JP4013055B2 - 積層膜、積層膜の形成方法、絶縁膜ならびに半導体用基板 - Google Patents

積層膜、積層膜の形成方法、絶縁膜ならびに半導体用基板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、 積層された膜に関し、さらに詳しくは、半導体素子などにおいてCVD(Chemical Vapor Deposition)法で形成される膜との密着性に優れた半導体用積層膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子などにおける層間絶縁膜として、CVD法などの真空プロセスで形成されたシリカ(SiO2)膜が多用されている。そして、近年、より均一な層間絶縁膜を形成することを目的として、SOG(Spin on Glass)膜と呼ばれるテトラアルコキシランの加水分解生成物を主成分とする塗布型の絶縁膜も使用されるようになっている。また、半導体素子などの高集積化に伴い、有機SOGと呼ばれるポリオルガノシロキサンを主成分とする低比誘電率の層間絶縁膜が開発されている。
特に半導体素子などのさらなる高集積化や多層化に伴い、より低比誘電率、好ましくは比誘電率2.5以下で、かつ基板との密着性に優れた層間絶縁膜材料が求められるようになっている。
低比誘電率の材料としては、アンモニアの存在下にアルコキシシランを縮合して得られる微粒子とアルコキシシランの塩基性部分加水分解物との混合物からなる組成物(特開平5−263045、同5−315319)や、ポリアルコキシシランの塩基性加水分解物をアンモニアの存在下縮合することにより得られた塗布液(特開平11−340219、同11−340220)が提案されているが、これらの方法で得られる材料は、単体では基板との密着性が劣ったり、比誘電率が2.5を越えてしまうという問題があった。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−90085号公報
【特許文献2】
特開平10−204181号公報
【特許文献3】
特開平11−340219号公報
【特許文献4】
特開平11−340220号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決するための積層膜に関し、さらに詳しくは、半導体素子などにおける層間絶縁膜として、CVD法で形成される塗膜との密着性に優れた半導体用絶縁膜を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)少なくともケイ素および窒素を含有する化合物(以下、「化合物(A)」ともいう)を加熱硬化してなる膜(以下、「膜(A)」ともいう)、および
(B)下記一般式(1)で表される化合物(以下、「化合物(B−1)」ともいう)、下記一般式(2)で表される化合物(以下、「化合物(B−2)」ともいう)および下記一般式(3)で表される化合物(以下、「化合物(B−3)」ともいう)の群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物を、水と触媒の存在下で加水分解、縮合して得られる加水分解縮合物を加熱硬化してなる膜(以下「膜(B)」ともいう)が、積層されてなることを特徴とした積層膜に関する。
a Si(OR14-a ・・・・・(1)
(式中、Rは水素原子、フッ素原子、アルキル基またはアリール基、R1 は1価の有機基、aは1〜2の整数を示す。)
Si(OR24 ・・・・・(2)
(式中、R2 は1価の有機基を示す。)
3 b (R4 O)3-b Si−(R7d −Si(OR53-c6 c・・(3)
〔式中、R3 〜R6 は同一または異なり、それぞれアルキル基またはアリール基、bおよびcは同一または異なり、0〜2の数を示し、R7 は酸素原子、フェニレン基または−(CH2n −で表される基(ここで、nは1〜6の整数である)、dは0または1を示す。〕
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において、膜(A)を形成するために使用する化合物(A)は、少なくともケイ素および窒素を含有し、好ましくは活性水素含有基との反応性を有する官能基を含む。かかる活性水素含有基との反応性を有する官能基としては、イソシアネート基、アルコキシシリル基、シラノール基、シリルアミノ基、シリルアミド基などが挙げられ、化合物(A)は前記グリシジル基、イソシアネート基、アルコキシシリル基、シラノール基、シリルアミノ基、シリルアミド基の群から選ばれる少なくとも1種の官能基を含むことが特に好ましい。
かかる化合物(A)としては、イソシアネートアルキル(アルコキシ)シラン、イソシアネートシラン、アルコキシシリルアルキルイソシアヌレート、アルキルアミノ(アルキル)シラン、アルキルアミノ(アリール)シラン、アルキルアミノ(アルコキシ)シラン、アルコキシシリルアミド、アルキルシクロシラザン、ポリシラザン等が挙げられる。
化合物(A)の具体例としては、例えば、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、テトライソシアネートシラン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、ビス(ジエチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)ジエチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノジメチルシリル)エタン、ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)ビニルエチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)ビニルメチルシラン、ジメチルアミノメチルエトキシシラン、テトラキス(ジエチルアミノ)シラン、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン、トリス(シクロヘキシルアミノ)メチルシラン、トリス(ジメチルアミノ)エチルシラン、トリス(ジメチルアミノ)メチルシラン、トリス(ジメチルアミノ)フェニルシラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、
ビス(N−メチルベンヅアミド)エトキシメチルシラン、
1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルシクロトリシラザン、1,2,3,4,5,6−ヘキサメチルシクロトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン、1,3,5,7−テトラエチル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシラザン、1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシラザン、1,2,3−トリエチル−2,4,6−トリメチルシクロトリシラザン、1,3,5−トリビニル−1,3,5−トリメチルシクロトリシラザン、
等の他、下記一般式(4)および(5)で表されるポリシラザン等を挙げることができる。
【0007】
一般式(4)
【化1】
Figure 0004013055
【0008】
一般式(5)
【化2】
Figure 0004013055
(上記一般式(4)および(5)中、R8、R9、R10、R11、R12はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、これらの基以外でケイ素または窒素に直結する部分が炭素である基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基またはアルコキシ基を表し、nおよびmはそれぞれ独立に任意の整数である。)
これらの化合物は2種以上を同時に使用してもよく、また、1種または2種以上の部分重合物であるオリゴマーまたはポリマーとして用いても良い。
【0009】
本発明の膜(A)は、上記化合物(A)を基板等に塗布したのち加熱硬化させることにより得られる。化合物(A)を塗布する際には、化合物(A)をそのままで、もしくは必要に応じて有機溶媒に溶解したのち基板等に塗布することができる。有機溶媒としては活性水素含有基を有する有機溶媒でなく前記化合物(A)を溶解しうるものであれば特に限定されない。かかる有機溶媒の具体例としては、例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン、フェンチョン、ジエチルカーボネート、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジエチル、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、などが挙げられる。
これらの有機溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0010】
