JP5173089B2 - 上昇する投与量の薬剤投与型 - Google Patents
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Description
この発明は、医薬を増大する投与量で送り出すための薬剤投与型(dosage form)に関する。本発明は連続した有効な治療のために、延長された時間にわたって単位時間当たりの医薬を増大する投与量で送り出すための薬剤投与型にさらに関する。本発明はさらに、治療の持続した期間にわたって医薬を増大する投与量で送り出すために直径方向寸法より大きな縦方向寸法からなる新規な縦型薬剤投与型に関する。さらに本発明は既知の治療目的のために上昇性投与量でこの発明により提供された薬剤投与型から、或る投与量の医薬を送り出すための方法に関する。
発明の背景
昔から現在までの長期にわたって、あらゆる社会の薬局および医局は、化学療法薬・癌化学療法薬・抗ウィルス治療薬として、神経学的疾患を治療するために、免疫抑制薬として、疼痛緩和のために、気分・思考・知覚・行動・心理学的人格および薬理学的効力を管理するために医薬を用いた。これらの治療において用いられる医薬は、鎮痛薬、抗新生物薬(抗腫瘍薬)、細胞保護薬、血管調節剤(vasomodifiers)、オピオィド類、バルビッレート類、催眠薬、中枢神経興奮薬(中枢神経刺激薬)、精神興奮薬(精神刺激薬)、精神抑制薬、アルコール類、カンナビノィド類、カテコールアミン類そして合衆国薬局方1997年版において知られている治療薬により代表される。これらの医薬または治療薬は利点を有するけれども、耐性と呼ばれる重大な問題がそれらの使用に伴っている。医薬に対する耐性の発現は、同じ投与量の医薬の存在下に治療的応答が減少されるように、患っている患者内の適合性の変化から生ずる。或る医薬に対する耐性、例えばオピオィド類に対する耐性は、治療効果の短くなった期間および減少した強度により特徴づけられる。多くの医薬を用いて見られる殆どの耐性は、GoodmanおよびGilmanによるThe Pharmocological Basis of Therapeutics第7版、第534頁(1940)に記載されているように、医薬の生体内作用に対する神経系における細胞の適合性に起因している。
この発明が関連している医薬の広い適用において、これらの医薬の1つのクラスは、注意欠陥性障害を包含する行動および人格の管理のための標準の介入となった中枢神経興奮薬(中枢神経刺激薬)である。この発明は、詳細には中枢神経系作用薬を用いて示すけれども、本発明は一般的でありそして本薬剤投与型、本発明の態様および様式により投与される医薬を広く包含する。
保健医療者、医者、精神科医、心理学者、ソーシァルワーカーおよび臨床家により認知された利点は、中枢神経系薬について劇的なものでありそしてこれは注意欠陥性障害を治療するために中枢神経系作用薬の普及した且つ認容された使用を生じた。データーを収集した最も最近の期間である1996年において、学齢期女子人口の約2%および学齢期男子人口の約6%、合計約200万の患者について、注意欠陥性障害に対する医薬が投与されている。
この発明の以前には、オピオィド類、バルビッレート類、催眠薬、中枢神経興奮薬(中枢神経刺激薬)、中枢神経系抑制薬、精神興奮薬(精神刺激薬)、アルコール類、カンナビノィド類、カテコールアミン類および他の医薬を包含する医薬が標準の製薬薬剤投与型により投与されていた。例えば、医薬を投与するための1つの先行技術の薬剤投与型は医薬を含有する即時放出錠剤を使用することにある。この即時放出型は、医薬が即時に固まりとなって放出されることにより医薬を送り出しそしてピークと谷間により特徴づけられる不均一な血液水準を生ずる。迅速な発現および短い半減期を有する医薬を含有する即時放出性薬剤投与型について、この医薬は1日に多くの回数の投与を必要とする可能性があり、血液水準において変動を生ずる可能性がありその投薬がその治療的効果を失う可能性がある。このタイプの薬剤投与型は延長された期間にわたっての必要とされる治療を提供しない。
医薬を分配するための先行技術の他の薬剤投与型は持続放出性薬剤投与型である。持続放出性薬剤投与型は、非上昇性プロフィルで、多くの場合、時間経過にわたって下降していくプロフィルで医薬を送り出す。しかしながら、この薬剤投与型は必要とされる治療および適当な血液パターンを提供しない。持続放出性、非上昇性薬剤投与型から送り出される中枢神経系作用薬のような医薬について、短い持続期間によりそして認容出来る治療のために必要とされる強度における減少により明らかにされる、医薬に対する急性耐性を患者は、多くの場合、発現する。先行技術の持続放出性薬剤投与型には、それらにおいて固有な欠点を補償する手段がない。
先行技術において知られている欠点を克服する医薬を送り出すための新規な薬剤投与型に対する重要な且つ緊急な必要性が存在することを、上に示された記載が教示している。即ち、(1)持続した上昇性速度で医薬を送り出し、そして同時に1日に何度も投与する必要性を減少させるかまたは排除するための薬剤投与型;(2)医薬に対する急性耐性を実質的に補償するための持続した−補償性の投与量で医薬を送り出しそしてそれにより予め選ばれた臨床プロフィルを維持するための薬剤投与型;(3)医薬に対する急性耐性または慢性耐性を少なくするかまたは排除して有効な治療を提供するために増大する投与量で医薬を投与するための薬剤投与型;そして(4)医学的効果および精神医学的効果の両方のために臨床的に示された持続した上昇性の制御されたプロフィルで医薬を送り出すための薬剤投与型に対する長く感じられていた必要性がある。
本発明の目的
したがって上記記載からみて、この発明の直接の目的は、先行技術に知られている欠点を克服しそしてそれにより医薬分配技術において進歩している新規な且つユニークな薬剤投与型を提供することである。
本発明の他の目的は、持続した時間にわたって、医薬の上昇性投与量を提供する新規な且つユニークな薬剤投与型を医療技術および精神健康技術に利用出来るようにすることである。
本発明の他の目的は、医薬に対して耐性を受けている患者における医薬の治療効果を維持するための薬剤投与型であって、医薬に対する耐性を受けた患者に対して上昇性投与量で放出して耐性の作用を小さくさせそして同時に意図された治療を提供する或る投与量の医薬を含む薬剤投与型を提供することである。
本発明の他の目的は、医薬に対して急性耐性を受けた患者における医薬の治療効果を維持するための薬剤投与型であって、その薬剤投与型が経口投与のための錠剤としてデザインされ且つ成形されておりそしてこの医薬に伴う急性耐性を補償するためにコントロールされた増大する投与投与量で患者に医薬を送り出す薬剤投与型を提供することである。
本発明の他の目的は、医薬に伴って受けた慢性耐性に対して医薬補償を提供するためにコントロールされた増大する投与量で医薬を投与する、医薬に対しての慢性耐性を受けている患者に投与するための投与量の医薬を含む、胃腸管中に経口投与するための浸透性(osmotic)錠剤としてデザインされ且つ成形された薬剤投与型を提供することである。
本発明の他の目的は、患者において受ける耐性の発生の度合いを少なくするための、その厚さよりも大きい長さからなる薬剤投与型であって、その薬剤投与型が時間経過にわたって、持続した且つ増大する投与量で医薬を投与して意図した治療効果を生ずることにより特徴づけられている薬剤投与型を利用可能にすることである。
本発明の他の目的は、先行技術に知られている欠点を克服する、制御された変化する投与量で、オピオィド類、バルビッレート類、催眠薬、中枢神経興奮薬(中枢神経刺激薬)、中枢神経系抑制薬、精神興奮薬(精神刺激薬)、カンナビノィド類およびカテコールアミン類からなる群から選ばれた医薬を投与するために、その直径方向の寸法より大きい縦方向の寸法を有する縦型錠剤として製造された薬剤投与型を提供することである。
本発明の他の目的は、患者に耐性を発現させる医薬を投与された患者において受ける耐性の発生の度合いを少なくするための方法であって、その方法が、液体環境における操作において、耐性の望ましくない作用を実質的に少なくするためにそして4時間〜30時間にわたって意図された治療を生ずるために、持続した且つ増大する投与量で医薬を分配する圧縮された錠剤として初期に造られた薬剤投与型を投与する改良を含む方法を利用可能にすることである。
本発明の他の目的は、医薬の持続した且つ上昇する投与量を提供するために、医薬の第1層、および下記錠剤から該第1層を押し出す第2層を含む製薬的に許容出来る経口錠剤としてデザインされた薬剤投与型を利用可能にすることである。
本発明の他の目的は、医薬の持続した且つ上昇する投与を行うために初期濃度で医薬を送り出す医薬組成物と、次に第2の最初の医薬組成物よりも一層高い濃度で医薬を送り出す医薬組成物を含む浸透性投与錠剤を投与することにより持続した且つ上昇させていく投与量で医薬を投与するための方法を利用可能にすることである。
本発明の他の目的は、時間経過にわたって持続した且つ上昇する投与量プロフィルで投与される医薬を含有する単一組成物を含む浸透性(osmotic)錠剤として製造された薬剤投与型を利用可能にすることである。
本発明の他の目的は、外部に即時放出投与量の医薬を含みそしてその内部に長期にわたって上昇する投与量の医薬を含み、その外部投与量と内部投与量とは連続して働いて医薬の上昇する投与量を提供し、受けた且つ発現した耐性を打ち消す、浸透性錠剤として造られた薬剤投与型を利用可能にすることである。
この発明の他の目的は、浸透性錠剤の外部上の或る即時投与量の医薬ならびに或る投与量の医薬を含む医薬層および膨張可能なヒドロゲルを含む膨張可能な層からなる内部二層積層物を含む浸透性経口錠剤であって、操作中のその浸透性錠剤が、1時間までに該浸透性錠剤の外部から或る投与量の医薬を即時に送り出しそしてその浸透性錠剤から内部医薬を押し出す膨張可能な層によりその浸透性錠剤の内部から、15分から24時間迄に或る投与量の医薬を送り出し、それにより外部投与量、内部層および膨張可能な層の組み合わされた働きにより、浸透性錠剤が時間経過にわたっての治療のために上昇性投与量の医薬を提供する、浸透性錠剤として造られた薬剤投与型を利用可能にすることである。
この発明のこれらの目的ならびに他の目的、特徴および利点は請求の範囲により伴われる本発明の以下の詳細な開示から一層明らかとなるであろう。
図面の簡単な記載
図1は、本発明により提供されたとおりの医薬塩酸プソイドエフェドリンを含む薬剤投与型についての上昇性放出速度プロフィルを例示する。
図2は、中枢神経興奮薬(中枢神経刺激薬)である塩酸メチルフェニデートを含む、本発明の薬剤投与型についての上昇性−増大性投与量放出速度を描いている。
図3は、本発明により提供された薬剤投与型からのメチルフェニデートについてのmg/時間での放出速度を描いている。
明細書の詳細な記載
