JP5172606B2 - 被検物質の特異的検出方法および装置、ならびに検査チップ - Google Patents

被検物質の特異的検出方法および装置、ならびに検査チップ Download PDF

Info

Publication number
JP5172606B2
JP5172606B2 JP2008279385A JP2008279385A JP5172606B2 JP 5172606 B2 JP5172606 B2 JP 5172606B2 JP 2008279385 A JP2008279385 A JP 2008279385A JP 2008279385 A JP2008279385 A JP 2008279385A JP 5172606 B2 JP5172606 B2 JP 5172606B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
test substance
electrolyte
reduction
working electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008279385A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010107345A (ja
Inventor
茂樹 岩永
浩哉 桐村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sysmex Corp
Original Assignee
Sysmex Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sysmex Corp filed Critical Sysmex Corp
Priority to JP2008279385A priority Critical patent/JP5172606B2/ja
Priority to CN200910175886.2A priority patent/CN101726527B/zh
Priority to US12/589,751 priority patent/US20100108539A1/en
Priority to EP09174415A priority patent/EP2182358B1/en
Priority to EP09174417.7A priority patent/EP2182359B1/en
Publication of JP2010107345A publication Critical patent/JP2010107345A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5172606B2 publication Critical patent/JP5172606B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/543Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
    • G01N33/54366Apparatus specially adapted for solid-phase testing
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/28Electrolytic cell components
    • G01N27/30Electrodes, e.g. test electrodes; Half-cells
    • G01N27/327Biochemical electrodes, e.g. electrical or mechanical details for in vitro measurements
    • G01N27/3275Sensing specific biomolecules, e.g. nucleic acid strands, based on an electrode surface reaction
    • G01N27/3277Sensing specific biomolecules, e.g. nucleic acid strands, based on an electrode surface reaction being a redox reaction, e.g. detection by cyclic voltammetry
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/543Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
    • G01N33/54306Solid-phase reaction mechanisms
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/28Electrolytic cell components
    • G01N27/30Electrodes, e.g. test electrodes; Half-cells
    • G01N27/305Electrodes, e.g. test electrodes; Half-cells optically transparent or photoresponsive electrodes

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)

