JP5176213B2 - ピストン型圧縮機 - Google Patents

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Description

この発明は、圧縮機内の作動流体径路上で作動流体中に混在するオイルを分離することが可能な構造を備えたピストン型圧縮機に関し、特に吸入口から吸入した作動流体を、クランク室を経由して吸入室へ導き、ピストンで圧縮した後に吐出室を介して吐出口から吐出させる作動流体経路を備えた圧縮機に関する。
冷凍サイクルに用いられる圧縮機においては、圧縮機から外部サイクルにオイルが流出されると、圧縮機内のオイル不足を招くのみならず、オイルが冷媒と共にサイクルを循環することになり、冷凍効率が低下する不都合が生じる。
このような不都合を回避するために、従来において各種構造が提案されている。
例えば、圧縮機の吐出側に吐出室に連通するオイル分離室を設け、このオイル分離室にオイル分離筒を配設して、圧縮された冷媒中に混在するオイルをオイル分離筒の周囲を旋回させることで分離する構造が提案されている(特許文献1)。
また、吸入口からクランク室(斜板室)を経由して吸入室に作動流体(冷媒)を導く作動流体経路が形成されている圧縮機においては、クランク室(斜板室)にオイル分離板を設け、吸入口からクランク室に流入した作動流体をオイル分離板に衝突させることで作動流体中に混在するオイルを分離捕集する構成が提案されている(特許文献2)。
本出願人においても、吸入口からクランク室を経由して吸入室に作動流体を導く圧縮機において、クランク室を貫通するシャフト内に、シャフトの軸方向に沿って延びる軸孔と、この軸孔に連通し、シャフトの径方向に設けられてクランク室に開口する側孔とを少なくとも設け、クランク室に流入した作動流体を少なくともこの側孔及び軸孔に順次経由させて吸入室へ導くようにし、シャフトの回転による遠心分離作用を利用して、クランク室から吸入室へ流動しようとする作動流体中のオイルをクランク室に開口された側孔を流れる際に分離させるようにした構成を先に提案している。
特開2005−23847号公報 特開2000−45938号公報
しかしながら、シャフトに形成された側孔や軸孔によって作動流体径路の一部を構成し、シャフトの回転による遠心分離作用により、作動流体が側孔を流れる際に作動流体中に混在しているオイルを分離させるようにした圧縮機においては、オイル分離機構を圧縮機内に別途設ける必要がなくなり、部品点数の削減、圧縮機の組み付け作業性の簡易化等の利点を有しているが、本出願人による更なる研究により、次のような不都合が判明している。
即ち、吸入口から流入された作動流体の全量をシャフトに形成された側孔や軸孔を通過させて吸入室へ導こうとすると、シャフトの側孔入口で作動流体の流速が早くなり、遠心分離が有効に作用せずに作動流体中に混在するオイルが吸入室へ吸い出されてしまい、結果として圧縮機外へのオイル流出量を十分に抑えることができない不都合が確認されている。
特に両頭ピストンを備えた圧縮機においては、クランク室の容積が小さくなるが、作動流体の吸入流量に対して、クランク室の大きさが小さいとピストンとシャフトの隙間やピストン間の隙間が狭くなり、側孔近傍の流速を押さえることは困難であり、また、シャフトに形成される孔の形状から、通路抵抗が大きくなりやすくなる。この対策として、クランク室の容積を大きくすることや、シャフトに形成される孔(軸孔や側孔)の形状を抵抗の少ない形状とすることが考えられるが、圧縮機の寸法の増大につながる。
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、シャフトの回転による遠心分離作用が効果的に行えるようにして、煩雑なオイル分離機構を設けることなく、圧縮機外へのオイルの流出を効果的に低減することが可能なピストン型圧縮機を提供することを主たる課題としている。
上記課題を達成するために、本発明者らは、シャフトの回転による遠心分離作用が効果的に行われるようにするためには、クランク室からシャフト内を流入する作動流体の流量を低減することができれば、作動流体がクランク室に開口している側孔を通過する際に作動流体中のオイルが分離されやすくなるとの知見を見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明に係るピストン型圧縮機は、ハウジングと、前記ハウジングに形成されたシリンダボア内を往復摺動するピストンと、前記ハウジング内に形成されたクランク室を貫通し、前記ハウジングに回転自在に支承されたシャフトと、前記クランク室に収容され、前記シャフトの回転により回転して前記ピストンを往復動させる斜板と、前記ハウジングに形成されて作動流体を吸入する吸入口及び吐出する吐出口とを有し、前記吸入口から吸入した作動流体を前記シリンダボア内に導き前記ピストンにより圧縮した後に前記吐出口から吐出させる構成において、前記シャフト内に軸方向に沿って設けられた軸孔と、この軸孔に連通し、前記シャフトの径方向に設けられて前記クランク室に開口する側孔とを少なくとも有し、前記吸入口から流入された作動流体をクランク室を介して前記側孔及び軸孔に導く第1の吸入経路と、前記吸入口から流入された作動流体を前記クランク室を経由せずに前記第1の吸入経路に導入された作動流体と合流させる第2の吸入経路とを有し、前記第1の作動流体と前記第2の作動流体との合流領域から前記シリンダボア内へ前記作動流体を吸入することを特徴としている。
