JP5224848B2 - 作業車輌 - Google Patents

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Description

本発明は、除雪機等の作業車輌に関する。
エンジンによって作動的に駆動される走行HSTを有する除雪機等の作業車輌が公知である(例えば、特許文献1参照)。
前記走行HSTは、油圧ポンプ本体及び油圧モータ本体を有し、これらのうち可変容積型とされた部材(可変容積型部材)の吸引/吐出量を変化させる出力調整部材をさらに備えており、出力調整部材を操作することで、油圧ポンプ本体の回転速度に対する油圧モータ本体の回転速度を無段階に変化させ得るようになっている。
ところで、前記走行HSTの前記出力調整部材を走行アクチュエータを介して操作するように構成された作業車輌が提案されている。
詳しくは、前記作業車輌は、前記走行HSTと、前記走行HSTを変速操作するための走行操作部材と、前記走行HSTの出力調整部材を作動させる走行アクチュエータと、前記走行HSTの出力回転数を検出するHST出力センサと、前記出力調整部材の作動位置を検出する作動位置センサと、前記走行アクチュエータの作動制御を行う制御装置を含む制御機構とを備えている。
かかる作業車輌は、走行操作部材の操作位置に対応した車速となるように、制御装置が走行アクチュエータを作動制御するように構成されている。
例えば、走行操作部材を車輌停止位置に位置させると、制御装置が走行アクチュエータを作動させて走行HSTの出力調整部材を車輌停止に対応した位置に位置させ、これにより、作業車輌が停止するようになっている。
しかしながら、前記走行HSTには製造誤差や組み付け誤差が生じ得る。従って、前記走行操作部材を所定の速度位置に位置させ、且つ、前記制御装置が前記走行アクチュエータを介して前記出力調整部材を所定位置に位置させているにも拘わらず、前記作業車輌の実際の車速が前記走行操作部材が位置されている所定の速度位置に対応した速度にならない場合が生じ得る。
特に、走行操作部材が車輌停止位置に位置しているにも拘らず作業車輌が停止しない状態は、安全性を損うこととなり問題である。
特開平7−173810号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、走行操作部材の操作量に応じて前記走行HSTの出力制御が行われる作業車輌であって、走行HSTの製造誤差及び組み付け誤差に拘わらず、走行HSTの出力調整部材における中立位置の設定を容易且つ確実に行うことができる作業車輌の提供を、一の目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の第1態様に係る作業車輌は、駆動源から前進側及び後進側の双方向に可変出力可能な走行HSTを介して走行部へ走行回転動力が伝達されるとともに、前記走行HSTの出力調整部材を作動させる走行アクチュエータ、前記走行HSTの出力回転数を検出するHST出力センサ、前記出力調整部材の作動位置を検出する作動位置センサ及び前記走行アクチュエータの作動制御を行う制御装置を含む制御機構を備え、前記制御装置の通常制御モードによって、走行操作部材の操作量に応じて前記走行HSTの出力制御が行われる作業車輌であって、前記駆動源から前記走行部へ至る走行系伝動経路に介挿された走行クラッチ機構と、前記走行クラッチ機構を操作するための走行クラッチ操作部材であって、付勢部材によって前記走行クラッチ機構を動力遮断状態とさせる方向に付勢されている走行クラッチ操作部材とを備え、前記制御装置は、前記通常制御モードに加えて、所定の起動操作により起動される初期設定モードを有し、前記初期設定モードは、前記HST出力センサからの検出信号に基づき前記走行HSTの出力が前進側第1回転数となるように前記走行アクチュエータを作動させてその時点での前記出力調整部材の作動位置を前進側第1作動位置として記憶し、前記走行HSTの出力が前記前進側第1回転数から実質的に0となるように前記走行アクチュエータを作動させてその時点での前記出力調整部材の作動位置を前進側中立位置として記憶し、前記HST出力センサからの検出信号に基づき前記走行HSTの出力が後進側第1回転数となるように前記走行アクチュエータを作動させてその時点での前記出力調整部材の作動位置を後進側第1作動位置として記憶し、前記走行HSTの出力が前記後進側第1回転数から実質的に0となるように前記走行アクチュエータを作動させてその時点での前記出力調整部材の作動位置を後進側中立位置として記憶し、前記前進側中立位置及び前記後進側中立位置の平均値を中立位置として記憶する中立設定モードを有し、前記中立設定モードは、前記走行クラッチ操作部材が前記付勢部材の付勢力に抗して動力伝達位置に位置されている状態においてのみ作動可能とされており、前記出力調整部材を前記中立位置に位置させた状態で前記走行HSTの出力回転数が実質的に0となるか否かを判断し、前記実質的に0と判断された場合にのみ前記前進側第1作動位置、前記後進側第1作動位置及び前記中立位置を電源を切っても失われない記憶領域に記憶するように構成されていることを特徴とするものである。
上記第1態様に係る作業車輌によれば、制御装置の通常制御モードにおいて、走行HSTの出力回転数は、HST出力センサにより検出される。
ここで、制御装置は、所定の起動操作により初期設定モードに移行する。初期設定モードは、中立設定モードを有しており、制御装置は、中立設定モードにおいて、まず、HST出力センサによって検出される走行HSTの出力回転数が前進側第1回転数となるように、走行アクチュエータを作動させる。そして、制御装置は、走行HSTの出力回転数が前進側第1回転数となったときの出力調整部材の作動位置を前進側第1作動位置として記憶する。その後、制御装置は、走行HSTの出力回転数が前進側第1回転数から実質的に0となるように走行アクチュエータを作動させ、その時点における出力調整部材の作動位置を前進側中立位置として記憶する。
同様に、走行HSTの出力回転数が後進側第1回転数となるように、走行アクチュエータを作動させる。そして、制御装置は、走行HSTの出力回転数が後進側第1回転数となったときの出力調整部材の作動位置を後進側第1作動位置として記憶する。その後、制御装置は、走行HSTの出力回転数が後進側第1回転数から実質的に0となるように走行アクチュエータを作動させ、その時点における出力調整部材の作動位置を後進側中立位置として記憶する。
さらに、制御装置は、このようにして得られた前進側中立位置及び後進側中立位置の平均値(中間値)を走行HSTの出力調整部材の中立位置(作業車輌の停止位置)として記憶する。
そして、制御装置は、前記通常制御モードにおいて、記憶された中立位置を基準として、走行操作部材の操作量に応じた出力調整部材の作動制御を行う。
このように、走行HSTの出力調整部材を実際に作動させて、前進側及び後進側の双方からそれぞれ走行HSTの出力回転数が実質的に0となるような前進側及び後進側中立位置を検出し、前進側及び後進側中立位置の中間点を走行HSTの出力調整部材の中立位置として設定することにより、出力調整部材の中立位置を容易且つ確実に記憶することができる。
これにより、制御装置が作業車輌を停止させるべく走行アクチュエータを介して出力調整部材を制御しているにも拘わらず、出力調整部材の中立位置が前記制御位置とずれていることにより作業車輌が停止しない状態が生じるのを防止することができる。従って、HSTの製造誤差及び組み付け誤差に拘わらず、前記走行HSTの出力調整部材の中立位置を確実に検出することができる。
また、別途チェッカーなどの調整装置を用いなくても本機のみで実行可能であるので、必要なときにいつでも調整を行うことができる。
さらに、中立設定モード実行後は、オペレータが別途操作する必要がなく自動で設定作業が行われるため、容易且つ確実な中立位置の設定が可能である。
また、前記第1態様に係る作業車輌は、前記駆動源から前記走行部へ至る走行系伝動経路に介挿された走行クラッチ機構と、前記走行クラッチ機構を操作するための走行クラッチ操作部材であって、付勢部材によって前記走行クラッチ機構を動力遮断状態とさせる方向に付勢されている走行クラッチ操作部材とを備えており、前記中立設定モードは、前記走行クラッチ操作部材が前記付勢部材の付勢力に抗して動力伝達位置に位置されている状態においてのみ動作可能とされている。
この場合、制御装置は、走行クラッチ操作部材が走行クラッチ機構を動力伝達位置に位置させている状態においてのみ中立設定モードを実行する。換言すると、中立設定モードの実行中に走行クラッチ操作部材が走行クラッチ機構を動力遮断状態とする動力遮断位置に位置すると、制御装置は、中立設定モードを中断する。
これにより、例えば、ジャッキアップ等により走行部を浮かせた状態で中立設定モードを実行している際に、走行部の振動等によりジャッキアップが解除されて作業車輌が走行を開始するようなことがあっても、走行クラッチ操作部材を手離すことにより中立設定モードを中断し、作業車輌を停止させることができる。
従って、中立設定モード実行中に作業車輌がオペレータの手から離れて単独で走行することを防止することができる。
さらに、前記第1態様に係る作業車輌においては、前記中立設定モードは、前記出力調整部材を前記中立位置に位置させた状態で前記走行HSTの出力回転数が実質的に0となるか否かを判断し、前記実質的に0と判断された場合にのみ前記前進側第1作動位置、前記後進側第1作動位置及び前記中立位置を電源を切っても失われない記憶領域に記憶する。
この場合、制御装置は、中立設定モードにおいて中立位置を算出後、実際に出力調整部材を中立位置に位置させ、このときの走行HSTの出力回転数が実質的に0となるか否かが判断される。そして、制御装置は、前記出力回転数が実質的に0と判断された場合にのみ、検出された前進側第1作動位置及び後進側第1作動位置並びに算出された中立位置を電源を切っても失われない記憶領域に記憶する。
このように、初期設定が適正に行われたか否かを確認した上で中立位置等を記憶することにより、記憶された初期設定値の信頼性を向上させることができる。また、前記確認後に初めて電源を切っても失われない記憶領域(例えば、EEPROM)に記憶させるため、処理速度を短縮することができるとともに、特に、書き込み回数に制限があるEEPROMを用いた場合に書き込み回数を減少させることができるため、当該EEPROMの寿命をより長くすることができる。