この発明の実施に従って、時間経過にわたって上昇性速度の医薬送り出しにより特徴づけられる新規な薬剤投与型が利用できることが、今や見い出された。この発明により提供される薬剤投与型は、所定の時間期間、連続的に増大する速度で医薬を送り出す。この発明の薬剤投与型は、時間経過にわたって一定のゼロ次数の変化しない速度で医薬を送り出す先行技術の現存する薬剤投与型技術から予期されず、そしてその先行技術からの離脱である。この発明の薬剤投与型は、それが時間経過にわたって上昇性速度で連続的に医薬を送り出すので、ゼロ次数速度での送り出しが避けられる。先行技術の薬剤投与型のプロフィルは、送り出しにおける短い始動、次の一定の変化しない速度からなる。この発明のプロフィルは、所望の医薬送り出しパターンを達成するために医薬の放出速度が上昇性プロフィルに従う薬剤投与型を利用可能にすることにより、先行技術から離脱している。この発明の薬剤投与型は、薬剤投与型の大きさを薬剤投与型の内部配合物と組み合わせることにより上昇するパターンを達成する。
この発明の薬剤投与型は、内部区画を取り囲む壁を含む。薬剤投与型の壁は胃腸管の水性生物学的液体のような使用の環境中に存在する液体の通過に対して透過性である半透過性組成物を含み、そしてその壁は医薬の通過に対して不透過性である。その壁は、薬剤投与型の医薬分配作用の効力の期間中、その物理的且つ化学的一体性を維持している。半透過性壁はセルロースアシレート(acylate)、セルロースジアシレート(diacylate)、セルローストリアシレート(triacylate)、酢酸セルロース、二酢酸セルロース、および三酢酸セルロースからなるポリ(セルロース)の群から選ばれた重合体を含む。その壁は15,000〜4,000,000の数平均分子量を有する前記ポリ(セルロース)重合体の100重量%(重量パーセント)からなる。他の製造例において、その壁は前記のポリ(セルロース)重合体の40重量%〜100重量%および9,000〜240,000の数平均分子量の、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルブチルセルロースおよびヒドロキシプロピルペンチルセルロースからなる群から選ばれたヒドロキシプロピルアルキルセルロースの0〜35重量%;7,500〜200,000の数平均分子量の、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシブチルセルロースからなる群から選ばれた1員からなるヒドロキシアルキルセルロースの0〜25重量%;および190〜40,000の固有粘度分子量のポリ(エチレングリコール)の0〜25重量%からなることが出来る。壁を構成する全ての成分の合計重量は100重量%に等しい。壁形成用重合体は米国特許第3,845,770号、同第3,916,899号;同第4,036,228号;同第4,111,202号;および同第5,178,866号において知られている。
薬剤投与型は、薬剤投与型の外部を薬剤投与型の内部と連絡している、壁中の1つの出口または1つより多くの出口を含む。本明細書において用いられるものとして用語“出口”は、薬剤投与型から医薬を分配するための、通路、オリフィス、細孔、微細孔、ミクロ開口、中空繊維、毛細管、多孔質オーバーレー(overlay)、多孔質挿入管および浸透性開口からなる。出口通路は、胃腸管のような、使用の液体環境において浸食されるかまたは壁から浸出する材料をさらに包含する。浸食性通路を形成する代表的な材料は、浸食性ポリ(グリコール酸)、浸食性ポリ(乳酸)、浸食性ポリ(オルトエステル)、浸食性ポリ(オルトカーボネート)、浸食性ポリ(アセタール)、ゼラチン質フィラメント、ポリ(ビニルアルコール)、液体除去可能な細孔形成性多糖類、塩類、糖類および酸化物類を包含する浸出可能な材料を包含する。出口は、ソルビトール、ラクトースまたはグルコースのような化合物を浸出させることにより形成されることが出来る。出口は円形、三角形、四角形または長円形のような任意の操作上の形を有することが出来る。薬剤投与型は、薬剤投与型の共通表面上で一緒に接近したあるいは間隔が離れた位置で1つまたはそれ以上の通路が設けられていることが出来る。出口を形成するための通路および機器は米国特許第3,845,770号;同第3,916,899号;同第4,063,064号;同第4,088,864号;同第4,200,098号;同第4,285,987号および同第5,178,866号に開示されている。
薬剤投与型は、内部に第1の医薬層および第2の膨張可能な層を含む。第1層は、薬剤投与型から医薬を送り出しを提供するために出口の隣にある。第1層は、医薬の240ng(ナノグラム)〜700mg(ミリグラム)の投与量および製薬的に許容出来る担体の1mg〜200mgを含む。製薬的に許容出来る担体は、(A)ポリ(メチレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(ブチレンオキシド)、共重合体ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)からなる群から選ばれた1員により代表される、5%水溶液が25℃で12〜17,600cps(センチポィズ)の粘度を示す、25,000〜1,000,000の数平均分子量のポリ(アルキレンオキシド)、および40,000〜500,000の分子量のポリ(アルキレンオキシド)と40,000〜500,000の分子量の異なるポリ(アルキレンオキシド)、100,000の分子量のポリ(エチレンオキシド)と200,000の分子量のポリ(エチレンオキシド)、または200,000の分子量のポリ(エチレンオキシド)と300,000の分子量のポリ(エチレンオキシド)、のような2種類の異なるポリ(アルキレンオキシド)のブレンド(これらのポリ(アルキレンオキシド)重合体類はUnion Carbide Corp.から市販されている)、からなる群から選ばれた親水性重合体;(B)澱粉、タルク、マンニトール、ソルビトール、グルコース、フルクトース、多糖類または二酸化珪素の製薬上の賦形剤の0mg〜200mg;(C)米国特許第2,798,053号、同第2,909,462号、同3,825,068号に開示されているような、そしてB.F.Goodrich CompanyからCarbopol(商標)重合体として市販されているような、450,000の数平均分子量のカルボキシビニルポリマー、750,000の数平均分子量のカルボキシビニルポリマー、1,250,000の数平均分子量のカルボキシビニルポリマー、および3,000,000の数平均分子量のカルボキシビニルポリマーを包含する、7,500〜1,000,000の数平均分子量を有する、カルボキシポリアルキレンポリマーとしてまた知られている、親水性の製薬的に許容出来るカルボキシビニルポリマーの0mg〜125mg;および(D)Hercules Corporationから市販の、10,000〜7,000,000の粘度−平均数分子量のナトリウムカルボキシメチルセルロースにより代表される、アルカリがナトリウムまたはカリウムである、製薬的に許容出来るアルカリカルボキシアルキルセルロースの0mg〜250mg;(E)ソルビタントリオレェート、ソルビタントリステアレート、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノステアレート、ソルビタンセスキオレェート、グリセロールモノステアレート、ソルビタンモノオレェート、プロピレングリコールモノラゥレート、ソルビタンモノステアレート、ジエチレングリコールモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンマンニトールジオレェート、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリエチレングリコール400モノステアレート、トリエタノールアミンオレェート、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレェート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、オレイン酸ナトリウムおよびラウリル硫酸ナトリウム(これらの界面活性剤はRemingtonのPharmaceutical Sciences、第17版、第1305頁〜第1306頁(1985)において知られている)により代表されるような、両性、陰イオン性、陽イオン性および非イオン性の界面活性剤からなる群から選ばれた1員の0.0mg〜7.5mg;(F)Dow Chemical Companyから市販の、9,000〜750,000の数平均分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルブチルセルロースおよびヒドロキシプロピルペンチルセルロースからなる群から選ばれたヒドロキシプロピルアルキルセルロース結合剤、および7,500〜350,000の分子量のポリビニルピロリドン結合剤の0mg〜20mg;および(G)Aqualon Companyから市販の、7,500〜750,000の重量平均分子量の、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロースおよびヒドロキシペンチルセルロースからなる群から選ばれたヒドロキシアルキルセルロースの0.0mg〜20mg;および(H)ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸カリウム、ラウリン酸マグネシウムおよびパルミチン酸カルシウムのような潤滑剤の0.01mg〜5mg;を含む。本明細書において用いられるものとして表現“製薬的に許容出来る”とは、重合体、化合物または医薬が非毒性であることを示しそしてヒト患者への経口投与のために許容出来ることを意味する。
本薬剤投与型は、その薬剤投与型から出口ポートを通過させて第1医薬層を移動させるかまたは押し出す第2層を含む。その第2層は、(A)1,500,000〜10,000,000の数平均分子量のポリ(アルキレンオキシド);あるいは1,750,000〜10,000,000の粘度−平均数分子量のアルカリカルボキシアルキルセルロースからなる群から選ばれた親水性浸透重合体(hydrophilic osmopolymer)の100ng〜400mg;(B)9,000〜750,000の数平均分子量の、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルブチルセルロース、またはヒドロキシプロピルペンチルセルロースからなるヒドロキシプロピルアルキルセルロースの0〜100mg;(C)7,500〜1,500,000の数平均分子量の、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシブチルセルロースから選ばれたヒドロキシアルキルセルロースの0〜400mg、一般には25mg〜400mg;(D)硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、こはく酸マグネシウム、酒石酸;ラフィノース、スクロース、グルコースおよびラクトースのような炭水化物からなる群から選ばれた、無機および有機化合物を包含する、浸透的に有効な溶質、浸透的に有効な化合物および浸透性剤(osmotic agent)としてまた知られている浸透剤(osmagent)の0〜250mg、本製造例で10mg〜175mg;(E)第1医薬層において存在する、両性、陰イオン性、陽イオン性および非イオン性の界面活性剤からなる群から選ばれた界面活性剤の0.001mg〜10mg;(F)第1医薬層に存在する、7,500〜10,000の数平均分子量のカルボキシビニルポリマーの0mg〜20mg;(G)赤色酸化第二鉄または黒色酸化第二鉄のような、薬剤投与型を確認するための着色剤化合物の0mg〜5mg;および(H)第1医薬層において示された潤滑剤を包含する潤滑剤の0mg〜5mg;を含む。
