JP4314963B2 - 膜形成用組成物の製造方法、膜形成用組成物およびシリカ系膜 - Google Patents

膜形成用組成物の製造方法、膜形成用組成物およびシリカ系膜 Download PDF

Info

Publication number
JP4314963B2
JP4314963B2 JP2003364487A JP2003364487A JP4314963B2 JP 4314963 B2 JP4314963 B2 JP 4314963B2 JP 2003364487 A JP2003364487 A JP 2003364487A JP 2003364487 A JP2003364487 A JP 2003364487A JP 4314963 B2 JP4314963 B2 JP 4314963B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
component
group
bis
forming composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003364487A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005126589A (ja
Inventor
清太郎 服部
将宏 秋山
孝彦 黒澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP2003364487A priority Critical patent/JP4314963B2/ja
Publication of JP2005126589A publication Critical patent/JP2005126589A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4314963B2 publication Critical patent/JP4314963B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

本発明は、膜形成用組成物の製造方法、膜形成用組成物およびシリカ系膜に関し、さらに詳しくは、半導体装置などにおける層間絶縁層材料として、比誘電率の温度依存性が小さく、上層膜あるいは下層膜として使用されるSiCNとの密着性に優れたシリカ系膜が形成可能な膜形成用組成物の製造方法、前記製造方法によって得られた膜形成用組成物、および前記膜形成用組成物を用いて製造されたシリカ系膜に関する。
従来、半導体装置などにおける層間絶縁層として、CVD法などの真空プロセスで形成されたシリカ(SiO)膜が多用されている。そして、近年、より均一な層間絶縁層を形成することを目的として、SOG(Spin on Glass)膜と呼ばれるテトラアルコキシランの加水分解生成物を主成分とする塗布型の絶縁膜も使用されるようになっている。また、半導体装置などの高集積化に伴い、有機SOGと呼ばれるポリオルガノシロキサンを主成分とする低比誘電率の層間絶縁層が開発されている。
特に、半導体装置などのさらなる高集積化や多層化に伴い、より優れた導体間の電気絶縁性が要求されており、また、半導体装置の使用温度は一般に幅広いため、半導体装置内で用いられる絶縁層は、その比誘電率が半導体装置の使用温度範囲内でほぼ一定であることが望ましい。これにより、半導体装置の使用温度範囲内で半導体装置の特性を一定に保つことができる。したがって、比誘電率の温度依存性が小さく、上層膜あるいは下層膜として用いられるSiCNとの密着性の高い絶縁膜材料が求められるようになっている。
低比誘電率の材料としては、アンモニアの存在下でアルコキシシランを縮合して得られる微粒子とアルコキシシランの塩基性部分加水分解物との混合物からなる組成物(特許文献1,2参照)や、ポリアルコキシシランの塩基性加水分解物をアンモニアの存在下で縮合することにより得られた塗布液(特許文献3,4参照)が提案されている。
特開平5−263045号公報 特開平5−315319号公報 特開平11−340219号公報 特開平11−340220号公報
しかしながら、これらの方法で得られる材料は、反応生成物の性質が安定せず、前記材料を用いて形成されたシリカ系膜の比誘電率の温度依存性が大きいうえに、上層膜あるいは下層膜として用いられるSiCNとの密着性が低いため、工業的生産には不向きであった。
本発明の目的は、半導体装置などにおける層間絶縁層として使用でき、低比誘電率であり、比誘電率の温度依存性が小さく、かつ上層膜あるいは下層膜として使用されるSiCNとの密着性に優れたシリカ系膜を形成することができる膜形成用組成物の製造方法を提供することを目的とすることにある。
また、本発明の目的は、前記製造方法により得られた膜形成用組成物およびこの膜形成用組成物を用いて製造されたシリカ系膜を提供することにある。
(1)本発明の膜形成用組成物の製造方法は、
(A)有機溶剤、(B)塩基性化合物および(C)水を含む反応系内で、
(D)下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物および下記一般式(3)で表される化合物の群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物
Si(OR4−a ・・・・・(1)
〔式中、Rは水素原子、フッ素原子または1価の有機基を示し、Rは1価の有機基を示し、aは1〜2の整数を表す。〕
Si(OR ・・・・・(2)
〔式中、Rは1価の炭化水素基を示す。〕
(RO)3−bSi−(R−Si(OR3−c ・・・(3)
〔式中、R〜Rは同一または異なり、それぞれ1価の有機基を示し、bおよびcは同一または異なり、0〜2の数を示し、Rは酸素原子、フェニレン基または−(CH−で表される基(ここで、nは1〜6の整数である)、dは0または1を表す。〕
を加水分解縮合した後、
(E)下記一般式(4)で表される繰り返し単位および下記一般式(5)で表される繰り返し単位の群から選ばれた少なくとも1種の繰り返し単位を有するポリシロキサン
Figure 0004314963
〔式中,XおよびXは同一または異なり、それぞれ水素原子、フッ素原子、ヒドロキシル基、アルコキシル基、グリシジル基または1価の炭化水素基を示す。〕
Figure 0004314963
〔式中、XおよびXは同一または異なり、それぞれ水素原子、フッ素原子、ヒドロキシル基、アルコキシル基、グリシジル基または1価の炭化水素基を示す。〕
を、一括または連続的または断続的に前記反応系内に添加してさらに加水分解縮合を行なうことを含む。
ここで、前記(E)成分の添加量が、前記(D)成分の完全加水分解縮合物換算総重量100部に対して1〜10,000重量部であることができる。
また、ここで、前記(E)成分の重量平均分子量が500〜100,000であることができる。
また、ここで、前記(D)成分の加水分解縮合反応を0〜120℃で30分間〜24時間行なうことができる。
また、ここで、前記(E)成分の添加を0〜12時間で行ない、前記(E)成分添加後の加水分解縮合反応を0〜120℃で30分間〜24時間行なうことができる。なお、本発明において、「(E)成分の添加を0時間で行なう」とは、(E)成分の添加を一括して行なうことを意味する。
また、ここで、前記(B)塩基性化合物の使用量が、前記(D)成分中のアルコキシル基の総量1モルに対して0.00001〜10モルであることができる。
また、ここで、前記(C)水の使用量が、前記(D)成分中のアルコキシル基の総量1モルに対して0.5〜150モルであることができる。
(2)本発明の膜形成用組成物は、上記のいずれかの製造方法により得られる。
(3)本発明のシリカ系膜は、前記膜形成用組成物を用いて形成される。ここで、前記シリカ系膜は、SiCNを主成分とする層の下層膜または上層膜として形成できる。
本発明の膜形成用組成物の製造方法によれば、低比誘電率であり、製膜後の比誘電率の温度依存性が小さく、かつ上層膜あるいは下層膜として使用されるSiCNとの密着性に優れたシリカ系膜を形成することができる膜形成用組成物を得ることができる。
また、前記製造方法によって得られた膜形成用組成物を用いてシリカ系膜を形成することにより、半導体装置などにおける層間絶縁層として使用でき、低比誘電率であり、比誘電率の温度依存性が小さく、かつ上層膜あるいは下層膜として使用されるSiCNとの密着性に優れたシリカ系膜を形成することができる。本発明の製造方法によって得られた膜形成用組成物を用いて形成されたシリカ系膜は、比誘電率の温度依存性が小さい。したがって、このシリカ系膜を半導体装置の絶縁層として使用する場合、このシリカ系膜は比誘電率の温度依存性が小さいため、半導体装置の使用温度範囲内で半導体装置の特性を一定に保つことができる。
以下、本発明の膜形成用組成物の製造方法、前記製造方法により得られた膜形成用組成物、ならびに前記膜形成用組成物を用いて形成されたシリカ系膜について具体的に説明する。
<膜形成用組成物の製造方法>
本発明の膜形成用組成物の製造方法は、(A)有機溶剤、(B)塩基性化合物および(C)水を含む反応系内で(D)シラン化合物(本願において、「(D)成分」ともいう)を加水分解縮合した後、(E)ポリシロキサン(本願において、「(E)成分」ともいう)を一括または連続的または断続的に前記反応系内に添加してさらに加水分解縮合を行なうことを含む。
なお、本願において「加水分解」とは、反応系中の(D)成分のアルコキシル基((E)成分のポリシロキサンがアルコキシル基を含む場合、さらに(E)成分中のアルコキシル基)のすべてが加水分解されることだけでなく、例えば、1個だけが加水分解されること、あるいは2個以上が加水分解されることを含む。また、本願において「縮合」とは、(D)成分のシラノール基同士または(E)成分のシラノール基同士が縮合すること、あるいは(D)成分中のシラノール基と(E)成分中のシラノール基とが縮合することにより、Si−O−Si結合を形成することをいい、(D)成分および(E)成分に含まれるシラノール基がすべて縮合している必要はなく、一部のシラノール基が縮合する場合を包含する概念である。
本発明の膜形成用組成物の製造方法によれば、(D)成分を加水分解縮合した後、(E)成分を前記反応系内に添加してさらに加水分解縮合を行なうことにより、(D)成分の加水分解縮合物の表面に(E)成分の加水分解縮合物が結合しやすくなる。これにより、本発明の製造方法により得られた膜形成用組成物を用いて形成された膜は、密着性に優れ、比誘電率の温度依存性が小さい。なお、ここで、(D)成分の加水分解縮合物が(E)成分の加水分解縮合物によって完全にコーティングされていなくてもよく、(D)成分の加水分解縮合物が(E)成分の加水分解縮合物によって部分的にコーティングまたは部分的に結合されているか、あるいは(E)成分の加水分解縮合物が複数の(D)成分の加水分解縮合物を部分的に連結していてもよい。
[(A)有機溶剤]
本発明で使用される(A)有機溶剤としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒および非プロトン系溶媒の郡から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
ここで、アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコールなどのモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコールなどの多価アルコール系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルなどの多価アルコール部分エーテル系溶媒;
