャリア534L(534R)に連結された状態で機体幅方向に沿った前記走行駆動軸31L(31R)と、前記走行駆動軸31L(31R)に相対回転不能に支持された駆動スプロケット32L(32R)と、前記走行駆動軸31L(31R)から機体前後方向に離間された位置で機体幅方向に沿うように配設された走行従動軸33L(33R)と、前記走行従動軸33L(33R)に相対回転不能に支持された従動スプロケット34L(34R)と、前記駆動スプロケット32L(32R)及び前記従動スプロケット34L(34R)に巻き回されたクローラ35L(35R)とを備えている。
当然ながら、前記走行部30L(30R)が、前記クローラ式走行装置に代えて、ホイール式走行装置を有することも可能である。
前記左右一対の走行部30L,30Rは、図2に示すように、さらに、左右一対のトラックフレーム38L,38Rを有している。
前記トラックフレーム38L(38R)の機体前後方向一方側(本実施の形態においては後方側)には、対応する前記走行駆動軸31L(31R)が軸受け(図示せず)を介して軸線回り回転可能に挿通され、且つ、機体前後方向他方側(本実施の形態においては前方側)には、対応する前記走行従動軸33L(33R)が軸受け(図示せず)を介して軸線回り回転可能に挿通されている。
本実施の形態においては、前記左右一対の走行部30L,30Rは、前記作業車輌1に備えられる油圧シリンダ装置90によって前記機体フレーム10に対して前記走行駆動軸31L,31R回りに相対移動し得るようになっている。
詳しくは、前記一対のトラックフレーム38L,38Rは、図2に示すように、機体前後方向他方側(本実施の形態においては前方側)寄りの部分において連結フレーム39を介して互いに連結されている。
そして、前記油圧シリンダ装置90は、一端側が前記機体フレーム10に直接又は間接的に連結され、且つ、他端側が前記連結フレーム39に連結されている。
前記操作部70は、図1及び図2に示すように、前記機体フレーム10から後方且つ上方へ延びるように前記機体フレーム10に立設されたハンドルフレーム71と、前記HST510の出力状態を変化させる為に前記ハンドルフレーム71に直接又は間接的に設けられた人為操作可能な変速操作部材72と、前記左右一対の旋回用電動モータ520L,520Rの出力状態をそれぞれ独立して変化させる為に前記ハンドルフレーム71に直接又は間接的に設けられた人為操作可能な左右一対の旋回操作部材73L,73Rとを備えている。
前記変速操作部材72は、好ましくは、前記HST510を中立状態とさせて前記作業車輌1の走行を停止させる中立位置、前記作業車輌1の車速が前進側に最大となる前進側最高速位置、前記前進側最高速位置より遅い所定の前進側最高作業速位置、前記作業車輌1の車速が後進側に最大となる後進側最高速位置及び前記後進側最高速位置より遅い所定の後進側最高作業速位置にそれぞれ係止可能とされる。
前記好ましい形態は、例えば、前記変速操作部材72をガイドするシフトゲート(図示せず)を、前記各操作位置に段部を有する階段状に形成することによって容易に実現可能である。
本実施の形態においては、図1及び図2に示すように、前記変速操作部材72は、前記ハンドルフレーム71に支持された操作ボックス700に設けられている。
前記操作ボックス700には、さらに、前記作業クラッチ機構105を人為操作する為の作業クラッチ操作部材74も設けられている。
前記左右一対の旋回操作部材73L,73Rは、互いに対して機体幅方向に離間された状態で前記ハンドルフレーム71に設けられている。
詳しくは、前記ハンドルフレーム71は、下端部が前記機体フレーム10に支持され且つ上端部が把持部とされた左右一対の支持フレーム710L,710Rを有している。
そして、前記左右一対の旋回操作部材73L,73Rは、それぞれ、基端部が対応する前記支持フレーム710L,710Rの把持部に機体幅方向に沿った支持軸回り揺動可能に連結されており、人為操作に応じて自由端部が前記把持部に対して接離するようになっている。
好ましくは、前記旋回操作部材73L(73R)の自由端部を対応する前記支持フレーム710L(710R)の前記把持部から離間する方向へ付勢する戻しバネ(図示せず)が備えられる。
