JP2011033428A - パンタグラフ高さ測定装置 - Google Patents

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Teruaki Shimomochihara
輝顕 下餅原
Takamasa Fujisawa
貴雅 藤澤
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Abstract

【課題】パンタグラフの高さ測定におけるキャリブレーションを簡易に行うことを可能としたパンタグラフ高さ測定装置を提供する。
【解決手段】車両の屋根上に設置されて車両のパンタグラフを撮影するラインセンサカメラ2と、ラインセンサカメラから入力される画像信号を時系列的に並べて入力画像を作成する入力画像作成部3a、テンプレートを予め登録するテンプレート設定部3b、パンタグラフの実際の位置を入力するパンタグラフ高さ入力部3c、入力画像に対して二値化処理を行う二値化処理部3d、及び入力画像上のマーカの位置を抽出するピクセル位置抽出部3eとを備えるキャリブレーション手段と、前述の対応関係を用いてラインセンサカメラ2によって撮影したパンタグラフの入力画像上の位置から実際のパンタグラフの高さを算出するパンタグラフ変位測定手段とからなる処理用コンピュータ3とを備える構成とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像処理を用いてパンタグラフの高さを測定するパンタグラフ高さ測定装置に関し、特に、カメラの設置状態による撮影画像の違いを補正する方法を備えたパンタグラフ高さ測定装置に関する。
電気鉄道設備においては、架線の高さの変動幅を規定値内に収める必要があり、検査項目のひとつとして架線の高さの測定が挙げられる。この架線の高さは、車両の屋根上に設置されている集電装置であるパンタグラフの高さと同値であることから、従来、パンタグラフの高さを測定することによって架線の高さを取得する方法が公知となっている。例えば、このようなパンタグラフの高さを測定する方法として以下のものが挙げられる。
(イ)レーザセンサ方式
この方式は、パンタグラフをミラー等によりレーザで走査し、反射波の位相差や反射したレーザの形状の変形などにより、パンタグラフの高さを測定する方式である。
(ロ)光切断センサ方式
この方式は、パンタグラフに縞状の光を投光し、パンタグラフの形状に応じて凹凸になった縞を受光し、パンタグラフの高さを測定する方式である。
(ハ)画像処理方式
この方式は、車両の屋根上に設置したラインセンサカメラでパンタグラフを撮影し、撮影した画像に対して処理用コンピュータにおいてモデルマッチングやパタンマッチング等の処理を行い、パンタグラフの高さを測定する方式である(例えば、特許文献1,2参照)。
上記の方式のうち、画像処理方式は、ラインセンサカメラにより撮影したパンタグラフの画像の中から、予め用意しておいたパンタグラフのモデルとマッチングする画像上のピクセル位置を抽出し、ラインセンサカメラからパンタグラフまでの距離や撮影器具のレンズの焦点距離などに基づき、画像上のピクセル位置からパンタグラフの実際の高さを算出するものである。
この画像処理方式は、撮影器具としてラインセンサカメラを用いることで空間分解能を上げ、精度を向上させている。この方式は、レーザセンサ方式や光切断方式に比べて装置が小型になるので、測定専用に製造された検測車だけでなく、営業車にも搭載できるという利点がある。
特開2006−250774号公報 特開2008−104312号公報
ラインセンサカメラを用いた方式においては、図11に破線で示すように、ラインセンサカメラ2をパンタグラフ1aの正面に設置すれば、架線の高さの変動幅において画像の分解能はほぼ一定であるので、精度よくパンタグラフ1aの高さを測定することができるが、ラインセンサカメラ2をパンタグラフ1aと同じ高さに設置することは様々な観点から困難であった。
そのため、実際にはラインセンサカメラ2は図11に実線で示すように車両1の屋根上に設置される。ところが、このようにラインセンサカメラ2を車両1の屋根上に設置すると、ラインセンサカメラ2の光軸(図11中の二点鎖線で示す方向)がパンタグラフ1aの変位方向(鉛直方向)に対して直交せず、斜めに交差することとなり、パンタグラフ1aの位置が低い場合と高い場合とでラインセンサカメラ2によって撮影される画像の分解能が異なる状態となる。具体的にはパンタグラフ1aが低い位置にあるほうが、パンタグラフ1aとラインセンサカメラ2との距離が近くなるため、パンタグラフ1aの位置が高い場合に比較して分解能が高くなる。