などを挙げることができる。これらのアルコール系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン、フェンチョンなどのほか、アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,4−オクタンジオン、3,5−オクタンジオン、2,4−ノナンジオン、3,5−ノナンジオン、5−メチル−2,4−ヘキサンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ヘプタンジオンなどのβ−ジケトン類などが挙げられる。これらのケトン系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
アミド系溶媒としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン、N−ホルミルモルホリン、N−ホルミルピペリジン、N−ホルミルピロリジン、N−アセチルモルホリン、N−アセチルピペリジン、N−アセチルピロリジンなどが挙げられる。これらアミド系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
エステル系溶媒としては、ジエチルカーボネート、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジエチル、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸iso−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチルなどが挙げられる。これらエステル系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
非プロトン系溶媒としては、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N,N’,N’−テトラエチルスルファミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N−メチルモルホロン、N−メチルピロール、N−エチルピロール、N−メチル―3−ピロリン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N,N−ジメチルピペラジン、N−メチルイミダゾール、N−メチル−4−ピペリドン、N−メチル−2−ピペリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチルテトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノンなどを挙げることができる。これら非プロトン性溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
(A)有機溶剤として、これらの中で特にプロトン系溶媒が好ましく、アルコール系溶媒が特に好ましい。以上の(A)有機溶剤は、1種あるいは2種以上を混合して使用することができる。
[(B)塩基性化合物]
本発明で使用される(B)塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニアなどの無機塩基性化合物、あるいはピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクラン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン、N,N−ジプロピルアミン、N,N−ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、コリンなどの有機塩基性化合物を挙げることができ、より好ましくは有機塩基性化合物であり、本発明の膜形成用組成物を用いて形成されたシリカ系膜の基板への密着性の点から、特に好ましくはメチルアミン、エチルアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイドである。これらの(B)塩基性化合物は1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
(B)塩基性化合物の使用量は、(D)成分を構成する化合物(1)〜(3)(後述する)においてRO−基、RO−基、RO−基、RO−基で表されるアルコキシル基の総量1モルに対して、通常、0.0001〜10モル、好ましくは0.0005〜5モルである。(B)塩基性化合物の使用量が上記範囲内であれば、反応中のポリマーの析出やゲル化のおそれが少ない。
[(C)成分]
(C)成分である水の使用量は、(D)成分を構成する化合物(1)〜(3)(後述する)の群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物を加水分解縮合させる際に、RO−基、RO−基、RO−基、RO−基で表されるアルコキシル基の総量1モルに対して、通常、0.5モル〜150モルであり、好ましくは0.5〜130モルである。(C)水の量が0.5モル未満であると、十分な比誘電率および弾性率が得られない場合がある。一方、(C)水の量が150モルを超えると、加水分解および縮合反応中のポリマーの析出やゲル化が生じる場合がある。
[(D)成分]
本発明において、(D)成分とは、下記一般式(1)で表される化合物(1)、下記一般式(2)で表される化合物(2)および下記一般式(3)で表される化合物(3)の群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物である。
Si(OR4−a ・・・・・(1)
〔式中、Rは水素原子、フッ素原子または1価の有機基を示し、Rは1価の有機基を示し、aは1〜2の整数を表す。〕
Si(OR ・・・・・(2)
〔式中、Rは1価の有機基を示す。〕
(RO)3−bSi−(R−Si(OR3−c ・・・(3)
〔式中、R〜Rは同一または異なり、それぞれ1価の有機基を示し、bおよびcは同一または異なり、0〜2の数を示し、Rは酸素原子、フェニレン基または−(CH−で表される基(ここで、nは1〜6の整数である)、dは0または1を表す。〕
本発明において、(D)成分の完全加水分解縮合物とは、(D)成分においてSiに結合したアルコキシル基が100%加水分解してSiOH基となり、さらに完全に縮合してシロキサン構造となったものをいう。また、(D)成分中の完全加水分解縮合物とは、(D)成分のSi−O結合が加水分解してSiOH基となり、さらに完全に縮合してシロキサン構造となったものをいう。(D)成分として、得られる組成物の貯蔵安定性が良好である点で、化合物(1)および化合物(2)の加水分解縮合物であることが好ましい。
以下、化合物(1)〜(3)それぞれについて説明する。
化合物(1);
上記一般式(1)において、RおよびRで表される1価の有機基としては、アルキル基、アリール基、アリル基、ビニル基、グリシジル基などを挙げることができる。特に、一般式(1)において、Rは1価の結有機基、特にアルキル基またはアリール基、ビニル基であることが好ましい。ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、好ましくは炭素数1〜5であり、これらのアルキル基は鎖状でも、分岐していてもよく、さらに水素原子がフッ素原子などに置換されていてもよい。また、一般式(1)において、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基などを挙げることができる。
化合物(1)の具体例としては、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリ−n−プロポキシシラン、トリ−iso−プロポキシシラン、トリ−n−ブトキシシラン、トリ−sec−ブトキシシラン、トリ−tert−ブトキシシラン、トリフェノキシシラン、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、フルオロトリ−n−プロポキシシラン、フルオロトリ−iso−プロポキシシラン、フルオロトリ−n−ブトキシシラン、フルオロトリ−sec−ブトキシシラン、フルオロトリ−tert−ブトキシシラン、フルオロトリフェノキシシランなど;
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−sec−ブトキシシラン、メチルトリ−tert−ブトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリ−sec−ブトキシシラン、エチルトリ−tert−ブトキシシラン、エチルトリフェノキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−プロポキシシラン、ビニルトリ−iso−プロポキシシラン、ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリ−sec−ブトキシシラン、ビニルトリ−tert−ブトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−sec−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、n−プロピルトリフェノキシシラン、iso−プロピルトリメトキシシラン、iso−プロピルトリエトキシシラン、iso−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、iso−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、iso−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、iso−プロピルトリ−sec−ブトキシシラン、iso−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、iso−プロピルトリフェノキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、n−ブチルトリフェノキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチルトリエトキシシラン、sec−ブチル−トリ−n−プロポキシシラン、sec−ブチル−トリ−iso−プロポキシシラン、sec−ブチル−トリ−n−ブトキシシラン、sec−ブチル−トリ−sec−ブトキシシラン、sec−ブチル−トリ−tert−ブトキシシラン、sec−ブチル−トリフェノキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、t−ブチルトリフェノキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−iso−プロポキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリ−sec−ブトキシシラン、フェニルトリ−tert−ブトキシシラン、フェニルトリフェノキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−トリフロロプロピルトリエトキシシランなど;