また、前記目的を達成するために、本発明の第2態様に係る作業車輌は、駆動源から前進側及び後進側の双方向に可変出力可能な走行HSTを介して走行部へ走行回転動力が伝達されるとともに、前記走行HSTの出力調整部材を作動させる走行アクチュエータ、前記走行HSTの出力回転数を検出するHST出力センサ、前記出力調整部材の作動位置を検出する作動位置センサ及び前記走行アクチュエータの作動制御を行う制御装置を含む制御機構を備え、前記制御装置の通常制御モードによって、走行操作部材の操作量に応じて前記走行HSTの出力制御が行われる作業車輌であって、前記制御装置は、前記通常制御モードに加えて、所定の起動操作により起動される初期設定モードを有し、前記初期設定モードは、前記HST出力センサからの検出信号に基づき前記走行HSTの出力が前進側第1回転数となるように前記走行アクチュエータを作動させてその時点での前記出力調整部材の作動位置を前進側第1作動位置として記憶し、前記走行HSTの出力が前記前進側第1回転数から実質的に0となるように前記走行アクチュエータを作動させてその時点での前記出力調整部材の作動位置を前進側中立位置として記憶し、前記HST出力センサからの検出信号に基づき前記走行HSTの出力が後進側第1回転数となるように前記走行アクチュエータを作動させてその時点での前記出力調整部材の作動位置を後進側第1作動位置として記憶し、前記走行HSTの出力が前記後進側第1回転数から実質的に0となるように前記走行アクチュエータを作動させてその時点での前記出力調整部材の作動位置を後進側中立位置として記憶し、前記前進側中立位置及び前記後進側中立位置の平均値を中立位置として記憶する中立設定モードを有し、前記中立設定モードは、前記出力調整部材を前記中立位置に位置させた状態で前記走行HSTの出力回転数が実質的に0となるか否かを判断し、前記実質的に0と判断された場合にのみ前記前進側第1作動位置、前記後進側第1作動位置及び前記中立位置を電源を切っても失われない記憶領域に記憶するように構成され、前記制御機構は、前記走行操作部材の操作位置を検出する走行操作位置検出センサを備え、前記初期設定モードは、前記中立設定モードに加えて、前記走行操作部材を中立位置を含む所定の操作位置に位置させた際の前記走行操作位置検出センサからの信号をそれぞれ記憶する走行操作位置設定モードを有し、前記中立設定モード及び前記走行操作位置設定モードは、モード切換スイッチの操作に応じて選択され、且つ、モード設定スイッチの操作に応じて実行されることを特徴とするものである。
前記第2態様に係る作業車輌によれば、前記一態様に係る作業車輌と同様に、HSTの製造誤差及び組み付け誤差に拘わらず、前記走行HSTの出力調整部材の中立位置を確実に検出することができ、別途チェッカーなどの調整装置を用いなくても本機のみで実行可能であるので、必要なときにいつでも調整を行うことができ、さらに、中立設定モード実行後は、オペレータが別途操作する必要がなく自動で設定作業が行われるため、容易且つ確実な中立位置の設定が可能でき、さらに、初期設定が適正に行われたか否かを確認した上で中立位置等を記憶することにより、記憶された初期設定値の信頼性を向上させることができる。また、前記確認後に初めて電源を切っても失われない記憶領域(例えば、EEPROM)に記憶させるため、処理速度を短縮することができるとともに、特に、書き込み回数に制限があるEEPROMを用いた場合に書き込み回数を減少させることができるため、当該EEPROMの寿命をより長くすることができる。
さらに、前記第2態様に係る作業車輌においては、初期設定モードに移行した後、モード切替スイッチを操作することにより、中立位置設定モード及び走行操作位置設定モードの何れかが選択され、モード設定スイッチを操作することにより、選択している設定モードが実行される。また、制御装置は、走行操作位置設定モードにおいて、走行操作部材を中立位置を含む所定の操作位置へ操作した際の走行操作位置検出センサから検出される操作位置を記憶する。
このような走行操作位置設定モードを実行することにより、制御装置が走行HSTの出力調整部材を所定位置に位置させているにも拘わらず、作業車輌の実際の車速が前記走行操作部材が位置されている所定の速度位置に対応した速度にならない状態が生じるのを防止することができ、走行HSTの製造誤差に拘わらず、前記走行操作部材の操作位置に応じた車速を容易に得ることができる。
また、複数ある設定モードの全てについて調整が必要でない場合でも、設定したい設定モードについてのみ実行可能であるため、初期設定を行う時間を短縮することができる。また、モード切換スイッチ及びモード設定スイッチにおいても既存のスイッチを流用することが可能であり、別途専用のスイッチを設ける必要をなくすことができる。
また、前記目的を達成するために、本発明の第3他態様に係る作業車輌は、駆動源から前進側及び後進側の双方向に可変出力可能な走行HSTを介して走行部へ走行回転動力が伝達されるとともに、前記走行HSTの出力調整部材を作動させる走行アクチュエータ、前記走行HSTの出力回転数を検出するHST出力センサ、前記出力調整部材の作動位置を検出する作動位置センサ及び前記走行アクチュエータの作動制御を行う制御装置を含む制御機構を備え、前記制御装置の通常制御モードによって、走行操作部材の操作量に応じて前記走行HSTの出力制御が行われる作業車輌であって、左右一対の差動機構を介して前記走行部へ制動旋回動力を伝達する左右一対の旋回モータと、前記左右一対の旋回モータを人為操作する左右一対の旋回操作部材とを備え、前記制御機構は、前記旋回操作部材の操作位置を検出する旋回操作位置検出センサを備え、前記制御装置は、前記通常制御モードに加えて、所定の起動操作により起動される初期設定モードを有し、前記初期設定モードは、前記HST出力センサからの検出信号に基づき前記走行HSTの出力が前進側第1回転数となるように前記走行アクチュエータを作動させてその時点での前記出力調整部材の作動位置を前進側第1作動位置として記憶し、前記走行HSTの出力が前記前進側第1回転数から実質的に0となるように前記走行アクチュエータを作動させてその時点での前記出力調整部材の作動位置を前進側中立位置として記憶し、前記HST出力センサからの検出信号に基づき前記走行HSTの出力が後進側第1回転数となるように前記走行アクチュエータを作動させてその時点での前記出力調整部材の作動位置を後進側第1作動位置として記憶し、前記走行HSTの出力が前記後進側第1回転数から実質的に0となるように前記走行アクチュエータを作動させてその時点での前記出力調整部材の作動位置を後進側中立位置として記憶し、前記前進側中立位置及び前記後進側中立位置の平均値を中立位置として記憶する中立設定モードを有し、前記中立設定モードは、前記出力調整部材を前記中立位置に位置させた状態で前記走行HSTの出力回転数が実質的に0となるか否かを判断し、前記実質的に0と判断された場合にのみ前記前進側第1作動位置、前記後進側第1作動位置及び前記中立位置を電源を切っても失われない記憶領域に記憶するように構成され、前記初期設定モードは、前記中立設定モードに加えて、前記左右一対の旋回操作部材のそれぞれを非操作位置及び最大操作位置に位置させた際の前記旋回操作位置検出センサからの信号をそれぞれ記憶する旋回操作位置設定モードを有し、前記中立設定モード及び前記旋回操作位置設定モードは、モード切換スイッチの操作に応じて選択され、且つ、モード設定スイッチの操作に応じて実行されることを特徴とするものである。
前記第3態様に係る作業車輌によれば、前記第1及び第2態様に係る作業車輌と同様に、HSTの製造誤差及び組み付け誤差に拘わらず、前記走行HSTの出力調整部材の中立位置を確実に検出することができ、別途チェッカーなどの調整装置を用いなくても本機のみで実行可能であるので、必要なときにいつでも調整を行うことができ、さらに、中立設定モード実行後は、オペレータが別途操作する必要がなく自動で設定作業が行われるため、容易且つ確実な中立位置の設定が可能でき、さらに、初期設定が適正に行われたか否かを確認した上で中立位置等を記憶することにより、記憶された初期設定値の信頼性を向上させることができる。また、前記確認後に初めて電源を切っても失われない記憶領域(例えば、EEPROM)に記憶させるため、処理速度を短縮することができるとともに、特に、書き込み回数に制限があるEEPROMを用いた場合に書き込み回数を減少させることができるため、当該EEPROMの寿命をより長くすることができる。
さらに、前記第3態様に係る作業車輌においては、初期設定モードに移行した後、モード切替スイッチを操作することにより、中立位置設定モード及び旋回操作位置設定モードの何れかが選択され、モード設定スイッチを操作することにより、選択している設定モードが実行される。また、制御装置は、旋回操作位置設定モードにおいて、走行部へ制動旋回動力を伝達する左右一対の旋回モータを人為操作する左右一対の旋回操作部材のそれぞれを非操作位置及び最大操作位置へ操作した際の旋回操作位置検出センサから検出される操作位置を記憶する。
このような旋回操作位置設定モードを実行することにより、左右の旋回量を適正化することができる。
また、複数ある設定モードの全てについて調整が必要でない場合でも、設定したい設定モードについてのみ実行可能であるため、初期設定を行う時間を短縮することができる。また、モード切換スイッチ及びモード設定スイッチにおいても既存のスイッチを流用することが可能であり、別途専用のスイッチを設ける必要をなくすことができる。
好ましくは、前記前進側第1回転数及び前記後進側第1回転数は、それぞれ、前進側最大回転数及び後進側最大回転数である。
この場合、制御装置は、走行HSTの出力回転数を前進側最大回転数及び後進側最大回転数となるように、走行アクチュエータを作動させ、そのときの出力調整部材の作動位置を前進側第1作動位置及び後進側第1作動位置として記憶する。
このように、前進側最大回転数及び後進側最大回転数となったときの出力調整部材の作動位置を最大作動位置として記憶することにより、走行操作部材の操作量(即ち、目標車速)と走行HSTの出力調整部材の作動量との対応付けを容易且つ的確に行うことができる。
好ましくは、前記中立設定モードは、前記走行HSTの出力回転数が所定の前進側回転数以下となった時点での前記出力調整部材の作動位置を前記前進側中立位置として一時的に記憶し、前記走行HSTの出力回転数が所定の後進側回転数以下となった時点での前記出力調整部材の作動位置を前記後進側中立位置として記憶する。
この場合、制御装置は、走行HSTの出力回転数が所定の前進側及び後進側回転数以下となった時点での出力調整部材の作動位置を前進側及び後進側中立位置として一時記憶する。
このように、前進側及び後進側中立位置として、算出される中立位置からやや離れた位置を採用し、前進側中立位置と後進側中立位置との間に幅を持たせることにより、中立設定作業の迅速化を図ることができる。
本発明に係る作業車輌によれば、走行HSTの出力調整部材を実際に作動させて、前進側及び後進側の双方からそれぞれ走行HSTの出力回転数が実質的に0となるような前進側及び後進側中立位置を検出し、前進側及び後進側中立位置の中間点を走行HSTの出力調整部材の中立位置として設定することにより、出力調整部材の中立位置を容易且つ確実に記憶することができる。
これにより、制御装置が作業車輌を停止させるべく走行アクチュエータを介して出力調整部材を制御しているにも拘わらず、出力調整部材の中立位置が前記制御位置とずれていることにより作業車輌が停止しない状態が生じるのを防止することができる。従って、HSTの製造誤差及び組み付け誤差に拘わらず、前記走行HSTの出力調整部材の中立位置を確実に検出することができる。
また、別途チェッカーなどの調整装置を用いなくても本機のみで実行可能であるので、必要なときにいつでも調整を行うことができる。
さらに、中立設定モード実行後は、オペレータが別途操作する必要がなく自動で設定作業が行われるため、容易且つ確実な中立位置の設定が可能である。
さらに、初期設定が適正に行われたか否かを確認した上で中立位置等を記憶するので、記憶された初期設定値の信頼性を向上させることができる。また、前記確認後に初めて電源を切っても失われない記憶領域(例えば、EEPROM)に記憶させるため、処理速度を短縮することができるとともに、特に、書き込み回数に制限があるEEPROMを用いた場合に書き込み回数を減少させることができるため、当該EEPROMの寿命をより長くすることができる。
