JP2001049184A - 膜形成用組成物、膜の形成方法および低密度化膜 - Google Patents

膜形成用組成物、膜の形成方法および低密度化膜

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JP2001049184A
JP2001049184A JP11177702A JP17770299A JP2001049184A JP 2001049184 A JP2001049184 A JP 2001049184A JP 11177702 A JP11177702 A JP 11177702A JP 17770299 A JP17770299 A JP 17770299A JP 2001049184 A JP2001049184 A JP 2001049184A
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bis
sec
tri
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Takahiko Kurosawa
孝彦 黒澤
Keiji Konno
圭二 今野
Eiji Hayashi
英治 林
Atsushi Shioda
淳 塩田
Kinji Yamada
欣司 山田
Kohei Goto
幸平 後藤
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JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 半導体素子などにおける層間絶縁膜として有
用な、誘電率特性、吸水率特性に優れ、かつ空隙サイズ
が小さく、CMP耐性に優れた膜形成用組成物を提供す
る。 【解決手段】 (A)R2 3 Si(OR1 2 、R2
Si(OR1 3 およびSi(OR1 4 の群から選ば
れた少なくとも1種と、R2 s (R1 O)3-s SiRS
i(OR1)3-t 2 t (R1 〜R3 は同一でも異なって
いてもよく、それぞれ1価の有機基、Rは2価の有機基
を示し、sおよびtは0〜1の整数である)、とを含有
するシラン化合物、その加水分解物および/またはその
縮合物、(B)一般式PEOp−PPOq−PEOr
(ただし、PEOはポリエチレンオキサイド単位、PP
Oはポリプロピレンオキサイド単位、pは2〜200、
qは20〜80、rは2〜200の数を示す)で表され
るポリエーテル、ならびに溶媒、を含有する膜形成用組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膜形成用組成物に
関し、さらに詳しくは、半導体素子などにおける層間絶
縁膜材料として、誘電率特性、吸水率特性に優れ、かつ
空隙サイズが小さく、CMP耐性に優れた塗膜が形成可
能で、しかも貯蔵安定性にも優れる膜形成用組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体素子などにおける層間絶縁
膜として、CVD法などの真空プロセスで形成されたシ
リカ(SiO2 )膜が多用されている。そして、近年、
より均一な層間絶縁膜を形成することを目的として、S
OG(Spin on Glass)膜と呼ばれるテト
ラアルコキシランの加水分解生成物を主成分とする塗布
型の絶縁膜も使用されるようになっている。また、半導
体素子などの高集積化に伴い、有機SOGと呼ばれるポ
リオルガノシロキサンを主成分とする低誘電率の層間絶
縁膜が開発されている。しかしながら、半導体素子など
のさらなる高集積化や多層化に伴い、より優れた導体間
の電気絶縁性が要求されており、したがって、より低誘
電率でかつクラック耐性に優れる層間絶縁膜材料が求め
られるようになっている。
【0003】そこで、特開平6−181201号公報に
は、層間絶縁膜材料として、より低誘電率の絶縁膜形成
用塗布型組成物が開示されている。この塗布型組成物
は、吸水性が低く、耐クラック性に優れた半導体装置の
絶縁膜を提供することを目的としており、その構成は、
チタン、ジルコニウム、ニオブおよびタンタルから選ば
れる少なくとも1種の元素を含む有機金属化合物と、分
子内にアルコキシ基を少なくとも1個有する有機ケイ素
化合物とを縮重合させてなる、数平均分子量が500以
上のオリゴマーを主成分とする絶縁膜形成用塗布型組成
物である。しかしながら、従来の無機系層間絶縁膜材料
の誘電率は、3.0以上であり、高集積化には不充分で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するための膜形成用組成物に関し、さらに詳しく
は、半導体素子などにおける層間絶縁膜として、適当な
均一な厚さを有する塗膜が形成可能で、誘電率特性、吸
水率特性に優れ、かつ空隙サイズが小さく、またCMP
耐性に優れた塗膜が形成可能で、しかも貯蔵安定性にも
優れる膜形成用組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)(A−
1)下記一般式(1)で表される化合物(以下「化合物
(1)」ともいう)、(A−2)下記一般式(2)で表
される化合物(以下「化合物(2)」ともいう)および
(A−3)下記一般式(3)で表される化合物(以下
「化合物(3)」ともいう)からなる群より選ばれる少
なくとも1種と、(A−4)下記一般式(4)で表され
る化合物(以下「化合物(4)」ともいう)、とを含有
するシラン化合物、その加水分解物および/またはその
縮合物(以下、それぞれ、「(A−1)成分」、「(A
−2)成分」、「(A−3)成分」、「(A−4)成
分」ともいう)、 〔R1 〜R3 は同一でも異なっていてもよく、それぞれ
1価の有機基、Rは2価の有機基を示し、sおよびtは
0〜1の整数である。なお、一般式(4)において、4
〜6個存在することのあるR1 O基も、それぞれ、同一
でも異なっていてもよい。〕 (B)一般式PEOp−PPOq−PEOr(ただし、
PEOはポリエチレンオキサイド単位、PPOはポリプ
ロピレンオキサイド単位、pは2〜200、qは20〜
80、rは2〜200の数を示す)で表されるポリエー
テル、ならびに (C)アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒
およびエステル系溶媒の群から選ばれた少なくとも1種
の溶媒を含有することを特徴とする膜形成用組成物に関
する。ここで、(A)成分中、各成分を完全加水分解縮
合物に換算したときに、(A−4)成分は、(A−1)
成分、(A−2)成分、(A−3)成分および(A−
4)成分の総量に対して5〜50重量%であり、かつ
〔(A−1)成分の重量〕<〔(A−2)成分の重
量〕、〔(A−3)成分の重量〕<〔(A−2)成分の
重量〕、であることが好ましい。また、(C)溶媒とし
て、アルコール系溶媒および/またはケトン系溶媒を用
いると、得られる組成物の貯蔵安定性に優れる。次に、
本発明は、上記膜形成用組成物を基板に塗布し、加熱す
ることを特徴とする膜の形成方法に関する。ここで、上
記膜の形成方法としては、上記膜形成用組成物を基板
に塗布し、(B)成分の分解温度未満の温度で加熱して
(A)成分を一部硬化させ、次いで上記(B)成分の分
解温度以上の温度で加熱を行い硬化させるか、上記膜
形成用組成物を基板に塗布し、(B)成分の分解温度以
上の温度で加熱を行い硬化させることが好ましい。次
に、本発明は、上記膜の形成方法によって得られる低密
度化膜に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、膜を形成するベースポ
リマーとして、(A)成分〔化合物(1)〜(4)、そ
の加水分解物および/またはその縮合物〕を、また多孔
質を形成する材料として特定の(B)ポリエーテルを用
い、(A)〜(B)成分の溶剤として(C)溶媒を用い
る。かくて、(A)〜(C)成分を含有する本発明の組
成物は、貯蔵安定性に優れ、この組成物を、浸漬または
スピンコート法などにより、シリコンウエハなどの基材
に塗布し、そして加熱により、(B)ポリエーテルおよ
び(C)溶媒の除去と、(A)成分の熱重縮合を行なう
と、(A)成分がガラス質または巨大高分子の膜を形成
するとともに、(B)ポリエーテルが分解・除去される
ことにより、微細孔が形成される。得られる膜は、空隙
サイズが小さい多孔質の低密度膜であり、CMP耐性に
優れ、誘電率が低く、低吸水性のため電気的特性の安定
性に優れ、層間絶縁膜材料を形成することができる。
【0007】ここで、(A)成分における上記加水分解
物とは、上記(A)成分を構成する化合物(1)〜
(4)のR1 O−基すべてが加水分解されている必要は
なく、例えば、1個だけが加水分解されているもの、2
個以上が加水分解されているもの、あるいは、これらの
混合物であってもよい。また、(A)成分における上記
縮合物は、(A)成分を構成する化合物(1)〜(4)
の加水分解物のシラノール基が縮合してSi−O−Si
結合を形成したものであるが、本発明では、シラノール
基がすべて縮合している必要はなく、僅かな一部のシラ
ノール基が縮合したもの、縮合の程度が異なっているも
のの混合物などをも包含した概念である。
【0008】以下、本発明に用いられる(A)〜(C)
成分などについて説明し、次いで、本発明の組成物の調
製方法などについて詳述する。
【0009】(A)成分 (A)成分は、4〜6個のR1 O−基を有する化合物
(4)から構成される(A−4)成分を必須成分として
使用し、これに(A−1)、(A−2)および/または
(A−3)を併用する。本発明において、(A−4)成
分を用いることにより、特にCMP耐性が良好となる。
上記一般式(1)〜(4)において、R1 〜R3 は、同
一でも異なっていてもよく、それぞれ1価の有機基をで
ある。この1価の有機基としては、アルキル基、アリー
ル基、アリル基、グリシジル基などを挙げることができ
る。ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、好ましくは
炭素数1〜5であり、これらのアルキル基は鎖状でも、
分岐していてもよく、さらに水素原子がフッ素原子など
に置換されていてもよい。一般式(1)〜(4)におい
て、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、メ
チルフェニル基、エチルフェニル基、クロロフェニル
基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基などを挙げ
ることができる。
【0010】一般式(1)で表される化合物の具体例と
しては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキ
シシラン、ジメチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジメ
チル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジメチル−ジ−
n−ブトキシシラン、ジメチル−ジ−sec−ブトキシ
シラン、ジメチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ
メチルジフェノキシシラン、ジエチルジメトキシシラ
ン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチル−ジ−n−プ
ロポキシシラン、ジエチル−ジ−iso−プロポキシシ
ラン、ジエチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジエチル−
ジ−sec−ブトキシシラン、ジエチル−ジ−tert
−ブトキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、ジ−
n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエ
トキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−n−プロポキシ
シラン、ジ−n−プロピル−ジ−iso−プロポキシシ