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジメチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジメチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジメチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジメチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジエチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジエチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジエチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジエチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−フェノキシシラン、ジ−iso−プロピルジメトキシシラン、ジ−iso−プロピルジエトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−フェノキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジ−sec−ブチルジメトキシシラン、ジ−sec−ブチルジエトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシシラン、ジ−tert−ブチルジエトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニル−ジ−エトキシシラン、ジフェニル−ジ−n−プロポキシシラン、ジフェニル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジフェニル−ジ−n−ブトキシシラン、ジフェニル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン、ジビニルトリメトキシシランなど;
を挙げることができる。
化合物(1)として好ましい化合物は、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどである。
化合物(1)としては、上述した化合物を1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
化合物(2);
上記一般式(2)において、Rで表される1価の炭化水素基としては、としては、先の一般式(1)において示したものと同様の炭化水素基を挙げることができる。
化合物(2)の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラフェノキシシランなどが挙げられる。
化合物(3);
上記一般式(3)において、R〜Rで表される1価の炭化水素基としては、先の一般式(1)において示したものと同様の炭化水素基を挙げることができる。
化合物(3)のうち一般式(3)におけるRが酸素原子の化合物としては、ヘキサメトキシジシロキサン、ヘキサエトキシジシロキサン、ヘキサフェノキシジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタメトキシ−3−メチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエトキシ−3−メチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタフェノキシ−3−メチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタメトキシ−3−エチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエトキシ−3−エチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタフェノキシ−3−エチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタメトキシ−3−フェニルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエトキシ−3−フェニルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタフェノキシ−3−フェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジエチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジエチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ジエチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,1,3−トリメトキシ−1,3,3−トリメチルジシロキサン、1,1,3−トリエトキシ−1,3,3−トリメチルジシロキサン、1,1,3−トリフェノキシ−1,3,3−トリメチルジシロキサン、1,1,3−トリメトキシ−1,3,3−トリエチルジシロキサン、1,1,3−トリエトキシ−1,3,3−トリエチルジシロキサン、1,1,3−トリフェノキシ−1,3,3−トリエチルジシロキサン、1,1,3−トリメトキシ−1,3,3−トリフェニルジシロキサン、1,1,3−トリエトキシ−1,3,3−トリフェニルジシロキサン、1,1,3−トリフェノキシ−1,3,3−トリフェニルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェノキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,3−ジフェノキシ−1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ジフェノキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサンなどを挙げることができる。
これらのうち、ヘキサメトキシジシロキサン、ヘキサエトキシジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサンなどを、好ましい例として挙げることができる。
また、一般式(3)において、dが0の化合物としては、ヘキサメトキシジシラン、ヘキサエトキシジシラン、ヘキサフェノキシジシラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタフェノキシ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−エチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2−エチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタフェノキシ−2−エチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−フェニルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2−フェニルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタフェノキシ−2−フェニルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラフェノキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジエチルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジエチルジシラン、1,1,2,2−テトラフェノキシ−1,2−ジエチルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,1,2,2−テトラフェノキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリフェノキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリエチルジシラン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリエチルジシラン、1,1,2−トリフェノキシ−1,2,2−トリエチルジシラン、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、1,1,2−トリフェノキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラエチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラエチルジシラン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラエチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシランなどを挙げることができる。
これらのうち、ヘキサメトキシジシラン、ヘキサエトキシジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシランなどを、好ましい例として挙げることができる。
さらに、一般式(3)において、Rが−(CH−で表される基の化合物としては、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリ−n−プロポキシシリル)メタン、ビス(トリ−iso−プロポキシシリル)メタン、ビス(トリ−n−ブトキシシリル)メタン、ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)メタン、ビス(トリ−t−ブトキシシリル)メタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−iso−プロポキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−t−ブトキシシリル)エタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−1−(トリメトキシシリル)メタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−1−(トリエトキシシリル)メタン、1−(ジ−n−プロポキシメチルシリル)−1−(トリ−n−プロポキシシリル)メタン、1−(ジ−iso−プロポキシメチルシリル)−1−(トリ−iso−プロポキシシリル)メタン、1−(ジ−n−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−n−ブトキシシリル)メタン、1−(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−sec−ブトキシシリル)メタン、1−(ジ−t−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−t−ブトキシシリル)メタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−2−(トリメトキシシリル)エタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−2−(トリエトキシシリル)エタン、1−(ジ−n−プロポキシメチルシリル)−2−(トリ−n−プロポキシシリル)エタン、1−(ジ−iso−プロポキシメチルシリル)−2−(トリ−iso−プロポキシシリル)エタン、1−(ジ−n−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−n−ブトキシシリル)エタン、1−(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−sec−ブトキシシリル)エタン、1−(ジ−t−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−t−ブトキシシリル)エタン、ビス(ジメトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−n−プロポキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−iso−プロポキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−n−ブトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−t−ブトキシメチルシリル)メタン、1,2−ビス(ジメトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジエトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−n−プロポキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−iso−プロポキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−n−ブトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−t−ブトキシメチルシリル)エタンなどを挙げることができる。これらのうち、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−1−(トリメトキシシリル)メタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−1−(トリエトキシシリル)メタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−2−(トリメトキシシリル)エタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−2−(トリエトキシシリル)エタン、ビス(ジメトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)メタン、1,2−ビス(ジメトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジエトキシメチルシリル)エタンなどを好ましい例として挙げることができる。
さらに、一般式(A−3)において、Rがフェニレン基で表される基の化合物としては、1,2−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−iso−プロポキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ-t-ブトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−iso−プロポキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−t−ブトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−iso−プロポキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−t−ブトキシシリル)ベンゼンなど挙げることができる。
これらのうち、1,2−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼンなどを好ましい例として挙げることができる。
本発明において、(D)成分を構成する化合物(1)〜(3)としては、上記化合物(1)、(2)および(3)の1種もしくは2種以上を用いることができる。
本発明の膜形成用組成物の製造方法では、上記(D)成分を、(A)有機溶剤、(B)塩基性化合物および(C)水を含む反応系内で加水分解縮合する。この際の反応温度は0〜120℃(好ましくは0〜100℃)であり、反応時間は30分間〜24時間(好ましくは30分間〜18時間)であることが好ましい。反応温度および反応時間が上記範囲を超えると均一な塗膜が得られない場合がある。
また、反応系内の(B)〜(D)成分の濃度は、(B)成分が0.01〜5重量%、(C)成分が5〜60重量%、(D)成分が0.5〜12重量%に調整されることが好ましい。反応系内の(B)〜(D)成分の濃度が上記範囲をはずれると、反応中にゲル化が生じる場合がある。
本発明の膜形成用組成物の製造方法において、(A)有機溶剤、(B)塩基性化合物および(C)水を含む反応系内で(D)成分を加水分解縮合する方法としては、特に限定されないが、具体的には例えば下記1)〜4)の態様を挙げることができる。
1)(A)成分、(B)成分および(C)成分を含む混合物に、(D)成分を加えて、加水分解縮合反応を行う方法。
2)(A)成分、(B)成分および(D)成分を含む混合物に、(C)成分を連続的あるいは断続的に添加して、加水分解縮合反応を行う方法。
3)(A)成分、(B)成分および(C)成分を含む混合物に、(A)成分および(D)成分を一括または連続的または断続的に添加して、加水分解縮合反応を行う方法。
4)(A)成分、(C)成分および(D)成分を含む混合物に、(B)成分を加えて、加水分解縮合反応を行う方法。
[(E)成分]
本発明において、(E)成分とは、下記一般式(4)および一般式(5)で表される繰り返し単位の群から選ばれた少なくとも1種の繰り返し単位を有するポリシロキサンである。
Figure 0004314963
〔式中,XおよびXは同一または異なり、それぞれ水素原子、フッ素原子、ヒドロキシル基、アルコキシル基、グリシジル基または1価の炭化水素基を示す。〕
Figure 0004314963
〔式中、XおよびXは同一または異なり、それぞれ水素原子、フッ素原子、ヒドロキシル基、アルコキシル基、グリシジル基または1価の炭化水素基を示す。〕
上記一般式(4)および(5)において、X〜Xで表される1価の炭化水素基としてはアルキル基、アリール基、アリル基、グリシジル基などを挙げることができる。ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、好ましくは炭素数1〜5であり、これらのアルキル基は鎖状でも、分岐していてもよく、さらに水素原子がフッ素原子などに置換されていてもよい。また、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基などを挙げることができる。
また、上記一般式(4)および(5)において、X〜Xのアルコキシル基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、2−ブトキシ、tert−ブトキシなどを挙げることができる。
なお、上記一般式(4)において、X,Xがともに1価の炭化水素基である場合、(E)成分のオリゴマー末端のシラノールが反応部位となり得る。また、上記一般式(5)において、X,Xがともに1価の炭化水素基である場合も同様に、(E)成分のオリゴマー末端のシラノールが反応部位となり得る。さらに、(E)成分が環状化合物である場合、Si−O−Si結合が開裂しやすいため、このSi−O−Si結合が反応部位となり得る。
(E)成分であるポリシロキサンは、重量平均分子量が500〜100,000であることが好ましく、500〜70,000であることがより好ましい。(E)成分の重量平均分子量が上記の範囲をはずれると、SiCNなどの基材との密着性が低下する場合がある。また、(E)成分中の繰り返し単位は3〜1,000であることが望ましい。
(E)成分が構造中に炭素原子を含有する場合であって、(D)成分の完全加水分解縮合物の炭素含量(理論C(炭素原子)[mol%])よりも、(E)成分の完全加水分解縮合物の炭素含量(理論C(炭素原子)[mol%])が相対的に多い場合、本発明の製造方法によって得られた膜形成用組成物中の有機成分の比率を高めることができる。この場合、比誘電率の温度依存性がより低く、より密着性に優れた膜を得ることができる。
(E)成分の添加形態としては、例えば固体状または液体状の(E)成分(ポリシロキサン)をそのまま反応系内に添加してもよいし、あるいは(E)成分を(A)有機溶剤に溶解した溶液を反応系内に添加してもよい。
前記(E)成分は、一括または連続的または断続的に反応系内に添加する。ここで、反応系内への(E)成分の添加時間は0〜12時間であり、より好ましくは0〜6時間、さらに好ましくは0〜3時間である。添加時間が12時間を超えると均一な塗膜が得られない場合がある。
(E)成分の添加量は、(D)成分の完全加水分解縮合物換算総重量100部に対して1〜10,000重量部、好ましくは5〜600重量部である。添加量が1重量部未満であると、SiCNとの十分な密着性が得られない場合があり、添加量が10,000重量部を超えるとポリマーの析出やゲル化が生じる場合がある。
また、(E)成分を加水分解縮合する際の反応温度としては、通常、0〜120℃、好ましくは15〜90℃であり、反応時間は30分間〜24時間、好ましくは30分間〜12時間である。反応温度および反応時間が上記範囲を超えると均一な塗膜が得られない場合がある。
さらに、本発明の製造方法によって得られる加水分解縮合物を含む膜形成用組成物は、pHを7以下に調整することが好ましい。pHを調整する方法としては、(I)pH調整剤を添加する方法、(II)常圧または減圧下で、組成物中よりアルカリ触媒を留去する方法、(III)窒素、アルゴンなどのガスをバブリングすることにより、組成物中からアルカリ触媒を除去する方法、(iv)イオン交換樹脂により、組成物中からアルカリ触媒を除く方法、などが挙げられる。これらの方法は、それぞれ、組み合わせて用いてもよい。
ここで、上記pH調整剤としては、無機酸や有機酸が挙げられる。無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸、ホウ酸、シュウ酸などを挙げることができる。また、有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、シキミ酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、クロトン酸、グルタル酸などを挙げることができる。
上記pH調整剤による組成物のpHは、7以下、好ましくは1〜6に調整される。上記pH調整剤により上記範囲内にpHを調整することにより、得られる組成物の貯蔵安定性が向上するという効果が得られる。
上記pH調整剤の使用量は、組成物のpHが上記範囲内となる量であり、その使用量は適宜選択される。また、必要に応じてpH調整後の組成物を別の上記(A)有機溶剤で抽出または置換してもよいし、あるいは前記抽出後にさらに別の上記(A)有機溶剤で置換してもよい。
<膜形成用組成物およびシリカ系膜>
