JP5183017B2 - 導電性ローラ用ゴム組成物および導電性ローラ - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真装置等の画像形成装置の現像ロール、帯電ロール、転写ロール等として好適に使用される、低硬度、低圧縮永久歪の導電性ローラおよび該導電性ローラに用いられる導電性ローラ用ゴム組成物に関する。
近年、電子写真装置等の画像形成装置に利用される導電性ローラに要求される特性が高まってきている。帯電装置における帯電処理の方法としては従来コロナ放電が一般的に用いられてきたが、コロナ放電は所望の帯電量を得るために高い印加電圧を必要とし、装置が大型になるだけでなく、オゾンが多量に発生するため、環境衛生上問題となっている。そこで、ローラ形状の電圧印加部材を感光体に接触させて帯電を行う、いわゆる接触帯電方式が近年使用されるようになってきた。接触タイプの帯電ローラはコロナ放電タイプと比較して低い印加電圧での帯電が可能であるため、オゾンの発生量が極めて少ないという利点を有する。
同様に、転写装置においても、コロナ放電を利用せずに転写ロールを用いて電圧印加を行なうことで、感光体から直接にまたは転写ベルトを介してトナーを印刷用紙等に移動させる接触転写方式が提案されている。
一方、現像装置においても、感光体と現像ロールとが互いに接触するように配置されている方式が近年使用されている。
これらの接触タイプの帯電、転写、現像ローラにおいては、所定の電気抵抗値が要求されるだけでなく、感光体表面とローラとの均一な接触を確保することが必要となるため、高い寸法精度が要求され、該寸法精度を補う手段として、ローラにおけるゴム層の低硬度化が要求される。さらに、該ローラと感光体との間の振動に伴って発生する振動音を抑制するためにも、低硬度化が要求されている。
さらに、感光体と該ローラとは圧接された状態にあるため、長期間の圧接によりローラの圧縮永久変形が生じる。該圧縮永久変形により、ローラにおいて感光体に対し不均一に当接する部分が生じ、この不均一な当接がローラの電位ムラを生じさせ、画像不良やトナー漏れを引き起こしてしまう。よって、ローラにおけるゴム層の圧縮永久歪を低減することが要求されている。
電気抵抗値の電圧安定性、低硬度、低圧縮永久歪をいずれも満足する導電性ローラを得るためのゴム層としては、シリコンゴムやウレタンゴムにカーボンや金属酸化物等の導電性フィラーを含有させた低弾性層とトナー離型性に優れる表面層とからなる2層構造のゴム層が好適に用いられてきた。シリコンゴムやウレタンゴムを用いたゴム層は低硬度かつ低圧縮永久歪であるが、これらのゴムは高価であるため近年要求されるコストメリットにそぐわない。
特許文献1では、安価なEPDMと、重合触媒としてのメタロセン系触媒を用いることにより得られる圧縮永久歪の小さい材料を用いた現像ローラが提案されている。しかしながら、該現像ローラにおいては導電性充填剤としてカーボンブラックや金属酸化物を使用しているため、ゴムコンパウンド内での導電性充填剤の分散が難しく、該導電性充填剤の添加量が少し変動するだけで電気抵抗値が大きくばらつき、電気抵抗値の安定が十分得られない傾向がある。また電気抵抗値を調整するためには多量のカーボンブラックを添加する必要があるが、カーボンブラックを多量に添加するとゴム硬度が上昇するため、ゴム層の低硬度特性を得るためには多量の軟化剤を添加しなければならない。多量の軟化剤を加えた場合、ゴム層中の添加剤が該ゴム層の表面にブリードアウトする現象が起こり、感光体や転写ベルトを汚染してしまう。また多量の軟化剤の添加によりゴム層の圧縮永久歪が悪化するという問題もある。
特許文献2では、低圧縮永久歪で安価な現像ローラを提供する方法として、ポリアミド系エラストマー(A)、ムーニー粘度が120〜350であるオレフィン系共重合体ゴム100質量部当たり鉱物油系軟化剤を20〜150質量部含有する油展オレフィン系共重合体ゴム(B)、変性ポリオレフィン樹脂(C)、導電性フィラー(D)から構成され、(A)/((B)+(C))=70〜15/30〜85質量部からなり、(A)+(B)+(C)100質量部に対して、(D)が1〜30質量部、(A)がマトリックス相、(B)成分が分散相を形成し、(D)が(A)中に選択的に存在することを特徴とする導電性熱可塑性エラストマー組成物が提案されている。しかしながら、該エラストマー組成物においても導電性充填剤としてカーボンブラックや金属酸化物を使用しているため、ゴムコンパウンド内での導電性充填剤の分散が難しく、該導電性充填剤の配合量が少し変動するだけで抵抗値が大きくばらつき、電気抵抗値の電圧安定性が十分得られない傾向がある。
近年は、上記のような導電性充填剤を配合してなる電子導電性ゴムでなく、エピクロルヒドリンゴム等のイオン導電性ゴムが好んで用いられる傾向にある。イオン導電性ゴムにおいてはイオン性物質を比較的容易にゴム中に均一分散させることができ、低電圧印加時と高電圧印加時とにおける電気抵抗値の差(電圧依存性)がほとんどないためである。
上記のエピクロルヒドリン系ゴムのようなイオン導電性の材料を利用した低硬度の導電性ローラについても、以下のように多数報告されている。
特許文献3では、特定の重合比率のエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体を、エピクロルヒドリンゴムに対して重量比0.01以上4.00以下で混合することで圧縮永久歪を小さくする方法が提案されている。
