JP4425478B2 - 路面状態推定方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は路面状態推定方法および装置に関する。さらに詳しくは、4つのタイヤの回転情報を用いて路面の状態を推定することにより、車両の性能および安全性を高めることができる路面状態推定方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両は、滑りやすい路面で急加速や急制動を行なうと、タイヤがスリップを起こしスピンなどする危険性がある。また急な操舵を行なうと車両が横すべりやスピンを起こす惧れがある。
【0003】
そこで、従来より、タイヤと路面とのあいだの制動力が最大値をこえてタイヤがロック状態になる前に、車輪に作用するブレーキトルクを低下させて車輪のロック状態を防止し、最大制動力が得られる車輪の回転数を制御するアンチロックブレーキ装置などが提案されている(特開昭60−99757号公報、特開平1−249559号公報など参照)。
【0004】
たとえば、アンチロックブレーキ装置の制御では、車両の判定速度および検出した車輪速度(回転速度)からスリップ率を演算したのち、該演算したスリップ率が予め設定してある基準スリップ率に一致するようにブレーキ力を制御することにより、最大制動力に追従するように構成されている。
【0005】
このようなABS装置などの制御では、路面の摩擦係数μが利用されている。すなわち路面摩擦係数μ(路面μ)に応じて、たとえば高μの場合と低μの場合とで制御内容を変更して最適な制御を行なうようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開平60−99759号公報の装置では、スリップ発生時の従動輪から車両の加減速度を求め、この加速度を用いて路面μを判定している。
【0007】
しかし、判定された路面μは、単に従動輪の回転速度を微分して求めた従動輪の加速度を車両の加減速度Aに置き換え、この車両の加減速度Aを算出した時点での路面μであり、実際の路面とタイヤとのあいだの路面μであるかどうかわからず、確率的にもそうでない場合の可能性が圧倒的に高い。
【0008】
したがって、そのような路面μに基づいてABSなどの各種車両運動制御を行なうと、実際の路面μに対応した制御ではないため、不適当な制御を実行する惧れがある。また、運転手に滑りやすい路面であることを警告する場合においても、前記判定した路面μでは、誤報を発する惧れがある。
【0009】
本発明は、4つのタイヤの回転情報を用いて路面の状態を推定することにより、車両の性能および安全性を高めることができる路面状態推定方法および装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の路面状態推定方法は、車両の4輪のタイヤの回転速度を定期的に検出する工程と、該測定された回転速度から車両の加減速度とタイヤのスリップ比を演算する工程と、該車両の加減速度とスリップ比を所定の時間で移動平均する工程と、該移動平均された車両の加減速度とスリップ比との関係式を求める工程と、該関係式を求める際の車両の加減速度の最大値と最小値の差を求める工程と、該最大値と最小値の差に応じて、前記関係式の値に重み付けを行なう工程と、当該重み付けされた値と予め設定されたしきい値を比較する工程と、当該比較の結果から路面の状態を推定する工程とを備えていることを特徴とする。
【0011】
また本発明の路面状態推定装置は、車両の4輪のタイヤの回転速度を定期的に検出する回転速度検出手段と、前記回転速度検出手段による測定値から車両の加減速度とタイヤのスリップ比を演算する第1の演算手段と、該車両の加減速度とスリップ比を所定の時間で移動平均する第2の演算手段と、該移動平均された車両の加速度とスリップ比との関係式を求める第3の演算手段と、該関係式を求める際の車両の加減速度の最大値と最小値の差を求める第4の演算手段と、該最大値と最小値の差に応じて、前記関係式の値に重み付けを行なう第5の演算手段と、当該重み付けされた値と予め設定されたしきい値を比較する第6の演算手段と、当該比較の結果から路面の状態を推定する推定手段を備えてなることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の路面状態推定方法および装置を説明する。
【0013】
