JP5180396B1 - 歩数計 - Google Patents

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Abstract

【課題】消費カロリー等の歩行関連情報が実用上の正確さをもった歩数計に関する技術を提供する。
【解決手段】歩数計は、単位時間に計測される歩数を歩行ピッチとし、歩行ピッチと設定された歩数計利用者の身長に基づいて、歩行速度を計算する歩行速度演算部5と、歩行速度から、運動強度を計算する運動強度演算部6とを有する。前者は、歩行中のピッチ変化に対応した歩幅が一般的な歩行の特性に固定して反映された回帰式に、歩行ピッチを当てはめて得られる結果に設定された身長を乗じて歩行速度を求めるものである。後者は、歩行速度と運動強度の関係を、一つまたは複数の回帰式に、歩行速度を当てはめて得られる結果の最大値をもって運動強度とするものである。歩行速度と運動強度の2量および設定される歩数計利用者の体重から、前記2量と同じ正確さで、消費カロリーなどの前記2量以外の歩行関連情報を公知の計算式で求めることが出来る。
【選択図】図1

Description

本発明は、歩数を計測する歩数計であって、歩行距離、消費カロリー、脂肪燃焼量などの歩行関連情報を提供することのできる歩数計に関するものである。
振り子式のもの、加速度センサ式のも、基本の歩数計測のみ、或いは歩数と併せて歩行関連情報も提供する、さまざまな種類の歩数計が市販されている。
歩数計の計測歩数に関しては、JIS(日本工業規格JIS S 7200)で誤差が規定(±3%)されていることから、正確な歩数値を得ることが出来る。
歩数計の提供する歩行関連情報、なかでも、消費カロリーや脂肪燃焼量は、歩数計を健康管理にも活用している利用者には有益な情報である。しかし、この歩行関連情報に関しては、歩数のように規格が定められているわけではなく、歩数計製造者の独自の演算方式が採用され、製造者の独自の基準で評価が行われているのが現状である。
筆者にあっては健康状態改善のためにウォーキング(以下では歩行を同意語として使う)を日課とするようになり、歩数計を携帯し、歩行距離と歩行時間の基本データ(この2量を以下では原始データと呼ぶ)、ならびに歩数計が提供する歩数、消費カロリー、脂肪燃焼量などの歩行関連情報を歩行データとして記録してきた。歩行距離と歩行時間の原始データに関しては、歩行に当たり予め歩行コースを何通りか定めて距離を割り出しており、歩行を実施すれば、このコース距離と計った歩行時間を原始データとして記録することにした。
筆者は市の開催した健康づくりのための説明会に参加する機会があり、この時に厚生労働省の運動施策の一環として報告された「健康づくりのための運動指針2006<エクササイズガイド2006>」に関連した説明を受け、運動強度(メッツ)、エクササイズ、消費カロリー、脂肪燃焼量の諸量間の関係、歩行速度と運動強度の関係などの知識を得た。これらの知識を用いて、歩行記録の原始データからその歩行での消費カロリーを計算し、歩数計の消費カロリー表示値と比較分析することにした。分析結果を述べる前に、上記の諸量間の関係、そして、歩行速度と運動強度の関係は、今回の発明に深く関わるものであるため、以下に詳述しておく。
厚生労働省の運動施策の一環として報告された「健康づくりのための運動指針2006<エクササイズガイド2006>」では、体力の維持・向上を目的として行われる「運動」以外に、日常生活で行われる「生活活動」も身体活動とされ、身体活動の強さ、即ち運動強度を、安静時の何倍に相当するかで表す単位がメッツである。安静時が1メッツで、例えば、普通歩行は3メッツとされる。エクササイズ(Ex)は身体活動の量を表す単位であり、その身体活動の運動強度(メッツ)に身体活動の実施時間(時)を乗じたものである。3メッツの身体活動を30分実施すれば、1.5Exである。
消費カロリー計算についてであるが、その身体活動量に相当するエネルギー消費量は、上記厚生労働省の「健康づくりのための運動指針2006」に記載されており、身体活動を行っている者の体重によって異なり、安静時の分を含めて(1)式で計算される。
Figure 0005180396
(1)式の1.05は、安静時酸素摂取量(3.5ml/kg/分)と酸素1000ml当りのエネルギー消費量=5kcalから計算される1時間・1kg当りのエネルギー消費量であり(1)式の1.05×体重の部分が、1時間当りの基礎代謝量に相当する。1.05が概略1とされる場合もあり、この場合は、運動強度×実施時間に直接に体重が乗算される形となる。また、身長、体重、性別、年齢から公知の計算式で求められた1時間当りの基礎代謝量が使われることもある。以下では、1.05を乗ずる(1)式で説明する。尚、エネルギー消費量の単位がkcalであり、以下では、消費カロリーと表現する。
脂肪燃焼量であるが、脂肪1gの燃焼に必要な消費カロリーは7.2kcalであり(概略7kcalとされることもある)、消費カロリーから脂肪燃焼量を計算出来る。
次に、歩行速度と運動強度の関係について説明する。この関係は今回の発明の重要な技術要素の一つである。一般に、人の歩く速さは4km/時程度と言われているが、運動としての歩行の速度と運動強度に関して、厚生労働省の「健康づくりのための運動指針2006」(以下では、「厚労省運動指針2006」と省略する)には、歩行速度と運動強度が段階にわけて示され、例えば、次のような関係となる。
普通歩行 :67m/分(4.0km/時) 3メッツ
速歩 :95〜100m/分(6km/時程度) 4メッツ
かなり速歩:107m/分(6.4km/時) 5メッツ
歩行記録の原始データからその歩行での消費カロリーを計算するには、原始データの歩行距離と歩行時間から歩行速度を求め、対応する運動強度を割り出し、上記(1)式を用いて消費カロリーが計算出来る。尚、「厚労省運動指針2006」には、数段階の歩行速度に対する運動強度しか示されていないが、その間の歩行速度に対しては線形補間することで計算する。
蓄積された歩行記録データをパソコンで分析することは、便利なソフトウェアツールが提供されているため、比較的容易なことである。筆者もこれを活用して原始データに基づき(1)式で計算される消費カロリーと、歩数計の消費カロリー表示値とを比較する、グラフ化するなどの分析を行った。分析の結果、上記原始データに基づき(1)式で計算した消費カロリーと歩数計表示値の間に大きな差があること(1.5倍程度、またはそれ以上)に気付き、何故なのかと疑問を持つに至った。
ここで、市販されている歩数計の現状について簡単に触れておく。歩数計は、原理上振り子式と加速度センサ式に大別されるが、提供される歩行関連情報が、例えば歩行距離と消費カロリーなどに限定、或いは、歩行距離、歩行時間、歩行速度、運動強度、エクササイズ、消費カロリー、脂肪燃焼量などと豊富、さらには付加機能として、所定日数分のデータのメモリーが可能、データ表示が数値表示・グラフ表示と多様、データ通信機能付などさまざまなものが市販されている。歩行関連情報や付加機能が多ければ多いほど複雑な構造となり価格も高く、付加機能が無く歩行関連情報が限定された単純構造の歩数計は低価格で提供されている。