そのため、例えば、特許文献2ではラインセンサカメラ2によって撮影した画像上のパンタグラフ1aの位置(ピクセル位置)と実際のパンタグラフ1aの高さとの関係を正確に求めておく必要がある。
つまり、パンタグラフの高さによって分解能が変化するので、分解能とパンタグラフの高さとの対応を正確に求めておく必要がある。
これに対し、キャリブレーション機材を用いて簡便にラインセンサカメラ2によって撮影した画像上のパンタグラフ1aの位置(ピクセル位置)と実際のパンタグラフ1aの高さとの関係を求めること(例えば、特願2009−011648参照)も考えられるが、キャリブレーション用の機材を新たに用意する必要があった。
このようなことから本発明は、パンタグラフの高さ測定におけるキャリブレーションを簡易に行うことを可能としたパンタグラフ高さ測定装置及びそのキャリブレーション方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための第1の発明に係るパンタグラフ高さ測定装置は、車両の屋根上に設置されて前記車両のパンタグラフを撮影するラインセンサカメラと、前記ラインセンサカメラによって撮影された画像を解析する画像処理手段とを備えて走行中の車両のパンタグラフの高さを測定するパンタグラフ高さ測定装置において、前記ラインセンサカメラが前記パンタグラフの端面に貼付されたマーカを撮影し、前記画像処理手段が、前記ラインセンサカメラによって撮影した画像から得られる前記マーカの画像上の位置と該マーカの実際の高さとの対応関係を一組取得するキャリブレーション手段と、前記対応関係に基づき投影変換を用いて前記ラインセンサカメラによって撮影した前記パンタグラフの画像上の位置から実際のパンタグラフの高さの変位を算出するパンタグラフ変位測定手段とを有することを特徴とする。
また、第2の発明に係るパンタグラフ高さ測定装置は、第1の発明に係るパンタグラフ高さ測定装置において、前記キャリブレーション手段は、前記車両が停止した状態で前記ラインセンサカメラによって撮影した画像からなるキャリブレーション用画像を作成する入力画像作成手段と、前記キャリブレーション用画像中から前記マーカを抽出するためのテンプレートを予め登録するテンプレート設定手段と、前記車両が停止した状態で予め測定した前記パンタグラフの高さを入力するパンタグラフ高さ入力手段と、前記テンプレートに基づいて前記キャリブレーション用画像から抽出した前記マーカの位置を検出するピクセル位置抽出手段とを備えることを特徴とする。
また、第3の発明に係るパンタグラフ高さ測定装置は、第2の発明に係るパンタグラフ高さ測定装置において、前記キャリブレーション手段は、前記キャリブレーション用画像に対して二値化処理を施す二値化処理手段を備えることを特徴とする。
また、第4の発明に係るパンタグラフ高さ測定装置は、第2又は第3の発明に係るパンタグラフ高さ測定装置において、前記パンタグラフ変位測定手段は、前記車両が走行している状態で前記ラインセンサカメラによって撮影した画像からなるパンタグラフ変位検出用画像を作成する入力画像作成手段と、前記テンプレートに基づいて前記パンタグラフ変位検出用画像上のマーカのピクセル位置を検出するパタンマッチング処理手段と、前記パタンマッチング処理手段によって検出した前記ピクセル位置を実際の高さに変換するパンタグラフ変位計算手段と、前記パンタグラフ計算手段によって算出した前記マーカの実際の位置の変位を前記パンタグラフの変位として出力する変位出力手段とを備えることを特徴とする。
上述した第1の発明に係るパンタグラフ高さ測定装置によれば、車両の屋根上に設置されて車両のパンタグラフを撮影するラインセンサカメラと、ラインセンサカメラによって撮影された画像を解析する画像処理手段とを備えて走行中の車両のパンタグラフの高さを測定するパンタグラフ高さ測定装置において、ラインセンサカメラがパンタグラフの端面に貼付されたマーカを撮影し、画像処理手段が、ラインセンサカメラによって撮影した画像から得られるマーカの画像上の位置と該マーカの実際の高さとの対応関係を一組取得するキャリブレーション手段と、対応関係に基づき投影変換を用いてラインセンサカメラによって撮影したパンタグラフの画像上の位置から実際のパンタグラフの高さの変位を算出するパンタグラフ変位測定手段とを有するので、ラインセンサカメラによって撮影した画像から得られるマーカの画像上の位置とこのマーカの実際の位置との対応関係を一組求めておくだけでラインセンサカメラを水平面に対して仰角を持つように設置した際にも、パンタグラフの実際の高さを高精度に求めることができる。