斯かる構成においては、人為操作力によって前記戻しバネの付勢力に抗して前記旋回操作部材73L(73R)を対応する前記支持フレーム710L(710R)の前記把持部に近接させることで該旋回操作部材73L(73R)が作動位置に位置され、且つ、人為操作力を解除することで該旋回操作部材73L(73R)が非作動位置に位置される。
なお、図1中の符号26aは、前記支持フレーム710L,710Rに架設されたバッテリ台である。
次に、本実施の形態に係る前記作業車輌1の制御構造について説明する。
図4に、前記作業車輌1に備えられる制御装置400のシステムブロック図を示す。
前記作業車輌1は、図4に示すように、さらに、前記変速操作部材72の操作状態を検出する変速操作側センサ410と、前記HST510の出力調整部材515を作動させる変速用電動アクチュエータ80と、前記変速用電動アクチュエータの作動状態を直接又は間接的に検出する変速作動側センサ425と、前記エンジン20からの回転動力によって発電を行う発電機25と、前記発電機25によって充電されるバッテリ26と、前記バッテリ26からの電力を利用して前記エンジン20を始動させるスタータ28と、人為操作可能なメイン操作部材78と、前記メイン操作部材78の操作状態を検出する主電源/スタータセンサ480と、前記変速用電動アクチュエータ80及び前記スタータ28の作動制御を行う制御装置400とを備えており、前記変速用電動アクチュエータ80,前記スタータ28,前記410,425センサ及び前記制御装置400は前記バッテリ26を電力源として作動する。
前記変速用電動アクチュエータ80は、前記制御装置400からの制御信号によって作動制御される限り、種々の形態をとり得る。
例えば、前記変速用電動アクチュエータ80は、電動モータ、又は、電磁弁及び油圧アクチュエータの組み合わせ体とされ得る。
前記制御装置400は、前記主電源/スタータセンサ480からの信号に基づき主電源のオン/オフ切替制御及び前記スタータ28のオン/オフ切替制御を行うと共に、前記変速操作側センサ410及び前記変速作動側センサ425からの信号に基づき前記変速用電動アクチュエータ80の作動制御を行う車速制御を実行するように構成されている。
即ち、前記メイン操作部材78は、人為操作に応じて、主電源オフ位置,主電源オン位置及びスタータ作動位置を順にとり得るように構成されている。
そして、前記制御装置400は、前記メイン操作部材78の主電源オフ位置から主電源オン位置への操作に応じて、前記作業車輌1を主電源オフ状態から主電源オン状態へ移行させ、且つ、前記メイン操作部材78が主電源オン位置からスタータ作動位置へ操作されると前記スタータ28を駆動して前記エンジン20を始動させるように構成されている。
前記車速制御400は、前記メイン操作部材78の主電源オン位置への操作に応じて実行される。
即ち、前記制御装置400は、前記メイン操作部材78が主電源オフ位置から主電源オン位置へ操作されると、前記車速制御を開始する。
前記車速制御は、前記変速作動側センサ420の検出信号に基づく変速作動位置が前記変速操作側センサ410の検出信号に基づく変速操作位置と一致するように前記変速用電動アクチュエータ80を作動制御する。
具体的には、前記制御装置400は、前記各種センサ等から入力される信号に基づいて演算処理を実行する制御演算手段を含む演算部401(以下CPUという)と、車速制御プログラムや制御データ等を記憶するROM,設定値等を電源を切っても失われない状態で保存し且つ前記設定値等が書き換え可能とされたEEPROM及び前記演算部による演算中に生成されるデータを一時的に保持するRAM等を含む記憶部402とを備えている。
前記制御装置400は、前記記憶部402に収納された前記制御データとして、変速操作位置に対する変速作動位置に関する車速制御データを有している。
前記車速制御データは、例えば、制御用換算式又はLUT(ルックアップテーブル)とされる。
前記変速操作側センサ410は、例えば、前記変速操作部材72の操作位置を検出するポテンショセンサ、又は、前記変速操作部材72の操作方向及び操作量を累積的に検出するセンサとされる。