特許文献4では、複数個の炭素−炭素間の二重結合を有し、エチレンオキサイド含有量が40mol%以上であるポリマー組成物と、フルオロ基あるいは/及びスルホニル基を含む有機金属塩と、炭素−炭素間の二重結合を有するエラストマーとを含む導電性エラストマー組成物により、良好な機械物性(圧縮永久ひずみが低く、低硬度)を得られる旨が開示されている。
しかし、たとえば特許文献3、4に示されるように、ローラの圧縮永久歪を小さくするためには、特殊なエピクロルヒドリンゴムを使用することが必要であり、コストの面で改善の余地がある。
特許文献5では、イオウ及び塩素を含有しないサブを10〜50質量部含有し、かつ2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジンを加硫剤として使用することにより、圧縮永久歪において優れ、かつ低硬度であるゴム組成物を提供している。しかしこの組成物においては、圧縮永久歪が有機過酸化物加硫より劣っているという問題がある。
特許文献6では、半導電性ゴムロールの硬度を低下させるために、エピクロルヒドリンゴムに、液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム、液状ポリブタジエン、液状クロロプレン等の液状不飽和ゴムを添加する方法が提案されているが、エピクロルヒドリンゴムと液状不飽和ゴムとの相溶性は十分ではなく、圧縮永久歪において十分な性能を得られないという問題がある。
特開2000−29277号公報 特開2002−173599号公報 特開2002−105305号公報 特開2004−18788号公報 特開2002−132020号公報 特開平9−160354号公報
本発明は、上記の課題を解決し、低硬度、低圧縮永久歪、電気抵抗値の電圧安定性のいずれも満足する導電性ローラ用ゴム組成物およびこれを用いた導電性ローラを提供することを目的とする。
本発明は、ポリマー成分の100質量部と、軟化剤の1〜10質量部と、加硫剤の1〜2質量部とを少なくとも含有し、該ポリマー成分は、エピクロルヒドリンゴム成分(A)とアクリロニトリル−ブタジエンゴム成分(B)とを含み、かつ該エピクロルヒドリンゴム成分(A)と該アクリロニトリル−ブタジエンゴム成分(B)との質量比(A)/(B)が40/60〜90/10の範囲内であり、該軟化剤は、SP値が6.5〜9.5の範囲内であるナフテン系オイルおよび/またはパラフィン系オイルの1種あるいは2種類以上を含み、該加硫剤は有機過酸化物を含む導電性ローラ用ゴム組成物に関する。
本発明において、該エピクロルヒドリンゴム成分(A)と該アクリロニトリル−ブタジエンゴム成分(B)との質量比(A)/(B)は、40/60〜80/20の範囲内とされることが好ましい。
本発明に使用される軟化剤は、ナフテン系オイルを含むことが好ましい。
本発明はまた、ポリマー成分の100質量部と、軟化剤の1〜10質量部と、加硫剤の1〜2質量部とを少なくとも含有し、該ポリマー成分は、エピクロルヒドリンゴム成分(A)とアクリロニトリル−ブタジエンゴム成分(B)とを含み、かつ該エピクロルヒドリンゴム成分(A)と該アクリロニトリル−ブタジエンゴム成分(B)との質量比(A)/(B)が40/60〜80/20の範囲内であり、該軟化剤は、SP値が8.5〜10.5のアロマティック系オイルの1種あるいは2種類以上を含み、該加硫剤は有機過酸化物を含む導電性ローラ用ゴム組成物に関する。
本発明の導電性ローラ用ゴム組成物においては、測定温度70℃、測定時間24時間で25%圧縮測定を行なったときの圧縮永久歪が15%以下であり、温度22℃、相対湿度55%、印加電圧100Vにおける電気抵抗値が1×10Ω未満であり、アスカーC硬度が70度以下であることが好ましい。
本発明はまた、支持軸と、該支持軸の外周に形成された単層または複層のゴム層と、を有する導電性ローラであって、該ゴム層の少なくとも1層が上記の導電性ローラ用ゴム組成物を用いて形成される導電性ローラに関する。
本発明はさらに、上記の導電性ローラにおいて該ゴム層の外周に樹脂表面層がさらにコーティングされてなる導電性ローラに関する。
本発明においては、エピクロルヒドリンゴム成分とアクリロニトリル−ブタジエンゴム成分とを含有するポリマー成分を用い、有機過酸化物および軟化剤を配合する。これにより、軟化剤が優先的にエピクロルヒドリンゴム成分に作用し、エピクロルヒドリンゴム成分の低硬度化とアクリロニトリル−ブタジエンゴム成分の低圧縮永久歪化との両立が可能となるため、ゴム硬度および圧縮永久歪をともに低減させた導電性ローラ用ゴム組成物を得ることが可能となる。また、ポリマー成分にイオン導電性に優れるエピクロルヒドリンゴム成分を含有させることにより、電気抵抗値の電圧安定性も所望の程度確保することができる。よって、本発明の導電性ローラ用ゴム組成物を用いることにより、低硬度、低圧縮永久歪、電気抵抗値の電圧安定性のいずれをも満足する導電性ローラを得ることが可能となる。
本発明の導電性ローラ用ゴム組成物においては、ポリマー成分がエピクロルヒドリンゴム成分とアクリロニトリル−ブタジエンゴム成分とを含み、該エピクロルヒドリンゴム成分(A)と該アクリロニトリル−ブタジエンゴム成分(B)との質量比(A)/(B)が40/60〜90/10の範囲内とされる。また、軟化剤としてSP値が6.5〜9.5の範囲内であるナフテン系オイルおよび/またはパラフィン系オイルの1種または2種以上を含み、さらに加硫剤として有機過酸化物が配合される。