化合物(A)を塗布する際には、スピンコート、浸漬法、ロールコート法、スプレー法などの塗装手段が用いられる。その後、50〜500℃程度の温度で、通常、1〜240分程度加熱して乾燥することにより、本発明の膜(A)を形成することが出来る。
この際の加熱方法としては、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用することが出来、加熱雰囲気としては、大気下、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空下、酸素濃度をコントロールした減圧下などで行うことができる。
また、電子線や紫外線を照射することによっても塗膜を形成させることができる。
また、上記塗膜の硬化速度を制御するため、必要に応じて、段階的に加熱したり、窒素、空気、酸素、減圧などの雰囲気を選択することができる。
【0011】
本発明において、膜(B)を形成するために使用する加水分解縮合物とは、上記化合物(B−1)〜(B−3)の群から選ばれた少なくとも1種の加水分解物およびその縮合物もしくはいずれか一方である。
本発明において、加水分解物とは、反応性基を有するアルコキシシラン化合物および化合物(B−1)〜(B−3)に含まれるR1 O−基,R2 O−基,R4 O−基およびR5 O−基のすべてが加水分解されている必要はなく、例えば、1個だけが加水分解されているもの、2個以上が加水分解されているもの、あるいは、これらの混合物であってもよい。
また、本発明において縮合物とは、化合物(B−1)〜(B−3)の加水分解物のシラノール基が縮合してSi−O−Si結合を形成したものであるが、本発明では、シラノール基がすべて縮合している必要はなく、僅かな一部のシラノール基が縮合したもの、縮合の程度が異なっているものの混合物などをも包含した概念である。
化合物(B−1);
上記一般式(1)において、RおよびR1 の1価の有機基としては、アルキル基、アリール基、アリル基などを挙げることができる。また、一般式(1)において、Rは1価の有機基、特にアルキル基またはフェニル基であることが好ましい。
ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、好ましくは炭素数1〜5であり、これらのアルキル基は鎖状でも、分岐していてもよく、さらに水素原子がフッ素原子などに置換されていてもよい。
一般式(1)において、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基などを挙げることができる。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリ−n−プロポキシシラン、トリ−iso−プロポキシシラン、トリ−n−ブトキシシラン、トリ−sec−ブトキシシラン、トリ−tert−ブトキシシラン、トリフェノキシシラン、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、フルオロトリ−n−プロポキシシラン、フルオロトリ−iso−プロポキシシラン、フルオロトリ−n−ブトキシシラン、フルオロトリ−sec−ブトキシシラン、フルオロトリ−tert−ブトキシシラン、フルオロトリフェノキシシランなど;
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−sec−ブトキシシラン、メチルトリ−tert−ブトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリ−sec−ブトキシシラン、エチルトリ−tert−ブトキシシラン、エチルトリフェノキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−sec−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、n−プロピルトリフェノキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、i−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、i−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、i−プロピルトリ−sec−ブトキシシラン、i−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、i−プロピルトリフェノキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、n−ブチルトリフェノキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチルトリエトキシシラン、sec−ブチル−トリ−n−プロポキシシラン、sec−ブチル−トリ−iso−プロポキシシラン、sec−ブチル−トリ−n−ブトキシシラン、sec−ブチル−トリ−sec−ブトキシシラン、sec−ブチル−トリ−tert−ブトキシシラン、sec−ブチル−トリフェノキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、t−ブチルトリフェノキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−iso−プロポキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリ−sec−ブトキシシラン、フェニルトリ−tert−ブトキシシラン、フェニルトリフェノキシシラン、γ−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−トリフロロプロピルトリエトキシシランなど;
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジメチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジメチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジメチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジメチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジエチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジエチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジエチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジエチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−フェノキシシラン、ジ−iso−プロピルジメトキシシラン、ジ−iso−プロピルジエトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−フェノキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジ−sec−ブチルジメトキシシラン、ジ−sec−ブチルジエトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシシラン、ジ−tert−ブチルジエトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニル−ジ−エトキシシラン、ジフェニル−ジ−n−プロポキシシラン、ジフェニル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジフェニル−ジ−n−ブトキシシラン、ジフェニル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジフェニルジフェノキシシランなど;
を挙げることができる。
化合物(B−1)として好ましい化合物は、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどである。
これらは、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0012】
化合物(B−2);
上記一般式(2)において、R2 で表される1価の有機基としては、先の一般式(1)と同様な有機基を挙げることができる。
一般式(2)で表される化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラフェノキシシランなどが挙げられる。
【0013】
化合物(B−3);
上記一般式(3)において、R3 〜R6 で表される1価の有機基としては、先の一般式(1)と同様な有機基を挙げることができる。