したがって、作動流体を吸入口からクランク室へ導き、このクランク室からシャフトの軸孔へ導く第1の吸入経路とは別に、作動流体を吸入口からクランク室を経由せずに第1の吸入経路に導入された作動流体と合流させる第2の吸入経路を設けたので、クランク室に導かれる作動流体量が相対的に減少することとなり、シャフトに形成された側孔を通過する作動流体の流速を低減させることが可能となる。このため、シャフトの回転による遠心分離作用が有効に機能することとなり、作動流体中のミスト状のオイルが分離されてクランク室に残留し、クランク室から吸い出されることがなくなる。
ここで、第1の作動流体と第2の作動流体との合流領域からシリンダボア内へ作動流体を吸入する態様としては、リードバルブ型の圧縮機を想定して、前記合流領域をハウジングに設けられた吸入室とし、前記第1の吸入経路を前記吸入口から流入された作動流体をクランク室を介して前記側孔及び前記軸孔を順次経由して前記吸入室へ導く経路として構成し、前記第2の吸入経路を前記吸入口から流入された作動流体を前記クランク室を経由せずに前記吸入室へ導く経路として構成しても、また、所謂ロータリーバルブ型の圧縮機を想定して、前記合流領域をシャフトに設けられた軸孔とし、前記第1の吸入経路を前記吸入口から流入された作動流体をクランク室から前記側孔を介して前記軸孔に導く経路として構成し、前記第2の吸入経路を前記吸入口から流入された作動流体を前記クランク室を経由せずに前記シャフトの軸孔に導く経路として構成してもよい。
即ち、前者の構成は、ハウジングと、前記ハウジングに形成されたシリンダボア内を往復摺動するピストンと、前記ハウジング内に形成されたクランク室、吸入室、及び吐出室と、前記クランク室を貫通し、前記ハウジングに回転自在に支承されたシャフトと、前記クランク室に収容され、前記シャフトの回転により回転して前記ピストンを往復動させる斜板と、前記ハウジングに形成されて作動流体を吸入する吸入口及び吐出する吐出口とを有し、前記吸入口から吸入した作動流体を前記吸入室へ導き、前記ピストンにより圧縮した後に前記吐出室を介して前記吐出口から吐出させるピストン型圧縮機において、前記シャフト内に軸方向に沿って設けられた軸孔と、この軸孔に連通し、前記シャフトの径方向に設けられて前記クランク室に開口する側孔とを少なくとも有し、前記クランク室に流入した作動流体を前記側孔及び前記軸孔を順次経由して前記吸入室へ導く第1の吸入経路と、前記吸入口から流入された作動流体を前記クランク室を経由せずに前記吸入室へ導く第2の吸入経路とを有し、吸入室から作動流体をシリンダボア内に吸入することを特徴としている。
したがって、作動流体を吸入口からクランク室へ導き、このクランク室からシャフトを通過して吸入室へ導く第1の吸入経路とは別に、作動流体を吸入口からクランク室を経由せずに吸入室へ直接導く第2の吸入経路を設けたので、クランク室に導かれる作動流体量が相対的に減少することとなり、シャフトに形成された側孔を通過する作動流体の流速を低減させることが可能となる。このため、シャフトの回転による遠心分離作用が有効に機能することとなり、作動流体中のミスト状のオイルが分離されてクランク室に残留し、クランク室から吸い出されることがなくなる。
また、後者の構成は、ハウジングと、前記ハウジングに形成されたシリンダボア内を往復摺動するピストンと、前記ハウジング内に形成されたクランク室、吸入室、及び吐出室と、前記クランク室を貫通し、前記ハウジングに回転自在に支承されたシャフトと、前記クランク室に収容され、前記シャフトの回転により回転して前記ピストンを往復動させる斜板と、前記ハウジングに形成されて作動流体を吸入する吸入口及び吐出する吐出口とを有し、前記吸入口から吸入した作動流体を前記ピストンにより圧縮した後に前記吐出室を介して前記吐出口から吐出させるピストン型圧縮機において、前記シャフト内に軸方向に沿って設けられた軸孔と、この軸孔に連通し、前記シャフトの径方向に設けられて前記クランク室に開口する側孔とを少なくとも有し、前記吸入口から流入された作動流体を前記クランク室に流入したのち前記側孔を介して前記軸孔へ導く第1の吸入経路と、前記吸入口から流入された作動流体を前記クランク室を経由せずに前記吸入室を介して前記軸孔へ導く第2の吸入経路とを有し、軸孔から作動流体をシリンダボア内に吸入することを特徴としている。