図1は本発明の路面状態推定装置の一実施の形態を示すブロック図、図2は図1における路面状態推定装置の電気的構成を示すブロック図、図3は路面μとスリップ比sとの関係を示す模式図である。
【0014】
図1〜2に示すように、本発明の一実施の形態にかかわる路面状態推定装置は、4輪車両のタイヤFL、FR、RLおよびRRにそれぞれ設けられた車輪タイヤの回転速度を定期的に検出する回転速度検出手段を備えており、この回転速度検出手段の出力は、ABSなどの制御ユニット2に伝達される。またこの制御ユニット2には、液晶表示素子、プラズマ表示素子またはCRTなどの構成された表示手段である警報表示器3が接続されている。4は運転者によって、操作される初期化スイッチである。
【0015】
前記回転速度検出手段としては、電磁ピックアップなどを用いて回転パルスを発生させてパルスの数から回転速度を測定する車輪速センサ1またはダイナモのように回転を利用して発電を行ない、この電圧から回転速度を測定するものを含む角速度センサなどを用いることができる。
【0016】
前記制御ユニット2は、図2に示されるように、外部装置との信号の受け渡しに必要なI/Oインターフェイス2aと、演算処理の中枢として機能するCPU2bと、該CPU2bの制御動作プログラムが格納されたROM2cと、前記CPU2bが制御動作を行なう際にデータなどが一時的に書き込まれたり、その書き込まれたデータなどが読み出されるRAM2dとから構成されている。
【0017】
本実施の形態では、前記制御ユニット2に、前記車輪速センサ1による測定値から車両の加減速度とタイヤのスリップ比(前輪タイヤの車輪速度と後輪タイヤとの車輪速度の比)を演算する第1の演算手段と、該車両の加減速度とスリップ比を所定の時間で移動平均する第2の演算手段と、該移動平均された車両の加減速度とスリップ比との関係式を求める第3の演算手段と、該関係式を求める際の車両の加減速度の最大値と最小値の差を求める第4の演算手段と、該最大値と最小値の差に応じて、前記関係式の値に重み付けを行なう第5の演算手段と、当該重み付けされた値と予め設定されたしきい値を比較する第6の演算手段と、当該比較の結果から路面の状態を推定する推定手段を備えている。
【0018】
また、前記関係式を求めるに際し、前記移動平均された車両の加減速度とスリップ比のデータを用いて、車両の加減速度とスリップ比との互いの1次の回帰係数と相関係数を求める演算回路と、該相関係数の値が設定値以上の場合、前記車両の加減速度の最大値と最小値の差に応じて、前記関係式の傾きである1次の回帰係数に重み付けを行ない、当該重み付けを行なった1次の回帰係数の値と予め設定されたしきい値を比較する演算回路を備えていることにより、路面の状態を推定するのが好ましい。
【0019】
本実施の形態では、前記4輪のタイヤの回転速度を0.1秒以下、好ましくは0.05秒以下で検出する。前記車両の加減速度はGセンサで測定することもできるが、4輪または従動輪の平均車輪速度から演算するのがコスト面から好ましい。
【0020】
ついで前記車両の加減速度とスリップ比を一定時間分のデータ、たとえば少なくとも0.1秒分以上のデータの平均値として、サンプリング時間ごとに移動平均化して求め、この移動平均された値(一定個数の車両の加減速度とスリップ比)を基に、該車両の加減速度とスリップ比との関係式を求める。
【0021】
ついで前記関係式の傾きを求めるに際し、前記移動平均された車両の加減速度とスリップ比のデータ、たとえば少なくとも5個以上のデータを用いて、車両の加減速度とスリップ比との互いの1次の回帰係数と相関係数を求める。ここで、移動平均して求められたスリップ比がある一定値以上の場合または一定値以下の場合(たとえば0.07以上または−0.07以下の場合)は、1次の回帰係数の演算には使用せず、スリップ警報として警報を発してもよい。
【0022】
ここで、加減速度がほとんど変化しないような走行では、直線回帰に用いる車両の加減速度の幅が小さいため、1次の回帰係数のばらつきが大きくなる。逆にいうと、加減速度の幅が大きいほど、1次の回帰係数の値の信頼度が高くなる。よって、この加減速度の最大値と最小値の差に応じて1次の回帰係数に重み付けを行なうことにより、1次の回帰係数のばらつきを抑え、より正確な路面状態を推定することができる。
【0023】