一般式(3)のうち、R7 が酸素原子の化合物としては、ヘキサメトキシジシロキサン、ヘキサエトキシジシロキサン、ヘキサフェノキシジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタメトキシ−3−メチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエトキシ−3−メチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタフェノキシ−3−メチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタメトキシ−3−エチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエトキシ−3−エチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタフェノキシ−3−エチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタメトキシ−3−フェニルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエトキシ−3−フェニルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタフェノキシ−3−フェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジエチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジエチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ジエチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,1,3−トリメトキシ−1,3,3−トリメチルジシロキサン、1,1,3−トリエトキシ−1,3,3−トリメチルジシロキサン、1,1,3−トリフェノキシ−1,3,3−トリメチルジシロキサン、1,1,3−トリメトキシ−1,3,3−トリエチルジシロキサン 、1,1,3−トリエトキシ−1,3,3−トリエチルジシロキサン 、1,1,3−トリフェノキシ−1,3,3−トリエチルジシロキサン 、1,1,3−トリメトキシ−1,3,3−トリフェニルジシロキサン、1,1,3−トリエトキシ−1,3,3−トリフェニルジシロキサン、1,1,3−トリフェノキシ−1,3,3−トリフェニルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェノキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,3−ジフェノキシ−1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ジフェノキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサンなどを挙げることができる。
これらのうち、ヘキサメトキシジシロキサン、ヘキサエトキシジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサンなどを、好ましい例として挙げることができる。
また、一般式(3)において、dが0の化合物としては、ヘキサメトキシジシラン、ヘキサエトキシジシラン、ヘキサフェノキシジシラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタフェノキシ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−エチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2−エチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタフェノキシ−2−エチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−フェニルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2−フェニルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタフェノキシ−2−フェニルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラフェノキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジエチルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジエチルジシラン、1,1,2,2−テトラフェノキシ−1,2−ジエチルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,1,2,2−テトラフェノキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリフェノキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリエチルジシラン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリエチルジシラン、1,1,2−トリフェノキシ−1,2,2−トリエチルジシラン、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、1,1,2−トリフェノキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラエチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラエチルジシラン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラエチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシランなどを挙げることができる。
これらのうち、ヘキサメトキシジシラン、ヘキサエトキシジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシランなどを、好ましい例として挙げることができる。
【0014】
さらに、一般式(3)において、R7 が−(CH2n −で表される基の化合物としては、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリ−n−プロポキシシリル)メタン、ビス(トリ−i−プロポキシシリル)メタン、ビス(トリ−n−ブトキシシリル)メタン、ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)メタン、ビス(トリ−t−ブトキシシリル)メタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−i−プロポキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−t−ブトキシシリル)エタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−1−(トリメトキシシリル)メタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−1−(トリエトキシシリル)メタン、1−(ジ−n−プロポキシメチルシリル)−1−(トリ−n−プロポキシシリル)メタン、1−(ジ−i−プロポキシメチルシリル)−1−(トリ−i−プロポキシシリル)メタン、1−(ジ−n−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−n−ブトキシシリル)メタン、1−(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−sec−ブトキシシリル)メタン、1−(ジ−t−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−t−ブトキシシリル)メタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−2−(トリメトキシシリル)エタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−2−(トリエトキシシリル)エタン、1−(ジ−n−プロポキシメチルシリル)−2−(トリ−n−プロポキシシリル)エタン、1−(ジ−i−プロポキシメチルシリル)−2−(トリ−i−プロポキシシリル)エタン、1−(ジ−n−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−n−ブトキシシリル)エタン、1−(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−sec−ブトキシシリル)エタン、1−(ジ−t−