JP2010215632A - 上昇する投与量の薬剤投与型 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】メチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩を含み、且つ横幅より長い縦幅を有する薬剤投与型であって、該薬剤投与型は、メチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩から選択される10ng〜700mgの医薬、及び医薬的に許容される担体を含む第一層;第二層の総重量の60%〜95%の親水性−膨張可能な重合体を含む第二層;該第一層及び該第二層を取り囲む半透性組成物層;10ng〜100mgのメチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩、及び医薬的に許容される担体を含む半透性組成物層の外面上のコーティング組成物;並びに薬剤投与型の一端において、メチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩の第一層からの放出のため第一層と連絡する半透性組成物層中の通路;を含み、該医薬の放出が、開始時の該医薬の放出に続き、2時間から8時間にかけて上昇する投与量である、薬剤投与型とする。
【選択図】なし
Description
この発明は、医薬を増大する投与量で送り出すための薬剤投与型(dosage form)に関する。本発明は連続した有効な治療のために、延長された時間にわたって単位時間当たりの医薬を増大する投与量で送り出すための薬剤投与型にさらに関する。本発明はさらに、治療の持続した期間にわたって医薬を増大する投与量で送り出すために直径方向寸法より大きな縦方向寸法からなる新規な縦型薬剤投与型に関する。さらに本発明は既知の治療目的のために上昇性投与量でこの発明により提供された薬剤投与型から、或る投与量の医薬を送り出すための方法に関する。
昔から現在までの長期にわたって、あらゆる社会の薬局および医局は、化学療法薬・癌化学療法薬・抗ウィルス治療薬として、神経学的疾患を治療するために、免疫抑制薬として、疼痛緩和のために、気分・思考・知覚・行動・心理学的人格および薬理学的効力を管理するために医薬を用いた。これらの治療において用いられる医薬は、鎮痛薬、抗新生物薬(抗腫瘍薬)、細胞保護薬、血管調節剤(vasomodifiers)、オピオィド類、バルビッレート類、催眠薬、中枢神経興奮薬(中枢神経刺激薬)、精神興奮薬(精神刺激薬)、精神抑制薬、アルコール類、カンナビノィド類、カテコールアミン類そして合衆国薬局方1997年版において知られている治療薬により代表される。これらの医薬または治療薬は利点を有するけれども、耐性と呼ばれる重大な問題がそれらの使用に伴っている。医薬に対する耐性の発現は、同じ投与量の医薬の存在下に治療的応答が減少されるように、患っている患者内の適合性の変化から生ずる。或る医薬に対する耐性、例えばオピオィド類に対する耐性は、治療効果の短くなった期間および減少した強度により特徴づけられる。多くの医薬を用いて見られる殆どの耐性は、GoodmanおよびGilmanによるThe Pharmocological Basis of Therapeutics第7版、第534頁(1940)に記載されているように、医薬の生体内作用に対する神経系における細胞の適合性に起因している。
本発明の目的
したがって上記記載からみて、この発明の直接の目的は、先行技術に知られている欠点を克服しそしてそれにより医薬分配技術において進歩している新規な且つユニークな薬剤投与型を提供することである。
この発明の実施に従って、時間経過にわたって上昇性速度の医薬送り出しにより特徴づけられる新規な薬剤投与型が利用できることが、今や見い出された。この発明により提供される薬剤投与型は、所定の時間期間、連続的に増大する速度で医薬を送り出す。この発明の薬剤投与型は、時間経過にわたって一定のゼロ次数の変化しない速度で医薬を送り出す先行技術の現存する薬剤投与型技術から予期されず、そしてその先行技術からの離脱である。この発明の薬剤投与型は、それが時間経過にわたって上昇性速度で連続的に医薬を送り出すので、ゼロ次数速度での送り出しが避けられる。先行技術の薬剤投与型のプロフィルは、送り出しにおける短い始動、次の一定の変化しない速度からなる。この発明のプロフィルは、所望の医薬送り出しパターンを達成するために医薬の放出速度が上昇性プロフィルに従う薬剤投与型を利用可能にすることにより、先行技術から離脱している。この発明の薬剤投与型は、薬剤投与型の大きさを薬剤投与型の内部配合物と組み合わせることにより上昇するパターンを達成する。
以下の例は本発明の例示でありそしてこれらの例およびそれらの他の均等例は本開示および請求の範囲からみて当業者に明らかとなるので、それらの例は、いかなるやりかたであっても本発明の範囲を限定するものとして考えられるべきでない。
上昇性放出プロフィルで医薬を投与することにより中枢神経系を刺激する医薬を送り出すためにデザインされ且つ成形された浸透性(osmotic)薬剤投与型は以下のとおりにして造られる:まず、結合剤溶液が次のとおりにして造られる:40,000の数平均分子量を有するポリ(ビニルピロリドン)の300gを、蒸留水の2700gを含有する混合用容器に加える。ポリ(ビニルピロリドン)が水中に溶解しそして透明な溶液を生成するまで、混合物をかき混ぜる。次に、医薬配合物が次のとおりにして造られる:200,000の数平均分子量を有するポリ(エチレンオキシド)の6,564gを40メッシュのスクリーン中に通過させる。次に、流動床造粒機のボウル中に、スクリーンにかけられたポリ(エチレンオキシド)の3,282gを入れる。次に、ポリ(エチレンオキシド)を有する造粒機中に中枢神経系作用性の塩酸メチルフェニデートの1,024gを入れる。次に、40,000の数平均分子量のポリ(ビニルピロリドン)の100gを造粒機に加える;次に、残っている3,182gのポリ(エチレンオキシド)を造粒機に加える。ボウル中への乾燥成分の添加は塩酸メチルフェニデートがポリ(エチレンオキシド)の2つの層の間に置かれるように行われる。粉末の均一な混合を得るために、ボウル内部の成分が2分間流動化されると共に、顆粒化(造粒)が始まる。次に、結合剤溶液は100g/分の噴霧速度で、ノズルに通過させて粉末床上に噴霧される。噴霧処理中、空気流を500cfmに維持しそして温度を25℃に維持する。噴霧処理中、30秒間溶液を噴霧し、次に10秒間振り動かし、その時間の間にフィルターバッグに付着している粉末を顆粒化室(造粒室)に取り除く。噴霧操作の終わりに、追加の5〜10分間、顆粒化室(造粒室)において顆粒を乾燥させて乾燥顆粒を得る。寸法を減少させるために、塩酸メチルフェニデート顆粒を、7メッシュスクリーンを有する流動空気ミル中に通過させる。そのスクリーンは、PerryによるChemical Engineer’s Handbook第6版、第21頁〜第15頁(1984)に開示されているような米国ふるいシリーズのものである。次に、スクリーンにかけられた顆粒をブレンダー中に入れ、その顆粒に、(40メッシュスクリーン中に通過させてスクリーンにかけた)ステアリン酸マグネシウムの8gおよび(60メッシュスクリーン中に通過させてスクリーンにかけた)粉末状ブチル化ヒドロキシトルエンの4gを加えそして一緒に混合した。
この例における医薬がペモリン、デアノル、デアノルアセトアミドベンゾエート、塩酸ベンズフェタミン、デアノルアセグルメート(deanol aceglumate)、クロルテルミン(clortermine)、ジエチルプロピオン、フェンフルラミン、燐酸デキストロアンフェタミンおよび硫酸デキストロアンフェタミンからなる群から選ばれた1員である以外は、前に記載されたとおりの処理工程を用いて例1の方法に従う。
上昇性放出プロフィルで医薬を送り出すための経口錠剤として適合され、デザインされそして成形された浸透性薬剤投与型が以下のとおりにして造られる:まず、約300,000の分子量を有するポリ(エチレンオキシド)の393.85gを40メッシュスクリーン中に通過させることにより組成物が造られる。次に硫酸アンフェタミン、ジフルアニン塩酸塩(difluanine hydrochloride)、フルバニレート(flubanilate)、メフェキサミド、メタンフェタミン、プソイドエフェドリンおよび塩酸ピロバレロンからなる群から選ばれた医薬の63.65g;ポリオキシ40ステアレート(polyoxy 40 stearate)の15.00g;および11,200の数平均分子量を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースの25.00gをスクリーンにかけて40メッシュにしそして該ポリ(エチレンオキシド)に加える。前記4成分を慣用のミキサー中で約10分間混合する。次に、50mlの変性無水エタノールを該ミキサー中にゆっくりと加えそしてさらに10分間混合を続ける。湿潤した顆粒を20メッシュスクリーン中に通過させ、16時間室温で乾燥させそして再び20メッシュスクリーン中に通過させる。最後に、ステアリン酸マグネシウムの2.5gを顆粒に加えそしてさらに3分間すべての成分を混合する。
上昇性放出プロフィルでのメチルフェニデートの製薬的に許容出来る塩の経口投与のための錠剤としてデザインされ且つ適合された薬剤投与型は以下のとおりにして造られる:まず、200,000の平均分子量を有するポリ(エチレンオキシド)の163.4gを40メッシュスクリーン中に通過させそして慣用のプラネタリーミキサーのボウル中に入れる。次に塩酸メチルフェニデートの25.6gを秤量しそして該ポリ(エチレンオキシド)を含有するボウルに入れる。次に11,200の分子量を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースの10gを40メッシュスクリーン中に通過させそして該ポリ(エチレンオキシド)と塩酸メチルフェニデートとを含有するボウル中に入れる。次に、FD&C青色染料No.1の0.5gを該ミキサーのボウル中に入れる。それらの4種の成分を、10分間、該プラネタリーミキサー中で一緒にブレンドする。次に10分間連続して混合しながら、変性無水エタノールの100mlを該ミキサー中に徐々に加えて粉末の稠度を顆粒の稠度に変化させる。次に湿潤した顆粒を20メッシュスクリーン中に通過させ、16時間室温で乾燥させそして次に20メッシュスクリーン中に通過させる。次に40メッシュスクリーン中に通過させたステアリン酸マグネウシムの0.5gを顆粒に加えそしてすべての成分をさらに1分間混合する。
医薬オーバーコートおよび場合により味隠蔽コートが壁の外側表面にオーバーコーティングされる追加の態様を用いて、上記例の方法に従う。1つの製造例において、オーバーコートは、9,200の数平均分子量のヒドロキシプロピルメチルセルロースの60重量%および塩酸メチルフェニデートの40重量%からなる。該ヒドロキシプロピルメチルセルロースを水に加えそして均一な溶液が生ずるまで混合する。次に、塩酸メチルフェニデートを該溶液に加えそして透明な溶液が生ずるように混合する。最終溶液は10%の固形分組成物を有する。次に半透過性壁を有する薬剤投与型をコーター中に置きそして内部二層圧縮錠剤を取り囲む半透過性壁上に医薬オーバーコートの10mgを噴霧する。次にオーバーコートを有する薬剤投与型を40℃て10分間乾燥する。味を隠蔽するために、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、二酸化チタン、ポリエチレングリコールおよびポリソルベート80からなるOpadry(商標)という粉末ブレンドの懸濁液を水中で造り、10%の固形分含有量を結果として生ずる。医薬オーバーコートを有する薬剤投与型をコーター中に入れそして味隠蔽用溶液の9mgを医薬オーバーコート上に噴霧して二重オーバーコートを有する薬剤投与型を生成する。次に、その薬剤投与型を10〜12分間40℃で乾燥して操作可能な薬剤投与型を生成する。
この発明において、医薬層が塩酸メチルフェニデートの28mgを含む第1薬剤投与型が提供されそして医薬層が塩酸メチルフェニデートの42mgを含む第2薬剤投与型が提供される以外は、上記のとおりの製造法を用いて上記例に記載された方法に従う。
この例において、第2移動化用層が3,500,000の数平均分子量のナトリウムカルボキシメチルセルロース浸透重合体の65mgおよび等しい割合でのデキストロース−フルクトースの58mgからなる浸透剤組み合わせからなる、薬剤投与型、そして第2移動化用層が7,900,000の数平均分子量のポリ(エチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)共重合体の72mgおよび共−浸透剤塩化ナトリウム−デキストロース(23.9mg−23.9mg)の47.8mgからなる、薬剤投与型が提供される以外は前に示されたとおりの記載された製造条件を用いて上記例において記載された方法に従う。
上昇性放出速度プロフィルで医薬を送り出しするようにデザインされ且つ適合された薬剤投与型がこの例に従って造られる。
上記例に従って、製薬的に許容出来る医薬の外部コートおよび製薬的に許容出来る医薬を含む内部組成物を含む薬剤投与型が提供され、液体生物学的環境において作用しているときに、この薬剤投与型は0〜1時間で外部オーバーコートの医薬を送り出しそして0〜2時間で15%、2〜4時間で30%、4〜6時間で33%、6〜8時間で18%そして8〜10時間で4%の量で内部の医薬を送り出す。
上記例に従って、100ng〜100mgの医薬を含む外部オーバーコートおよび10ng〜500mgの医薬を含む内部組成物を含む薬剤投与型が提供され、胃腸管の液体環境において作用しているときに、この薬剤投与型は送り出される医薬に対する耐性を実質的に克服するために0〜1時間で100ng〜100mgの外部オーバーコートの医薬を送り出し、そして0〜4時間で20%、4〜8時間で30%、8〜12時間で40%そして12〜16時間で10%、の増大させていく放出で内部医薬の10ng〜500mgを送り出す。
上昇性放出プロフィルでメチルフェニデート治療を必要としている患者に塩酸メチルフェニデートを送り出すためにデザインされ且つ成形された浸透性薬剤投与型が以下のとおりにして造られる:
医薬層1の組成物:層1の組成物の8,000gを造るために以下の方法が用いられる:
A.結合剤溶液の製造
水の3250gを含有する混合用容器に、11,200の平均分子量を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースの260gを加える。ヒドロキシプロピルメチルセルロースが水中に溶解されそして透明な溶液が形成されるまで、この混合物をかき混ぜる。この溶液を結合剤溶液と称する。
B.塩酸メチルフェニデート顆粒の製造
200,000の平均分子量を有するポリエチレンオキシドの4380gを、40メッシュスクリーン中に通過させる。次に、そのスクリーンにかけられたポリ(エチレンオキシド)の2190gを流動床造粒機のボウル中に入れる。次にソルビトールの2032gを該粉末床に加え、次に該ポリ(エチレンオキシド)上で、ボウル中に塩酸メチルフェニデートの1024gを加える。次に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの140gをそのボウル中に加える。次に、残っている2190gのポリ(エチレンオキシド)をそのボウルに加える。ボウル中への乾燥成分の添加は、塩酸メチルフェニデートがポリ(エチレンオキシド)の二層の間に配置されるように行われる。そのボウルは造粒機の主要本体に取り付けられそして顆粒化(造粒)処理が開始される。初めに、ボウルの内側の粉末床が2分間流動化されて粉末の均一な混合を得る。次に、溶液が60g/分の速度で噴霧されるように、結合剤溶液をノズルに通過させて粉末床上に噴霧する。噴霧処理中、処理空気流は500cfmに維持されそして生成物の温度は22℃に維持される。噴霧処理中、溶液を30秒間噴霧し、次に10秒間振り動かし、その時間の間にフイルターバッグに付着している粉末を顆粒化(造粒)室に取り除くことが出来る。噴霧操作の終わりに、さらに5〜10分間顆粒化(造粒)室中において顆粒を乾燥して乾燥顆粒を得る。次に、寸法を減少させるために、7メッシュスクリーンを有する流動空気ミル中に、塩酸メチルフェニデート顆粒を通す。次に、寸法減少した顆粒を適当なブレンダー中に入れる。(40メッシュスクリーン中に通過させてスクリーンにかけられた)ステアリン酸マグネシウムの160gおよび(60メッシュスクリーン中に通過させてスクリーンにかけられた)粉末状ブチル化ヒドロキシトルエンの4gが該顆粒に加えられそして一緒に混合される。
A.結合剤溶液の製造
水の3250gを含有する混合用容器に、11,200の平均分子量を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースの260gを加える。ヒドロキシプロピルメチルセルロースが水中に溶解しそして透明な溶液が形成されるまでこの混合物をかき混ぜる。この溶液を結合剤溶液と称する。
B.浸透性層顆粒の製造
流動床造粒機のボウル中に、7,000,000の平均分子量を有するポリ(エチレンオキシド)の4308gを入れる。次に、11,200の平均分子量を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースの140gを該ボウル中に入れる。次に、21メッシュスクリーンを用いてスクリーンにかけられた、塩化ナトリウムの3,200gおよび赤色酸化第二鉄の80gを該ボウルに入れる。そのボウルを造粒機の主要本体に取り付けそして顆粒化処理を開始する。初めに、ボウルの内側の粉末床を3分間流動化して粉末の均一な混合を得る。次に、溶液が80g/分の速度で噴霧されるように、結合剤溶液をノズルに通過させて粉末床上に噴霧する。噴霧処理中、処理空気流は400cfmに維持されそして生成物温度は22℃に維持される。噴霧操作中、溶液を30秒間噴霧し、次に10秒間振り動かし、その時間の間に、フィルターバッグに付着している粉末を顆粒化室に取り除くことが出来る。噴霧操作の終わりに、顆粒室中で顆粒をさらに10〜15分間乾燥させて乾燥顆粒を得る。良質な製品を得るために処理パラメータは調節されてもよい。次に寸法を減少させるために、7メッシュスクリーンを有する流動空気ミル中に顆粒を通過させる。次に、寸法減少した顆粒を適当なブレンダー中に入れる。次に、(40メッシュスクリーン中に通過させてスクリーンにかけられた)ステアリン酸マグネシウムの8gおよび(60メッシュスクリーン中に通過させてスクリーンにかけられた)粉末状ブチル化ヒドロキシトルエンの4gを該顆粒に加えそして一緒に混合する。
C.層の圧縮
縦方向に二層を一緒に圧縮することが出来る自動化錠剤圧縮機を用いて、層を形成するメチルフェニデート顆粒および層を形成する浸透性顆粒を一緒に圧縮する。まず、メチルフェニデート顆粒の110mg(層1)を3/16”直径の改良ボール工作器具(modified ball tooling)のダイス型の穴中に加え、打ち固めそして次に浸透性層顆粒の132g(層2)をそのダイス型に入れそして0.2メートルトンの圧力を用いて一緒に圧縮する。
D.半透過性膜壁の適用
半透過性膜壁は(39.8%のアセチル含有量を有する)酢酸セルロースの47.5%、(32.0%のアセチル含有量を有する)酢酸セルロースの47.5%および3350の平均分子量を有するポリエチレングリコールの5%から構成される。溶液の固形分組成物が4%であるように、半透過性膜形成用組成物は塩化メチレンとメタノールとの混合物(これらの溶媒は80:20(重量:重量)比で一緒に混合されている)中に溶解される。圧縮されたシステムを61cmのコーティングパン中に入れそして溶液が100ml/分/ガン(gun)の速度で噴霧されるようにコーティング用溶液を錠剤上に噴霧する。生成物温度は25℃に維持される:半透過性膜組成物が、圧縮化されたシステム上に噴霧されてしまったときにコーティング処理を停止する。
上昇性放出速度プロフィルでメチルフェニデート治療を必要としている患者にメチルフェニデートの製薬的に許容出来る塩を送り出すためにデザインされ、成形されそして適合された浸透性薬剤投与型が以下のとおりにして造られる:まず、この例において、例11における医薬層顆粒を造るために用いられた方法に従う。医薬層の組成物は0%〜30%のソルビトールを含むことが出来る。次に、移動化用層を造るために以下の方法が用いられる:
A.結合剤溶液の製造
水の5000gを含有する混合用容器に、11,200の平均分子量を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースの400gを加える。ヒドロキシプロピルメチルセルロースが水に溶解しそして透明な溶液が形成されるまでこの混合物をかき混ぜる。この溶液を結合剤溶液と称する。
B.浸透性層顆粒の製造
まず1,300,000の平均分子量を有するヒドロキシエチルセルロースの3912gを流動床造粒機のボウル中に入れる。次に11,200の平均分子量を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースの400gを該ボウルに加える。次に21メッシュスクリーンを用いて粉砕された、塩化ナトリウムの3,200gおよび黒色酸化第二鉄の80gを次に該ボウルに入れる。そのボウルを造粒機の主要本体に取り付けそして次に顆粒化(造粒)処理を開始する。初めに、ボウルの内側の粉末床を3分間流動化して粉末の均一な混合を得る。次に、80g/分の速度で結合剤溶液を噴霧する。噴霧処理中、処理空気流を400cfmに維持しそして生成物の温度を22℃に維持する。噴霧操作中、その溶液を30秒間噴霧し、次に10秒間振り動かし、その時間の間に、フィルターバッグに付着している粉末を顆粒化室(造粒室)に取り除くことが出来る。噴霧操作の終わりに、さらに10〜15分間顆粒化室において顆粒を乾燥して乾燥顆粒を得る。良質な製品を得るために、その処理パラメータは調節されることが出来る。次に、寸法を減少させるために7メッシュスクリーンを有する流動空気ミル中に顆粒を通過させる。次に、寸法を減少させた顆粒をブレンダー中に入れる。次に、(40メッシュスクリーン中を通過させてスクリーンにかけられた)ステアリン酸マグネシウムの8gおよび(60メッシュスクリーン中に通過させてスクリーンにかけられた)粉末状ブチル化ヒドロキシトルエンの4gを該顆粒に加えそして一緒に混合する。
C.層の圧縮
二つの層を縦方向に一緒に圧縮することが出来る自動化錠剤圧縮機を用いて、層を形成するメチルフェニデート顆粒および層を形成する浸透性顆粒を一緒に圧縮する。まず、メチルフェニデート顆粒の110mg(層1)を3/16”直径工作器具(tooling)のダイス型の穴中に加え、突き固め、そして次に浸透性層顆粒の132mg(層2)を該ダイス型に入れそして0.2メートルトンの圧力を用いて一緒に圧縮する。
D.半透過性膜壁の適用
半透過性膜壁形成用組成物は、(39.8%のアセチル含有量を有する)酢酸セルロース398の47.5%、(32.0%のアセチル含有量を有する)酢酸セルロース320の47.5%および3350の平均分子量を有するポリエチレングリコールの5%から構成される。溶液の固形分組成物が4%であるように、半透過性膜組成物は塩化メチレンとメタノールとの混合物(これらの溶媒は80:20(重量:重量)の比で一緒に混合されている)中に溶解される。該圧縮されたシステムを24”コーティングパン中に入れそして溶液が100ml/分/ガン(gun)の速度で噴霧されるように、コーティング溶液を錠剤上に噴霧する。生成物の温度を35℃に維持する。半透過性膜組成物の所望の量が該圧縮されたシステム上に噴霧されてしまったときにコーティング処理を停止する。
この例において、医薬オーバーコートおよび場合により味隠蔽コートが、半透過性壁を有する薬剤投与型上にオーバーコーティングされている薬剤投与型が提供される以外は、上記例に記載された製造法に従う。この例において、医薬層は塩酸メチルフェニデートの14mg、ソルビトールの27.5mg、ポリビニルピロリドンの5.5mg、2,000,000の平均分子量のポリ(エチレンオキシド)の61mg、ステアリン酸マグネシウムの2.2mgおよびブチル化ヒドロキシトルエンの0.055mgから構成される。第2移動化用層は7,000,000の平均分子量のポリ(エチレンオキシド)の72mg、塩化ナトリウムの53mg、ポリビニルピロリドンの6.6mg、酸化第二鉄の1.3mg、ステアリン酸マグネウシウムの0.132mgおよびブチル化ヒドロキシトルエンの0.066mgから構成される。半透過性壁は39.8%の平均アセチル含有量の酢酸セルロースの20mg、32%の平均アセチル含有量の酢酸セルロースの20mgおよび4000の平均分子量のポリ(エチレンオキシド)の2mgから構成される。
第2移動化用層においてポリ(エチレンオキシド)が、1,300,000の分子量のヒドロキシエチルセルロースの72mgと置き換えられて、例13において記載されたとおりにして薬剤投与型が造られる。
(a)薬剤投与型がメチルフェニデートの8mgのオーバーコート、及びメチルフェニデートの28mgを含む内部組成物を含む:そして(b)薬剤投与型がメチルフェニデートの12mgのオーバーコート、及びメチルフェニデートの42mgを含む内部組成物を含む、薬剤投与型が上記例に従って提供される。
以下の治療範囲で上昇性プロフィルで或る投与量の医薬、例えば中枢神経系作用薬を送り出す薬剤投与型を提供するための上記開示および例に従うことにより薬剤投与型が提供される:(a)最初の1時間に0〜0.308mgの医薬、第2番目の1時間に0.250mg〜2mgの医薬、第3番目の1時間に1mg〜2.4mgの医薬、第4番目の1時間に1.1mg〜2.6mgの医薬、第5番目の1時間に1.23mg〜2.9mgの医薬、第6番目の1時間に1.33mg〜3.1mgの医薬、第7番目の1時間に1.28mg〜2.98mgの医薬そして第8番目の1時間に0.76mg〜1.76mgの医薬を送り出す薬剤投与型;(b)最初の1時間に0mg〜3.00mg、第2番目の1時間に2.75mg〜10mg、第3番目の1時間に5mg〜12mg、第4番目の1時間に5.5mg〜13mg、第5番目の1時間に6.15mg〜14.5mg、第6番目の1時間に6.65mg〜15.5mg、第7番目の1時間に6.4mg〜14.9mgそして第8番目の1時間に3.8mg〜8.8mgの上昇性投与量プロフィルを示す薬剤投与型;(c)最初の1時間に0mg〜0.400mg、第2番目の1時間に0.376mg〜1.81mg、第3番目の1時間に1.29mg〜2.15mg、第4番目の1時間に1.38mg〜2.3mg、第5番目の1時間に1.54mg〜2.57mg、第6番目の1時間に1.66mg〜2.76mg、第7番目の1時間に1.59mg〜2.66mgそして第8番目の1時間に0.93mg〜1.58mgの医薬上昇性放出速度プログラムを含む薬剤投与型;そして(d)最初の1時間に0mg〜3.00mg、第2番目の1時間に2.45mg〜9.05mg、第3番目の1時間に6.45mg〜10.75mg、第4番目の1時間に6.9mg〜11.5mg、第5番目の1時間に7.7mg〜12.9mg、第6番目の1時間に8.3mg〜13.8mg、第7番目の1時間に7.95mg〜133mgそして第8番目の1時間に4.65mg〜7.9mgの上昇性投与量で経口的に投与可能な医薬を送り出す薬剤投与型。
この発明において、医薬層が塩酸メチルフェニデートの28mgを含む第1薬剤投与型が提供されそして医薬層が塩酸メチルフェニデートの42mgを含む第2薬剤投与型が提供される以外は、上に記載されたとおりの製造方法を用いて上記例において記載された方法に従う。
本発明を用いる方法の開示
本発明は治療を必要としている温血動物に、時間経過にわたって上昇する投与量を送り出すための方法にさらに関する。本発明は:(a)患者に、増大する速度で或る投与量の医薬を送り出す方法であって、患者に該投与量の医薬を提供するために時間経過にわたって時間当たり増大する割合で医薬を患者に経口的に投与することからなる方法;(b)患者に医薬の増大する投与量で或る投与量の医薬を送り出す方法であって、該投与量の医薬を送り出すために、24時間にわたって1時間当たり増大するミリグラムの投与量で、経口的に投与出来る医薬を患者に経口的に送り出すことからなる方法;(c)時間経過にわたって薬剤投与型から患者に医薬を送り出すための方法であって、時間経過にわたって増大する投与量で送り出される医薬の240ナノグラム〜700ミリグラムを含む薬剤投与型を患者に経口的に投与することからなる方法;(d)(A)(1)胃腸管の水性生物学的液体を包含する液体の通過に対して透過性でありそして医薬の通過に対して不透過性である半透過性組成物からなる壁であって、区画を囲む壁;(2)或る投与量の医薬を含む第1層、浸透重合体(osmopolymer)あるいは浸透重合体と浸透剤(osmagent)とからなりそして液体を吸い込み且つ吸収して下記薬剤投与型から該第1層を押し出しそしてそれにより時間経過にわたって単位時間当たり増大した投与量を提供するための第2層からなる、該区画中の二層および(3)該第1層と連絡している、該壁中の少なくとも1つの出口;からなる薬剤投与型を患者に投与し;(B)該半透過性壁の透過度および該半透過性壁を横切る浸透圧勾配により決められた速度で該半透過性壁中を通過させて液体を吸い込んで該第2層に膨張および膨潤を生じさせ;そして(C)出口通路を通して第1層から医薬を送り出して、患者に上昇増大させていく投与量の医薬を提供する;諸工程からなる方法を提供する。
Claims (19)
- メチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩を含み、且つ横幅より長い縦幅を有する薬剤投与型であって、該薬剤投与型は:
メチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩から選択される10ng〜700mgの医薬、及び医薬的に許容される担体を含む第一層;
第二層の総重量の60%〜95%の親水性−膨張可能な重合体を含む第二層;
該第一層及び該第二層を取り囲む半透性組成物層;
10ng〜100mgのメチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩、及び医薬的に許容される担体を含む半透性組成物層の外面上のコーティング組成物;並びに
薬剤投与型の一端において、メチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩の第一層からの放出のため第一層と連絡する半透性組成物層中の通路;
を含み、
該医薬の放出が、開始時の該医薬の放出に続き、2時間から8時間にかけて上昇する投与量である、上記薬剤投与型。 - 前記第二層が、親水性−膨張可能な重合体を第二層の総重量の80%〜95%含む、請求項1に記載の薬剤投与型。
- 半透性組成物層の外面上の前記コーティング層が、10ng〜25mgのメチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩、及び医薬的に許容される担体を含む、請求項1又は2に記載されている薬剤投与型。
- 前記第一層が25,000〜1,000,000の数平均分子量のポリ(アルキレンオキシド)を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の薬剤投与型。
- 前記第一層が7,500〜1,000,000の数平均分子量のカルボキシビニルポリマーを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の薬剤投与型。
- 前記第一層が10,000〜700,000の分子量のカルボキシアルキルセルロースを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の薬剤投与型。
- 前記第二層が2,500,000〜10,000,000の数平均分子量のポリ(アルキレンオキシド)を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の薬剤投与型。
- 前記第二層が1,750,000〜10,000,000の数平均分子量のカルボキシアルキルセルロースを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の薬剤投与型。
- 前記第一層及び第二層がヒドロキシプロピルアルキルセルロースを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の薬剤投与型。
- 前記第一層及び第二層がヒドロキシアルキルセルロースを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の薬剤投与型。
- メチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩を含み、且つ横幅より長い縦幅を有する薬剤投与型であって、該薬剤投与型は:
10ng〜700mgのメチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩から選択される医薬、及び医薬的に許容される担体を含む第一層;
ポリ(アルキレンオキシド)、アルカリカルボキシアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルアルキルセルロース及びヒドロキシアルキルセルロースからなる群から選択される重合体、及び硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、コハク酸マグネシウム、酒石酸及び炭水化物からなる群から選択される化合物を含む組成物を第二層の総重量の60%〜95%含む第二層;
該第一層及び該第二層を取り囲む半透性組成物層;
10ng〜100mgのメチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩、及び医薬的に許容される担体を含む半透性組成物層の外面上のコーティング組成物;並びに
投与型の一端において、メチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩の第一層からの放出のため第一層と連絡する半透性組成物層中の通路;
を含み、
該第一層と該第二層が、該医薬の開始時の放出に続く、2時間から8時間にかけて上昇する投与量での該医薬の放出を特徴とする、接触する二重層の配列に配置されている、上記薬剤投与型。 - 前記第二層が、重合体及び化合物を含む組成物を第二層の総重量の80%〜95%含む、請求項11に記載の薬剤投与型。
- 半透性組成物層の外面上の前記コーティング層が、10ng〜25mgのメチルフェニデート又は医薬的に許容されるその塩、及び医薬的に許容される担体を含む、請求項11又は12に記載されている錠剤。
- 前記第一層及び第二層がポリ(アルキレンオキシド)を含み、第二層中のポリ(アルキレンオキシド)のほうが、より大きい数平均分子量を有する、請求項11〜13のいずれか一項に記載の薬剤投与型。
- 前記第一層及び第二層がカルボキシアルキルセルロースを含み、第二層中のカルボキシアルキルセルロースのほうが、より大きい分子量を有する、請求項11〜13のいずれか一項に記載の薬剤投与型。
- 前記第一層及び第二層がヒドロキシプロピルアルキルセルロースを含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載の薬剤投与型。
- 前記第一層及び第二層がヒドロキシアルキルセルロースを含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載の薬剤投与型。
- 前記医薬が塩酸メチルフェニデートである、請求項1〜17のいずれか一項に記載の薬剤投与型。
- 注意欠陥性障害治療用である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の錠剤。
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