本発明の第1態様に係る作業車輌によれば、走行クラッチ操作部材が走行クラッチ機構を動力伝達位置に位置させている状態においてのみ中立設定モードが実行される。換言すると、中立設定モードの実行中に走行クラッチ操作部材が走行クラッチ機構を動力遮断状態とする動力遮断位置に位置されると、中立設定モードが中断される。従って、例えば、ジャッキアップ等により走行部を浮かせた状態で中立設定モードを実行している際に、走行部の振動等によりジャッキアップが解除されて作業車輌が走行を開始するようなことがあっても、走行クラッチ操作部材を手離すことにより中立設定モードが中断され、作業車輌を停止させ、中立設定モード実行中に作業車輌がオペレータの手から離れて単独で走行することを防止することができる。
本発明の第2態様に係る作業車輌によれば、初期設定モードに移行した後、モード切替スイッチを操作することにより、中立位置設定モード及び走行操作位置設定モードの何れかが選択され、モード設定スイッチを操作することにより、選択している設定モードが実行される。また、制御装置は、走行操作位置設定モードにおいて、走行操作部材を中立位置を含む所定の操作位置へ操作した際の走行操作位置検出センサから検出される操作位置を記憶する。従って、制御装置が走行HSTの出力調整部材を所定位置に位置させているにも拘わらず、作業車輌の実際の車速が前記走行操作部材が位置されている所定の速度位置に対応した速度にならない状態が生じるのを防止することができ、走行HSTの製造誤差に拘わらず、前記走行操作部材の操作位置に応じた車速を容易に得ることができる。
本発明の第3態様に係る作業車輌によれば、初期設定モードに移行した後、モード切替スイッチを操作することにより、中立位置設定モード及び旋回操作位置設定モードの何れかが選択され、モード設定スイッチを操作することにより、選択している設定モードが実行される。また、制御装置は、旋回操作位置設定モードにおいて、走行部へ制動旋回動力を伝達する左右一対の旋回モータを人為操作する左右一対の旋回操作部材のそれぞれを非操作位置及び最大操作位置へ操作した際の旋回操作位置検出センサから検出される操作位置を記憶する。従って、旋回操作位置設定モードを実行することにより、左右の旋回量を適正化することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1及び図2は、本発明に係る作業車輌の一例である歩行型除雪機1の概略側面図及び概略平面図である。また、図3は、図1及び図2に示す歩行型除雪機1における伝動模式図である。
本実施形態の歩行型除雪機1は、図1及び図2に示すように、駆動源であるエンジン31からの出力を利用して駆動される左右一対の走行部40L,40R及び作業部20と、前記エンジン31から前記走行部40L,40Rへ至る走行系伝動経路に介挿され、前進側及び後進側の双方向に可変出力可能なHST(走行HST)102を含む走行機構120と、左右一対の旋回用電動モータ(旋回モータ)33L,33Rを含む旋回機構330と、前記走行機構120から走行回転動力を入力し及び前記旋回機構330から制動回転動力を入力して前記走行部40L,40Rへ向けてそれぞれ回転動力を出力する左右一対の差動機構103L,103Rと、前記HST102を変速操作するための走行操作部材53と、前記左右一対の旋回用電動モータ33L,33Rをを人為操作する左右一対の旋回操作部材56L,56Rを備えている。
詳しくは、前記作業部20は、ここでは、除雪部とされており、前記歩行型除雪機1の走行上における雪を除去するように構成されている。
具体的には、前記作業部20は、機体フレーム10の機体前後方向(図1の矢印x参照)前方x1において該機体フレーム10に支持されており、雪の掻き込みを行う掻込オーガ21と、前記掻込オーガ21を覆うオーガハウジング22と、前記オーガハウジング22の機体前後方向x後方x2に配設されたブロアハウジング23と、前記ブロアハウジング23に内装されたブロア24と、前記ブロア24の上方に配設されたシュータ25とを備えている。
前記掻込オーガ21は、前記歩行型除雪機1の走行路上における雪を機体左右方向(図2の矢印y参照)中央に向けて掻き集めるとともに前記ブロアハウジング23内の前記ブロア24に向けて送るように構成されている。
前記掻込オーガ21は、ここでは、外周面に螺旋状の突起が設けられた略円柱形状の部材を備えており、軸心方向が機体左右方向yに沿うように且つ地面に近接するように配設されている。
そして、前記掻込オーガ21は、両端部が前記オーガハウジング22に軸心回り回転可能に軸支されており、前記エンジン31からの駆動力により回転駆動されるようになっている。
前記オーガハウジング22は、前記掻込オーガ21を軸支する構造体とされており、前記掻込オーガ21の筐体としての機能を兼ね備えたものとされている。
前記ブロアハウジング23は、前記ブロア24を内設する筐体とされており、前記オーガハウジング22を支持する構造体としての機構を兼ね備えたものされている。
前記ブロア24は、前記エンジン31からの駆動力により回転駆動されることで、前記掻込オーガ21により前記ブロアハウジング23内に搬送されてきた雪を前記シュータ25に向けて跳ね飛ばすように構成されている。
前記シュータ25は、ここでは、筒状の部材とされており、前記ブロアハウジング23の水平面に対して上下方向に沿った旋回軸回り旋回可能とされているとともに、先端部が水平方向に沿った回動軸回り上下回動可能とされている。
かかる構成を備えることにより、前記作業部20は、前記掻込オーガ21により前記ブロアハウジング23内に搬送され、前記ブロア24により跳ね飛ばされた雪を、前記シュータ25を通して前記歩行型除雪機1の走行路外に除去するようになっているとともに、該シュータ25を通過して地面に落下する雪の落下位置を位置調整できるようになっている。
前記エンジン31は、前記作業部20の機体前後方向x後方x2に配設された駆動部30に備えられている。
前記HST102は、前記駆動部30の下方に配設されたトランスミッション100に備えられている。
前記駆動部30は、前記エンジン31から、プーリ及びベルト等の作業駆動力伝達手段12を介して、前記作業部20に駆動力を伝達し、且つ、プーリ及びベルト等の走行駆動力伝達手段13を介して、前記トランスミッション100に駆動力を伝達し得るように構成されている。
具体的には、前記エンジン31は、前部から出力軸31aが突出しており、該出力軸31aが中途部で前記機体フレーム10に設けられたブラケット11に軸受け(図示省略)を介して支持されている。
前記作業駆動力伝達手段12は、ここでは、ベルトプーリ式のものであり、前記エンジン31の前記出力軸31aから動力が伝達される駆動プーリ131aと、前記作業部20の入力軸20aに設けられた従動プーリ133aと、前記駆動プーリ131a及び前記従動プーリ133aに巻回されたベルト134aとを備えている。
前記トランスミッション100は、前記エンジン31からの駆動力を前記走行部40L,40Rに伝達し、前記歩行型除雪機1を前進又は後進させ得るように構成されている。
前記トランスミッション100は、前記HST102に加えて、ミッションケース101を備えており、該ミッションケース101から入力軸104が前向きに突出されている。前記入力軸104は、前端部が前記ブラケット11に軸支されている。
前記走行駆動力伝達手段13は、ここでは、ベルトプーリ式のものであり、前記エンジン31の前記出力軸31aに設けられた駆動プーリ131bと、前記トランスミッション100の前記入力軸104に設けられた従動プーリ133bと、前記プーリ131b及び前記プーリ133bに巻回されたベルト134bとを備えている。
前記駆動部30は、さらに、前記エンジン31の回転動力によって電力を発生させる発電機260(後述する図4参照)を備えている。
なお、本実施形態において、前記発電機260は、後述するように、前記エンジン31の出力回転数を検出する負荷検出センサとしても機能する。
前記駆動部30は、前記エンジン31によって前記発電機260を回転駆動することにより電力を発生させ、当該発電機2600で発生した電力がバッテリ32に充電されるようになっている。
そして、前記駆動部30は、充電された前記バッテリ32(及び前記発電機260)によって、前記旋回機構330の左旋回用電動モータ33L及び右旋回用電動モータ33Rの駆動回路にそれぞれ電力を供給し、該駆動回路によって、該旋回用電動モータ33L,33Rの回転数を制御しつつ該旋回用電動モータ33L,33Rを駆動し得るように構成されている。
かかる構成において、前記差動機構103L,103Rに前記走行機構120からの走行回転動力及び前記旋回機構330からの制動回転動力を入力することにより、前記歩行型除雪機1は、右旋回又は左旋回し得るようになっている。
本実施形態において、前記HST102は、図3に示すように、ポンプ軸(前記入力軸)104と、ポンプ本体105と、モータ本体106と、モータ軸(出力軸)107と、出力調整部材108とを備えている。
前記ポンプ軸104は、前記エンジン31に作動連結されており、前記ポンプ本体105は、前記ポンプ軸104に相対回転不能に支持されている。
前記モータ本体106は、一対の作動油ライン109を介して前記ポンプ本体105に流体的に接続されており、前記モータ軸107は、前記モータ本体106によって軸線回りに回転されるように構成されている。
そして、前記出力調整部材108は、前記ポンプ本体105又は前記モータ本体106の少なくとも一方(ここでは、前記ポンプ本体105)の給排油量を変更させ得るように構成されている。
本実施形態において、前記ポンプ本体105及び前記モータ本体106は、図1及び図2に示すように、前記ミッションケース101の後端部に固設されている。
また、前記ポンプ本体105は、容量可変型ピストンポンプとされており、前記出力調整部材108は、可動斜板を含んでいる。
前記HST102は、前記可動斜板の板面を前記ポンプ軸104の軸線方向に対して垂直としたときは、前記ポンプ軸104が回転駆動されても前記モータ本体106に圧油を搬送することがない中立位置をとり、前記可動斜板の板面を前記ポンプ軸104の軸線方向に対して傾倒させたときは、前記ポンプ軸104の回転駆動に連動して、前記モータ本体106に圧油を搬送することで、前記モータ軸107を回転させ得るように構成されている。
前記可動斜板は、前記ポンプ軸104の軸線方向に対する傾倒角度が調節されることにより、前記ポンプ軸104が一回転する間に前記ポンプ本体105から前記一対の作動油ライン109を介して前記モータ本体106に搬送される圧油の量、即ち、前記モータ軸107の回転速度を調整できるようになっている。
前記モータ本体106は、ここでは、定容量型モータとされている。ただし、これに限定されるものではなく、前記ポンプ本体105及び前記モータ本体106の双方を容量可変型のものとしてもよいし、前記ポンプ本体105を定容量型のものとし且つ前記モータ本体106を容量可変型のものとしてもよい。
また、前記ポンプ軸104には、前記従動プーリ133bが外嵌固定されており、前記モータ軸107には、ベベルギヤ135が外嵌固定されている。
前記トランスミッション100は、さらに、第1及び第2伝動軸136,115並びに前記左右一対の差動機構103L,103Rを備えている。
前記第1伝動軸136には、ベベルギヤ137及びスプロケット139が外嵌固定されており、前記第2伝動軸115には、スプロケット140が外嵌固定されている。なお、前記エンジン31から前記走行部40L,40Rへ至る走行系伝動経路に制動機構が介挿されていてもよい。例えば、本実施形態においては、前記第1伝動軸136に、該第1伝動軸136の回転を制動し得るブレーキ138が設けられている。
そして、前記第1伝動軸136における前記ベベルギヤ137と前記モータ軸107における前記ベベルギヤ135とが互いに噛合するようになっているとともに、前記第1伝動軸136における前記スプロケット139及び前記第2伝動軸115における前記スプロケット140にチェーン141が巻回されている。
かかる構成を備えることにより、前記トランスミッション100は、前記HST102から前記ベベルギヤ135及び前記ベベルギヤ137を介して前記第1伝動軸136に伝達される駆動力を前記スプロケット139、前記チェーン141及び前記スプロケット140を介して前記第2伝動軸115に伝達し得るようになっている。
前記差動機構103L,103Rは、略左右対称に構成されている。従って、左右の構成は、実質的に同じであることから、以下の説明では、左側の差動機構103Lを中心に説明し、右側の差動機構103Rについては括弧内に示す。
前記差動機構103L(103R)におけるサンギヤ110L(110R)は、前記第2伝動軸115の左半部(右半部)に外嵌固定され、複数の遊星ギヤ111L(111R)と互いに噛合している。キャリア112L(112R)は、走行駆動軸113L(113R)の一端部に外嵌固定され、該走行駆動軸113L(113R)と一体回転する略円盤状の部材とされている。
前記走行駆動軸113L(113R)の反対側に位置する前記キャリア112L(112R)の盤面には、複数の回転軸114L(114R)が突設され、該複数の回転軸114L(114R)にそれぞれ前記複数の遊星ギヤ111L(111R)が回転可能に軸支されている。
前記複数の遊星ギヤ111L(111R)は、前記サンギヤ110L(110R)と互いに噛合するようになっている。なお、前記第2伝動軸115は、左端部(右端部)が軸受け(図示省略)を介して前記キャリア112L(112R)に軸支されている。
リングギア116L(116R)は、内周面と外周面に歯車部が形成され略リング状のギヤとされており、内周面側の歯車部と前記複数の遊星ギヤ111L(111R)とが互いに噛合するようになっている。
また、前記左右一対の旋回用電動モータ33L,33Rは、前記ミッションケース101の外面に固設されている。前記旋回用電動モータ33L,33Rの出力軸117L,117Rは、それぞれ、前記ミッションケース101内に挿入されている。
そして、前記左旋回用電動モータ33Lの前記出力軸117Lには、ウォームアップギヤ118Lが外嵌固定されており、該ウォームアップギヤ118Lと、前記左差動機構103Lの前記リングギア116Lの外周面側の歯車部とが互いに噛合している。
同様に、前記右電動モータ33Rの前記出力軸117Rには、ウォームアップギヤ118Rが外嵌固定されており、該ウォームアップギヤ118Rと、前記右差動機構103Rの前記リングギア116Rの外周面側の歯車部とが互いに噛合している。
本実施形態において、前記走行部40L,40Rは、左右一対とされており、それぞれ、前記左右一対の走行駆動軸113L,113Rを備えている。
具体的には、前記走行部40L,40Rは、それぞれ、クローラ式のものとされており、前記機体フレーム10の機体左右方向(y方向)両側に略左右対称に配設されている(図2参照)。
なお、前記走行部40L,40Rは、ホイル式とされてもよい。
このような構成により、走行機構120のHST102から入力される走行回転動力及び旋回機構330の前記左旋回用電動モータ33Lから入力される左制動回転動力の合力が前記左差動機構103Lを介して前記左走行駆動軸113Lに伝達される。同様に、走行機構120のHST102から入力される走行回転動力及び旋回機構330の前記右旋回用電動モータ33Rから入力される右制動回転動力の合力が前記右差動機構103Rを介して前記右走行駆動軸113Rに伝達される。
図1及び図2に示すように、前記左右一対の走行駆動軸113L,113Rは、それぞれ、前記トランスミッション100の機体左右方向(y方向)外方に突出しており、ここでは、前記走行部40L,40Rにおけるトラックフレーム41L,41Rの後部寄り部位に軸受け(図示省略)を介して貫通されている。
そして、前記トラックフレーム41L,41Rの外側の前記走行駆動軸113L,113Rの外端部には、駆動スプロケット42L,42Rが固設されている。
前記左右一対の走行駆動軸113L,113Rに略平行に配設された従動軸45は、両端部が前記トラックフレーム41L,41Rの前部寄り部位に軸受け(図示省略)を介して貫通されている。
そして、前記トラックフレーム41L,41Rの外側の前記従動軸45の両端部には、従動スプロケット43L,43Rが固設されており、前記駆動スプロケット42L,42R及び前記従動スプロケット43L,43Rには、それぞれ、クローラベルト44L,44Rが巻掛けられている。
なお、本実施形態においては、前記左右のトラックフレーム41L,41Rの前部寄りを繋ぐ軸と前記機体フレーム10とが電動油圧シリンダ46を介して連結されており、前記機体フレーム10の後方において、左右一対のブラケット14L,14Rが、それぞれ、前記左右一対の走行駆動軸113L,113Rに対して軸受け(図示省略)を介して回動可能に支持されている。
本実施形態において、前記走行操作部材53及び旋回操作部材56L,56Rは、運転操作部50に備えられている。
より具体的には、前記走行操作部材53は、前記HST102を変速操作するための人為操作可能な走行変速レバーであり、前記旋回操作部材56L,56Rは、左右一対の旋回用電動モータ33L,33Rの出力をそれぞれ変更操作するための人為操作可能な左右一対の旋回操作レバーである。
以上に説明した歩行型除雪機1において、前記エンジン31からの駆動力は、前記作業駆動力伝達手段12を介して前記作業部20に伝達されるとともに、前記走行駆動力伝達手段13を介して前記トランスミッション100に伝達される。
前記作業部20では、前記エンジン31からの駆動力によって、前記掻込オーガ21及び前記ブロア24が駆動される。
一方、前記トランスミッション100では、前記HST102において、前記変速操作部材53が変速操作されると、該トランスミッション100へ伝達された駆動力は、前記HST102から前記モータ軸(出力軸)107、前記ベベルギヤ135、前記ベベルギヤ137、前記伝動軸136、前記スプロケット139、前記チェーン141、前記スプロケット140及び前記伝動軸115を経て前記左右一対の差動機構103L,103Rの前記サンギヤ110L,110Rに伝達される。
前記差動機構103Lに伝達された駆動力は、前記サンギヤ110L、前記プラネタリギヤ111L、前記回転軸114L、前記キャリア112L及び前記出力軸113Lを経て前記走行部40Lの前記駆動スプロケット42Lに伝達される。
また、前記差動機構103Rに伝達された駆動力は、前記サンギヤ110R、前記プラネタリギヤ111R、前記回転軸114R、前記キャリア112R及び前記出力軸113Rを経て前記走行部40Rの前記駆動スプロケット42Rに伝達される。
このようにして、前記エンジン31からの駆動力は前記左右一対の走行部40L,40Rに伝達され、該走行部40L,40Rが回転駆動される。
さらに、前記歩行型除雪機1は、前記エンジン31から前記作業部20へ至る作業系伝動経路に介挿された作業クラッチ機構132aと、前記作業クラッチ機構132aに対して人為操作を行うための作業クラッチ操作部材54とを備えている。
本実施形態において、前記作業クラッチ機構132aは、前記作業駆動力伝達手段12における前記プーリ131aに配設されている。
前記作業クラッチ機構132aは、クラッチが係合されるクラッチ係合位置と、クラッチの係合が遮断されるクラッチ遮断位置とを切替可能とされている。
前記作業クラッチ機構132aは、前記クラッチ係合位置と、前記クラッチ遮断位置とが切り替えられることにより、前記エンジン31から前記作業部20へ動力が伝達される動力伝達状態(ここでは、前記プーリ131aが前記出力軸31aに相対回転不能に支持された状態、即ち、前記エンジン31からの動力を伝達可能なクラッチ係合状態)と、前記エンジン31から前記作業部20への動力が遮断される動力遮断状態(ここでは、前記プーリ131aが前記出力軸31aに軸線回り相対回転自在に支持された状態、即ち、前記エンジン31からの動力を遮断したクラッチ遮断状態)とをとり得るように構成されている。
前記作業クラッチ操作部材54は、前記作業クラッチ機構132aのクラッチ係合位置とクラッチ遮断位置とを選択的に切り替えるように構成されている。ここでは、前記運転操作部50に設けられたON/OFF操作可能な作業クラッチスイッチとされている(図1及び図2参照)。
かかる構成を備えることにより、前記歩行型除雪機1は、前記作業クラッチ操作部材54の人為操作に基づき、前記作業クラッチ機構132aが動力伝達状態にされると、前記エンジン31から前記作業部20に駆動力が伝達され、且つ、前記作業クラッチ機構132aが動力遮断状態にされると、前記エンジン31から前記作業部20への駆動力が遮断されるように構成されている。
なお、前記作業クラッチ操作部材54には、当該作業クラッチ操作部材54が動力伝達状態(ON状態)の際に点灯し、動力遮断状態(OFF状態)の際に消灯する車速制御スイッチ54aが設けられており、目視により前記作業クラッチ操作部材54の状態が容易に確認可能となっている。
本実施形態において、前記運転操作部50は、前記歩行型除雪機1を把持する把持部を有するハンドル部51及び操作ボックス55を備えている。
前記ハンドル部51は、平面視で略U字型に形成されており(図2参照)、両端部に一対の支持杆51a,51aが設けられている。前記一対の支持杆51a,51aは、それぞれ、前方下向きに延びており(図1参照)、前記左右一対のブラケット14L,14Rに連結されている。
前記走行操作部材53及び前記作業クラッチ操作部材54は、前記操作ボックス55に設けられている。
前記走行操作部材53は、少なくとも、歩行型除雪機1が停止状態となる中立位置、歩行型除雪機1の車速が前進側に最大となる前進側最高速位置、当該前進側最高速位置より遅い所定の前進側最高作業速位置、作業車速1の車速が後進側に最大となる後進側最高速位置及び当該後進側最高速位置より遅い所定の後進側最高作業速位置に位置可能に構成されている。具体的には、シフトゲートを階段状に構成し、当該シフトゲートの両端部に前進側及び後進側最高速位置が位置し、且つシフトゲートの角部(即ち、操作方向が変わる箇所)に前進側及び後進側最高作業速位置が位置するように走行操作部材53を構成することにより、前記各操作位置に容易に位置させることができる。
また、前記左右一対の旋回操作部材56L,56Rは、それぞれ独立操作可能な左右一対の旋回操作レバーとされており、前端部が前記ハンドル部51に軸支された状態で前記ハンドル部51の左右両側下方に設けられ、且つ、付勢部材(図示せず)により前記ハンドル部51に対して離間する方向(下方)に付勢されている。
なお、前記一対の支持杆51a,51aの間には、バッテリ台57が架設されている。
また、前記歩行型除雪機1は、前記エンジン31から前記走行部40L,40Rへ至る走行系伝動経路に介挿された走行クラッチ機構140(後述する図4参照)と、走行クラッチ機構に対して人為操作を行うための走行クラッチ操作部材52とを備えている。走行クラッチ操作部材52は、前端部が前記ハンドル部51に軸支された状態で前記ハンドル部51の上方に設けられ、且つ、付勢部材(図示せず)によって前記ハンドル部51に対して離間する方向(上方)に付勢されている。
ここで、本実施形態における歩行型除雪機1の制御態様について説明する。
図4は、本実施形態における歩行型除雪機1の制御機構200の概略構成を示すシステムブロック図である。
本実施形態における歩行型除雪機1の制御機構200は、図4に示すように、前記HST102の出力調整部材108を作動させる走行アクチュエータ210と、前記出力調製部材108の作動位置(可動斜板の角度)を検出する作動位置センサ280と、前記HST102の出力回転数を検出するHST出力センサ220と、前記走行操作部材53の操作位置を検出する走行操作位置検出センサ230と、前記旋回用電動モータ33L,33Rの出力回転数をそれぞれ検出する旋回出力センサ240L,240Rと、前記旋回操作部材56L,56Rのの操作位置をそれぞれ検出する旋回操作位置検出センサ250L,250Rと、前記エンジン31の出力回転数を検出することにより作業部20における負荷を検出する負荷検出センサ(前記発電機)260と、上記各構成と信号送信可能に電気的に接続された制御装置270とを備えている。
なお、前記負荷検出センサ260は、前記発電機の代わりに、前記作業部20を動作させる作動油の作動油圧を検出する作動油圧検出センサを適用することとしてもよい。
本実施形態においては、前記走行操作位置センサ230及び旋回操作位置検出センサ240L,240Rは、例えば、走行操作部材53及び旋回操作部材56L,56Rにおける操作レバー角度をそれぞれ検出するポテンショメータ等により構成される。また、前記作動位置センサ280は、例えば、前記出力調整部材108の可動斜板角度を検出するポテンショメータ等により構成される。
前記HST出力センサ220は、前記HST102における前記モータ軸(出力軸)107の回転状態を検出するHST出力回転数センサとされており、前記モータ軸107の回転速度を検出するHST回転速度センサ及び前記モータ軸107の回転方向を検出するHST回転方向センサを含んでいる。
また、HST出力センサ220は、第1HST出力センサ221及び第2HST出力センサ222を有している。即ち、1つのHST102に対して2つのHST出力センサ221,22が設けられており、HST102の出力回転数を二重検知することにより安全性を高めている。
そして、前記制御装置270は、後述する通常制御モードにおいて、前記走行操作部材53の操作量に応じて前記HST208の出力制御を行うように構成されている。
即ち、前記走行アクチュエータ210は、前記作動位置センサ280により検出された前記走行操作部材53の操作量に応じて前記制御装置270から送信された制御信号に基づいて、前記HST102における前記出力調整部材108の位置調整(可動斜板角度調整)を行うように構成されている。
さらに、前記制御装置270は、通常制御モードにおいて、前記旋回操作部材56L,56Rの操作量に応じて所定のモータ駆動ドライバ(図示せず)を介して前記旋回用電動モータ33L,33Rの出力制御を行うように構成されている。
なお、本実施形態においては、前記旋回用電動モータ33L,33Rにおいて作動不良等の故障状態になった場合にオペレータに点灯報知するための一対のパイロットランプ58L,58Rが前記操作ボックス55に設けられている。
また、前記制御装置270は、前記作業クラッチ操作部材54、前記作業クラッチ機構132a、前記走行クラッチ機構140及び前記走行クラッチ操作部材52とも電気的に接続されている。
前記走行クラッチ操作部材52は、歩行型除雪機1を走行させる車輌走行状態と歩行型除雪機1を停止させる車輌停止状態とを切り替える切替信号が前記制御装置270に送信されるように構成されている。
前記走行クラッチ操作部材52は、車輌停止状態側に付勢されたデッドマンクラッチレバーとされている。前記走行クラッチ操作部材52は、図1及び図2に示すように、前記運転操作部50に設けられている。
なお、前記歩行型除雪機1は、前記走行クラッチ操作部材52が車輌走行状態から解放されることで、車輌停止状態へ自動的に移動した場合、前記作業クラッチ機構132aが動力遮断状態へ移行するように構成されている。
また、前記歩行型除雪機1は、前記走行クラッチ操作部材52が車輌走行状態に人為操作された後で、前記作業クラッチ操作部材54がクラッチ係合位置に人為操作された場合は、前記作業クラッチ操作部材54は、前記走行クラッチ操作部材52が車輌停止状態に人為操作されるまでは、クラッチ係合位置の状態を保持するように構成されている。
さらに、前記歩行型除雪機1において、前記走行クラッチ操作部材52が車輌停止状態に人為操作された状態でも、前記作業クラッチ操作部材54は、クラッチ係合位置に人為操作され続けている間は、当該クラッチ係合位置の状態を保持するように構成されている。
本実施形態において、前記制御装置270は、演算部271と記憶部272とを含んでいる。前記演算部271は、CPUからなり、各種演算処理を実行する。前記記憶部272は、制御モード等の制御プログラムが記憶されるROM272a、情報を一時記憶するRAM272b及び設定値を記憶保存する電源を切っても失われない記憶領域(例えば、EEPROM272c)等を含んでいる。
本実施形態において、前記制御装置270は、複数の制御モードを有しており(記憶部271に記憶しており)、前記制御モードに応じて、各センサからの受信信号に基づいて前記走行アクチュエータ210、前記旋回用電動モータ33L,33R、前記走行クラッチ機構140、前記作業クラッチ機構132a等に制御信号を送信する。
本実施形態において、前記制御装置270は、走行中に実行される制御モードとして、前記通常制御モードに加えて、負荷制御モード、ブレーキターン制御モード、及び制動制御モードを有している。
前記制御装置270は、前記負荷検出センサ260により検出される走行負荷が所定値以上となった場合(即ち、エンジン31の出力回転数が所定値以下となった場合)、前記通常制御モードから負荷制御モードに移行し、車速を落とすことにより走行負荷が減少するように前記HST102の出力回転数を減速制御する。ここでは、制御装置270は、前記走行操作部材53の操作量に応じた基準出力に対して前記負荷検出センサ260の検出結果に基づく減速率を乗算させた出力を前記HST102の目標回転出力として前記出力調整部材108の作動制御を行う。
なお、本実施形態においては、前記負荷制御への移行を自動的に行うか否かを切り換える車速制御スイッチ59が前記操作ボックス55に設けられている。即ち、前記車速制御スイッチ59をON状態にすることにより負荷制御モードへの移行を許可し、OFF状態にすることにより、前記走行負荷が所定値以上となっても負荷制御モードへの移行を許可しない。
前記車速制御スイッチ59には、車速制御スイッチ59がON状態の際に点灯し、OFF状態の際に消灯する車速制御スイッチ59aが設けられており、目視により前記車速制御スイッチ59の状態が容易に確認可能となっている。
前記制御装置270は、前記HST102が前記旋回用電動モータ33L,33Rの最大出力によっても対応する走行部40L,40Rを停止状態とさせることができない高速出力状態の場合に前記旋回操作部材56L,56Rが操作されると、前記通常制御モードからブレーキターン制御モードに移行し、前記旋回操作部材56L,56Rが非操作位置から最大操作位置へ操作された際に前記HST102の出力回転数が前記旋回用電動モータ33L,33Rの最大出力によって対応する走行部40L,40Rの回転数を0以下とさせ得る基準回転数となるような減速制御を行うとともに前記旋回操作部材56L,56Rの操作量に応じて前記旋回用電動モータ33L,33Rの出力制御を行う。
また、前記制御装置270は、前記旋回操作部材56L,56Rの双方が最大操作位置へ操作されると、前記通常制御モード又は前記ブレーキターン制御から制動制御モードに移行し、前記HST102の出力回転数を前記走行部40L,40Rをともに停止させるような出力に制御する。
本実施形態において、前記制御装置270は、前記制御モードとは別に、所定の起動操作により起動される初期設定モードを有している。所定の起動操作としては、例えば、所定の初期設定スイッチ(図示せず)をON状態に操作しながらエンジン31始動用のキースイッチ(図示せず)をON状態に操作する等が例示できるが、これに限定されない。
前記初期設定モードは、前記HST102の中立位置を算出し、記憶するための中立設定モードと、前記走行操作部材53を中立位置を含む所定の操作位置に位置させた際の前記走行操作位置検出センサ230からの信号をそれぞれ記憶する走行操作位置設定モードと、前記左右一対の旋回操作部材56L,56Rのそれぞれを中立位置及び最大操作位置に位置させた際の前記旋回操作位置検出センサ250L,250Rからの信号をそれぞれ記憶する旋回操作位置設定モードとを有している。
そして、前記中立設定モード、前記走行操作位置設定モード及び旋回操作位置設定モードは、モード切換スイッチとして機能する前記作業クラッチ操作部材54の操作に応じて選択され、且つ、モード設定スイッチとして機能する前記車速制御スイッチ59の操作に応じて実行される。
なお、本実施形態においては、作業クラッチ操作部材54及び車速制御スイッチ59をモード切換スイッチ及びモード設定スイッチとして機能させることとしているが、従来ある他のスイッチを割り当てることとしてもよいし、別途新たに専用のモード切換スイッチ及びモード設定スイッチを設けることとしてもよい。
本実施形態において、モード切換スイッチとして機能する作業クラッチ操作部材54は、1回押動操作する毎に電気的にON状態とOFF状態とが切り替えられるタクトスイッチにより構成され、モード設定スイッチとして機能する車速制御スイッチ59は、押動操作によってON状態位置及びOFF状態位置の何れかに位置させ得るスイッチにより構成されている。即ち、本実施形態において、モード切換スイッチは、制御装置270によって自動的にON/OFF切り替え可能である一方、モード設定スイッチは、オペレータの操作によってのみON/OFF切り替え可能となっている。
本実施形態においては、前記所定の起動操作により初期設定モードに移行すると、前記制御装置270は、前記何れかの設定モードに移行可能な待機状態となっている。本実施形態においては、前記左右のパイロットランプ58L,58Rを点滅状態とすることにより、待機状態であることをオペレータに報知する。
この待機状態において、モード切換スイッチ54を押動操作することにより、前記制御装置270は、設定モード選択状態に移行し、前記各設定モードのうち実行可能な設定モードが切り換えられる。例えば、前記待機状態からモード切換スイッチ54を1回押動操作する毎に、左旋回操作位置設定モード、右旋回操作位置設定モード、走行操作位置設定モード及び中立位置設定モードの順で切り換えられる。前記中立位置設定モード選択状態においてさらにモード切換スイッチ54を1回押動操作すると、前記待機状態に復帰する。
なお、各設定モード選択状態においては、前記左右のパイロットランプ58L,58Rは消灯状態となる。
本実施形態において、前記モード切換スイッチ(作業クラッチ操作部材)54は、モード切換ランプ54aを有しており、前記制御装置270は、各設定モード選択状態において、前記モード切換ランプ54aを選択されている設定モードに応じて異なる点灯態様で点灯報知させる。
例えば、待機状態からモード切換スイッチ54を1回押動操作する毎に、前記モード切換ランプ54aが1回点滅(左旋回操作位置設定モード)、2回点滅(右旋回操作位置設定モード)、3回点滅(走行操作位置設定モード)及び4回点滅(中立位置設定モード)の順に変化する。
このように、既存のランプを用いて複数の点灯態様により点灯報知させることにより、別途モニタ等を設けなくても、何れの設定モードが実行可能かを容易に把握することができる。従って、別途初期設定画面等を設置する必要がないため、設定画面等を設けるスペースが少なく、外部の風雪等に晒され易い歩行型除雪機1には特に有効である。