エピクロルヒドリンゴムは良好なイオン導電性を有するため、エピクロルヒドリンゴム成分を含有する導電性ローラ用ゴム組成物が用いられた導電性ローラは、電気抵抗値の電圧依存性が小さい点で有利である。
本発明で用いられるポリマー成分においては、エピクロルヒドリンゴム成分のSP値は一般的に8.5〜9.5程度である一方、アクリロニトリル−ブタジエンゴム成分のSP値は一般的に9〜11程度と高い極性を示す。本発明においては、SP値が6.5〜9.5の範囲内である軟化剤が配合されるため、エピクロルヒドリンゴム成分のSP値と軟化剤のSP値とは近似する。この場合、エピクロルヒドリンゴム成分と軟化剤との相溶性が良好であり、軟化剤のブリードアウトが抑制されるとともに、アクリロニトリル−ブタジエンゴム成分と軟化剤との相溶性が相対的に低くなる。これにより、アクリロニトリル−ブタジエンゴム成分の特性が軟化剤によって損なわれることがなく、導電性ローラ用ゴム組成物の圧縮永久歪は十分に低減されることができる。本発明においては、エピクロルヒドリンゴム成分とのSP値の差をより小さくすることにより、該エピクロルヒドリンゴム成分との相溶性を良好にすることができるという点で、軟化剤がナフテン系オイルを含むことがさらに好ましい。
なお、本発明におけるSP値(すなわち溶解度パラメータ)は、下記の式、
SP値={(ΔH−RT)/V}1/2
(式中、V:モル容積、ΔH:蒸発潜熱、R:気体定数、T:絶対温度、である)
により得られる値を意味するものとする。
本発明における軟化剤の配合量は、ポリマー成分の100質量部に対して1〜10質量部の範囲内とされる。軟化剤の配合量が1質量部以上であれば、所望の程度の低硬度のゴムを得ることが可能であり、10質量部以下であれば、ゴム層の電気抵抗値および圧縮永久歪が大きくなり過ぎることを防止できるとともに、導電性ローラ用ゴム組成物からの軟化剤のブリードも抑制できる。
本発明においては、加硫剤として有機過酸化物が少なくとも用いられる。有機過酸化物と軟化剤とがゴム組成物中に混在する場合、該有機過酸化物によるゴム成分の架橋が阻害されることは一般的によく知られている。本発明においては、軟化剤がエピクロルヒドリンゴム成分と良好な相溶性を有することから、軟化剤が主にエピクロルヒドリン中に存在すると考えられる。この場合、エピクロルヒドリンゴム成分の過酸化物架橋が軟化剤の存在により阻害され、低硬度のゴムが生成する一方、アクリロニトリル−ブタジエンゴム成分の有機過酸化物による架橋反応はほとんど阻害されないため、該アクリロニトリル−ブタジエンゴム成分の圧縮永久歪が十分に小さくなる。以上の機構により、本発明の導電性ローラ用ゴム組成物においては、エピクロルヒドリンゴム成分による低硬度化と、アクリロニトリル−ブタジエンゴム成分の寄与による低圧縮永久歪との両立が可能となる。
本発明における加硫剤の配合量は、ポリマー成分100質量部に対して1〜2質量部の範囲内とされることが好ましい。加硫剤の配合量が1質量部以上であれば、軟化剤のブリードが良好に抑制され、2質量部以下であれば、ゴムの伸びが悪くなることによるプレス加工時のゴム割れ、カケの発生を抑制できる。
エピクロルヒドリンゴム成分(A)とアクリロニトリル−ブタジエンゴム成分(B)との質量比(A)/(B)は40/60〜90/10の範囲内とされる。エピクロルヒドリンゴム成分とアクリロニトリル−ブタジエンゴム成分との混合ゴムにおけるエピクロルヒドリンゴム成分の含有率が40質量%以上であれば、導電性ローラはエピクロルヒドリンゴム成分の寄与によって十分低硬度とされ、良好な寸法精度が得られる。また90質量%以下である場合には、アクリロニトリル−ブタジエンゴム成分を10質量%以上含むこととなり、アクリロニトリル−ブタジエンゴム成分の寄与による圧縮永久歪の低減が可能である。上記(A)/(B)は、40/60〜80/20の範囲とされることがさらに好ましい。
本発明においては、エピクロルヒドリンゴム成分(A)とアクリロニトリル−ブタジエンゴム成分(B)との質量比(A)/(B)を40/60〜80/20の範囲内に設定し、かつ軟化剤として、SP値が8.5〜10.5の範囲内であるアロマティック系オイルを配合することも可能である。本発明において用いられるアロマティック系オイルはエピクロルヒドリンゴム成分との相溶性に特に優れるため、エピクロルヒドリンゴム相の低硬度化に顕著に寄与する。エピクロルヒドリンゴム成分とアクリロニトリル−ブタジエンゴム成分との混合ゴムにおけるエピクロルヒドリンゴム成分の含有率が40質量%以上であれば、ゴム層の電気抵抗値の上昇が防止されるとともに、エピクロルヒドリンゴム成分の寄与によって導電性ローラ用ゴム組成物が十分低硬度化され、導電性ローラの寸法安定性が良好となる。また80質量%以下であれば、アロマティック系オイルの存在によって過度な低硬度化が生じることによる導電性ローラ用ゴム組成物の圧縮永久歪の上昇等を防止できる。
本発明に用いるエピクロルヒドリンゴム成分は、エピクロルヒドリン(EP)単独重合体あるいはエピクロルヒドリン−アルキレンオキサイドの2元共重合体あるいはエピクロルヒドリン−アルキレンオキサイド−不飽和エポキシドの3元共重合体をそれぞれ単独または2種類以上混合して用いることができる。
アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられ、不飽和エポキシドとしては、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、ブタジエンモノオキサイド等が挙げられる。
本発明に用いるポリマー成分は、イオン導電性を示す充填剤を含むことができ、たとえば、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カルシウムなどの無機塩の他、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、ホウフッ化テトラブチルアンモニウム、ホウフッ化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム等の第四級アンモニウム塩、さらに過塩素酸塩、アルキルスルホン酸塩、リン酸エステル塩等が挙げられる。これらの充填剤は単独で用いても2種類以上組み合わせても良い。
本発明において軟化剤として用いられるナフテン系オイル、パラフィン系オイル、またはアロマティック系オイルはいずれも鉱物油である。本明細書においては、オイル中の全炭素数に占めるナフテン環炭素数の割合(すなわち、%CN)が30〜45%の範囲内であるものをナフテン系オイル、オイル中の全炭素数に占めるパラフィン鎖炭素数の割合(すなわち、%CP)が50%以上であるものをパラフィン系オイル、オイル中の全炭素数に占める芳香族炭素数の割合(すなわち、%CA)が35%以上であるものをアロマティック系オイル、とそれぞれ称する。
本発明に用いられるナフテン系オイルとしては、SP値が6.5〜9.5の範囲内、さらに7.5〜9.5の範囲内のものが好ましく、たとえば、出光興産社製の商品名「ダイアナプロセスNP−24」(%CA=9.2%、%CN=50.1%、%CP=40.7%)、日本サン石油社製の商品名「サンセン410」(%CA=6%、%CN=45%、%CP=49%)等が市販されている。
本発明に用いられるパラフィン系オイルとしては、SP値が6.5〜9.5の範囲内、さらに6.5〜8.5の範囲内のものが好ましく、たとえば、出光興産社製の商品名「ダイアナプロセスPW−32」(%CA=0%、%CN=32.9%、%CP=67.1%)、日本サン石油社製の商品名「サンパー115」(%CA=2%、%CN=31%、%CP=68%)等が市販されている。
本発明に用いられるアロマティック系オイルとしては、SP値が8.5〜10.5の範囲内のものが用いられ、たとえば、出光興産社製の商品名「ダイアナプロセスAC−12」(%CA=35.2%、%CN=36.2%、%CP=28.6%)、日本サン石油社製の商品名「JSOアロマ790」(%CA=39%、%CN=29%、%CP=32%)等が市販されている。
本発明に用いられる有機過酸化物としては、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、n−ブチル,4,4−ジ(t−メチルパーオキシ)バレレート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等のパーオキシケタール類、ジクミルパーオキサイド、ジ(2−t−ブチルパーオキソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類、ジ(3−t−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジ(4−t−メチルベンゾイル)パーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)−ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル類等が挙げられる。これらの有機過酸化物は単独で用いても2種類以上組み合わせて用いても良い。
有機過酸化物の架橋助剤としては、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンジメタクリレート、ジアリルフタレート、キノンジオキシム、フェニレンビスマレイミド、ポリエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。これらの架橋助剤は単独で用いても2種類以上組み合わせても良い。
加工助剤としては、亜鉛華等の金属酸化物、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸等の脂肪酸が挙げられる。これらの加工助剤は単独で用いても2種類以上組み合わせても良い。
その他、アミン系、フェノール系等の老化防止剤、カーボン、シリカ、クレー、コルク、タルク、炭酸カルシウム、二塩基亜リン酸塩、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナ等の充填剤の他、補強剤を適宜配合することができる。
本発明に用いるゴム層は、ソリッドゴム(硬質ゴム)として調製しても、スポンジゴム(発泡ゴム)として調製しても良く、本発明の導電性ローラを適用する電子写真装置における所望の性能に応じて適宜選択すれば良い。