また、キャリブレーションのために特別な機材を必要としない。さらに、投影変換を用いることで、キャリブレーション時の測定点を一点のみ測定すればいいため複数の測定点に基づいてキャリブレーションを行う場合に比較してキャリブレーション時間を短縮することができる。さらに加えて、投影変換を用いることで、画像上のピクセル数と実際の高さのみからキャリブレーションを行うことができるため、キャリブレーションを行う作業者は複雑な作業を行う必要がなく、ラインセンサカメラの角度や測定対象物までの距離が変わったときにも再度のキャリブレーションを行いやすい。
上述した第2の発明に係るパンタグラフ高さ測定装置によれば、キャリブレーション手段は、車両が停止した状態でラインセンサカメラによって撮影した画像からなるキャリブレーション用画像を作成する入力画像作成手段と、キャリブレーション用画像中からマーカを抽出するためのテンプレートを予め登録するテンプレート設定手段と、車両が停止した状態で予め測定したパンタグラフの高さを入力するパンタグラフ高さ入力手段と、テンプレートに基づいてキャリブレーション用画像から抽出したマーカの位置を検出するピクセル位置抽出手段とを備えるので、キャリブレーション画像上のマーカの位置とパンタグラフの実際の位置との関係を簡便に求めることができる。
上述した第3の発明に係るパンタグラフ高さ測定装置によれば、キャリブレーション手段は、キャリブレーション用画像に対して二値化処理を施す二値化処理手段を備えるので、キャリブレーション用画像からラインセンサカメラによって撮影されたマーカ以外のものをノイズとして除去することができ、マーカ位置の検出の精度を向上させることができる。
上述した第4の発明に係るパンタグラフ高さ測定装置によれば、パンタグラフ変位測定手段は、車両が走行している状態でラインセンサカメラによって撮影した画像からなるパンタグラフ変位検出用画像を作成する入力画像作成手段と、テンプレートに基づいてパンタグラフ変位検出用画像上のマーカのピクセル位置を検出するパタンマッチング処理手段と、パタンマッチング処理手段によって検出したピクセル位置を実際の高さに変換するパンタグラフ変位計算手段と、パンタグラフ計算手段によって算出したマーカの実際の位置の変位をパンタグラフの変位として出力する変位出力手段とを備えるので、パンタグラフ変位検出用画像上のマーカの位置からパンタグラフの実際の位置を簡便に求めることができる。
本発明の実施例に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置の設置例を示す説明図である。 本発明の実施例に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置のキャリブレーション手段の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施例におけるキャリブレーション用画像の一例を示す説明図である。 本発明の実施例におけるテンプレートの一例を示す説明図である。 本発明の実施例におけるパンタグラフ変位検出用画像の一例を示す説明図である。 本発明の実施例に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置のパンタグラフ変位測定手段の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施例における実座標系とカメラ座標系との対応関係を表す説明図である。 一般的な校正値を求める際における実際の位置とピクセル位置との関係を表す説明図である。 本発明の実施例に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置のキャリブレーション手段による処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施例に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置のパンタグラフ変位測定手段による処理の流れを示すフローチャートである。 ラインセンサカメラの設置位置の例を示す説明図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係るパンタグラフ高さ測定装置の詳細について説明する。