ラン、ジ−n−プロピル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ
−n−プロピル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n
−プロピル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−
プロピル−ジ−フェノキシシラン、ジ−iso−プロピ
ルジメトキシシラン、ジ−iso−プロピルジエトキシ
シラン、ジ−iso−プロピル−ジ−n−プロポキシシ
ラン、ジ−iso−プロピル−ジ−iso−プロポキシ
シラン、ジ−iso−プロピル−ジ−n−ブトキシシラ
ン、ジ−iso−プロピル−ジ−sec−ブトキシシラ
ン、ジ−iso−プロピル−ジ−tert−ブトキシシ
ラン、ジ−iso−プロピル−ジ−フェノキシシラン、
ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエ
トキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−n−プロポキシシ
ラン、ジ−n−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラ
ン、ジ−n−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−n
−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−ブチ
ル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−
ジ−フェノキシシラン、ジ−sec−ブチルジメトキシ
シラン、ジ−sec−ブチルジエトキシシラン、ジ−s
ec−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−sec
−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−sec
−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチ
ル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル
−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル
−ジ−フェノキシシラン、ジ−tert−ブチルジメト
キシシラン、ジ−tert−ブチルジエトキシシラン、
ジ−tert−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ
−tert−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、
ジ−tert−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−
tert−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−
tert−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ
−tert−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジフェニ
ルジメトキシシラン、ジフェニル−ジ−エトキシシラ
ン、ジフェニル−ジ−n−プロポキシシラン、ジフェニ
ル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジフェニル−ジ−
n−ブトキシシラン、ジフェニル−ジ−sec−ブトキ
シシラン、ジフェニル−ジ−tert−ブトキシシラ
ン、ジフェニルジフェノキシシランなどが挙げられる。
【0011】また、一般式(2)で表される化合物の具
体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、
メチルトリ−iso−プロポキシシラン、メチルトリ−
n−ブトキシシラン、メチルトリ−sec−ブトキシシ
ラン、メチルトリ−tert−ブトキシシラン、メチル
トリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エ
チルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシ
シラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチ
ルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリ−sec−ブ
トキシシラン、エチルトリ−tert−ブトキシシラ
ン、エチルトリフェノキシシラン、n−プロピルトリメ
トキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−
プロピルトリ−n−プロポキシシラン、n−プロピルト
リ−iso−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−n
−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−sec−ブトキ
シシラン、n−プロピルトリ−tert−ブトキシシラ
ン、n−プロピルトリフェノキシシラン、i−プロピル
トリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラ
ン、i−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、i−プ
ロピルトリ−iso−プロポキシシラン、i−プロピル
トリ−n−ブトキシシラン、i−プロピルトリ−sec
−ブトキシシラン、i−プロピルトリ−tert−ブト
キシシラン、i−プロピルトリフェノキシシラン、n−
ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシ
ラン、n−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、n−ブ
チルトリ−iso−プロポキシシラン、n−ブチルトリ
−n−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−sec−ブト
キシシラン、n−ブチルトリ−tert−ブトキシシラ
ン、n−ブチルトリフェノキシシラン、sec−ブチル
トリメトキシシラン、sec−ブチル−トリエトキシシ
ラン、sec−ブチル−トリ−n−プロポキシシラン、
sec−ブチル−トリ−iso−プロポキシシラン、s
ec−ブチル−トリ−n−ブトキシシラン、sec−ブ
チル−トリ−sec−ブトキシシラン、sec−ブチル
−トリ−tert−ブトキシシラン、sec−ブチル−
トリフェノキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラ
ン、t−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリ−
n−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−iso−プロ
ポキシシラン、t−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、
t−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、t−ブチル
トリ−tert−ブトキシシラン、t−ブチルトリフェ
ノキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニル
トリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシ
ラン、フェニルトリ−iso−プロポキシシラン、フェ
ニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリ−sec
−ブトキシシラン、フェニルトリ−tert−ブトキシ
シラン、フェニルトリフェノキシシランなどのほか、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエ
トキシシラン、γ−トリフロロプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−トリフロロプロピルトリエトキシシランなど
が挙げられる。
【0012】さらに、一般式(3)で表される化合物の
具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i
so−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシラン、
テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−
ブトキシシラン、テトラフェノキシシランなどが挙げら
れる。
【0013】化合物(1)〜(3)のうち、好ましく
は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポ
キシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メ
チルトリ−iso−プロポキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェ
ニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランで
あり、特に好ましくは、テトラメトキキシラン、テトラ
エトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルト
リエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチ
ルジエトキシシランである。これらの化合物(1)〜
(3)は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよ
い。
【0014】一方、上記一般式(4)において、Rは、
2価の有機基を示し、sおよびtは0〜1の整数を示
す。ここで、上記一般式(4)において、2価の有機基
としては、アルキレン基、アリーレン基などを挙げるこ
とができる。ここで、アルキレン基としては、メチレン
基、エチレン基などが挙げられ、好ましくは炭素数1〜
2であり、さらに水素原子がフッ素原子などに置換され
ていてもよい。また、一般式(4)において、アリーレ
ン基としては、フェニレン基、ナフタレン基などを挙げ
ることができる。
【0015】一般式(4)で表される化合物の具体例と
しては、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(ト
リエトキシシリル)メタン、ビス(トリ−n−プロポキ
シシリル)メタン、ビス(トリ−i−プロポキシシリ
ル)メタン、ビス(トリ−n−ブトキシシリル)メタ
ン、ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)メタン、ビ
ス(トリ−t−ブトキシシリル)メタンなどのビス(ト
リアルコキシシリル)メタン類;
【0016】1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタ
ン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,
2−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)エタン、1,
2−ビス(トリ−i−プロポキシシリル)エタン、1,
2−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)エタン、1,2
−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)エタン、1,