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−t−ブトキシシリル)エタン、ビス(ジメトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−n−プロポキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−i−プロポキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−n−ブトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−t−ブトキシメチルシリル)メタン、1,2−ビス(ジメトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジエトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−n−プロポキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−i−プロポキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−n−ブトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−t−ブトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−i−プロポキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ-t- ブトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−i−プロポキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−t−ブトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−i−プロポキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−t−ブトキシシリル)ベンゼンなど挙げることができる。
【0015】
これらのうち、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−1−(トリメトキシシリル)メタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−1−(トリエトキシシリル)メタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−2−(トリメトキシシリル)エタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−2−(トリエトキシシリル)エタン、ビス(ジメトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)メタン、1,2−ビス(ジメトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジエトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼンなどを好ましい例として挙げることができる。
本発明において、アルコキシシラン加水分解縮合物を構成する化合物(B−1)〜(B−3)としては、上記化合物(B−1)、(B−2)および(B−3)の1種もしくは2種以上を用いることができる。
【0016】
本発明に使用する反応性基を有するアルコキシシラン化合物および化合物(B−1)〜(B−3)を加水分解、縮合させる際に、アルコキシシラン加水分解縮合物1モル当たり0.5〜150モルの水を用いることが好ましく、1〜100モルの水を加えることが特に好ましい。添加する水の量が1モル以下であると 膜の耐クラック性が劣る場合があり、150モルを越えると加水分解および縮合反応中のポリマーの析出やゲル化が生じる場合がある。
本発明に使用する反応性基を有するアルコキシシラン化合物および化合物(B−1)〜(B−3)の群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物を加水分解縮合するに際しては、上記反応性基を有するアルコキシシラン化合物および化合物(B−1)〜(B−3)の群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物を加水分解、縮合させる際に、アルカリ触媒、酸触媒、金属キレート化合物を使用する。
アルカリ触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、ピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ペンチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン、N,N−ジプロピルアミン、N,N−ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルアミン、トリメチルイミジン、1−アミノ−3−メチルブタン、ジメチルグリシン、3−アミノ−3−メチルアミンなどを挙げることができ、アミンあるいはアミン塩が好ましく、有機アミンあるいは有機アミン塩が特に好ましく、アルキルアミン、テトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイドが最も好ましい。
これらのアルカリ触媒は1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
【0017】
金属キレート化合物としては、例えば、トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、テトラキス(アセチルアセトナート)チタン、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、テトラキス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)チタン、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)チタン、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)チタンなどのチタンキレート化合物;
トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウムキレート化合物;
トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアルミニウムキレート化合物;
などを挙げることができ、好ましくはチタンまたはアルミニウムのキレート化合物、特に好ましくはチタンのキレート化合物を挙げることができる。
これらの金属キレート化合物は、1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
【0018】
酸触媒としては、例えば、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸、ホウ酸、シュウ酸などの無機酸;
酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、シキミ酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、リンゴ酸、グルタル酸の加水分解物、無水マレイン酸の加水分解物、無水フタル酸の加水分解物などの有機酸を挙げることができ、有機カルボン酸をより好ましい例として挙げることができる。
これらの酸触媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0019】
上記触媒の使用量は、反応性基を有するアルコキシシラン化合物および化合物(B−1)〜(B−3)中のアルコキシル基またはR1 O−基,R2 O−基,R4 O−基およびR5 O−基で表される基の総量1モルに対して、通常、0.00001〜10モル、好ましくは0.00005〜5モルである。触媒の使用量が上記範囲内であれば、反応中のポリマーの析出やゲル化の恐れが少ない。また、本発明において、反応性基を有するアルコキシシラン化合物および化合物(B−1)〜(B−3)を加水分解するときの温度は通常0〜100℃、好ましくは15〜80℃である。
なお、化合物(B−1)〜(B−3)を完全加水分解縮合物に換算したときに、化合物(B−2)は、化合物(B−1)〜(B−3)の総量中、5〜75重量%、好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは15〜70重量%である。また、化合物(B−1)および/または(B−3)は、化合物(B−1)〜(B−3)の総量中、95〜25重量%、好ましくは90〜30重量%、さらに好ましくは85〜30重量%である。化合物(B−2)が、化合物(B−1)〜(B−3)の総量中、5〜75重量%であることが、得られる 膜の弾性率が高く、かつ低誘電性に特に優れる。