図1乃至図10を用いて本発明に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置の一実施例について説明する。
図1は本実施例に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置の設置例を示す説明図、図2は本実施例に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置のキャリブレーション手段の概略構成を示すブロック図、図3は本実施例におけるキャリブレーション用画像の一例を示す説明図、図4は本実施例におけるテンプレートの一例を示す説明図、図5は本実施例におけるパンタグラフ変位検出用画像の一例を示す説明図、図6は本実施例に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置のパンタグラフ変位測定手段の概略構成を示すブロック図、図7は本実施例における実座標系とカメラ座標系との対応関係を表す説明図、図8は一般的な校正値を求める際における実際の位置とピクセル位置との関係を表す説明図、図9は本実施例に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置のキャリブレーション手段による処理の流れを示すフローチャート、図10は本実施例に係る電気鉄道保守用車両位置測定装置のパンタグラフ変位測定手段による処理の流れを示すフローチャートである。
図1に示すように、本実施例においてパンタグラフ高さ測定装置は、車両1の屋根上に固定されるラインセンサカメラ2と、車両1の内部に設置される演算処理手段としての処理用コンピュータ3と、パンタグラフ1aに固定されたマーカ4と、処理用コンピュータ3に接続されたモニタ5と、マーカ4に照明を照射する照明装置6とを備えて構成されている。
ラインセンサカメラ2は、車両1の屋根上にパンタグラフ1aを撮影するように設置されている。即ち、ラインセンサカメラ2は、図中一点差線で示す光軸が斜め上方に向くように、且つその走査線方向がパンタグラフ1aの長手方向と直交するようにその向きを設定されている。このラインセンサカメラ2から出力される画像信号は処理用コンピュータ3に入力される。
処理用コンピュータ3は、マーカ4の画像上の位置とパンタグラフ1aの実際の位置との対応関係を取得するキャリブレーション手段と、マーカ4の画像上の位置に基づいてパンタグラフ1aの実際の位置を求めるパンタグラフ変位測定を行う測定手段とを備えている。
マーカ4は、光を反射する部材から構成され、図1に示すようにパンタグラフ1aのラインセンサカメラ2側の端面にラインセンサカメラ2によって撮影可能な範囲で任意の位置に設置され、モニタ5はパンタグラフ変位検出用画像9、パンタグラフ1aの実際の変位を表示する。なお、マーカ4の大きさは任意に決定する。
以下、処理用コンピュータ3についてより詳しく説明する。キャリブレーション手段は、図2に示すように、入力画像作成手段としての入力画像作成部3a、テンプレート設定手段としてのテンプレート設定部3b、パンタグラフ高さ入力手段としてのパンタグラフ高さ入力部3c、二値化処理手段としての二値化処理部3d、ピクセル位置抽出手段としてのピクセル位置抽出部3d、メモリM1,M2、及びログLを備えている。
キャリブレーション手段において、入力画像作成部3aは、車両1が停止した状態でラインセンサカメラ2によって撮影したマーカ4の画像信号を時系列的に並べて図3に示すような入力画像(以下、キャリブレーション用画像という)7を作成する。マーカ4は照明装置6の光を反射するため、図3に示すようにキャリブレーション用画像7上においてマーカ4の軌跡Mは背景Bの中に白い帯状の領域として表示される。このキャリブレーション用画像7は、メモリM1,M2を経て二値化処理部3dへ送られる。
テンプレート設定部3bは、予め取得したマーカ4の画像から図4に示すようなマーカパタンをテンプレート8として取得する。テンプレート8のデータはメモリM2を経てピクセル位置抽出部3eに入力される。テンプレート8はピクセル位置抽出部3eによる処理を行う際にキャリブレーション用画像7中からマーカ4の軌跡Mを抽出するために用いられる。