2−ビス(トリ−t−ブトキシシリル)エタンなどの
1,2−ビス(トリアルコキシシリル)エタン類;
【0017】1−(ジメトキシメチルシリル)−1−
(トリメトキシシリル)メタン、1−(ジエトキシメチ
ルシリル)−1−(トリエトキシシリル)メタン、1−
(ジ−n−プロポキシメチルシリル)−1−(トリ−n
−プロポキシシリル)メタン、1−(ジ−i−プロポキ
シメチルシリル)−1−(トリ−i−プロポキシシリ
ル)メタン、1−(ジ−n−ブトキシメチルシリル)−
1−(トリ−n−ブトキシシリル)メタン、1−(ジ−
sec−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−sec
−ブトキシシリル)メタン、1−(ジ−t−ブトキシメ
チルシリル)−1−(トリ−t−ブトキシシリル)メタ
ンなどの1−(ジアルコキシメチルシリル)−1−(ト
リアルコキシシリル)メタン類;
【0018】1−(ジメトキシメチルシリル)−2−
(トリメトキシシリル)エタン、1−(ジエトキシメチ
ルシリル)−2−(トリエトキシシリル)エタン、1−
(ジ−n−プロポキシメチルシリル)−2−(トリ−n
−プロポキシシリル)エタン、1−(ジ−i−プロポキ
シメチルシリル)−2−(トリ−i−プロポキシシリ
ル)エタン、1−(ジ−n−ブトキシメチルシリル)−
2−(トリ−n−ブトキシシリル)エタン、1−(ジ−
sec−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−sec
−ブトキシシリル)エタン、1−(ジ−t−ブトキシメ
チルシリル)−2−(トリ−t−ブトキシシリル)エタ
ンなどの1−(ジアルコキシメチルシリル)−2−(ト
リアルコキシシリル)エタン類;
【0019】ビス(ジメトキシメチルシリル)メタン、
ビス(ジエトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−n
−プロポキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−i−プ
ロポキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−n−ブトキ
シメチルシリル)メタン、ビス(ジ−sec−ブトキシ
メチルシリル)メタン、ビス(ジ−t−ブトキシメチル
シリル)メタンなどのビス(ジアルコキシメチルシリ
ル)メタン類;1,2−ビス(ジメトキシメチルシリ
ル)エタン、1,2−ビス(ジエトキシメチルシリル)
エタン、1,2−ビス(ジ−n−プロポキシメチルシリ
ル)エタン、1,2−ビス(ジ−i−プロポキシメチル
シリル)エタン、1,2−ビス(ジ−n−ブトキシメチ
ルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−sec−ブトキ
シメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−t−ブト
キシメチルシリル)エタンなどの1,2−ビス(ジアル
コキシメチルシリル)エタン類;
【0020】1,2−ビス(トリメトキシシリル)ベン
ゼン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、
1,2−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼ
ン、1,2−ビス(トリ−i−プロポキシシリル)ベン
ゼン、1,2−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベン
ゼン、1,2−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)
ベンゼン、1,2−ビス(トリ-t- ブトキシシリル)ベ
ンゼン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼ
ン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、
1,3−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼ
ン、1,3−ビス(トリ−i−プロポキシシリル)ベン
ゼン、1,3−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベン
ゼン、1,3−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)
ベンゼン、1,3−ビス(トリ−t−ブトキシシリル)
ベンゼン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、
1,4−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(トリ−i−プロポキシシリル)ベン
ゼン、1,4−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベン
ゼン、1,4−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)
ベンゼン、1,4−ビス(トリ−t−ブトキシシリル)
ベンゼンなどのビス(トリアルコキシシリル)ベンゼン
類;など挙げることができる。これらの化合物(4)
は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0021】上記化合物(4)中では、ビス(トリメト
キシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタ
ンなどのビス(トリアルコキシシリル)メタン;1,2
−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス
(トリエトキシシリル)エタンなどの1,2−ビス(ト
リアルコキシシリル)エタン;1−(ジメトキシメチル
シリル)−1−(トリメトキシシリル)メタン、1−
(ジエトキシメチルシリル)−1−(トリエトキシシリ
ル)メタンなどの1−(ジアルコキシメチルシリル)−
1−(トリアルコキシシリル)メタン;1−(ジメトキ
シメチルシリル)−2−(トリメトキシシリル)エタ
ン、1−(ジエトキシメチルシリル)−2−(トリエト
キシシリル)エタンなどの1−(ジアルコキシメチルシ
リル)−2−(トリアルコキシシリル)エタン;ビス
(ジメトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジエトキシ
メチルシリル)メタンなどのビス(ジアルコキシメチル
シリル)メタン;1,2−ビス(ジメトキシメチルシリ
ル)エタン、1,2−ビス(ジエトキシメチルシリル)
エタンなどの1,2−ビス(ジアルコキシメチルシリ
ル)エタン;1,2−ビス(トリメトキシシリル)ベン
ゼン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、
1,3−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,3
−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス
(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ
エトキシシリル)ベンゼンなどのビス(トリアルコキシ
シリル)ベンゼン;が好ましく、特にビス(トリメトキ
シシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン
などのビス(トリアルコキシシリル)メタン;1,2−
ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(ト
リエトキシシリル)エタンなどの1,2−ビス(トリア
ルコキシシリル)エタンが好ましい。
【0022】上記(A)成分を構成する化合物(1)〜
(4)を加水分解、縮合させる際に、R1 O−で表され
る基1モル当たり、0.25〜3モルの水を用いること
が好ましく、0.3〜2.5モルの水を加えることが特
に好ましい。添加する水の量が0.25〜3モルの範囲
内の値であれば、塗膜の均一性が低下する恐れが無く、
また、加水分解および縮合反応中のポリマーの析出やゲ
ル化の恐れが少ないためである。
【0023】(A)成分を構成する化合物(1)〜
(4)を加水分解、縮合させる際には、触媒を使用して
もよい。この際に使用する触媒としては、金属キレート
化合物、有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基を挙げる
ことができる。
【0024】金属キレート化合物としては、例えば、ト
リエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、ト
リ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チ
タン、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナ
ート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルア
セトナート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ
(アセチルアセトナート)チタン、トリ−t−ブトキシ
・モノ(アセチルアセトナート)チタン、ジエトキシ・
ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−プロポ
キシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−i−
プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ
−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタ
ン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナー
ト)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセト
ナート)チタン、モノエトキシ・トリス(アセチルアセ
トナート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(ア
セチルアセトナート)チタン、モノ−i−プロポキシ・
トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−ブ
トキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ
−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)
チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセト
ナート)チタン、テトラキス(アセチルアセトナート)
チタン、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテー
ト)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセ
トアセテート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ
(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−ブトキ
シ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−s
ec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタ
ン、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテー
ト)チタン、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテー
ト)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセト
アセテート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチ
ルアセトアセテート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス
(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−sec−ブト
キシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−t
−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、
モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタ
ン、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセ
テート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチ
ルアセトアセテート)チタン、モノ−n−ブトキシ・ト
リス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−sec
−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタ
ン、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテ
ート)チタン、テトラキス(エチルアセトアセテート)
チタン、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチル
アセトアセテート)チタン、ビス(アセチルアセトナー
ト)ビス(エチルアセトアセテート)チタン、トリス
(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテー
ト)チタンなどのチタンキレート化合物;
【0025】トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナー
ト)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセ
チルアセトナート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキ
シ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ
−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコ
ニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセ
トナート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ
(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジエトキシ・
ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−
プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウ
ム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナー
ト)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチル
アセトナート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・
ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−t−
ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウ
ム、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジ
ルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチル
アセトナート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・
トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−
n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコ
ニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルア
セトナート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリ
ス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトラキス
(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリエトキシ
・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ
−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジ
ルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセ
トアセテート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モ
ノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−s
ec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジル
コニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトア
セテート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(エチルア
セトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・
ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−i
−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコ
ニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテ
ート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エ
チルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキ
シ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モ
ノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコ
ニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセト
アセテート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・ト
リス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−
n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジル
コニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルア
セトアセテート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・
トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テト
ラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ
(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテ
ート)ジルコニウム、ビス(アセチルアセトナート)ビ
ス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリス
(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテー
ト)ジルコニウムなどのジルコニウムキレート化合物;
【0026】トリス(アセチルアセトナート)アルミニ
ウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム
などのアルミニウムキレート化合物;などを挙げること
ができる。
【0027】有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオ
ン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン
酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレ
イン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没
食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、シキミ酸、
2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リ
ノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−
アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ
酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン
酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸などを挙げ
ることができる。無機酸としては、例えば、塩酸、硝
酸、硫酸、フッ酸、リン酸などを挙げることができる。
【0028】有機塩基としては、例えば、ピリジン、ピ
ロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリ
ン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノ
ールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、ジアザビシクロオクラン、ジアザビシク
ロノナン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルア
ンモニウムハイドロオキサイドなどを挙げることができ
る。無機塩基としては、例えば、アンモニア、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カ
ルシウムなどを挙げることができる。
【0029】これら触媒のうち、金属キレート化合物、
有機酸、無機酸が好ましく、より好ましくは、有機酸を
挙げることができる。有機酸としては、特に酢酸、シュ
ウ酸、マレイン酸、マロン酸が好ましい。触媒として、
有機酸を用いると、加水分解および縮合反応中のポリマ
ーの析出やゲル化の恐れが少なく好ましい。これらの触
媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0030】上記触媒の使用量は、化合物(1)〜
(4)のR1 O−で表される基の総量1モルに対して、
通常、0.00001〜0.05モル、好ましくは0.