したがって、作動流体を吸入口からクランク室へ導き、このクランク室からシャフトの軸孔へ導く第1の吸入経路とは別に、作動流体を吸入口からクランク室を経由せずに吸入室を介してシャフトの軸孔へ導く第2の吸入経路を設けたので、クランク室に導かれる作動流体量が相対的に減少することとなり、シャフトに形成された側孔を通過する作動流体の流速を低減させることが可能となる。このため、シャフトの回転による遠心分離作用が有効に機能することとなり、作動流体中のミスト状のオイルが分離されてクランク室に残留し、クランク室から吸い出されることがなくなる。
ここで、第2の吸入通路を設けたことで、クランク室へ流入する作動流体量を抑えることができるので、シャフトの側孔を流れる作動流体の速度を低減することが可能となるが、十分な速度低減を図ってシャフトの回転による遠心分離作用によるオイル分離効果を得るためには、第1の吸入経路を流れる作動流体量を第2の吸入経路を流れる作動流体量よりも小さく規制する絞り手段を設けるとよい。
特に、より好ましくは、前記絞り手段を、前記第1の吸入経路に設けられた絞り部分によって構成し、この絞り部分を、略φ7mm孔相当を超えない範囲に設定された通路断面又は略φ7mm孔相当を超えない通路断面と同等の絞り効果を呈する構造、例えば、φ8mm相当の絞り箇所を直列に複数設けて、φ7mm相当の通路断面と同様の絞り効果を持たせるようにしてもよい。また、前記絞り手段を、第1の吸入経路を流れる流量が圧縮機が吸入する全吸入流量の略30%を越えないように規制するようにしてもよい。
また、クランク室のミスト状のオイルがクランク室の入口から流出される不都合を避けるために、前記絞り手段を、第1の吸入経路の前記クランク室の上流に設けるようにしてもよい。このような構成は、特にハウジングがクランク室を画成する複数のハウジング部材を有して構成されている場合には、絞り手段をハウジング部材の合わせ部分に形成するようにしても、ハウジング部材間に介在されるガスケットの一部を削除して形成するようにしてもよい。
また、絞り手段は、前記側孔及び軸孔の少なくとも一方を絞ることによって構成するようにしてもよい。
以上述べたように、本発明によれば、吸入口からクランク室を経由して作動流体が流入される圧縮機において、クランク室に流入した作動流体をシャフトに形成された側孔及び軸孔に導く第1の吸入経路と、吸入口から流入された作動流体を前記クランク室を経由せずに第1の吸入経路に導入された作動流体と合流させる第2の吸入経路とにより吸入経路を構成するようにしたので、シャフトのクランク室に開口する側孔を流れる作動流体の流速を相対的に低下させることが可能となり、シャフトの回転による遠心分離作用によるオイル分離を促進することが可能となる。このため、煩雑なオイル分離機構を設けることなく圧縮機外へのオイルの流出を効果的に低減することが可能となる。また、第2の吸入経路は、作動流体をクランク室を経由しないで直接吸入室に導くので、クランク室内のミスト状のオイルが第2の吸入通路を介して吸い出されてしまう不都合もなくなる。
特に、第1の吸入経路を流れる作動流体量を第2の吸入経路を流れる作動流体量より小さくなるよう規制する絞り手段を設け、この絞り手段として、例えば、第1の吸入経路に設けられた絞り部分を略φ7mm相当を超えない範囲に設定された通路断面に形成したり、略φ7mm相当を超えない通路断面と同等の絞り効果を呈する構造とし、又は、絞り手段を第1の吸入経路を流れる流量が全体の吸入流量の略30%を越えないように規制する構成とすれば、シャフトのクランク室に開口する側孔部分を流れる作動流体の速度を十分に低減させてシャフトの回転による遠心分離作用によるオイル分離を効果的に得ることが可能となる。
また、絞り手段を、クランク室を画成する複数のハウジング部材の合わせ部分に形成することで、或いは、ハウジング部材間に介在されるガスケットの一部を削除して形成することで、第1の吸入経路のクランク室の上流に設けるようにすれば、クランク室のミスト状のオイルがクランク室の入口から流出される不都合を避けことが可能となる。特に、このような構成においては、絞り手段がハウジングを構成するハウジング部材を組み付けるだけで構成されるので、絞り手段の格別な組み付け作業が不要となる。
さらに絞り手段をシャフトの側孔及び軸孔の少なくとも一方を絞ることによって構成すれば、シャフトの外径を相対的に小さくすることが可能となる。
