JP5176976B2 - 硬化性組成物 - Google Patents

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本発明は、硬化性組成物に関し、さらに詳しくは、ガスバリア性、有機基板上への密着性が高く、さらに厚膜の硬化物の形成が可能な、発光ダイオードの封止材等に利用しうる硬化性組成物に関する。
主鎖にケイ素を含有した重合体(含ケイ素重合体)は、一般に高い耐久性を有する硬化体を得ることができ、コーティング材料等に利用されている。
上記含ケイ素重合体としては、主鎖にケイ素原子と炭素原子とを有するポリカルボシランや、主鎖にケイ素原子と酸素原子とを有するポリシロキサン等が知られている。
カルボシラン系の材料は、ガスバリア性や有機基板上への密着性に優れるという特性を有している。一方、ポリシロキサン系の材料は、ミリメートルオーダーでの厚膜成形が可能である。
しかし、ガスバリア性、有機基板上への密着性が高く、さらに厚膜の硬化物の形成が可能であり、発光ダイオードの封止材等に利用しうる含ケイ素重合体は知られていない。
特開2005−171021号公報 特開2005−343998号公報
本発明は、ガスバリア性、有機基板上への密着性が高く、さらに厚膜の硬化物の形成が可能であり、発光ダイオードの封止材等に利用しうる組成物を提供することを目的とする。
前記目的を達成する本発明は、(A)下記一般式(1)で表される繰り返し単位および下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有する重合体、および(B)硬化剤を含有することを特徴とする硬化性組成物である。
Figure 0005176976
(式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4の置換されていてもよいアルキル基、または炭素数3〜10の環状炭化水素基を示し、X1はメチレン基または炭素数2〜4の2価の炭化水素基を示す。)
Figure 0005176976
(式(1)中、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4の置換されていてもよいアルキル基、またはエポキシ基を有する1価の有機基を示し、X2はメチレン基または炭素数2〜4の2価の炭化水素基を示す。ただし、R3またはR4の内少なくとも一方はエポキシ基を有する1価の有機基である。)
前記硬化性組成物の好適な態様として、前記(A)重合体のエポキシ当量が200〜10000であり、
前記(A)重合体は、1気圧、25℃において液状であり、
前記(A)重合体が、(1)Si−H結合を有するポリカルボシランと(2)炭素-炭素多重結合およびエポキシ基を有する化合物とを反応させることにより得られ、
前記(a1)ポリカルボシランは、1気圧、25℃で液状であり、
前記(1)ポリカルボシランは、数平均分子量が300〜1,000,000であり、かつ有機溶媒に可溶であり、
前記(B)硬化剤は、金属キレート化合物、酸無水物、および白金からなる群より選ばれる少なくとも1つであり、
発光ダイオードの封止材として用いられる。
本発明の硬化性組成物によれば、ガスバリア性、有機基板上への密着性が高く、さらに厚膜の硬化物の形成が可能であり、この硬化物は発光ダイオードの封止材等として好適に使用することができる。
図1は、実施例1で得られたポリジメチルカルボシラン(1)の1H−NMRスペクトルである。 図2は、実施例1で得られたポリジメチルカルボシラン(1)のIRスペクトルである。
本発明の硬化性組成物は、(A)重合体と(B)硬化剤とを含有する。
(A)重合体
(A)重合体は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位および下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有する。
(A)重合体において、繰り返し単位(1)により構成される部分と繰り返し単位(2)により構成される部分とのモル比((1):(2))が、90:10〜5:95であることが望ましく、より好ましくは80:20〜10:90であり、さらに好ましくは70:30〜20:80である。本発明に係る硬化性組成物において、繰り返し単位(2)の含有量がモル比で90:10より小さいと、本硬化性組成物が硬化性不良となる傾向がある。
前記(A)重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が300〜1000000であることが好ましく、700〜300000がより好ましく、1000〜100000が特に好ましい。前記(A)重合体の重量平均分子量が前記範囲内であると、(A)重合体は常温・常圧下で液状であり、本硬化性組成物を無溶剤で成形加工することが可能となる点で好ましい。
前記(A)重合体は、エポキシ当量が200〜10000であることが好ましく、300〜5000がより好ましく、400〜3000が特に好ましい。エポキシ当量が200より小さいと、本硬化性組成物から得られる硬化物の耐熱性および耐光性が十分ではなく、エポキシ当量が10000より大きいと、本硬化性組成物の硬化が不十分になる場合が多い。
なお、この値は JIS C2105に準拠した方法によって測定することできる。
また、前記(A)重合体は、1気圧で、25℃において液体であることが好ましい。前記(A)重合体がこの条件で液体であると、本硬化性組成物の無溶剤での成形加工が可能となる点で好ましい。
(繰り返し単位(1))
Figure 0005176976
一般式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4の置換されていてもよいアルキル基、または炭素数3〜10の環状炭化水素基を示す。ただし、前記アルキル基には、エポキシ基を置換基として有するものは含まれない。
前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。このアルキル基が有していてもよい置換基としては、水素原子、カルボニル基、アルデヒド基、ケトン基、エステル基、アミド基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基等が挙げられる。R1およびR2としては、メチル基が好ましい。
炭素数3〜10の環状炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基等の環状飽和炭化水素基、およびフェニル基等の環状不飽和炭化水素基が挙げられ、シクロへキシル基が好ましい。
1は、メチレン基または炭素数2〜4の2価の炭化水素基を示す。前記炭素数2〜4の2価の炭化水素基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。X1としては、メチレン基、エチレン基等が好ましい。
(繰り返し単位(2))
Figure 0005176976
一般式(1)中、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4の置換されていてもよいアルキル基、またはエポキシ基を有する1価の有機基を示す。ただし、R3またはR4の内少なくとも一方はエポキシ基を有する1価の有機基である。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。このアルキル基が有していてもよい置換基としては、水素原子、カルボニル基、アルデヒド基、ケトン基、エステル基、アミド基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基等が挙げられる。R3およびR4としては、メチル基、エチル基が特に好ましい。
2は、メチレン基または炭素数2〜4の2価の炭化水素基を示す。前記炭素数2〜4の2価の炭化水素基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。X2としては、メチレン基、エチレン基等が好ましい。
(その他の構成単位)
本発明の重合体は、その他の構成単位として下記に記載されている少なくとも1種のシラン化合物由来の構成単位を含有していてもよい。