00001〜0.01モルである。
【0031】(A)成分が、化合物(1)〜(4)の縮
合物である場合には、その分子量は、ポリスチレン換算
の重量平均分子量で、通常、500〜300,000、
好ましくは、500〜200,000、さらに好ましく
は1,000〜100,000程度である。
【0032】また、(A)成分中、各成分を完全加水分
解縮合物に換算したときに、(A−4)成分は、(A−
1)成分、(A−2)成分、(A−3)成分および(A
−4)成分の総量に対して5〜50重量%、好ましくは
5〜45重量%、さらに好ましくは10〜45重量%で
あり、かつ〔(A−1)成分の重量〕<〔(A−2)成
分の重量〕、〔(A−3)成分の重量〕<〔(A−2)
成分の重量〕である。(A−4)成分が5重量%未満で
は、得られる塗膜の機械的強度が低下し、またCMP耐
性が不良となる。一方、50重量%を超えると、吸水性
が高くなり得られる塗膜の電気的特性が低下する。ま
た、〔(A−1)成分の重量〕<〔(A−2)成分の重
量〕、〔(A−3)成分の重量〕<〔(A−2)成分の
重量〕を満たさないと、得られる塗膜の機械的強度が劣
る。なお、本発明において、完全加水分解縮合物とは、
化合物(1)〜(4)のSiOR1 基が100%加水分
解してSiOH基となり、さらに完全に縮合してシロキ
サン構造となったものをいう。
【0033】(B)ポリエーテル (B)ポリエーテルとしては、下記一般式で表されるポ
リオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシ
エチレンブロックコポリマーを用いる。このブロックコ
ポリマーを用いると、得られる塗膜の密度が低くなり低
誘電となるとともに、BJH法で測定した塗膜中の空隙
サイズが10nm未満と小さいため、微細配線間の層間
絶縁膜材料として好ましい。 PEOp−PPOq−PEOr ただし、PEOはポリエチレンオキサイド単位(−CH
2 CH2 O−)、PPOはポリプロピレンオキサイド単
位〔−CH2 CH(CH3 )O−〕、pは2〜200、
qは20〜80、rは2〜200の数を示す。また、上
記ブロックコポリマーの末端は、通常、ヒドロキシル
基、カルボキシル基、アルコキシ基、トリアルコキシシ
リル基、(トリアルコキシシリル)アルキル基であり、
この場合、アルコキシ基の炭素数は5以下である。上記
(B)ポリエーテルのポリスチレン換算の重量平均分子
量は、通常、1,000〜20,000、好ましくは
2,000〜15,000である。
【0034】(B)ポリエーテルの使用量は、(A)成
分(完全加水分解縮合物換算)100重量部に対し、通
常、1〜80重量部、好ましくは5〜65重量部であ
る。1重量部未満では、誘電率を下げる効果が小さく、
一方、80重量部を超えると、機械的強度が低下する。
【0035】(C)溶媒 本発明の膜形成用組成物は、(A)成分および(B)ポ
リエーテルを、(C)アルコール系溶媒、ケトン系溶
媒、アミド系溶媒およびエステル系溶媒の群から選ばれ
た少なくとも1種の溶媒に溶解または分散してなる。こ
こで、アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタ
ノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブ
タノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−
メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタ
ノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、
2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−
エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノー
ル−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、
sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6
−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec
−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコー
ル、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタ
デシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、
メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンア
ルコールなどのモノアルコール系溶媒;
【0036】エチレングリコール、1,2−プロピレン
グリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジ
オール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,
4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−
2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチ
レングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレ
ングリコール、トリプロピレングリコールなどの多価ア
ルコール系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシル
エーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、
エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール
モノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノ
ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、
ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルなどの多
価アルコール部分エーテル系溶媒;などを挙げることが
できる。これらのアルコール系溶媒は、1種あるいは2
種以上を同時に使用してもよい。
【0037】これらのアルコール系溶媒のうち、n−プ
ロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−
ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n
−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノ
ール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−
メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペ
ンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノ
ール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリ
コールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモ
ノブチルエーテルなどが好ましい。
【0038】ケトン系溶媒としては、アセトン、メチル
エチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−
n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチ
ルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−
ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−
ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノ
ン、2−ヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4
−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノ
ン、フェンチョンなどのほか、アセチルアセトン、2,
4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5
−ヘプタンジオン、2,4−オクタンジオン、3,5−
オクタンジオン、2,4−ノナンジオン、3,5−ノナ
ンジオン、5−メチル−2,4−ヘキサンジオン、2,
2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、
1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ヘ
プタンジオンなどのβ−ジケトン類などが挙げられる。
これらのケトン系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時
に使用してもよい。
【0039】アミド系溶媒としては、ホルムアミド、N
−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルム
アミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、
N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルプロピオン
アミド、N−メチルピロリドン、N−ホルミルモルホリ
ン、N−ホルミルピペリジン、N−ホルミルピロリジ
ン、N−アセチルモルホリン、N−アセチルピペリジ
ン、N−アセチルピロリジンなどが挙げられる。これら
のアミド系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用
してもよい。
【0040】エステル系溶媒としては、ジエチルカーボ
ネート、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジエチ
ル、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ
−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピ
ル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブ
チル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸
3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エ
チルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、
酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸
n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢
酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコール
モノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−
n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエ
ーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテ
ル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢
酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジ
プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリ
コール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エ
チル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミ
ル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸
メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミ
ル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジ
エチルなどが挙げられる。これらエステル系溶媒は、1
種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。以上の
(C)溶媒は、1種あるいは2種以上を混合して使用す
ることができる。
【0041】なお、(C)溶媒として、アルコール系溶
媒および/またはケトン系溶媒を用いると、塗布性が良
好でかつ貯蔵安定性に優れた組成物が得られる点で好ま
しい。
【0042】本発明の膜形成用組成物は、上記の(C)
溶媒を含有するが、(A)成分を構成する化合物(1)
〜(4)を加水分解および/または縮合する際に、同様
の溶媒を使用することができる。
【0043】具体的には、(A)成分を構成する化合物
(1)〜(4)を溶解させた溶媒中に水または上記
(C)溶媒中で希釈した水を断続的あるいは連続的に添
加する。この際、触媒は、溶媒中に予め添加しておいて
もよいし、水添加時に水中に溶解あるいは分散させてお
いてもよい。この際の反応温度としては、通常、0〜1
00℃、好ましくは15〜90℃である。
【0044】その他の添加剤 本発明で得られる膜形成用組成物には、さらにコロイド
状シリカ、コロイド状アルミナ、界面活性剤などの成分
を添加してもよい。コロイド状シリカとは、例えば、高
純度の無水ケイ酸を前記親水性有機溶媒に分散した分散
液であり、通常、平均粒径が5〜30mμ、好ましくは
10〜20mμ、固形分濃度が10〜40重量%程度の
ものである。このような、コロイド状シリカとしては、
例えば、日産化学工業(株)製、メタノールシリカゾル
およびイソプロパノールシリカゾル;触媒化成工業
(株)製、オスカルなどが挙げられる。コロイド状アル
ミナとしては、日産化学工業(株)製のアルミナゾル5
20、同100、同200;川研ファインケミカル
(株)製のアルミナクリアーゾル、アルミナゾル10、
同132などが挙げられる。界面活性剤としては、例え
ば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カ
チオン系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、
さらには、シリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオ
キシド系界面活性剤、含フッ素界面活性剤などを挙げる
ことができる。
【0045】膜形成用組成物の調製方法 本発明の膜形成用組成物を調製するに際しては、例え
ば、(C)溶媒中、(A)成分を構成する化合物(1)
〜(4)を混合して、水を連続的または断続的に添加し
て、加水分解し、縮合し、(A)成分を調製したのち、
これに(B)ポリエーテルを添加すればよく、特に限定
されない。
【0046】本発明の組成物の調製方法の具体例として
は、下記〜の方法などを挙げることができる。 (A)成分を構成する化合物(1)〜(4)、および
(C)溶媒からなる混合物に、所定量の水を加えて、加
水分解・縮合反応を行ったのち、(B)成分を混合する
方法。 (A)成分を構成する化合物(1)〜(4)および
(C)成分からなる混合物に、所定量の水を連続的ある
いは断続的に添加して、加水分解、縮合反応を行なった
のち、(B)成分を混合する方法。 (A)成分を構成する化合物(1)〜(4)、(B)
成分および(C)成分からなる混合物に、所定量の水を
加えて加水分解・縮合反応を行う方法。 (A)成分を構成する化合物(1)〜(4)、(B)
成分および(C)成分からなる混合物に、所定量の水を
連続的あるいは断続的に添加して、加水分解、縮合反応
を行なう方法。
【0047】このようにして得られる本発明の組成物の
全固形分濃度は、好ましくは、2〜30重量%であり、
使用目的に応じて適宜調整される。組成物の全固形分濃
度が2〜30重量%であると、塗膜の膜厚が適当な範囲
となり、保存安定性もより優れるものである。なお、こ
の全固形分濃度の調整は、必要で有れば、濃縮や上記
(C)溶媒による希釈によって行われる。また、本発明
の組成物は、貯蔵安定性に優れ、例えば、ガラス製密閉
容器中、40℃で1ヶ月放置前後の塗布膜厚の変化を測
定した場合、その変化率が10%以内である。
【0048】本発明の組成物を用いて膜を形成するに
は、まず本発明の組成物を基板に塗布し、塗膜を形成す
る。ここで、本発明の組成物を塗布することができる基
板としては、半導体、ガラス、セラミックス、金属など
が挙げられる。また、塗布方法としては、スピンコー
ト、ディッピング、ローラーブレードなどが挙げられ
る。本発明の組成物は、特にシリコンウエハ、SiO2
ウエハ、SiNウエハなどの上に塗布され、絶縁膜とす
ることに適している。
【0049】この際の膜厚は、乾燥膜厚として、1回塗
りで厚さ0.05〜1.5μm程度、2回塗りでは厚さ
0.1〜3μm程度の塗膜を形成することができる。形
成する塗膜の厚さは、通常、0.2〜20μmである。
この際の加熱方法としては、ホットプレート、オーブ
ン、ファーネスなどを使用することができ、加熱雰囲気
としては、大気下、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空
下、酸素濃度をコントロールした減圧下などで行なうこ
とができる。この加熱方法としては、形成した塗膜を、
上記(B)成分の分解温度未満の温度で加熱して
(A)成分を一部硬化させ、次いで上記(B)成分の分
解温度以上の温度から最終硬化温度まで加熱し、低密度
の硬化物とする方法、上記(B)成分の分解温度以上
の温度で加熱を行い硬化させ、低密度の硬化物とする方
法などが挙げられる。
【0050】また、上記の(A)成分の硬化速度と
(B)成分の分解速度を制御するため、必要に応じて、
段階的に加熱したり、窒素、空気、酸素、減圧などの雰
囲気を選択することができる。通常、(B)成分の分解
温度は、通常、200〜400℃、好ましくは200〜
350℃であるので、塗膜は最終的にはこの温度以上に
加熱される工程を含む。この工程は、減圧状態もしくは
不活性ガス下で行われるのが好ましい。
【0051】このようにして得られる本発明の低密度化
膜は、膜密度が、通常、0.35〜1.2g/cm3
好ましくは0.4〜1.1g/cm3 、さらに好ましく
は0.5〜1.0g/cm3 である。0.35g/cm
3 未満では、塗膜の機械的強度が低下し、一方、1.2
g/cm3 を超えると、低誘電率が得られない。この膜
密度の調整は、本発明における膜形成用組成物中の
(B)成分の含有量により、容易に調整することができ
る。
【0052】さらに、本発明の低密度化膜は、BJH法
による細孔分布測定において10nm以上の空孔が認め
られず、微細配線間の層間絶縁膜材料として好ましい。
この塗膜中の微細孔は、本発明における(B)成分を用
いることで達成できる。
【0053】さらに、本発明の低密度化膜は、吸水性が
低い点に特徴を有し、例えば、塗膜を127℃、2.5
atm、100%RH、の環境に1時間放置した場合、
放置後の塗膜のIRスペクトル観察からは塗膜への水の
吸着は認められない。この吸水性は、本発明における膜
形成用組成物中の(A−4)成分の含有量を本発明記載
の範囲とすることで達成することができる。
【0054】さらに、本発明の低密度化膜の誘電率は、
低誘電率であり、通常、2.6〜1.2、好ましくは
2.5〜1.2、さらに好ましくは2.4〜1.2であ
る。この誘電率は、本発明の塗膜形成用組成物中の
(B)成分の含有量により調製することができる。
【0055】本発明の低密度膜は、絶縁性に優れ、塗布
膜の均一性、誘電率特性、塗膜の耐クラック性、塗膜の
表面硬度に優れることから、LSI、システムLSI、
DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAMな
どの半導体素子用層間絶縁膜、半導体素子の表面コート
膜などの保護膜、多層配線基板の層間絶縁膜、液晶表示
素子用の保護膜や絶縁防止膜などの用途に有用である。
【0056】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに具体的
に説明する。ただし、以下の記載は、本発明の態様例を
概括的に示すものであり、特に理由なく、かかる記載に
より本発明は限定されるものではない。また、実施例お
よび比較例中の部および%は、特記しない限り、それぞ
れ重量部および重量%であることを示している。
【0057】実施例1 (A)成分の調製;メチルトリメトキシシラン243.