図1は、本発明に係るピストン型圧縮機の構成例を示す断面図である。 図2は、本発明に係るピストン型圧縮機のフロントヘッドとリアヘッドとをシリンダブロック側から見た図である。 図3は、絞り部の構成例を説明するリア側シリンダブロックを示す図であり、(a)はリア側シリンダブロックとブラケットとを示す分解斜視図、(b)はリア側シリンダブロックをフロント側シリンダブロック側から見た図である。 図4は、クランク室内のオイル溜まり量と圧縮機の回転速度との関係を、従来タイプと本発明の構成において絞りの大きさを変化させて調べた結果を示す特性線図である。 図5は、絞り部の他の構成例を説明するリア側シリンダブロックを示す図であり、(a)はリア側シリンダブロックとブラケットとを示す分解斜視図、(b)はリア側シリンダブロックをフロント側シリンダブロック側から見た図であり、ガスケットと当接する部分をハッチで示した図である。 図6は、絞り部の他の構成例を説明するピストン型圧縮機の構成例を示す断面図である。 図7は、絞り部のさらに他の構成例を説明するピストン型圧縮機の構成例を示す断面図である。 図8は、本発明に係るピストン型圧縮機の他の構成例を示す断面図である。
1 フロント側シリンダブロック
2 リア側シリンダブロック
4 フロントヘッド
6 リアヘッド
7 クランク室
12 シャフト
15 シリンダボア
17 ピストン
20 斜板
27a,27b 吸入室
28a,28b 吐出室
30 吸入口
31 吐出口
32a 軸孔
32b 流入側側孔
32c 流出側側孔
40 絞り部
41 ガスケット
50 ロータリーバルブ
以下、この発明の最良の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
図1において、冷媒を作動流体とする冷凍サイクルに用いられる固定容量斜板式往復動型と称されるピストン型圧縮機が示されている。
この圧縮機は、フロント側シリンダブロック1と、このフロント側シリンダブロック1に組み付けられるリア側シリンダブロック2と、フロント側シリンダブロック1のフロント側(図中、左側)にバルブプレート3を介して組み付けられたフロントヘッド4と、リア側シリンダブロック2のリア側(図中、右側)にバルブプレート5を介して組み付けられたリアヘッド6とを有して構成されている。そして、これらフロントヘッド4、フロント側シリンダブロック1、リア側シリンダブロック2、及びリアヘッド6は、締結ボルトにより軸方向に締結され、圧縮機全体のハウジングを構成している。
フロント側シリンダブロック1とリア側シリンダブロック2の内部には、それぞれのシリンダブロックを組み付けることによって画成されたクランク室7が設けられている。このクランク室7には、フロント側シリンダブロック1及びリア側シリンダブロック2に形成されたシャフト支持孔8,9に軸受け10,11を介して回転自在に支持され、一端がフロントヘッド4から突出するシャフト12が配設されている。軸受け10,11は、後述するシャフト内通路の側孔の開口の妨げとならない位置に取り付けられている。また、シャフト12の先端部とフロントヘッド4との間には、冷媒の漏洩を防止するためのシール部材13が配され、フロントヘッド4から突出したシャフト12の先端には、電磁クラッチ14が取り付けられるようになっている。
それぞれのシリンダブロック1,2には、シャフト支持孔8,9に対して平行に、且つ、シャフトを中心とする円周上に等間隔に配された複数のシリンダボア15が形成されている。そして、それぞれのシリンダボア15内には、両端に頭部を有する両頭ピストン17が往復摺動可能に挿入され、この両頭ピストン17とバルブプレート3,5との間に圧縮室18が画成されている。
シャフト12には、クランク室7に収容され、このシャフト12と共に回転する斜板20がシャフト12と一体に形成されている。
この斜板20は、フロント側シリンダブロック1及びリア側シリンダブロック2に対してスラスト軸受け21,22を介して回転自在に支持されており、周縁部分が前後を挟み込むように設けられた半球状の一対のシュー23a,23bを介して両頭ピストン17の中央部に形成された係留凹部17aに係留されている。したがって、シャフト12が回転して斜板20が回転すると、その回転運動がシュー23a,23bを介して両頭ピストン17の往復運動に変換され、圧縮室18の容積が変化するようになっている。
それぞれのバルブプレート3,5には、シリンダブロック側端面に設けられたリード弁よりなる吸入バルブによって開閉される吸入孔3a,5a,と、シリンダヘッド側端面に設けられたリード弁よりなる吐出バルブによって開閉される吐出孔3b,5bとがそれぞれのシリンダボアに対応して形成されている。また、両頭ピストン17の頂部には、バルブプレート3,5の吐出孔3b、5bに対応する箇所に、該吐出孔3b、5bに挿入可能な突部17bが形成されている。さらに、フロントヘッド4とリアヘッド6とには、圧縮室18に供給する冷媒を収容するための吸入室27a,27bと圧縮室18から吐出した冷媒を収容するための吐出室28a,28bとがそれぞれ形成されている。この例においては、吸入室27a,27bはそれぞれのヘッド4,6の略中央に形成され、吐出室28a,28bは吸入室27a,27bの周囲に形成されている。
また、ハウジングを構成するリア側シリンダブロック2には、外部サイクルから冷媒を吸入するための吸入口30と、吐出室28a,28bに連通し、圧縮した冷媒を吐出するための吐出口31とが形成されている。
本構成例において、吸入口30から吸入室27a,27bに至る吸入経路は、吸入口30に連通するクランク室7と、クランク室7を貫通するシャフト12に形成されたシャフト内通路32を経由してフロントヘッド4及びリアヘッド6のそれぞれの吸入室27a,27bに至る第1の吸入経路と、吸入口30から流入された冷媒を前記クランク室7を経由せずに直接吸入室27a,27bへ導く第2の吸入経路とを有して構成されている。
より具体的には、クランク室7の外側に吸入口30と接続する軸方向に延設された軸方向通路33を形成し、第1の吸入経路は、この軸方向通路33の途中にクランク室7に連通する通孔34を設け、また、シャフト12内に、リア側先端からフロント側へ軸方向に沿って穿設されると共にリア側の開口端がリアヘッド6に設けられた吸入室27bに開口する軸孔32aと、この軸孔32aに連通し、シャフト12の径方向に設けられてクランク室7に開口する流入側側孔32bと、軸孔32aに連通し、シャフト12の径方向に設けられてフロントヘッド4に形成された吸入室27aに開口する流出側側孔32cとを形成し、これら通孔34やシャフト内通路32を構成する軸孔32a、流入側側孔32b、流出側側孔32cによって、吸入口30から吸入された冷媒の一部を、通孔34を介してクランク室7に流入し、その後、シャフト12を経由して圧縮機前後の吸入室27a,27bへ導くようにしている。
また、第2の吸入経路は、クランク室7の外側に形成された前記軸方向通路33をフロントヘッド4及びリアヘッド6にかけて延設して、バルブプレート3,5に形成された通孔3c,5cを介してフロントヘッド4とリアヘッド6とに形成された導入室38a,38bに連通し、また、フロントヘッド4及びリアヘッド6のそれぞれに吐出室28a,28bと干渉しないように径方向外側から穿設されると共に開口端が閉塞部材35a,35bで閉塞された径方向通路36a,36bを形成し、この径方向通路36a,36bにより導入室38a,38bと吸入室27a,27bとを接続し、吸入口30から吸入された冷媒の一部を、クランク室7を経由しないで圧縮機前後の吸入室27a,27bへ導き、第1の吸入経路を介して導かれた冷媒と合流させるようにしている。ここで、第2の吸入経路の通路断面は、φ10mm孔相当以上となっており、圧力損失が性能上許容できるレベルに大きく形成されている。
このように形成されている吸入経路において、第1の吸入経路には、そこを流れる冷媒量を第2の吸入経路を流れる冷媒量よりも少なく規制する絞り部40が設けられている。この例において、絞り部40は、第1の吸入経路のクランク室7の上流部位に設けられているもので、例えば、ハウジングを構成するフロント側シリンダヘッド1とリア側シリンダヘッド2との突き合わせ部分に形成されている。
より具体的には、フロント側シリンダヘッド1とリア側シリンダヘッド2の合わせ面の少なくとも一方、即ち、吸入口30に接続される軸方向通路33を画成する壁部の合わせ面の少なくとも一方(この例おいては、図3にも示されるように、リア側シリンダヘッド2の軸方向通路33を画成する壁部の合わせ面)にU字状の切り欠き34aを設け、フロント側シリンダヘッド1とリア側シリンダヘッド2とをガスケット41を介して組み付けた場合に通孔34が形成されるように構成し、この通孔34の大きさを第1の吸入経路を流れる冷媒量が第2の吸入経路を流れる冷媒量よりも少なくなるような大きさに形成している。
したがって、第1の吸入経路に通孔34によって構成される絞り部40が設けられているので、クランク室7に流入する冷媒量が少なくなり、冷媒がシャフト12の流入側側孔32bを通過する時の流速が抑えられ、クランク室7に流入したオイル混じりの冷媒は、シャフト12の回転による遠心分離作用によりオイルが分離されることとなる。しかも、絞り部40の大きさを第1の吸入経路を流れる冷媒量が第2の吸入経路を流れる冷媒量よりも少なくなる大きさに形成したので、上述した遠心分離作用をさらに確実にすることが可能となる。
また、絞り部40は、第1の吸入経路のクランク室7の上流部位に設けられているので、クランク室入口部分では冷媒の流速が相対的に早くなり、クランク室内で攪拌されたオイルがこのクランク室7の入口部分から流出することも抑えることが可能となる。さらに、絞り部40は、フロント側シリンダブロック1とリア側シリンダブロック2との突合せ部分に形成されているので(リア側シリンダブロック2の突合せ端面に形成されているので)、フロント側シリンダブロック1とリア側シリンダブロック2とをガスケット41を介して組み付けるだけで絞り部40を形成することが可能となり、絞り手段の格別な組み付け作業が不要となる。