このようなシラン化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリ−n−プロポキシシラン、トリ−iso−プロポキシシラン、トリ−n−ブトキシシラン、トリ−sec−ブトキシシラン、トリ−tert−ブトキシシラン、トリフェノキシシラン、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、フルオロトリ−n−プロポキシシラン、フルオロトリ−iso−プロポキシシラン、フルオロトリ−n−ブトキシシラン、フルオロトリ−sec−ブトキシシラン、フルオロトリ−tert−ブトキシシラン、フルオロトリフェノキシシランなど;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−sec−ブトキシシラン、メチルトリ−tert−ブトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリ−sec−ブトキシシラン、エチルトリ−tert−ブトキシシラン、エチルトリフェノキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−プロポキシシラン、ビニルトリ−iso−プロポキシシラン、ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリ−sec−ブトキシシラン、ビニルトリ−tert−ブトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−sec−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、n−プロピルトリフェノキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、i−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、i−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、i−プロピルトリ−sec−ブトキシシラン、i−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、i−プロピルトリフェノキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、n−ブチルトリフェノキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチルトリエトキシシラン、sec−ブチル−トリ−n−プロポキシシラン、sec−ブチル−トリ−iso−プロポキシシラン、sec−ブチル−トリ−n−ブトキシシラン、sec−ブチル−トリ−sec−ブトキシシラン、sec−ブチル−トリ−tert−ブトキシシラン、sec−ブチル−トリフェノキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、t−ブチルトリフェノキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−iso−プロポキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリ−sec−ブトキシシラン、フェニルトリ−tert−ブトキシシラン、フェニルトリフェノキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−トリフロロプロピルトリエトキシシランなど;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジメチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジメチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジメチル−ジ−sec−ブトキシシラン、
ジメチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジエチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジエチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジエチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジエチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−フェノキシシラン、ジ−iso−プロピルジメトキシシラン、ジ−iso−プロピルジエトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−フェノキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジ−sec−ブチルジメトキシシラン、ジ−sec−ブチルジエトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシシラン、ジ−tert−ブチルジエトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニル−ジ−エトキシシラン、ジフェニル−ジ−n−プロポキシシラン、ジフェニル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジフェニル−ジ−n−ブトキシシラン、ジフェニル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン、ジビニルトリメトキシシランなど;テトラクロロシラン、テトラブロモシラン、テトラヨードシラン、トリクロロシラン、トリブロモシラン、トリヨードシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、n−プロピルトリクロロシラン、イソプロピルトリクロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、t−ブチルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、フェネチルトリクロロシラン、2−ノルボルニルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、メチルトリブロモシラン、エチルトリブロモシラン、n−プロピルトリブロモシラン、イソプロピルトリブロモシラン、n−ブチルトリブロモシラン、t−ブチルトリブロモシラン、シクロヘキシルトリブロモシラン、フェネチルトリブロモシラン、2−ノルボルニルトリブロモシラン、ビニルトリブロモシラン、フェニルトリブロモシラン、メチルトリヨードシラン、エチルトリヨードシラン、n−プロピルトリヨードシラン、イソプロピルトリヨードシラン、n−ブチルトリヨードシラン、t−ブチルトリヨードシラン、シクロヘキシルトリヨードシラン、フェネチルトリヨードシラン、2−ノルボルニルトリヨードシラン、ビニルトリヨードシラン、フェニルトリヨードシラン、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、ジ−n−プロピルジクロロシラン、ジイソプロピルジクロロシラン、ジ−n−ブチルジクロロシラン、ジ−t−ブチルジクロロシラン、ジシクロヘキシルジクロロシラン、ジフェネチルジクロロシラン、ジ−2−ノルボルニルジクロロシラン、ジビニルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ジメチルジブロモシラン、ジエチルジブロモシラン、ジ−n−プロピルジブロモシラン、ジイソプロピルジブロモシラン、ジ−n−ブチルジブロモシラン、ジ−t−ブチルジブロモシラン、ジシクロヘキシルジブロモシラン、ジフェネチルジブロモシラン、ジ−2−ノルボルニルジブロモシラン、ジビニルジブロモシラン、ジフェニルジブロモシラン、ジメチルジヨードシラン、ジエチルジヨードシラン、ジ−n−プロピルジヨードシラン、ジイソプロピルジヨードシラン、ジ−n−ブチルジヨードシラン、ジ−t−ブチルジヨードシラン、ジシクロヘキシルジヨードシラン、ジフェネチルジヨードシラン、ジ−2−ノルボルニルジヨードシラン、ジビニルジヨードシラン、ジフェニルジヨードシラン、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、トリ−n−プロピルクロロシラン、トリイソプロピルクロロシラン、トリ−n−ブチルクロロシラン、トリ−t−ブチルクロロシラン、トリシクロヘキシルクロロシラン、トリフェネチルクロロシラン、トリ−2−ノルボルニルクロロシラン、トリビニルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン、トリメチルブロモシラン、トリエチルブロモシラン、トリ−n−プロピルブロモシラン、トリイソプロピルブロモシラン、トリ−n−ブチルブロモシラン、トリ−t−ブチルブロモシラン、トリシクロヘキシルブロモシラン、トリフェネチルブロモシラン、トリ−2−ノルボルニルブロモシラン、トリビニルブロモシラン、トリフェニルブロモシラン、トリメチルヨードシラン、トリエチルヨードシラン、トリ−n−プロピルヨードシラン、トリイソプロピルヨードシラン、トリ−n−ブチルヨードシラン、トリ−t−ブチルヨードシラン、トリシクロヘキシルヨードシラン、トリフェネチルヨードシラン、トリ−2−ノルボルニルヨードシラン、トリビニルヨードシラン、トリフェニルヨードシラン、ヘキサクロロジシロキサン、ヘキサブロモジシロキサン、ヘキサヨードシジシロキサン、ヘキサメトキシジシロキサン、ヘキサエトキシジシロキサン、ヘキサフェノキシジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタメトキシ−3−メチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエトキシ−3−メチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタフェノキシ−3−メチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタメトキシ−3−エチルジシロキサン、
1,1,1,3,3−ペンタエトキシ−3−エチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタフェノキシ−3−エチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタメトキシ−3−フェニルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエトキシ−3−フェニルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタフェノキシ−3−フェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジエチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジエチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ジエチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,1,3−トリメトキシ−1,3,3−トリメチルジシロキサン、1,1,3−トリエトキシ−1,3,3−トリメチルジシロキサン、1,1,3−トリフェノキシ−1,3,3−トリメチルジシロキサン、1,1,3−トリメトキシ−1,3,3−トリエチルジシロキサン、1,1,3−トリエトキシ−1,3,3−トリエチルジシロキサン、1,1,3−トリフェノキシ−1,3,3−トリエチルジシロキサン、1,1,3−トリメトキシ−1,3,3−トリフェニルジシロキサン、1,1,3−トリエトキシ−1,3,3−トリフェニルジシロキサン、1,1,3−トリフェノキシ−1,3,3−トリフェニルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェノキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,3−ジフェノキシ−1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ジフェノキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、ヘキサクロロジシラン、ヘキサブロモジシラン、ヘキサヨードシジシラン、ヘキサメトキシジシラン、ヘキサエトキシジシラン、ヘキサフェノキシジシラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタフェノキシ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−エチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2−エチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタフェノキシ−2−エチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−フェニルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2−フェニルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタフェノキシ−2−フェニルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラフェノキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジエチルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジエチルジシラン、1,1,2,2−テトラフェノキシ−1,2−ジエチルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,1,2,2−テトラフェノキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、
1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリフェノキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリエチルジシラン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリエチルジシラン、1,1,2−トリフェノキシ−1,2,2−トリエチルジシラン、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、1,1,2−トリフェノキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラエチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラエチルジシラン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラエチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシランビス(トリクロロシリル)メタン、ビス(トリブロモシリル)メタン、ビス(トリヨードシリル)メタン、ビス(トリクロロシリル)エタン、ビス(トリブロモシリル)エタン、ビス(トリヨードシリル)エタン、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリ−n−プロポキシシリル)メタン、ビス(トリ−i−プロポキシシリル)メタン、ビス(トリ−n−ブトキシシリル)メタン、ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)メタン、ビス(トリ−t−ブトキシシリル)メタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