本発明の膜形成用組成物は上述した製造方法により得られる。本発明の膜形成用組成物の全固形分濃度は、好ましくは2〜30重量%であり、使用目的に応じて適宜調整される。本発明の膜形成用組成物の全固形分濃度が2〜30重量%であることにより、塗膜の膜厚が適当な範囲となり、より優れた保存安定性を有するものとなる。なお、この全固形分濃度の調整は、必要であれば、濃縮、(A)有機溶剤として例示した溶剤、または他の溶剤による希釈によって行われる。
ここで、他の溶剤としては、n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、iso−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、iso−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、iso−プロピルベンセン、ジエチルベンゼン、iso−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−iso−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒;硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトンなどの含硫黄系溶媒などを挙げることができる。これらは、1種あるいは2種以上を混合して使用することができる。
また、本発明の膜形成用組成物は、沸点100℃以下のアルコールの含量が20重量%以下、特に5重量%以下であることが好ましい。沸点100℃以下のアルコールは、(D)成分ならびに(E)成分の加水分解および/またはその縮合の際に生じる場合があり、その含量が20重量%以下、好ましくは5重量%以下になるように蒸留などにより除去することが好ましい。また、添加剤として、オルソギ酸メチル等の脱水剤やさらなる金属錯体やレベリング剤が含まれていてもよい。
さらに、本発明の膜形成用組成物は、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、有機ポリマー、界面活性剤、シランカップリング剤、ラジカル発生剤、トリアゼン化合物などの成分をさらに含有していてもよい。コロイド状シリカとは、例えば、高純度の無水ケイ酸を親水性有機溶媒に分散した分散液であり、通常、平均粒径が5〜30μm、好ましくは10〜20μm、固形分濃度が10〜40重量%程度のものである。このような、コロイド状シリカとしては、例えば、日産化学工業(株)製、メタノールシリカゾルおよびイソプロパノールシリカゾル;触媒化成工業(株)製、オスカルなどが挙げられる。コロイド状アルミナとしては、日産化学工業(株)製のアルミナゾル520、同100、同200;川研ファインケミカル(株)製のアルミナクリアーゾル、アルミナゾル10、同132などが挙げられる。有機ポリマーとしては、例えば、糖鎖構造を有する化合物、ビニルアミド系重合体、(メタ)アクリル系重合体、芳香族ビニル化合物、デンドリマー、ポリイミド,ポリアミック酸、ポリアリーレン、ポリアミド、ポリキノキサリン、ポリオキサジアゾール、フッ素系重合体、ポリアルキレンオキサイド構造を有する化合物などを挙げることができる。
ポリアルキレンオキサイド構造を有する化合物としては、ポリメチレンオキサイド構造、ポリエチレンオキサイド構造、ポリプロピレンオキサイド構造、ポリテトラメチレンオキサイド構造、ポリブチレンオキサイド構造などが挙げられる。具体的には、ポリオキシメチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエテチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのエーテル型化合物、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩などのエーテルエステル型化合物、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエーテルエステル型化合物などを挙げることができる。ポリオキシチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーとしては下記のようなブロック構造を有する化合物が挙げられる。
−(A)−(B)−−(A)−(B)−(A)
〔式中、Aは−CHCHO−で表される基を、Bは−CHCH(CH)O−で表される基を示し、jは1〜90、kは10〜99、lは0〜90の数を示す。〕
これらの中で、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、などのエーテル型化合物をより好ましい例として挙げることができる。これらは1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、さらには、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、ポリ(メタ)アクリレート系界面活性剤などを挙げることができ、好ましくはフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤を挙げることができる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば1,1,2,2−テトラフロロオクチル(1,1,2,2−テトラフロロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフロロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、パーフロロドデシルスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフロロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロデカン、N−[3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]-N,N‘−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタイン、パーフルオロアルキルスルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル−N−エチルスルホニルグリシン塩、リン酸ビス(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−エチルアミノエチル)、モノパーフルオロアルキルエチルリン酸エステル等の末端、主鎖および側鎖の少なくとも何れかの部位にフルオロアルキルまたはフルオロアルキレン基を有する化合物からなるフッ素系界面活性剤を挙げることができる。また、市販品としてはメガファックF142D、同F172、同F173、同F183(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、エフトップEF301、同303、同352(新秋田化成(株)製)、フロラードFC−430、同FC−431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、BM−1000、BM−1100(裕商(株)製)、NBX−15((株)ネオス)などの名称で市販されているフッ素系界面活性剤を挙げることができる。これらの中でも、上記メガファックF172,BM−1000,BM−1100,NBX−15が特に好ましい。
シリコーン系界面活性剤としては、例えばSH7PA、SH21PA、SH30PA、ST94PA(いずれも東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製などを用いることが出来る。これらの中でも、上記SH28PA、SH30PAに相当する下記一般式(6)で表される重合体が特に好ましい。
Figure 0004314963
〔式中、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、zは1〜20の整数であり、x、yはそれぞれ独立に2〜100の整数である。〕
界面活性剤の使用量は、(D)成分および(E)成分の総量100重量部(完全加水分解縮合物換算)に対して通常0.0001〜10重量部である。これらは1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
シランカップリング剤としては、例えば3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノグリシジロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルメチルジメトキシシラン、1−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらは1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
ラジカル発生剤としては、例えばイソブチリルパーオキサイド、α、α’ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ−nプロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、tert−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、ジメトキブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、tert−ヘキシルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、スクシニックパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、tert−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、m−トルオイルアンドベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−tert−ブチルパーオキシ−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロデカン、tert−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシマレイン酸、tert−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、tert−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−tert−ブチルパーオキシイソフタレート、α、α’ビス(tert−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、tert−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、tert−ヘキシルヒドロパーオキサイド、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等を挙げることができる。ラジカル発生剤の配合量は、重合体100重量部に対し、0.1〜10重量部が好ましい。これらは1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