なお、本実施形態においては、各点滅態様は所定の待機期間を過ぎるまでは、モード切換スイッチ54が押動操作されない限り、所定期間毎に繰り返される。また、モード切換スイッチ54が押動操作されず、且つ、所定の待機期間が経過した場合は、自動的に待機状態に復帰する。
上記のように、所望の設定モードが選択されている状態で前記モード設定スイッチ59を押動操作することにより、前記所望の設定モードが実行される。このとき、モード設定スイッチである車速制御スイッチ59がON状態位置となるため、前記車速制御ランプ59aが点灯する。
実行された設定モードの終了時においては、再びモード設定スイッチである車速制御スイッチ59を押動操作することにより、前記制御装置270は、前記待機状態に復帰する。このとき、前記車速制御ランプ59aは、消灯状態となり、前記左右のパイロットランプ58L,58Rは、点滅状態となる。
このように、複数ある設定モードの全てについて調整が必要でない場合でも、設定したい設定モードについてのみ実行可能であるため、初期設定を行う時間を短縮することができる。また、モード切換スイッチ及びモード設定スイッチにおいても既存のスイッチを流用することが可能であり、別途専用のスイッチを設ける必要をなくすことができる。
ここで、各設定モードにおける制御態様について説明する。
まず、中立設定モードについて説明する。
図5から図7に、本実施形態の歩行型除雪機の中立設定モードにおける制御フローを示す。図6及び図7は、図5における前進側処理及び後進側処理のより詳細な制御フローである。
本実施形態においては、前記制御装置270は、図5から図7に示すように、前記中立設定モードにおいて、前記HST出力センサ220からの検出信号に基づき前記HST102の出力が前進側第1回転数となるように前記走行アクチュエータ210を作動させてその時点での前記出力調整部材108の作動位置を前進側第1作動位置として記憶し、前記HST102の出力が前記前進側第1回転数から実質的に0となるように前記走行アクチュエータ210を作動させてその時点での前記出力調整部材108の作動位置を前進側中立位置として記憶し、前記HST出力センサ220からの検出信号に基づき前記HST102の出力が後進側第1回転数となるように前記走行アクチュエータ210を作動させてその時点での前記出力調整部材108の作動位置を後進側第1作動位置として記憶し、前記HST102の出力が前記後進側第1回転数から実質的に0となるように前記走行アクチュエータ210を作動させてその時点での前記出力調整部材108の作動位置を後進側中立位置として記憶し、前記前進側中立位置及び前記後進側中立位置の平均値を中立位置として記憶する。
順に説明する。
まず、前述のとおり、中立位置設定モード選択状態からモード設定スイッチ59を押動操作することにより、前記制御装置270は、図5に示すように、中立位置設定モードに移行する(ステップS1)。このとき、作業クラッチランプ54aは、中立位置設定モード選択状態に引き続き4回点滅状態となっており、車速制御ランプ59aは、モード設定スイッチである車速制御スイッチ59をON状態に押動操作したことにより点灯状態となっている。
この状態において、走行クラッチ操作部材52がON状態に操作されたか否かを判断し(ステップS2)、ON状態に操作された場合(ステップS2でYes)、処理を続行する。
ここで、本実施形態において、前記中立設定モードは、前記走行クラッチ操作部材52が前記付勢部材の付勢力に抗して動力伝達位置に位置されている状態(以下、ON状態)においてのみ動作可能とされている。
この場合、前記制御装置270は、前記ステップS2以降も前記走行クラッチ操作部材52の操作状態を検出し、前記走行クラッチ操作部材52をON状態に保持して走行クラッチ機構140を動力伝達位置に位置させている状態においてのみ中立設定モードを実行する。換言すると、中立設定モードの実行中に走行クラッチ操作部材52が走行クラッチ機構を動力遮断状態とする動力遮断位置に位置すると、前記制御装置270は、中立設定モードを中断する。
これにより、例えば、ジャッキアップ等により走行部40L,40Rを浮かせた状態で中立設定モードを実行している際に、走行部40L,40Rの振動等によりジャッキアップが解除されて歩行型除雪機1が走行を開始するようなことがあっても、デッドマンクラッチレバーである走行クラッチ操作部材52を手離すことにより中立設定モードを中断し、歩行型除雪機1を停止させることができる。
従って、中立設定モード実行中に歩行型除雪機1がオペレータの手から離れて単独で走行することを防止することができる。
前記制御装置270は、前記中立設定モードにおいて前記条件を満たした上で、前記HST102を前進側へ作動させる前進側処理を行う(ステップS3)。
前進側処理においては、まず、図6に示すように、HST出力センサ220によって検出されるHST102の出力回転数が前進側第1回転数となるように、走行アクチュエータ210を作動させる(ステップS31,S32)。
本実施形態において、前記走行アクチュエータ210の作動量は、前記走行部40L,40Rが駆動する限りにおいて可及的に小さいことが好ましい。
ここで、前記走行アクチュエータ210の作動量は、前記制御装置270から供給される制御パルスのデューティ比を変更させることによって変化させている(PWM制御)。制御パルスのデューティ比が大きいと、ヒステリシスが大きくなるため、特に低速域(中立位置近傍)における検出誤差が無視できなくなる。
そこで、ステップS31において、前記制御装置270は、前記制御パルスのデューティ比を0から所定の割合(例えば、0.1%/10ms)で少しずつ上げていき、前記走行アクチュエータ210の制御値が走行部40L,40Rが駆動する最低値として予め定められた値(不感帯として予め設定された値)を超えた時のデューティ比をRAM272bに記憶する。そして、前記制御装置270は、前記HST102の出力回転数が前進側第1回転数となるまで、前記デューティ比を固定した状態に前記走行アクチュエータ210を作動制御する(ステップS32)。このように走行アクチュエータ210(即ち、出力調整部材108)を作動させる制御パルスのデューティ比を可及的に小さくすることにより、ヒステリシスの影響を低減させて、中立位置の検出精度を高くすることができる。
そして、前記HST102の出力回転数が前進側第1回転数以上となった場合(ステップS32でYes)、前記制御装置270は、そのときの前記出力調整部材108の作動位置を前進側第1作動位置として前記RAM272bに一時記憶する。
本実施形態において、前進側第1回転数は、前進側最大回転数である。
即ち、前記RAM172bに一時記憶される前進側第1作動位置は、前記走行操作部材53を前進側最大操作位置に操作したときに対応する前記出力調整部材108の最大作動位置として記憶される。
なお、前進側最大回転数は、予め設定された要求性能値(例えば、840mm/s)が予め記憶されている。
このように前進側最大回転数となったときの出力調整部材108の作動位置を最大作動位置として記憶することにより、走行操作部材53の操作量(即ち、目標車速)とHST102の出力調整部材108の作動量との対応付けを容易且つ的確に行うことができる。
その後、前記制御装置270は、HST102の出力回転数が前進側第1回転数から実質的に0となるように走行アクチュエータ210を減速作動させる(ステップS34,S35)。
そして、前記HST102の出力回転数が実質的に0となった場合(ステップS35でYes)、その時点における出力調整部材108の作動位置を前進側中立位置として前記RAM272bに一時記憶する(ステップS36)。
ここで、前記制御装置270は、前記ステップS36において、前記HST102の出力回転数が所定の前進側回転数(例えば、前進側に10mm/s)以下となった時点での前記出力調整部材108の作動位置を前記前進側中立位置として一時記憶する。
このように、前進側中立位置として、算出される中立位置からやや離れた位置を採用し、前進側中立位置と後述する後進側中立位置との間に幅を持たせることにより、中立設定作業の迅速化を図ることができる。
上記のような前進側処理に引き続いて、前記制御装置270は、後進側処理を行う(図5のステップS4)。
後進側処理においては、図7に示すように、前記出力調整部材108を後進側に駆動させることを除いて前記前進側処理(図6のステップS31からS36)と略同様の処理を行い、前記制御装置270は、前記HST102の出力回転数が後進側第1回転数(後進側最大回転数)となったときの前記出力調整部材108の後進側第1操作位置と、前記HST102の出力回転数が実質的に0となったときの前記出力調整部材108の後進側中立位置とを前記RAM272bに一時記憶する(ステップS41からS46)。
前記先進側処理及び後進側処理の後、前記制御装置270は、得られた前進側中立位置及び後進側中立位置の平均値(中間値)を算出し、当該算出された位置を前記HST102の出力調整部材108の中立位置(前記歩行型除雪機1の停止位置)として前記RAM272bに一時記憶する(図5のステップS5)。
ここで、本実施形態においては、算出された前記中立位置を電源を切っても失われない記憶領域であるEEPROM272cに記憶する前に、前記制御装置270は、前記出力調整部材108を前記中立位置に位置させた状態で前記HST102の出力回転数が実質的に0となるか否かを判定する(ステップS6からステップS10)。
具体的には、まず、前記制御装置270は、前記走行アクチュエータ210を介して前記出力調整部材108を一時記憶されている中立位置に位置させる(ステップS6)。このとき、前記制御装置270の内部クロック又は外付けされたタイマ(図示せず)を用いて計時し、所定時間内に前記HST出力センサ220が検出するHST102の出力回転数が実質的に0となり(ステップS7でYes)、且つ、その状態が所定時間継続するか否かを判定する(ステップS10)。
前記HST102の出力回転数が実質的に0とならない状態が所定時間継続した場合(ステップS7でNo且つステップS8でYes)又は前記HST102の出力回転数は実質的に0となったが、その状態が所定時間維持できなかった場合(ステップS7でYes且つステップS10でNo)には、中立位置が正常に検出できなかったものと判断して、前記制御装置270は、所定のエラー報知(所定のランプの点灯等)を行う(ステップS9)。
一方、前記HST102の出力回転数が実質的に0となり且つその状態が所定時間継続した場合(ステップS7及びS10でともにYes)には、前記制御装置270は、前記前進側第1作動位置、前記後進側第1作動位置及び前記中立位置を前記EEPROM272cに記憶する(ステップS11)。
このように、初期設定が適正に行われたか否かを確認した上で中立位置等を記憶することにより、記憶された初期設定値の信頼性を向上させることができる。また、前記確認後に初めて電源を切っても失われない記憶領域(EEPROM272c)に記憶させるため、処理速度を短縮することができるとともに、書き込み回数に制限があるEEPROM272cを用いた場合に書き込み回数を減少させることができるため、当該EEPROM272cの寿命をより長くすることができる。
前記EEPROM272cへの記憶が終了した時点で、前記制御装置270は、前記作業クラッチ操作部材54を電気的にOFF状態へと遷移させるとともに、前記作業クラッチランプ54aを消灯させることにより、前記中立位置設定モードを終了させる(ステップS12)。これにより、前記制御装置270は、前記待機状態に復帰する(左右のパイロットランプ58L,58Rが点滅状態となる)。