)エタン、1、2−ビス(トリ−i−プロポキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−n−1、ブトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)エタン、1、1,2、2−ビス(トリ−t−ブトキシシリル)エタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−1−(トリメトキシシリル)メタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−1−(トリエトキシシリル)メタン、1−(ジ−n−プロポキシメチルシリル)−1−(トリ−n−プロポキシシリル)メタン、1−(ジ−i−プロポキシメチルシリル)−1−(トリ−i−プロポキシシリル)メタン、1−(ジ−n−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−n−ブトキシシリル)メタン、1−(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−sec−ブトキシシリル)メタン、1−(ジ−t−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−t−ブトキシシリル)メタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−2−(トリメトキシシリル)エタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−2−(トリエトキシシリル)エタン、1−(ジ−n−プロポキシメチルシリル)−2−(トリ−n−プロポキシシリル)エタン、1−(ジ−i−プロポキシメチルシリル)−2−(トリ−i−プロポキシシリル)エタン、1−(ジ−n−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−n−ブトキシシリル)エタン、1−(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−sec−ブトキシシリル)エタン、1−(ジ−t−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−t−ブトキシシリル)エタン、ビス(ジメトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−n−プロポキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−i−プロポキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−n−ブトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−t−ブトキシメチルシリル)メタン、1,2−ビス(ジメトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジエトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−n−プロポキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−i−プロポキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−n−ブトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−t−ブトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−i−プロポキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−t−ブトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−i−プロポキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−t−ブトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−i−プロポキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−t−ブトキシシリル)ベンゼンなどのケイ素化合物を挙げることができる。これらの化合物由来の構成単位は、1種単独で含有されていてもいいし、2種以上が含有されていてもよい。
((A)重合体の調製)
上記(A)重合体は、たとえば、上記式(1)で示される繰り返し単位(1)を形成し得る化合物と、上記式(2)で示される繰り返し単位(2)を形成し得る化合物とを共重合させることによって得ることができる。前記繰り返し単位(1)を形成し得る化合物としては、たとえば、(a1)Si−H結合を有するポリカルボシラン等を挙げることができる。前記繰り返し単位(2)を形成し得る化合物としては、たとえば、(a2)炭素-炭素多重結合およびエポキシ基を有する化合物等を挙げることができる。
〔(a1)ポリカルボシラン〕
(a1)ポリカルボシランとしては、たとえば、ポリヒドリドメチルジメチルカルボシラン、ポリヒドリドメチルジメチルシリルエチレン、ポリヒドリドメチルジメチルシリルプロピレン、ポリヒドリドメチルジメチルシリルブテン等を挙げることができる。
このようなポリカルボシランとしては熱転移反応によって得られたもの、Grignard重合法によって得られたもの、または環状カルボシランの開環重合によって得られたものを用いることができる。これらの中でもGrignard重合法によって得られたもの、または環状カルボシランの開環重合によって得られたものを用いることが好ましい。
このような(a1)ポリカルボシランとしては1気圧、25℃で液状であるものを用いることが好ましい。液状のポリカルボシランを用いることによって、組成物に使用する溶剤を減じることができ、硬化時の膜減りを抑制することができる。前記Grignard重合法によれば、1気圧、25℃で液状のポリカルボシランが得られる。
また(a1)ポリカルボシランは、重量平均分子量が300〜1,000,000であり、かつ有機溶媒に可溶であることが好ましい。(a1)ポリカルボシランがこの条件を満たすと、厚膜成形の際にクラックが発生しなくなるという利点がある。
(a1)ポリカルボシランとしては、以上のような条件を満たすことから、ポリヒドリドメチルジメチルカルボシラン、ポリヒドリドメチルジメチルシリルエチレン等が特に好ましい。
〔(a2)化合物〕
(a2)化合物としては、一分子内に炭素―炭素多重結合とエポキシ基を含有した化合物が挙げられる。たとえば、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、アリルシクロヘキセンオキシド、エポキシシクロヘキシルメチルメタクリラート、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジルエーテルメチルメタクリラート等を挙げることができる。これらの中で、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、ビニルグリシジルエーテル等が好ましい。
〔カップリング反応〕
上記(a1)ポリカルボシランと(a2)化合物とでカップリング反応を行うことにより、(A)重合体が得られる。
上記カップリング反応において、(a1)ポリカルボシランと(a2)化合物との混合モル比は、90:10〜10:90であることが望ましい。より好ましいモル比は80:20〜20:80であり、特に好ましいモル比は70:30〜30:70である。混合モル比が上記の範囲にあるとカップリング反応の反応効率が高く、より高分子量の重合体が得られ、耐熱性に優れた硬化物を得ることが出来る。