6g(完全加水分解縮合物換算:120.0g)、1,
2−ビス(トリエトキシシリル)エタン214.5g
(完全加水分解縮合物換算:80.0g)、プロピレン
グリコールモノプロピルエーテル559.3g、メチル
−n−ペンチルケトン239.7gの混合溶液に、マレ
イン酸1.0g(触媒/R1 O基の総モル数=0.00
1mol比)を水162.0g(H2 O/R1 O基の総
モル数=1.0mol比)に溶かした水溶液を室温で1
時間かけて滴下した。混合物の滴下終了後、さらに60
℃で2時間反応させたのち、減圧下で全溶液量1,00
0gとなるまで濃縮し、固形分含有量20%のポリシロ
キサンゾルを得た。 組成物の調製;上記で得たポリシロキサンゾル100g
(固形分20g)に、ポリオキシエチレン−ポリオキシ
プロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマー
(三洋化成(株)製、ニューポール61(HO−PEO
2 −PPO30−PEO2 −OH相当)8.6gを添加
し、得られた混合物を8インチシリコンウエハ上にスピ
ンコート法により塗布し、大気中80℃で5分間、次い
で窒素下200℃で5分間加熱したのち、さらに真空下
で340℃、360℃、380℃の順でそれぞれ30分
間ずつ加熱し、さらに真空下425℃で1時間加熱し、
無色透明の膜を形成した。さらに、得られた組成物およ
び膜を、下記のとおり評価した。結果を表1に示す。
【0058】膜形成用組成物の評価 1.貯蔵安定性 本発明における膜形成用組成物80mlを容量100m
lのガラス製ねじ口瓶に入れて密閉し、40℃オートク
レーブ中で1ヶ月放置した。放置前後のサンプルを2,
500rpm、31秒のスピンコート条件で塗布し、上
記実施例1記載の方法で焼成した時の膜厚を光学式膜厚
計(Rudolph Technologies社製、
Spectra Laser200)にて測定し、その
変化率{[(放置後のサンプルの膜厚−放置前のサンプ
ルの膜厚)/放置前のサンプルの膜厚]×100}を算
出し、下記基準にて評価した。 ○:膜厚変化率<10% ×:膜厚変化率≧10%
【0059】2.誘電率 得られた膜に対して蒸着法によりアルミニウム電極パタ
ーンを形成させ誘電率測定用サンプルを作成した。該サ
ンプルを周波数100kHzの周波数で、横河・ヒュー
レットパッカード(株)製、HP16451B電極およ
びHP4284AプレシジョンLCRメータを用いてC
V法により当該塗膜の誘電率を測定した。結果を表1に
示す。
【0060】3.膜密度 密度は、膜の膜厚と膜の面積から求めた体積と、膜の重
量から算出した。 4.細孔分布 得られた硬化物の細孔分布を、COULTER社製 O
MNISORP 100/360 SERIESを用い
てBJH法で測定し、下記基準に従って評価した。 ○:10nm以上の細孔が認められない。 ×:10nm以上の細孔が認められる。
【0061】5.弾性率 得られた膜を、ナノインデンターXP(ナノインスツル
メント社製)を用いて、連続剛性測定法により測定し
た。 6.吸水性 得られた塗膜を、127℃、2.5atm、100%R
Hの環境に1時間放置し、放置後の塗膜のIRスペクト
ルを観察した。放置前の塗膜のIRスペクトルと比較し
て、3,500cm-1付近のH2 Oに起因する吸収の有
無を観察し、吸水性を下記基準に従い評価した。 ○:吸収無し ×:吸収有り
【0062】7.CMP耐性 得られた膜を、以下の条件で研磨した。 スラリー:シリカ−過酸化水素系 研磨圧力:300g/cm2 研磨時間:60秒 評価は、以下の基準にて行った。 ○:変化なし △:一部にはがれやキズがある。 ×:全て剥がれる。
【0063】実施例2 (A)成分の調製;テトラメトキシシシラン50.7g
(完全加水分解縮合物換算:20.0g)、メチルトリ
メトキシシラン162.4g(完全加水分解縮合物換
算:80.0g)、ジメチルジメトキシシラン32.4
g(完全加水分解縮合物換算:20.0g)、1,2−
ビス(トリエトキシシリル)メタン230.5g(完全
加水分解縮合物換算:80.0g)、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル798.9gの混合溶液に、シ
ュウ酸0.9g(触媒/R1 O基の総モル数=0.00
1mol比)を水171.3g(H2 O/R1 O基の総
モル数=1.0mol比)に溶かした水溶液を室温で1
時間かけて滴下した。混合物の滴下終了後、さらに60
℃で2時間反応させたのち、減圧下で全溶液量1,00
0gとなるまで濃縮し、固形分含有量20%のポリシロ
キサンゾルを得た。 組成物の調製;上記で得たポリシロキサンゾル100g
(固形分20g)に、ポリオキシエチレン−ポリオキシ
プロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマー
〔三洋化成(株)製、ニューポール62(HO−PEO
5 −PPO30−PEO5 −OH相当)〕10.8gを添
加し、得られた混合物を8インチシリコンウエハ上にス
ピンコート法により塗布し、大気中80℃で5分間、次
いで窒素下200℃で5分間加熱したのち、さらに真空
下で340℃、360℃、380℃の順でそれぞれ30
分間ずつ加熱し、さらに真空下425℃で1時間加熱
し、無色透明の膜を形成した。得られた組成物および膜
の評価を、実施例1と同様にして行った。結果を表1に
示す。
【0064】実施例3 (A)成分の調製;テトラメトキシシシラン101.3
g(完全加水分解縮合物換算:40.0g)、メチルト
リメトキシシラン203.0g(完全加水分解縮合物換
算:100.0g)、1,2−ビス(トリエトキシシリ
ル)エタン160.9g(完全加水分解縮合物換算:6
0.0g)、プロピレングリコールモノプロピルエーテ
ル783.2g、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルア
セトアセテート)チタン(触媒/R1 O基の総モル数=
0.004mol比)の混合溶液に、水177.5g
(H2 O/R1 O基の総モル数=1.0mol比)を6
0℃加温下で1時間かけて滴下した。混合物の滴下終了
後、さらに60℃で2時間反応させたのち、アセチルア
セトン100.0gを加え、その後、減圧下で全溶液量
1,000gとなるまで濃縮し、固形分含有量20%の
ポリシロキサンゾルを得た。 組成物の調製;上記で得たポリシロキサンゾル100g
(固形分20g)に、ポリオキシエチレン−ポリオキシ
プロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマー
〔三洋化成(株)製、ニューポール71(HO−PEO
3 −PPO35−PEO3 −OH相当)〕8.6gを添加
し、得られた混合物を8インチシリコンウエハ上にスピ
ンコート法により塗布し、大気中80℃で5分間、次い
で窒素下200℃で5分間加熱したのち、さらに真空下
で340℃、360℃、380℃の順でそれぞれ30分
間ずつ加熱し、さらに真空下425℃で1時間加熱し、
無色透明の膜を形成した。得られた組成物および膜の評
価を、実施例1と同様にして行った。結果を表1に示