これに対して、第2の吸入経路を介して吸入口30からクランク室7を経由せずに直接吸入室27a,27bへ吸入された冷媒は、オイルを含んだまま圧縮され、そのまま外部冷凍サイクルへ吐出されるが、冷凍サイクルを循環して再び圧縮機へ吸入される際に、その一部が第1の吸入経路に分配されてオイル分離されることとなるので、このプロセスが連続的に行われるうちに、冷凍回路を循環するオイルが確実に分離されクランク室内に保持されることとなる。
尚、上述の構成においては、ピストン17の頂部に、バルブプレート3,5の吐出孔3b、5bに対応する箇所に該吐出孔3b、5bに突出可能な突部17bが形成されているので、バルブプレート3,5の吐出孔3b、5bでのデッドボリューム(ピストン17が上死点にあるときに吐出されない圧縮室内に残された容積)を減らすことができ、圧縮ガスの再膨張に伴う性能低下を抑えることも可能となる。
ところで、発明者の研究によると、第1の吸入経路の絞り部40を構成する通孔34は、通路断面が略φ7mm孔相当を超えない範囲に設定し、第1の吸入経路を流れる流量が吸入口30から流入される全吸入流量(圧縮機が吸入する全吸入流量)の略30%を越えないように規制することで、シャフト12の流入側側孔32bの流速が早くなりすぎてオイル分離能力が低下する事態を回避することができ、オイルをクランク室7に良好に保持することが可能になるとの知見を得ている。
発明者らの試算によると、自動車用空調装置に用いられる圧縮機においては、圧縮機が吸入する全吸入流量の略30%相当の冷媒量を第1の吸入経路に分配するためには、略φ7mm孔相当の絞りを第1の吸入経路に設ければよく、圧縮機が吸入する全吸入流量の略20%相当の冷媒量を第1の吸入経路に分配するためには、略φ5mm孔相当の絞りを第1の吸入経路に設ければよく、また、圧縮機が吸入する全吸入流量の略10%相当の冷媒量を第1の吸入経路に分配するためには、略φ3mm孔相当の絞りを第1の吸入経路に設ければよいことが判明している。また、本発明者の計算によって第1の吸入経路に略φ12mm孔相当の絞りを形成した場合には、第1の吸入経路と第2の吸入経路の流量がほぼ等しくなるとの知見も得ている。
これらをもとに、本発明にかかる圧縮機を自動車用空調装置の冷凍サイクルに接続し、圧縮機の回転速度および絞り部分の孔相当径を変化させ、運転後のクランク室内のオイル溜まり量を調査したところ、図4に示されるような結果が得られた。
この結果から明らかなように、第2の吸入経路や絞り部40を設けずに、吸入ガスの全量をクランク室7、シャフト内通路32を経由して吸入室27a,27bへ導く従来の構成(従来タイプ)と比べると、第2の吸入経路を設けると共に第1の吸入経路の絞りの孔相当径をφ12mmとした場合(第1の吸入経路を流れる流量と第2の吸入経路を流れる流量とが略等しくなる場合)には、第2の吸入経路を通って吸入室27a.27bへ冷媒が直接導かれる分だけ、クランク室7への冷媒流入量は低減し、遠心分離によるオイル分離作用が改善されるため、クランク室内のオイル溜まり量の改善効果が見られた。しかしながら、クランク室7を経由する冷媒量は依然として多く、シャフト12の流入側側孔32bを流れる冷媒の流速を十分に遅くできないため、一部の回転数域においては有意差が認められなかった。
一方、絞り部40が略φ7mm孔相当の通路断面以下になると、わずかな通路断面の違いでもクランク室内のオイル溜まり量が大きく増大することが判明している。これは、通路断面が略φ7mm孔相当までは、従来タイプと比べると、クランク室内のオイル溜まり量に大きな差はなく、わずかな改善しか認められなかったが、絞り部40を略φ7mm孔相当以下とした場合には、シャフト12の流入側側孔32bを流れる冷媒の流速が充分遅くなってシャフトの回転に伴う遠心分離作用によるオイル分離が促進され、クランク室内のオイル溜まり量が増大することが認められたためである。このため、絞り部40はφ7mm孔相当の通路断面を越えない大きさ(φ7mm孔相当の通路断面以下)に設定すること、又は、第1の吸入経路の流量割合を全体の略30%を超えない範囲(略30%以下)に設定することが好ましい。
また、グラフから明らかなように、絞り部40の通路断面は小さい方が安定してオイルを分離保持することが可能であるが、あまり絞り部40を小さくすると、クランク室7を通過する冷媒量が少なくなってくるため、斜板20とシュー23a.23bとの摺動箇所の冷却効果が低下してくると共に、なんらかの原因でクランク室7のオイルが圧縮機外に運び出されてしまった場合に、再びそのオイルをクランク室7に回収するために長時間を要するので、絞り部40の大きさの下限値は、摺動箇所の冷却性能やオイルの回収時間などを考慮して設定することが好ましい。
