JP5176517B2 - タイヤ踏面測定装置 - Google Patents
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Description
特許文献1では、上記構成により、タイヤ表面の滑りを高精度でかつ効率的に計測することができる。
さらに、前記タイヤにキャンバー角、スリップ角、制動力、及び駆動力の1つを付与可能な機構を備えることが好ましい。
前記接地用板材近傍には、タイヤ踏面を照明する光源が設けられていることが好ましい。
また、接地用板材の光学特性による3次元データの歪みを補正する補正テーブルを備えるので、精度の高い3次元データを取得することができる。
図1(a),(b)に示すタイヤ踏面測定装置(以降、単に装置という)10は、重荷重用タイヤTを転動した状態で、タイヤ踏面の変形状態を測定する装置である。変形状態の測定とは、トレッド部が接地面と直接接地するときのトレッド部の滑り量、トレッド部の歪み、トレッド溝の変形形状、あるいはトレッド溝底や溝側面の歪みを測定すること含む。
装置10は、主に、予備転動路面12と、踏面測定路面14と、3次元形状測定ユニット16と、解析ユニット18と、タイヤスタンド22と、を有して構成される。
タイヤTの転動方向と直交する方向の、踏面測定路面14における接地用板材24の両側の側面には、接地したタイヤTの踏面が照明されるように、反射板28に周りを覆われた照明光源26が設けられている。照明光源26を接地用板材24の両側の側面に設けることで、トレッド部が接地した部分から光が漏出して、トレッド部の接地部分近傍の非接地部分を明るく照らす。これにより、接地及び非接地の領域を明確にした画像を撮影することができる。
また、前記特殊観察用励起光源が、前記補助光源も兼ねており、前記前記特殊観察用励起光源と前記補助光源とが一つの光源であることが好ましい。
3次元形状測定ユニット(以下、単に測定ユニットともいう)16は、CPU31、ドライバー回路32、レーザダイオード33、ガルバノミラー34、光学系35,36、CCD素子37、AD変換器38、FIFO39,信号処理プロセッサ(DSP)40、及びフレームメモリ41を有する。
測定ユニット16では、コンピュータ50からの測定開始指示に応じて、CPU31は測定開始のトリガー信号を生成し、図示されないクロックジェネレータを起動してクロック信号を生成する。このクロック信号はCCD素子37、AD変換器38、FIFO39、信号処理プロセッサ40に供給される。一方、トリガー信号の生成により、ドライバー回路32はレーザ光照射の信号を生成し、レーザダイオード33に供給する。レーザダイオード33は、これによりレーザ光を照射し、レーザ光をスリット光とし、このレーザ光の照射の信号に合わせて駆動を開始したガルバノミラー34を振らして、光学系35を介して照射されるスリット状のレーザ光をタイヤTのタイヤ踏面上でスキャンさせる。
測定ユニット16は、CCD素子37で、画像も取得するが、この画像は転動するタイヤのタイヤ踏面を動画として取得する。
生成された3次元データは、コンピュータ50に供給される。
3次元形状測定ユニット16は、以上の作用を行うように構成された装置である。
このようなユニットとして、例えば光切断方法を用いた非接触3次元デジタイザVIVID9i((株)コニカ ミノルタ社製)が例示される。
コンピュータ50は、3次元形状測定ユニット30に接続されて設けられている。コンピュータ50には、ディスプレイ52及びマウス・キーボード54が接続されている。
コンピュータ50は、3次元データを用いて、トレッド部及びトレッド溝を含む踏面の変形状態を解析する部分である。また、コンピュータ50は、接地用板材24の光学特性(屈折率、減衰係数)による3次元データの歪みを補正するための補正テーブルがコンピュータ50のメモリに記憶されており、タイヤ踏面の3次元データを、この補正テーブルを用いて補正する機能を有する。接地用板材24の屈折率によって、光路は折れ曲がり、得られる3次元データも歪む。
図3は、調整用部材56の一例が示されている。調整用部材56は、平板状の黒色の板材の表面に一定間隔の白色のライン58,60によって構成された格子状のパターンが描かれたものである。なお、図3では、調整用部材56の表面は白色、ライン58,60は、黒色に反転して描かれている。
この格子状のパターンの交点は、調整用部材56の中心位置を基準として、既知の位置にあるので、この中心位置を、接地用板材24に設けられた所定の位置に来るように調整用部材56を配置することで、格子状のパターンの交点の位置は既知となる。また、調整用部材56を接地用板材24の表面から一定距離離間して配置することにより、図1(b)中の高さ方向Zが既知となり、交点の3次元位置情報が既知となる。接地用板材24の表面から一定距離離間して配置するには、接地用板材24と調整用部材56との間に、厚さが既知の部材を挟むとよい。
補正用テーブルは、上述した接地用板材24の光学特性によって3次元位置が歪んでいる、取得した3次元位置データと、メモリに記憶されている交点の真の3次元位置のデータとの対応関係を定め、この対応関係を補正テーブルとして作成する。
コンピュータ50は、このような作成した補正テーブルを予め取得し、メモリに記憶し、タイヤ踏面の3次元データの補正のために用いる。補正では、補正テーブルにある3次元データと真の3次元位置のデータとは代表点であるので、これらの代表点を用いた補間処理によって補正される。
なお、本発明においては、補正テーブルの作成のために用いる調整用部材は、表面に格子状のパターンが描かれた調整用部材56の他に、3次元形状が既知の調整用部材を用いることもできる。