パンタグラフ高さ入力部3cは、車両1が停止した状態で予め測定したパンタグラフ1aの実際の高さ、具体的にはマーカ4の実際の高さ(以下、キャリブレーション用マーカ高さという)xr1を入力する。キャリブレーション用マーカ高さxr1はメモリM2を経てログLへ送られる。
二値化処理部3dは、入力画像作成部3aから入力されるキャリブレーション用画像7に対して二値化処理を行う。これにより、キャリブレーション用画像7からラインセンサカメラ2によって撮影されたマーカ4以外のものをノイズとして除去する。二値化処理部3dにおいて作成された二値化画像は、メモリM2を経てピクセル位置抽出部3eへ送られる。
ピクセル位置抽出部3eは、テンプレート設定部3bから入力されるテンプレート8を用いて、二値化処理部3dから入力される二値化画像に対してパタンマッチング処理を行い、キャリブレーション用画像7上のマーカ4のピクセル位置(以下、キャリブレーション用マーカピクセル位置という)xc1を検出する。このピクセル位置抽出部3eにおいて検出されたキャリブレーション用マーカピクセル位置xc1はメモリM2を経てログLとして蓄積される。
このように構成されることにより、処理用コンピュータ3のキャリブレーション手段はラインセンサカメラ2から入力される画像信号を解析してキャリブレーション用マーカ高さxr1とキャリブレーション用マーカピクセル位置xc1との対応関係を取得する。
上述したキャリブレーション手段に対し、パンタグラフ変位測定手段は、図6に示すように、入力画像作成部3a、テンプレート設定部3b、パタンマッチング処理手段としてのパタンマッチング処理部3f、パンタグラフ変位計算手段としてのパンタグラフ変位計算部3g、変位出力手段としての変位出力部3h、メモリM1,M2、及びログLを備えている。以下、図2に示し上述した処理部と同一の処理部には同一の符合を付し、重複する説明は省略する。
パンタグラフ変位測定手段において、入力画像作成部3aは、車両1が走行している状態でラインセンサカメラ2によって撮影したマーカ4の画像信号を時系列的に並べて図5に示すような入力画像(以下、パンタグラフ変位検出用画像という)9を作成する。マーカ4は照明装置6の光を反射するため、図5に示すようにパンタグラフ偏位検出用画像9上においてマーカ4の軌跡Mは背景Bの中に白い帯状の領域として表示される。このパンタグラフ変位検出用画像9は、メモリM1,M2を経てパタンマッチング処理部3fへ送られる。
パタンマッチング処理部3fは、テンプレート設定部3bから入力されたテンプレート8を用いて入力画像作成部3aから入力されたパンタグラフ変位検出用画像9に対するパタンマッチング処理を行い、パンタグラフ変位検出用画像9上のマーカ4のピクセル位置(以下、測定マーカピクセル位置という)xc2を検出する。パタンマッチング処理部3fによって得られた測定マーカピクセル位置xc2はメモリM2を経て順次パンタグラフ変位計算部3gへ送られる。
パンタグラフ変位計算部3gは、ログLに蓄積されたキャリブレーション用マーカピクセル位置xc1及びキャリブレーション用マーカ高さxr1と、パタンマッチング処理部3fから入力された測定マーカピクセル位置xc2とを用いて、マーカ4の実際の高さの変位をパンタグラフ1aの変位(以下、パンタグラフ変位という)xr2として求める。パンタグラフ変位計算部3gによって得られたパンタグラフ変位xr2はメモリM2を経て変位出力部3hへ送られる。
より詳しくは、パンタグラフ変位計算部3gでは、投影変換を用いて測定マーカピクセル位置xc2からパンタグラフ変位xr2を求める。
まず、図7に示すようにそれぞれ中心位置Or,Ocの実座標系xR、カメラ座標系xCを設定する。このとき、実座標系xR上の任意の点xrとカメラ座標系xC上の投影後の点xcとの間には下式(1)の関係が成立する(例えば、「解析写真測量 改訂版」、社団法人に本写真測量学会・解析写真測量委員会、平成9年4月10日、p.28−p.33等参照)。
Figure 2011033428
ただし、f[mm]はラインセンサカメラ2のレンズの焦点距離、θ[deg]は水平方向に対するラインセンサカメラ2の仰角である。また、α[mm/pix]はカメラ座標系xC上の長さ[pix]を実座標系xR上の長さ[mm]に修正するための校正値である。