Description

本発明は、試料中から核酸やタンパク質等の被検物質を検出するための特異的検出方法および装置、ならびに検査チップに関する。
疾病の臨床検査や診断では、生体試料中に含まれる疾病由来の遺伝子やタンパク質等を、遺伝子検出法や免疫学的検出法で検出している。具体的には、イムノクロマト法、ラテックス凝集法、酵素免疫法、化学発光免疫法、遺伝子増幅PCR法等が挙げられる。しかし、これらの検出方法は簡易性、迅速性、およびコストのいずれかの観点からも改善の余地がある。
そこで、増感色素の光励起により生じる電流を、被検物質の検出に利用する方法が提案されている(特許文献1)。この方法はまず、電極上に半導体層(電子受容層)を形成し、この半導体層上に被検物質と結合可能なプローブ物質を固定する。次に、増感色素で修飾された被検物質をプローブ物質で捕捉した後、増感色素を励起させる光を、被検物質を修飾している増感色素に照射する。この結果、被検物質を修飾している増感色素から電子が放出され、放出された電子が半導体層に受容されることに起因して生じた電流を検出する。
国際公開第2007/037341号パンフレット
しかしながら、従来の方法では電流の検出効率が低いために、被検物質の検出感度の向上が望まれていた。
したがって、本発明は、被検物質の検出感度を向上させることができる特異的検出方法および装置、ならびに検査チップを提供することを目的とする。
本発明の第1の観点に係る被検物質の特異的検出方法(以下、単に検出方法ともいう)は、光励起により電子を生じる修飾物質で修飾された被検物質を検出する方法であって、
半導体層を備えている作用電極と、前記被検物質を捕捉可能でありかつ前記半導体層上に固定されるプローブと、導電性材料からなる対極と、電解質を還元するための還元電極と、を備えている検査チップに前記被検物質を含む試料を適用し、前記プローブによって前記被検物質を捕捉する工程と、
前記作用電極、前記対極、および前記還元電極に電解質を含む電解質媒体を接触させた状態で、前記プローブによって捕捉された前記被検物質を修飾している修飾物質に当該修飾物質を励起させる光を照射する工程と、
前記光によって励起された修飾物質から前記作用電極への電子の移動により前記作用電極と前記対極との間を流れる電流を測定する工程と、
前記電解質媒体に含まれている電解質を前記還元電極によって還元する工程と、
を含むことを特徴としている。
この検出方法によれば、検査チップに設けられた還元電極により電解質を還元することによって電解質の還元反応を促進することができ、これにより作用電極と対極との間を流れる電流を増大させ、被検物質の検出感度を高めることができる。
前記検出方法において、前記還元電極によって前記電解質を還元する工程は、前記還元電極に電位を印加した状態で行うように構成してもよく、その電位は、前記対極を基準として−0.5V以上0V未満としてもよい。このように還元電極に電位を印加することによって、電解質の還元反応をより促進することが可能となる。
また、前記還元電極が、前記電解質を還元可能な自然電位に保持されている場合には、積極的に電源等によって電位を印加しなくても、還元電極の存在だけで電解質の還元を促進することが可能である。
前記プローブは、核酸、タンパク質またはペプチドであってもよい。また、前記電解質はヨウ素またはヨウ化物であってもよい。
本発明の第2の観点に係る被検物質の特異的検出装置(以下、単に検出装置ともいう)は、光励起により電子を生じる修飾物質で修飾された被検物質を検出する検出装置であって、
半導体層を備えている作用電極と、前記被検物質を捕捉可能でありかつ前記半導体層上に固定されるプローブと、導電性材料からなる対極と、前記作用電極および前記対極に接触される電解質媒体に含まれた電解質を還元するための還元電極と、を備えている検査チップを、受入可能に構成された検査チップ受入部と、
前記検査チップ受入部に受け入れられた前記検査チップ内の被検物質を修飾している修飾物質に当該修飾物質を励起させる光を照射する光源と、
前記還元電極に電位を印加するための電位印加部と、
前記光源から照射された光によって励起された色素から前記作用電極への電子の移動により前記作用電極と前記対極との間を流れる電流を測定する電流測定部と、
を備えていることを特徴としている。
この構成によれば、検査チップに設けられた還元電極に電位を印加することによって電解質の還元反応を促進することができ、これにより作用電極と対極との間を流れる電流を増大して、被検物質の検出感度を高めることができる。
本発明の第3の観点に係る検査チップは、光励起により電子を生じる修飾物質で修飾された被検物質を検出するための検査チップであって、
半導体層を備えている作用電極と、
前記被検物質を捕捉可能でありかつ前記半導体層上に固定されるプローブと、
導電性材料からなる対極と
前記作用電極および前記対極に接触される電解質媒体に含まれた電解質を還元するための還元電極と、を備えていることを特徴としている。
この構成によれば、検査チップに設けられた還元電極によって電解質の還元反応を促進することができ、これにより作用電極と対極との間を流れる電流値を増大させて、被検物質の検出感度を高めることができる。
本発明の第3の観点に係る検査チップにおいて、前記還元電極は、複数の線状部材が並列して配置された形状からなる電極であってもよい。
本発明の検出方法および装置、ならびに検査チップによれば、被検物質の検出感度を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の検出方法および装置、ならびに検査チップについての実施の形態について説明する。
〔検出装置の構成〕
図1は、本発明の一実施の形態に係る検出装置を示す斜視図である。この検出装置1は、生体細胞から採取され、または人工的に合成された核酸やタンパク質、ペプチド等の特異的結合性を有する被検物質を検出するための装置である。この検出装置1としては、例えば子宮頸癌の原因ウィルスであるヒトパピローマウィルス(以下、HPVという)のmRNAを検体試料中から検出するためのHPV検出装置が一例として挙げられる。
本実施の形態の検出装置1は、検査チップ4が挿入されるチップ受入部3と、検出結果を表示するディスプレイ2とを備えている。検査チップ4は試料注入口11を備え、この試料注入口11から検体試料を注入することで、検体試料中の色素で修飾された被検物質を捕捉する機能を有している。また、検査チップ4は使い捨てとされている。