尚、上述の構成においては、クランク室7の上流側に形成した絞り部40をハウジングを構成するシリンダブロック1,2の合わせ面の壁部を切り欠いて形成するようにしたが、クランク室7に開口する通孔34は合わせ面以外の壁部箇所に形成するようにしてもよい。また、シリンダブロックの壁部に通孔34を形成する代わりに、図5に示されるように、フロント側シリンダブロック1とリア側シリンダブロック2との間に介在されるガスケット41の軸方向通路33とクランク室7との間をシールする部分(図中、破線で示した部分)を削除することでフロント側シリンダブロック1とリア側シリンダブロック2との間に間隙を形成し(図5(b)においては、ガスケットが当接する部分がハッチで示され、軸方向通路33とクランク室7との間にガスケットが当接しない部分を形成し)、この間隙によって絞り部40を形成するようにしてもよい。
また、上述においては、第1吸入経路の絞り部40をクランク室7の上流側に形成した構成例を示したが、シャフト内通路32に絞り部を形成するようにしてもよい。例えば、図6に示されるように、リアヘッド6の吸入室27bに開口するシャフト12の軸孔32aの端部に絞り孔42が形成された嵌合部材43を取り付けて、クランク室7とリアヘッド6の吸入室27bとの間を絞り、また、流出側側孔32cの径を絞ってクランク室7とフロントヘッド4の吸入室27aとの間を絞るようにしてもよい。
また、図7に示されるように、シャフト12の軸孔32aをフロントヘッド4の吸入室27aには連通させず、リアヘッド6の吸入室27bにのみ連通させ、シャフト12の軸孔32aの径を絞ることでクランク室7とリアヘッド6の吸入室27bとの間を絞るようにしてもよい。
尚、いずれの構成においても、第1の吸入経路を流れる冷媒量を第2の吸入経路を流れる冷媒量よりも小さく設定すること、より好ましくは、絞り部40の通路断面を略φ7mm孔相当を超えない範囲に設定して、第1の吸入経路を流れる流量を吸入口30から流入される全吸入流量(圧縮機が吸入する全吸入流量)の略30%を越えないように規制するとよい。
さらに、第1の吸入経路に形成される絞り部40は、絞り箇所を一箇所としても、上述した構成を組み合わせてもよく、また、φ8mm孔相当の絞りを直列に複数設け、φ7mm相当の絞りと同様の機能と持たせるようにしてもよい。このため、上述したφ7mm孔相当以下の絞りは、絞り部分の通路断面を略φ7mm孔相当を超えない範囲に設定する場合の他、略φ7mm孔相当を超えない通路断面と同等の絞り効果を呈する構造にした場合をも含むものである。
尚、上述の実施例においては、両頭ピストンを備えたピストン型固定容量圧縮機に適用した場合について説明したが、シャフトに対する傾斜角度が固定された斜板によって片頭ピストンを往復摺動させる固定容量型圧縮機にも同様に適用することが可能である。
また、上述した構成においては、シリンダボア15内に区画される圧縮室18に冷媒を導入する機構として、吸入孔5aをリード弁よりなる吸入バルブで開閉するピストン型圧縮機を示したが、圧縮室18に冷媒を導入する機構をロータリーバルブ50で構成するようにしてもよい。
図8において、ロータリーバルブ50を採用したピストン型圧縮機が示され、以下、この圧縮機の構成について、前記圧縮機と同一の部分は同一符号を付して説明を省略し、相違する部分を主として説明する。
このピストン型圧縮機において採用されるロータリーバルブ50は、シャフト12と、これを支えるシリンダブロック(フロント側シリンダブロック1、リア側シリンダブロック2)によって構成されるもので、それぞれのシリンダブロック1,2に対応して設けられている。シャフト12には吸入室27a,27bに通じる軸孔32aと連通する分配孔51a,51bが径方向に形成され、シリンダブロック1,2には、一端が軸受け10,11を介して分配孔51a,51bと間欠的に連通し、他端がシリンダボア15に連通する導入孔52a,52bが各シリンダボアに対応して形成されている。
分配孔51a,51bと導入孔52a,52bとの連通は、分配孔51a,51bがシャフト12に形成されていることから、ピストン17の往復動と同期しており、吸入行程時に実現されるようになっている。したがって、吸入行程の状態にあるときには、シャフト12の軸孔内の冷媒が分配孔51a,51bおよび導入孔52a,52bを経由してシリンダボア15の圧縮室18に吸入され、吐出行程の状態にあるときには、分配孔51a,51bと導入孔52a,52bとの連通が遮断されて、圧縮室18に吸入された冷媒がピストン17によって圧縮される。尚、吸入バルブで開閉される吸入孔はバルブプレート3,5には形成されていない。
よって、このような構成においては、ロータリーバルブ50の分配孔51a,51bと導入孔52a,52bとによってシリンダボア15内に区画される圧縮室18に冷媒を導入するための経路が構成されるので、ロータリーバルブ50に至る第1の吸入経路は、吸入口30→通孔34→クランク室7→流入側側孔32b→軸孔32aで構成され、第2の吸入経路は、吸入口30→導入室38a,38b→吸入室27a,27b→軸孔32aで構成され、クランク室7を経由する第1の吸入経路で導入される冷媒とクランク室7をバイパスする第2の吸入経路で導入される冷媒とがシャフト12の軸孔32aにおいて合流し、吸入行程時にロータリーバルブ50の分配孔51a,51bおよび導入孔52a,52bを介して圧縮室18に導かれる。尚、その他の構成は、前記構成例と同様であり、第1の吸入経路を流れる冷媒が第2の吸入経路を流れる冷媒よりも少なくなるように構成される絞り部も適用可能な範囲で前述した構成と同様の構成を採用することが可能である。