前記制御装置270は、前記通常制御モードにおいて、前記EEPROM272cに記憶された前記前進側第1作動位置、前記後進側第1作動位置及び前記中立位置を基準として、前記走行操作部材53の操作量に応じた前記出力調整部材108の作動制御を行う。
このように、HST102の出力調整部材108を実際に作動させて、前進側及び後進側の双方からそれぞれHST102の出力回転数が実質的に0となるような前進側及び後進側中立位置を検出し、前進側及び後進側中立位置の中間点をHST102の出力調整部材108の中立位置として設定することにより、出力調整部材108の中立位置を容易且つ確実に記憶することができる。
これにより、制御装置270が歩行型除雪機1を停止させるべく走行アクチュエータ210を介して出力調整部材108を制御しているにも拘わらず、出力調整部材108の中立位置が前記制御位置とずれていることにより歩行型除雪機1が停止しない状態が生じるのを防止することができる。従って、HST102の製造誤差及び組み付け誤差に拘わらず、前記HST102の出力調整部材108の中立位置を確実に検出することができる。
また、別途チェッカーなどの調整装置を用いなくても本機のみで実行可能であるので、必要なときにいつでも調整を行うことができる。
さらに、中立設定モード実行後は、オペレータが別途操作する必要がなく自動で設定作業が行われるため、容易且つ確実な中立位置の設定が可能である。
次に、旋回操作位置設定モードについて説明する。
図8及び図9に、本実施形態の歩行型除雪機の旋回操作位置設定モードにおける制御フローを示す。図8は、左旋回操作位置設定モードにおける制御フローであり、図9は、右旋回操作位置設定モードにおける制御フローである。
ここでも、左又は右旋回操作位置設定モード選択状態からモード設定スイッチ59を押動操作することにより、前記制御装置270は、図8又は図9に示すように、左又は右旋回操作位置設定モードに移行する(ステップT1又はU1)。このとき、作業クラッチランプ54aは、左又は右旋回操作位置設定モード選択状態に引き続きそれぞれ1回又は2回点滅状態となっており、車速制御ランプ59aは、モード設定スイッチである車速制御スイッチ59をON状態に押動操作したことにより点灯状態となっている。
本実施形態において、左及び右旋回操作位置設定モードは、操作する旋回操作部材56L,56Rが左右で異なることを除いて同様であるため、以下では図8の左旋回操作位置設定モードについてのみ説明する。
前記ステップT1の状態において、前記左旋回操作部材56Lを操作しない状態で前記作業クラッチ操作部材54を押動操作することにより(ステップT2)、前記制御装置270は、前記左旋回操作位置検出センサ250Lより検出される前記左旋回操作部材56Lの現在位置を非操作位置としてRAM272bに一時記憶する(ステップT3)。
本実施形態においては、左旋回操作部材56Lの非操作位置の近傍位置において遊び(不感帯)を設けるために、前記左旋回操作位置検出センサ250Lにより検出された値から所定の操作量だけ操作した操作位置を非操作位置として記憶する。これにより、前記制御装置270は、左旋回操作部材56Lを操作しない状態を必ず非操作位置として認識することができる。
続いて、前記左旋回操作部材56Lを最大操作位置まで操作した状態で前記作業クラッチ操作部材54を再び押動操作することにより(ステップT4,T5)、前記制御装置270は、前記左旋回操作位置検出センサ250Lより検出される前記左旋回操作部材56Lの現在位置を最大操作位置としてRAM272bに一時記憶する(ステップT6)。
本実施形態においては、左旋回操作部材56Lの最大操作時において前記制御装置270が当該操作を最大操作位置への操作であると確実に認識可能なように、前記左旋回操作位置検出センサ250Lにより検出された値から所定の操作量だけ少ない操作位置を最大操作位置として記憶する。
この後、前記制御装置270は、一時記憶された非操作位置及び最大操作位置を比較し、非操作位置より最大操作位置の方が操作量が大きいことを確認する(ステップT7)。
前記左旋回操作位置検出センサ250Lが前記ハンドル部51と前記左旋回操作部材(レバー)56Lとの角度を検出する場合、非操作位置における角度より最大操作位置における角度(レバーを握ったときの角度)の方が小さいか否かを判定する。
そして、非操作位置より最大操作位置の方が操作量が大きい場合には(ステップT7でYes)、前記制御装置270は、前記非操作位置及び最大操作位置を前記EEPROM272cに記憶する(ステップT8)。一方、非操作位置より最大操作位置の方が操作量が小さい場合には(ステップT7でNo)、非操作位置及び最大操作位置が正常に検出できなかったものと判断して、前記制御装置270は、所定のエラー報知(所定のランプの点灯等)を行う(ステップT9)。
このように、初期設定が適正に行われたか否かを確認した上で非操作位置及び最大操作位置を記憶することにより、記憶された初期設定値の信頼性を向上させることができる。また、前記確認後に初めて電源を切っても失われない記憶領域(EEPROM272c)に記憶させるため、処理速度を短縮することができるとともに、書き込み回数に制限があるEEPROM272cを用いた場合に書き込み回数を減少させることができるため、当該EEPROM272cの寿命をより長くすることができる。
前記EEPROM272cへの記憶が終了した時点で、前記制御装置270は、前記作業クラッチ操作部材54を電気的にOFF状態へと遷移させるとともに、前記作業クラッチランプ54aを消灯させることにより、前記左旋回操作位置設定モードを終了させる(ステップT10)。これにより、前記制御装置270は、前記待機状態に復帰する(左右のパイロットランプ58L,58Rが点滅状態となる)。
このように、左右の旋回操作部材56L,56Rをそれぞれ実際に操作して当該操作位置を前記左右の旋回操作位置検出センサ250L,250Rに検出させる旋回操作位置設定モードを実行することにより、左右の旋回量を適正化することができる。
なお、本実施形態においては、前記作業クラッチ操作部材54の押動操作を前記制御装置270が操作位置を記憶するトリガとして用いているが、他のスイッチをトリガとして用いることとしてもよい。
続いて、前記走行操作位置設定モードについて説明する。
図10及び図11に、本実施形態の歩行型除雪機の走行操作位置設定モードにおける制御フローを示す。
ここでも、走行操作位置設定モード選択状態からモード設定スイッチ59を押動操作することにより、前記制御装置270は、図10及び図11に示すように、走行操作位置設定モードに移行する(ステップV1)。このとき、作業クラッチランプ54aは、走行操作位置設定モード選択状態に引き続き3回点滅状態となっており、車速制御ランプ59aは、モード設定スイッチである車速制御スイッチ59をON状態に押動操作したことにより点灯状態となっている。
前記ステップV1の状態において、前記走行操作部材53を操作しない状態で前記作業クラッチ操作部材54を押動操作することにより(ステップV2)、前記制御装置270は、前記走行操作位置検出センサ230より検出される前記走行操作部材53の現在位置を中立位置としてRAM272bに一時記憶する(ステップV3)。
次に、前記走行操作部材53を前記前進側最高速位置まで操作した状態で前記作業クラッチ操作部材54を再び押動操作することにより(ステップV4,V5)、前記制御装置270は、前記走行操作位置検出センサ230より検出される前記走行操作部材53の現在位置を前進側最高速位置としてRAM272bに一時記憶する(ステップV6)。
本実施形態においては、走行操作部材53の前進側最高速位置への操作において前記制御装置270が当該操作を前進側最高速位置への操作であると確実に認識可能なように、前記走行操作位置検出センサ230により検出された値から所定の操作量だけ少ない操作位置を前進側最高速位置として記憶する。
続いて、前記走行操作部材53を前記前進側最高作業速位置まで操作した状態で前記作業クラッチ操作部材54を再び押動操作することにより(ステップV7,V8)、前記制御装置270は、前記走行操作位置検出センサ230より検出される前記走行操作部材53の現在位置を前進側最高作業速位置としてRAM272bに一時記憶する(ステップV9)。
後進側も同様にして、前記走行操作部材53を前記後進側最高作業速位置まで操作した状態で前記作業クラッチ操作部材54を押動操作することにより(ステップV10,V11)、前記制御装置270は、前記走行操作位置検出センサ230より検出される前記走行操作部材53の現在位置を後進側最高作業速位置としてRAM272bに一時記憶する(ステップV12)。
さらに、前記走行操作部材53を前記後進側最高速位置まで操作した状態で前記作業クラッチ操作部材54を押動操作することにより(ステップV13,V14)、前記制御装置270は、前記走行操作位置検出センサ230より検出される前記走行操作部材53の現在位置を後進側最高速位置としてRAM272bに一時記憶する(ステップV15)。
本実施形態においては、前記前進側最高速位置の場合と同様に、走行操作部材53の後進側最高速位置への操作において前記制御装置270が当該操作を後進側最高速位置への操作であると確実に認識可能なように、前記走行操作位置検出センサ230により検出された値から所定の操作量だけ少ない操作位置を後進側側最高速位置として記憶する。
この後、前記制御装置270は、一時記憶された前記各操作位置における操作量を比較し、前進側に中立位置、前進側最高作業速位置及び前進側最高速位置の順で操作量が多くなり、また、後進側に中立位置、後進側最高作業速位置及び後進側最高速位置の順で操作量が多くなることを確認する(ステップV16)。
そして、前記操作量の順番が適正である場合には(ステップV16でYes)、前記制御装置270は、前記各操作位置を前記EEPROM272cに記憶する(ステップV17)。一方、前記操作量の順番が適正でない場合には(ステップV16でNo)、各操作位置が正常に検出できなかったものと判断して、前記制御装置270は、所定のエラー報知(所定のランプの点灯等)を行う(ステップV18)。
このように、初期設定が適正に行われたか否かを確認した上で各操作位置を記憶することにより、記憶された初期設定値の信頼性を向上させることができる。また、前記確認後に初めて電源を切っても失われない記憶領域(EEPROM272c)に記憶させるため、処理速度を短縮することができるとともに、書き込み回数に制限があるEEPROM272cを用いた場合に書き込み回数を減少させることができるため、当該EEPROM272cの寿命をより長くすることができる。
前記EEPROM272cへの記憶が終了した時点で、前記制御装置270は、前記作業クラッチ操作部材54を電気的にOFF状態へと遷移させるとともに、前記作業クラッチランプ54aを消灯させることにより、前記走行操作位置設定モードを終了させる(ステップV19)。これにより、前記制御装置270は、前記待機状態に復帰する(左右のパイロットランプ58L,58Rが点滅状態となる)。
このような走行操作位置設定モードを実行することにより、制御装置270がHST102の出力調整部材108を所定位置に位置させているにも拘わらず、歩行型除雪機1の実際の車速が前記走行操作部材53が位置されている所定の速度位置に対応した速度にならない状態が生じるのを防止することができ、HST102の製造誤差に拘わらず、前記走行操作部材53の操作位置に応じた車速を容易に得ることができる。
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