そこで、後述するように、前記関係式の傾きが1次の回帰係数であることから、前記相関係数の値が設定値以上の場合、前記車両の加減速度のデータの最大値と最小値の差に応じて、前記1次の回帰係数の値に重み付けを行ない、所定個の平均値として路面状態判定値を求める。
【0024】
該路面状態判定値と予め設定されたしきい値とを比較することにより路面の状態を推定する。
【0025】
本実施の形態では、前記路面状態推定方法により、路面が低μであると判定された場合は、前記警報表示器2により警報を発する。
【0026】
以下、本実施の形態の路面状態推定装置の動作を手順(1)〜(11)に沿って説明する。
【0027】
(1)車両の4輪タイヤFL、FR、RLおよびRRのそれぞれの回転速度から車輪速度(V1n、V2n、V3n、V4n)を算出する。
たとえば、ABSセンサなどのセンサから得られた車両の各車輪タイヤFL、FR、RL、RRのある時点の車輪速データを車輪速度V1n、V2n、V3n、V4nとする。
【0028】
(2)ついで従動輪および駆動輪の平均車輪速度(Vf1、Vdn)を演算する。
前輪駆動の場合、ある時点の従動輪および駆動輪の平均車輪速度Vfn1
Vdnをつぎの式(1)、(2)により求められる。
Vfn=(V3n+V4n)/2 ・・・(1)
Vdn=(V1n+V2n)/2 ・・・(2)
【0029】
(3)ついで前記従動輪の平均車輪加減速度(すなわち車両の加減速度)Afnを演算する。
前記従動輪の平均車輪速度Vfnより1つ前の車輪速データから、平均車輪速度Afn-1とすると、従動輪の平均車輪加減速度Afnはそれぞれつぎの式(3)で求められる。
Afn=(Vfn−Vfn-1)/Δt/g ・・・(3)
ここで、Δtは車輪速データから算出される車輪速度VfnとVfn-1の時間間隔(サンプリング時間)であり、gは重力加速度である。前記サンプルング時間としては、データのばらつきを小さくし、かつ短時間で判別するためには、0.1秒以下である必要がある。より好ましくは、0.05秒以下である。
【0030】
(4)ついで前記車両の加減速度Afnの値に応じて、スリップ比を演算する。
まず、加速状態で、駆動輪がロック状態で車両が滑っているとき(Vdn=0、Vfn≠0)や、減速状態で、車両が停止状態で駆動輪がホイールスピンを起こしているとき(Vfn=0、Vdn≠0)は、起こり得ないものとして、スリップ比Snをつぎの式(4)、(5)から演算する。
Afn≧0およびVdn≠0である場合、Sn=(Vfn−Vdn)/Vdn・・・(4)
Afn<0およびVfn≠0である場合、Sn=(Vfn−Vdn)/Vfn・・・(5)
前記以外の場合は、Sn=1とする。
【0031】
(5)ついでスリップ比および車両の加減速度のデータをサンプリング時間ごとに移動平均化処理する。
実際の走行中の路面μは一定ではなく、刻々と変化するため、短時間で路面μを推定する必要がある。また直線回帰をする場合、一定以上のデータ数がなければ、得られた回帰係数の信頼性が劣る。そこで、単時間のサンプリング時間、たとえば数十msごとにデータをサンプリングし、このサンプリング時間で得られたばらつきの大きいデータを移動平均することにより、データの数を減らさずに、データのばらつきを小さくすることができる。
スリップ比については、
MSn=(S1+S2+・・・+Sn)/N ・・・(6)
MSn+1=(S2+S3+・・・+Sn+1)/N ・・・(7)
MSn+2=(S3+S4+・・・+Sn+2)/N ・・・(8)
車両の加減速度については、
MAfn=(Af1+Af2+・・・+Afn)/N ・・・(9)
MAfn+1=(Af2+Af3+・・・+Afn+1)/N ・・・(10)
MAfn+2=(Af3+Af4+・・・+Afn+2)/N ・・・(11)
【0032】
(6)ついでスリップ比と車両の加減速度との互いの1次の回帰係数、すなわちスリップ比の車両の加減速度に対する1次の回帰係数K1と車両の加減速度のスリップ比に対する1次の回帰係数K2をそれぞれつぎの式(12)、(13)から求める。
【0033】
【数1】
Figure 0004425478
【0034】
【表1】
Figure 0004425478
【0035】
また相関係数Rは、
R=K1×K2 ・・・(14)
となる。
【0036】