このような構成においても、クランク室7に流入する冷媒量が少なくなり、冷媒がシャフト12の流入側側孔32bを通過する時の流速が抑えられ、クランク室7に流入したオイル混じりの冷媒は、シャフト12の回転による遠心分離作用によりオイルが分離されることとなる。また、絞り部40の大きさを第1の吸入経路を流れる冷媒量が第2の吸入経路を流れる冷媒量よりも少なくなる大きさに形成することで、上述した遠心分離作用をさらに確実にすることができる等、前記構成例と同様の作用効果を有する。
尚、圧縮室18に冷媒を導入する機構は、フロント側及びリア側を共に吸入バルブ又はロータリーバルブで構成した例を示したが、フロント側とリア側とで異ならせ、一方に吸入バルブを採用し、他方にロータリーバルブを採用する構成としてもよい。

Claims (10)

  1. ハウジングと、前記ハウジングに形成されたシリンダボア内を往復摺動するピストンと、前記ハウジング内に形成されたクランク室を貫通し、前記ハウジングに回転自在に支承されたシャフトと、前記クランク室に収容され、前記シャフトの回転により回転して前記ピストンを往復動させる斜板と、前記ハウジングに形成されて作動流体を吸入する吸入口及び吐出する吐出口とを有し、前記吸入口から吸入した作動流体を前記シリンダボア内に導き前記ピストンにより圧縮した後に前記吐出口から吐出させるピストン型圧縮機において、
    前記シャフト内に軸方向に沿って設けられた軸孔と、この軸孔に連通し、前記シャフトの径方向に設けられて前記クランク室に開口する側孔とを少なくとも有し、
    前記吸入口から流入された作動流体をクランク室を介して前記側孔及び軸孔に導く第1の吸入経路と、前記吸入口から流入された作動流体を前記クランク室を経由せずに前記第1の吸入経路に導入された作動流体と合流させる第2の吸入経路とを有し、
    前記第1の作動流体と前記第2の作動流体との合流領域から前記シリンダボア内へ前記作動流体を吸入することを特徴とするピストン型圧縮機。
  2. 前記合流領域は前記ハウジングに設けられた吸入室であり、前記第1の吸入経路は前記吸入口から流入された作動流体をクランク室を介して前記側孔及び前記軸孔を順次経由して前記吸入室へ導き、前記第2の吸入経路は前記吸入口から流入された作動流体を前記クランク室を経由せずに前記吸入室へ導くことを特徴とする請求項1記載のピストン型圧縮機。
  3. 前記合流領域は前記シャフトに設けられた軸孔であり、前記第1の吸入経路は前記吸入口から流入された作動流体をクランク室から前記側孔を介して前記軸孔に導き、前記第2の吸入経路は前記吸入口から流入された作動流体を前記クランク室を経由せずに前記シャフトの軸孔に導くことを特徴とする請求項1記載のピストン型圧縮機。
  4. 前記第1の吸入経路を流れる作動流体量が前記第2の吸入経路を流れる作動流体量よりも小さくなるよう規制する絞り手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のピストン型圧縮機。
  5. 前記絞り手段は、前記第1の吸入経路に設けられた絞り部分によって構成され、この絞り部分は、略φ7mm孔相当を超えない範囲に設定された通路断面又は略φ7mm孔相当を超えない通路断面と同等の絞り効果を呈する構造に形成されていることを特徴とする請求項4記載のピストン型圧縮機。
  6. 前記絞り手段は、前記第1の吸入経路を流れる流量が圧縮機が吸入する全吸入流量の略30%を越えないように規制するものであることを特徴とする請求項4記載のピストン型圧縮機。
  7. 前記絞り手段は、前記第1の吸入経路の、前記クランク室の上流に設けられることを特徴とする請求項4記載のピストン型圧縮機。
  8. 前記ハウジングは、前記クランク室を画成する複数のハウジング部材を有し、前記絞り手段は、前記ハウジング部材の合わせ部分に形成されることを特徴とする請求項7記載のピストン型圧縮機。
  9. 前記ハウジングは、前記クランク室を画成する複数のハウジング部材を有し、前記絞り手段は、前記ハウジング部材間に介在されるガスケットの一部を削除して形成されることを特徴とする請求項7記載のピストン型圧縮機。
  10. 前記絞り手段は、前記側孔及び軸孔の少なくとも一方を絞ることによって構成されることを特徴とする請求項4記載のピストン型圧縮機。
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