上記カップリング反応の温度は、好ましくは0〜150℃、より好ましくは20〜120℃、特に好ましくは50〜100℃である。反応時間は、好ましくは1〜100時間、より好ましくは2〜96時間、特に好ましくは3〜72時間である。カップリング反応は、各成分を反応容器に一括で仕込んで実施してもよいし、一方の成分に他方の成分を断続的にもしくは連続的に添加しながら行ってもよい。また、カップリング反応は有機溶媒中で触媒を用いて行うことが好ましい。
(有機溶媒)
上記カップリング反応において用いられる有機溶媒としては、たとえば、アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類などを挙げることができる。上記アルコール類としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、i−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレンモノメチルエーテルアセテート、ジアセトンアルコールなどを挙げることができる。また、芳香族炭化水素類としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられ、エーテル類としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどが挙げられ、ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどが挙げられ、エステル類としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロピレン、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ノルマルプロピル、乳酸イソプロピル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチルなどが挙げられる。これらの有機溶剤は、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。これらの有機溶媒のうち、カップリング反応では、溶解性の観点からアルコール以外の有機溶媒、たとえば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレンなどを使用することが好ましい。
上記有機溶媒は、カップリング反応のコントロールなどを目的として適宜使用することができる。有機溶媒を使用する場合、その使用量は所望の条件に応じて適宜設定することができる。
(触媒)
上記カップリング反応に用いられる触媒としては、遷移金属化合物が挙げられる。
(遷移金属化合物)
上記遷移金属化合物としては特に限定されず、例えば、白金 単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に白金 固体を分散させたもの、塩化白金 酸、塩化白金 酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金 −オレフィン錯体、白金 (0)−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体が挙げられる。白金 化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh33,RhCl3,RuCl3,IrCl3,FeCl3,AlCl3,PdCl2・H2O,NiCl2,TiCl4等が挙げられる。これらの触媒は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもかまわない。触媒量としては特に制限はないが、(A)成分の環状カルボシラン基1molに対し、10-1〜10-8molの範囲で用いるのが良く、好ましくは10-3〜10-6molの範囲で用いるのがよい。10-8molより少ないと硬化が十分に進行しない。またヒドロシリル化 触媒は一般に高価で腐食性であり、また、水素ガスを大量に発生して硬化物が発泡してしまう場合があるので10-1mol以上用いないのが好ましい。また、上記触媒中にゲル化防止を目的に反応抑制剤を併用してもかまわない。反応抑制剤としては、アセチレンアルコールが好ましく、具体的には1-ブテン-2-オ-ルが好ましい。
上記カップリング反応において、触媒はポリジメチルシロキサンの重量部100に対して0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜50重量部添加される。
(脱触媒工程)
上記で得られた(A)重合体の貯蔵安定性の点から、カップリング反応後に脱触媒工程として水洗を行うことが好ましい。
水洗に使用する水は、(A)重合体100重量部に対して、通常10〜500重量部、好ましくは20〜300部、より好ましくは30〜200部である。
水洗は、水を添加して十分に攪拌した後、静置し、水相と有機溶媒相との相分離を確認後、下層の水相を除去することにより行う。水洗回数は好ましくは1回以上、さらに好ましくは2回以上である。
また、水洗後に不純物の除去を目的に有機溶媒で抽出しても良い。抽出に必要な有機溶媒は上記の有機溶媒が使用できる。有機溶媒の種類、及びその配合量は適宜選択できる。
(B)硬化剤
(B)硬化剤としては、金属キレート化合物、酸無水物、および白金からなる群より選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
金属キレート化合物としては、トリ−n−ブトキシ・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルキニウムキレート化合物;
ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウムなどのチタンキレート化合物;ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、ジ−i−プロポキシ・アセチルアセトナートアルミニウム、i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアルミニウムキレート化合物などが挙げられ、これらのうち、得られる硬化物の硬化性と耐湿熱性の観点でアルミニウムキレート化合物が好ましい。
上記金属キレート化合物の添加量は、上記(A)重合体100重量部に対して、通常0.001〜1重量部であり、0.01〜1重量部であることがより好ましく、0.05〜0.5重量部であることが特に好ましい。金属キレート化合物の添加量が上記範囲内にあると金属化合物混合後の液安定性と硬化性のバランスに優れる。
酸無水物としては、無水琥珀酸誘導体、無水フタル酸誘導体、テトラヒドロ無水フタル酸誘導体、ヘキサヒドロ無水フタル酸誘導体、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンジカルボン酸無水物誘導体などが挙げられ、これらのうち、耐久性の観点から、無水琥珀酸誘導体およびヘキサヒドロ無水フタル酸誘導体等が好ましい。
上記酸無水物の添加量は、上記(A)重合体100重量部に対して、通常10〜200重量部であり、20〜100重量部であることがより好ましく、30〜80重量部であることが特に好ましい。酸無水物の添加量が上記範囲内にあると金属化合物混合後の液安定性と硬化性のバランスに優れる。
上記白金の添加量は、上記(A)重合体100重量部に対して、通常0.00001〜0.1重量部であり、0.00001〜0.01重量部であることがより好ましく、0.001〜0.005重量部であることが特に好ましい。白金の添加量が上記範囲内にあると金属化合物混合後の液安定性と硬化性のバランスに優れる。
上記(B)硬化剤のうち、金属キレート化合物が特に好ましい。
その他の成分
本発明の硬化性組成物は、さらにシリカ粒子や、エポキシ基含有ポリシロキサン、あるいはオキセタン化合物、チオール化合物、イソシアヌル環構造を有する化合物、アルコキシシランやその加水分解物または縮合物などを含んでいてもよい。また充填剤や蛍光体などの添加剤と混合することで重合体組成物として使用することがより好ましい。例えば、充填剤等を添加することによって、形成される硬化体の強度を向上させることができる。また、蛍光体を加えることにより、LED用の封止材として使用することができる。シリカ粒子を配合する場合は、粉体、またはイソプロピルアルコールなどの極性溶媒やトルエンなどの非極性溶媒に分散した溶媒系のゾルもしくはコロイドなどの形態で使用することもできる。溶媒系のゾルもしくはコロイドの場合、配合後に溶媒溜去すればよい。シリカ粒子の分散性を向上させるために表面処理して用いてもよい。