たとえばゴム層をスポンジゴムとして調製する場合には、導電性ローラ用ゴム組成物の配合成分に発泡剤、および必要に応じて発泡助剤を添加し、好ましくは密閉条件下で加硫形成することによってスポンジゴムを製造することができる。
発泡剤としては、化学発泡剤が好適に用いられ、有機系と無機系に分類される。有機系の発泡剤としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、バリウムアゾジカルボキシレート(Ba/AC)等のアゾ化合物、N,N‘−ジニトロソペンタメチレンテトラアミン(DPT)等のニトロソ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド(BSH),4,4オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、トルエンスルホニルヒドラジド(TSH)、ヒドラゾジカルボンアミド(HDCA)等のヒドラジン誘導体が使用できる。無機系の発泡剤としては、重炭酸ナトリウム(重曹)、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム等が使用できる。これらの充填剤は単独で用いても2種類以上組み合わせても良い。
また発泡助剤としては、サリチル酸等の有機酸系助剤の他、尿素系助剤等が使用可能である。これらのうち、本発明において好適に用いられるエピクロルヒドリンゴム成分の発泡剤としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)、4,4オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、N,N−ジニトロソペンタメチレンテトラアミン(DPT)が特に好ましい。
本発明の導電性ローラ用ゴム組成物においては、測定温度70℃、測定時間24時間で25%圧縮測定を行なったときの圧縮永久歪が15%以下であることが好ましい。この場合、導電性ローラの電位ムラによる画像不良やトナー漏れ等を抑制することができる。なお上記の圧縮永久歪は、たとえばJISK 6262に基づいて測定することができる。
また、本発明の導電性ローラ用ゴム組成物においては、温度22℃、相対湿度55%、印加電圧100Vにおける電気抵抗値が1×10Ω以下であることが好ましい。この場合、導電性ローラが所望の導電性を有することにより良好な印刷特性が付与される。
さらに、本発明の導電性ローラ用ゴム組成物においては、アスカーC硬度が70度以下であることが好ましい。この場合、導電性ローラの寸法精度が良好であり、感光体との良好かつ均一な接触が確保される。なおアスカーC硬度は、たとえば、高分子計器社製のアスカータイプC硬度計を用い、硬度計を試験片に一定速度で押し当てる方法により測定することができる。
図1は、本発明に係る導電性ローラの構成の一例を示す断面図である。本発明の導電性ローラは、支持軸11の外周に、本発明の導電性ローラ用ゴム組成物からなるゴム層12が形成され、さらに樹脂表面層13が被覆されている。
図2は、本発明に係る導電性ローラの構成の別の例を示す断面図である。図2に示す導電性ローラにおいては、支持軸21の外周に、内側ゴム層22および外側ゴム層23からなるゴム層24が形成され、さらに樹脂表面層25が形成されている。
本発明の導電性ローラにおけるゴム層は、図1に示すような単層のもの、図2に示すような2層からなるもの等が採用できる。2層とされる場合においては、たとえば、内側ゴム層22および外側ゴム層23がいずれもスポンジゴムで形成されるもの、内側ゴム層22および外側ゴム層23がいずれもソリッドゴムで形成されるもの、内側ゴム層22がスポンジゴム、外側ゴム層23がソリッドゴムでそれぞれ形成されるもの、内側ゴム層22がソリッドゴム、外側ゴム層23がスポンジゴムでそれぞれ形成されるもの等が使用できる。さらに、本発明の導電性ローラにおけるゴム層は3層以上とされても良い。
本発明の導電性ローラにおいては、たとえば図1および図2に示すように、ゴム層の外側に樹脂表面層を設けても良い。導電性ローラの電気抵抗値が過度に上昇することを防止するため、樹脂表面層は導電性の樹脂材料で形成されることが好ましい。樹脂材料としては、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等が好適に使用できる。また、樹脂表面層における樹脂厚みに対する電気抵抗値の変化を小さくするため、ゴム層の抵抗値と樹脂表面層の電気抵抗値はできるだけ近接するように設定されることが好ましい。
樹脂表面層の形成方法としては、たとえばゴム層の上に、スプレー塗装や静電塗装、ディッピング塗装などの公知の塗装方法で樹脂材料を塗装する方法や、チューブ形状にした樹脂材料をゴム層の上に被覆する方法等が好ましく採用できる。
導電性ローラの摩擦抵抗や粘着力を低下させる目的で、樹脂表面層に対してさらに紫外線照射等を行なって該樹脂表面層を炭化させる処理を行なうことも有用である。
上記のような方法を用いてゴム層の外側に樹脂表面層を形成させることにより、本発明の導電性ローラを感光体、転写ベルト、トナー、クリーニングブレード等に対して使用した場合の摩擦抵抗や粘着力を低減させることができ、紙汚れ等を防止すると同時に、ゴム層からの添加剤のブリード等による汚染を防止することができる。
