JP5183285B2 - 真空蒸着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基板やウエハの表面に金属材料、有機材料などの蒸着材料を蒸着させるための真空蒸着装置に関するものである。
例えば、基板やウエハなどの被蒸着部材の表面に蒸着材料を蒸着し、薄膜を形成する真空蒸着装置においては、被蒸着部材への蒸着量を制御するために、被蒸着材料と蒸発源との間にシャッター装置が設けられている。
そして、このシャッター装置としては、平板状のシャッター部材を蒸発源の直上に配置するとともに、このシャッター部材を、シリンダ装置などにより揺動またはスライドさせて、蒸発源の放出用開口部を開閉するようにしたものがある(特許文献1参照)。
また、基板が大きい場合には、基板の全幅に亘って一度に蒸着を行い得るように長い蒸発源が用いられている。このような蒸発源に用いられるシャッター装置におけるシャッター部材は、基板と蒸発源との間に配置され且つ全面に亘って多数の穴が形成されたものが用いられるとともに、このシャッター部材をシリンダ装置などによりスライドさせて穴の開口面積を調整することにより、蒸発量すなわち蒸着量を制御するようにしたものがある(特許文献2参照)。
特開2007−270280 特開2005−213569
しかしながら、シャッター部材は蒸発源の上方位置、つまりその開口部よりも上方に設けられているため、蒸発された蒸着材料の一部がシャッター部材に付着するという欠点がある。
すなわち、シャッター部材に蒸着材料が付着すると、この付着物は蒸発源から輻射熱を受けてその温度が上昇し結晶化することで、剥離して落下し易い状態となる。このため、シャッター部材を作動させた時に、付着物が蒸発源の近傍に落下して再蒸発することにより蒸発量が変化して膜厚が変動したり、また複数種類の蒸着材料を蒸着している場合には、蒸着材料が混合して膜質に変化が生じたり、さらにシャッター部材が板状で且つ多数の穴を有するものである場合には、穴の周囲に蒸着材料が付着することにより蒸発量すなわち蒸着量が低下し、膜厚が不均一になるという問題があった。
そこで、本発明は、蒸着材料のシャッター部材への付着に起因する膜厚や膜質が変化するのを防止し得る真空蒸着装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る真空蒸着装置は、蒸着により薄膜を被蒸着部材に形成し得る蒸着室と、蒸着材料を蒸発させて蒸着材蒸気を得る複数の蒸発用セルと、上記蒸着室内に配置されて上記蒸発用セルからの蒸着材蒸気を所定の放出位置に導く放出用ノズル先端の放出口を開閉し得る穴部を有するシャッター部材とを具備した真空蒸着装置であって、
上記シャッター部材を、上記放出用ノズルの放出口の上方位置で且つ当該放出口を閉鎖し得る閉鎖位置と開放し得る開放位置との間で移動自在に設けるとともに、上記シャッター部材の穴部が放出口に対応する開放位置にあっては、当該シャッター部材が放出用ノズルの放出口よりも下方位置に移動し得るように構成したものである。
また、請求項2に係る真空蒸着装置は、蒸着により薄膜を被蒸着部材に形成し得る蒸着室と、蒸着材料を蒸発させて蒸着材蒸気を得る複数の蒸発用セルと、上記蒸着室内に配置され且つ上記各蒸発用セルに材料移送管を介してそれぞれ接続されて蒸着材蒸気を予め複数箇所に設けられた放出位置にて放出し分散させ得る複数の分散用容器とを具備した真空蒸着装置において、
上記各分散用容器の上記各放出位置に対応する位置で、蒸着材蒸気の放出用ノズルを上方に突設するとともに、これら各分散用容器の放出用ノズル先端の放出口位置を略同一水平面となるようになし、
上記各分散用容器の上面を覆い得るとともにこれら分散用容器に設けられた各放出用ノズルの放出口を選択的に開放し得るシャッター部材およびこのシャッター部材を移動させ得る移動装置からなるシャッター装置を具備し、
上記シャッター部材の上記各放出位置に対応する箇所に、分散用容器の放出用ノズルを挿通させ得る穴部を分散用容器の個数に応じて複数個且つ互いに当該シャッター部材の移動方向で位置をずらせて形成し、