ここで、車両の加減速度とスリップ比との関係は、一般的なタイヤと路面のμ−s曲線と同じことであり、路面μの違い(高μ路R1、中μ路R2、低μ路R3)により図3のようになる。そして、前記1次の回帰係数K1とは、μ−s曲線の勾配を求めたものである。このμ−s曲線は、本来曲線であるが、実際の走行時に発生するスリップ比の範囲では、ほぼ直線となっている。すなわち、μ−s曲線は、Y=aX+bという方程式で表わすことができ、Yをスリップ比とし、Xを車両の加減速度とすると、このときの係数aが1次の回帰係数K1であり、直線の勾配を意味している。なお、前記相関係数Rの値が大きい場合は、車両の加減速度とスリップ比とのあいだに相関があり、得られた1次の回帰係数K1は適切な係数である。
【0037】
(7)さらに車両の加減速度の最大値と最小値の差DIFを求める。
【0038】
(8)ついで前記相関係数Rが、たとえば0.7以上の場合、前記車両の加減速度の最大値と最小値の差DIFに応じて、前記車両の加減速度とスリップ比との関係式における傾きである1次の回帰係数K1に重み付けを行なう。これは、差DIFが大きいときの、スリップ比の車両の加減速度に対する1次の回帰係数K1ほど最適値であるように重み付けすることである。
前記相関係数Rの値については、とくに限定されないが、小さすぎると路面状態判定精度が劣るため、0.5以上であるが、0.9以上では、なかなか路面状態を判定できないおそれがあるため、0.7前後が好ましい。
【0039】
(9)ついで該所定個数の重み付けされた1次の回帰係数K1の平均値を改めて路面状態推定値HAとする。たとえば表2に示されるように10個について重み付けを行なわない場合の1次の回帰係数K1の平均値は0.143であり、一方、重み付けを行なった場合の平均値は0.135となる。すなわち、路面状態推定値HAは0.135となる。
【0040】
【表2】
Figure 0004425478
【0041】
なお、本実施の形態において、1次の回帰係数K1のそれぞれの重み付けは、1次の回帰係数K1に、車両の加減速度の最大値と最小値の差DIF×100の2乗した値を掛けて求めており、そして、この重み付けの平均値はそれぞれの重み付けの値の合計を(DIF×100)2の合計で割って求めている。この重み付けの方法はこれに限ったものではなく、差DIFが大きいときの1次の回帰係数K1の値ほど最適値になるように重み付けを行なえばよい。
【0042】
(10)ついで路面状態推定値HAの値により、路面の状態を推定する。たとえば、この路面状態推定値HAと予め設定されたしきい値を比較して、路面の状態を推定する。
なお、前記予め設定されたしきい値は、たとえば乾燥アスファルト路、圧雪路、アイスバーン路などを走行し、つぎの式(15)を用いて相関係数Rが所定の値(たとえば0.9)以上の場合のみの1次の回帰係数K1から算出することができる。
L=6K12+0.4K1+0.04 ・・・(15)
【0043】
(11)つぎに路面の情報を運転手に警報する。たとえば、前記路面状態推定値HAがしきい値より大きければ、滑りやすい状態であると判断して警報を発する。
さらには、路面の状態をABS装置やTRC装置などの制御に使用する。
つぎに本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0044】
【実施例】
まず前輪駆動車の4輪タイヤとして、住友ゴム工業(株)製 FM901を装着し、ドライアスファルト路を10分間走行した。車輪速度のサンプリング時間は、40msとした。
【0045】
そして、車輪速センサの車輪速パルスに基づいて、車輪速度を取り込み、40msごとの各車輪の車輪速を計算し、車両の加減速度および前後輪のスリップ比を計算した。
【0046】
ついで車両の加減速度およびスリップ比について、1秒分の25個のデータを平均化し、サンプリング時間(40ms)ごとに移動平均値として求めた。ここで、スリップ比が0.05以上または−0.05以下となった場合は、その時点でスリップ警報を発することとし、移動平均には加えなかった。それ以外の場合は、移動平均された車両の加減速度とスリップ比の50個分のデータでスリップ比に対する車両の加減速度の1次の回帰係数K1を求めるとともに、この50個分の車両の加減速度の最大値と最小値の差DIFを求めた。
【0047】
また、このときの相関係数Rを求め、この相関係数Rが0.7以上であれば、前記手順(8)により、前記差DIFの値に応じて1次の回帰係数K1に重み付けを行ない、相関係数Rが0.7未満の場合は、1次の回帰係数K1をリジェクトした。