本発明の導電性ゴム組成物および導電性ローラの製造には特に制限はなく、公知の方法を適用することができる。たとえば、導電性ローラ用ゴム組成物を製造するための配合成分、および用途に応じて配合した添加剤成分を、順次ロールやバンバリーミキサー、ニーダー等、通常混練に使用される混練機を用いて混合し、得られたゴムコンパウンドを支持軸となる金属製の芯金の外周に被せた後、プレス加硫成型、または押出し機を用いてローラを成型する押出し成型、等の公知の方法を適用することによりゴム層を形成し、ローラを得ることができる。特に本発明では、加硫剤として有機過酸化物を用いているため、密閉して空気と遮断した方式をとるプレス加硫成型が好適に用いられる。
本発明においては、金属製の支持軸とゴム層とが接着されても構わないが、リサイクル性やコストの面では、ゴム層の内径を支持軸の外径より1〜20%程小さくし、その圧入しろを用いて支持軸に本発明に係る導電性ローラ用ゴム組成物を圧入してゴム層を保持する方式を採用することがより好ましい。また、支持軸とゴム層とを接着する場合は、電気抵抗値の上昇を抑えるために、導電性の接着剤を使用することが好ましい。
その後、所望の寸法や均一な表面形状を得るために、必要に応じて、湿式研磨機や砥石等を用いた乾式研磨機等を用いてゴム層の表面を研磨加工し、必要な場合にはゴム層の外側に樹脂表面層をさらに形成する。以上の方法により、寸法精度に優れる本発明の導電性ローラを作製することができる。
[実施例]
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表1〜表8に示す配合成分のうち、エピクロルヒドリンゴム(エピクロルヒドリン−アルキレンオキサイド−不飽和エポキシドの3元共重合体)と、アクリルニトリルーブタジエンゴムとをオープンローラーで素練りし、続いて、表1〜表8に示す他の配合成分を、表中で上に示されるものから順にオープンローラーに投入、混練りしてゴムコンパウンドを得た。このゴムコンパウンドをφ8mmのステンレス芯に巻き、これをφ20mmの円筒状の成型金型に入れ160℃、20分間の1次加硫を行なった。脱型後、電気乾燥炉により160℃、1時間の2次加硫を行い、本発明の導電性ローラ用ゴム組成物からなるゴム層を形成した。ゴム層の冷却後、該ゴム層の表面を砥石研磨機によりゴム外径φ16mmに研磨した。さらにゴム層の外周面上に、カーボン導電性のフッ素樹脂をスプレー塗布により乾燥膜厚が10μmになるように塗装し、電気乾燥炉により140℃、1時間乾燥させることにより樹脂表面層を硬化して、本発明の導電性ローラを得た。
得られたゴム組成物および導電性ローラを用い、下記の測定方法で物性評価を行なった。
<アスカーC硬度>
樹脂表面層を形成する前のゴム層表面の硬度をアスカーC硬度計により4箇所測定し、その平均値としてアスカーC硬度を算出した。なお測定にはゴム試験片(直径29mm×長さ12.5mm)を用い、温度23℃±3℃、相対湿度50±10%の条件下に1時間以上放置した後、荷重1kg、速度2mm/sの条件でアスカーC硬度計を該ゴム試験片に押し当て、硬度の瞬間最大値を測定した。
<圧縮永久歪>
樹脂表面層を形成する前のゴム層表面につき、JIS K 6262に基づいてゴム層の圧縮永久歪を測定した。なお測定にはゴム試験片(直径29mm×長さ12.5mm)を用い、圧縮する割合を25%、試験温度、時間をそれぞれ70℃、24時間とした。
<電気抵抗値>
図3は、ローラの電気抵抗値の評価方法について説明する図である。樹脂表面層を形成する前のローラ31の左右に荷重W=0.5kgをかけ、φ30mmの回転金属ロール32に合計荷重1.0kgで当接し、抵抗計33(商品名:R8340A、アドバンテスト社製)にてDC100Vを印加して、30秒後の電気抵抗値の最大値と最小値とから平均値を算出した。
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注1:ECOは、エピクロルヒドリンゴム(SP値=8.9)である。
注2:NBRは、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(SP値=9.4)である。
注3:ナフテン系オイルAは、軟化剤として添加されるものであり、SP値=7.5、%CN=41%)である。
注4:ナフテン系オイルBは、軟化剤として添加されるものであり、SP値=7.8、%CN=40%)である。
注5:ナフテン系オイルCは、軟化剤として添加されるものであり、SP値=7.7、%CN=42%)である。
注6:パラフィン系オイルDは、軟化剤として添加されるものであり、SP値=7.3、%CP=67%)である。
注7:パラフィン系オイルEは、軟化剤として添加されるものであり、SP値=6.7、%CP=71%)である。
注8:アロマティック系オイルFは、軟化剤として添加されるものであり、SP値=9.3、%CA=39%)である。
注9:有機過酸化物Aは、ジクミルパーオキサイドである。
注10:有機過酸化物Bは、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンである。
注11:有機過酸化物Cは、4,4−ジ(t−メチルパーオキシ)バレレートである。
注12:加硫剤は、硫黄である。
注13:加硫促進剤Aは、ジベンゾチアゾールジサルファイド(DM)である。