ここで、図8に示すように、撮影対象物の長さをl[mm]、結像面上のピクセル数をlp[pix]、ラインセンサカメラ2から撮影対象物までの長さをD[mm]とした場合、カメラ座標系上の長さを実座標系上の長さに修正するための校正値αgは、ラインセンサカメラ2の焦点距離f[mm]とピクセル分解能Sp[mm]を用いて下式(2)により表される。
Figure 2011033428
これに対し、本実施例において用いる校正値αは、図7に示すカメラ座標系xC上の長さ[pix]を実座標系xR上の長さ[mm]に修正することを考慮して、図8に示すラインセンサカメラ2から撮影対象物までの距離Dに代えて、図7に示す距離dを用い、下式(3)で表すことができる。
Figure 2011033428
なお、d[mm]はラインセンサカメラ2から測定対象物投影面(実座標系xR)までの距離である。
したがって、実座標系xR上の任意の二点間の距離xr2−xr1[mm]とカメラ座標系xC上の対応する二点間の幅xc2−xc1[pix]には下式(4)の関係が成立する。
Figure 2011033428
(4)式から、パンタグラフ変位xr2は下式(5)で表すことができる。
Figure 2011033428
(5)式から、カメラ座標系xC上の位置と実座標系xR上の位置との一組の対応関係(xc1,xr1)を得ていれば、測定マーカピクセル位置xc2から直ちにパンタグラフ変位xr2が得られることが分かる。
変位出力部3hはパンタグラフ変位計算部3gから入力されたパンタグラフ変位xr2をモニタ5に出力する。
以下、図9に示すフローチャートに基づいて本実施例に係るパンタグラフ高さ測定装置におけるキャリブレーション処理の流れを簡単に説明する。
図9に示すように、本実施例の処理用コンピュータ3においてキャリブレーションを行う場合は、まず、テンプレート設定部3bにおいて予め取得した画像からマーカ4の軌跡Mのパタンを抽出し、これをテンプレート8として登録する(ステップPA1)。
続いて、車両1が停止した状態でラインセンサカメラ2によってマーカ4を撮影し、入力画像作成部3aにおいてラインセンサカメラ2から入力される画像信号を時系列的に並べてなるキャリブレーション用画像7を作成する(ステップPA2)。その後、パンタグラフ1aの高さとしてキャリブレーション用マーカ高さxr1を測定する(ステップPA3)。キャリブレーション用マーカ高さxr1は、メモリ35Bに保存される。その後、二値化処理部3dにおいて入力画像7に対する二値化処理を行う(ステップPA4)。
続いて、ピクセル位置抽出部3eにおいて二値化画像からキャリブレーション用マーカピクセル位置xc1を検出する(ステップPA5)。即ち、テンプレート8を用いたパタンマッチングにより、二値化画像上からマーカ4の幅に対応する幅の部分をマーカ4の軌跡Mとして抽出し、この軌跡Mの位置をキャリブレーション用マーカピクセル位置xc1として検出する。
続いて、ピクセル位置抽出部3eにおいて検出したキャリブレーション用マーカピクセル位置xc1とステップPA3で測定したキャリブレーション用マーカ高さxr1とをログLとして保存する(ステップPA6)。
続いて、図10に示すフローチャートに基づいて本実施例に係るパンタグラフ高さ測定装置におけるパンタグラフ変位測定処理の流れを簡単に説明する。
図10に示すように、本実施例において処理用コンピュータ3においてパンタグラフ1aの変位を測定する場合は、まず、テンプレート設定部3bにおいて予めテンプレート8を登録し(ステップPB1)、続いて、入力画像作成部5aにおいてラインセンサカメラ2から入力される画像信号を時系列的に並べてなるパンタグラフ変位検出用画像9を作成する(ステップPB2)。
その後、パタンマッチング処理部3fにおいてテンプレート8を用いてパンタグラフ変位検出用画像9に対するパタンマッチング処理を行い、測定マーカピクセル位置xc2を求める(ステップPB3)。続いて、ログLに保存されたキャリブレーション用マーカピクセル位置xc1とキャリブレーション用マーカ高さxr1との対応関係、及び測定マーカピクセル位置xc2の変位からパンタグラフ変位xr2を求める(ステップPB4)。
このように構成される本実施例に係るパンタグラフ高さ測定装置によれば、パンタグラフ1aの高さ測定を行う前に、キャリブレーション用マーカ高さxr1と、キャリブレーション用画像7上のキャリブレーション用マーカピクセル位置xc1との一組の対応関係を取得し、この対応関係を用いることにより、パンタグラフ変位検出用画像9上の測定マーカピクセル位置xc2から実際のパンタグラフ1aの高さの変位xr2を求めることができる。