トリアゼン化合物としては、例えば、1,2−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)ベンゼン、1,3−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)ベンゼン、1,4−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)ベンゼン、ビス(3,3−ジメチルトリアゼニルフェニル)エーテル、ビス(3,3−ジメチルトリアゼニルフェニル)メタン、ビス(3,3−ジメチルトリアゼニルフェニル)スルホン、ビス(3,3−ジメチルトリアゼニルフェニル)スルフィド、2,2−ビス〔4−(3,3−ジメチルトリアゼニルフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(3,3−ジメチルトリアゼニルフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,3,5−トリス(3,3−ジメチルトリアゼニル)ベンゼン、2,7−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)−9,9−ビス[4−(3,3−ジメチルトリアゼニル)フェニル]フルオレン、2,7−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)−9,9−ビス[3−メチル−4−(3,3−ジメチルトリアゼニル)フェニル]フルオレン、2,7−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)−9,9−ビス[3−フェニル−4−(3,3−ジメチルトリアゼニル)フェニル]フルオレン、2,7−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)−9,9−ビス[3−プロペニル−4−(3,3−ジメチルトリアゼニル)フェニル]フルオレン、2,7−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)−9,9−ビス[3−フルオロ−4−(3,3−ジメチルトリアゼニル)フェニル]フルオレン、2,7−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)−9,9−ビス[3,5−ジフルオロ−4−(3,3−ジメチルトリアゼニル)フェニル]フルオレン、2,7−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)−9,9−ビス[3−トリフルオロメチル−4−(3,3−ジメチルトリアゼニル)フェニル]フルオレンなどが挙げられる。これらは1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
本発明の膜形成用組成物は、この組成物を用いて形成されたシリカ系膜の比誘電率の温度依存性が小さく、上層膜あるいは下層膜として用いられるSiCNとの密着性に優れることから、絶縁膜形成用材料として好ましい。すなわち、本発明の膜形成用組成物を塗布後、焼成することによりシリカ系膜を得ることができる。このシリカ系膜は低い比誘電率を示すことから、LSI、システムLSI、DRAM、SRAM、FRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAMなどの半導体装置用層間絶縁層やエッチングストッパ層、半導体装置の表面コート層などの保護膜、多層レジストを用いた半導体作製工程の中間層、多層配線基板の層間絶縁層、液晶表示装置用の保護膜や絶縁膜などの用途に有用である。
本発明の膜形成用組成物をシリコンウエハ、SiO2ウエハ、SiNウエハなどの基材に塗布して塗膜を形成する場合、スピンコート、浸漬法、ロールコート法、スプレー法などの塗装手段が用いられる。この際の膜厚は、乾燥膜厚として、1回塗りで厚さ0.01〜2.5μm程度、2回塗りでは厚さ0.02〜5.0μm程度の塗膜を形成することができる。
塗膜を加熱硬化させる場合、例えば、常温で乾燥するか、あるいは80〜600℃程度の温度で、通常、5〜240分程度加熱して乾燥することにより、ガラス質または巨大高分子のシリカ系膜を形成することができる。この場合、加熱方法としては、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用することができ、加熱雰囲気としては、大気下、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空下、酸素濃度をコントロールした減圧下などで行なうことができる。また、塗膜の硬化速度を制御するため、必要に応じて、段階的に加熱したり、窒素、空気、酸素、減圧などの雰囲気を選択することができる。また、電子線や紫外線を照射することによっても塗膜を硬化させることができる。
このようにして得られる本発明のシリカ系膜は、膜密度が通常、0.35〜1.2g/cm3、好ましくは0.4〜1.1g/cm3、さらに好ましくは0.5〜1.0g/cm3である。膜密度が0.35g/cm3未満では、シリカ系膜の機械的強度が低下し、一方、1.2g/cm3を超えると低比誘電率が得られない。
また、本発明のシリカ系膜は、BJH法による細孔分布測定において、10nm以上の空孔が認められず、微細配線間の層間絶縁層の材料として好ましい。
さらに、本発明のシリカ系膜は、吸水性が低い点に特徴を有し、例えば、本発明のシリカ系膜を127℃、2.5atm、100%RHの環境に1時間放置した場合、放置後の本発明のシリカ系膜のIRスペクトル観察からは、本発明のシリカ系膜への水の吸着は認められない。
また、本発明のシリカ系膜の比誘電率は、通常、2.6〜1.2、好ましくは2.5〜1.2である。
<実施例>
次に、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。なお、実施例、参考例および比較例中の部および%は、特記しない限りそれぞれ重量部および重量%であることを示している。また、以下の記載は本発明の態様を概括的に示すものであり、特に理由なく、かかる記載により本発明は限定されるものではない。また、各種の評価は、次のようにして行なった。
[比誘電率の温度依存性]
8インチシリコンウエハ上に、スピンコート法を用いて組成物試料を塗布し、ホットプレート上で90℃で3分間、窒素雰囲気下200℃で3分間ウエハを乾燥し、さらに420℃の減圧(50mTorr)の真空オーブンで60分間ウエハを焼成してシリカ系膜を形成した。得られたウエハ上にアルミニウムを蒸着し、比誘電率評価用基板を作製した。周波数100kHzの周波数で、横河・ヒューレットパッカード(株)製、HP16451B電極およびHP4284AプレシジョンLCRメータを用いてCV法により、前記シリカ系膜の23℃および200℃における比誘電率を測定した。各温度で測定した比誘電率の差をΔkで示す。Δk値が小さいほど、シリカ系膜の比誘電率の温度依存性が小さいことを意味する。
[密着性]
8インチシリコンウエハ上に、スピンコート法を用いて組成物試料を塗布した。この際、硬化後の塗膜の膜厚が0.5μmになるように膜厚を調整した。この塗膜を、ホットプレート上で90℃で3分間、窒素雰囲気下200℃で3分間ウエハを乾燥し、さらに420℃の減圧(50mTorr)の真空オーブンで60分間ウエハを焼成してシリカ系膜を形成した。得られたシリカ系膜上にCVD法でSiCN膜を形成し、このウエハ上にエポキシ樹脂を用いてスタッドピン10本を固定して、150℃で1時間乾燥させた。このスタッドピンを、セバスチャン法を用いて引き抜き試験を行ない、以下の基準で密着性を評価した。
○:スタッドピン10本とも、シリカ系膜とSiCNの界面での剥離無し
×:スタッドピン10本のうちいずれかにおいて、シリカ系膜とSiCNの界面での剥離発生
[重量平均分子量(Mw)]
下記条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した。
試料:テトラヒドロフランを溶媒として使用し、組成物試料1gを、100ccのテトラヒドロフランに溶解して調製した。
標準ポリスチレン:米国プレッシャーケミカル社製の標準ポリスチレンを使用した。
装置:米国ウオーターズ社製の高温高速ゲル浸透クロマトグラム(モデル150−CALC/GPC)
カラム:昭和電工(株)製のSHODEX A−80M(長さ50cm)
測定温度:40℃流速:1cc/分
(参考例1
石英製セパラブルフラスコに、メタノール500g、イオン交換水228gおよび20%メチルアミン水溶液6.0gを入れ、55℃で撹拌を行った。この溶液にメチルトリエトキシシラン21.5gおよびテトラエトキシシラン26.7gの混合物を一定速度で1時間かけて添加した。この溶液を55℃でさらに1時間反応させた後、下記構造式(7)で表される繰り返し単位を有する重量平均分子量5,000のポリシロキサン79.5gを30分間かけて添加した。
Figure 0004314963
この溶液を55℃でさらに3時間反応させた。この溶液に20%マレイン酸水溶液56gおよびプロピレングリコールモノプロピルエーテル440gを加え、その後、50℃のエバポレータを用いて溶液を20%(完全加水分解縮合物換算)となるまで濃縮して、反応液1を得た。
この反応液1を0.2μm孔径のテフロン(登録商標)製フィルターでろ過を行ない、参考例1の膜形成用組成物を得た。
得られた組成物をスピンコート法でシリコンウエハ上に塗布後焼成することでシリカ系膜を得た。このシリカ系膜の評価結果を表1に示す。
(参考例2
参考例1において、ポリシロキサンの添加量を31.8gに変更した以外は参考例1と同様にして、反応液2を得た。
この反応液2を用いて参考例1と同様にしてシリカ系膜の形成および評価を行った。シリカ系膜の評価結果を表1に示す。
(参考例3
参考例1において、ポリシロキサンの添加量を8.0gに変更した以外は参考例1と同様にして、反応液3を得た。
この反応液3を用いて参考例1と同様にしてシリカ系膜の形成および評価を行った。シリカ系膜の評価結果を表1に示す。
(参考例4
参考例1において、ポリシロキサンの重量平均分子量を20,000に変更した以外は参考例1と同様にして、反応液4を得た。
この反応液4について参考例1と同様にしてシリカ系膜の形成および評価を行った。シリカ系膜の評価結果を表1に示す。
実施例1)
参考例1において、原料モノマーとして使用されたテトラエトキシシランをビス(トリメトキシシリル)メタン21.8gに変更した以外は参考例1と同様にして、反応液5を得た。
この反応液5について参考例1と同様にしてシリカ系膜の形成および評価を行った。シリカ系膜の評価結果を表1に示す。
[比較例]
参考例1において、ポリシロキサンを添加しない以外は参考例1と同様にして、反応液6を得た。
この反応液6について参考例1と同様にしてシリカ系膜の形成および評価を行った。シリカ系膜の評価結果を表1に示す。
Figure 0004314963
表1に示すように、実施例1よれば、(A)有機溶剤、(B)塩基性化合物および(C)水を含む反応系内で(D)シラン化合物を加水分解縮合した後、(E)ポリシロキサンを前記反応系内に添加してさらに加水分解縮合を行なうことにより組成物を得て、この組成物を用いてシリカ系膜を形成した場合、比誘電率の温度依存性が小さく、密着性に優れたシリカ系膜が得られることが確認された。これに対して、比較例によれば、(E)成分であるポリシロキサンを添加せずに得られた組成物を用いて形成したシリカ系膜は、比誘電率の温度依存性が発現し、かつ密着性が低下することが確認された。