これらのシリカ粒子の1次粒子径は、通常0.0001〜1μm、さらに好ましくは0.001〜0.5μm、特に好ましくは0.002〜0.2μmである。
シリカ粒子溶媒系のゾルもしくはコロイドである場合、その固形分濃度は通常0重量%を超えて50量%以下、好ましくは0.01重量%以上40重量%以下である。
本発明では、表面処理未処理の粉末状シリカとしては、日本アエロジル社製の#150、#200、#300、疎水化処理の粉末状シリカとして、日本アエロジル社製のR972、R974、R976、RX200、RX300、RY200S、RY300、R106、東ソー社製のSS50A、富士シリシアのサイロホービック100等が挙げられる。
また、溶剤分散のコロイダルシリカとしては、日産化学工業社製のイソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤分散コロイダルシリカ、メチルイソブチル等のケトン系溶剤分散コロイダルシリカ、トルエン等の非極性溶剤分散コロイダルシリカ等が挙げられる。シリカ粒子は、上記硬化性ポリシロキサンの調製時に添加してもよく、硬化性ポリシロキサンを調整後に添加してもよい。
シリカ粒子の使用量は、(A)重合体の固形分に対して、固形分換算で通常0重量%を超えて80重量%以下、好ましくは5重量%以上50重量%以下である。
オキセタン化合物としては、下記式(O−1)〜(O−10)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005176976
チオール化合物としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ−n−プロポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ−i−プロポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ−n−ブトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ−sec−ブトキシシランなどが挙げられる。
イソシアヌル環構造を有する化合物としては、イソシアヌル酸トリス(3−トリメトキシシリル−n−プロピル)、イソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)、イソシアヌル酸トリグリシジルなどが挙げられる。
また、アルコキシシランやその加水分解物または縮合物としては上述した式(2)で表されるアルコキシシランやその加水分解物、またはその縮合物が挙げられる。式(2)の縮合物としては、上述に例示したアルコキシシランの単独縮合物や2種以上のアルコキシシランの縮合物として、テトラメトキシシランオリゴマー、テトラエトキシシランオリゴマー、メチルトリメトキシシランオリゴマー、メチルトリメトキシシランとジメチルジメトキシシランの縮合物が挙げられる。
これらのシリカ粒子や、エポキシ基含有ポリシロキサン、あるいはオキセタン化合物、チオール化合物、イソシアヌル環構造を有する化合物、アルコキシシランやその加水分解物または縮合物は、上記の(A)重合体合成時に添加しても良いし、硬化物とする際に添加しても良い。
<硬化物>
前記硬化性組成物を硬化することにより硬化物が得られる。
本発明に係る硬化物は、以下の方法により作成することができる。
本発明の硬化性組成物を、スピンコート、浸漬法、ロールコート法、スプレー法などの塗装手段により基材に塗布する。この際の膜厚は、数nm〜10mm程度にすることができる。
その後、通常50〜200℃、好ましくは80〜180℃、より好ましくは100〜150℃の温度で、通常30〜60分程度、加熱して乾燥することにより、硬化物を形成することができる。
この際の加熱方法としては、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用することができ、加熱雰囲気としては、大気下、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空下、酸素濃度をコントロールした減圧下などで行うことができる。また、前記塗膜の硬化速度を制御するため、必要に応じて、段階的に加熱したり、窒素、空気、酸素、減圧などの雰囲気を選択したりすることができる。
この硬化物は一般的に用いられる有機・無機高分子材料の基板に対して良好な密着性を示す。とくに、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリルニトリル、ポリフェノール、ポリフタルアミド、ポリイミド、ポリエーテル、ガラスに対して優れた密着性を示す。
(硬化物の用途)
本発明の硬化性組成物は、LED 素子封止 用、特に青色LED や紫外LED の素子封止用として有用である。つまり、本発明の硬化性組成物はLED封止材用硬化性組成物として好適に使用することができる。本発明の硬化性組成物によりLED封止材を形成すると、従来の素子封止用の硬化物と比較して基材に対する密着性に優れ、電極の黒変防止が可能となる点で好ましい。
本発明の硬化性組成物は、その他にも、その優れた耐熱性、耐紫外線性、透明性等の特徴から、下記のディスプレイ材料、光記録媒体材料、光学機器材料、光部品材料、光ファイバー材料、光・電子機能有機材料、半導体集積回路周辺材料等の用途にも用いることができる。
―1.ディスプレイ材料―
ディスプレイ材料としては、例えば、液晶ディスプレイの基板材料、導光板、プリズムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、接着剤、偏光子保護フィルム等の液晶用フィルム等の液晶表示装置周辺材料;次世代フラットパネルディスプレイであるカラープラズマディスプレイ(PDP)の封止 剤、反射防止フィルム、光学補正フィルム、ハウジング材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤等;プラズマアドレス液晶(PALC)ディスプレイの基板材料、導光板、プリズムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、接着剤、偏光子保護フィルム等;有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイの前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤等;フィールドエミッションディスプレイ(FED)の各種フィルム基板、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤等が挙げられる。
―2.光記録材料―
光記録材料としては、例えば、VD(ビデオディスク)、CD、CD−ROM、CD−R/CD−RW、DVD±R/DVD±RW/DVD−RAM、MO、MD、PD(相変化ディスク)、光カード用のディスク基板材料、ピックアップレンズ、保護フィルム、封止 剤、接着剤等が挙げられる。
―3.光学機器材料―
光学機器材料としては、例えば、スチールカメラのレンズ用材料、ファインダープリズム、ターゲットプリズム、ファインダーカバー、受光センサー部等;ビデオカメラの撮影レンズ、ファインダー等;プロジェクションテレビの投射レンズ、保護フィルム、封止 剤、接着剤等;光センシング機器のレンズ用材料、封止 剤、接着剤、フィルム等が挙げられる。
―4.光部品材料―
光部品材料としては、例えば、光通信システムでの光スイッチ周辺のファイバー材料、レンズ、導波路、素子の封止 剤、接着剤等;光コネクタ周辺の光ファイバー材料、フェルール、封止 剤、接着剤等;光受動部品、光回路部品である、レンズ、導波路、LED 素子の封止 剤、接着剤等;光電子集積回路(OEIC)周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止 剤、接着剤等が挙げられる。