これにより、ラインセンサカメラ2がその光軸を水平面に対して仰角を有するように設置された場合であっても、このラインセンサカメラ2によって撮影した画像に基づいてパンタグラフ1aの高さの変位を高精度に求めることができる。また、キャリブレーションのために特別な機材を用いる必要がなく、作業性が向上する。さらに、投影変換を用いることで、マーカ4のピクセル位置とマーカ4の実際の高さとの対応関係を一つ取得するだけでラインセンサカメラ2によって撮影した画像からパンタグラフ1aの実際の高さを求めることができるため、複数の測定点に基づいてキャリブレーションを行う場合に比較してキャリブレーションに掛かる時間を低減することができる。さらに加えて、投影変換を用いることで、一組の画像上のピクセル数と実際の高さとを測定するだけでキャリブレーションを行うことができるため、キャリブレーションを行う作業者は複雑な作業を行う必要がなく、ラインセンサカメラの角度や測定対象物までの距離が変わった場合であっても再度のキャリブレーションを行いやすい。
本発明は、画像処理を用いてパンタグラフの高さを測定するパンタグラフ高さ測定装置に適用可能であり、特に、カメラの設置状態による撮影画像の違いを補正する方法を備えたパンタグラフ高さ測定装置に適用して好適なものである。
1 車両、1a パンタグラフ、2 ラインセンサカメラ、3 処理用コンピュータ、3a 入力画像作成部、3b テンプレート設定部、3c パンタグラフ高さ入力部、3d 二値化処理部、3e マーカピクセル位置抽出部、3e パタンマッチング処理部、3f パンタグラフ変位計算部、3g 変位出力部、4 マーカ、5 モニタ、6 照明装置、7 入力画像(キャリブレーション用画像)、8 テンプレート、9 入力画像(パンタグラフ変位検出用画像)、M1,M2 メモリ、L ログ、M マーカの軌跡

Claims (4)

  1. 車両の屋根上に設置されて前記車両のパンタグラフを撮影するラインセンサカメラと、前記ラインセンサカメラによって撮影された画像を解析する画像処理手段とを備えて走行中の車両のパンタグラフの高さを測定するパンタグラフ高さ測定装置において、
    前記ラインセンサカメラが前記パンタグラフの端面に貼付されたマーカを撮影し、
    前記画像処理手段が、前記ラインセンサカメラによって撮影した画像から得られる前記マーカの画像上の位置と該マーカの実際の高さとの対応関係を一組取得するキャリブレーション手段と、前記対応関係に基づき投影変換を用いて前記ラインセンサカメラによって撮影した前記パンタグラフの画像上の位置から実際のパンタグラフの高さの変位を算出するパンタグラフ変位測定手段とを有する
    ことを特徴とするパンタグラフ高さ測定装置。
  2. 前記キャリブレーション手段は、前記車両が停止した状態で前記ラインセンサカメラによって撮影した画像からなるキャリブレーション用画像を作成する入力画像作成手段と、前記キャリブレーション用画像中から前記マーカを抽出するためのテンプレートを予め登録するテンプレート設定手段と、前記車両が停止した状態で予め測定した前記パンタグラフの高さを入力するパンタグラフ高さ入力手段と、前記テンプレートに基づいて前記キャリブレーション用画像から抽出した前記マーカの位置を検出するピクセル位置抽出手段とを備える
    ことを特徴とする請求項1記載のパンタグラフ高さ測定装置。
  3. 前記キャリブレーション手段は、前記キャリブレーション用画像に対して二値化処理を施す二値化処理手段を備える
    ことを特徴とする請求項2記載のパンタグラフ高さ測定装置。
  4. 前記パンタグラフ変位測定手段は、前記車両が走行している状態で前記ラインセンサカメラによって撮影した画像からなるパンタグラフ変位検出用画像を作成する入力画像作成手段と、前記テンプレートに基づいて前記パンタグラフ変位検出用画像上のマーカのピクセル位置を検出するパタンマッチング処理手段と、前記パタンマッチング処理手段によって検出した前記ピクセル位置を実際の高さに変換するパンタグラフ変位計算手段と、前記パンタグラフ計算手段によって算出した前記マーカの実際の位置の変位を前記パンタグラフの変位として出力する変位出力手段とを備える
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載のパンタグラフ高さ測定装置。
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