JP5433833B2 - 除雪機 - Google Patents

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Description

本発明は、車体における幅方向両端部にそれぞれクローラ走行装置等の走行装置が配置されており、これら一対の走行装置により車体が旋回可能とされた除雪機に関するものである。
歩行型の除雪機としては、一個のエンジンによって左右のクローラ走行装置をそれぞれ駆動することにより、これら一対のクローラ走行装置により車体を直進走行させ、又はエンジンと一対のクローラ走行装置との間にそれぞれ設けられた走行クラッチにより何れか一方のクローラ走行装置への回転力の伝達を遮断することにより、この一方のクローラ走行装置付近を中心として車体を旋回させるものがある。そして、このような歩行型の除雪機では、旋回時には操縦者が車体の後端に配置された操作ハンドルに追従するように車体周り移動しなければならない。
上記のような歩行型の除雪機としては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1記載の除雪機では、速度調整レバーとHST(Hydro Static Transmission)の変速比を制御するためのリンクレバーとがリンクロッドにより連繋されると共に、このリンクロッドに所定以上の圧力が働くと、長さが変化するシリンダ機構が設けられている。この特許文献1記載の除雪機では、機体を所定速度以上の高速状態で走行させているときに旋回を行うと、HST内における油圧上昇に伴ってリンクレバーの作動反力が増加し、このリンクレバーの作動反力によりバネを内蔵したシリンダ機構の長さが変化することにより、リンクレバーがHSTの油圧を低下させる低速側へ揺動する。
従って、特許文献1記載の除雪機によれば、高速で直進走行している際に、旋回を行うと、旋回中は直進時よりもクローラ走行装置の速度が低下するので、車体周りを移動する操縦者の移動速度(追従速度)も低くてすみ、旋回時の操作性を向上できる。
しかしながら、特許文献1記載の除雪機のように、HSTにおける油圧上昇に伴って増加するリンクレバーの作動反力により長さが変化するシリンダ機構がリンクロッドに設けられ、このシリンダ機構の長さの変化量に応じてHSTの変速比を低速側へ制御する場合には、直進走行状態から旋回状態となった際に速度低下が開始されるタイミングが不安定になるおそれがある。すなわち、例えば、低摩擦抵抗の接地面上で信地旋回した場合には、クローラ走行装置の走行抵抗の変化が小さくなるため、直進走行状態から旋回状態となった際におけるHSTの油圧の上昇速度が低くなり、旋回開始に対してクローラ走行装置の速度低下が開始されるタイミングが遅れる可能性がある。
また、直進走行状態から旋回状態となった際における速度の低下量及び旋回速度自体が不安定になるおそれもある。すなわち、HSTにおける油圧レベルは、クローラ走行装置に対する走行抵抗の変化や、オーガに対する雪の抵抗の変化等の条件に応じて大きく変化し、これらの条件に影響を受けて旋回中のHSTの油圧レベルが変化する。このため、直進走行状態から旋回状態となった際の除雪機の旋回速度は一定にならず、また旋回途中に走行抵抗やオーガに対する雪の抵抗が変化した場合には、除雪機の旋回速度が変化することになる。
本発明の目的は、上記事実を考慮し、車体が直進走行状態から旋回状態となった際に、一対の走行装置による旋回速度を自動的に低下させることができ、かつ旋回開始を基準として旋回速度を常に一定のタイミングで低下できる除雪機を提供することにある。
特開1999−323862号公報
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。すなわち、第1の発明に係る除雪機は、車体の幅方向両端部にそれぞれ配置され、車体を走行させると共に旋回可能とする一対の走行装置と、一対の前記走行装置にそれぞれトルク伝達機構を介して接続され、該トルク伝達機構を介して前記走行装置に回転力を伝達するエンジンと、前記トルク伝達機構に設けられ、前記エンジンからの回転力を液圧力に変換するピストンポンプ、該ピストンポンプに接続された一対の液圧経路及び、該一対の液圧経路に接続されると共に、該一対の液圧経路を通して供給される液圧力を回転力に変換するピストンモータを具備し、前記ピストンモータが発生した回転力を前記トルク伝達機構における前記走行装置側に伝達する静液圧式変速機と、一対の前記液圧経路間を連通するバイパス路と、前記バイパス路に設けられ、一対の前記走行装置による車体の旋回開始に同期して前記バイパス路を開放し、かつ車体の旋回完了に同期して前記バイパス路を閉塞するバイパス弁と、を有することを特徴とする。
上記第1の発明に係る除雪機では、一対の液圧経路間を連通するバイパス路に設けられたバイパス弁が、一対の走行装置による信地旋回による車体の旋回開始に同期してバイパス路を開放し、かつ車体の旋回完了に同期して前記バイパス路を閉塞する。
これにより、一対の走行装置が車体を旋回開始させると、それに同期してバイパス弁がバイパス路を開放する。従って、車体の旋回時には、静液圧式変速機における一対の液圧経路を通してピストンポンプからピストンモータへ供給される液圧が予め設定された変速比(設定変速比)に対応する値よりも低くなるので、静液圧式変速機がエンジンの回転を設定変速比により決まる回転速度よりも低い回転速度に変速してトルク伝達機構における走行装置側に伝達する。