ここで、本発明において、完全加水分解縮合物とは、反応性基を有するアルコキシシラン化合物および化合物(B−1)〜(B−3)中のアルコキシル基またはR1 O−基,R2 O−基,R4 O−基およびR5 O−基が100%加水分解してSiOH基となり、さらに完全に縮合してシロキサン構造となったものをいう。
【0020】
本発明の膜(B)を形成するために使用する加水分解縮合物は、通常、有機溶媒に溶解または分散してなる。
この有機溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒および非プロトン系溶媒の群から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
ここで、アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコールなどのモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコールなどの多価アルコール系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルなどの多価アルコール部分エーテル系溶媒;
などを挙げることができる。
これらのアルコール系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0021】
ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン、フェンチョンなどのほか、アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,4−オクタンジオン、3,5−オクタンジオン、2,4−ノナンジオン、3,5−ノナンジオン、5−メチル−2,4−ヘキサンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ヘプタンジオンなどのβ−ジケトン類などが挙げられる。
これらのケトン系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
アミド系溶媒としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン、N−ホルミルモルホリン、N−ホルミルピペリジン、N−ホルミルピロリジン、N−アセチルモルホリン、N−アセチルピペリジン、N−アセチルピロリジンなどが挙げられる。
これらアミド系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0022】
エステル系溶媒としては、ジエチルカーボネート、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジエチル、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチルなどが挙げられる。
これらエステル系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0023】
非プロトン系溶媒としては、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N,N´,N´−テトラエチルスルファミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N−メチルモルホロン、N−メチルピロール、N−エチルピロール、N−メチル−Δ3 −ピロリン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N,N−ジメチルピペラジン、N−メチルイミダゾール、N−メチル−4−ピペリドン、N−メチル−2−ピペリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチルテトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノンなどを挙げることができる。
これらの有機溶剤の中で、特に下記一般式(4)で表される有機溶剤が特に好ましい。
15O(CHCH3CH2O)g16 ・・・・・(4)
(R15およびR16は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはCH3CO−から選ばれる1価の有機基を示し、gは1〜2の整数を表す。)
以上の有機溶媒は、1種あるいは2種以上を混合して使用することができる。
【0024】
本発明の膜(B)を形成するために使用する加水分解縮合物は、化合物(B−1)〜(B−3)、水、触媒、有機溶媒を混合し、通常0〜100℃、好ましくは15〜80℃の温度で、通常0.5〜24時間、好ましくは1〜12時間反応させることにより形成される。より具体的には、化合物(B−1)〜(B−3)を溶解させた有機溶媒と、水または有機溶媒で希釈した水を断続的あるいは連続的に混合する。この際、触媒は予め化合物(B−1)〜(B−3)と混合しておいてもよいし、水あるいは有機溶媒で希釈した水に溶解あるいは分散させておいてもよい。
本発明の膜(B)を形成するために使用する加水分解縮合物には、さらにコロイド状シリカ、有機ポリマー、界面活性剤、シランカップリング剤、ラジカル発生剤などの成分を添加してもよい。
ポリアルキレンオキサイド構造を有する化合物としては、ポリメチレンオキサイド構造、ポリエチレンオキサイド構造、ポリプロピレンオキサイド構造、ポリテトラメチレンオキサイド構造、ポリブチレンオキシド構造などが挙げられる。
具体的には、ポリオキシメチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエテチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのエーテル型化合物、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩などのエーテルエステル型化合物、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエーテルエステル型化合物などを挙げることができる。
【0025】
ポリオキシチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーとしては下記のようなブロック構造を有する化合物が挙げられる。
−(X)j−(Y)k−
−(X)j−(Y)k−(X)l-
(式中、Xは−CH2CH2O−で表される基を、Yは−CH2CH(CH3)O−で表される基を示し、jは1〜90、kは10〜99、lは0〜90の数を示す)
これらの中で、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、などのエーテル型化合物をより好ましい例として挙げることができる。
これらは1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
【0026】
界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、さらには、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、ポリ(メタ)アクリレート系界面活性剤などを挙げることができ、好ましくはフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤を挙げることができる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば1,1,2,2−テトラフロロオクチル(1,1,2,2−テトラフロロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフロロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、パーフロロドデシルスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフロロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロデカン、N−[3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]-N,N‘−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタイン、パーフルオロアルキルスルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル−N−エチルスルホニルグリシン塩、リン酸ビス(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−エチルアミノエチル)、モノパーフルオロアルキルエチルリン酸エステル等の末端、主鎖および側鎖の少なくとも何れかの部位にフルオロアルキルまたはフルオロアルキレン基を有する化合物からなるフッ素系界面活性剤を挙げることができる。