先述の通り、歩数計の歩数計測値に関してはJISで誤差が規定されており、低価格品であるために誤差が大きく正確さに欠けるということはない。しかし、歩行関連情報に関しては準拠規格が無く、特に注目している消費カロリーの正確さに関しては全く予想がつかない。
そこで、上記消費カロリーに関する疑問点について製造者に問合せてみたが、歩数計内部の独自演算方式に関することにつき開示は出来ないとの回答であった。このため、筆者は、関連情報などの調査を鋭意行った。
調査を進める中で、消費カロリーなどの計算の基礎となる歩行速度をいかに求めるかが重要な技術であることが分かった。歩数計は歩数をより正確に計測することが主機能であり、直接に歩行速度を検出しているわけではない。単位時間での歩数計測値が多くなれば歩行速度が速く、少なくなれば遅くなるが、歩数計測値から歩行速度がいくらかを正確に求めることは、容易な技術ではないことも分かった。
上記の観点にも注意を払い、特許文献調査を実施した。以下に示す特許文献1〜特許文献3に開示された技術では、いくつかの問題があることが分かった。尚、本発明は、歩数計の歩数計測値と、歩数計に設定されている歩数計利用者の身体データである身長及び体重により、消費カロリーなどの歩行関連情報を算出し歩数と併せて提供する歩数計に係わるものであるため、生体インピーダンスや脈拍数を利用するものの調査は、消費カロリーなどの演算方式の調査のみに留めた。
特許文献1には、歩行中の歩幅を、設定された身長と歩行ピッチ(単位時間の歩数計測値)で計算し、歩幅の変化にも応じた歩行速度演算を行う技術が開示されている。また、消費カロリー演算は物理学で公知の運動エネルギー式に基づくもので、速度の項に歩幅×歩行ピッチを適用する技術が開示されている。
しかし、歩幅計算は、研究により見出されたとされる回帰分析に基づく回帰式(直線)、を使うもので、後述する歩行ピッチ変化に対して歩幅変化が少なくなるピッチ範囲のことが全く考慮されておらず、歩行ピッチが上がれば上がるだけ歩幅が広く、下れば下るだけ歩幅が狭く計算され、歩行関連情報の誤差が拡大するといった問題がある。
また、消費カロリー計算に関しても、「厚労省運動指針2006」に記載の計算式の値とは大きな差があるといった問題がある。このことを示す数値計算例を以下に示す。
歩幅:0.8m、歩行ピッチ:125歩/分、体重:65kg、歩行時間:1時間として、1時間の消費カロリーを計算してみる。歩行速度=0.8×125×60=6km/時、100m/分、1.67m/秒 である。尚、歩行速度6km/時の運動強度は4メッツであり、安静時の1メッツ分は差し引いて計算する。
特許文献1での計算結果
消費カロリー(kcal)
=1/2×65×1.67×1.67×3600/4.2/1000
=77.7
「厚労省運動指針2006」に記載の計算式での計算結果
消費カロリー(kcal)
=(4−1)×1×1.05×65=205
特許文献2は、歩行ピッチと身長から歩行スピードを演算する方法(同文献の(3)式)、この歩行スピードと体重から運動負荷量を演算する方法(同文献の(4)式)が開示されている。前者の歩行スピード演算方法は、特許文献1に関しても述べたが、後述する歩行ピッチ変化に対して歩幅変化が少なくなるピッチ範囲のことが全く考慮されておらず、従って、正確な歩行スピードが求められないといった問題がある。
また、後者の、運動エネルギーに基づくとされる運動負荷量は、内容から、消費カロリーに相当する量と考えられるが、上記の正確さを欠く歩行スピードから演算される量であるため、運動負荷量もやはり、正確さを欠くといった問題がある。
特許文献3には、既存の技術とされる運動強度を求める2例の手法が記載されている。
歩行について当該2例の技術を検証してみる。歩幅:85cm、歩行ピッチ:125歩/分とすると、歩行速度は6.4km/時であり、「厚労省運動指針2006」に記載の運動強度は5メッツ、安静時の1メッツを差し引いて4メッツである。
一例目での計算結果:−7.065+0.105×125=6.06
二例目での計算結果:0.015×125×0.85+1.599=3.19
計算手法により計算結果のメッツ値が異なり、かつ、「厚労省運動指針2006」の内容と合わないといった既存の技術にも問題がある。
特許第3734429号公報(請求項1、請求項2) 特許第3916228号公報((3)式、(4)式) 特開2009−279239号公報(段落0023、0024) 「新しい運動基準・運動指針「身体活動のメッツ(METs)表」(独・国立健康・栄養研究所 健康増進プログラム エネルギー代謝プロジェクト)
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、振り子式や加速度センサ式などの歩数計測手段にかかわらず、計測された歩数と、設定されている利用者の身体データである身長と体重によって、歩数以外の歩行関連情報を歩行距離と消費カロリーなどに限定して歩数と併せて提供する、経済性を重視した構造が単純で安価な、かつ、歩数と併せて提供される歩行関連情報が実用上の正確さをもった、歩数計に関する技術を提供することにある。尚、実用上の正確さに関しては以下に述べる。
上記目的を達成するために、本発明に係わる歩数計は、歩行速度と運動強度の算出に以下の特徴的な構成を採用し、算出された歩行速度と運動強度に基づいて歩行距離や消費カロリーなどを算出して歩数と併せて表示提供する構成とする。
歩行速度の算出の構成に関しては、歩数計利用者の身長を設定する設定手段と、歩数計利用者の歩行時の歩数を計測する歩数計測手段と、前記歩数計測手段で計測される単位時間当たりの歩数を歩行ピッチとして算出し、前記歩行ピッチを歩行ピッチに関 する回帰式に代入して得られる結果と前記設定手段に設定された身長とに基づいて歩行速度を算出する演算手段とを備える構成であって、前記回帰式を、歩行ピッチに対する歩幅の身長に対する割合の変化を、前記変化に応じて複数に区分した区間ごとに歩行ピッチに関する直線で表し、前記区間ごとの直線の一次式に歩行ピッチを乗じて得られる区間ごとの二次式に対し、前記複数の区間の少なくとも一つの区間を含む歩行ピッチ範囲で回帰分析を行って得られる一つの回帰直線の回帰式とすることを特徴とする。
運動強度の算出に関しては、歩数計利用者の身長を設定する設定手段と、歩数計利用者の歩行時の歩数を計測する歩数計測手段と、前記歩数計測手段で計測される単位時間当たりの歩数を歩行ピッチとして算出し、前記歩行ピッチを歩行ピッチに関する回帰式に代入して得られる結果と前記設定手段に設定された身長とに基づいて歩行速度を算出し、前記歩行速度を歩行速度に関する一つまたは複数の回帰式に代入して得られる結果の最大値を運動強度として算出する演算手段とを備える構成であって、歩行ピッチに関する前記回帰式を、歩行ピッチに対する歩幅の身長に対する割合の変化を、前記変化に応じて複数に区分した区間ごとに歩行ピッチに関する直線で表し、前記区間ごとの直線の一次式に歩行ピッチを乗じて得られる区間ごとの二次式に対し、前記複数の区間の少なくとも一つの区間を含む歩行ピッチ範囲で回帰分析を行って得られる一つの回帰直線の回帰式とし、かつ、歩行速度に関する前記一つまたは複数の回帰式を、歩行速度に対する運動強度の関係を区分線形関数で表し、一つまたは複数に分割した歩行速度区間ごとに回帰分析を行って得られる一つまたは複数の回帰直線の回帰式とすることを特徴とする。