また一対の走行装置による車体の旋回が完了すると、それに同期してバイパス弁がバイパス路を閉塞する。従って、車体が旋回状態から直進走行状態に戻ると、静液圧式変速機における液圧経路を通してピストンポンプからピストンモータへ供給される液圧が設定変速比に対応する値に復帰するので、車体の直進走行時には、静液圧式変速機がエンジンの回転を設定変速比で変速してトルク伝達機構における走行装置側に伝達する。
この結果、第1の発明に係る除雪機によれば、車体が直進走行状態から信地旋回状態となった時に、走行装置の走行速度が低下するように静液圧式変速機の変速比を制御できるので、旋回開始から旋回完了までの間、一対の走行装置による車体の旋回速度を直進走行時よりも低下させることができ、また車体が旋回状態から直進状態に復帰すると、一対の走行装置による車体の走行速度を旋回開始前の速度に自動的に復帰できる。
また第1の発明に係る除雪機では、一対の走行装置による信地旋回による車体の旋回開始に同期してバイパス弁によりバイパス路が開放されることから、旋回開始時を基準として、走行装置の走行装置の速度を常に一定のタイミングで低下できる。
第2の発明に係る除雪機は、第1の発明において、前記静液圧式変速機から一対の前記走行装置にそれぞれ伝達される回転力を制御するトルク伝達制御部と、外部からの旋回操作に応じて前記トルク伝達制御部を制御し、一対の前記走行装置により車体を旋回させる旋回操作部と、を有し、前記バイパス弁は、前記旋回操作部に対する旋回操作の開始に同期して前記バイパス路を開放し、前記旋回操作部に対する旋回操作の完了に同期して前記バイパス路を閉塞することを特徴とする。
第3の発明に係る除雪機は、第2の発明において、前記旋回操作部に対する旋回操作中に、該旋回操作部が出力する旋回指令信号に同期して前記バイパス弁を開状態とし、該旋回操作部からの旋回指令信号の出力停止に同期して前記バイパス弁を閉状態とするバイパス弁制御部を有することを特徴とする。
第4の発明に係る除雪機は、第3の発明において、前記バイパス弁を、ノーマリクローズ型の電磁開閉弁により構成したことを特徴とする。
第5の発明に係る除雪機は、第1乃至第4の何れかの発明において、前記バイパス路に前記バイパス弁と直列に配置された流量制御弁を有し、前記流量制御弁は、前記バイパス弁の開放時に前記バイパス路を流れる液体の流量を一定量に制御することを特徴とする。
上記本発明によれば、車体が直進走行状態から旋回状態となった際に、一対の走行装置による旋回速度を自動的に低下させることができ、かつ旋回開始を基準として旋回速度を常に一定のタイミングで低下できる。
本発明に係る除雪機の構成を示す側面断面図である。 本発明に係る除雪機の構成を示す平面断面図である。 図1に示される除雪機に適用されたHST(静液圧式変速機)の構成を示す平面断面図である。 (A)は図1に示される除雪機における操作ハンドル及び旋回スイッチを示す斜視図、(B)は旋回スイッチの構成を示す平面断面図である。 図1に示される除雪機に適用された油圧制御回路の構成を示す回路図である。
以下、本発明の実施形態に係る除雪機について図面を参照して説明する。
(除雪機の構成)
図1は本発明の実施形態に係る除雪機を示す側面図、図2は図1に示される除雪機の平面図である。なお、図1の符号FRが付された矢印は除雪機10における車体14の前後方向を示し、符号Hが付された矢印は除雪機10における車体14の上下方向を示している。また図2の符号Wが付された矢印は除雪機10における車体14の幅方向を示している。また符号R及びLがそれぞれ付された矢印の方向は操縦者から見た右側及び左側をそれぞれ示している。
以下の説明にて、単に前後方向、上下方向及び幅方向と記載した場合には、それぞれ矢印FR、矢印H及び矢印Wに沿った方向を言うものとし、右側及び左側と記載した場合には、それぞれ矢印R及び矢印Lの方向を言うものとする。
本実施形態に係る除雪機10は、操作ハンドル12を操縦者が把持して歩行しつつ除雪する所謂歩行型のものとして構成されている。除雪機10には、図2に示すように、車体14の右側にクローラ走行装置16Rが配置されると共に、左側にクローラ走行装置18Lが配置されている。また除雪機10には、車体14の後端部に操作ハンドル12が配置されると共に、車体14の前側に除雪ユニット20が配置されている。
ここで、除雪ユニット20には、オーガ22が設けられると共に、このオーガ22の後側に投雪機構としてブロア24が設けられている。また操作ハンドル12は、平面視にて後方へ向って開いた略コ字状に形成されており、その両端部がそれぞれ斜め後方へ延出し、それらの先端部にそれぞれ操縦者が把持するための右グリップ26及び左グリップ28が設けられている。操作ハンドル12は、その下端部が後述する車体フレーム30の後端部にブラケット(図示省略)を介して固定されている。
図1に示すように、車体14の下部には車体フレーム30が設けられており、この車体フレーム30上にはエンジン32が搭載されている。エンジン32は車体フレーム30により支持されており、そのクランク軸33の軸線方向が前後方向と実質的に一致している。
図2に示すように、除雪機10には、操作ハンドル12におけるグリップ26、28の間にコントロールボックス36が配置されている。コントロールボックス36は、操作ハンドル12を介して車体フレーム30に固定されている。コントロールボックス36の上面は、操縦者が除雪機10を操縦するための操作パネル38とされている。またコントロールボックス36の内部には、後述する走行スイッチ270、オーガスイッチ196等が収納されている。
操作パネル38には、前進、後進及び停止状態の何れかを選択するための変速レバー190、後述するシュータ80を旋回させるためのシュータ方向調整レバー191、及びシュータ80のデフレクタ84の傾きを調整するためのデフレクタ調整レバー192がそれぞれ配置されている。またコントロールボックス36の下面には、図1に示すように、エンジン32を始動又は停止するためのエンジンスイッチ193が配置されている。