前記変速作動側センサ420は、例えば、前記変速用電動アクチュエータ80の作動位置を検出するポテンショセンサ426、又は、前記出力調整部材515の作動位置(前記制御軸515a又は前記制御軸515aに連結される前記制御アーム515bの位置)を検出するポテンショセンサ427とされる。
好ましくは、前記作業車輌1は、さらに、前記モータ軸513から前記第2伝動軸125へ至る伝動経路の何れかの回転部材の回転方向及び回転速度を検出する回転センサの形態をなす変速出力側センサ420を備え得る。
斯かる場合には、前記エンジン20が駆動されている状態での前記車速制御は、前記変速操作側センサ410からの検出信号と前記変速作動側センサ425及び/又は前記変速出力側センサ420からの検出信号とに基づき行われる。
なお、本実施の形態に係る前記作業車輌1は、図4に示すように、さらに、前記一対の旋回操作部材73L,73Rの操作状態を検出する左右一対の旋回操作側センサ430L,430Rと、前記左右一対の旋回用電動モータ520L,520Rの出力状態を検出する左右一対の旋回出力側センサ440L,440Rと、前記作業クラッチ操作部材74の操作状態を検出する作業クラッチ操作側センサ460と、前記作業クラッチ機構105の伝動状態を切り換える作業クラッチ用電動アクチュエータ600と、前記作業クラッチ機構105の伝動状態を直接又は間接的に検出する作業クラッチ作動側センサ470とを備えている。
従って、前記制御装置400は、前記車速制御に加えて、前記左右一対の旋回出力側センサ440L,440Rの検出信号に基づく左右旋回用電動モータ実出力が前記左右一対の旋回操作側センサ430L,430Rの検出信号に基づく左右旋回用電動モータ目標出力と一致するように前記左右一対の旋回用電動モータ520L,520Rを作動制御する旋回制御、並びに、前記作業クラッチ操作部材74の操作状態に応じて前記作業クラッチ機構105の伝動状態が切り換わるように前記作業クラッチ用電動アクチュエータ600を作動制御する作業制御を実行する。
前記左右一対の旋回操作側センサ430L,430Rは、例えば、前記左右一対の旋回操作部材73L,73Rの操作位置を検出するポテンショセンサ、又は、前記旋回操作部材73L,73Rの操作量を累積的に検出するセンサとされる。
前記左右一対の旋回出力側センサ440L,440Rは、例えば、前記出力軸522L,522Rの回転速度を検出する回転センサとされる。
前記作業クラッチ操作側センサ460は、例えば、前記作業クラッチ操作部材74の操作位置を検出するポテンショセンサ又は前記作業クラッチ操作部材74の操作位置に応じてON/OFF信号を検出する接触スイッチとされる。
前記作業クラッチ作動側センサ470は、例えば、前記作業クラッチ用電動アクチュエータ600の作動位置を検出するポテンショセンサ471、又は、前記作業クラッチ機構105の従動側から前記作業機40へ至る伝動部材の回転有無を検出するセンサ472とされる。
前記制御装置400は、前述の通り、前記メイン操作部材78の主電源オフ位置から主電源オン位置への操作に応じて前記車速制御を開始する。
これは、前記エンジン20の駆動開始時に前記変速用電動アクチュエータ80の作動状態を確実に前記変速用操作部材72の操作位置に合わせる為である。
即ち、例えば、前記作業車輌1の駆動中に何らかの原因で前記変速操作部材72を中立位置以外の位置に位置させたままで前記エンジン20を停止させていたとする。
この状態では、前記変速用電動アクチュエータ80は中立位置以外の作動位置のまま停止されている。
従って、前記メイン操作部材78を主電源オフ位置から主電源オン位置に位置された時点で前記制御装置400が前記車速制御を開始しないとすると、前記メイン操作部材78が主電源オン位置からスタータ作動位置に位置された時点で前記HSTが中立状態以外の状態のままで前記エンジン20が駆動開始されることになり、前記作業車輌1の急発進を招くことになる。
このような不都合を防止する為に、前記制御装置400は、前記メイン操作部材78が主電源オフ位置から主電源オン位置に位置されると前記車速制御を開始するように構成されている。
しかしながら、前記スタータ28の駆動時においても前記車速制御が実行されると、前記制御装置400が前記変速用電動アクチュエータ80を誤作動させる恐れがある。