す。
【0065】比較例1 実施例1において、ポリオキシエチレン−ポリオキシプ
ロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマーを使
用しない以外は、実施例1と同様にして組成物を製造
し、基板に塗布し加熱して、膜を形成した。得られた組
成物および膜の評価を、実施例1と同様にして行った。
結果を表1に示す。
【0066】比較例2 実施例1において、プロピレングリコールモノプロピル
エーテル559.3g、メチル−n−ペンチルケトン2
39.7gを使用せず、代わりにテトラヒドロフラン7
99.0gを使用する以外は、実施例1と同様にして組
成物を製造し、基板に塗布し加熱して膜を形成した。得
られた組成物および膜の評価を、実施例1と同様にして
行った。結果を表1に示す。
【0067】比較例3 実施例1において、ポリオキシエチレン−ポリオキシプ
ロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマー8.
6gを使用せず、代わりにポリメチルメタクリレート樹
脂(分子量20,000)を使用する以外は、実施例1
と同様にして組成物を製造し、基板に塗布し加熱して膜
を形成した。得られた組成物および膜の評価を、実施例
1と同様にして行った。結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、貯蔵安定性に優れ、得
られる膜が低密度、低誘電率、低吸水率で、かつ空隙サ
イズが小さく、CMP耐性に優れた、膜形成用組成物を
提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 英治 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 塩田 淳 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 山田 欣司 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 後藤 幸平 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4J002 CH022 CP031 EC037 EC047 EE027 EE047 EH007 EH037 EH057 EL067 EP017 EU027 EU077 EU237 EX036 GQ01 4J038 DF022 DL021 DL031 JC32 KA06 NA21 PB09 5F058 AA03 AA04 AA10 AC03 AF04 AG01 AH01 AH02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(A−1)下記一般式(1)で表
    される化合物、(A−2)下記一般式(2)で表される
    化合物および(A−3)下記一般式(3)で表される化
    合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(A−
    4)下記一般式(4)で表される化合物、とを含有する
    シラン化合物、その加水分解物および/またはその縮合
    物、 (R1 〜R3 は同一でも異なっていてもよく、それぞれ
    1価の有機基、Rは2価の有機基を示し、sおよびtは
    0〜1の整数である。) (B)一般式PEOp−PPOq−PEOr(ただし、
    PEOはポリエチレンオキサイド単位、PPOはポリプ
    ロピレンオキサイド単位、pは2〜200、qは20〜
    80、rは2〜200の数を示す)で表されるポリエー
    テル、ならびに (C)アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒
    およびエステル系溶媒の群から選ばれた少なくとも1種
    の溶媒を含有することを特徴とする膜形成用組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分中、各成分を完全加水分解縮
    合物に換算したときに、(A−4)成分が(A−1)成
    分、(A−2)成分、(A−3)成分および(A−4)
    成分の総量に対して5〜50重量%であり、かつ〔(A
    −1)成分の重量〕<〔(A−2)成分の重量〕、
    〔(A−3)成分の重量〕<〔(A−2)成分の重
    量〕、である請求項1記載の膜形成用組成物。
  3. 【請求項3】 (C)溶媒が、アルコール系溶媒および
    /またはケトン系溶媒である請求項1記載の膜形成用組
    成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか1項記載の膜形成
    用組成物を基板に塗布し、加熱することを特徴とする膜
    の形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3いずれか1項記載の膜形成
    用組成物を基板に塗布し、(B)成分の分解温度未満の
    温度で加熱して(A)成分を一部硬化させ、次いで上記
    (B)成分の分解温度以上の温度で加熱を行い硬化させ
    る請求項4記載の膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3いずれか1項記載の膜形成
    用組成物を基板に塗布し、(B)成分の分解温度以上の
    温度で加熱を行い硬化させる請求項4記載の膜の形成方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6いずれか1項記載の膜の形
    成方法によって得られる低密度化膜。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003066750A1 (fr) * 2002-02-06 2003-08-14 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Compositions de revetement pour former des films minces isolants
JP2005516391A (ja) * 2002-01-17 2005-06-02 シレックス オサケユキチュア ポリ(オルガノシロキサン)材料および集積回路用ハイブリッド有機−無機誘電体の製造方法
WO2006011512A1 (ja) * 2004-07-28 2006-02-02 Dainippon Ink And Chemicals, Inc. 有機無機複合塗膜及び水性塗料組成物
WO2007123235A1 (ja) 2006-04-24 2007-11-01 Hitachi Chemical Co., Ltd. Cmp用研磨液及び研磨方法
JP2010037458A (ja) * 2008-08-06 2010-02-18 Nitto Denko Corp 金属酸化物微粒子を含有してなる樹脂組成物

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