―5.光ファイバー材料―
光ファイバー材料としては、装飾ディスプレイ用照明・ライトガイド等;工業用のセンサー類、表示・標識類等;通信インフラ用および家庭内のデジタル機器接続用の光ファイバー等が挙げられる。
―6.半導体集積回路周辺材料―
半導体集積回路周辺材料としては、例えば、LSI、超LSI材料のマイクロリソグラフィー用のレジスト材料等が挙げられる。
―7.光・電子機能有機材料―
光・電子機能有機材料としては、例えば、有機EL素子周辺材料、有機フォトリフラクティブ素子;光−光変換デバイスである光増幅素子、光演算素子、有機太陽電池周辺の基板材料;ファイバー材料;これらの素子の封止 剤、接着剤等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、この実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の「部」および「%」は、特記しない限り、「重量部」および「重量%」を示す。また、実施例および比較例における各種測定は、下記の方法により行なった。
(1)GPC測定
カルボシランの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより下記条件で測定し、ポリスチレン換算値として示した。
装置:HLC−8120C(東ソー社製)
カラム:TSK−gel MultiporeHXL−M(東ソー社製)
溶離液:THF、流量0.5mL/min、負荷量5.0%、100μL
(2)保存安定性
得られたエポキシ基含有ポリカルボシランをポリエチレン製容器内で常温で1ヶ月間密栓保存して、ゲル化の有無を目視により判定した。ゲル化していないものについては東京計器社製のBM型粘度計により25℃で粘度測定を行い、下記基準で評価した。
A:保存前後の粘度変化率が20%以下
B:保存前後の粘度変化率が20%超
(3)硬化性
得られた硬化性組成物を乾燥膜厚が1mmになるように石英ガラス上に塗布した後、100℃で1時間乾燥硬化させ、次いで150℃で5時間乾燥硬化させて硬化体を作製した。この硬化体の硬化性を下記基準で評価した。
A:流動性は無く、タックも無し
B:流動性は無いが、タックが僅かに有る
C:流動性有り
(4)透明性
得られた硬化性組成物を乾燥膜厚が1mmになるように石英ガラス上に塗布した後、100℃で1時間乾燥硬化させ、次いで150℃で5時間乾燥硬化させて硬化体を作製した。この硬化体について、波長400〜700nmの分光透過率を紫外可視分光光度計により測定し、下記基準で評価した。
A:光透過率が90%超
B:光透過率が70〜90%
C:光透過率が70%未満
(5)耐光性
得られた硬化性組成物を乾燥膜厚が1mmになるように石英ガラス上に塗布した後、100℃で1時間乾燥硬化させ、次いで150℃で5時間乾燥硬化させて硬化体を作製した。この硬化体に波長350nm以下の光をカットしたスポットUV照射装置(ウシオ電機社製:SP−VII)を使用して照度5000mW/cm2の紫外線を500時間照射した。紫外線照射後の硬化体の外観を目視で観察し、下記基準で評価した。
A:変化なし
B:黄変した
C:黒く焼け焦げた
(6)耐熱性
得られた硬化性組成物を乾燥膜厚が1mmになるように石英ガラス上に塗布した後、100℃で1時間乾燥硬化させ、次いで150℃で5時間乾燥硬化させて硬化体を作製した。この硬化体を150℃で500時間保管し、保管後の硬化体の外観を目視で観察し、下記基準で評価した。
(色変化)A:変化なし
B:わずかに変色
C:黄色化した
(クラック)A:変化無し
B:少量発生
C:全面に発生
(7)耐湿熱性
得られた硬化性組成物約2gをアルミ皿に正確に秤量し、100℃で1時間乾燥硬化させ、次いで150℃で5時間乾燥硬化させて硬化体を作製した。この硬化体を温度85℃、湿度85%RHの条件下で14日間保管し、保管前後の重量から重量保持率を算出し、下記基準で評価した。
A:99%以上
B:95%以上〜99%未満
C:95%未満
(8)硫化水素バリア性
得られた硬化性組成物を乾燥膜厚が100μmとなるように市販の表面実装型のLEDパッケージ(銀メッキ付)に仕込み、所定の条件で乾燥させ、銀黒色化抑制能評価用サンプルを作製した。容積150cm3の耐圧容器内で0.06gの硫化鉄と0.20gの硫酸を混合後、直ちに銀黒色化抑制能評価用サンプルを仕込み密閉した(硫化水素の理論濃度10vol%)。この耐圧容器を70℃で加熱し、後に冷却して試験サンプルを取出し銀メッキの外観を観察し下記基準で評価した。加熱時間は5時間、10時間で実施した。
A :変化なし
A-:わずかに変色
B :やや変色
C :黒く変色
(9)密着性
得られた硬化性組成物をポリフタルアミド基材上に乾燥膜厚が1mmになるように膜を形成した後、所定の温度で6時間加熱することで密着性評価用のサンプルを作成した。
密着評価用のサンプルを85℃、85RH%の恒温恒湿槽に16時間加えた後、直ちに260℃に加熱したハンダリフロー装置中で10分間リフローを行なった。
リフロー後の基板との密着性を顕微鏡で確認し、下記の3点を基準に密着性の評価を行なった。
A:剥離なし
B:硬化体とポリフタルアミド基材間で剥離が発生
(10)エポキシ当量
JIS C2105に準拠し、得られたエポキシ基含有ポリカルボシランのエポキシ当量を測定した。
<実施例1>
冷却器を備え付けた、反応容器中にトルエン360部とビニル基含有エポキシ化合物としてビニルシクロヘキセンモノオキサイド(ダイセル化学工業株式会社製、製品名 セロキサイド2000)21重量部、0.3重量%になるようイソプロピルアルコールで希釈した白金(0)ジビニルテトラメチルシロキサン錯体0.4部を加えて、室温で攪拌・混合を行なった。
続いて、starfire systems社製の液状ポリヒドリドメチルジメチルカルボシラン(製品名 HMPCS Si−H含有量=5.7mmol/g)100部を30分以上かけて滴下を行なった。上記操作においては、ヒドリドシリルユニットとビニルエポキシモノマーとのモル比が1:0.3となるように、液状ポリヒドリドメチルジメチルカルボシランおよびビニルシクロヘキセンモノオキサイドが添加された。
滴下が終わった後、反応溶液の温度を60℃まで上昇させた後、さらに2時間反応を追加した。
反応が終了した後、上記の反応溶液を60mmHg、50℃で2時間トルエンを留去することにより、側鎖にエポキシ基を含有したポリジメチルカルボシラン(1)を1気圧、25℃において透明液体として得た。得られたポリジメチルカルボシラン(1)のエポキシ当量を測定した結果、400g/molであった。得られたポリジメチルカルボシラン(1)に対して、1H−NMR,IR測定により構造同定を行なった。ポリジメチルカルボシラン(1)の1H−NMRスペクトルおよびIRスペクトルをそれぞれ図1および図2に示した。
1H−NMR:-0.2ppm(Si-CH2-Si)Broad,0ppm(Si-CH3)Broad, 1−2ppm(Epoxy)Broad
また、このエポキシ基を含有したポリジメチルカルボシラン(1)100部に硬化剤としてトリス(アセチルアセトナート)アルミニウムの10重量%トルエン溶液を1部加えて充分に攪拌し、硬化性組成物(1)を調製した。この組成物について上記方法により分子量、保存安定性、硬化性、透明性、耐光性、耐熱性、耐湿熱性、硫化水素バリア性、密着性の評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例2>
ヒドリドシリルユニットとビニルエポキシモノマーとのモル比が1:1となるように、トルエン510部、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド(ダイセル化学工業株式会社製 製品名 セロキサイド2000)70部、0.3重量%になるようイソプロピルアルコールで希釈した白金(0)ジビニルテトラメチルシロキサン錯体0.6部、starfire systems社製の液状ポリヒドリドメチルジメチルカルボシラン(製品名 HMPCS Si−H含有量=5.7mmol/g)100部を用いた以外は実施例1と同様の操作を行なうことにより、側鎖にエポキシ基を含有したポリジメチルカルボシラン(2)を1気圧、25℃において透明液体として得た。得られたポリジメチルカルボシラン(2)のエポキシ当量を測定した結果、300g/molであった。得られたポリジメチルカルボシラン(2)に対して、1H−NMR,13C−NMR,IR測定により構造同定を行なった。