即ち、前記制御装置400は、前記バッテリ26から供給される電力を利用した基準電圧に基づいて前記車速制御を実行するように構成されているが、前記バッテリ26は前記スタータ28の電力源としても利用されている。
詳しくは、前記スタータ28が駆動されている間は、前記バッテリ26の電圧が低下して、前記制御装置400の基準電圧が降下する恐れがある。
前記制御装置400が降下した基準電圧で前記車速制御を実行すると、前記変速操作部材72の操作位置に応じた正常な前記変速用電動アクチュエータの作動制御が行えず、例えば、前記変速操作部材72を中立位置に位置させているにも拘わらず、前記制御装置400が前記変速用電動アクチュエータ80を前進側へ作動させる等の不都合が生じ得る。
前記不都合を防止する為に、本実施の形態に係る前記作業車輌1においては、前記制御装置400は、前記メイン操作部材78の主電源オフ位置から主電源オン位置への操作に応じて前記車速制御を開始させつつ、前記スタータ28が駆動状態の間は前記変速用電動アクチュエータ80の作動制御を禁止するように構成されている。
斯かる構成によれば、前記変速操作部材72を中立位置に位置させた状態で前記メイン操作部材78を主電源オフ位置から主電源オン位置へ操作することにより、前記変速用電動アクチュエータ80が自動的に中立状態とされる。従って、前記メイン操作部材78を主電源オン位置からスタータ作動位置へ操作して前記エンジン20を始動させる際に、前記変速用電動アクチュエータ80が中立状態以外の状態となることを有効に防止できる。
さらに、前記スタータ28の駆動時には前記制御装置400は前記変速用電動アクチュエータ80の作動制御を行わない。従って、前記スタータ28の駆動時における前記バッテリ26の電圧低下に起因する前記変速用電動アクチュエータ80の誤作動を有効に防止できる。
さらに、前記スタータ28及び前記変速用電動アクチュエータ80が同時に作動されることがない為、前記バッテリ26の電圧降下を可及的に防止できる。
好ましくは、前記制御装置400は、変速作動位置と変速操作位置とが一致していない場合(即ち、両者の間に所定の不感帯範囲を超えた偏差が生じている場合)には、前記変速作動位置を前記変速操作位置に一致させる方向を有し且つ前記偏差の大きさに応じたパルス幅を有する制御信号を前記変速用電動アクチュエータ80に出力するパルス幅変調制御を行うように構成される。
斯かる好ましい形態においては、前記スタータ28の駆動時には、前記制御装置400の前記変速用電動アクチュエータ80への制御信号はパルス幅ゼロとされる。
なお、前記制御装置400の前記記憶部402には、前記偏差の大きさとパルス幅との関係に関する(演算式又はルックアップテーブル等の)制御データが予め収納される。
本実施の形態に係る作業車輌1は、図1〜図2及び4に示すように、さらに、前記走行系伝動経路の動力伝達を係脱させる為の走行クラッチ操作部材75と、前記走行クラッチ操作部材75の操作状態を検出する走行クラッチセンサ450とを備えている。
前記走行クラッチ操作部材75は、前記操作部70に備えられるデッドマンクラッチレバーとされている。
詳しくは、前記ハンドルフレーム71には、図1及び図2に示すように、前記左右一対の支持フレーム710L,710Rの自由端部同士を連結する機体幅方向に沿った連結フレーム711が備えられる。
前記デッドマンクラッチレバーの形態をなす前記走行クラッチ操作部材75は、前記連結フレーム711から離間する方向へ付勢部材(図示せず)によって付勢された状態で、前記連結フレーム711から離間されたクラッチ解除位置及び前記連結フレームに近接されたクラッチ係合位置をとり得るように車輌幅方向に沿った回動軸回りに揺動可能に前記ハンドルフレーム71に支持される。
即ち、前記デッドマンクラッチレバーの形態をなす前記走行クラッチ操作部材75は、前記付勢部材の付勢力に抗して前記連結フレーム711と共に把持されることでクラッチ係合位置に位置し、且つ、把持状態から解放されることで前記付勢部材の付勢力によってクラッチ解除位置に位置する。
前記制御装置400は、前記走行クラッチセンサ450からの信号に基づき前記走行クラッチ操作部材75がクラッチ解除位置に位置されたと判断すると、前記変速操作部材72の操作状態に拘わらず前記HST510を中立状態とさせる前記変速用電動アクチュエータ80の作動位置を目標位置として前記変速用電動アクチュエータ80の作動制御を実行する。