図4(A)に示すように、操作ハンドル12には、右グリップ26の前に旋回スイッチ200が配置されている。旋回スイッチ200は、ブラケット202を介して操作ハンドル12に固定されたスイッチケーシング204、及びスイッチケーシング204の後端に配置されたボタンプレート206を備えている。
ボタンプレート206には、図4(B)に示すように、その裏面の幅方向中央に揺動軸208が設けられている。ボタンプレート206は、幅方向を長手方向とする略長方形のプレート状に形成されており、揺動軸208を介してスイッチケーシング204に揺動可能に連結されている。ボタンプレート206は、揺動軸208を介して右側が右旋回ボタン部210とされると共に、左側が左旋回ボタン部212とされている。ボタンプレート206は、図4(A)に示す直進位置から、右旋回ボタン部210が左旋回ボタン部212に対して前側へ所定量押し込まれる右旋回位置及び左旋回ボタン部212が右旋回ボタン部210に対して前側へ所定量押し込まれる左旋回位置に揺動可能とされている。
旋回スイッチ200には、スイッチケーシング204内にボタンプレート206を常に直進位置に付勢する付勢部材(図示省略)が設けられると共に、図4(B)に示されるように、車体14を右側へ旋回させるための接点214R及び左側へ旋回させるための接点216Lが配置されている。
旋回スイッチ200では、ボタンプレート206が直進位置にある時には、接点214R及び接点216Lの双方がそれぞれオフ状態となる。一方、旋回スイッチ200は、ボタンプレート206が右旋回位置にある時には、接点214Rがオン状態となると共に、接点216Lがオフ状態に維持される。またボタンプレート206が左旋回位置にある時には、接点216Lがオン状態となると共に、接点214Rがオフ状態に維持される。
図1に示すように、操作ハンドル12には、左グリップ28の上方に走行クラッチレバー183が配置されている。走行クラッチレバー183は、操作ハンドル12を上方から跨ぐように配置されたレバーブラケット184、このレバーブラケット184から左グリップ28の上方へ延出するレバー部185、及びレバーブラケット184の下端部に固定されたレバー軸186を備えている。レバー軸186は、基端部がコントロールボックス36内に挿入されており、コントロールボックス36内に配置された軸受部(図示省略)により回動可能に支持されている。
ここで、レバー部185は、図1の実線で示す非操作位置と二点鎖線で示す操作位置との間で揺動可能とされており、レバー軸186を介してコントロールボックス36内に配置された付勢部材(図示省略)により常に非操作位置に付勢されている。操縦者は、左グリップ28と共に操作位置にあるレバー部185を把持することができる。
図2に示すように、コントロールボックス36の内部には走行スイッチ270が配置されている。走行スイッチ270は、走行クラッチレバー183のレバー部185が操縦者の左手により握られて、非操作位置から操作位置まで揺動するとオン状態となり、またレバー部185が非操作位置に復帰するとオフ状態になる。
操作ハンドル12には、図4(A)に示すように、右グリップ26の下方にオーガハウジング高さ調整レバー188が配置されている。オーガハウジング高さ調整レバー188は、図1の実線で示す拘束位置と二点鎖線で示す操作位置との間で揺動可能とされており、付勢部材(図示省略)により常に拘束位置に付勢されている。
図1に示すように、コントロールボックス36には、左側の側面にオーガクラッチレバー250が配置されている。オーガクラッチレバー250には、その下端部にレバー軸252の先端部が固定されている。レバー軸252の基端部はコントロールボックス36内に挿入されており、コントロールボックス36内に配置された軸受部(図示省略)により回動可能に支持されている。オーガクラッチレバー250は、レバー軸252から操作パネル38の上方まで延出している。
オーガクラッチレバー250は、レバー軸252を中心として図示の非操作位置と、この非操作位置から所定量後側へ揺動した操作位置との間で揺動可能とされており、レバー軸252を介してコントロールボックス36内に配置された付勢部材(図示省略)により常に非操作位置に付勢されている。
図2に示すように、コントロールボックス36の内部にはオーガスイッチ196が配置されている。このオーガスイッチ196は、オーガクラッチレバー250が非操作位置から操作位置まで揺動するとオン状態となり、またオーガクラッチレバー250が非操作位置に復帰するとオフ状態になる。
コントロールボックス36には、右側の側面にスロットルレバー194が配置されている。スロットルレバー194には、その下端部にレバー軸195の先端部が固定されている。このレバー軸195の基端部はコントロールボックス36内に挿入されており、コントロールボックス36内に配置された軸受部(図示省略)により回動可能に支持されている。スロットルレバー194は、レバー軸195から操作パネル38の上方まで延出しており、レバー軸195を中心として前後方向に沿って揺動可能に支持されている。
図1に示すように、エンジン32のクランク軸33には、その前端にオーガクラッチ42を介して第1駆動プーリ44が接続されている。またクランク軸33には、第1駆動プーリ44の後側に第2駆動プーリ46が接続されている。オーガクラッチ42は、オン状態ではクランク軸33から第1駆動プーリ44にトルクを伝達可能とし、オフ状態ではクランク軸33から第1駆動プーリ44へのトルク伝達を遮断する。このオーガクラッチ42は、例えば、公知の電磁クラッチによって構成されている。
除雪ユニット20には、クランク軸33と平行に延在する連結軸48が設けられており、この連結軸48の先端部にはウォーム減速機50を介してオーガ軸52が接続されている。連結軸48は、その後端が車体フレーム30の内部まで延出しており、軸受(図示省略)を介して車体フレーム30により回転可能に支持されている。連結軸48の後端には第1従動プーリ54が接続されており、この第1従動プーリ54及び第1駆動プーリ44には、第1Vベルト56が巻き掛けられている。これにより、第1駆動プーリ44は、第1Vベルト56及び第1従動プーリ54を介して連結軸48にトルク伝達可能となるように接続される。
図1に示すように、除雪機10には、エンジン32の下にHST(Hydro Static Transmission:静液圧式変速機)58が配置されている。HST58は車体フレーム30の内部に配置されており、その入力軸60がエンジン32のクランク軸33と平行に支持されている。入力軸60の先端には、第2従動プーリ62が接続されており、この第2従動プーリ62及び第2駆動プーリ46には、第2Vベルト64が巻き掛けられている。また除雪機10には、第2Vベルト64の張力を増減するためのベルトテンショナ(図示省略)が設けられている。このベルトテンショナは、クラッチワイヤ(図示省略)を介して走行クラッチレバー183に接続されており、走行クラッチレバー183が非操作位置から操作位置に揺動すると、第2Vベルト64の張力を増加させ、走行クラッチレバー183非操作位置に復帰すると、第2Vベルト64の張力を減少させる。
ここで、第2駆動プーリ46、第2従動プーリ62、第2Vベルト64及びベルトテンショナは、ベルトクラッチ63を構成している。ベルトクラッチ63は、走行クラッチレバー183が非操作位置から操作位置に揺動すると、クランク軸33から入力軸60にトルク伝達可能になるオン状態になり、走行クラッチレバー183が非操作位置に復帰すると、クランク軸33から入力軸60へのトルク伝達を遮断するオフ状態になる。
図2に示すように、除雪ユニット20のオーガ軸52は、その軸線方向が幅方向と実質的に一致しており、このオーガ軸52には、ウォーム減速機50を挟んだ両側にそれぞれオーガ22が取り付けられている。オーガ22は、オーガ軸52を中心としてスパイラル状に延在している。ウォーム減速機50は、連結軸48の回転力をオーガ軸52に伝達する。
除雪ユニット20は、図1に示すように、オーガ22の上側を覆うと共に、前面及び下面がそれぞれ開口したオーガハウジング66を備えている。オーガハウジング66は、図2に示すように、幅方向両端部がそれぞれ側板部68により閉塞されている。オーガ軸52は、その両端部がそれぞれ軸受(図示省略)を介して一対の側板部68により回転可能に支持されている。
除雪ユニット20には、オーガハウジング66と車体フレーム30との間にブロア24が設けられている。ブロア24には、筒状のブロアハウジング70が設けられると共に、このブロアハウジング70の内部にインペラ72が配置されている。このインペラ72は連結軸48に固定されている。ブロアハウジング70の前面はオーガハウジング66内部に開口しており、またブロアハウジング70の上端部には、インペラ72により遠心方向へ加速された雪をシュータ80へ排出する開口部が設けられている。
図1に示すように、シュータ80は、その下端部がブロアハウジング70に連結されており、ブロアハウジング70により旋回可能に支持されている。除雪ユニット20には、シュータ80の下端部に旋回用の回転電動モータ82が配置されている。またシュータ80の先端部には、樋状のデフレクタ84が上下方向に沿って揺動可能に連結されている。このデフレクタ84は、操縦者がデフレクタ調整レバー192を操作することにより、その傾きが調整可能とされている。
図2に示すように、クローラ走行装置16R、18Lには、それぞれ前後方向へ延在する走行フレーム86が設けられている。一対の走行フレーム86は、車体フレーム30の側面にそれぞれ固定されている。一対のクローラ走行装置16R、18Lには、前端部に駆動スプロケット88がそれぞれ設けられると共に、後端部に従動ホイール90がそれぞれ設けられている。一対の従動ホイール90は、幅方向に延在する車軸92の両端部に回転可能に連結されている。
クローラ走行装置16R、18Lは、軸受(図示省略)を介して走行フレーム86により回転可能に支持されたクローラ駆動軸94を備えている。クローラ駆動軸94は走行フレーム86を貫通しており、先端部に駆動スプロケット88が固定されている。クローラ駆動軸94の基端部は、車体フレーム30に固定された走行減速機96に接続されている。走行減速機96は、エンジン32からの回転力が入力する入力軸98を備えている。
右側の走行減速機96の入力軸98は、旋回クラッチ74Rを介してHST58の出力軸61の一端に接続されている。また左側の走行減速機96の入力軸98は、旋回クラッチ76Lを介してHST58の出力軸61の他端に接続されている。これらの旋回クラッチ74R、76Lは、例えば、公知の電磁クラッチによって構成されており、本発明に係るトルク伝達制御部を構成している。
クローラ走行装置16R、18Lには、駆動スプロケット88及び従動ホイール90に巻き掛けられるゴム製のクローラ100が設けられている。クローラ100は無端のベルト状に形成されており、駆動スプロケット88及び従動ホイール90により前後方向へ長い長円状に張設されている。クローラ100は、駆動スプロケット88から回転力が伝達されると、接地面に対して前進方向又は後進方向の駆動力を伝達する。
図3に示すように、HST58には、その前端部(矢印CF方向の端部)から後端部(矢印CR方向の端部)へ向かって、油圧ケーシング104、隔壁プレート106及び減速機ケーシング108が順に配置されている。
油圧ケーシング104は、後端面(矢印CR方向の端面)が開口した有底の容器状に形成されており、内部に斜板式アキシャルピストンポンプ110(以下、単に「ピストンポンプ」という。)と斜板式アキシャルピストンモータ112(以下、単に「ピストンモータ」という。)が収納されている。減速機ケーシング108は、前端面(矢印CF方向の端面)が開口した有底の容器状に形成されており、内部に一対のベベルギヤ114、116が収納されている。隔壁プレート106は、油圧ケーシング104の後端面及び減速機ケーシング108の前端面をそれぞれ閉塞している。
ピストンポンプ110は、入力軸60と一体に形成されたポンプ軸118を備えており、このポンプ軸118は、その先端部が軸受120Aを介して油圧ケーシング104により回転可能に支持されると共に、後端部が隔壁プレート106に穿設された軸受穴122Aに回転可能に挿入されている。このポンプ軸118の先端部及び入力軸60は、軸受120A内を通って油圧ケーシング104の前方へ突出している。
ピストンモータ112は、ポンプ軸118と平行に配置されたモータ軸124を備えており、その先端部が油圧ケーシング104に穿設された軸受穴126Bに回転可能に挿入されると共に、後端部が軸受128Bを介して隔壁プレート106により回転可能に支持されている。このモータ軸124は軸受128B内を通って隔壁プレート106を貫通し、減速機ケーシング108内まで突出している。
HST58の出力軸61は、その軸線方向が幅方向と実質的に一致している。出力軸61は、図2に示すように、減速機ケーシング108(図3参照)を貫通して、両端部をそれぞれ減速機ケーシング108から突出させている。出力軸61は、軸受(図示省略)を介して減速機ケーシング108により回転可能に支持されている。図3に示すように、減速機ケーシング108内で、一方のベベルギヤ114は出力軸61に固定されている。他方のベベルギヤ116はモータ軸124に固定されており、ベベルギヤ114と噛み合っている。これにより、モータ軸124の回転力が一対のベベルギヤ114、116を介して出力軸61に伝達可能になる。
ピストンポンプ110は、ポンプ軸118の外側に配置され、ポンプ軸118と一体となって回転するシリンダブロック130を備えている。シリンダブロック130の内部には、ポンプ軸118の軸心S1を中心とする円周上に所定間隔を空けて軸線方向へ長い複数個のシリンダ室132、134が設けられている。なお、シリンダ室132、134の個数は奇数個が通常であるが、本実施形態では、シリンダブロック130に2個のシリンダ室132、134が設けられている。シリンダブロック130には、各シリンダ室132、134の底面部とシリンダブロック130の後端面との間を貫通する油圧ポート136が穿設されている。各シリンダ室132、134は、それぞれシリンダブロック130の先端面で開口している。
ピストンポンプ110には、シリンダブロック130の各シリンダ室132、134内にそれぞれ円柱状のピストン138が配置されており、各ピストン138は、シリンダ室132、134内に軸線方向に沿って往復移動可能に収納されている。またピストンポンプ110には、シリンダブロック130の先端面に対向するように可変斜板140が配置されている。可変斜板140は、軸心S1に対する傾斜方向へ傾動可能とされており、軸心S1に対する傾斜角度が90°になる中立位置を挟んで、図3に示す正転側(プラス角度側)及び、この正転側とは反対の逆転側(マイナス角度側)にそれぞれ傾動可能とされている。図3は、可変斜板140がプラス角度側へ傾斜している状態を示している。
ピストンポンプ110には、可変斜板140の傾斜角度を調整するための変速操作部材(図示省略)が設けられており、この変速操作部材を油圧ケーシング104の外部から操作することにより、可変斜板140の傾斜角度を増減させることができる。また可変斜板140の軸線方向内側には、軸受142Cを介してリング状のスラスト板144が軸心S1を中心として回転可能に配置されている。シリンダ室132、134内には、ピストン138を可変斜板140側へ付勢するコイルスプリング等の付勢部材(図示省略)が配置されており、その付勢力を受けたピストン138は、その先端面を常にスラスト板144に圧接させる。
なお、変速レバー190(図2参照)は、リンク機構、ワイヤ等の操作力の伝達機構を介してHST58の変速操作部材と連結されており、操縦者が変速レバー190を揺動させると、前記伝達機構を介してHST58の変速操作部材に操縦者からの操作力が伝達され、この操作力により前記変速操作部材が操作される。
ピストンポンプ110では、エンジン32からの回転力が入力軸60及びポンプ軸118に伝達され、この回転力によりポンプ軸118及びシリンダブロック130が回転駆動されると、シリンダ室132、134内の各ピストン138が軸心S1の周りを公転しつつ、それぞれ可変斜板140の傾斜角度に対応するストロークで往復移動する。これにより、各シリンダ室132、134への作動油の給排が行われることになる。
すなわち、作動油の吐出行程にある一方のシリンダ室132、134では、可変斜板140の傾斜に沿ってピストン138がシリンダ室132、134に押し込まれ、これにより、このシリンダ室132、134内の作動油が油圧ポート136を通してシリンダブロック130から吐出される。一方、吸入行程にあるシリンダ室132、134では、ピストン138が付勢部材の付勢力及び、油圧ポート136を通してシリンダ室132、134に流入する作動油の圧力(チャージ圧)を受けて、可変斜板140の傾斜に沿って徐々にシリンダ室132から押し出されると共に、作動油がシリンダ室132とピストン138の間に吸入される。
HST58においては、ピストンポンプ110が上記のように構成されているのに対して、ピストンモータ112は、固定斜板180の傾斜角度が固定されていることを除いて、図3に示すように、ピストンポンプ110と基本的に同一構成を備えている。このことから、ピストンモータ112については、ピストンポンプ110と構成が同一の部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
隔壁プレート106には、一対のピストンポンプ110にそれぞれ対応する一対のポンプ側通路146、148が形成されており、ポンプ側通路146、148の一端は、それぞれバルブ口とされており、隔壁プレート106の先端面(矢印CF方向の端面)に開口している。ポンプ側通路146、148の他端は、それぞれジョイント部材154、156を介して後述する油圧制御回路182(図5参照)に接続されている。
また隔壁プレート106には、ピストンモータ112に対応する一対のモータ側通路158、160が形成されており、モータ側通路158、160の一端は、それぞれバルブ口とされており、隔壁プレート106の先端面に開口している。モータ側通路158、160の他端は、それぞれジョイント部材166、168を介して後述する油圧制御回路182(図5参照)に接続されている。
図5に示すように、油圧制御回路182には、一対のポンプ側通路146、148がジョイント部材154、156を介して接続されると共に、一対のモータ側通路158、160がジョイント部材166、168を介して接続されている。ここで、油圧制御回路182はHST58の内部に配置されている。
油圧制御回路182は、ジョイント部材154、166を介してポンプ側通路146及びモータ側通路158に接続される接続通路170、及びジョイント部材156、168を介してポンプ側通路148及びモータ側通路160に接続される接続通路172を備えている。
ここで、ポンプ側通路146、モータ側通路158及び接続通路170は油圧経路174を構成し、ポンプ側通路148、モータ側通路160及び接続通路172は油圧経路176を構成している。これらの油圧経路174及び油圧経路176は、ピストンポンプ110とピストンモータ112とを繋ぐ閉油圧回路178を構成している。
図5に示すように、油圧制御回路182には、閉油圧回路178が設けられると共に、閉油圧回路178における一対の油圧経路174、176を互いに連通させるバイパス路220が設けられている。バイパス路220には、一方の油圧経路174から他方の油圧経路176へ向って、ノーマリクローズ型の電磁開閉弁226及び流量制御弁230が直列に配置されている。ここで、電磁開閉弁226は本発明に係るバイパス弁を構成している。またバイパス路220は、電磁開閉弁226を介して油圧経路174側が上流バイパス部222とされ、油圧経路176側が下流バイパス部224とされている。
電磁開閉弁226は、バイパス開放信号SBOの入力時にのみ開状態となってバイパス路220を開放し、バイパス開放信号SBOが入力していない時には常に閉状態となってバイパス路220を閉塞する。
一方、除雪機10は、旋回スイッチ200に接続された減速用リレー(図示省略)をバイパス弁制御部として備えている。この減速用リレーは、旋回スイッチ200における接点214R及び接点216Lの一方がオン状態になっている時に、バイパス開放信号SBOを電磁開閉弁226へ出力し、また接点214R及び接点216Lの双方がオフ状態になっている時には、電磁開閉弁226に対するバイパス開放信号SBOの出力を停止する。
HST58は、電磁開閉弁226が開状態となってバイパス路220により油圧経路174、176間がバイパスされると、閉油圧回路178を通してピストンポンプ110からピストンモータ112へ供給される作動油の油量が少なくなり、その作動油の減少量に応じてピストンモータ112の回転速度が低下する。
下流バイパス部224に配置された流量制御弁230は、油圧経路174、176間の作動油の圧力差(差圧)の影響によりバイパス路220を流れる作動油の量が変化することを防止するものである。すなわち、流量制御弁230は、電磁開閉弁226が開状態の時に、油圧経路174、176間の圧力差が上昇又は低下した場合に、バイパス路220における作動油の流通量が増加又は減少することを防止し、作動油の流通量を予め設定された設定量に制御する。これにより、電磁開閉弁226が開状態の時に、油圧経路174、176間の作動油の圧力差が大きくなるに従って、バイパス路220における作動油の流通量が増加し、最終的にHST58に作動油が流れなくなり、HST58(除雪機10の前進走行)が停止することを防止する。
(除雪機の動作及び作用)
次に、上記のように構成された除雪機10の動作及び作用について説明する。除雪機10を運転開始する際には、操縦者は、エンジンスイッチ193をストップ位置からスタート位置まで回してエンジン32を始動させた後、エンジンスイッチ193をストップ位置とスタート位置との中間のオン位置まで戻す。この状態で、操縦者は、スロットルレバー194を操作することにより、エンジン32の回転速度を適宜調整する。