また、市販品としてはメガファックF142D、同F172、同F173、同F183(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、エフトップEF301、同303、同352(新秋田化成(株)製)、フロラードFC−430、同FC−431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、BM−1000、BM−1100(裕商(株)製)、NBX−15((株)ネオス)などの名称で市販されているフッ素系界面活性剤を挙げることができる。これらの中でも、上記メガファックF172,BM−1000,BM−1100,NBX−15が特に好ましい。
シリコーン系界面活性剤としては、例えばSH7PA、SH21PA、SH30PA、ST94PA(いずれも東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製などを用いることが出来る。これらの中でも、上記SH28PA、SH30PAが特に好ましい。
界面活性剤の使用量は、アルコキシシラン加水分解縮合物(完全加水分解縮合物)に対して通常0.0001〜10重量部である。
これらは1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
【0027】
シランカップリング剤としては、例えば3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノグリシジロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルメチルジメトキシシラン、1−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
これらは1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
ラジカル発生剤としては、例えばイソブチリルパーオキサイド、α、α’ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ−nプロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、ジメトキブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、スクシニックパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、m−トルオイルアンドベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルパーオキシ−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α、α’ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ヘキシルヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等を挙げることができる。
ラジカル発生剤の配合量は、重合体100重量部に対し、0.1〜10重量部が好ましい。
これらは1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
【0028】
このようにして得られる本発明の膜(B)を形成するために使用する加水分解縮合物の全固形分濃度は、好ましくは、1〜30重量%であり、使用目的に応じて適宜調整される。組成物の全固形分濃度が1〜30重量%であると、 膜の膜厚が適当な範囲となり、保存安定性もより優れるものである。
なお、この全固形分濃度の調整は、必要であれば、濃縮および上記有機溶剤による希釈によって行われる。
本発明の膜(B)は前記加水分解縮合物を基板等に塗布し、次いで加熱硬化させることにより形成される。 前記加水分解縮合物を塗布する際には、スピンコート、浸漬法、ロールコート法、スプレー法などの塗装手段が用いられる。その後、50〜500℃程度の温度で、通常、1〜240分程度加熱して乾燥することにより、本発明の膜(B)を形成することが出来る。
この際の加熱方法としては、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用することが出来、加熱雰囲気としては、大気下、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空下、酸素濃度をコントロールした減圧下などで行うことができる。
また、電子線や紫外線を照射することによっても塗膜を形成させることができる。
また、上記塗膜の硬化速度を制御するため、必要に応じて、段階的に加熱したり、窒素、空気、酸素、減圧などの雰囲気を選択することができる。
【0029】
本発明の積層膜は膜(A)および膜(B)は互いに積層することにより形成される。具体的には、CVD膜上に膜(A)を形成しさらに膜(B)を形成する、あるいは予め形成した膜(B)上に膜(A)を形成しさらにCVD膜を形成する、ことにより得られる。
本発明の膜(A)がCVD膜と膜(B)との間に存在することにより、積層膜として十分な密着性が得られる。
なお、本発明の膜(A)および膜(B)を形成する際には、加熱硬化処理をそれぞれの膜で別々行うことも、同時に行うこともできる。
【0030】
本発明に使用するCVD膜としては、Siを含有し、かつO、C、N、Hの群から選ばれる少なくとも1種の元素をさらに含有する堆積膜である。かかる堆積膜としては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、シラン、テトラメチルシラン、トリメチルシラン、ジメチルシラン、メチルシラン、エチルシラン、フェニルシラン、ジフェニルシラン、ジシラノメタン、ビス(メチルシラノ)メタン、1,2−ジシラノエタン、1,2−ビス(メチルシラノ)エタン、2,2−ジシラノプロパン、1,3,5−トリシラノ−2,4,6−トリメチレン、1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリメチルシロキサン、1,3−ビス(シラノメチレン)ジシロキサン、ビス(1−メチルジシロキサニル)メタン、2,2−ビス(1−メチルジシロキサニル)プロパン、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、2,4,6−トリシランテトラヒドロピラン、2,5−ジシランテトラヒドロフラン、およびこれら誘導体を使用し、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、アルゴン、アンモニア、N2Oなどの存在下でプラズマ重合した堆積膜を使用することができる。
【0031】
本発明に記載の積層膜は、CVD膜との密着性に優れることから、LSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAMなどの半導体素子用層間絶縁膜やエッチングストッパー膜、半導体素子の表面コート膜などの保護膜、多層レジストを用いた半導体作製工程の中間層、多層配線基板の層間絶縁膜、液晶表示素子用の保護膜や絶縁膜、エレクトロルミネッセンス表示素子用の保護膜や絶縁膜などの用途に有用である。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、以下の記載は、本発明の態様例を概括的に示すものであり、特に理由なく、かかる記載により本発明は限定されるものではない。
なお、実施例および比較例中の部および%は、特記しない限り、それぞれ重量部および重量%であることを示している。
また、各種の評価は、次のようにして行なった。
【0033】
慣性半径
下記条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(屈折率,粘度,光散乱測定)法により測定した。
試料溶液:アルコキシシラン加水分解縮合物を、固形分濃度が0.25%となるように、10mMのLiBrを含むメタノールで希釈し、GPC(屈折率,粘度,光散乱測定)用試料溶液とした。
Figure 0004013055
【0034】
膜の比誘電率
8インチシリコンウエハ上に、スピンコート法を用いて組成物試料を塗布し、ホットプレート上で80℃で1分間、窒素雰囲気200℃で1分間基板を乾燥した。さらにこの基板を405℃の窒素雰囲気のホットプレートで30分間基板を焼成した。得られた膜に対して、蒸着法によりアルミニウム電極パターンを形成させ比誘電率測定用サンプルを作成した。該サンプルを周波数100kHzの周波数で、横河・ヒューレットパッカード(株)製、HP16451B電極およびHP4284AプレシジョンLCRメータを用いてCV法により当該 膜の比誘電率を測定した。
【0035】
積層膜の密着性
積層膜の密着性は基板の最上層にエポキシ樹脂を用いてスタッドピン10本を固定し、150℃で1時間乾燥させた。このスタッドピンをセバスチャン法を用いて引き抜き試験行い、以下の基準で密着性を評価した。