ここで、前記制御装置400に記憶されている車速制御プログラムについて説明する。
図5に、前記車速制御プログラムのフローチャートを示す。
前記車速制御プログラムは、前記メイン操作部材78が主電源オフ位置から主電源オン位置に操作されて(ステップ10)、前記作業車輌1が主電源オン状態にされること(ステップ11)に伴ってスタートする。
前記制御装置400は、ステップ12及びステップ13において、前記変速操作側センサ410及び前記変速作動側センサ425からそれぞれ変速操作位置及び変速作動位置を入力する。
前述の通り、本実施の形態に係る前記作業車輌は、前記走行クラッチ操作部材を備えており、ステップ13に後続するステップ14においては、前記走行クラッチセンサ450からの信号に基づき前記走行系伝動経路を動力遮断状態とすべきか否かが判断される。
まず、ステップ14においてNOの場合(即ち、前記走行クラッチ操作部材75がクラッチ係合位置に位置されている場合)について説明する。
この場合には、前記変速操作側センサ410からの検出信号に基づく変速操作位置と前記変速作動側センサ425からの検出信号に基づく変速作動位置とを用いた車速制御が実行される。
具体的には、ステップ14においてNOの場合には、ステップ31へ移行する。
ステップ31においては、前記ステップ12及び前記ステップ13において入力した信号に基づく変速作動位置及び変速操作位置間の偏差が所定の不感帯範囲を超えているか否かが判断される。
ステップ31においてYESの場合(即ち、変速作動位置が変速操作位置と一致していない場合)には、前記制御装置400は、ステップ32において、前記変速作動位置を前記変速操作位置に一致させる方向の制御信号であって、前記偏差の大きさに応じたパルス幅を有する制御信号を前記変速用電動アクチュエータ80へ出力する。
その後、再度、ステップ31において前記偏差が所定の不感帯幅を超えているか否かが判断され、NOの場合(即ち、変速作動位置が変速操作位置と一致している場合)にはステップ40へ移行する。
ステップ40においては、車速制御プログラムを継続するか否かが判断される。
具体的には、前記主電源/スタータセンサからの信号に基づき前記メイン操作部材が主電源オフ位置に位置されているか否かが判断され、YESの場合には車速制御プログラムが終了され、NOの場合には前記ステップ12へ戻る。
次に、ステップ14においてYESの場合(即ち、前記走行クラッチ操作部材75がクラッチ解除位置に位置されている場合)について説明する。
ステップ14においてYESの場合には、前記主電源/スタータセンサからの信号に基づき前記メイン操作部材78がスタータ作動位置に位置されているか否かを判断するステップ15へ移行する。
ステップ15においてYESの場合(即ち、前記メイン操作部材78がスタータ作動位置に位置された場合)にはステップ16へ移行し、NOの場合(即ち、前記メイン操作部材78がスタータ作動位置に位置されていない場合)にはステップ21へ移行する。
ステップ16においては、前記ステップ12における前記変速操作側センサ410からの信号に基づいて前記変速操作部材72が中立位置に位置されているか否かが判断され、YESの場合には前記スタータ28を駆動させるステップ17へ移行し、NOの場合にはステップ21へ移行する。
即ち、本実施の形態においては、前記走行クラッチ操作部材75がクラッチ解除位置に位置され且つ前記変速操作部材72が中立位置に位置されている状態で前記メイン操作部材78がスタータ作動位置に位置されることが、前記スタータ28の駆動の条件とされている。
前記ステップ15又は前記ステップ16の何れかにおいてNOの場合には、前述の通り、ステップ21へ移行する。
ステップ21及び後続するステップ22においては、HST中立位置を目標位置とする車速制御が実行される。
即ち、前記ステップ21への移行は、前述の通り、前記ステップ14において前記走行クラッチ操作部材75がクラッチ解除位置に位置されていることが条件となっている。