次いで、操縦者は走行クラッチレバー183を握って操作位置とする。これにより、ベルトクラッチ63がオン状態になり、ベルトクラッチ63によりクランク軸33の回転力がHST58の入力軸60に伝達される。この状態で、操縦者が、ニュートラル位置(図2の「N」位置)にある変速レバー190を前進位置F側へ傾動させると、この変速レバー190の傾動量に対応する角度だけ、HST58における変速操作部材が可変斜板140を中立位置から正転側へ傾動させる。これにより、エンジン32の回転力がHST58のピストンポンプ110により作動油の油圧力に変換され、この油圧力が閉油圧回路178を通してピストンモータ112に供給される。
HST58では、ピストンモータ112がピストンポンプ110から供給された油圧力を正転方向の回転力に変換し、出力軸61を回転させる。これにより、出力軸61の回転力が旋回クラッチ74R、76Lを介してクローラ走行装置16R、18Lの駆動スプロケット88にそれぞれ伝達され、左右のクローラ走行装置16R、18Lにより除雪機10が走行(前進走行)する。
除雪機10の前進走行時に、操縦者が旋回スイッチ200における右旋回ボタン部210を押下すると、旋回クラッチ76Lがオン状態に維持されつつ、旋回クラッチ74Rのみがオフ状態になると同時に、旋回クラッチ74Rのブレーキ機構が作動して右側のクローラ走行装置16Rを停止する。これにより、左側のクローラ走行装置18Lのみが前進方向へ駆動されるので、除雪機10がクローラ走行装置16Rを略旋回中心として右側へ旋回する。
また除雪機10の前進走行時に、操縦者が旋回スイッチ200における左旋回ボタン部212を押下すると、旋回クラッチ74Rがオン状態に維持されつつ、旋回クラッチ76Lのみがオフ状態になると同時に、旋回クラッチ76Lのブレーキ機構が作動して左側のクローラ走行装置18Lを停止する。これにより、クローラ走行装置16Rのみが前進方向へ駆動されるので、除雪機10がクローラ走行装置18Lを略旋回中心として左側へ旋回する。
操縦者は、クローラ走行装置16R、18Lにより除雪機10を前進又は後進させて除雪場所まで移動させると、必要に応じ、オーガハウジング高さ調整レバー188を握って、車体フレーム30に設けられたチルト機構(図示省略)によりオーガハウジング66及びオーガ22を上下へ位置調整する。
除雪を開始する際、操縦者は、オーガクラッチレバー250を非操作位置から操作位置まで揺動させる。ここで、走行クラッチレバー183には、オーガクラッチレバー250に対する係止機構が設けられており、この係止機構は、走行クラッチレバー183が操作位置にある状態で、オーガクラッチレバー250が非操作位置から操作位置まで揺動すると、オーガクラッチレバー250を付勢部材の付勢力に抗して操作位置に保持する。また係止機構は、走行クラッチレバー183が非操作位置に復帰すると、オーガクラッチレバー250を解放する。これにより、オーガクラッチレバー250は、付勢部材の付勢力により非操作位置に復帰する。
除雪機10では、操縦者がオーガクラッチレバー250を操作位置に操作すると、オーガクラッチ42がオフ状態からオン状態になり、エンジン32の回転力がオーガクラッチ42を介して連結軸48及びオーガ軸52に伝達される。このとき、操縦者が必要に応じてシュータ方向調整レバー191を操作すると、回転電動モータ82がシュータ80を所定の旋回範囲内で旋回させる。シュータ80が所望の方向を向いたタイミングで、操縦者がシュータ方向調整レバー191の操作を中止すると、回転電動モータ82が停止してシュータ80の旋回が停止する。また、操縦者はデフレクタ調整レバー192を操作することにより、シュータ80のデフレクタ84の傾きを調整し、シュータ80から投擲される雪の飛距離を調整することができる。
除雪機10は、前進走行しつつ、除雪ユニット20の前方に積もっている雪をオーガハウジング66内に押し込む。オーガハウジング66内に押し込まれた雪は、オーガ22により幅方向中央に集められ、除雪機10の前進移動に伴って、ブロア24のブロアハウジング70内へ押し込まれる。そして、ブロアハウジング70内へ押し込まれた雪は、インペラ72により連結軸48を中心とする遠心方向へ加速され、ブロアハウジング70からシュータ80内へ排出される。この雪はシュータ80内を通って除雪機10の側方ないし前方へ投擲される。これにより、除雪機10の走行経路に積もっていた雪が所望の方向へ投擲され、走行経路に積もっていた雪を人間や自動車等の邪魔にならない場所へ積み上げることができる。
除雪機10では、除雪作業の完了後、操縦者が走行クラッチレバー183を操作位置から非操作位置に復帰させると、これに連動し、オーガクラッチレバーも操作位置から非操作位置に復帰する。これにより、ベルトクラッチ63及びオーガクラッチ42がそれぞれオフ状態になり、左右のクローラ走行装置16R、18Lが停止すると共に、オーガ22及びブロア24がそれぞれ停止する。
以上説明した本実施形態に係る除雪機10では、操縦者により旋回スイッチ200における右旋回ボタン部210及び左旋回ボタン部212の双方が押下されていない時は、電磁開閉弁226が閉状態となってバイパス路220を閉塞する。これにより、HST58における油圧経路174、176を通してピストンポンプ110からピストンモータ112へ供給される作動油の油量が、可変斜板140の傾斜角により設定される変速比(設定変速比)に対応する値に維持される。従って、HST58は、エンジン32の回転を設定変速比で変速し、旋回クラッチ74R、76Lを介してクローラ走行装置16R、18Lに伝達する。