○:スタッドピン10本共CVD膜と 膜の界面での剥離無し
×:CVD膜と 膜の界面での剥離発生
【0036】
合成例1
石英製セパラブルフラスコに、蒸留エタノール570g、イオン交換水160gと10%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液30gを入れ、均一に攪拌した。この溶液にメチルトリメトキシシラン136gとテトラエトキシシラン209gの混合物を添加した。溶液を60℃に保ったまま、5時間反応を行った。この溶液にプロピレングリコールモノプロピルエーテル300gを加え、その後、50℃のエバポレーターを用いて溶液を10%(完全加水分解縮合物換算)となるまで濃縮し、その後、酢酸の10%プロピレングリコールモノプロピルエーテル溶液10gを添加し、反応液▲1▼を得た。
このようにして得られた縮合物等の慣性半径は、17.8nmであり、比誘電率は2.23であった。
【0037】
合成例2
石英製セパラブルフラスコに、蒸留エタノール470.9g、イオン交換水226.5gと10%水酸化カリウム水溶液10.2gを入れ、均一に攪拌した。この溶液にメチルトリメトキシシラン44.9gとテトラエトキシシラン68.6gの混合物を30分間かけて添加した。溶液を55℃に保ったまま、2時間反応を行った。この溶液に20%マレイン酸水溶液80gを添加し、十分攪拌した後、室温まで冷却した。この溶液にプロピレングリコールモノプロピルエーテル400gを加え、その後、50℃のエバポレーターを用いて溶液を10%(完全加水分解縮合物換算)となるまで濃縮し、その後、マレイン酸の10%プロピレングリコールモノプロピルエーテル溶液10gを添加し、反応液▲2▼を得た。
このようにして得られた縮合物等の慣性半径は、23.4nmであり、比誘電率は2.14であった。
【0038】
合成例3
石英製セパラブルフラスコ中で、メチルトリメトキシシラン324.40gとトリエトキシシラン123.64gを、プロピレングリコールモノエチルエーテル298gに溶解させたのち、スリーワンモーターで攪拌させ、溶液温度50℃に安定させた。次に、フタル酸0.20gを溶解させたイオン交換水254gを1時間かけて溶液に添加した。その後、50℃で3時間反応させたのち、プロピレングリコールモノエチルエーテル502gを加え反応液を室温まで冷却した。50℃で反応液からメタノールとエタノールを含む溶液を502gエバポレーションで除去し、反応液▲3▼を得た。
このようにして得られた縮合物等の慣性半径は、0.2nmであり、比誘電率は2.75であった。
【0039】
合成例4
石英製セパラブルフラスコ中で、蒸留トリメトキシシラン77.04gと蒸留テトラキス(アセチルアセトナート)チタン0.48gを、蒸留プロピレングリコールモノプロピルエーテル290gに溶解させたのち、スリーワンモーターで攪拌させ、溶液温度を60℃に安定させた。次に、イオン交換水84gを1時間かけて溶液に添加した。その後、60℃で2時間反応させたのち、蒸留アセチルアセトン25gを添加し、さらに30分間反応させ、反応液を室温まで冷却した。50℃で反応液からメタノールと水を含む溶液を149gエバポレーションで除去し、反応液▲4▼を得た。
このようにして得られた縮合物等の慣性半径は、0.3nmであり、比誘電率は2.99であった。
【0040】
実施例1
8インチシリコンウエハ上にApplied Material製Producer Sを用い、テトラエトキシシランのCVD膜を1000Å形成した。この膜の元素組成は、Si(32atomic%)、O(64atomic%)、H(4atomic%)であった。
この 膜上に、テトライソシアネートを濃度5%に溶解させた酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルを回転数1500rpmで20秒間塗布し、この基板を80℃で1分間、200℃で1分間基板を乾燥した。さらに、この基板の上に反応液▲1▼を5000Å塗布した後、80℃で1分間、200℃で1分間基板を乾燥した。さらにこの基板を405℃の窒素雰囲気のホットプレートで30分間基板を焼成した。
この積層膜の密着性を評価したところ、CVD膜と積層膜の界面での剥離は認められなかった。
【0041】
実施例2
8インチシリコンウエハ上にApplied Material製Producer Sを用い、テトラメチルシランのCVD膜を1000Å形成した。この 膜の元素組成は、Si(26atomic%)、O(3atomic%)、C(26atomic%)、H(45atomic%)であった。
この 膜上に、ジメチルアミノメチルエトキシシランを濃度5%に溶解させた酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテルを回転数1500rpmで20秒間塗布し、80℃で1分間、200℃で1分間基板を乾燥した。さらに、この基板の上に反応液▲2▼を4000Å塗布した後、80℃で1分間、200℃で1分間基板を乾燥した。さらにこの基板を405℃の窒素雰囲気のホットプレートで30分間基板を焼成した。
この積層膜の密着性を評価したところ、CVD膜と積層膜の界面での剥離は認められなかった。
【0042】
実施例3
8インチシリコンウエハ上にNevellus製Sequel Expressを用い、トリメチルシランのCVD膜を1000Å形成した。この 膜の元素組成は、Si(25atomic%)、O(4atomic%)、C(21atomic%)、N(14atomic%)、H(36atomic%)であった。
この 膜上に、テトラキス(ジメチルアミノ)シランを濃度2%に溶解させた酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルを回転数1500rpmで20秒間塗布し、80℃で1分間、200℃で1分間基板を乾燥した。さらに、この基板の上に反応液▲1▼を4000Å塗布した後、80℃で1分間、200℃で1分間基板を乾燥した。さらにこの基板を405℃の窒素雰囲気のホットプレートで30分間基板を焼成した。
この積層膜の密着性を評価したところ、CVD膜と積層膜の界面での剥離は認められなかった。
【0043】
実施例4
8インチシリコンウエハ上にNevellus製Sequel Expressを用い、シランとアンモニアのCVD膜を1000Å形成した。この 膜の元素組成は、Si(50atomic%)、O(4atomic%)、C(3atomic%)、N(40atomic%)、H(4atomic%)であった。
この 膜上に、トリス(ジメチルアミノ)フェニルシランを濃度2%に溶解させた酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルを回転数1500rpmで20秒間塗布し、80℃で1分間、200℃で1分間基板を乾燥した。さらに、この基板の上に反応液▲2▼を4000Å塗布した後、80℃で1分間、200℃で1分間基板を乾燥した。さらにこの基板を405℃の窒素雰囲気のホットプレートで30分間基板を焼成した。
この積層膜の密着性を評価したところ、CVD膜と積層膜の界面での剥離は認められなかった。
【0044】
実施例5
8インチシリコンウエハ上にNevellus製Sequel Expressを用い、トリメチルシランのCVD膜を1000Å形成した。この 膜の元素組成は、Si(25atomic%)、O(4atomic%)、C(21atomic%)、N(14atomic%)、H(36atomic%)であった。
この 膜上に、トリス(ジメチルアミノ)シランを濃度5%に溶解させた酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルを回転数1500rpmで20秒間塗布し、80℃で1分間、200℃で1分間基板を乾燥した。さらに、この基板の上に反応液▲1▼20gと反応液▲3▼20gの混合液を4000Å塗布した後、80℃で1分間、200℃で1分間基板を乾燥した。さらにこの基板を405℃の窒素雰囲気のホットプレートで30分間基板を焼成した。
この積層膜の密着性を評価したところ、CVD膜と積層膜の界面での剥離は認められなかった。
【0045】
実施例6
8インチシリコンウエハ上にApplied Material製Producer Sを用い、テトラメチルシランのCVD膜を1000Å形成した。この 膜の元素組成は、Si(26atomic%)、O(3atomic%)、C(26atomic%)、H(45atomic%)であった。
この 膜上に、1,2,3,4,5,6−ヘキサメチルシクロトリシラザンを濃度5%に溶解させたジブチルエーテルを回転数1500rpmで20秒間塗布し、80℃で1分間、200℃で1分間基板を乾燥した。さらに、この基板の上に反応液▲2▼20gと反応液▲4▼20gの混合液を4000Å塗布した後、80℃で1分間、200℃で1分間基板を乾燥した。さらにこの基板を405℃の窒素雰囲気のホットプレートで30分間基板を焼成した。
この積層膜の密着性を評価したところ、CVD膜と 膜の界面での剥離は認められなかった。