歩行距離や消費カロリーなどを算出して歩数と併せて表示提供する構成に関しては、歩数計利用者の少なくとも身長を設定する設定手段と、歩数計利用者の歩行時の歩数を計測する歩数計測手段と、前記歩数計測手段で計測される単位時間当たりの歩数を歩行ピッチとして算出し、前記歩行ピッチを歩行ピッチに関する回帰式に代入して得られる結果と前記設定手段に設定された身長とに基づいて歩行速度を算出し、前記歩行速度を歩行速度に関する一つまたは複数の回帰式に代入して得られる結果の最大値を運動強度として算出し、前記歩行速度と前記運動強度とに歩行時間を乗じて歩行距離とエクササイズとを算出し、前記エクササイズに基礎代謝量を乗じて消費カロリーを算出する演算手段と、前記歩数計測手段で計測された歩数と併せて前記演算手段で算出された歩行速度または歩行距離または運動強度またはエクササイズまたは消費カロリーの少なくとも一つを表示する表示手段とを備える構成であって、歩行ピッチに関する前記回帰式を、歩行ピッチに対する歩幅の身長に対する割合の変化を、前記変 化に応じて複数に区分した区間ごとに歩行ピッチに関する直線で表し、前記区間ごとの直線の一次式に歩行ピッチを乗じて得られる区間ごとの二次式に対し、前記複数の区間の少なくとも一つの区間を含む歩行ピッチ範囲で回帰分析を行って得られる一つの回帰直線の回帰式とし、かつ、歩行速度に関する前記一つまたは複数の回帰式を、歩行速度に対する運動強度の関係を区分線形関数で表し、一つまたは複数に分割した歩行速度区間ごとに回帰分析を行って得られる一つまたは複数の回帰直線の回帰式とし、かつ、前記基礎代謝量を、前記設定手段に設定された身長に加えて設定された歩数計利用者の体重の値、または前記体重に係数1.05を乗じた値、または前記設定手段にさらに加えて設定された歩数計利用者の性別と年齢と前記身長と前記体重とから計算される値のいずれかとすることを特徴とする。
以上に課題を解決するための手段について詳細に説明してきた。この手段を講ずることにより、単位時間に計測される歩数、即ち歩行ピッチと、歩数計利用者の身長のみを用いて、後述する中間ピッチ区間と歩幅変化の少なくなる下方ピッチ区間および上方ピッチ区間における一般的な歩行特性が固定して反映され、回帰分析を行って得られる実用上の正確さを保って単純化された計算式で歩行速度を求めることが出来る。そして、求められた歩行速度から「厚労省運動指針2006」他で示される公知の数値内容に合った運動強度を、回帰分析を行って得られる実用上の正確さを保って単純化された計算式で求めることが出来る。従って、本発明の解決課題である、経済性を重視した構造が単純で安価な、かつ、歩数と併せて提供される歩行距離や消費カロリーなどの歩行関連情報が実用上の正確さをもった歩数計を提供出来ることになる。
本発明に係わる実施例での歩数計の構成を表すブロック図である。 歩行速度と運動強度の関係を表すデータとグラフである。 歩行ピッチと歩幅の関係を確認するために行った歩行実験結果を表すデータとグラフである。 歩行速度と運動強度の関係を分割数を変えて折線特性化した時の特性値と誤差を表すデータとグラフである。 歩行ピッチと歩行速度の関係を表す2次関係式を回帰直線化した時の関数値と誤差を表すデータとグラフである。 歩行特性パラメタ(N2,N3)を固定値から変化させた時の歩行速度と運動強度に生じる誤差の特性を表すデータとグラフである。 歩行特性パラメタ(S2,S3)を固定値から変化させた時の歩行速度と運動強度に生じる誤差の特性を表すデータとグラフである。 歩行特性パラメタ(下傾,上傾)を固定値から変化させた時の歩行速度と運動強度に生じる誤差の特性を表すデータとグラフである。
計測される歩数から歩行速度を、歩行速度から「厚労省運動指針2006」他で示される公知の数値内容に合った運動強度を、いかにして実用上の正確さで求めるか、これが本発明の重要な技術要素であり、後者から詳述するが、その前に実用上の正確さについて言及しておく。
歩数計の計測歩数は、歩数計の応動範囲内(後に触れる)であれば、歩数計利用者の歩行特性(歩き方)にほとんど影響されることはなく、JIS規格で誤差も±3%と規定されている。一方、歩行関連情報に関しては、歩数計利用者の、身長や体重などの身体データ、歩幅や歩行ピッチなどの歩行特性に大きく影響されるため、規格で誤差を規定することは容易ではない。しかし、歩数と併せて提供される消費カロリーなどの規格に準拠しない歩行関連情報が、歩数計製造者が独自に開発した計算方式であるからと言って、公知の数値内容とかけ離れていることは問題である。以上の点、歩数の規定誤差は±3%、歩行関連情報は歩行特性に影響され誤差規定は容易ではない、しかし公知の数値内容との整合性は必要である、を勘案し、歩数計測誤差±3%を含まない、本発明の計算方式による歩行関連情報単独の正確さを、公知の数値内容などに基づき本発明で導き出した基準値の±5〜10%程度の誤差とし、本発明ではこれを、実用上の正確さ、あるいは、実用上の誤差などと呼ぶことにする。
「厚労省運動指針2006」には、107m/分のかなり速歩以上の歩行に関しては示されていないが、非特許文献1には、さまざまな身体活動に対する運動強度、即ち、メッツ値が示されており、歩行運動に関しては次のデータが示されている。このメッツ値は安静時の1メッツ分を含む値である。
67m/分(4.0km/時)硬く安定した平地 3.0メッツ
80m/分(4.8km/時)平地 適度な速度 3.3メッツ
93m/分(5.6km/時)平地 運動として小気味よい速度 3.8メッツ
107m/分(6.4km/時)平地 小気味よい速度 5.0メッツ
120m/分(7.2km/時)平地 とてもきびきびした速度 6.3メッツ
133m/分(8.0km/時) 8.0メッツ
上記データは、「厚労省運動指針2006」の記載内容とも、またインターネット上の多くの関連情報の内容ともよく合うもので、このデータを今回の発明の根拠とする。
図2は、横軸:歩行速度(km/時)、縦軸:運動強度(メッツ)とし、上記データをプロットしたものである。歩行速度と運動強度の関係は、図示していないが、区分線形補間(折れ線グラフ)から、明らかに凹型の特性の関係にある。2次関数の関係のようではあるが、この関数を決定し関数から運動強度を求めることは複雑となる。
そこで、隣接点同士を接続して出来るこの区分線形関数が凹特性であることを利用して、5つの線形(一次)関数に歩行速度Vを代入して計算される値の最大値を選べば、正確に運動強度Mを求めることができる。この方式では、歩行速度がいずれの速度区間にあるかの判定が不要であるため計算構造を単純化できる利点がある。(2)式が計算式である。尚、身体活動分を対象とする時は、安静時の1メッツ分を差し引く。