【0048】
ついで路面状態推定値HAとして、25個の1次の回帰係数K1の平均値を求めた。このときの路面状態推定値HAの平均値と標準偏差を表3に示す。また、比較例として車両の加減速度の最大値と最小値の差DIFによる重み付けを行なわない場合の1次の回帰係数K1の平均値と標準偏差を表3に示す。
【0049】
【表3】
Figure 0004425478
【0050】
表3からもわかるように、本実施例は、比較例に対し、車両の加減速度の最大値と最小値の差による重み付けを行なうことにより、路面の状態の路面状態推定値HAの平均値はほとんど変化していないのに対し、標準偏差は小さくなっており、ばらつきが小さくなっている。ここで、ドライアスファルト路は、比較的路面の状態が均一であると考えると、前記路面の状態の路面状態推定値HAのばらつきが小さいほど推定精度を向上させることができると考えられる。したがって、本実施例は、路面の状態の推定を高精度に行なうことができることがわかる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、車両の加減速度の最大値と最小値の差による重み付けを行なうことにより、路面の状態の判定値のばらつきを抑え、路面の状態の推定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の路面状態推定装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図1における路面状態推定装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】路面μとスリップ比sとの関係を示す模式図である。
【符号の説明】
1 車輪速センサ(回転速度検出手段)
2 制御ユニット
3 警報表示器
4 初期化スイッチ
FL、FR、RL、RR タイヤ

Claims (4)

  1. 車両の4輪のタイヤの回転速度を定期的に検出する工程と、該測定された回転速度から車両の加減速度とタイヤのスリップ比を演算する工程と、該車両の加減速度とスリップ比を所定の時間で移動平均する工程と、該移動平均された車両の加減速度とスリップ比との関係式を求める工程と、該関係式を求める際の車両の加減速度の最大値と最小値の差を求める工程と、該最大値と最小値の差に応じて、前記関係式の値に重み付けを行なう工程と、当該重み付けされた値と予め設定されたしきい値を比較する工程と、当該比較の結果から路面の状態を推定する工程とを備えている路面状態推定方法。
  2. 前記関係式を求めるに際し、前記移動平均された車両の加減速度とスリップ比のデータを用いて、車両の加減速度とスリップ比との互いの1次の回帰係数と相関係数を求める工程と、該相関係数の値が設定値以上の場合、前記車両の加減速度の最大値と最小値の差に応じて、前記関係式の傾きである1次の回帰係数に重み付けを行ない、該重み付けを行なった1次の回帰係数の値と予め設定されたしきい値を比較する工程を含む請求項1記載の路面状態推定方法。
  3. 車両の4輪のタイヤの回転速度を定期的に検出する回転速度検出手段と、前記回転速度検出手段による測定値から車両の加減速度とタイヤのスリップ比を演算する第1の演算手段と、該車両の加減速度とスリップ比を所定の時間で移動平均する第2の演算手段と、該移動平均された車両の加速度とスリップ比との関係式を求める第3の演算手段と、該関係式を求める際の車両の加減速度の最大値と最小値の差を求める第4の演算手段と、該最大値と最小値の差に応じて、前記関係式の値に重み付けを行なう第5の演算手段と、当該重み付けされた値と予め設定されたしきい値を比較する第6の演算手段と、当該比較の結果から路面の状態を推定する推定手段を備えてなる路面状態推定装置。
  4. 前記関係式を求めるに際し、前記移動平均された車両の加減速度とスリップ比のデータを用いて、車両の加減速度とスリップ比との互いの1次の回帰係数と相関係数を求める演算回路と、該相関係数の値が設定値以上の場合、前記車両の加減速度の最大値と最小値の差に応じて、前記関係式の傾きである1次の回帰係数に重み付けを行ない、当該重み付けを行なった1次の回帰係数の値と予め設定されたしきい値を比較する演算回路を備えてなる請求項3記載の路面状態推定装置。
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