【0046】
実施例7
8インチシリコンウエハ上にNevellus製Sequel Expressを用い、トリメチルシランのCVD膜を1000Å形成した。この 膜の元素組成は、Si(25atomic%)、O(4atomic%)、C(21atomic%)、N(14atomic%)、H(36atomic%)であった。
この 膜上に、ポリ(ペルヒドロシラザン)を濃度5%に溶解させたキシレンを回転数1500rpmで20秒間塗布し、80℃で1分間、200℃で1分間基板を乾燥した。さらに、この基板の上に反応液▲1▼を4000Å塗布した後、80℃で1分間、200℃で1分間基板を乾燥した。さらにこの基板を405℃の窒素雰囲気のホットプレートで30分間基板を焼成した。
この積層膜の密着性を評価したところ、CVD膜と 膜の界面での剥離は認められなかった。
【0047】
実施例8
8インチシリコンウエハ上にNevellus製Sequel Expressを用い、シランとアンモニアのCVD膜を1000Å形成した。この 膜の元素組成は、Si(50atomic%)、O(4atomic%)、C(3atomic%)、N(40atomic%)、H(4atomic%)であった。
この 膜上に、ポリ(1,2−ジメチルシラザン)を濃度5%に溶解させたメシチレンを回転数1500rpmで20秒間塗布し、80℃で1分間、200℃で1分間基板を乾燥した。さらに、この基板の上に反応液▲1▼を4000Å塗布した後、80℃で1分間、200℃で1分間基板を乾燥した。さらにこの基板を405℃の窒素雰囲気のホットプレートで30分間基板を焼成した。
この積層膜の密着性を評価したところ、CVD膜と 膜の界面での剥離は認められなかった。
【0048】
実施例9
8インチシリコンウエハ上にNevellus製Sequel Expressを用い、トリメチルシランのCVD膜を1000Å形成した。この 膜の元素組成は、Si(25atomic%)、O(4atomic%)、C(21atomic%)、N(14atomic%)、H(36atomic%)であった。
この膜上に、ビス(N−メチルベンヅアミド)エトキシメチルシランを濃度2%に溶解させた酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルを回転数1500rpmで20秒間塗布し、80℃で1分間、200℃で1分間基板を乾燥した。さらに、この基板の上に反応液▲2▼を4000Å塗布した後、80℃で1分間、200℃で1分間基板を乾燥した。さらにこの基板を405℃の窒素雰囲気のホットプレートで30分間基板を焼成した。
この積層膜の密着性を評価したところ、CVD膜と 膜の界面での剥離は認められなかった。
【0049】
比較例1
8インチシリコンウエハ上にApplied Material製Producer Sを用い、テトラエトキシシランのCVD膜を1000Å形成した。この 膜の元素組成は、Si(32atomic%)、O(64atomic%)、H(4atomic%)であった。
この 膜上に、反応液▲1▼を5000Å塗布した後、80℃で1分間、200℃で1分間基板を乾燥した。さらにこの基板を405℃の窒素雰囲気のホットプレートで30分間基板を焼成した。
この積層膜の密着性を評価したところ、スタッドピンの7本でCVD膜と 膜の界面での剥離が認められた。
【0050】
比較例2
8インチシリコンウエハ上にApplied Material製Producer Sを用い、テトラエトキシシランのCVD膜を1000Å形成した。この 膜の元素組成は、Si(32atomic%)、O(64atomic%)、H(4atomic%)であった。
この 膜上に、反応液▲3▼を4000Å塗布した後、80℃で1分間、200℃で1分間基板を乾燥した。さらにこの基板を405℃の窒素雰囲気のホットプレートで30分間基板を焼成した。
この積層膜の密着性を評価したところ、スタッドピンの4本でCVD膜と 膜の界面での剥離が認められた。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、少なくともケイ素および窒素を含有する化合物を加熱硬化してなる膜と、アルコキシシラン化合物の加水分解縮合物を加熱硬化してなる膜を積層することで、CVD膜との密着性に優れた層間絶縁膜(半導体用基板)を提供することが可能である。

Claims (7)

  1. (A)少なくともケイ素および窒素を含有する化合物を加熱硬化してなる膜、および
    (B)下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物および下記一般式(3)で表される化合物の群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物を、水と触媒の存在下で加水分解、縮合して得られる加水分解縮合物を加熱硬化してなる膜が、積層されてなり、
    (A)少なくともケイ素および窒素を含有する化合物が、活性水素含有基との反応性を有する基を含むことを特徴とした積層膜。
    Si(OR4−a ・・・・・(1)
    (式中、Rは水素原子、フッ素原子、アルキル基またはアリール基、Rは1価の有機基、aは1〜2の整数を示す。)
    Si(OR ・・・・・(2)
    (式中、Rは1価の有機基を示す。)
    (RO)3−bSi−(R−Si(OR3−c ・・(3)
    〔式中、R〜Rは同一または異なり、それぞれアルキル基またはアリール基、bおよびcは同一または異なり、0〜2の数を示し、Rは酸素原子、フェニレン基または−(CH−で表される基(ここで、nは1〜6の整数である)、dは0または1を示す。〕
  2. 活性水素含有基との反応性を有する基が、イソシアネート基、アルコキシシリル基、シラノール基、シリルアミノ基、シリルアミド基の群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項記載の積層膜。
  3. (B)加水分解縮合物が、アルカリ触媒の存在下で加水分解、縮合して得られる加水分解縮合物を含むことを特徴とする請求項1記載の積層膜。
  4. ケイ素を含有しかつ酸素、炭素、窒素、水素の群より選ばれる少なくとも1種の元素をさらに含有するCVD膜が形成された基板上に、(A)少なくともケイ素および窒素を含有する化合物と有機溶媒からなる塗布液を塗布し、加熱硬化し、次いで(B)下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物および下記一般式(3)で表される化合物の群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物を、水と触媒の存在下で加水分解、縮合して得られる加水分解縮合物と有機溶媒よりなる塗布液を塗布し加熱硬化することを特徴とする積層膜の形成方法。
    Si(OR4−a ・・・・・(1)
    (式中、Rは水素原子、フッ素原子、アルキル基またはアリール基、Rは1価の有機基、aは1〜2の整数を示す。)
    Si(OR ・・・・・(2)
    (式中、Rは1価の有機基を示す。)
    (RO)3−bSi−(R−Si(OR3−c ・・(3)
    〔式中、R〜Rは同一または異なり、それぞれアルキル基またはアリール基、bおよびcは同一または異なり、0〜2の数を示し、Rは酸素原子、フェニレン基または−(CH−で表される基(ここで、nは1〜6の整数である)、dは0または1を示す。〕
  5. 基板上に、ケイ素を含有しかつ酸素、炭素、窒素、水素の群より選ばれる少なくとも1種の元素をさらに含有するCVD膜を形成し、次いで(A)少なくともケイ素および窒素を含有する化合物と有機溶媒からなる塗布液を塗布しさらに加熱硬化し、さらに(B)下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物および下記一般式(3)で表される化合物の群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物を、水と触媒の 存在下で加水分解、縮合して得られる加水分解縮合物と有機溶媒よりなる塗布液を塗布後加熱硬化することを特徴とする積層膜の形成方法。
    Si(OR4−a ・・・・・(1)
    (式中、Rは水素原子、フッ素原子、アルキル基またはアリール基、R は1価の有機基、aは1〜2の整数を示す。)
    Si(OR ・・・・・(2)
    (式中、Rは1価の有機基を示す。)
    (RO)3−bSi−(R−Si(OR3−c ・・(3)
    〔式中、R〜Rは同一または異なり、それぞれアルキル基またはアリール基、bおよびcは同一または異なり、0〜2の数を示し、Rは酸素原子、フェニレン基または−(CH−で表される基(ここで、nは1〜6の整数である)、dは0または1を示す。〕
  6. 請求項1記載の積層膜よりなることを特徴とする絶縁膜。
  7. 請求項記載の絶縁膜を有することを特徴とする半導体用基板。
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