この発明により提供される薬剤投与型は、薬剤投与型錠剤としてデザインされ且つ成形される。本薬剤投与型錠剤はそれぞれその幅より大きい長さからなる。その薬剤投与型錠剤は5mm〜28mmの長さおよび2.50mm〜10mmの幅からなる。この発明によって提供される薬剤投与型錠剤は第2層において、浸透重合体(osmopolymer)の60%〜95%あるいは浸透重合体と浸透剤(osmagent)とからなる組み合わせの60%〜95%を含む。薬剤投与型錠剤の寸法と組み合わされた、高いパーセントの浸透重合体あるいは高いパーセントの浸透重合体と浸透剤の組成物は、2時間〜24時間の間、薬剤投与型錠剤に上昇性送り出しを有効にさせることを可能にする。
医薬層中に存在する医薬の代表例は、オピオィド類、バルビッレート類、催眠薬、中枢神経系作用薬、精神興奮薬(精神刺激薬)、精神抑制薬、鎮痛薬、アルコール類、カンナビノィド類およびカテコールアミン類を含む医薬組成物からなる。医薬の例は、カテコールアミン類を包含する、注意欠陥性障害の管理のための中枢神経系作用薬およびそれらの作用に模倣出来る医薬である。この治療のための医薬はアンフェタミン、デキストロアンフェタミン、メタンフェタミン、メチルフェニデート、ラセミ体メチルフェニデート、トレオメチルフェニデート(threomethylphenidate)、エチルフェニデート、フェニルイソプロピルアミンおよびペモリンからなる群から選ばれた1員からなる。その医薬類は、ラセミ化合物、立体異性体およびラセミ体医薬の鏡像異性体を包含する。その医薬類は塩酸塩、フマル酸塩、硫酸塩、燐酸塩、乳酸塩、りんご酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、臭化水素酸塩、くえん酸塩、パモエート、マレイン酸塩、アスコルビン酸塩、グルコン酸塩、アスパラギン酸塩およびサリチル酸塩からなる群から選ばれた1員のようなそれらの製薬的に許容出来る塩を包含する。
本発明は、薬剤投与型の外側表面上に、医薬を含むコート(coat)組成物をさらに含む。そのコート組成物は薬剤投与型により担持された外部オーバーコートである。薬剤投与型の壁上の外部オーバーコートは或る投与量の医薬を含みそして或る投与量の医薬を含む内部区画と協力して働いて医薬を送り出して予期されなかった初期の上昇性医薬送り出しプロフィルを提供する。オーバーコートは医薬の初期の投与量を提供し、次に薬剤投与型の内部から或る投与量を提供して上昇性の医薬送り出しプロフィルを与える。オーバーコートは医薬の10ng〜100mgを含み、これは1時間までに送り出され、次に薬剤投与型から送り出される。内部からの医薬の投与量は24時間にわたって送り出される。オーバーコートは、オピオィド類、バルビッレート類、催眠薬、精神興奮薬(精神刺激薬)、精神抑制薬、中枢神経系作用薬、鎮痛薬およびカテコールアミン類からなる群から選ばれた医薬を含む。オーバーコートに存在するそれぞれの医薬の代表例は、アンフェタミン、デキストロアンフェタミン、メタンフェタミン、メチルフェニデート、ラセミ体メチルフェニデート、トレオメチルフェニデート(threomethylphenidate)、エチルフェニデート、アルキルフェニデート、フェニルイソプロピルアミンおよびペモリンからなる群から選ばれた医薬からなる。これらの医薬は、塩酸塩、硫酸塩、燐酸塩、酢酸塩、臭化水素酸塩、パモエート、りんご酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩およびくえん酸塩からなる群から選ばれた1員のようなそれらの製薬的に許容出来る塩を包含する。オーバーコート中に存在する医薬の具体例の代表例は、10ng〜25mgのメチルフェニデートを包含する、アルキルフェニデート類である。
オーバーコートは、製薬的に許容出来る担体とブレンドされた医薬を含む。製薬的に許容出来る担体は、アルキルセルロース類、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース類、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシプロピルアルキルセルロース類、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルブチルセルロース、メチルデキストロース、アカシア、グアガム(guargum)、予備ゼラチン化でんぶん、プロピレングリコールアルギネートおよびシクロデキストリンからなる群から選ばれた水性、医薬放出性担体からなる。オーバーコートは0.01重量%〜15重量の製薬的に許容出来る担体を含む。他の製造例においての薬剤投与型オーバーコートはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、およびアセチル化トリグリセリドからなる群から選ばれた1員を0.01重量%〜5重量%含む。オーバーコートは患者の胃腸管に存在する液体の存在下に溶解するか溶解を受けるので、オーバーコートは必要とされる医薬治療、例えばメチルフェニデートを提供する。したがって、オーバーコートは即時治療有益性のために、患者が医薬を受け入れる環境、胃腸管中に経口投与の際、医薬治療を提供する。
1つの製造例において、薬剤投与型の壁は、空気懸濁法により形成される。この方法は、二層コアを含有する内部区画を形成し且つ取り囲む壁が適用されるまで、空気および壁形成用成分の流れ中に、圧縮された二層コアを懸濁させ且つ回転させることからなる。空気懸濁法は米国特許第2,799,241号及び同第5,082,668号に記載されている。壁は、共溶媒を用いて空気懸濁コーティング機において形成されることが出来る。代表的な共溶媒は、1%〜7%の固形分を用いて、80:20(重量:重量)での二塩化メチレン−メタノールあるいは85:15または90:10または95:5または99:1(重量:重量)でのアセトン−水共溶媒である。パンコーティングシステム、即ち、回転しているパンにおいて回転させることを組み合わせての壁形成用組成物の連続噴霧により該壁形成用組成物が付着されるような、他の壁を形成する技術が使用されることが出来る。一層厚い壁を生成するためにパンコーティング機が使用されることが出来る。一層薄い壁を形成するために、多量の溶媒が溶媒システムにおいて用いられることが出来る。最後に、壁をコーティングされた区画は1週間まで30℃〜50℃のオーブン中であるいは18時間〜3日間、50RH(相対湿度)および50℃での、湿度がコントロールされたオーブン中で乾燥される。
本発明の第1層および第2層は、標準の製造技術によって造られる。例えば、1つの製造例において、医薬および他の成分はブレンドされそして固体層にプレスされる。医薬および成分は溶媒とブレンドされそして混合されてボールミル操作、カレンダーがけ、かき混ぜまたはローラーミル操作のような慣用の方法により半固体または固体に形成されそして次に予め選ばれた形にプレスされる。第1層はその層が薬剤投与型を占める面積の内部寸法に相当する寸法を有している。それはまた、第2層との接触している二層配列を形成するために第2層に対応する寸法を有している。浸透重合体(osmopolymer)あるいは浸透重合体と浸透剤(osmagent)からなる押し出し層は第1医薬層と接触して置かれる。薬剤投与型から医薬層を移動排出させるための押し出し層、即ち移動化用層は第1医薬層を提供するための技術を用いて造られる。第1医薬層と第2移動化用層との積層は慣用のプレス積層技術により造られることが出来る。二層積層された区画形成コアは半透過性組成物を含む外側壁で取り囲まれ且つコーティングされる。出口は壁中にレーザーで孔をあけて造られて第1医薬層と連絡する。薬剤投与型は、出口通路を形成するためにレーザー機器により自動的に光学的に配向される。
他の製造例において、薬剤投与型は、湿式顆粒化技術によって造られる。湿式顆粒化技術において、例えば、医薬および医薬を含む成分は顆粒化用液体として、80:20(v:v(容量:容量))でのイソプロピルアルコール−二塩化メチレンあるいはメタノール−二塩化メチレンのような有機溶媒を用いてブレンドされる。100%変性アルコールのような他の顆粒化用液がこの目的のために用いられることが出来る。医薬層を形成する成分はそれぞれスクリーン中に通されそして次にミキサー中で完全にブレンドされる。次に医薬層を構成する他の成分は上記溶媒のような顆粒化液体の一部分に溶解される。次に後者の湿潤ブレンドを、ブレンダー中で連続的に混合しながら前者の医薬ブレンドにゆっくりと加える。顆粒化用液体は湿潤ブレンドが形成されるまで加えられ、この湿潤塊はスクリーン中に押し通されてオーブントレー上に入れられる。そのブレンドは30℃〜50℃で7〜24時間乾燥される。乾燥顆粒は次に、スクリーンを用いて寸法調節される。次に、潤滑剤をスクリーン中に通過させそして乾燥したスクリーンにかけられた顆粒ブレンドに加える。次に顆粒をミリングジャー中に入れそして1〜15分間ジャーミル上で混合する。他の医薬層および移動化用層は同じ湿式顆粒化技術によって造られる。組成物は層形成プレスのような標準のプレスでそれらの各々の層にプレスされる。
区画形成用組成物の層を提供するために用いられることが出来る他の製造方法は流動床造粒機において各層のための粉末状成分を独立してブレンドすることからなる。粉末状成分が造粒機中で乾燥ブレンドされた後に、顆粒化用液体、例えば、水中または変性アルコール中または95:5のエチルアルコール/水中またはエタノールと水とのブレンド中、のポリ(ビニルピロリドン)が該粉末上に噴霧される。場合により、それらの成分は顆粒化用液体中に溶解されるかまたは懸濁されることが出来る。コーティングされた粉末は次に造粒機中で乾燥される。この方法は顆粒化用液体を一方で加えながら、中に存在する全ての成分を顆粒化(造粒)する。顆粒が乾燥された後に、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸カリウムまたはステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤が造粒機に加えられる。各々別々の層のための顆粒は次に上に記載された方法でプレスされる。
この発明の薬剤投与型は、他の製造方法では既知の投与量の医薬を組成物の層形成用成分とまず混合しそして次に、1/8〜3トンの圧力で組成物をプレスして、薬剤投与型の区画の内部寸法に相当する寸法を有する固体層にする。浸透重合体、あるいは浸透重合体と浸透剤とを含む接触する第2層も同様な方法で造られる。他の製造方法において、ボールミル操作、カレンダーがけ、かき混ぜまたはローラーミル操作のような慣用の方法により、医薬、組成物形成用成分および溶媒を混合して固体または半固体にしそしてプレスして層にすることにより第1層および第2層は独立して造られる。次に浸透重合体(osmopolymer)および場合により浸透剤(osmagent)を含む移動化用組成物の層の隣に第1層を置く。次に二層積層されたコアを半透過性壁で取り囲む。第1層と第2層との積層は層形成錠剤プレス技術および縦方向圧縮化錠剤技術により行われることが出来る。壁は、プレス成形二層積層コアを注型(molding)、スプレーまたは壁形成用材料中に浸漬することにより適用されることが出来る。壁を適用するために用いられることが出来る他の技術は、空気懸濁コーティング法である。この方法は、壁形成用組成物が二層を取り囲むまで、空気の流れの中で二層積層された積層物を懸濁し且つ回転させることにある。空気懸濁法は米国特許第2,799,241号;J.Am.Pharm.Assoc.第48巻第451頁〜第459頁(1979);および同書第49巻第83頁〜第84頁(1960)に記載されている。他の製造方法はModern Plastic Encyclopedia第46巻第62頁〜第70頁(1969)においておよびペンシルベニア州イーストンのMack Publishing Co.により発行されたRemingtonによるPharmaceutical Sciences第14版第1626頁〜第1979頁(1970)において記載されている。
壁、層および壁を造るための適当な例示溶媒は、不活性の無機および有機溶媒を包含する。その溶媒は水性溶媒、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、脂肪族炭化水素類、ハロゲン化溶媒、環式脂肪族、芳香族、複素環式溶媒およびそれらの混合物からなる群から選ばれた溶媒を広く包含する。代表的な溶媒は、アセトン、ジアセトンアルコール、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、メチルイソブチルケトン、メチルプロピルケトン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルアセテート、二塩化メチレン、二塩化エチレン、二塩化プロピレン、四塩化炭素、クロロホルム、ニトロエタン、ニトロプロパン、テトラクロロエタン、エチルエーテル、イゾプロピルエーテル、シクロヘキサン、シクロオクタン、ベンゼン、トルエン、ナフサ、テトラヒドロフラン、ジグリム、それらの水性および非水性混合物、例えば、アセトンと水;アセトンとメタノール;アセトンとエチルアルコール;二塩化メチレンとメタノール;二塩化エチレンとメタノール;および二塩化メチレンとエタノール;を包含する。それらの溶媒は米国特許第5,030,456号において開示されている。
例の詳細な記載
以下の例は本発明の例示でありそしてこれらの例およびそれらの他の均等例は本開示および請求の範囲からみて当業者に明らかとなるので、それらの例は、いかなるやりかたであっても本発明の範囲を限定するものとして考えられるべきでない。
例 1:
上昇性放出プロフィルで医薬を投与することにより中枢神経系を刺激する医薬を送り出すためにデザインされ且つ成形された浸透性(osmotic)薬剤投与型は以下のとおりにして造られる:まず、結合剤溶液が次のとおりにして造られる:40,000の数平均分子量を有するポリ(ビニルピロリドン)の300gを、蒸留水の2700gを含有する混合用容器に加える。ポリ(ビニルピロリドン)が水中に溶解しそして透明な溶液を生成するまで、混合物をかき混ぜる。次に、医薬配合物が次のとおりにして造られる:200,000の数平均分子量を有するポリ(エチレンオキシド)の6,564gを40メッシュのスクリーン中に通過させる。次に、流動床造粒機のボウル中に、スクリーンにかけられたポリ(エチレンオキシド)の3,282gを入れる。次に、ポリ(エチレンオキシド)を有する造粒機中に中枢神経系作用性の塩酸メチルフェニデートの1,024gを入れる。次に、40,000の数平均分子量のポリ(ビニルピロリドン)の100gを造粒機に加える;次に、残っている3.182gのポリ(エチレンオキシド)を造粒機に加える。ボウル中への乾燥成分の添加は塩酸メチルフェニデートがポリ(エチレンオキシド)の2つの層の間に置かれるように行われる。粉末の均一な混合を得るために、ボウル内部の成分が2分間流動化されると共に、顆粒化(造粒)が始まる。次に、結合剤溶液は100g/分の噴霧速度で、ノズルに通過させて粉末床上に噴霧される。噴霧処理中、空気流を500cfmに維持しそして温度を25℃に維持する。噴霧処理中、30秒間溶液を噴霧し、次に10秒間振り動かし、その時間の間にフィルターバッグに付着している粉末を顆粒化室(造粒室)に取り除く。噴霧操作の終わりに、追加の5〜10分間、顆粒化室(造粒室)において顆粒を乾燥させて乾燥顆粒を得る。寸法を減少させるために、塩酸メチルフェニデート顆粒を、7メッシュスクリーンを有する流動空気ミル中に通過させる。そのスクリーンは、PerryによるChemical Engineer’s Handbook第6版、第21頁〜第15頁(1984)に開示されているような米国ふるいシリーズのものである。次に、スクリーンにかけられた顆粒をブレンダー中に入れ、その顆粒に、(40メッシュスクリーン中に通過させてスクリーンにかけた)ステアリン酸マグネシウムの8gおよび(60メッシュスクリーン中に通過させてスクリーンにかけた)粉末状ブチル化ヒドロキシトルエンの4gを加えそして一緒に混合した。
次に移動化または押し出し組成物が、次のとおりにして造られる:まず、8437.5gの蒸留水に、40,000の数平均分子量のポリ(ビニルピロリドン)の937.5gを加えることにより結合剤溶液が造られる。ポリ(ビニルピロリドン)が水中に溶解して透明な溶液が生成するまでこの混合物をかき混ぜる。次に移動化用浸透性顆粒が次のとおりにして造られる:まず、7,000,000の数平均分子量を有するポリ(エチレンオキシド)の13452.5gを流動床造粒機のボウル中に入れる。次に、40,000の数平均分子量のポリ(ビニルピロリドン)の312.5gを該ボウルに加える。次に21メッシュスクリーンを用いて粉砕された、浸透剤塩化ナトリウムの10,000gおよび赤色酸化第二鉄の250gを該ボウルに入れる。該ボウルを造粒機の主要本体に取り付けそして顆粒化(造粒)を開始する。最初に、粉末の均一な混合を得るためにボウル内部の粉末床を3分間流動化させる。次に結合剤溶液を粉末床上に噴霧しそして240g/分の速度でその上に結合剤溶液を噴霧する。噴霧処理中、空気流を1000cfmに維持しそして温度を25℃に維持する。溶液を30秒間噴霧し、次に10秒間振り動かし、その時間の間に、フィルターバッグに付着している粉末を顆粒化室(造粒室)に取り除くことが出来る。噴霧操作の終わりに追加の10〜15分間顆粒化室(造粒室)において顆粒を乾燥させて乾燥顆粒を得る。次に寸法を減少させるために顆粒を、7メッシュスクリーンを有する空気ミル中に通過させる。次に顆粒をブレンダーに移しそしてその顆粒に(40メッシュスクリーン中を通過させてスクリーンにかけた)ステアリン酸マグネシウムの25gおよび(60メッシュスクリーン中を通過させてスクリーンにかけた)ブチル化ヒドロキシトルエンの12.5gを加えそして一緒に混合する。
次に、2つの層を一緒に縦方向に圧縮することが出来る自動化錠剤圧縮機を用いて、メチルフェニデートを含む医薬組成物および移動化排出用浸透性組成物を一緒に圧縮する。まず、層を形成するメチルフェニデート組成物の110mgを4.7mm直径のダイス型の穴に加え、突き固めそして次に移動化用浸透性組成物の132mgをダイス型に入れそして0.2メートルトンの圧力を用いて一緒に圧縮する。
次に、39.8%のアセチル含有量を有する酢酸セルロースの90%および3350の平均分子量を有するポリ(エチレングリコール)の10%を含む壁形成用組成物を二層積層コアのまわりに形成する。アセトンと水との混合物(90:10(重量:重量))中に半透過性組成物を溶解しそして5%の固形分組成物の溶液を得る。圧縮された二層積層コアを61cmコーティングパン中に入れそして100ml/分の噴霧速度で該コア上にコーティング溶液を噴霧する。コーティング処理中温度を35℃に維持する。
次に、半透過性壁中に30ミル(0.76mm)の1つのオリフィスを孔あけて、医薬組成物を薬剤投与型の外部と連絡させる。48時間オーブン中で45℃および45%相対湿度で乾燥することにより残留溶媒を除去する。乾燥サイクルの終わりに、その湿度を変化させそして薬剤投与型を45℃でさらに4時間乾燥させる。
この例に従って造られた薬剤投与型はメチルフェニデートの14.08mg、200,000の数平均分子量のポリ(エチレンオキシド)の90.26mg、40,000の数平均分子量のポリ(ビニルピロリドン)の5.5mg、ステアリン酸マグネシウムの0.11mgおよびブチル化ヒドロキシトルエンの0.055mgからなる110mgからなる第1医薬層を含む。薬剤投与型の移動化層2は、7,000,000の数平均分子量のポリ(エチレンオキシド)の71.032mg、浸透剤塩化ナトリウムの52.8mg、40,000の数平均分子量のポリ(ビニルピロリドン)の6.6mg、赤色酸化第二鉄の1.32mg、ステアリン酸マグネシウムの0.132mgおよびブチル化ヒドロキシトルエンの0.066mgから構成される132mgからなる。半透過性壁は17mgの重さを有しそして39.8%のアセチル含有量を有する酢酸セルロースの15.3mgおよび3350の数平均分子量のポリ(エチレングリコール)の1.7mgからなる。その薬剤投与型は、30ミル(0.76mm)のオリフィスを有した。
その薬剤投与型は上昇性の放出速度でメチルフェニデートを送り出した。その薬剤投与型は、最初の1時間に0.22mg、第2番目の1時間に1.45mg、第3番目の1時間に1.72mg、第4番目の1時間に1.84mg、第5番目の1時間に2.05mg、第6番目の1時間に2.21mg、第7番目の1時間に2.13mg、第8番目の1時間に1.26mg、第9番目の1時間に0.39mg、そして第10番目の1時間に0.09mg、を送り出し、0.72mgが薬剤投与型に残留した。
例 2:
この例における医薬がペモリン、デアノル、デアノルアセトアミドベンゾエート、塩酸ベンズフェタミン、デアノルアセグルメート(deanol aceglumate)、クロルテルミン(clortermine)、ジエチルプロピオン、フェンフルラミン、燐酸デキストロアンフェタミンおよび硫酸デキストロアンフェタミンからなる群から選ばれた1員である以外は、前に記載されたとおりの処理工程を用いて例1の方法に従う。
例 3:
上昇性放出プロフィルで医薬を送り出すための経口錠剤として適合され、デザインされそして成形された浸透性薬剤投与型が以下のとおりにして造られる:まず、約300,000の分子量を有するポリ(エチレンオキシド)の393.85gを40メッシュスクリーン中に通過させることにより組成物が造られる。次に硫酸アンフェタミン、ジフルアニン塩酸塩(difluanine hydrochloride)、フルバニレート(flubanilate)、メフェキサミド、メタンフェタミン、プソイドエフェドリンおよび塩酸ピロバレロンからなる群から選ばれた医薬の63.65g;ポリオキシ40ステアレート(polyoxy 40 stearate)の15.00g;および11,200の数平均分子量を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースの25.00gをスクリーンにかけて40メッシュにしそして該ポリ(エチレンオキシド)に加える。前記4成分を慣用のミキサー中で約10分間混合する。次に、50mlの変性無水エタノールを該ミキサー中にゆっくりと加えそしてさらに10分間混合を続ける。湿潤した顆粒を20メッシュスクリーン中に通過させ、16時間室温で乾燥させそして再び20メッシュスクリーン中に通過させる。最後に、ステアリン酸マグネシウムの2.5gを顆粒に加えそしてさらに3分間すべての成分を混合する。
次に、7,000,000の数平均分子量を有するポリ(エチレンオキシド)の267.5gを、浸透剤塩化ナトリウムの175g(35%);オハイオ州クリーブランドのBF Goodrich Chemicalsから市販されており、米国特許第3,074,852号、同第3,634,584号および同第4,248,847号に開示されている、3,000,000の数平均分子量を有するCarbomerR954という、カルボキシビニルポリマーの25g;および赤色酸化鉄の5g;と混合することにより第2移動化用(displacement)組成物が造られる。均質なブレンドを40メッシュスクリーン中に通過させそして全ての成分に、11,200の数平均分子量を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースの25gを加える。それらの成分を10分間、慣用のプラネタリーミキサー(planetary mixer)中でブレンドする。次にブレンドしている混合物に変性無水エタノールの50mlをゆっくりと加えそして全ての成分をさらに5分間混合する。その新しく造られた湿潤顆粒を20メッシュスクリーン中に通過させ、16時間室温で乾燥させそして再び20メッシュスクリーン中に通過させる。スクリーンにかけられた顆粒を3分間ステアリン酸マグネシウムの2.5gと混合する。
積層化用プレスを用いて二層積層物を形成する。まず、第1医薬組成物を4.7mmのダイス型の穴に加えそして突き固める。次に、第2膨張可能な組成物の115mgをダイス型の穴に加えそして前記2つの別々の組成物を1/2トンの圧力下にプレスして二層積層化コアにする。
次に、二層積層化コアを半透過性壁で取り囲む。壁形成用組成物は39.8%のアセチル含有量を有する酢酸セルロースの95%および3350の分子量を有するポリエチレングリコールの5%からなる。その壁形成用組成物をアセトン:水(90:10(重量:重量))溶媒中に溶解して、5%固形分の溶液を生成する。次に、壁形成用組成物の22mgをHi−Coaterパンコーターにおいてこの二層積層物上にそしてその周りに噴霧する。次に、その浸透性デバイスの医薬層側の中心に、レーザーまたは機械ドリルにより30ミル(0.76mm)の出口オリフィスを孔あける。50℃および50%相対湿度で乾燥しそして次に50℃で1時間乾燥することにより残留溶媒を除去する。
この例により造られた薬剤投与型は塩酸プソイドエフェドリンの12.73重量%、300,000の数平均分子量のポリ(エチレンオキシド)の78.77重量%、11,200の数平均分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロースの5重量%、ポリオキシ40ステアレートの3重量%およびステアリン酸マグネシウムの0.5重量%からなる110mgの医薬層を含む。115mgの移動化用層は、7,000,000の数平均分子量を有するポリ(エチレンオキシド)の53.5重量%、11,200の数平均分子量を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースの5重量%、塩化ナトリウムの35重量%、ステアリン酸マグネシウムの0.5重量%、CarbopolRというカルボキシビニルポリマーの5重量%および赤色酸化第二鉄の1重量%からなる。半透過性壁は39.8%のアセチル含有量の酢酸セルロースの20.9mgおよび4,000の数平均分子量のポリ(エチレングリコール)の1.1mgからなる。薬剤投与型は30ミル(0.76mm)のオリフィスを含みそして図面の図1に見られる上昇性放出速度プロフィルを示す。
例 4:
上昇性放出プロフィルでのメチルフェニデートの製薬的に許容出来る塩の経口投与のための錠剤としてデザインされ且つ適合された薬剤投与型は以下のとおりにして造られる:まず、200,000の平均分子量を有するポリ(エチレンオキシド)の163.4gを40メッシュスクリーン中に通過させそして慣用のプラネタリーミキサーのボウル中に入れる。次に塩酸メチルフェニデートの25.6gを秤量しそして該ポリ(エチレンオキシド)を含有するボウルに入れる。次に11,200の分子量を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースの10gを40メッシュスクリーン中に通過させそして該ポリ(エチレンオキシド)と塩酸メチルフェニデートとを含有するボウル中に入れる。次に、FD&C青色染料No.1の0.5gを該ミキサーのボウル中に入れる。それらの4種の成分を、10分間、該プラネタリーミキサー中で一緒にブレンドする。次に10分間連続して混合しながら、変性無水エタノールの100mlを該ミキサー中に徐々に加えて粉末の稠度を顆粒の稠度に変化させる。次に湿潤した顆粒を20メッシュスクリーン中に通過させ、16時間室温で乾燥させそして次に20メッシュスクリーン中に通過させる。次に40メッシュスクリーン中に通過させたステアリン酸マグネウシムの0.5gを顆粒に加えそしてすべての成分をさらに1分間混合する。
次に、移動化用層を以下のとおりにして造る:まず、7,000,000の平均分子量を有するポリ(エチレンオキシド)の107g、塩化ナトリウムの80g(40%)、11,200の分子量を有するヒドロキシプロピルメチルセルロース(米国薬局方級)の10gおよび赤色酸化第二鉄の2gを40メッシュスクリーン中に通過させ、そして次に慣用のプラネタリーミキサーのボウル中に入れる。次に、均質なブレンドが形成されるまで粉末混合物を一緒にブレンドする。次に、乾燥粉末の稠度が顆粒の稠度に変化するように、5〜10分の期間にわたって連続して混合しながら、変性無水エタノールの50mlを該ミキサーに加える。湿潤した顆粒を20メッシュスクリーン中に通過させ、16時間室温で乾燥させそして次に20メッシュスクリーン中に通過させる。次に、40メッシュスクリーン中に通過させたステアリン酸マグネシウムの1gを顆粒に加えそして全ての成分をさらに1分間混合する。
次に二層プレスを用いて2つの層を一緒に圧縮して、錠剤薬剤投与型を形成する。まず、医薬組成物の110mgを4.7mmのダイス型の穴に加えそして軽く打ち固める。次に、移動化用組成物の115mgを秤量しそしてダイス型の穴に入れそして1/2トンの圧力を用いて2つの層を一緒に圧縮して二層予備錠剤を形成する。
仕上げ錠剤を生成するために、二層予備錠剤を包入するための壁を以下のとおりにして形成する:まず、(39.8%のアセチル含有量を有する)酢酸セルロースの90%及び3350の平均分子量を有するポリエチレングリコールの10%から構成される半透過性組成物は、溶液の固形分組成物が5%であるようにアセトンと水との混合物(これらの溶媒は90:10(重量:重量)の比で一緒に混合されている)中に溶解することにより造られる。二層錠剤をコーターパンに入れそして該半透過性組成物の20mgを二層錠剤上に噴霧する。次に、自動化錠剤配置用レーザードリルを用いて二層錠剤の医薬層側上に30ミル(0.76mm)オリフィスを孔あけた。次に、半透過性コートをコーティングされた錠剤を50℃および50%相対湿度で48時間乾燥して残留溶媒を除去する。本例に従って造られた薬剤投与型について放出速度上昇性プロフィルは図面の図2に見られる。図面の図2は、半透過性縦型薬剤投与型からの塩酸メチルフェニデートの放出を描いている。
例 5:
医薬オーバーコートおよび場合により味隠蔽コートが壁の外側表面にオーバーコーティングされる追加の態様を用いて、上記例の方法に従う。1つの製造例において、オーバーコートは、9,200の数平均分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロースの60重量%および塩酸メチルフェニデートの40重量%からなる。該ヒドロキシプロピルメチルセルロースを水に加えそして均一な溶液が生ずるまで混合する。次に、塩酸メチルフェニデートを該溶液に加えそして透明な溶液が生ずるように混合する。最終溶液は10%の固形分組成物を有する。次に半透過性壁を有する薬剤投与型をコーター中に置きそして内部二層圧縮錠剤を取り囲む半透過性壁上に医薬オーバーコートの10mgを噴霧する。次にオーバーコートを有する薬剤投与型を40℃て10分間乾燥する。味を隠蔽するために、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、二酸化チタン、ポリエチレングリコールおよびポリソルベート80からなるOpadry(商標)という粉末ブレンドの懸濁液を水中で造り、10%の固形分含有量を結果として生ずる。医薬オーバーコートを有する薬剤投与型をコーター中に入れそして味隠蔽用溶液の9mgを医薬オーバーコート上に噴霧して二重オーバーコートを有する薬剤投与型を生成する。次に、その薬剤投与型を10〜12分間40℃で乾燥して操作可能な薬剤投与型を生成する。
例 6:
この発明において、医薬層が塩酸メチルフェニデートの28mgを含む第1薬剤投与型が提供されそして医薬層が塩酸メチルフェニデートの42mgを含む第2薬剤投与型が提供される以外は、上記のとおりの製造法を用いて上記例に記載された方法に従う。
例 7:
この例において、第2移動化用層が3,500,000の数平均分子量のナトリウムカルボキシメチルセルロース浸透重合体の65mgおよび等しい割合でのデキストロース−フルクトースの58mgからなる浸透剤組み合わせからなる、薬剤投与型、そして第2移動化用層が7,900,000の数平均分子量のポリ(エチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)共重合体の72mgおよび共−浸透剤塩化ナトリウム−デキストロース(23.9mg−23.9mg)の47.8mgからなる、薬剤投与型が提供される以外は前に示されたとおりの記載された製造条件を用いて上記例において記載された方法に従う。
例 8:
上昇性放出速度プロフィルで医薬を送り出しするようにデザインされ且つ適合された薬剤投与型がこの例に従って造られる。
まず、或る投与量の医薬を含む第1層形成用組成物が次のとおりにして造られる:200,000の数平均分子量を有するポリ(エチレンオキシド)の157.8mgを40メッシュスクリーン(USふるい)中に通過させそして慣用のプラネタリーミキサーのボウル中に入れる。次に、医薬塩酸メチルアンフェタミンの31.2gをそのミキサーに加える。次に、16,000の数平均分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロースの10gを40メッシュスクリーン中に通過させそして該塩酸メチルアンフェタミンおよび該ポリ(エチレンオキシド)を含む該ミキサーに加える。次に色確認のためのFD&C青色染料No.1の0.5gをミキサーの該ボウルに加える。それらの成分を10分間、該ミキサー中でブレンドして均質な組成物を生成する。次に、5〜10分の期間にわたって連続的に混合しながら、変性無水エタノールの100mlを該ミキサーに加えて、乾燥成分の稠度を湿潤顆粒に変化させる。湿潤顆粒を20メッシュスクリーン中に通過させ、16時間室温で乾燥させそして次に20メッシュスクリーン中に通過させる。次に、パルミチン酸マグネシウムの0.5gを40メッシュスクリーン中に通過させ、該均質な組成物に加えそして全ての成分をさらにほんの僅かな時間混合する。
次に、移動化用層である第2層を次のとおりにして造る:まず、7,500,000の数平均分子量のポリ(エチレンオキシド)の53g、5,000,000の数平均分子量のポリ(プロピレンオキシド)の54g、浸透剤塩化ナトリウムの80g、24,000の数平均分子量のヒドロキシプロピルエチルセルロースの10gおよび赤色酸化第二鉄の2gを40メッシュスクリーン中に通過させそしてミキサーのボウルに入れる。それらの成分を一緒にブレンドして均質なブレンドを形成する。次に10分間連続的に混合しながら、変性無水エタノールの50mlを該ミキサーに加えて湿潤顆粒を生成する。湿潤顆粒を20メッシュスクリーン中に通過させ、16時間室温で乾燥させそして次に20メッシュスクリーン中に通過させる。次に、ステアリン酸潤滑剤の1gを40メッシュスクリーン中に通過させ、顆粒に加えそして全ての成分をさらにほんの僅かな時間混合する。
次に、以下のとおりにして、第1医薬層形成用組成物および第2移動化用層形成用組成物を一緒にプレスして接触している層にする:まず、第1組成物の33mgを0.55cmのダイス型の穴に加えそして軽く突き固める。次に移動化用組成物の57mgをダイス型に加えそして軽く突き固めて二層を得、これは1/2トンの圧力を用いて圧縮されて二層錠剤を形成する。
次に、該二層を次のとおりにして半透過性壁で取り囲む:まず、90:10(容量:容量)比でのアセトンと水との混合物中に成分を溶解して5%固形分組成物を得ることにより39.8%のアセチル含有量を有するセルロースの95%及び(Union Carbide Co.から市販の)3350の数平均分子量のポリエチレングリコールの5%からなる半透過性壁形成用組成物が造られる。該二層錠剤をパンコーターに入れそして該半透過性壁形成用組成物の15mgを該二層錠剤上に噴霧する。次に、医薬側上に30ミル(0.76mm)のオリフィスを孔あけて第1層を薬剤投与型の外側と連絡させる。薬剤投与型錠剤を50℃および50%相対湿度で乾燥して残留溶媒を除去する。その薬剤投与型は塩酸メタンフェタミンの5.2gを含んでいて、延長された上昇性放出錠剤を提供する。本発明に従って、10mgおよび15mgの塩酸メタンフェタミンを含み、延長された上昇性放出錠剤からなる、追加の薬剤投与型が提供される。
例 9:
上記例に従って、製薬的に許容出来る医薬の外部コートおよび製薬的に許容出来る医薬を含む内部組成物を含む薬剤投与型が提供され、液体生物学的環境において作用しているときに、この薬剤投与型は0〜1時間で外部オーバーコートの医薬を送り出しそして0〜2時間で15%、2〜4時間で30%、4〜6時間で33%、6〜8時間で18%そして8〜10時間で4%の量で内部の医薬を送り出す。
例 10:
上記例に従って、100ng〜100mgの医薬を含む外部オーバーコートおよび10ng〜500mgの医薬を含む内部組成物を含む薬剤投与型が提供され、胃腸管の液体環境において作用しているときに、この薬剤投与型は送り出される医薬に対する耐性を実質的に克服するために0〜1時間で100ng〜100mgの外部オーバーコートの医薬を送り出し、そして0〜4時間で20%、4〜8時間で30%、8〜12時間で40%そして12〜16時間で10%、の増大させていく放出でで内部医薬の10ng〜500mgを送り出す。
例 11:
上昇性放出プロフィルでメチルフェニデート治療を必要としている患者に塩酸メチルフェニデートを送り出すためにデザインされ且つ成形された浸透性薬剤投与型が以下のとおりにして造られる:
医薬層1の組成物:層1の組成物の8,000gを造るために以下の方法が用いられる:
A.結合剤溶液の製造
水の3250gを含有する混合用容器に、11,200の平均分子量を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースの260gを加える。ヒドロキシプロピルメチルセルロースが水中に溶解されそして透明な溶液が形成されるまで、この混合物をかき混ぜる。この溶液を結合剤溶液と称する。
B.塩酸メチルフェニデート顆粒の製造
200,000の平均分子量を有するポリエチレンオキシドの4380gを、40メッシュスクリーン中に通過させる。次に、そのスクリーンにかけられたポリ(エチレンオキシド)の2190gを流動床造粒機のボウル中に入れる。次にソルビトールの2032gを該粉末床に加え、次に該ポリ(エチレンオキシド)上で、ボウル中に塩酸メチルフェニデートの1024gを加える。次に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの140gをそのボウル中に加える。次に、残っている2190gのポリ(エチレンオキシド)をそのボウルに加える。ボウル中への乾燥成分の添加は、塩酸メチルフェニデートがポリ(エチレンオキシド)の二層の間に配置されるように行われる。そのボウルは造粒機の主要本体に取り付けられそして顆粒化(造粒)処理が開始される。初めに、ボウルの内側の粉末床が2分間流動化されて粉末の均一な混合を得る。次に、溶液が60g/分の速度で噴霧されるように、結合剤溶液をノズルに通過させて粉末床上に噴霧する。噴霧処理中、処理空気流は500cfmに維持されそして生成物の温度は22℃に維持される。噴霧処理中、溶液を30秒間噴霧し、次に10秒間振り動かし、その時間の間にフイルターバッグに付着している粉末を顆粒化(造粒)室に取り除くことが出来る。噴霧操作の終わりに、さらに5〜10分間顆粒化(造粒)室中において顆粒を乾燥して乾燥顆粒を得る。次に、寸法を減少させるために、7メッシュスクリーンを有する流動空気ミル中に、塩酸メチルフェニデート顆粒を通す。次に、寸法減少した顆粒を適当なブレンダー中に入れる。(40メッシュスクリーン中に通過させてスクリーンにかけられた)ステアリン酸マグネシウムの160gおよび(60メッシュスクリーン中に通過させてスクリーンにかけられた)粉末状ブチル化ヒドロキシトルエンの4gが該顆粒に加えられそして一緒に混合される。
層2の組成物:移動化用層2の組成物の8,000gを造るために以下の方法が用いられる:
A.結合剤溶液の製造
水の3250gを含有する混合用容器に、11,200の平均分子量を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースの260gを加える。ヒドロキシプロピルメチルセルロースが水中に溶解しそして透明な溶液が形成されるまでこの混合物をかき混ぜる。この溶液を結合剤溶液と称する。
B.浸透性層顆粒の製造
流動床造粒機のボウル中に、7,000,000の平均分子量を有するポリ(エチレンオキシド)の4308gを入れる。次に、11,200の平均分子量を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースの140gを該ボウル中に入れる。次に、21メッシュスクリーンを用いてスクリーンにかけられた、塩化ナトリウムの3,200gおよび赤色酸化第二鉄の80gを該ボウルに入れる。そのボウルを造粒機の主要本体に取り付けそして顆粒化処理を開始する。初めに、ボウルの内側の粉末床を3分間流動化して粉末の均一な混合を得る。次に、溶液が80g/分の速度で噴霧されるように、結合剤溶液をノズルに通過させて粉末床上に噴霧する。噴霧処理中、処理空気流は400cfmに維持されそして生成物温度は22℃に維持される。噴霧操作中、溶液を30秒間噴霧し、次に10秒間振り動かし、その時間の間に、フィルターバッグに付着している粉末を顆粒化室に取り除くことが出来る。噴霧操作の終わりに、顆粒室中で顆粒をさらに10〜15分間乾燥させて乾燥顆粒を得る。良質な製品を得るために処理パラメータは調節されてもよい。次に寸法を減少させるために、7メッシュスクリーンを有する流動空気ミル中に顆粒を通過させる。次に、寸法減少した顆粒を適当なブレンダー中に入れる。次に、(40メッシュスクリーン中に通過させてスクリーンにかけられた)ステアリン酸マグネシウムの8gおよび(60メッシュスクリーン中に通過させてスクリーンにかけられた)粉末状ブチル化ヒドロキシトルエンの4gを該顆粒に加えそして一緒に混合する。
C.層の圧縮
縦方向に二層を一緒に圧縮することが出来る自動化錠剤圧縮機を用いて、層を形成するメチルフェニデート顆粒および層を形成する浸透性顆粒を一緒に圧縮する。まず、メチルフェニデート顆粒の110mg(層1)を3/16”直径の改良ボール工作器具(modified ball tooling)のダイス型の穴中に加え、打ち固めそして次に浸透性層顆粒の132g(層2)をそのダイス型に入れそして0.2メートルトンの圧力を用いて一緒に圧縮する。
D.半透過性膜壁の適用
半透過性膜壁は(39.8%のアセチル含有量を有する)酢酸セルロースの47.5%、(32.0%のアセチル含有量を有する)酢酸セルロースの47.5%および3350の平均分子量を有するポリエチレングリコールの5%から構成される。溶液の固形分組成物が4%であるように、半透過性膜形成用組成物は塩化メチレンとメタノールとの混合物(これらの溶媒は80:20(重量:重量)比で一緒に混合されている)中に溶解される。圧縮されたシステムを61cmのコーティングパン中に入れそして溶液が100ml/分/ガン(gun)の速度で噴霧されるようにコーティング用溶液を錠剤上に噴霧する。生成物温度は25℃に維持される:半透過性膜組成物が、圧縮化されたシステム上に噴霧されてしまったときにコーティング処理を停止する。
次に、機械ドリルビットまたはレーザーを用いて、コーティングされたシステムの医薬層側上に1つの30ミル(0.76mm)のオリフィスを孔あける。コーティング処理後に残っている残留溶媒は、48時間オーブン中で45℃および45%相対湿度でシステムを乾燥することにより除去される。この乾燥サイクルの終わりに湿度を変化させそしてさらに4時間45℃でそのシステムを乾燥させて乾燥処理を完成させる。
上記のとおりにして組み立てられたメチルフェニデート薬剤投与型は、医薬含有層1の110mgを含有し、これは、塩酸メチルフェニデートの12.8%、200,000の平均分子量のポリ(エチレンオキシド)の54.75%、ソルビトールの25.4%、11,200の平均分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロースの5%、ステアリン酸マグネシウムの2%およびブチル化ヒドロキシトルエンの0.05%から構成される。その薬剤投与型は、また、7,000,000の平均分子量のポリ(エチレンオキシド)の53.85%、塩化ナトリウムの40%、11,200の平均分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロースの5%、赤色酸化第二鉄の1%、ステアリン酸マグネシウムの0.1%およびブチル化ヒドロキシトルエンの0.05%から構成される層2の132mgを含有する。39.8%のアセチル含有量の酢酸セルロースの47.5%および32.0%のアセチル含有量の酢酸セルロースの47.5%および3350の平均分子量を有するポリエチレングリコールの5%から構成される42mgの半透過性層が該圧縮された二層システムに適用される。医薬層側上に出口オリフィスとして30ミル(0.76mm)のオリフィスが孔あけられる。仕上がりシステムは、時間経過にわたって上昇性放出速度プロフィルで塩酸メチルフェニデートの14mgを送り出すことが出来る。
その薬剤投与型は上昇性速度で塩酸メチルフェテートを送り出した。その薬剤投与型は、最初の1時間に0.13mg、第2番目の1時間に1.16mg、第3番目の1時間に1.53mg、第4番目の1時間に1.61mg、第5番目の1時間に1.75mg、第6番目の1時間に1.79mg、第7番目の1時間に2.13mg、第8番目の1時間に2.18mg、第9番目の1時間に1.07mg、そして第10番目の1時間に0.43mg、第11番目の1時間に0.17mg、そして第12番目の1時間に0.13mgを送り出した。
例 12:
上昇性放出速度プロフィルでメチルフェニデート治療を必要としている患者にメチルフェニデートの製薬的に許容出来る塩を送り出すためにデザインされ、成形されそして適合された浸透性薬剤投与型が以下のとおりにして造られる:まず、この例において、例11における医薬層顆粒を造るために用いられた方法に従う。医薬層の組成物は0%〜30%のソルビトールを含むことが出来る。次に、移動化用層を造るために以下の方法が用いられる:
A.結合剤溶液の製造
水の5000gを含有する混合用容器に、11,200の平均分子量を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースの400gを加える。ヒドロキシプロピルメチルセルロースが水に溶解しそして透明な溶液が形成されるまでこの混合物をかき混ぜる。この溶液を結合剤溶液と称する。
B.浸透性層顆粒の製造
まず1,300,000の平均分子量を有するヒドロキシエチルセルロースの3912gを流動床造粒機のボウル中に入れる。次に11,200の平均分子量を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースの400gを該ボウルに加える。次に21メッシュスクリーンを用いて粉砕された、塩化ナトリウムの3,200gおよび黒色酸化第二鉄の80gを次に該ボウルに入れる。そのボウルを造粒機の主要本体に取り付けそして次に顆粒化(造粒)処理を開始する。初めに、ボウルの内側の粉末床を3分間流動化して粉末の均一な混合を得る。次に、80g/分の速度で結合剤溶液を噴霧する。噴霧処理中、処理空気流を400cfmに維持しそして生成物の温度を22℃に維持する。噴霧操作中、その溶液を30秒間噴霧し、次に10秒間振り動かし、その時間の間に、フィルターバッグに付着している粉末を顆粒化室(造粒室)に取り除くことが出来る。噴霧操作の終わりに、さらに10〜15分間顆粒化室において顆粒を乾燥して乾燥顆粒を得る。良質な製品を得るために、その処理パラメータは調節されることが出来る。次に、寸法を減少させるために7メッシュスクリーンを有する流動空気ミル中に顆粒を通過させる。次に、寸法を減少させた顆粒をブレンダー中に入れる。次に、(40メッシュスクリーン中を通過させてスクリーンにかけられた)ステアリン酸マグネシウムの8gおよび(60メッシュスクリーン中に通過させてスクリーンにかけられた)粉末状ブチル化ヒドロキシトルエンの4gを該顆粒に加えそして一緒に混合する。
C.層の圧縮
二つの層を縦方向に一緒に圧縮することが出来る自動化錠剤圧縮機を用いて、層を形成するメチルフェニデート顆粒および層を形成する浸透性顆粒を一緒に圧縮する。まず、メチルフェニデート顆粒の110mg(層1)を3/16”直径工作器具(tooling)のダイス型の穴中に加え、突き固め、そして次に浸透性層顆粒の132mg(層2)を該ダイス型に入れそして0.2メートルトンの圧力を用いて一緒に圧縮する。
D.半透過性膜壁の適用
半透過性膜壁形成用組成物は、(39.8%のアセチル含有量を有する)酢酸セルロース398の47.5%、(32.0%のアセチル含有量を有する)酢酸セルロース320の47.5%および3350の平均分子量を有するポリエチレングリコールの5%から構成される。溶液の固形分組成物が4%であるように、半透過性膜組成物は塩化メチレンとメタノールとの混合物(これらの溶媒は80:20(重量:重量)の比で一緒に混合されている)中に溶解される。該圧縮されたシステムを24”コーティングパン中に入れそして溶液が100ml/分/ガン(gun)の速度で噴霧されるように、コーティング溶液を錠剤上に噴霧する。生成物の温度を35℃に維持する。半透過性膜組成物の所望の量が該圧縮されたシステム上に噴霧されてしまったときにコーティング処理を停止する。
次に、コーティングされたシステムの医薬層側上に、レーザーを用いて1つの30ミル(0.76mm)のオリフィスを孔あける。コーティング処理後に残っている残留溶媒は48時間オーブン中で45℃および45%相対湿度で乾燥することにより除去される。この乾燥サイクルの終わりに湿度を変化させそしてさらに4時間45℃でそのシステムを乾燥して乾燥処理を完成させる。
記載した通りにして組み立てられたメチルフェニデート薬剤投与型は、医薬含有層1の110mgを含有し、これは塩酸メチルフェニデートの12.8%、200,000の平均分子量のポリ(エチレンオキシド)の50.2%〜80.2%、ソルビトールの0〜30%、11,200の平均分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロースの5%、ステアリン酸マグネシウムの2%およびブチル化ヒドロキシトルエンの0.05%から構成される。その薬剤投与型はまた、1,300,000の平均分子量のヒドロキシエチルセルロースの48.9%、塩化ナトリウムの40%、11,200の平均分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロースの5%、赤色酸化第二鉄の1%、ステアリン酸マグネシウムの0.1%およびブチル化ヒドロキシトルエンの0.05%から構成される、層2の132gを含有する。39.8%のアセチル含有量の酢酸セルロースの47.5%、32.0%のアセチル含有量の酢酸セルロースの47.5%および3350の平均分子量を有するポリエチレングリコールの5%から構成される半透過性薄層の42mgが該圧縮された二層システムに適用されそして出口オリフィスとして、医薬層側上に30ミル(0.76mm)のオリフィスが孔あけられる。仕上げシステムは延長された時間期間にわたって上昇性放出速度プロフィルで14mgの塩酸メチルフェニデートを送り出すことが出来る。
例 13:
この例において、医薬オーバーコートおよび場合により味隠蔽コートが、半透過性壁を有する薬剤投与型上にオーバーコーティングされている薬剤投与型が提供される以外は、上記例に記載された製造法に従う。この例において、医薬層は塩酸メチルフェニデートの14mg、ソルビトールの27.5mg、ポリビニルピロリドンの5.5mg、2,000,000の平均分子量のポリ(エチレンオキシド)の61mg、ステアリン酸マグネシウムの2.2mgおよびブチル化ヒドロキシトルエンの0.055mgから構成される。第2移動化用層は7,000,000の平均分子量のポリ(エチレンオキシド)の72mg、塩化ナトリウムの53mg、ポリビニルピロリドンの6.6mg、酸化第二鉄の1.3mg、ステアリン酸マグネウシウムの0.132mgおよびブチル化ヒドロキシトルエンの0.066mgから構成される。半透過性壁は39.8%の平均アセチル含有量の酢酸セルロースの20mg、32%の平均アセチル含有量の酢酸セルロースの20mgおよび4000の平均分子量のポリ(エチレンオキシド)の2mgから構成される。
医薬含有オーバーコートは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの60%および塩酸メチルフェニデートの40%から構成される。ヒドロキシプロピルメチルセルロースは水に加えられそして均一な溶液が生ずるまで混合される。次に、塩酸メチルフェニデートをこの溶液に加えそして透明な溶液が生ずるまで混合される。最終溶液は10%の固形分組成物を有する。半透過性壁を有する薬剤投与型をコーターに入れそして内部二層圧縮錠剤を取り囲む半透過性壁上に医薬オーバーコートの10mgを噴霧する。
次に、錠剤を10〜15分間40℃でコーティングパン中で乾燥する。味隠蔽用コートのために、固形分含有量が10%であるように、水中でOpadryRの懸濁液が造られる。OpadryRはColorcon Inc.から市販の粉末ブレンドでありそしてヒドロキシプロピルメチルセルロース、二酸化チタン、ポリエチレングリコールおよびポリソルベート80から構成される。医薬含有オーバーコートでコーティングされたそのシステムはコーター中に入れられそして9mgの味隠蔽コーティング用溶液が該システム上に噴霧される。次に、そのシステムを10〜15分間40℃でコーティングパン中で乾燥して、操作可能な薬剤投与型を生成する。
図面の図3は本例の薬剤投与型の機能を表す。その薬剤投与型は、最初の30分に医薬オーバーコートから4mgの医薬を放出し、次の30分に0.41mg、第2番目の1時間に1.05mg、第3番目の1時間に1.49mg、第4番目の1時間に1.57mg、第5番目の1時間に1.71mg、第6番目の1時間に1.75mg、第7番目の1時間に2.09mg、第8番目の1時間に2.14mg、第9番目の1時間に1.32mgそして第10番目の1時間に0.48mgを放出する。
例 14:
第2移動化用層においてポリ(エチレンオキシド)が、1,300,000の分子量のヒドロキシエチルセルロースの72mgと置き換えられて、例13において記載されたとおりにして薬剤投与型が造られる。
例 15:
(a)薬剤投与型がメチルフェニデートの8mgのオーバーコート、及びメチルフェニデートの28mgを含む内部組成物を含む:そして(b)薬剤投与型がメチルフェニデートの12mgのオーバーコート、及びメチルフェニデートの42mgを含む内部組成物を含む、薬剤投与型が上記例に従って提供される。
例 16〜19:
以下の治療範囲で上昇性プロフィルで或る投与量の医薬、例えば中枢神経系作用薬を送り出す薬剤投与型を提供するための上記開示および例に従うことにより薬剤投与型が提供される:(a)最初の1時間に0〜0.308mgの医薬、第2番目の1時間に0.250mg〜2mgの医薬、第3番目の1時間に1mg〜2.4mgの医薬、第4番目の1時間に1.1mg〜2.6mgの医薬、第5番目の1時間に1.23mg〜2.9mgの医薬、第6番目の1時間に1.33mg〜3.1mgの医薬、第7番目の1時間に1.28mg〜2.98mgの医薬そして第8番目の1時間に0.76mg〜1.76mgの医薬を送り出す薬剤投与型;(b)最初の1時間に0mg〜3.00mg、第2番目の1時間に2.75mg〜10mg、第3番目の1時間に5mg〜12mg、第4番目の1時間に5.5mg〜13mg、第5番目の1時間に6.15mg〜14.5mg、第6番目の1時間に6.65mg〜15.5mg、第7番目の1時間に6.4mg〜14.9mgそして第8番目の1時間に3.8mg〜8.8mgの上昇性投与量プロフィルを示す薬剤投与型;(c)最初の1時間に0mg〜0.400mg、第2番目の1時間に0.376mg〜1.81mg、第3番目の1時間に1.29mg〜2.15mg、第4番目の1時間に1.38mg〜2.3mg、第5番目の1時間に1.54mg〜2.57mg、第6番目の1時間に1.66mg〜2.76mg、第7番目の1時間に1.59mg〜2.66mgそして第8番目の1時間に0.93mg〜1.58mgの医薬上昇性放出速度プログラムを含む薬剤投与型;そして(d)最初の1時間に0mg〜3.00mg、第2番目の1時間に2.45mg〜9.05mg、第3番目の1時間に6.45mg〜10.75mg、第4番目の1時間に6.9mg〜11.5mg、第5番目の1時間に7.7mg〜12.9mg、第6番目の1時間に8.3mg〜13.8mg、第7番目の1時間に7.95mg〜133mgそして第8番目の1時間に4.65mg〜7.9mgの上昇性投与量で経口的に投与可能な医薬を送り出す薬剤投与型。
例 20〜21:
この発明において、医薬層が塩酸メチルフェニデートの28mgを含む第1薬剤投与型が提供されそして医薬層が塩酸メチルフェニデートの42mgを含む第2薬剤投与型が提供される以外は、上に記載されたとおりの製造方法を用いて上記例において記載された方法に従う。
本発明を用いる方法の開示
本発明は治療を必要としている温血動物に、時間経過にわたって上昇する投与量を送り出すための方法にさらに関する。本発明は:(a)患者に、増大する速度で或る投与量の医薬を送り出す方法であって、患者に該投与量の医薬を提供するために時間経過にわたって時間当たり増大する割合で医薬を患者に経口的に投与することからなる方法;(b)患者に医薬の増大する投与量で或る投与量の医薬を送り出す方法であって、該投与量の医薬を送り出すために、24時間にわたって1時間当たり増大するミリグラムの投与量で、経口的に投与出来る医薬を患者に経口的に送り出すことからなる方法;(c)時間経過にわたって薬剤投与型から患者に医薬を送り出すための方法であって、時間経過にわたって増大する投与量で送り出される医薬の240ナノグラム〜700ミリグラムを含む薬剤投与型を患者に経口的に投与することからなる方法;(d)(A)(1)胃腸管の水性生物学的液体を包含する液体の通過に対して透過性でありそして医薬の通過に対して不透過性である半透過性組成物からなる壁であって、区画を囲む壁;(2)或る投与量の医薬を含む第1層、浸透重合体(osmopolymer)あるいは浸透重合体と浸透剤(osmagent)とからなりそして液体を吸い込み且つ吸収して下記薬剤投与型から該第1層を押し出しそしてそれにより時間経過にわたって単位時間当たり増大した投与量を提供するための第2層からなる、該区画中の二層および(3)該第1層と連絡している、該壁中の少なくとも1つの出口;からなる薬剤投与型を患者に投与し;(B)該半透過性壁の透過度および該半透過性壁を横切る浸透圧勾配により決められた速度で該半透過性壁中を通過させて液体を吸い込んで該第2層に膨張および膨潤を生じさせ;そして(C)出口通路を通して第1層から医薬を送り出して、患者に上昇増大させていく投与量の医薬を提供する;諸工程からなる方法を提供する。
要するに、本発明は、時間経過にわたって薬用量−計量された放出速度で、持続した且つ増大していく投与量の医薬を投与するために実際的な有用性を有する、予期されなかった薬剤投与型で当業界に寄与することが認識されよう。本発明はその操作態様に関して詳細に記載され且つ指摘されたけれども、種々の変更、修正、置き換えおよび省略が本発明の精神から離れることなしに行われることが出来ることが当業者に理解されよう。したがって、本発明は請求の範囲の、範囲内のこれらの均等例を包含することが意図される。
Claims (8)
- メチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩を含み、且つ長軸と短軸とを有する錠剤であって、該錠剤は:
第一層における、10ng〜700mgのメチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩、及び医薬的に許容される担体を含む医薬組成物;
ポリ(アルキレンオキシド)、アルカリカルボキシアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルアルキルセルロース及びヒドロキシアルキルセルロースからなる群から選択される重合体を第二層の総重量の60%〜95%含む第二層;
該第一層と該第二層は接触する配置であり;
該第一層及び該第二層を取り囲む半透性組成物層であって、ポリ(セルロース)の群から選択される重合体を含む半透性組成物層;
10ng〜100mgのメチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩及び医薬的に許容される担体を含む半透性組成物層の外面上のコーティング組成物;並びに
錠剤の一端において、メチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩の第一層からの放出のため第一層と連絡する半透性組成物層中の通路;
を含み、
該長軸は、該第一層と該第二層とが積層される方向を示す軸に該当し、
メチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩の放出は、開始時のメチルフェニデート又は医薬的に許容される塩の放出に続き、2時間から6時間にかけて上昇する投与量となっている、上記錠剤。 - 前記半透性組成物層の外面上のコーティング組成物が、10ng〜25mgのメチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩を含む、請求項1に記載の錠剤。
- メチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩を含み、且つ長軸と短軸とを有する錠剤であって、該錠剤は:
10ng〜700mgのメチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩、及び医薬的に許容される担体を含む医薬組成物層を含む第一層;
ポリ(アルキレンオキシド)、アルカリカルボキシアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルアルキルセルロース及びヒドロキシアルキルセルロースからなる群から選択される重合体、及び硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、コハク酸マグネシウム、酒石酸及び炭水化物からなる群から選択される化合物を含む組成物を第二層の総重量の60%〜95%含む第二層;
該第一層及び該第二層を取り囲む半透性組成物層であって、ポリ(セルロース)の群から選択される重合体を含む半透性組成物層;
10ng〜100mgのメチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩及び医薬的に許容される担体を含む半透性組成物層の外面上のコーティング組成物;並びに
錠剤の一端において、メチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩の第一層からの放出のため第一層と連絡する半透性組成物層中の通路;
を含み、
該長軸は、該第一層と該第二層とが積層される方向を示す軸に該当し、
メチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩の放出は、開始時のメチルフェニデート又は医薬的に許容される塩の放出に続き、2時間から6時間にかけて上昇する投与量となっている、上記錠剤。 - 前記第二層が、重合体及び化合物を含む前記組成物を第二層の総重量の80%〜95%含む、請求項3に記載の錠剤。
- 半透性組成物層の外面上の前記コーティング層が、10ng〜25mgのメチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩を含む、請求項3又は4に記載されている錠剤。
- 錠剤の厚みより錠剤の長軸の長さが長い、請求項1〜5のいずれか一項に記載の錠剤。
- 錠剤の長軸の長さが5mm〜28mm、短軸の長さが2.5〜10mmである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の錠剤。
- 注意欠陥性障害治療用である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の錠剤。
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