また除雪機10では、操縦者により旋回スイッチ200における右旋回ボタン部210及び左旋回ボタン部212の何れかが旋回位置(右旋回位置又は左旋回位置)まで押下されると、電磁開閉弁226が開状態となってバイパス路220を開放する。これにより、HST58における閉油圧回路178を通してピストンポンプ110からピストンモータ112へ供給される作動油の油量が前記設定変速比に対応する値よりも減少する。従って、HST58は、エンジン32の回転を設定変速比により決まる回転速度よりも低い回転速度に変速し、旋回クラッチ74R、76Lを介してクローラ走行装置16R、18Lに伝達する。
すなわち、除雪機10では、直進走行している時に、右旋回ボタン部210及び左旋回ボタン部212の何れかが旋回位置まで押下されると、旋回クラッチ74Rまたは76Lの一方がクローラ走行装置16Rまたは18Lへの回転力の伝達を遮断する。これにより、除雪機10は、右方又は左方へ旋回開始し、この旋回開始と実質的に同時に、HST58におけるピストンモータ112の回転速度が直進時よりも低下する。このピストンモータ112における回転速度の低下量は、バイパス路220に配置された流量制御弁230による作動油の流量(リリーフ量)に応じて決まり、単位時間当たりのリリーフ量を大きく設定するに従って、速度の低下量が大きくなる。
この結果、本実施形態に係る除雪機10によれば、車体14が直進状態から旋回状態となった時に、電磁開閉弁226により油圧制御回路182におけるバイパス路220が開放されるので、クローラ走行装置16R、18Lによる走行速度が低下するようにHST58の変速比を制御できる。従って、旋回開始から旋回完了までの間、一対のクローラ走行装置16R、18Lによる車体14の旋回速度を低下できる。
また除雪機10によれば、車体14が旋回状態から直進状態に復帰すると、電磁開閉弁226によりバイパス路220が閉塞されるので、HST58の変速比を直進時の値に復帰できる。従って、一対のクローラ走行装置16R、18Lによる車体の走行速度を旋回開始前の直進時の速度に自動的に復帰できる。
また除雪機10では、ノーマリクローズ型の電磁開閉弁226によりバイパス路220の開閉を制御する。これにより、電磁開閉弁226、バイパス開放信号SBOを出力する減速用リレー等が故障しても、電磁開閉弁226が開状態のままになることを可及的に防止できるので、これらの故障に起因してバイパス路220が開放されたままになり、除雪機10の走行速度が制御不能になることを効果的に防止できる。
また除雪機10では、バイパス路220に電磁開閉弁226と直列に流量制御弁230を配置した。これにより、電磁開閉弁226が開状態の時に、油圧経路174、176間の圧力差が変化しても、バイパス路220における作動油の流通量を常に略一定にできる。この結果、オーガ22及びクローラ走行装置16R、18Lに対する負荷に影響されることなく、一対のクローラ走行装置16R、18Lにより車体14が直進走行状態から旋回状態になった時の速度低下量を常に略一定のものにできる。
なお、本実施形態の除雪機10では、車体14を走行させる一対の走行装置としてそれぞれクローラ走行装置16R、18Lを用いたが、このような走行装置としては、複数個のタイヤからなり、少なくとも1本のタイヤがHST58を介してエンジン32からの回転力が伝達されるものを用いても良い。
本発明は、車体に一対のクローラ走行装置等の走行装置が配置され、一対の走行装置が車体を走行させると共に旋回可能とする除雪機に適用可能である。

Claims (5)

  1. 車体の幅方向両端部にそれぞれ配置され、車体を走行させると共に旋回可能とする一対の走行装置と、
    一対の前記走行装置にそれぞれトルク伝達機構を介して接続され、該トルク伝達機構を介して前記走行装置に回転力を伝達するエンジンと、
    前記トルク伝達機構に設けられ、前記エンジンからの回転力を液圧力に変換するピストンポンプ、該ピストンポンプに接続された一対の液圧経路及び、該一対の液圧経路に接続されると共に、該一対の液圧経路を通して供給される液圧力を回転力に変換するピストンモータを具備し、前記ピストンモータが発生した回転力を前記トルク伝達機構における前記走行装置側に伝達する静液圧式変速機と、
    一対の前記液圧経路間を連通するバイパス路と、
    前記バイパス路に設けられ、一対の前記走行装置による車体の旋回開始に同期して前記バイパス路を開放し、かつ車体の旋回完了に同期して前記バイパス路を閉塞するバイパス弁と、
    を有することを特徴とする除雪機。
  2. 前記静液圧式変速機から一対の前記走行装置にそれぞれ伝達される回転力を制御するトルク伝達制御部と、
    外部からの旋回操作に応じて前記トルク伝達制御部を制御し、一対の前記走行装置により車体を旋回させる旋回操作部と、を有し、
    前記バイパス弁は、前記旋回操作部に対する旋回操作の開始に同期して前記バイパス路を開放し、前記旋回操作部に対する旋回操作の完了に同期して前記バイパス路を閉塞することを特徴とする請求項1記載の除雪機。
  3. 前記旋回操作部に対する旋回操作中に、該旋回操作部が出力する旋回指令信号に同期して前記バイパス弁を開状態とし、該旋回操作部からの旋回指令信号の出力停止に同期して前記バイパス弁を閉状態とするバイパス弁制御部を有することを特徴とする請求項2記載の除雪機。
  4. 前記バイパス弁を、ノーマリクローズ型の電磁開閉弁により構成したことを特徴とする請求項3記載の除雪機。
  5. 前記バイパス路に前記バイパス弁と直列に配置された流量制御弁を有し、
    前記流量制御弁は、前記バイパス弁の開放時に前記バイパス路を流れる液体の流量を一定量に制御することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の除雪機。
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