Claims (10)

  1. (A)有機溶剤、(B)塩基性化合物および(C)水を含む反応系内で、
    (D)下記一般式(3)で表される少なくとも1種のシラン化合物
    (RO)3−bSi−(R−Si(OR3−c ・・・(3)
    〔式中、R〜Rは同一または異なり、それぞれ1価の炭化水素基を示し、bおよびcは同一または異なり、0〜2の数を示し、R フェニレン基または−(CH−で表される基(ここで、nは1〜6の整数である)、dは0または1を表す。〕
    を加水分解縮合した後、
    (E)下記一般式(4)で表される繰り返し単位および下記一般式(5)で表される繰り返し単位の群から選ばれた少なくとも1種の繰り返し単位を有するポリシロキサン
    Figure 0004314963
    〔式中,XおよびXは同一または異なり、それぞれ水素原子、フッ素原子、ヒドロキシル基、アルコキシル基、グリシジル基または1価の炭化水素基を示す。〕
    Figure 0004314963
    〔式中、XおよびXは同一または異なり、それぞれ水素原子、フッ素原子、ヒドロキシル基、アルコキシル基、グリシジル基または1価の炭化水素基を示す。〕
    を、一括または連続的または断続的に前記反応系内に添加してさらに加水分解縮合を行なうことを含む、膜形成用組成物の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記(E)成分の添加量が、前記(D)成分の完全加水分解縮合物換算総重量100部に対して1〜10,000重量部である、膜形成用組成物の製造方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記(E)成分の重量平均分子量が500〜100,000である、膜形成用組成物の製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記(D)成分の加水分解縮合反応を0〜120℃で30分間〜24時間行なう、膜形成用組成物の製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    前記(E)成分の添加を0〜12時間で行ない、前記(E)成分添加後の加水分解縮合反応を0〜120℃で30分間〜24時間行なう、膜形成用組成物の製造方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    前記(B)塩基性化合物の使用量が、前記(D)成分中のアルコキシル基の総量1モルに対して0.00001〜10モルである、膜形成用組成物の製造方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
    前記(C)水の使用量が、前記(D)成分中のアルコキシル基の総量1モルに対して0.5〜150モルである、膜形成用組成物の製造方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれか記載の膜形成用組成物の製造方法により得られた、膜形成用組成物。
  9. 請求項8に記載の膜形成用組成物を用いて形成された、シリカ系膜。
  10. 請求項9において、
    SiCNを主成分とする層の下層膜または上層膜として形成された、シリカ系膜。
JP2003364487A 2003-10-24 2003-10-24 膜形成用組成物の製造方法、膜形成用組成物およびシリカ系膜 Expired - Fee Related JP4314963B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003364487A JP4314963B2 (ja) 2003-10-24 2003-10-24 膜形成用組成物の製造方法、膜形成用組成物およびシリカ系膜