具体的には、タイヤTのトレッド部が接地用部材24と当接する部分の滑り量を求める。
図4は、タイヤTのトレッド部表面に白いマークを描いたときのタイヤ踏面の様子を示す図である。図中、符号1〜10まで、符号毎に3点ずつマークが付されている。コンピュータ50では、ディスプレイ52に表示された画像からマークの位置をマウス・キーボード54でクリックして指定すると、この後、動画として得られた画像の中で、マークの位置をビデオトラッキング手法により追跡することにより、時系列の3次元データの中から、マークの位置データを取り出し、マークの移動距離を求める。
なお、図5(a)〜(c)の横軸は、タイヤ踏込前端からの周方向の位置を示す。
このように、本発明では、タイヤ溝の溝内の歪みも測定することができる。この場合、タイヤの非接地状態のタイヤ溝の3次元データを予め取得しておき、この非接地状態の3次元データと接地状態の3次元データとを用いて溝底の歪み、溝側面の歪みを算出する。
具体的には、タイヤTのトレッド部表面に、識別可能なマークを描く。例えば、一定の間隔の格子パターンで作られる交点(マーク)を描く。
コンピュータ50は、タイヤTが接地用板材に対して非接地状態にあるときのトレッド部表面のマークの位置データを、3次元形状測定ユニット16を用いて、3次元情報として予め取得し、コンピュータのメモリに記憶しておく。
図7(a)には、非接地状態のトレッド部表面の状態(無変形状態)を、図7(b)は、接地状態のトレッド部表面の変形状態を示す図である。図7(a),(b)では、例えば、交点P4を基準マークとする。
この状態で、踏面測定路面14上にタイヤTが来る。タイヤTが踏面測定路面14上に来ると、図示されない検知センサによってトリガー信号が生成され、3次元形状測定ユニット16による測定が開始される。
3次元形状測定ユニット16で得られた3次元データは、コンピュータ50に供給され、上述したように、補正テーブルを用いて補正された後、トレッド部の滑り量、トレッド溝の変形形状、及びトレッド部の歪みのいずれか1つが算出される。
12 予備転動路面
14 踏面測定路面
16 3次元形状測定ユニット
18 解析ユニット
22 タイヤスタンド
24 接地用板材
26 反射板
28 光源
31 CPU
32 ドライバー
33 レーザダイオード
34 ガルバノミラー
35,36 光学系
37 CCD素子
38 AD変換回路
39 FIFO
40 信号処理プロセッサ
50 コンピュータ
52 ディスプレイ
54 マウス・キーボード
Claims (6)
- タイヤが接地したときのタイヤ踏面の変形状態を測定するタイヤ踏面測定装置であって、
タイヤが接地する透明性を有する接地用板材と、
前記接地用板材を挟んでタイヤと反対側に設けられ、前記接地用板材を介して、タイヤ踏面にレーザ光を照射するとともに、タイヤ踏面の画像を撮影し、これによって、接地変形状態にあるタイヤ踏面のトレッド部及びトレッド溝の変形形状を表す3次元データを取得する測定ユニットと、
取得した前記3次元データを用いて、トレッド部及びトレッド溝を含む踏面の変形状態を解析する解析ユニットと、を有し、
前記解析ユニットは、前記接地用板材の光学特性による前記3次元データの歪みを補正するための補正テーブルを有し、
前記補正テーブルは、前記タイヤの替わりに配置した、3次元形状あるいは表面に描かれたマークの位置が既知の調整用部材を測定対象として、前記測定ユニットを用いて測定することにより得られる3次元データと、前記調整用部材の3次元形状の対応データあるいは前記マークの位置の対応データとの対応関係を用いて作成されたものであることを特徴とするタイヤ踏面測定装置。 - 前記タイヤのトレッド部の表面には、識別可能なマークが描かれており、
前記解析ユニットは、前記タイヤが前記接地用板材に対して非接地状態にあるときのトレッド部表面の前記マークの位置のデータを3次元データとして予め取得しておき、
前記タイヤが前記接地用板材に対して接地状態にあるとき、前記解析ユニットは、トレッド部表面の前記マークの位置のデータを3次元データとして取得し、取得した前記接地状態の3次元データと、予め取得した前記非接地状態の3次元データとを用いて、前記タイヤのトレッド部表面の接地によって生じる歪みを算出する請求項1に記載のタイヤ踏面測定装置。 - 前記マークは前記タイヤのトレッド部表面に複数設けられ、
前記解析ユニットは、複数のマークの1つを基準マークとして、接地状態の3次元データと、予め取得した前記タイヤが非接地状態の3次元データとの位置合わせを行い、この位置合わせした前記接地状態の3次元データと前記非接地状態の3次元データとに基づいて前記タイヤのトレッド部表面の接地によって生じる歪みを算出する請求項2に記載のタイヤ踏面測定装置。 - さらに、前記タイヤを予備転動させて転動中の接地状態を再現するための予備転動路面が、前記接地用板材で作られる路面と面一に設けられ、この予備転動路面は、前記タイヤの外周の長さ以上の転動距離を備える請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ踏面測定装置。
- さらに、前記タイヤにキャンバー角、スリップ角、制動力、及び駆動力の1つを付与可能な機構を備える請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤ踏面測定装置。
- 前記接地用板材近傍には、タイヤ踏面を照明する光源が設けられている請求項1〜5のいずれか1項に記載のタイヤ踏面測定装置。
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