且つ上記移動装置により、上記シャッター部材を水平方向に移動させて各放出位置における所定の放出用ノズルの放出口に穴部を対応させた後、当該シャッター部材を放出用ノズルの放出口より下方に移動させるようにしたものである。
さらに、請求項3に係る真空蒸着装置は、蒸着により薄膜を被蒸着部材に形成し得る蒸着室と、蒸着材料を蒸発させて蒸着材蒸気を得る複数の蒸発用セルと、上記蒸着室内に配置され且つ上記各蒸発用セルに材料移送管を介してそれぞれ接続されて蒸着材蒸気を予め複数箇所に設けられた放出位置にて放出し分散させ得る複数の分散用容器とを具備した真空蒸着装置において、
上記各分散用容器の上記各放出位置に対応する位置で蒸着材蒸気の放出用ノズルを上方に突設するとともに、これら各分散用容器の放出用ノズル先端の放出口を所定方向で一列に且つ略同一水平面となるように配置し、
上記各分散用容器の上面を覆い得るとともにこれら分散用容器に設けられた各放出用ノズルの放出口を選択的に開放し得るシャッター部材およびこのシャッター部材を移動させ得る移動装置からなるシャッター装置を具備し、
上記シャッター部材の上記各放出位置に、各分散用容器の放出用ノズルを挿通させ得る複数の穴部が放出口列と同一方向で一列に設けられてなる穴部列を、分散用容器の個数に応じて複数設け、
上記各穴部に着脱自在にされて各穴部列において放出用ノズルを選択し得る蓋部材を具備し、
且つ上記移動装置により、シャッター部材を移動させて各放出位置における所定の穴部列を各放出用ノズルの放出口列に対応させた後、当該シャッター部材を放出用ノズルの放出口より下方に移動させるようにしたものである。
上記請求項1に記載の真空蒸着装置の構成によると、蒸着材蒸気を放出する放出用ノズルの放出口を穴部を介して開閉し得るシャッター部材を、その開放位置に移動させた後、当該シャッター部材を放出口よりも下方となるように移動させるようにしたので、蒸着時に、蒸着材蒸気がシャッター部材の表面に付着するのを防止することができる。
また、上記請求項2および請求項3に記載の真空蒸着装置の構成によると、シャッター部材に、蒸着材蒸気を放出し得る分散用容器を選択するためにその個数に応じた複数個の穴部からなる列を、やはり、分散用容器の個数に応じて複数配置したので、例えば2つの蒸着材料を同時に蒸着させる場合、または3つの蒸着材料を同時に蒸着させる場合など、どのような蒸着パターンであっても、蓋部材の取付パターンを変えるだけで、対処することができる。さらに、閉鎖状態の穴部の位置に蒸着材料が付着して汚れた場合には、蓋部材だけを取り外して清掃を行えばよく、したがってシャッター部材を取り外す必要がないので、清掃作業を容易に行うことができる。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態に係る真空蒸着装置を、図面に基づき説明する。
この真空蒸着装置は、例えばガラス基板の表面に複数種類の薄膜を層状に形成して、例えば有機EL素子などを製造するためのもので、真空下において複数種類の有機材料を順番に蒸発してガラス基板の表面に蒸着させることにより薄膜の形成(成膜)が行われる。なお、以下の説明では、3種類の蒸着材料を蒸着させ得るものとして説明する。勿論、3種類に限定されるものではない。
この真空蒸着装置は、図1に示すように、大きく分けて、内部に蒸着室(成膜室ともいう)1を有するとともにこの蒸着室1内に被蒸着部材であるガラス基板Kの保持具2が設けられた蒸着用容器3と、この蒸着用容器3内の下方に配置されるとともに蒸着材料を蒸発させる3個の蒸発セル(坩堝ともいう)4(4A,4B,4C)と、これら各蒸発セル4にて蒸発された蒸着材料(以下、蒸着材蒸気という)を蒸着室1内の下部に配置された分散用容器(後述する)に導くとともに途中に蒸発量(蒸着レート)を制御する制御弁5(5A,5B,5C)が設けられた材料移送管(材料導入管ともいえる)6(6A,6B,6C)とが具備されている。なお、図示しないが、蒸着用容器3の側壁部には、ガラス基板Kの搬入出用の開口部およびその開閉蓋が設けられている。
上記蒸着室1内には、各蒸発セル4に接続された材料移送管6(6A,6B,6C)を介して導かれた蒸着材蒸気を蒸着室1内に均一に分散させるために蒸発セル4の個数に応じて3個の分散用容器7(7A,7B,7C)が上中下と上下3段に亘って配置されるとともに、これら各分散用容器7に設けられた蒸着材蒸気の放出口(後述する)を開閉し得るシャッター装置8が配置されている。
ところで、各分散用容器7から放出される蒸着材蒸気がガラス基板Kの表面全体に届くように、図4に示すように、平面視が矩形状にされた分散用容器7の表面(上面)に、例えば4行×4列(計16箇所)でもって蒸気の放出位置Eが配置されている。
なお、以下の説明においては、図1の左右方向を前後方向aといい、図1の紙面に垂直な方向を左右方向bといい、また後述する放出用ノズルの放出口およびシャッター部材に設けられる穴部の配置状態を説明する際に、前後方向aを行と称し、左右方向bを列と称する。
上記各分散用容器7の平面視形状はガラス基板Kよりも一回り大きい矩形状にされ、各分散用容器7から放出される蒸着材蒸気がガラス基板Kの表面全体に届くように、各分散用容器7から蒸着材蒸気を放出するための各放出口は、各放出位置Eに対応してそれぞれ設けられている。
すなわち、図3および図4に示すように、上段の分散用容器7A、中段の分散用容器7Bおよび下段の分散用容器7Cの上壁部には、それぞれ分散容用容器7内に導かれた蒸着材蒸気を放出するための放出用ノズル11が上向きに突設されるとともに、その上端の放出口12(12A,12B,12C)は上段分散用容器7Aの表面(上壁部)上方の同一水平面内に位置するようにされている。
なお、中段分散用容器7Bから突設された放出用ノズル11Bは上段分散用容器7Aを貫通して設けられ、また下段分散用容器7Cから突設された放出用ノズル11Cは、中段分散用容器7Bおよび上段分散用容器7Cを貫通して設けられており、その配置形態は、図4に示すように、各放出位置Eにおいて、左右方向bに沿って且つ所定の第1ピッチP1にて一列に配置されている。
したがって、各放出位置Eには、3つの放出口12A,12B,12Cが一列に配置されることになり、放出位置Eが4行×4列であるため、全体の放出口12の個数は48個(16箇所×3個)となる。
次に、48個の放出口12を、蒸着材料の種類ごとに開閉し得る、つまり蒸着材料を選択し得るシャッター装置8について説明する。
このシャッター装置8は、図1および図2に示すように、蒸着材料の種類に応じて開放または閉鎖されて所定の蒸着材蒸気を蒸着室1内に放出し得るように多数の穴部22が形成された板状のシャッター部材21と、このシャッター部材21を前後方向aに且つ上下方向で移動させて穴部22を開放状態(開放位置)および閉鎖状態(閉鎖位置)に移動させるための移動装置23とから構成されている。
また、図2、図5および図6に示すように、上記シャッター部材21の各放出位置Eに対応する位置において、上記穴部22が所定の第1ピッチP1にて一列に3個設けられた穴部22の列が所定の第2ピッチP2にて3つ(つまり、3個×3列=9個:言い換えれば3行×3列)設けられるとともに、例えば各列にて1個の穴部22だけを開放させるために、残りの2個の穴部22を閉鎖し得る蓋部材24が係止具(係止用突起、止めねじなどが用いられる)25を介して着脱自在に取り付けられている。
図5においては、例えば左側の第1列目の穴部22については、第2番目および第3番目の穴部22B,22Cに蓋部材24が取り付けられて第1番目の穴部22Aが開放状態にされている。また中央の第2列目の穴部22については、第1番目および第3番目の穴部22A,22Cに蓋部材24が取り付けられて第2番目の穴部22Bが開放状態にされており、さらに右側の第3列目の穴部22については、第1番目および第2番目の穴部22A,22Bに蓋部材24が取り付けられて第3番目の穴部22Cが開放状態にされている。
したがって、このシャッター部材21を、一列に3個配置される放出口12の列上に、第1番目の穴部22列がくるように、または第2番目の穴部22列がくるように、または第3番目の穴部22列がくるように、移動装置23にて移動させることにより、一列に配置された3個の放出口12を選択的に開放状態にすることができる。勿論、シャッター部材21の移動ピッチは、穴部22列の第2ピッチP2に等しくされている。
次に、シャッター部材21を前後方向(水平方向である)aおよび上下方向に移動させる移動装置23について説明する。
この移動装置23は、図1および図2に示すように、分散用容器7の左右位置に配置された各支持台31にそれぞれ軸受32および支持ピン33を介して下端部が鉛直面内で揺動自在に支持された前後一対のリンク材34と、これら両リンク材34の上端部に接続ピン35および軸受36を介して接続された前後方向の支持部材37と、これら各支持部材37上に配置されるとともにシャッター部材21の左右位置の下面に設けられた各被ガイド部材39を前後方向でスライド自在に案内し得るガイド部材(ガイドレール)38と、蒸着用容器3側に且つ左右の中央位置に設けられて上記シャッター部材21を前後方向で移動させる第1移動用シリンダ装置(例えば、エアシリンダが用いられる)41と、同じく蒸着用容器3側に且つ左右位置に設けられて上記支持部材37を前後方向で移動させる第2移動用シリンダ装置(例えば、エアシリンダが用いられる)42とから構成されている。また、上記一対のリンク材34は互いに平行となるように設けられている。すなわち、シャッター部材21は平行リンク機構を介して蒸着用容器3の底壁部に支持されており、一対のリンク材34が鉛直面内で揺動すれば、支持部材37つまりシャッター部材21は上下に移動することになる。なお、第1移動用シリンダ装置41とシャッター部材21との連結部および左右の第2移動用シリンダ装置42と左右の支持部材37との連結部には、上下方向での相対移動が可能となるように両端がピン連結された連結用リンク材43,44が設けられている。
上記第2移動用シリンダ装置42を作動させると、支持部材37が円弧状の軌跡を描いて所定高さでもって昇降され(図7および図8参照)、また第1移動用シリンダ装置41を作動させると、シャッター部材21を前後につまり穴部22列の間隔である第2ピッチP2でもって移動される(図7参照)。なお、支持部材37の下降動作は、第1移動用シリンダ装置41を固定させた状態で、第2移動用シリンダ装置42のロッド部を引き込みリンク材34を横倒方向に揺動させることにより行われる。また、支持部材37の上昇動作は、第1移動用シリンダ装置41を固定させた状態で、第2移動用シリンダ装置42のロッド部を押し出しリンク材34を起立方向に揺動させることにより行われる。
したがって、これら両移動用シリンダ装置41,42にてシャッター部材21を前後および上下に移動させることにより、各放出位置Eにおいて、3個の放出口12のうち、任意の放出口12を開放状態にし得るとともに、シャッター部材21そのものを、各放出用ノズル11の上端面、すなわち放出口12よりも下方に位置させることができる。
例えば、図5に示すように、上段分散用容器7Aからの蒸着材蒸気を選択する場合には、シャッター部材21を、第1列目の穴部22列が放出口12列上にくるように移動させればよく、また中段分散用容器7Bからの蒸着材蒸気を選択する場合には、第2列目の穴部22列が放出口12列上にくるように移動させればよく、また下段分散用容器7Cからの蒸着材蒸気を選択する場合には、第3列目の穴部22列が放出口12列上にくるように移動させればよい。
勿論、シャッター部材21による放出口12の開閉動作後においては、当該シャッター部材21は下方に移動されており、したがって当該シャッター部材21は放出口12よりも下方に位置することになるため、蒸着材蒸気が付着するのが防止される。
なお、図6に示すように、蓋部材24は、シャッター部材21が下方に移動された際に、その表面から突出する放出用ノズル11の上端に接触しないようにされている。つまり、蓋部24aの周囲に設けられるフランジ部24bの高さh2が放出用ノズル11の突出高さh1よりも高くされている。
ところで、この真空蒸着装置には、当然ながら、蒸着材蒸気量(所謂、蒸着レートである)を制御する制御装置(図示せず)が具備されている。
すなわち、各分散用容器7から放出される蒸着材蒸気量つまり放出量を検出するために各分散用容器7の側面には測定用ノズル51が設けられるとともにこの測定用ノズル51に対向する位置に取付用ブラケット52を介して水晶振動式膜厚計53が設けられており(図1には、中段分散用容器7Bに設けた場合を示しているが、上段および下段の容器にも設けられている)、これら膜厚計53からの測定値が制御装置に入力されるとともにこの測定値に基づき材料移送管6途中に設けられた制御弁5が制御される。勿論、図示しないが、ガラス基板Kの表面に形成される膜厚についても、上記と同様の水晶振動式膜厚計により制御が行われている。
また、上記蒸着材蒸気の移送経路つまり材料移送管6および分散用容器7並びに放出用ノズル11の分散用容器7を挿通する部分には、ヒータが設けられて、蒸着材蒸気が周囲に付着しないように考慮されている。
上記構成において、全体的な蒸着動作を簡単に説明する。
ここでは、例えば3種類の蒸着材料を、順番に、ガラス基板Kの表面に蒸着させる場合について説明する。
まず、ガラス基板Kを蒸着室1内に搬入し、保持具2に固定する。そして、図示しない真空装置により、蒸着室1内を所定の真空度にする。このとき、材料移送管6および蒸発用セル4内も同様に真空状態にされるとともに、各蒸発用セル4内に充填されている所定種類の蒸着材料が加熱されて蒸発されている。
なお、ここでは、蒸着は、第1蒸発用セル4A、第2蒸発用セル4B、第3蒸発用セル4Cの順番にて行うものとする。
まず、第1蒸発用セル4Aに充填された蒸着材料の蒸着が行われる。すなわち、図9(a)に示すように、移動装置23の第1移動用シリンダ装置41によりシャッター部材21を第1列目が穴部22列にくるように移動させて、上段分散用容器7Aにつながる放出口12Aを開放状態にして蒸着を行う。
そして、蒸着量が所定の値になると次の蒸着材料の蒸着が行われる。
すなわち、図9(b)に示すように、第1移動用シリンダ装置41により、第2列目の穴部22が放出口12列にくるようにシャッター部材21を移動させて、中段分散用容器7Bにつながる放出口12Bを開放状態にして蒸着を行い、引き続き、図9(c)に示すように、下段分散用容器7Cにつながる放出口12Cを開放状態にして蒸着を行う。
そして、放出口12を開放状態にした後、蒸着を行うときには、第2移動用シリンダ装置42により、シャッター部材21そのものが、各放出用ノズル11の上端である放出口12よりも下方に位置されている。
このように、蒸着時に、シャッター部材21が放出口12よりも下方に位置しているため、蒸着材蒸気がシャッター部材21に付着するのを防止することができ、したがって蒸着材蒸気のシャッター部材21への付着に起因して発生する、ガラス基板Kで形成される薄膜の膜質および膜厚が変化するのを防止し得る。
さらに、シャッター部材21に、分散用容器7を選択するためにその個数に応じた複数個の穴部22列を、さらに分散用容器7の個数に応じて複数(複数列)配置したので、蒸着に際して、3種類の中から任意の蒸着材を選択し得る他に、例えば2つの蒸発用セル4に充填された同じ種類の蒸着材料を同時に蒸着させることができ、または3つの蒸発用セル4に充填された同じ種類の蒸着材料を同時に蒸着させることができ、したがってどのような蒸着パターンであっても、蓋部材24の取付の配置パターンを変えるだけで、容易に対処することができる。
また、閉鎖状態の穴部22の位置に、つまり蓋部材24に蒸着材料が付着して汚れた場合には、当該蓋部材24だけを取り外して清掃を行えばよく、したがってシャッター部材21を取り外す必要がないので、清掃作業を容易に行うことができる。
本発明の実施の形態に係る真空蒸着装置の概略構成を示す断面図である。 図1のA−A矢視図である。 図2のB−B断面図である。 同真空蒸着装置のシャッター部材の平面図である。 同真空蒸着装置における分散用容器の要部断面図である。 図5のC−C断面図である。 同真空蒸着装置におけるシャッター部材の移動状態を示す要部切欠側面図である。 同真空蒸着装置におけるシャッター部材の移動状態を示す要部切欠側面図である。 同真空蒸着装置におけるシャッター部材の移動状態を説明する概略平面図である。
符号の説明
1 蒸着室
3 蒸着用容器
4 蒸発用セル
6 材料移送管
7 分散用容器
8 シャッター装置
11 放出用ノズル
12 放出口
21 シャッター部材
22 穴部
23 移動装置
24 蓋部材
25 係止具
34 リンク材
38 ガイド部材
39 被ガイド部材
41 第1移動用シリンダ装置
42 第2移動用シリンダ装置

Claims (3)

  1. 蒸着により薄膜を被蒸着部材に形成し得る蒸着室と、蒸着材料を蒸発させて蒸着材蒸気を得る複数の蒸発用セルと、上記蒸着室内に配置されて上記蒸発用セルからの蒸着材蒸気を所定の放出位置に導く放出用ノズル先端の放出口を開閉し得る穴部を有するシャッター部材とを具備した真空蒸着装置であって、
    上記シャッター部材を、上記放出用ノズルの放出口の上方位置で且つ当該放出口を閉鎖し得る閉鎖位置と開放し得る開放位置との間で移動自在に設けるとともに、上記シャッター部材の穴部が放出口に対応する開放位置にあっては、当該シャッター部材が放出用ノズルの放出口よりも下方位置に移動し得るように構成したことを特徴とする真空蒸着装置。
  2. 蒸着により薄膜を被蒸着部材に形成し得る蒸着室と、蒸着材料を蒸発させて蒸着材蒸気を得る複数の蒸発用セルと、上記蒸着室内に配置され且つ上記各蒸発用セルに材料移送管を介してそれぞれ接続されて蒸着材蒸気を予め複数箇所に設けられた放出位置にて放出し分散させ得る複数の分散用容器とを具備した真空蒸着装置において、
    上記各分散用容器の上記各放出位置に対応する位置で、蒸着材蒸気の放出用ノズルを上方に突設するとともに、これら各分散用容器の放出用ノズル先端の放出口位置を略同一水平面となるようになし、
    上記各分散用容器の上面を覆い得るとともにこれら分散用容器に設けられた各放出用ノズルの放出口を選択的に開放し得るシャッター部材およびこのシャッター部材を移動させ得る移動装置からなるシャッター装置を具備し、
    上記シャッター部材の上記各放出位置に対応する箇所に、分散用容器の放出用ノズルを挿通させ得る穴部を分散用容器の個数に応じて複数個且つ互いに当該シャッター部材の移動方向で位置をずらせて形成し、
    且つ上記移動装置により、上記シャッター部材を水平方向に移動させて各放出位置における所定の放出用ノズルの放出口に穴部を対応させた後、当該シャッター部材を放出用ノズルの放出口より下方に移動させるようにしたことを特徴とする真空蒸着装置。
  3. 蒸着により薄膜を被蒸着部材に形成し得る蒸着室と、蒸着材料を蒸発させて蒸着材蒸気を得る複数の蒸発用セルと、上記蒸着室内に配置され且つ上記各蒸発用セルに材料移送管を介してそれぞれ接続されて蒸着材蒸気を予め複数箇所に設けられた放出位置にて放出し分散させ得る複数の分散用容器とを具備した真空蒸着装置において、
    上記各分散用容器の上記各放出位置に対応する位置で蒸着材蒸気の放出用ノズルを上方に突設するとともに、これら各分散用容器の放出用ノズル先端の放出口を所定方向で一列に且つ略同一水平面となるように配置し、
    上記各分散用容器の上面を覆い得るとともにこれら分散用容器に設けられた各放出用ノズルの放出口を選択的に開放し得るシャッター部材およびこのシャッター部材を移動させ得る移動装置からなるシャッター装置を具備し、
    上記シャッター部材の上記各放出位置に、各分散用容器の放出用ノズルを挿通させ得る複数の穴部が放出口列と同一方向で一列に設けられてなる穴部列を、分散用容器の個数に応じて複数設け、
    上記各穴部に着脱自在にされて各穴部列において放出用ノズルを選択し得る蓋部材を具備し、
    且つ上記移動装置により、シャッター部材を移動させて各放出位置における所定の穴部列を各放出用ノズルの放出口列に対応させた後、当該シャッター部材を放出用ノズルの放出口より下方に移動させるようにしたことを特徴とする真空蒸着装置。
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