Figure 0005180396
(2)式の、Ai、Biの一例を示す。i=1に対しては、(時速,メッツ)の組として、(4.0,3.0)と(4.8,3.3)の2点から決定される1次関数であり、A1=3/8、B1=1.5である。
上記は、歩行速度4〜8km/時の範囲を5分割して、運動強度を5つの区分線形関数(一次関数)で折線特性化したもので5分割特性と呼ぶことにする。この5分割特性の(2)式が、歩行速度V(km/時)から運動強度M(メッツ)を求める基本計算式となるが、さらに分割数を少なくし構造を単純化する方法がある。5分割特性を基準にすると、単純化による誤差が予想されるが、この誤差が許容出来るものであれば、以下に説明する単純化の方法は本発明の課題解決につながるものである。
歩行速度4〜8km/時の範囲を適切に3分割(または2分割)し、分割区間の5分割特性の値に基づき分割区間ごとに、最小二乗法による回帰分析を行い、回帰直線を決定する。そして、運動強度を、決定された3つ(または2つ)の回帰直線による折線で特性化する。上記の適切に分割するとは、任意に分割し回帰直線を決定しても5分割特性との誤差が大きければその分割は選択出来ないことになり、誤差がより小さい新たな分割を求めることになる。この意味で適切に分割するという事である。
図4は、選択された3分割特性と2分割特性を、5分割特性を基準に比較したものである。特性の計算式は同図に示す通りで、5分割特性より計算式は単純になるが誤差が発生する。歩行速度のステップを小さくして誤差を細かく分析した結果、2分割特性ではV=5.7km/時の近傍で最大誤差−3.5%、3分割特性ではV=5.4km/時の近傍で最大誤差−1.7%となり、運動強度計算上の誤差は、概ね、3分割特性で2%未満、2分割特性で4%未満と言ってよい。
以上より、課題解決のための手段として、運動強度を、(2)式の5分割特性の基本計算式に替えて、次の3分割特性の(3)式を用いて求める方法を採ることができる。
(3)式括弧内のVに関する3つの1次式は、上述の回帰分析で決定される回帰直線の回帰式である。尚、身体活動分を対象とする時は、安静時の1メッツ分を差し引く。
Figure 0005180396
この(3)式によれば、歩行速度がいずれの速度区間にあるかの判定が不要であり、(2)式の基本計算式よりも計算が単純化され、かつ単純化による誤差が2%未満と実用上問題のない誤差である。尚、単純化による誤差がさらに許容出来るならば、2分割特性を採用することで、計算がより単純化されることは言うまでもない。
歩行速度を求めることが出来れば、上記(3)式から運動強度が計算出来る。さらに、これに計測された歩行時間を乗じてエクササイズが、これに1.05×体重の基礎代謝量を乗じて消費カロリーが、これを7.2で除して脂肪燃焼量が、と連なるように歩行関連情報が計算できる。従って、歩行速度が全ての歩行関連情報の基礎となるため、歩行速度をいかに正確に、詳しく言うと、実用上の正確さもって求めるかが鍵となることが理解される。以下に歩行速度を求める方法を詳述する。
先に結論を示すと、(4)式が歩行速度の計算式となる。Nが単位時間(例えば1分)の歩数、即ち歩行ピッチである。以下では、単にピッチとも呼ぶ。Lは身長であり、ウォーキング歩幅として公知の身長の0.45倍を用いる。0.45L×Nは、単位時間の歩行距離、即ち歩行速度である。しかし、0.45Lとされる歩幅は常に一定ではなく、ピッチが上ると広くも、下ると狭くもなる。これを何らかの方法で補正しなければ、正確に歩行速度を計算出来ず、結果、歩行関連情報も正確さを欠く。そこで、ピッチNに基づく歩幅の補正を、補正関数f(N)を乗ずることにより行う。
Figure 0005180396
尚、上記(4)式は、単位を揃えず、歩行速度計算式の形についてのみ示したもので、後述の実際の計算式とは、係数の有無などに違いがあることを付け加えておく。また(4)式の形自体は単純であるが、補正関数f(N)の導出はそれほど簡単ではなく、筆者が特許文献を含め関連情報の調査や、繰り返し行った歩行実験結果から導き出したものである。
健康増進・改善のために意識的に速度を上げて行う運動としての歩行、買い物や散歩に出かけるといった生活活動の一環としての歩行もある。両者のピッチと歩幅は、当然異なるものであり、前者は後者に比べ、いずれも大きくなることは容易に分かる。そこで、ピッチと歩幅の関係がどのように捉えられるかについて、まず説明する。
時速6km前後である速歩に関しては、ピッチは120〜130歩/分、歩幅は公知のウォーキング歩幅0.45L(Lは身長)に相当する。一方、上記に例示した生活活動の中での歩行も含めた、時速4km前後の普通歩行に関しては、ピッチは90〜100歩/分、歩幅は0.40L程度とされる。
次に、ピッチに対する歩幅の変化がどのようになるのかについて説明する。ピッチが90〜130歩/分の範囲にあっては、ピッチと歩幅の変化は直線的であると考えられる。この点で特許文献1での回帰直線を用いる方法は妥当であり、筆者の行った歩行実験からもほぼ直線的変化が確認された。尚、この歩行実験に関しては後述する。
しかし、問題はピッチが90歩/分以下の、130歩/分以上の範囲での歩幅変化である。この範囲にまで当該直線を延長して考えればよいわけではない。延長すれば、次の点から、歩幅計算に大きな誤差が生じ、正確な歩行速度の計算が出来なくなる。
90〜130歩/分の範囲では、ピッチを上げると同時に歩幅も広くなり、歩行速度はピッチにも歩幅にも概ね比例して増加することになる。130歩/分以上の範囲ではピッチを上げても、歩幅変化は少なく増加はわずかと考えられ、歩行速度はピッチに比例した増加が主となる。歩幅をより広げた一歩行の所要時間と、速いピッチとのバランスを維持して歩行を継続することは容易ではないためである。身長の50%歩幅で歩く人がいないとは言えないが、それはむしろ不自然な歩き方か、それとも余程下半身の筋群のトレーニングを積んだ例外的な人ではとの専門家の意見もある(http://ww2.wainet.ne.jp/〜tukasa/U_6.html)。
さらにピッチを上げると歩幅は逆に狭くなり、歩行としては不自然な、いわゆる小走りに転じ、やがて、回復した歩幅での走行へと移る。従って、運動としての自然な歩行を対象とする限り、歩数計の応動範囲としてピッチの上限(例えば150〜160歩/分の範囲の値)を設定する必要があろう。
一方、ピッチが90歩/分以下の範囲であるが、一歩行の時間に余裕があるため、歩幅を広くも、狭くもすることは可能である。しかし、上げた片足を着地させるまでは、身体を他方の足で支えておく必要があるため、ピッチと身体バランス維持の点からも、歩幅を広くすることには限界があり、かつ、不自然な歩行となる。逆に、歩幅を狭くすることは、身体バランスの問題はないが、狭くしすぎることは不自然な歩行となる。
以上から、ピッチが90歩/分以下の範囲では、自然な歩行での歩幅変化は少なく、歩幅の減少はわずかと考えられる。後述の筆者の歩行実験でもこのことを確認している。尚、ピッチが下り過ぎると、生活活動を含めた運動としての自然な歩行とは言い難くなるため、上記と同様に、歩数計の応動範囲としてピッチの下限(例えば70〜80歩/分の範囲の値)も設定することが必要であろう。
以上に定量的・定性的に、ピッチと歩幅との関係を詳述したが、この関係を検証するために筆者は歩行実験を行った。一定区間(距離550m)を、歩行ピッチを維持するために携帯した電子メトロノームの発信音に合わせて歩行し、歩行時間と歩数計の歩数を記録しデータを分析するものである。図3が実験結果を表すもので、計算された歩行ピッチと歩幅の関係をグラフ化している。ピッチ125歩/分あたり以上から歩幅増加の少ない範囲が現れ、ピッチ95歩/分あたり以下から歩幅減少の少ない範囲が現れている。実験結果は上述の内容とよく一致する。尚、筆者の身長172cmから、計算上、ウォーキング歩幅=172×0.45=77.4cm、普通歩行歩幅=172×0.40=68.8cmとなり、実験結果ともよく合う。
さて、歩幅の補正関数f(N)について説明する。記号の意味は以下の通りである。
N1:下限ピッチ (歩/分) 歩数計の応動範囲の下限ピッチ
N2:普通歩行ピッチ(歩/分) 90≦N2≦100
N3:速歩ピッチ (歩/分) 120≦N3≦130
N4:上限ピッチ (歩/分) 歩数計の応動範囲の上限ピッチ
L:身長(cm)、0.40L:普通歩行歩幅、0.45L:速歩歩幅
定量的・定性的に説明した上記の内容から、単位時間に計測された歩数、即ち、歩行ピッチをN(歩/分)として、3つの歩行ピッチ区間での歩幅補正関数f(N)は、次の(5)式、(6)式、(7)式で与えることが出来る。
普通歩行ピッチN2〜速歩ピッチN3(以下では“中間ピッチ区間”と呼ぶ)
Figure 0005180396
下限ピッチN1〜普通歩行ピッチN2(以下では“下方ピッチ区間”と呼ぶ)
Figure 0005180396
α、α´は、傾きを与える係数で、例えば、中間ピッチ区間の50%の傾きとすれば、α=0.025L/(N3−N2)、α´=1/18(N3−N2)となる。
速歩ピッチN3〜上限ピッチN4(以下では、“上方ピッチ区間”と呼ぶ)
Figure 0005180396
β、β´は、傾きを与える係数で、例えば、中間ピッチ区間の50%の傾きとすれば、β=0.025L/(N3−N2)、β´=1/18(N3−N2)となる。
以上の(5)式、(6)式、(7)式のいずれかの補正関数を用いて計算された歩幅補正値f(N)を(4)式に適用することで正確に歩行速度を求めることが出来る。
しかし、本発明の課題は、経済性を重視した構造が単純で安価な、かつ、歩数と併せて提供される歩行関連情報が実用上の正確さをもった歩数計に関する技術を提供することであり、上記(5)式、(6)式、(7)式、および(4)式による歩行速度の計算を単純化することでこの課題を解決する方法を以下に詳しく説明する。
まず、中間ピッチ区間について説明する。(5)式を、N2=95、N3=125として(4)式に適用すると、歩行速度の計算式は次のように展開される。
歩行速度V=f(N)×0.45L×N
=((N−N3)/9(N3−N2)+1)×0.45L×N
=((N−125)/270+1)×0.45L×N
=(1/600)×(N+145)×N×L
上式から時速を求めるにはさらに換算係数を乗ずるが、説明上1/600などの係数は省略する。係数以外の演算を見ると3回の乗算が必要であるが、Nの2次式部分を回帰直線で近似すれば、乗算回数を1回減らすことが出来る。高々1回の乗算回数の減少だが、近似誤差が実用上の誤差内に留まるのであれば、このような工夫を重ねることは構造を単純化し、結果、本発明の課題解決につながる。以下に具体的に説明する。尚、1/600や換算係数を含めても同じ結論になることは言うまでもない。
2次式(aN+b)×Nを、区間N2〜N3で最小二乗法により回帰分析し、回帰直線を定めると(以下では回帰直線化と言う)、回帰直線の傾きと切片は、一般式として
回帰直線の傾き:(N2+N3)×a+b
回帰直線の切片:−(N2×N2+4×N2×N3+N3×N3)×a/6
で与えられる(証明は省略する)。上式では、a=1、b=145、N2=95、N3=125であり、回帰直線の傾き:365、切片:−12025となる。つまり、
(N+145)×N≒365×N−12025
と近似することが出来る。95〜125のNに対して近似誤差は1%に満たないことが確認でき、実用上の誤差として問題ないと言える。また、1/600を上式右辺の係数と定数に乗じて一体化しておけば、上述の通り、乗算回数を減ずることが出来る。
以上は中間ピッチ区間を例に説明したが、他のピッチ区間に関しても同様に回帰直線化を行うことになり、下限ピッチN1=70、上限ピッチN4=160、下方ピッチ区間及び上方ピッチ区間での歩幅補正関数の傾きを中間ピッチ区間の50%とした時の、回帰直線化した歩行速度の計算式を、中間ピッチ区間も含めて以下に示す。尚、下方および上方ピッチ区間での近似誤差も1%未満であることが確認出来る。
中間ピッチ区間(N2=95〜N3=125)
Figure 0005180396
下方ピッチ区間(N1=70〜N2=95)
Figure 0005180396
上方ピッチ区間(N3=125〜N4=160)
Figure 0005180396
Figure 0005180396
尚、(8)式〜(10)式のNの一次式が係数も含めた回帰式である。
歩行ピッチNがいずれのピッチ区間かを判定し、単純化された(8)式、(9)式、(10)式のいずれかにより歩行速度を1%未満の誤差で計算出来ることになる。
歩行速度をkm/時として求めるには、換算係数60/100/1000を(8)式〜(10)式に乗ずるが、これを回帰式の係数、定数と一体化して新しい値とした場合も、歩行速度の計算式は、係数k、定数cを用いて、V=(k×N+c)×L、の単純な形となる。括弧内が換算係数を含めた回帰式となる。尚、換算係数を乗ずる前の(8)式〜(10)式における回帰式の定数cは負の値である。例えば、(8)式では、c=−(24050/1200)である。
上記の方法はピッチ区間の判定が必要だが、計算式が単純化され単純化の誤算も1%未満と課題解決の手段と出来る1つの方法である。下記の方法は、誤差が多少増加するが、ピッチ区間の判定が不要な、より単純化された歩行速度の計算方法である。
各ピッチ区間での(8)式、(9)式、(10)式の回帰直線化する前の3つのNの2次式、下方ピッチ区間:(N+385)×N、中間ピッチ区間:2(N+145)×N、上方ピッチ区間:(N+415)×N、をピッチ区間を通して回帰直線化する方法である。これも一般式で求めることが出来るが複雑になるためパソコンを活用した。ピッチ区間を70〜160、80〜150の2通りとし、2.5ステップのデータ、即ち、N=70(80)+2.5i(i=0、1、2・・・)と2次式の値に基づいて、回帰直線を決定した。決定された回帰直線は次の2つである。
ピッチ区間70〜160を通して回帰直線化 684×N−18156
ピッチ区間80〜150を通して回帰直線化 696×N−19939
図5は、元の2次式と回帰直線の値および誤差を示したものである。ピッチ80以下では誤差が5%を超え、ピッチ115前後当たりまでは3%未満、それ以上では1%未満と、3つのピッチ区間ごとに回帰直線化した場合の計算式より誤差は大きい。回帰直線のいずれを選択するかに関しては、自然な身体活動としての歩行ピッチ、さらには、歩数計に内蔵の振り子や加速度センサの歩行ピッチに対する応答性能(筆者はピッチ80以下、或いは、ピッチ150以上で歩行した時に歩数計の歩数値が予想値より少ないことを経験、つまり、センサが正しく応答していない)を考慮すれば、計算式の誤差の問題はピッチ区間80〜150で考えておけばよいと言える。
ピッチ区間80〜150を通して回帰直線化した直線での誤差は、図5から、ピッチ区間80〜85:4%未満、ピッチ区間85〜110:2%未満、ピッチ区間110〜150(160):1%未満となる。歩行ピッチ85以下で誤差が大きくなるが、それ以上の歩行ピッチでは、ピッチ区間により2%未満、もしくは、1%未満と実用上問題のない誤差と考えられる。
この方法は、歩行ピッチN(歩/分)と歩数計利用者の身長L(cm)のみで、ピッチ区間の判定が不要で、かつ、次の(11)式だけで、歩行速度V(km/時)を実用上問題のない誤差で求めることが出来る、課題解決の有効な手段と言える。
Figure 0005180396
(11)式で歩行速度Vを求め、これを(3)式に適用して運動強度Mが求められるが、これらの計算式は、実用上問題のない誤差で計算式を単純化したものである。また、(11)式は、中間ピッチ区間と歩幅変化の少なくなる下方及び上方ピッチ区間での歩行特性を決めるパラメタを、一般的に言われている数値内容や筆者自らの歩行実験結果に基づき、次に示す数値に固定して導出したものである。
下限ピッチ N1= 70
普通歩行ピッチ N2= 95 普通歩幅係数S2=0.40
速歩ピッチ N3=125 速歩歩幅係数S3=0.45
上限ピッチ N4=160
上方及び下方ピッチ区間での歩幅変化の割合(傾き):中間ピッチ区間の50%
これらの数値を歩数計利用者が自らの歩行特性に合わせて設定出来るようにすることも可能であるが、身長、体重のように親しく扱う数値ではなく、設定が煩雑で構造が複雑となる。これは本発明の課題解決に反し、上記の数値に固定化することで構造の大幅な単純化を図ることが出来る。この単純化による誤差について以下に述べる。
歩数計利用者が上記の固定値から離れた歩行特性である時に、(11)式で計算される歩行速度、これを(3)式に適用して計算される運動強度に生ずる誤差は、計算式の単純化(近似)と特性の固定化などによる誤差を含む総合誤差、つまり、本発明に係わる歩数計の構造上の誤差であり、歩数計が提供する歩行関連情報の正確さ、即ち、実用性能を決定することになる。従って、この総合誤差の検証は不可欠である。
そこで、歩行速度V(km/時)と運動強度M(メッツ)に関して、歩行特性のパラメタを固定値から変化させた時の、本発明に係わる固定値の(11)式で求めた歩行速度と、これを(3)式に適用して求めた運動強度の計算値と、本来の計算式による計算値を、以下の条件で計算し検証した。尚、身長はL=170cmとしている。
本来の計算式での計算
歩行速度V:歩行ピッチ区間に応じた(5)式、(6)式、(7)式と、
速度(km/時)への換算係数を乗じた(4)式より計算
運動強度M:上記の歩行速度計算値を5分割特性の(2)式に適用して計算
歩行特性パラメタの固定値からの変化
(N2,N3):( 95,125)→( 95,135)、( 95,115)
変化幅: ±10 ( 85,125)、(105,125)
(S2,S3):(40%,45%)→( 40, 47)、( 40, 43)
変化幅: ±2% ( 38, 45)、( 42, 45)
(下傾,上傾):(50%,50%)→( 50,100)、( 50, 0)
変化幅:±50% ( 0, 50)、(100, 50)
説明の都合上、3種類の特性パラメタ(N2,N3)、(S2,S3)、(下傾,上傾)を(N)、(S)、(傾)と簡略化して表すことにする。1種類の特性パラメタを変化させる時は、残り2種類は固定値にフィックスさせる方法で数値検証を行った。図6は(N)を、図7は(S)を、図8は(傾)を固定値から上記の4組の数値に変化させ、歩行速度と運動強度を、本発明の計算式と本来の計算式で計算した時の値と誤差のデータとグラフを表す。これらの図の、誤差のグラフの5つの記号、黒丸、四角、三角、菱形、白丸は、この記号順に、同図の誤差のデータの表の1段目から5段目のデータに順に対応する。図6、図7、図8の誤差について以下のように集約される。
誤差が概ね±5%以内の区間 区間80〜150での誤差
(N)歩行速度V 85〜150 概ね± 6%以内
運動強度M 80〜125 概ね±10%以内
(S)歩行速度V 100〜145 概ね± 9%以内
運動強度M 85〜120 概ね±12%以内
(傾)歩行速度V 85〜150 概ね± 6%以内
運動強度 85〜135 概ね± 9%以内
図6、図7、図8の誤差のデータは、誤差を概数で捉えるために小数部分を丸めて表している。この意味で、上記集約結果の誤差表記に概ねと付している。この集約結果から、誤差が概ね±5%以内の区間は、普通歩行ピッチN2=95、速歩ピッチN3=125と固定して定めた中間ピッチ区間をほぼカバーしている。また、区間80〜150では、歩行速度は概ね±9%以内、運動強度は概ね±12%以内である。
以上により、本発明に係わる計算式で計算される歩行速度や運動強度の値に含まれる誤差(総合誤差)は、歩数計利用者の歩行特性が固定化した特性より上記の変化幅程度乖離しても、歩行ピッチが95〜125にあっては、概ね±5%以内、区間80〜150にあっては、歩行速度では概ね±9%以内、運動強度では概ね±12%以内となり、最初に言及した、歩行関連情報に関する本発明での実用上の誤差±5〜10%程度とほぼ一致することになる。従って、本発明に係わる計算式は、課題解決のための有効な手段であると結論付けることが出来る。尚、歩行関連情報の歩行距離、エクササイズ、問題の消費カロリー、脂肪燃焼量などは、歩行速度、運動強度に、計測時間(歩行関連情報を提供する歩数計では一般に時計機能が内蔵されており、誤差が無視出来る正確な時間情報が得られる)や体重設定値、定数など誤差のない値が乗算されるだけであり、これらの情報の誤差も上記と変わらないことは言うまでもない。
上記の内容に関連して2点を付け加えておく。1点目は特性パラメタの変化幅に関し、2点目は3種類の特性パラメタの同時変化に関してである。1点目の変化幅に関して説明する。(傾)で定めた固定値の50%は、この特性パラメタに関する公知の数値が見つからないため、0%と100%の平均値としている。このため変化幅をあえて大きく50%(率で100%)とした。(N)の10は、10/110(=95と125の平均値)で約10%、(S)の変化幅の2%は、2/42.5(=40と45の平均値)で約5%であるが、決して小さい値ではない。ちなみに(S)の変化幅については、身長L=170cmで、45%歩幅:76.5cm、47%歩幅:79.9cmとなり、身長172cmの筆者の歩行経験からも妥当な変化幅と考える。