注14:加硫促進剤Bは、テトラエチルチラウム−ジサルファイド(TET)である。
実施例1〜3は、比較例1の組成に対し、軟化剤としてナフテン系オイルを添加したものであり、比較例1と比べて実施例1〜3においてはアスカーC硬度と圧縮永久歪とをともに低くすることができている。一般的には軟化剤等を配合すると分子間引力を小さくすることによりゴム硬度を低下させることができる反面、圧縮永久歪が大きくなる傾向があるが、実施例1〜3においては、ゴム硬度を低くするとともに圧縮永久歪を小さくできていることが分かる。この結果は、適量なナフテン系軟化剤を添加することによってエピクロルヒドリンゴム成分とアクリロニトリル−ブタジエンゴム成分との分散性が大きく向上し、軟化剤を配合しないものと比べて過酸化物架橋による架橋鎖がバランスよく配列したため、圧縮永久歪を小さくすることができたことによると考えられる。
一方、軟化剤としてパラフィン系オイルを添加した実施例4,5においても圧縮永久歪を小さくする効果は得られたが、軟化剤を添加していない比較例1と比べたときのアスカーC硬度の低減効果は、実施例1〜3と比べて小さい傾向であった。この結果は、該ナフテン系オイルのSP値が7.5〜7.8であるのに対して、該パラフィン系オイルのSP値が6.7と低く、エピクロルヒドリンゴム(SP値=8.9)およびアクリロニトリル−ブタジエンゴム(SP値=9.4)のSP値との差が大きくなることにより、軟化剤とゴム成分との相溶性が低くなったことによると考えられる。
実施例6〜9は、エピクロルヒドリンゴム成分とアクリロニトリル−ブタジエンゴム成分との質量比を60/40とした他は、それぞれ実施例1〜4と同様の組成で導電性ローラを作製したものである。実施例6〜9においても、軟化剤が配合されない他は実施例6〜9と同様の組成である比較例2と比べて、アスカーC硬度および圧縮永久歪がともに低減されており、実施例1〜4と同様の理由によりこれらの効果が得られているものと考えられる。
実施例10〜13は、エピクロルヒドリンゴム成分とアクリロニトリル−ブタジエンゴム成分の質量比を80/20とした他は、それぞれ実施例1〜4と同様の組成で導電性ローラを作製したものである。実施例10〜13においても、軟化剤が配合されない他は実施例10〜13と同様の組成である比較例3と比べて、アスカーC硬度および圧縮永久歪がともに低減されており、実施例1〜4と同様の理由によりこれらの効果が得られているものと考えられる。
実施例14,15は、エピクロルヒドリンゴム成分とアクリロニトリル−ブタジエンゴム成分との質量比を40/60とした他は、それぞれ実施例1,3と同様の組成で導電性ローラを作製したものである。実施例14,15においても、軟化剤が配合されない他は実施例14,15と同様の組成である比較例4と比べて、アスカーC硬度および圧縮永久歪がともに低減されており、実施例1,3と同様の理由によりこれらの効果が得られているものと考えられる。
実施例16,17は、エピクロルヒドリンゴム成分とアクリロニトリル−ブタジエンゴム成分との質量比を90/10とした他は、それぞれ実施例1,3と同様の組成で導電性ローラを作製したものである。実施例16,17においては、軟化剤が配合されない他は実施例16,17と同様の組成である比較例5と比べて、アスカーC硬度が低減されており、圧縮永久歪についても比較例5と同等かそれよりも低い値を示し、実施例1,3と同様の理由によりこれらの効果が得られているものと考えられる。
実施例18,19は、有機過酸化物Aの配合量を変えた他は実施例1と同様の組成で、導電性ローラを作製したものである。実施例18においては実施例1よりも有機過酸化物Aの配合量が少なくされているため、実施例1と比べてアスカーC硬度が低く、圧縮永久歪が高い傾向にあるが、導電性ローラの用途としては良好な特性を有している。実施例19においては実施例1よりも有機過酸化物Aの配合量が多くされているため、実施例1と比べてアスカーC硬度が高く、圧縮永久歪が低い傾向にあるが、導電性ローラの用途としては良好な特性を有している。
実施例20は、ナフテン系オイルAの配合量を変えた他は実施例1と同様の組成で導電性ローラを作製したものである。実施例20においても、軟化剤が配合されない他は実施例20と同様の組成である比較例1と比べて、アスカーC硬度および圧縮永久歪が低減されており、実施例1と同様の理由によりこれらの効果が得られているものと考えられる。
実施例21,22は、有機過酸化物の種類を変えた他は実施例14と同様の組成で導電性ローラを作製したものである。実施例21,22においても、実施例14と同様にアスカーC硬度および圧縮永久歪が十分低い値を示しており、実施例14と同様の理由によりアスカーC硬度と圧縮永久歪とをともに低減できていることが分かる。
実施例23,24は、有機過酸化物の種類を変えた他は実施例16と同様の組成で導電性ローラを作製したものである。実施例23,24においても、実施例16と同様にアスカーC硬度および圧縮永久歪が十分低い値を示しており、実施例16と同様の理由によりアスカーC硬度と圧縮永久歪とをともに低減できていることが分かる。