また、ポリジメチルカルボシラン(2)を用いて、実施例1と同様にして硬化性組成物(2)を調製した。この組成物について、上記方法により分子量、保存安定性、硬化性、透明性、耐光性、耐熱性、耐湿熱性、硫化水素バリア性、密着性の評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例3>
ヒドリドシリルユニットとビニルエポキシモノマーとのモル比が1:2となるように、トルエン720部、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド(ダイセル化学工業株式会社製 製品名 セロキサイド2000)140部、0.3重量%になるようイソプロピルアルコールで希釈した白金(0)ジビニルテトラメチルシロキサン錯体0.8重量部、starfire systems社製の液状ポリヒドリドメチルジメチルカルボシラン(製品名 HMPCS Si−H含有量=5.7mmol/g)100部を用いた以外は実施例1と同様の操作を行なうことにより、側鎖にエポキシ基を含有したポリジメチルカルボシラン(4)を1気圧、25℃において淡黄色液体として得た。得られたポリジメチルカルボシラン(4)のエポキシ当量を測定した結果、200g/molだった。得られたポリジメチルカルボシラン(3)に対して、1H−NMR,13C−NMR,IR測定により構造同定を行なった。
また、ポリジメチルカルボシラン(3)を用いて、実施例1と同様にして硬化性組成物(3)を調製した。この組成物について、上記方法により分子量、保存安定性、硬化性、透明性、耐光性、耐熱性、耐湿熱性、硫化水素バリア性、密着性の評価を行なった。結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1で用いた液状ポリヒドリドメチルジメチルカルボシラン(1気圧、25℃において液体)100部に硬化剤としてトリス(アセチルアセトナート)アルミニウムの10重量%トルエン溶液を1部加えて充分に攪拌し、硬化性組成物(4)を調製した。この組成物について、上記方法により分子量、保存安定性、硬化性、透明性、耐光性、耐熱性、耐湿熱性、硫化水素バリア性、密着性の評価を行なった。結果を表1に示す。
<比較例2>
液状ポリヒドリドメチルジメチルカルボシランの代わりに、分子の末端以外にヒドリドシリル基を有したポリジメチルシロキサン(gelest社製 製品名 HMS−301 Si−H含有量=4.0mmol/g)を使用した以外は実施例1と同様の操作を行なうことにより、側鎖にエポキシ基を含有したポリジメチルシロキサン(5)を1気圧、25℃において無色透明液体として得た。得られたポリジメチルカルボシラン(5)のエポキシ当量を測定した結果、700g/molだった。得られたポリジメチルシロキサン(5)に対して、1H−NMR,13C−NMR,IR測定により構造同定を行なった。
また、ポリジメチルシロキサン(5)を用いて、実施例1と同様にして硬化性組成物(5)を調製した。この組成物について、上記方法により分子量、保存安定性、硬化性、透明性、耐光性、耐熱性、耐湿熱性、硫化水素バリア性、密着性の評価を行なった。結果を表1に示す。
<比較例3>
液状ポリヒドリドメチルジメチルカルボシランの代わりに、分子の両末端にヒドリドシリル基を有したポリジメチルシロキサン(gelest社製 製品名 DMS−H03 Si−H含有量=4.4mmol/g)を使用した以外は実施例1と同様の操作を行なうことにより、両末端にエポキシ基を含有したポリジメチルシロキサン(6)を1気圧、25℃において無色透明液体として得た。得られたポリジメチルカルボシラン(6)のエポキシ当量を測定した結果、700g/molだった。得られたポリジメチルシロキサン(6)に対して、1H−NMR,13C−NMR,IR測定により構造同定を行なった。
また、ポリジメチルシロキサン(6)を用いて、実施例1と同様にして硬化性組成物(6)を調製した。この組成物について、上記方法により分子量、保存安定性、硬化性、透明性、耐光性、耐熱性、耐湿熱性、硫化水素バリア性、密着性の評価を行なった。結果を表1に示す。
<比較例4>
セロキサイド2021(商品名、ダイセル化学工業(株)製、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)100部に、リカシッドMH−700G(商品名、新日本理化社製、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/ヘキサヒドロ無水フタル酸=70/30)、120部を混合して、硬化性組成物(7)を調製した。この組成物について、上記方法により透明性、耐光性、耐熱性、耐湿熱性、硫化水素バリア性、密着性の評価を行なった。結果を表1に示す。
<比較例5>
市販の直鎖ポリジメチルシロキサンを主成分とするシリコーン封止剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のTSE3033A、TSE3033B)を硬化性組成物(8)として、この組成物について、上記方法により透明性、耐光性、耐熱性、硫化水素バリア性、密着性の評価を行なった。結果を表1に示す。
Figure 0005176976

Claims (8)

  1. (A)下記一般式(1)で表される繰り返し単位および下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有する重合体、および(B)硬化剤を含有することを特徴とする硬化性組成物。
    Figure 0005176976
    (式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4の置換されていてもよいアルキル基(ただしエポキシ基を有するものを除く)、または炭素数3〜10の環状炭化水素基を示し、X1はメチレン基または炭素数2〜4の2価の炭化水素基を示す。)
    Figure 0005176976
    (式(1)中、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4の置換されていてもよいアルキル基、またはエポキシ基を有する1価の有機基を示し、X2はメチレン基または炭素数2〜4の2価の炭化水素基を示す。ただし、R3またはR4の内少なくとも一方はエポキシ基を有する1価の有機基である。)
  2. 前記(A)重合体のエポキシ当量が200〜10000g/molであることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記(A)重合体は、1気圧、25℃において液状であることを特徴とする請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記(A)重合体が、(a1)Si−H結合を有するポリカルボシランと(a2)炭素-炭素多重結合およびエポキシ基を有する化合物とを反応させることにより得られることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の硬化性組成物。
  5. 前記(a1)ポリカルボシランは、1気圧、25℃で液状であることを特徴とする請求項4に記載の硬化性組成物。
  6. 前記(a1)ポリカルボシランは、重量平均分子量が300〜1,000,000であり、かつ有機溶媒に可溶であることを特徴とする請求項4に記載の硬化性組成物。
  7. 前記(B)硬化剤は、金属キレート化合物、酸無水物、および白金からなる群より選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性組成物。
  8. 発光ダイオードの封止材として用いられることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の硬化性組成物。
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