3種類の特性パラメタの同時変化に関して説明する。上記の検証は変化させる特性パラメタを1種類のみとした場合であるが、3種類を同時に、かつ、各種類の2つのパラメタを同時に変化させた時の誤差も検証している。この時は、同時変化であるため変化幅を上記の1/2とし、4×4×4=64通りの組み合わせで同様の数値検証を行った。次に説明する6通り以外の組み合わせに対しては、変化幅を1/2としていることもあり、上記の集約結果とほとんど同じ結果を得た。
6通りの組み合わせにおいても、歩行速度の誤差は上記の集約結果と同程度であり、運動強度の誤差が、概ね±5%区間は85〜120であるが、上方ピッチ区間で大きくなる。6通りの組み合わせと誤差の程度を(N)、(S)、(傾)、誤差の順に示す。
(100,120)、(39,46)、(25もしくは75,75)概ね±25%以内
(100,120)、(41,46)、(25もしくは75,75)概ね±18%以内
( 90,120)、(39,46)、(25もしくは75,75)概ね±17%以内
誤差拡大の理由は、25%の組では、中間ピッチ区間が狭くなり(30→20)、同区間での歩幅補正関数f(N)の傾きが大きくなり(5/30→7/20)、上方ピッチ区間での傾きも大きくなり(5/30×50%→7/20×75%)、固定値からの乖離が大きくなっているためと考えられる。このことから考えると、下の組も同様の理由であり、25%、18%、17%は数値的にも整合性がある。この6通りは、数値検証下での組み合わせで、特に上方ピッチ区間での歩幅増加が尋常ではなく、自然な歩行とは言い難く、総合誤差の評価対象から除いてもよいと考えられる。
以下に本発明の実施例について説明する。図1が本発明に係わる歩数計の構成を示すブロック図である。
最初に、歩行ピッチを演算する単位時間と、各種演算を一巡する演算周期について説明しておく。ピッチの単位は通常、歩/分であるため、実施例においても単位時間を1分とする。これ以外の時間でも全く問題はない。
昨今、電子回路を内蔵する民生製品の多くにMPU(マイクロプロセサ)が搭載されている。MPUの性能、機能も多岐に渡り、経済性を重視して演算速度の遅いMPUを選択したとしても、上記の単位時間1分は、MPUにとってあり余る時間である。
1分の単位時間の歩数計測値からピッチを求め、各種の歩行関連情報の演算を行ったとしても、所要時間は100ms、200msといったものであろう。そこで、次の歩数計測値が得られる1分の単位時間を待つのではなく、例えば、1/6の10秒を演算周期とし、演算周期毎の歩数値を、最古を捨て最新を残す形で一定量メモリーするようにすれば、メモリー内の最新歩数値から単位時間前の歩数値を減算して、当該演算周期での単位時間の歩数値と出来る。このような移動演算方法を採れば、MPUを効率よく活用出来る。
MPU及びその周辺機能は、本発明に係わる歩数計の技術とは直接関係しないため、図1の実施例では省略しているが、演算周期、メモリー、移動演算方法などMPUベースを念頭に説明を進める。尚、説明上演算周期を10秒としておく。1秒でも可能であろうが、歩数変化が少ない割にメモリー量が多くなる欠点がある。ただし、表示部(歩数計利用者とのマンマシンインターフェイス)は10秒周期では、応答性が悪く、例えば、10秒の最初の1秒は演算、残り9秒はマンマシン処理などとなろう。
図1の1〜8の数字の符号を付したブロックについて説明する。設定値記憶部1は、歩行速度と消費カロリー演算に必要となる歩数計利用者の身体データである、身長設定値L(cm)、体重設定値W(kg)の記憶部である。
歩数計測部2は、歩数計の基本機能である歩行運動による歩数の計測部である。振り子式、加速度センサ式などの歩数計測手段は問わない。既存の技術を用いて、規格の誤差内で精度の高い計測部を構成することが可能である。
タイマ3は、10秒の演算周期毎に起動信号を発し、歩行ピッチ演算部4に与えられ、当該演算周期が開始する。以下に示す各種演算処理は、当該演算周期でのものである。
歩行ピッチ演算部4は、上記起動信号に基づき、歩数計測部2の最新の歩数計測値を取り込み、上述の最古を捨て最新を残す形でメモリーされている歩数値データを更新する。そして、最新データから、6データ前(単位時間前)のデータを減算して、当該演算周期での単位時間歩数値、即ち歩行ピッチN(歩/分)を得る。
歩行ピッチ演算部4の出力である歩行ピッチNは、設定値記憶部1に記憶される歩数計利用者の身長設定値L(cm)とともに、歩行速度演算部5に入力され、歩行速度V(km/時)が、先に示した(11)式に従って計算される。具体的に説明すると、同部5に入力された歩行ピッチNを、Nに関する回帰式に当てはめて、即ち、係数k=0.000348が乗算され、これに定数c=−0.00997が加算されて、得られる結果に、同部5に入力の身長設定値Lが乗算され、歩行速度Vが計算される。
歩行速度演算部5の出力の歩行速度Vは、運動強度演算部6に入力され、先に示した3分割特性の(3)式に従って運動強度M(メッツ)が計算される。具体的には、3つの回帰式、0.45V+1.19、1.42V−4.09、1.98V−7.90に、同部6に入力された歩行速度Vを当てはめて得られる結果の最大値を、身体活動分のみの時は最大値から1を減算し、運動強度Mとして求める。
運動強度演算部6の出力である運動強度Mは、設定値記憶部1に記憶される歩数計利用者の体重設定値W(kg)とともに、消費カロリー演算部7に入力され、先に示した(1)式に従って、(1)式での実施時間を1(時間)として、1時間相当の消費カロリーK(kcal)が計算される。具体的に説明すると、同部7に入力された運動強度Mに、同部7に入力された体重設定値Wに係数1.05が乗算された基礎代謝量を乗算して、1時間相当の消費カロリーKが計算される。1時間値とする理由は、演算周期時間が設計上変更されても同部7の構造の変更を不要とするためである。
当該演算周期での演算結果である、歩行速度演算部5での歩行速度Vと消費カロリー演算部7での消費カロリーKは、演算部と表示部8に入力される。消費カロリーKは1時間相当の値として、また、歩行速度Vも時速として計算しているためVの値は1時間相当の距離であり、両者に共通に演算周期時間1/360(10秒)を乗ずることで当該演算周期での値に変換される。また、同部8の表示部では、歩行距離や消費カロリーの累計値を表示することになるため、累計演算も必要となる。これらの変換演算や累計演算が同部8の演算部でV、Kに対して共通に行われる。歩行速度演算部5や消費カロリー演算部7で個別に上記の変換演算や累計演算を行うよりも構造が単純であり、演算周期時間が設計上変更されても同部8の演算部のみの変更で済む。