実施例25〜28は、軟化剤としてアロマティック系オイルを用いた他は、それぞれ実施例1,6,10,14と同様の組成で導電性ローラを作製したものである。実施例25〜28おいても、軟化剤が配合されない他は実施例25〜28と同様の組成である比較例1〜4と比べて、アスカーC硬度および圧縮永久歪がそれぞれ低減されており、実施例1,6,10,14と同様の理由によりアスカーC硬度と圧縮永久歪とをともに低減できていることが分かる。しかし、軟化剤としてアロマティック系オイルを添加した場合には、該アロマティック系オイル(SP値=9.3)が、エピクロルヒドリンゴム成分(SP値=8.9)およびアクリロニトリル−ブタジエンゴム成分(SP値=9.4)と非常に近いSP値を有するため、軟化剤とゴム成分との相溶性が良くなり過ぎている。この場合、ゴム層の低硬度化には大きな効果を示すが、ナフテン系、パラフィン系の各軟化剤と比較すれば圧縮永久歪の改善効果は小さい傾向にある。
比較例6においては、エピクロルヒドリンゴム成分とアクリロニトリル−ブタジエンゴム成分との質量比を90/10とし、かつ軟化剤としてアロマティック系オイルを用いている。アロマティック系オイルの配合によりアスカーC硬度の低減には大きな効果を示したが、エピクロルヒドリンゴム成分とアクリロニトリル−ブタジエンゴム成分との質量比が同じである実施例16,17と比べて圧縮永久歪が大きい傾向であることがわかる。
ポリマー成分がアクリロニトリル−ブタジエンゴム成分のみである比較例7〜9においては、いずれも電気抵抗値が高く導電性ローラとしての良好な特性は得られていないことが分かる。
ポリマー成分がエピクロルヒドリンゴム成分のみである比較例10〜12、および、加硫剤として硫黄を用いた比較例13,14においては、いずれもアスカーC硬度は小さい値を示したが、圧縮永久歪が大きく導電性ローラとしての良好な特性は得られていないことが分かる。
エピクロルヒドリンゴム成分単体とアクリロニトリル−ブタジエンゴム成分単体では、エピクロルヒドリンゴム成分単体の方がナフテン系軟化剤を添加することによって極端に硬度が低く、圧縮永久歪が悪くなる傾向があった。アクリロニトリル−ブタジエンゴム成分単体ではナフテン系軟化剤を添加しても、ゴム層の低硬度化の効果は小さく、圧縮永久歪もほとんど変化しない結果となった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、低硬度、低圧縮永久歪、電気抵抗値の電圧安定性を満足する導電性ローラ用ゴム組成物およびこれを用いた導電性ローラを提供することが可能となる。本発明に係る導電性ローラは、特に、感光体や転写ベルトと互いに接触して配置される現像ロール、帯電ロール、転写ロール等として好適に使用できる。
本発明に係る導電性ローラの構成の一例を示す断面図である。 本発明に係る導電性ローラの構成の別の例を示す断面図である。 ローラの電気抵抗値の評価方法について説明する図である。
符号の説明
11,21 支持軸、12,24 ゴム層、13,25 樹脂表面層、22 内側ゴム層、23 外側ゴム層、31 ローラ、32 回転金属ロール、33 抵抗計。

Claims (7)

  1. ポリマー成分の100質量部と、軟化剤の1〜10質量部と、加硫剤の1〜2質量部とを少なくとも含有し、前記ポリマー成分は、エピクロルヒドリンゴム成分(A)とアクリロニトリル−ブタジエンゴム成分(B)とを含み、かつ前記エピクロルヒドリンゴム成分(A)と前記アクリロニトリル−ブタジエンゴム成分(B)との質量比(A)/(B)が40/60〜90/10の範囲内であり、前記軟化剤は、SP値が6.5〜9.5の範囲内であるナフテン系オイルおよび/またはパラフィン系オイルの1種あるいは2種類以上を含み、前記加硫剤は有機過酸化物を含む、導電性ローラ用ゴム組成物。
  2. 前記エピクロルヒドリンゴム成分(A)と前記アクリロニトリル−ブタジエンゴム成分(B)との質量比(A)/(B)が40/60〜80/20の範囲内である、請求項1に記載の導電性ローラ用ゴム組成物。
  3. 前記軟化剤がナフテン系オイルを含む、請求項1に記載の導電性ローラ用ゴム組成物。
  4. ポリマー成分の100質量部と、軟化剤の1〜10質量部と、加硫剤の1〜2質量部とを少なくとも含有し、前記ポリマー成分は、エピクロルヒドリンゴム成分(A)とアクリロニトリル−ブタジエンゴム成分(B)とを含み、かつ前記エピクロルヒドリンゴム成分(A)と前記アクリロニトリル−ブタジエンゴム成分(B)との質量比(A)/(B)が40/60〜80/20の範囲内であり、前記軟化剤は、SP値が8.5〜10.5の範囲内であるアロマティック系オイルの1種あるいは2種類以上を含み、前記加硫剤は有機過酸化物を含む、導電性ローラ用ゴム組成物。
  5. 測定温度70℃、測定時間24時間で25%圧縮測定を行なったときの圧縮永久歪が15%以下であり、温度22℃、相対湿度55%、印加電圧100Vにおける電気抵抗値が1×108Ω未満であり、アスカーC硬度が70度以下である、請求項1または4に記載の導電性ローラ用ゴム組成物。
  6. 支持軸と、前記支持軸の外周に形成された単層または複層のゴム層と、を有する導電性ローラであって、
    前記ゴム層の少なくとも1層が請求項1〜5のいずれかに記載の導電性ローラ用ゴム組成物を用いて形成される、導電性ローラ。
  7. 前記ゴム層の外周に樹脂表面層がさらにコーティングされてなる、請求項6に記載の導電性ローラ。
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