例えば、上記実施形態においては、旋回モータとして左右一対の旋回用電動モータ33L,33Rが備えられた構成を例に説明したが、本発明はかかる構成に限定されるものではない。
即ち、単一の旋回モータを備え、前記単一の旋回モータからの旋回回転動力を前記左右一対の差動機構103L,103Rに回転方向が逆となるように伝達させることも可能である。
もしくは、前記単一の旋回モータから前記左右一対の差動機構103L,103Rへの伝動経路にそれぞれクラッチ機構を設け、前記旋回操作部材56L,56Rの操作に応じた一方の差動機構103L,103Rへのみ旋回回転動力を入力させ、他方の差動機構103R,103Lへは旋回回転動力が入力されない(一方の差動機構103R,103Lを固定する)ように構成することも可能である。
また、上記実施形態においては、旋回操作部材として左右一対の旋回操作レバー56L,56Rが備えられた構成を例示したが、ハンドル等の単一の旋回操作部材を備えることとしてもよい。
さらに、上記実施形態においては、作業部20の駆動出力を走行部40L,40Rを駆動するHST102から得ている例について説明したが、前記HST102とは別に作業部用HSTを備え、前記HST102は走行部40L,40Rの駆動にのみ供される走行HSTとして機能させることとしてもよい。
図1は、本発明に係る作業車輌の一例である歩行型除雪機の概略側面図である。 図2は、本発明に係る作業車輌の一例である歩行型除雪機の概略平面図である。 図3は、図1及び図2に示す歩行型除雪機における伝動模式図である。 図4は、本実施形態における歩行型除雪機の制御機構の概略構成を示すシステムブロック図である。 図5は、本実施形態の歩行型除雪機の中立設定モードにおける制御フローである。 図6は、図5の中立設定モードの前進側処理における制御フローである。 図7は、図5の中立設定モードの後進側処理における制御フローである。 図8は、本実施形態の歩行型除雪機の左旋回操作位置設定モードにおける制御フローである。 図9は、本実施形態の歩行型除雪機の右旋回操作位置設定モードにおける制御フローである。 図10は、本実施形態の歩行型除雪機の走行操作位置設定モードにおける制御フローである。 図11は、本実施形態の歩行型除雪機の走行操作位置設定モードにおける制御フローである。
1 歩行型除雪機(作業車輌)
31 エンジン(駆動源)
33L,33R 旋回用電動モータ(旋回モータ)
40L,40R 走行部
52 走行クラッチ操作部材
54 作業クラッチ操作部材(モード切換スイッチ)
53 走行操作部材
56L,56R 旋回操作部材
59 車速制御スイッチ(モード設定スイッチ)
102 HST(走行HST)
108 出力調整部材
140 走行クラッチ機構
200 制御機構
210 走行アクチュエータ
220 HST出力センサ
250L,250R 旋回操作位置検出センサ
270 制御装置
272c EEPROM(電源を切っても失われない記憶領域)
280 作動位置センサ

Claims (5)

  1. 駆動源から前進側及び後進側の双方向に可変出力可能な走行HSTを介して走行部へ走行回転動力が伝達されるとともに、前記走行HSTの出力調整部材を作動させる走行アクチュエータ、前記走行HSTの出力回転数を検出するHST出力センサ、前記出力調整部材の作動位置を検出する作動位置センサ及び前記走行アクチュエータの作動制御を行う制御装置を含む制御機構を備え、前記制御装置の通常制御モードによって、走行操作部材の操作量に応じて前記走行HSTの出力制御が行われる作業車輌であって、
    前記駆動源から前記走行部へ至る走行系伝動経路に介挿された走行クラッチ機構と、前記走行クラッチ機構を操作するための走行クラッチ操作部材であって、付勢部材によって前記走行クラッチ機構を動力遮断状態とさせる方向に付勢されている走行クラッチ操作部材とを備え、
    前記制御装置は、前記通常制御モードに加えて、所定の起動操作により起動される初期設定モードを有し、
    前記初期設定モードは、前記HST出力センサからの検出信号に基づき前記走行HSTの出力が前進側第1回転数となるように前記走行アクチュエータを作動させてその時点での前記出力調整部材の作動位置を前進側第1作動位置として記憶し、前記走行HSTの出力が前記前進側第1回転数から実質的に0となるように前記走行アクチュエータを作動させてその時点での前記出力調整部材の作動位置を前進側中立位置として記憶し、前記HST出力センサからの検出信号に基づき前記走行HSTの出力が後進側第1回転数となるように前記走行アクチュエータを作動させてその時点での前記出力調整部材の作動位置を後進側第1作動位置として記憶し、前記走行HSTの出力が前記後進側第1回転数から実質的に0となるように前記走行アクチュエータを作動させてその時点での前記出力調整部材の作動位置を後進側中立位置として記憶し、前記前進側中立位置及び前記後進側中立位置の平均値を中立位置として記憶する中立設定モードを有し
    前記中立設定モードは、前記走行クラッチ操作部材が前記付勢部材の付勢力に抗して動力伝達位置に位置されている状態においてのみ作動可能とされており、前記出力調整部材を前記中立位置に位置させた状態で前記走行HSTの出力回転数が実質的に0となるか否かを判断し、前記実質的に0と判断された場合にのみ前記前進側第1作動位置、前記後進側第1作動位置及び前記中立位置を電源を切っても失われない記憶領域に記憶するように構成されていることを特徴とする作業車輌。
  2. 駆動源から前進側及び後進側の双方向に可変出力可能な走行HSTを介して走行部へ走行回転動力が伝達されるとともに、前記走行HSTの出力調整部材を作動させる走行アクチュエータ、前記走行HSTの出力回転数を検出するHST出力センサ、前記出力調整部材の作動位置を検出する作動位置センサ及び前記走行アクチュエータの作動制御を行う制御装置を含む制御機構を備え、前記制御装置の通常制御モードによって、走行操作部材の操作量に応じて前記走行HSTの出力制御が行われる作業車輌であって、
    前記制御装置は、前記通常制御モードに加えて、所定の起動操作により起動される初期設定モードを有し、
    前記初期設定モードは、前記HST出力センサからの検出信号に基づき前記走行HSTの出力が前進側第1回転数となるように前記走行アクチュエータを作動させてその時点での前記出力調整部材の作動位置を前進側第1作動位置として記憶し、前記走行HSTの出力が前記前進側第1回転数から実質的に0となるように前記走行アクチュエータを作動させてその時点での前記出力調整部材の作動位置を前進側中立位置として記憶し、前記HST出力センサからの検出信号に基づき前記走行HSTの出力が後進側第1回転数となるように前記走行アクチュエータを作動させてその時点での前記出力調整部材の作動位置を後進側第1作動位置として記憶し、前記走行HSTの出力が前記後進側第1回転数から実質的に0となるように前記走行アクチュエータを作動させてその時点での前記出力調整部材の作動位置を後進側中立位置として記憶し、前記前進側中立位置及び前記後進側中立位置の平均値を中立位置として記憶する中立設定モードを有し、
    前記中立設定モードは、前記出力調整部材を前記中立位置に位置させた状態で前記走行HSTの出力回転数が実質的に0となるか否かを判断し、前記実質的に0と判断された場合にのみ前記前進側第1作動位置、前記後進側第1作動位置及び前記中立位置を電源を切っても失われない記憶領域に記憶するように構成され、
    前記制御機構は、前記走行操作部材の操作位置を検出する走行操作位置検出センサを備え、
    前記初期設定モードは、前記中立設定モードに加えて、前記走行操作部材を中立位置を含む所定の操作位置に位置させた際の前記走行操作位置検出センサからの信号をそれぞれ記憶する走行操作位置設定モードを有し、
    前記中立設定モード及び前記走行操作位置設定モードは、モード切換スイッチの操作に応じて選択され、且つ、モード設定スイッチの操作に応じて実行されることを特徴とする作業車輌。
  3. 駆動源から前進側及び後進側の双方向に可変出力可能な走行HSTを介して走行部へ走行回転動力が伝達されるとともに、前記走行HSTの出力調整部材を作動させる走行アクチュエータ、前記走行HSTの出力回転数を検出するHST出力センサ、前記出力調整部材の作動位置を検出する作動位置センサ及び前記走行アクチュエータの作動制御を行う制御装置を含む制御機構を備え、前記制御装置の通常制御モードによって、走行操作部材の操作量に応じて前記走行HSTの出力制御が行われる作業車輌であって、
    左右一対の差動機構を介して前記走行部へ制動旋回動力を伝達する左右一対の旋回モータと、前記左右一対の旋回モータを人為操作する左右一対の旋回操作部材とを備え、
    前記制御機構は、前記旋回操作部材の操作位置を検出する旋回操作位置検出センサを備え、
    前記制御装置は、前記通常制御モードに加えて、所定の起動操作により起動される初期設定モードを有し、
    前記初期設定モードは、前記HST出力センサからの検出信号に基づき前記走行HSTの出力が前進側第1回転数となるように前記走行アクチュエータを作動させてその時点での前記出力調整部材の作動位置を前進側第1作動位置として記憶し、前記走行HSTの出力が前記前進側第1回転数から実質的に0となるように前記走行アクチュエータを作動させてその時点での前記出力調整部材の作動位置を前進側中立位置として記憶し、前記HST出力センサからの検出信号に基づき前記走行HSTの出力が後進側第1回転数となるように前記走行アクチュエータを作動させてその時点での前記出力調整部材の作動位置を後進側第1作動位置として記憶し、前記走行HSTの出力が前記後進側第1回転数から実質的に0となるように前記走行アクチュエータを作動させてその時点での前記出力調整部材の作動位置を後進側中立位置として記憶し、前記前進側中立位置及び前記後進側中立位置の平均値を中立位置として記憶する中立設定モードを有し、
    前記中立設定モードは、前記出力調整部材を前記中立位置に位置させた状態で前記走行HSTの出力回転数が実質的に0となるか否かを判断し、前記実質的に0と判断された場合にのみ前記前進側第1作動位置、前記後進側第1作動位置及び前記中立位置を電源を切っても失われない記憶領域に記憶するように構成され、
    前記初期設定モードは、前記中立設定モードに加えて、前記左右一対の旋回操作部材のそれぞれを非操作位置及び最大操作位置に位置させた際の前記旋回操作位置検出センサからの信号をそれぞれ記憶する旋回操作位置設定モードを有し、
    前記中立設定モード及び前記旋回操作位置設定モードは、モード切換スイッチの操作に応じて選択され、且つ、モード設定スイッチの操作に応じて実行されることを特徴とする作業車輌。
  4. 前記前進側第1回転数及び前記後進側第1回転数は、それぞれ、前進側最大回転数及び後進側最大回転数であることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の作業車輌。
  5. 前記中立設定モードは、前記走行HSTの出力回転数が所定の前進側回転数以下となった時点での前記出力調整部材の作動位置を前記前進側中立位置として一時的に記憶し、前記走行HSTの出力回転数が所定の後進側回転数以下となった時点での前記出力調整部材の作動位置を前記後進側中立位置として記憶することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の作業車輌。
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