演算部と表示部8に入力された歩行速度Vと消費カロリーKは、同部8の演算部にメモリーされている1演算周期前の各累計値に加算される形で更新される。歩行速度Vと消費カロリーKの累計値に、最後に1/360を乗じて表示データに変換される。
これらの表示データは、歩行関連情報として、歩数とともに、演算部と表示部8の表示部より歩数計利用者が確認することができる。設定値記憶部1の設定値は、同部8にも入力されており、同部8の表示部を介して設定値の確認や変更がなされる。
最後に、図1の点線で示される内容に関して説明しておく。運動強度演算部6の出力は運動強度M(メッツ)であるが、この値は1時間の身体活動量、即ち、エクササイズ(Ex)の値そのものであり、これに演算周期時間1/360(10秒)を乗ずることで当該演算周期での値に変換出来る。さらに、表示の形式としては累計値である。従って、同部6の出力を演算部と表示部8に直接入力して(同図の横の点線矢印)、上述の歩行距離や消費カロリーと同様に累計演算と変換演算を行えば、エクササイズも歩行関連情報として提供できることになる。尚、同部8へ入力される歩行速度Vと上記の運動強度Mを、累計値だけの扱いではなく、本来の即時値としても扱い、同部8の演算部で、例えば平均値や最大値に加工して、同部8の表示部より表示提供することも、構造を大幅に変更することなく可能である。
図6の縦の点線矢印について説明する。最初に説明したが、脂肪燃焼量は消費カロリーを所定値7.2で除算するだけで求められる。従って、これを歩行関連情報として提供(表示)する場合は、表示される消費カロリーの値を7.2で除算して表示すればよいことになる。逆はあっても、歩行関連情報として消費カロリーは提供せず脂肪燃焼量だけを提供することは、まずないと言える。
本発明によれば、振り子式や加速度センサ式などの既存の歩数計測手段を問わず、単位時間に計測される歩数、即ち歩行ピッチと、設定された歩数計利用者の身体データである身長に基づき、中間ピッチ区間と歩幅変化の少なくなる下方ピッチ区間および上方ピッチ区間における歩行特性が、歩数計利用者が行う設定の煩雑さと歩数計構造の複雑さ避けるために一般的な歩行特性に固定して反映され、実用上の正確さを保って単純化された計算式で歩行速度を求めることが出来、この歩行速度から「厚労省運動指針2006」他で示される公知の数値内容に合った運動強度を、実用上の正確さを保って単純化された計算式で求めることが出来る。そして、この2量から、2量以外の歩行関連情報である、歩行距離を、エクササイズを、設定される歩数計利用者の身体データである体重によって消費カロリーを、脂肪燃焼量を、上記2量と同じ正確さで公知の計算式により計算することが可能となる。
本発明の解決課題の1つである経済性を重視した構造が単純で安価な歩数計とするためには、歩行関連情報は、例えば、歩行距離と消費カロリーなどに限定すればよく、設計上余裕があれば増やせばよい。かくして、構造が単純な、従って安価な、かつ、歩数と併せて提供される歩行関連情報が実用上の正確さをもった歩数計を提供でき、産業上の利用可能性は非常に大きいと言える。
1 設定値記憶部
2 歩数計測部
3 タイマ
4 歩行ピッチ演算部
5 歩行速度演算部
6 運動強度演算部
7 消費カロリー演算部
8 演算部と表示部

Claims (3)

  1. 歩数計利用者の身長を設定する設定手段と、歩数計利用者の歩行時の歩数を計測する歩数計測手段と、前記歩数計測手段で計測される単位時間当たりの歩数を歩行ピッチとして算出し、前記歩行ピッチを歩行ピッチに関する回帰式に代入して得られる結果と前記設定手段に設定された身長とに基づいて歩行速度を算出する演算手段とを備えた歩数計であって、前記回帰式を、歩行ピッチに対する歩幅の身長に対する割合の変化を、前記変化に応じて複数に区分した区間ごとに歩行ピッチに関する直線で表し、前記区間ごとの直線の一次式に歩行ピッチを乗じて得られる区間ごとの二次式に対し、前記複数の区間の少なくとも一つの区間を含む歩行ピッチ範囲で回帰分析を行って得られる一つの回帰直線の回帰式とすることを特徴とする歩数計。
  2. 歩数計利用者の身長を設定する設定手段と、歩数計利用者の歩行時の歩数を計測する歩数計測手段と、前記歩数計測手段で計測される単位時間当たりの歩数を歩行ピッチとして算出し、前記歩行ピッチを歩行ピッチに関する回帰式に代入して得られる結果と前記設定手段に設定された身長とに基づいて歩行速度を算出し、前記歩行速度を歩行速度に関する一つまたは複数の回帰式に代入して得られる結果の最大値を運動強度として算出する演算手段とを備えた歩数計であって、歩行ピッチに関する前記回帰式を、歩行ピッチに対する歩幅の身長に対する割合の変化を、前記変化に応じて複数に区分した区間ごとに歩行ピッチに関する直線で表し、前記区間ごとの直線の一次式に歩行ピッチを乗じて得られる区間ごとの二次式に対し、前記複数の区間の少なくとも一つの区間を含む歩行ピッチ範囲で回帰分析を行って得られる一つの回帰直線の回帰式とし、かつ、歩行速度に関する前記一つまたは複数の回帰式を、歩行速度に対する運動強度の関係を区分線形関数で表し、一つまたは複数に分割した歩行速度区間ごとに回帰分析して得られる一つまたは複数の回帰直線の回帰式とすることを特徴とする歩数計。
  3. 歩数計利用者の少なくとも身長を設定する設定手段と、歩数計利用者の歩行時の歩数を計測する歩数計測手段と、前記歩数計測手段で計測される単位時間当たりの歩数を歩行ピッチとして算出し、前記歩行ピッチを歩行ピッチに関する回帰式に代入して得られる結果と前記設定手段に設定された身長とに基づいて歩行速度を算出し、前記歩行速度を歩行速度に関する一つまたは複数の回帰式に代入して得られる結果の最大値を運動強度として算出し、前記歩行速度と前記運動強度とに歩行時間を乗じて歩行距離とエクササイズとを算出し、前記エクササイズに基礎代謝量を乗じて消費カロリーを算出する演算手段と、前記歩数計測手段で計測された歩数と併せて前記演算手段で算出された歩行速度または歩行距離または運動強度またはエクササイズまたは消費カロリーの少なくとも一つを表示する表示手段とを備えた歩数計であって、歩行ピッチに関する前記回帰式を、歩行ピッチに対する歩幅の身長に対する割合の変化を、前記変化に応じて複数に区分した区間ごとに歩行ピッチに関する直線で表し、前記区間ごとの直線の一次式に歩行ピッチを乗じて得られる区間ごとの二次式に対し、前記複数の区間の少なくとも一つの区間を含む歩行ピッチ範囲で回帰分析を行って得られる一つの回帰直線の回帰式とし、かつ、歩行速度に関する前記一つまたは複数の回帰式を、歩行速度に対する運動強度の関係を区分線形関数で表し、一つまたは複数に分割した歩行速度区間ごとに回帰分析して得られる一つまたは複数の回帰直線の回帰式とし、かつ、前記基礎代謝量を、前記設定手段に設定された身長に加えて設定された歩数計 利用者の体重の値、または前記体重に係数1.05を乗じた値、または前記設定手段にさらに加えて設定された歩数計利用者の性別と年齢と前記身長と前記体重とから計算される値のいずれかとすることを特徴とする歩数計。
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