従って、前記ステップ21においては、前記ステップ13において入力した変速作動位置がHST中立位置と一致するか否か(即ち、変速作動位置及びHST中立位置間の偏差が所定の不感帯範囲を超えているか否か)が判断される。
ステップ21においてYESの場合(即ち、変速作動位置がHST中立位置と一致していない場合)には、前記制御装置400は、ステップ22において、前記変速作動位置をHST中立位置に一致させる方向の制御信号であって、前記偏差の大きさに応じたパルス幅を有する制御信号を前記変速用電動アクチュエータ80へ出力する。
その後、再度、ステップ21において前記偏差が所定の不感帯幅を超えているか否かが判断され、NOの場合(即ち、変速作動位置がHST中立位置と一致している場合)にはステップ40へ移行する。
前述の通り、前記ステップ15及び前記ステップ16の双方においてYESの場合にのみ、前記スタータ28を駆動させるステップ17へ移行して前記エンジン20を始動させる。
そして、前記スタータ28を駆動させている状態においては、前記制御装置400は、変速用電動アクチュエータ80にパルス幅ゼロの制御信号を出力して(ステップ18)、前記ステップ40へ移行する。
即ち、前記スタータ28を駆動させている為に前記バッテリ26の電圧が低下している恐れが高い状態においては、変速作動位置がHST中立位置に一致しているか否かに拘わらず、前記制御装置400は、前記変速用電動アクチュエータ80を作動させないように構成されている。
従って、前記バッテリ26の電圧低下に起因する前記変速用電動アクチュエータ80の誤作動が有効に防止でき、さらに、前記バッテリ26の電圧降下を可及的に防止できる。
1 作業車輌
20 エンジン
25 発電機
26 バッテリ
28 スタータ
30L,30R 左右の走行装置
72 変速操作部材
78 メイン操作部材
80 変速用電動アクチュエータ
400 制御装置
410 変速操作側センサ
425 変速作動側センサ
480 主電源/スタータセンサ
510 HST
515 出力調整部材

Claims (3)

  1. エンジンと、走行部と、前記エンジンから前記走行部へ至る走行系伝動経路に介挿されたHSTと、人為操作可能な変速操作部材と、前記HSTの出力調整部材を作動させる変速用電動アクチュエータと、前記変速操作部材の操作状態を検出する変速操作側センサと、前記変速用電動アクチュエータの作動状態を直接又は間接的に検出する変速作動側センサと、前記エンジンからの回転動力によって発電を行う発電機と、前記発電機によって充電されるバッテリと、前記バッテリからの電力を利用して前記エンジンを始動させるスタータと、主電源オフ位置,主電源オン位置及びスタータ作動位置をとり得る人為操作可能なメイン操作部材と、前記メイン操作部材の操作状態を検出する主電源/スタータセンサと、前記主電源/スタータセンサからの信号に基づき主電源のオン/オフ切替制御及び前記スタータのオン/オフ切替制御を行うと共に、前記変速操作側センサ及び前記変速作動側センサからの信号に基づき前記変速用電動アクチュエータの作動制御を行う車速制御を実行する制御装置とを備えた作業車輌であって、
    前記制御装置は、前記メイン操作部材の主電源オフ位置から主電源オン位置への操作に応じて前記車速制御を開始させると共に、前記スタータがオン状態の間には前記変速用電動アクチュエータの作動制御を禁止するように構成されていることを特徴とする作業車輌。
  2. 前記制御装置は、前記車速制御に際し、前記変速操作側センサからの信号に基づく変速操作状態と前記変速作動側センサからの信号に基づく変速作動状態との間に所定の不感帯範囲を超えた偏差が生じている場合には前記偏差の大きさに応じたパルス幅の制御信号を前記変速用電動モータに出力しつつ、前記スタータがオン状態の間はパルス幅ゼロの制御信号を前記変速用電動アクチュエータに出力することを特徴とする請求項1に記載の作業車輌。
  3. 前記制御装置は、前記変速操作部材が中立位置以外に位置された状態で前記メイン操作部材が主電源オン位置からスタータ作動位置に操作された際には前記スタータの駆動を行わないことを特徴とする請求項1又は2に記載の作業車輌。
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