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003364487A JP4314963B2 (ja) 2003-10-24 2003-10-24 膜形成用組成物の製造方法、膜形成用組成物およびシリカ系膜

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005126589A JP2005126589A (ja) 2005-05-19
JP4314963B2 true JP4314963B2 (ja) 2009-08-19

Family

ID=34643448

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003364487A Expired - Fee Related JP4314963B2 (ja) 2003-10-24 2003-10-24 膜形成用組成物の製造方法、膜形成用組成物およびシリカ系膜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4314963B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006134205A1 (en) * 2005-06-13 2006-12-21 Silecs Oy Method for producing a polymer for semiconductor optoelectronics comprising polymerizing functionalized silane monomers with bridging hydrocarbon group
US20090131609A1 (en) * 2005-07-27 2009-05-21 Mitsukazu Ochi Episulfide Group-Substituted Silicon Compound and Thermosetting Resin Composition Containing Same
JP2007070480A (ja) * 2005-09-07 2007-03-22 Fujifilm Corp 膜形成用組成物、絶縁膜およびその製造方法
JP2009070812A (ja) * 2007-08-17 2009-04-02 Sosuke Naito 放熱膜を用いた熱放射加熱調理器
JP5313478B2 (ja) * 2007-10-05 2013-10-09 東レ・ダウコーニング株式会社 セラミック状酸化ケイ素系被膜の形成方法、セラミック状酸化ケイ素系被膜を有する無機質基材の製造方法、セラミック状酸化ケイ素系被膜形成剤および半導体装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005126589A (ja) 2005-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4195773B2 (ja) 層間絶縁膜形成用組成物、層間絶縁膜の形成方法およびシリカ系層間絶縁膜
US7462678B2 (en) Film forming composition, process for producing film forming composition, insulating film forming material, process for forming film, and silica-based film
EP1253175B1 (en) Composition for film formation, method of film formation, and silica-based film
US6503633B2 (en) Composition for film formation, process for producing composition for film formation, method of film formation, and silica-based film
JP3906916B2 (ja) 膜形成用組成物、膜形成方法および膜
JP4530113B2 (ja) 膜形成用組成物の製造方法、膜形成用組成物、膜の形成方法およびシリカ系膜
EP1148105B1 (en) Composition for film formation, method of film formation, and silica-based film
JP4314963B2 (ja) 膜形成用組成物の製造方法、膜形成用組成物およびシリカ系膜
JP3705122B2 (ja) 有機ケイ素系重合体の製造方法、膜形成用組成物、膜の形成方法およびシリカ系膜
JP4117436B2 (ja) 膜形成用組成物、膜の形成方法およびシリカ系膜
JP5061412B2 (ja) 膜形成用組成物、膜の形成方法およびシリカ系膜
JP4572444B2 (ja) 膜形成用組成物、膜の形成方法およびシリカ系膜
JP2002285087A (ja) 膜形成用組成物、膜の形成方法およびシリカ系膜
JP4483015B2 (ja) 膜形成用組成物の製造方法、膜形成用組成物、膜の形成方法およびシリカ系膜
JP4655343B2 (ja) 膜形成用組成物および絶縁膜形成用材料
JP3994258B2 (ja) 形成用組成物の製造方法および膜の形成方法
JP4117440B2 (ja) 膜形成用組成物の製造方法、膜形成用組成物、膜の形成方法およびシリカ系膜
JP4117441B2 (ja) 膜形成用組成物の製造方法、膜形成用組成物、膜の形成方法およびシリカ系膜
JP4678080B2 (ja) 膜形成用組成物、膜の形成方法およびシリカ系膜
JP4568959B2 (ja) シリコーン含有組成物および膜形成用組成物
JP4143792B2 (ja) 膜形成用組成物および絶縁膜形成用材料
JP2006352118A (ja) 層間絶縁膜形成用組成物、層間絶縁膜の形成方法およびシリカ系層間絶縁膜
JP2005097443A (ja) 膜形成用組成物の製造方法、膜形成用組成物および絶縁膜形成用材料
JP4117442B2 (ja) 膜形成用材料の製造方法、膜形成用組成物、膜の形成方法およびシリカ系膜
JP4013055B2 (ja) 積層膜、積層膜の形成方法、絶縁膜ならびに半導体用基板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051104

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090218

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090406

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090428

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090511

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4314963

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120529

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120529

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120529

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130529

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130529

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140529

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees