JP5183275B2 - 路面状態判定装置及び方法、並びに路面状態の判定プログラム - Google Patents

路面状態判定装置及び方法、並びに路面状態の判定プログラム Download PDF

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本発明は路面状態判定装置及び方法、並びに路面状態の判定プログラムに関する。さらに詳しくは、走行中の車両におけるタイヤと路面との間の摩擦係数を推定する路面状態判定装置及び方法、並びに路面状態の判定プログラムに関する。
ABS(アンチロックブレーキ)装置などの制御では、路面の摩擦係数μが利用されている。すなわち、路面摩擦係数μ(以下、「路面μ」ともいう)に応じて、例えば高μの場合と、低μの場合とで制御内容を変更して最適な制御を行うようにしている。
そして、走行中の路面の滑りやすさを検出する方法として、例えば特許文献1には、車両の加速度とタイヤの回転スリップ率との関係から滑りやすさを判定する方法が開示されている。この特許文献1記載の方法では、相関係数の値が設定値以上の場合における、加速度とスリップ率の1次の回帰係数の値と、予め設定された閾値とを比較することによりタイヤと路面との摩擦係数を判定している。
また、特許文献2には、加速度とスリップ率との関係を1次近似したときの相関係数から、アスファルト走行を自動的に認識し、さらに近似式の勾配値から滑り易いと判断すべき閾値を自動的に算出する方法が開示されている。すなわち、特許文献2記載の方法では、スティフネスの異なるタイヤを装着し、アスファルト及び凍結路を走行したデータを蓄積し、アスファルト走行の場合、加速度とスリップ率との関係を示す1次近似式の値が凍結路走行の場合の値に比べて相関係数が高いこと、また、アスファルトを走行したときのバラツキの大きさがタイヤのスティフネスにより異なることから、まず、アスファルト走行を選び出し、そのときの1次近似式の勾配(つまりスティフネス)の大きさから3σを推定し、その値より外れる(μ−s勾配でいうと、勾配が小さくなる)場合を滑り易いと判断している。
特許第3515040号明細書 特開2002−274357号公報
特許文献1及び2記載の方法は、自車の安全性の点より有効な方法であるが、これらの方法に用いられる走行中の路面判定値は、当該車両とタイヤに固有の基準値を閾値と比べなければ路面の滑り易さを評価することができず、路面のμの値(最大摩擦係数)として表現されるものではない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、走行中の路面の滑り易さを路面の摩擦係数の値として推定することができる路面状態判定装置及び方法、並びに路面状態の判定プログラムを提供することを目的としている。
本発明の路面状態判定装置は、車両の4輪のタイヤの回転速度を定期的に検出する回転速度検出手段と、
車両の速度を前記タイヤの回転速度に同期して算出する車両速度算出手段と、
算出された車両速度と検出されたタイヤの回転速度とから、前記車両の駆動輪タイヤの回転スリップ率を演算する回転スリップ率演算手段と、
車両の速度算出に同期して当該車両の加速度を算出する車両加速度算出手段と、
回転スリップ率と加速度とをそれぞれ移動平均し、移動平均された車両の加速度とタイヤのスリップ率との1次の回帰係数と相関係数を求める演算手段と、
得られた相関係数が所定の値以上の場合に、1次の回帰係数に基づいて路面状態判定の閾値を設定する閾値設定手段と、
前記閾値を設定したときの1次の回帰係数とは異なる、走行中にさらに得られた1次の回帰係数の値と前記閾値との関係から、前記車両が走行中の路面の滑り易さを数値化する数値化手段と
を備えており、
前記数値化手段は、
走行中に算出される1次の回帰係数の値が前記閾値以下であり、且つ、当該閾値を設定したときの1次の回帰係数以上である場合に、
設定された閾値SHに、タイヤのスティッフネスに応じて設定される所定の定数Aを乗じた値と閾値を設定したときの1次の回帰係数STとの差分に対する、走行中に算出される1次の回帰係数の値JDと前記1次の回帰係数STとの差分の割合Rを算出し、
得られるRに基づいて、所定の換算式に従い路面の摩擦係数μを換算するように構成されていることを特徴としている。
本発明の路面状態判定装置では、車両の加速度とタイヤのスリップ率との1次の回帰係数と相関係数を求め、当該相関係数が所定の値以上の場合に1次の回帰係数に基づいて設定した閾値と、1次の回帰係数の値とから、数値化手段によって路面の滑り易さを数値化している。これにより、走行中の路面の滑り易さを数値として推定することができる。
前記閾値は、過去の経験値により求めた式から求めることができ、1次の回帰係数をKs1とすると、例えばL(閾値)=6×Ks12+0.4×Ks1+0.04により自動的に求めることができる。
記路面の摩擦係数μを
θ=180×R及び
μ=(cosθ+1.2)/2
に従い求めることができる。この場合、路面の摩擦係数μを所定範囲内の数値として表現することができ、滑り易い路面ほど小さな値となるように算出することができる。
また、本発明の路面状態判定方法は、車両の4輪のタイヤの回転速度を定期的に検出する工程と、
車両の速度を前記タイヤの回転速度に同期して算出する工程と、
算出された車両速度と検出されたタイヤの回転速度とから、前記車両の駆動輪タイヤの回転スリップ率を演算する工程と、
車両の速度算出に同期して当該車両の加速度を算出する工程と、
回転スリップ率と加速度とをそれぞれ移動平均し、移動平均された車両の加速度とタイヤのスリップ率との1次の回帰係数と相関係数を求める工程と、
得られた相関係数が所定の値以上の場合に、1次の回帰係数に基づいて路面状態判定の閾値を設定する工程と、
さらに得られた1次の回帰係数の値と前記閾値との関係から、前記車両が走行中の路面の滑り易さを数値化する工程と
を含んでおり、
前記数値化する工程において、
走行中に算出される1次の回帰係数の値が前記閾値以下であり、且つ、当該閾値を設定したときの1次の回帰係数以上である場合に、
設定された閾値SHに所定の定数Aを乗じた値と閾値を設定したときの1次の回帰係数STとの差分に対する、走行中に算出される1次の回帰係数の値JDと前記1次の回帰係数STとの差分の割合Rを算出し、
得られるRに基づいて、所定の換算式に従い路面の摩擦係数μを換算することを特徴としている。
本発明の路面状態判定方法では、車両の加速度とタイヤのスリップ率との1次の回帰係数と相関係数を求め、当該相関係数が所定の値以上の場合に1次の回帰係数に基づいて設定した閾値と、1次の回帰係数の値とから、数値化手段によって路面の滑り易さを数値化している。これにより、走行中の路面の滑り易さを数値として推定することができる。
記路面の摩擦係数μを
θ=180×R及び
μ=(cosθ+1.2)/2
に従い求めることができる。この場合、路面の摩擦係数μを所定範囲内の数値として表現することができ、滑り易い路面ほど小さな値となるように算出することができる。
さらに、本発明の路面状態の判定プログラムは、路面状態を判定するためにコンピュータを、車両速度とタイヤの回転速度とから、車両の駆動輪タイヤの回転スリップ率を演算する回転スリップ率演算手段、車両の速度算出に同期して当該車両の加速度を算出する車両加速度算出手段、回転スリップ率と加速度とをそれぞれ移動平均し、移動平均された車両の加速度とタイヤのスリップ率との1次の回帰係数と相関係数を求める演算手段、得られた相関係数が所定の値以上の場合に、1次の回帰係数に基づいて路面状態判定の閾値を設定する閾値設定手段、及び、さらに得られた1次の回帰係数の値と前記閾値との関係から、前記車両が走行中の路面の滑り易さを数値化する数値化手段として機能させ
前記数値化手段は、
走行中に算出される1次の回帰係数の値が前記閾値以下であり、且つ、当該閾値を設定したときの1次の回帰係数以上である場合に、
設定された閾値SHに、タイヤのスティッフネスに応じて設定される所定の定数Aを乗じた値と閾値を設定したときの1次の回帰係数STとの差分に対する、走行中に算出される1次の回帰係数の値JDと前記1次の回帰係数STとの差分の割合Rを算出し、
得られるRに基づいて、所定の換算式に従い路面の摩擦係数μを換算するように構成されていることを特徴としている。
本発明の路面状態判定装置及び方法、並びに路面状態の判定プログラムによれば、走行中の路面の滑り易さを路面の摩擦係数の値として推定することができる。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の路面状態判定装置及び方法、並びに路面状態の判定プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
図1に示されるように、本発明の一実施の形態に係る路面状態判定装置は、4輪車両に備えられた4つのタイヤFL(左前輪)、FR(右前輪)、RL(左後輪)及びRR(右後輪)の車輪回転情報を検出するため、各タイヤに関連して設けられた通常の車輪速度検出手段(車輪回転情報検出手段)1を備えている。
前記車輪速度検出手段1としては、電磁ピックアップなどを用いて回転パルスを発生させてパルスの数から回転角速度及び車輪速度を測定するための車輪速センサ又はダイナモのように回転を利用して発電を行い、この電圧から回転角速度及び車輪速度を測定するためのものを含む角速度センサなどを用いることができる。前記車輪速度検出手段1の出力は、ABSなどのコンピュータである制御ユニット2に与えられる。この制御ユニット2には、例えば低μ路面であることを表示するための液晶表示素子、プラズマ表示素子又はCRTなどで構成された表示器3、ドライバーによって操作することができる初期化ボタン4、低μ路面であることをドライバーに知らせる警報器5が接続されている。
制御ユニット2は、図2に示されるように、外部装置との信号の受け渡しに必要なI/Oインターフェース2aと、演算処理の中枢として機能するCPU2bと、このCPU2bの制御動作プログラムが格納されたROM2cと、前記CPU2bが制御動作を行う際にデータなどが一時的に書き込まれたり、その書き込まれたデータが読み出されたりするRAM2dとから構成されている。
前記車輪速度検出手段1では、タイヤの回転数に対応したパルス信号(以下、「車輪速パルス」ともいう)が出力される。また、CPU2bでは、車輪速度検出手段1から出力された車輪速パルスに基づいて、所定のサンプリング周期ΔT(sec)、例えばΔT=0.05秒毎に各タイヤの回転角速度が算出される。
車両の速度は、後述するように従動輪の車輪速度データから求めることができるが、それ以外に例えばGPS速度計を利用して得ることもできる。カーナビゲーションの普及によりGPS装置が多くの車両に取り付けられるようになっている。このことでGPS装置による測位技術も向上し、現在では速度を算出することに特化した装置(英国Race Logic社製のGPS式速度計VBOX(商品名))も販売されている。かかるGPS情報を用いた速度計による算出速度を車両速度として利用することができる。
本実施の形態に係る路面状態判定装置は、車輪速度検出手段(車輪回転情報検出手段)1と、検出された車両の各タイヤの車輪回転情報から車輪速度を算出する車輪速度算出手段と、車両の速度を前記タイヤの回転速度に同期して算出する車両速度算出手段と、算出された車両速度と検出されたタイヤの回転速度とから、前記車両の駆動輪タイヤの回転スリップ率を演算する回転スリップ率演算手段と、車両の速度算出に同期して当該車両の加速度を算出する車両加速度算出手段と、回転スリップ率と加速度とをそれぞれ移動平均し、移動平均された車両の加速度とタイヤのスリップ率との1次の回帰係数と相関係数を求める演算手段と、得られた相関係数が所定の値以上の場合に、1次の回帰係数に基づいて路面状態判定の閾値を設定する閾値設定手段と、さらに得られた1次の回帰係数の値と前記閾値との関係から、前記車両が走行中の路面の滑り易さを数値化する数値化手段とから構成されている。そして、路面状態の判定プログラムは、前記制御ユニット2を、車輪速度算出手段、車両速度算出手段、回転スリップ率演算手段、車両加速度算出手段、演算手段、閾値設定手段、及び数値化手段として機能させる。なお、前述したように、車両の速度はGPS速度計によっても得ることができ、この場合は、このGPS速度計が前記車両速度算出手段に代えて路面状態判定装置の一部を構成することになる。また、車両の加速度を得る手段としてGセンサを用いることもできる(この場合、Gセンサが「車両加速度算出手段」を構成する)が、車両の速度を微分して演算するのがコスト面からは好ましい。
以下、本実施の形態の路面状態判定装置の動作を順に説明する。
(1)まず、車両の4輪タイヤFL、FR、RL及びRRのそれぞれの回転速度を所定の周期ΔT(例えば、50msec)でサンプリングし、この回転速度から車輪速度(V1n、V2n、V3n、V4n)を算出する。
(2)ついで、従動輪及び駆動輪の平均車輪速度(Vfn、Vdn)を演算する。前輪駆動の場合、ある時点の従動輪及び駆動輪の平均車輪速度Vfn、Vdnは、次の式(1)及び(2)により求めることができる。
Vfn=(V3n+V4n)/2・・・・・・(1)
Vdn=(V1n+V2n)/2・・・・・・(2)
(3)次に、車両の単位時間の走行距離、すなわち車両速度を次の式(3)により演算する。
Dist=Vfn×Δt・・・・・・(3)
ここで、Δtは車輪速データから算出される従動輪のVfnとVfn-1の時間間隔(サンプリング時間)である。
(4)ついで、従動輪の速度変化から平均車両加減速度Afnを算出する。従動輪の平均車輪速度Vfnより1つ前の車輪速データから、平均車輪速度Vfn-1とすると、従動輪の平均車輪加減速度Afnは、gを重力加速度とすると、次の式(4)で求めることができる。
Afn=(Vfn−Vfn-1)/Δt/g・・・・・・(4)
(5)ついで、得られた車両の加減速度の値に応じてタイヤのスリップ率Snを演算する。
まず、加速状態で、駆動輪がロック状態で車両が滑っているとき(Vdn=0、Vfn≠0)や、減速状態で、車両が停止状態で駆動輪がホイールスピンを起こしているとき(Vfn=0、Vdn≠0)は、起こり得ないものとして、スリップ率を次の式(5)、(6)により演算する。
Afn≧0及びVdn≠0である場合、
n=(Vfn−Vdn)/Vdn・・・・・・(5)
Afn<0及びVfn≠0である場合、
n=(Vfn−Vdn)/Vfn・・・・・・(6)
前記以外の場合は、Sn=0とする。
(6)ついで、スリップ率及び車両の加減速度のデータを、例えば、20個毎に移動平均化処理する。
スリップ率については、
MSn=(S1+S2+・・・+Sn)/20・・・・・・(7)
MSn+1=(S2+S3+・・・+Sn+1)/20・・・・・・(8)
MSn+2=(S3+S4+・・・+Sn+2)/20・・・・・・(9)
また、車両の加減速度については、
MAfn=(Af1+Af2+・・・+Afn)/20・・・・・・(10)
MAfn+1=(Af2+Af3+・・・+Afn+1)/20・・・・・・(11)
MAfn+2=(Af3+Af4+・・・+Afn+2)/20・・・・・・(12)
移動平均されたスリップ率と車両の加減速度を、所定の個数N個(例えば、60個)ずつ集め、1次回帰係数(Ks)を次の式(13)及び(14)により求める。
Figure 0005183275
Figure 0005183275
ここで、Ave(MS)及びAve(MAf)は、それぞれ移動平均したスリップ率と車両の加減速度のN個の平均値である。
また、相関係数(RS)はRS=Ks1×Ks2となる。
(7)ついで、相関係数(RS)が所定の値、例えば0.9以上のときのKs1から閾値Lを過去の経験値により予め求めておいた次の式(15)に代入して求める。この式(15)は、種々のタイヤのデータから実験的に求めたものである。
L=6×Ks12+0.4×Ks1+0.04・・・・・・(15)
(8)Ks1は走行データが蓄積される毎に1次回帰係数として算出され、この値を路面判定値(JD)とする。また、閾値であるLは、相関係数が高い場合にそのときのKs1によって更新されることになり、そのときのKs1を基準値(ST)、そのときのLを閾値(SH)とする。
(9)ところで、実際の道路において、アスファルトでのタイヤの摩擦係数は1.0付近又はそれ以上であり、氷結面では0.1〜0.2付近になると言われている(例えば、市原薫及び小野田光之著、「路面のすべり」、技術書院)。
そこで、あるタイヤにおけるアスファルトでの基準値を、例えば1.0とし、そのときに算出される閾値を0.1とし、走行中に測定(算出)された路面判定値(μ―s勾配の逆数)がこの基準値より小さければ、路面の摩擦係数を1.1とし、閾値よりも大きければ0.1とする。さらに、路面判定値が基準値以上であり、閾値以下である場合は、後述する関数に基づき、1.0〜0.1の間の数値として表現することを考案した。
これによると、すべての車両において、アスファルト走行時から滑り易い路面走行時までのあらゆる路面の摩擦係数を1.1〜0.1として表現することができ、滑り易い路面ほど小さな(0.1に近い)値となるように算出することができる。
(10)路面判定値(JD)が基準値(ST)以上であり、閾値(SH)以下である場合、すなわちST≦JD≦SHの場合は、設定された閾値SHに所定の定数Aを乗じた値と閾値を設定したときの1次の回帰係数STとの差分に対する、走行中に算出される1次の回帰係数の値JDと前記1次の回帰係数STとの差分の割合Rを算出し、得られるRに基づいて、所定の換算式に従い路面の摩擦係数μを換算することができる。
すなわち、R=(JD−ST)/(A・SH−ST)を算出し、このRに基づいて摩擦係数(μ)を求めることができる。なお、Aは所定の定数であり、タイヤのスティッフネスに応じて、例えば0,9〜1.3の範囲内で経験的に設定することができる。スティッフネスが小さいときは、定数として大きめの値を採用し、逆にスティッフネスが大きいときは小さめの値を採用する。
前記Rの値からの、摩擦係数μの換算は、例えば次のようにして行うことが出来る。経験的にJDが閾値に近づくか、又は閾値を超えれば、確実に低μ路であると判断することができる。しかしながら、高μ路(アスファルト)を走行していても基準値から離れたJDが測定される場合が多いことが分かっている。
そこで、閾値にかなり近づかないと低μ路と判断しないように、JDの値からμ値を換算するときに三角関数を介する方法が考えられる。
図5は、かかる方法を説明する図であり、縦軸の値であるJDの値から、三角関数の曲線を利用してμ値を求めている。
具体的には、例えば以下の式(16)、(17)により摩擦係数(μ)を表現することができる。
θ=180×(JD−ST)/(1.2SH−ST)・・・・・・(16)
μ=(cosθ+1.2)/2・・・・・・(17)
ここに、(JD−ST)/(1.2SH−ST)は、定数Aを1.2としたときの前記Rを表している。
つぎに本発明の路面状態判定方法の実施例を説明するが、本発明はもとよりかかる実施例のみに限定されるものではない。
[実施例]
車両に装着された各タイヤの回転角速度を得るために、ABS制御に利用する回転速度情報を用いて、回転角速度に換算した。また、本実施例では、走行車両の位置をGPSを用いて算出しており、当該車両の絶対速度を得るためにVBOX(商品名。英国Race Logic社製GPS速度計)を車両に取り付けた。車両の速度は、シリアルデータとして直接PC(パーソナルコンピュータ)に出力され、この車両速度情報、及び前記回転速度情報を50msec毎にデジタルデータとして同期してPCに取り込めるようにした。
2輪駆動車(FF)にタイヤ(185/60R15 LM 703)を装着して、神戸市内の一般道及び高速道路を走行した。車両の走行は晴天時と雨天時に行った。
前述した式(4)に従い平均車両加減速度を求め、また式(5)、(6)に従いタイヤのスリップ率を求め、さらに平均車両加減速度及びスリップ率をそれぞれ移動平均処理し、移動平均されたスリップ率と車両の加減速度を、所定の個数(60個)ずつ集め、1次回帰係数(Ks)を前記式(13)及び(14)により求めた。
そして、相関係数(RS)が0.9以上のときのKs1から閾値Lを式(15)に代入して求めた。閾値であるLは、相関係数が高い場合にそのときのKs1によって更新し、そのときのKs1を基準値(ST)、そのときのLを閾値(SH)として、式(16)、(17)を用いて摩擦係数(μ)を求めた。
一方、車両に搭載したGPSを用いて、車両の位置を算出し、当該位置におけるμ値をプロットした。プロットデータは、μ値については1秒間の平均値を1秒毎に算出し、そのときの位置情報とリンクさせた。結果を図3〜4に示す。乾燥アスファルトでは摩擦係数が0.5以上であり、また湿潤時は0.3付近まで下がる場合もあるとされており、さらに雨天時は相対的にμ値が下がることが知られているが、図3〜4は、これらのことを踏まえた晴天時と雨天時における路面の摩擦係数の状況を表現することができている。
本発明の路面状態判定装置の一実施の形態を示すブロック図である。 図1に示される路面状態判定装置の電気的構成を示すブロック図である。 晴れた日における実験車両の位置情報と路面μとの関係を示す図である。 雨の日における実験車両の位置情報と路面μとの関係を示す図である。 走行中に算出される1次の回帰係数の値JDからμ値を求める方法を説明する図である。
符号の説明
1 車輪速度検出手段
2 制御ユニット
2a インターフェース
2b CPU
2c ROM
2d RAM
3 表示器
4 初期化ボタン
5 警報器

Claims (5)

  1. 車両の4輪のタイヤの回転速度を定期的に検出する回転速度検出手段と、
    車両の速度を前記タイヤの回転速度に同期して算出する車両速度算出手段と、
    算出された車両速度と検出されたタイヤの回転速度とから、前記車両の駆動輪タイヤの回転スリップ率を演算する回転スリップ率演算手段と、
    車両の速度算出に同期して当該車両の加速度を算出する車両加速度算出手段と、
    回転スリップ率と加速度とをそれぞれ移動平均し、移動平均された車両の加速度とタイヤのスリップ率との1次の回帰係数と相関係数を求める演算手段と、
    得られた相関係数が所定の値以上の場合に、1次の回帰係数に基づいて路面状態判定の閾値を設定する閾値設定手段と、
    前記閾値を設定したときの1次の回帰係数とは異なる、走行中にさらに得られた1次の回帰係数の値と前記閾値との関係から、前記車両が走行中の路面の滑り易さを数値化する数値化手段と
    を備えており、
    前記数値化手段は、
    走行中に算出される1次の回帰係数の値が前記閾値以下であり、且つ、当該閾値を設定したときの1次の回帰係数以上である場合に、
    設定された閾値SHに、タイヤのスティッフネスに応じて設定される所定の定数Aを乗じた値と閾値を設定したときの1次の回帰係数STとの差分に対する、走行中に算出される1次の回帰係数の値JDと前記1次の回帰係数STとの差分の割合Rを算出し、
    得られるRに基づいて、所定の換算式に従い路面の摩擦係数μを換算するように構成されていることを特徴とする路面状態判定装置。
  2. 路面の摩擦係数μを
    θ=180×R及び
    μ=(cosθ+1.2)/2
    に従い求める請求項に記載の路面状態判定装置。
  3. 車両の4輪のタイヤの回転速度を定期的に検出する工程と、
    車両の速度を前記タイヤの回転速度に同期して算出する工程と、
    算出された車両速度と検出されたタイヤの回転速度とから、前記車両の駆動輪タイヤの回転スリップ率を演算する工程と、
    車両の速度算出に同期して当該車両の加速度を算出する工程と、
    回転スリップ率と加速度とをそれぞれ移動平均し、移動平均された車両の加速度とタイヤのスリップ率との1次の回帰係数と相関係数を求める工程と、
    得られた相関係数が所定の値以上の場合に、1次の回帰係数に基づいて路面状態判定の閾値を設定する工程と、
    さらに得られた1次の回帰係数の値と前記閾値との関係から、前記車両が走行中の路面の滑り易さを数値化する工程と
    を含んでおり、
    前記数値化する工程において、
    走行中に算出される1次の回帰係数の値が前記閾値以下であり、且つ、当該閾値を設定したときの1次の回帰係数以上である場合に、
    設定された閾値SHに所定の定数Aを乗じた値と閾値を設定したときの1次の回帰係数STとの差分に対する、走行中に算出される1次の回帰係数の値JDと前記1次の回帰係数STとの差分の割合Rを算出し、
    得られるRに基づいて、所定の換算式に従い路面の摩擦係数μを換算することを特徴とする路面状態判定方法。
  4. 路面の摩擦係数μを
    θ=180×R及び
    μ=(cosθ+1.2)/2
    に従い求める請求項に記載の路面状態判定方法。
  5. 路面状態を判定するためにコンピュータを、車両速度とタイヤの回転速度とから、車両の駆動輪タイヤの回転スリップ率を演算する回転スリップ率演算手段、車両の速度算出に同期して当該車両の加速度を算出する車両加速度算出手段、回転スリップ率と加速度とをそれぞれ移動平均し、移動平均された車両の加速度とタイヤのスリップ率との1次の回帰係数と相関係数を求める演算手段、得られた相関係数が所定の値以上の場合に、1次の回帰係数に基づいて路面状態判定の閾値を設定する閾値設定手段、及び、さらに得られた1次の回帰係数の値と前記閾値との関係から、前記車両が走行中の路面の滑り易さを数値化する数値化手段として機能させ
    前記数値化手段は、
    走行中に算出される1次の回帰係数の値が前記閾値以下であり、且つ、当該閾値を設定したときの1次の回帰係数以上である場合に、
    設定された閾値SHに、タイヤのスティッフネスに応じて設定される所定の定数Aを乗じた値と閾値を設定したときの1次の回帰係数STとの差分に対する、走行中に算出される1次の回帰係数の値JDと前記1次の回帰係数STとの差分の割合Rを算出し、
    得られるRに基づいて、所定の換算式に従い路面の摩擦係数μを換算するように構成されていることを特徴とする路面状態の判定プログラム。
JP2008096045A 2008-04-02 2008-04-02 路面状態判定装置及び方法、並びに路面状態の判定プログラム Active JP5183275B2 (ja)

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