図2は、検出装置の構成を示すブロック図である。検出装置1は、光源5と、電流計(電流測定部)6と、電源(電位印加部)9と、A/D変換部7と、制御部8と、ディスプレイ2とを備えている。
光源5は、検査チップ4で捕捉された被検物質を修飾している色素に光を照射し、色素を励起させる。電流計6は、励起された色素から放出される電子に起因して検査チップ4内を流れる電流を測定する。電源9は、検査チップ4に設けられた電極に対して所定の電位を印加する。A/D変換部7は、電流計6によって測定された電流値をデジタル変換する。制御部8は、CPU,ROM,およびRAM等から構成され、光源5、電流計6、電源9、およびディスプレイ2の動作を制御する。また、制御部8は、A/D変換部7でデジタル変換された電流値を予め作成された電流値と被検物質の量との関係を示す検量線に基づき、検体試料中の被検物質の量を概算する。ディスプレイ2は、制御部8で概算された検体試料中の被検物質の量を表示する。
次に、本発明の一実施の形態に係る被検物質検出用の検査チップ4の構成と、この検査チップ4を用いた被検物質の特異的検出方法について説明する。
〔検査チップの構成〕
図3は、本実施の形態に係る検査チップ4の斜視図、図4は、検査チップ4の断面図である。検査チップ4は、上基板13と、上基板13の下方に設けられた下基板14と、上基板13と下基板14とに挟まれた間隔保持部材12とを備えている。
図5は、上基板13を下面側から見た平面図である。上基板13は矩形状に形成され、上基板13の表面(下面)には、作用電極21と、作用電極21に接続されている電極リード22とが形成されている。作用電極21はほぼ四角形状に形成されて上基板14の一側部(図5の左側)に配置され、電極リード22は作用電極21から上基板14の他側部(図5の右側)に向けて延びている。
図6は、下基板14を上面側からみた平面図である。下基板14は、上基板13と略同一寸法の矩形状に形成され、下基板14の表面(上面)には、対極24と、この対極に接続された電極リード25と、還元電極26と、この還元電極26に接続された電極リード27と、参照電極28と、この参照電極28に接続された電極リード29とが形成されている。
還元電極26は、細長い線状部が並列して配置された「くし形」に形成され、その全体の外形がほぼ四角形状に形成され、下基板14の一側部(図6の右側)に配置されている。還元電極26の電極リード27は、還元電極26から下基板の他側部(図6の左側)に向けて延びている。
対極24と、参照電極28とは、還元電極26を間に挟んでその両側に配置されている。対極24の電極リード25と参照電極28の電極リード29とは、それぞれ下基板14の一側部から他側部へ向けて延びている。還元電極26、対極24、および参照電極28の各電極リード27,25,29は、下基板14の他側部において互いに並列するように配置されている。
図3および図4に示すように、上基板13と下基板14とは、各々に形成された電極部分が上下方向に対向するように、一側部において重複して配置されている。そして、上基板13と下基板14とが重複(対向)する部分には間隔保持部材12が介在している。上基板13と下基板14とに形成された電極リード22,25,27,29は、上基板13と下基板14とが重複する部分からはみ出して外部に露出している。
図5および図6に示すように、間隔保持部材12は、矩形の環状体形状に形成され、絶縁体であるシリコーンゴムからなっている。この間隔保持部材12は、作用電極21と、還元電極26、対極24、および参照電極28とが互いに対向する領域を取り囲むように配置されている。上基板13と下基板14との間にはシリコーンゴム12の厚さtに相当する間隔が形成され、これによって各電極21,24,26,28の間には検体試料や電解液を収容するための空間30(図4参照)が形成されている。上基板13に形成された試料注入口11は、当該空間30内に検体試料や電解液を注入することが可能なように上基板13を貫通して形成されている。
なお、本実施の形態では、上基板13の表面に作用電極21を形成し、下基板14の表面に対極24と還元電極26と参照電極28とを形成しているが、作用電極21,対極24,還元電極26,参照電極28の配置関係は、各電極が他の電極と接触せずに間隔保持部材12の枠内に配置されている限り、特に制限されない。例えば、同一基板上に、作用電極21と、対極24と、還元電極26と、参照電極28とが配置されていても良い。
図7は、検査チップ4を模式的に表した概略図である。作用電極21は、上基板13の表面に形成された導電層32と、この導電層32の表面に形成された電子受容層(半導体層;半導体電極)33とから構成されている。電子受容層33は、被検物質42を修飾する色素41が光励起に応じて放出する電子を受容可能な物質を含んでいる。また、作用電極21の電極リード22は、導電層32に接続されている。
本実施の形態における上基板13は、二酸化ケイ素(SiO2)により形成されている。導電層32および電極リード22は、酸化インジウムスズ(ITO)とアンチモンドープ酸化スズ(ATO)とからなる2層構造とされ、スパッタ法等により上基板13上に形成されている。また、電子受容層33は、酸化物半導体である酸化チタン(TiO2)により構成され、スパッタ法等によって導電層32上に形成されている。
上基板13、導電層32、電極リード22、および電子受容層33の材質は一例であり、上述のものに限定されない。例えば、導電層32は、白金、金、銀、銅等の金属、導電性セラミックス、金属酸化物等から形成することができる。電子受容層33は、色素41の励起によって放出される電子を受容できるエネルギー準位を取り得る物質であればよく、シリコン、ゲルマニウム等の単体半導体、硫化カドミウム(CdS)等の化合物半導体、および有機半導体等から形成することができる。
また、電子受容層33自体がITOやATO等の導電性材料から構成されている場合には、電子受容層33によって導電層32を兼ねることも可能である。
なお、本実施の形態では、電子受容層33の表面には蒸着等によって金属膜(金属層)(図示略)が形成されている。本実施の形態の金属膜は金(Au)とされているが、後述のプローブ34と結合できる金属であれば特に限定されるものではなく、白金、銀、パラジウム、ニッケル、水銀、または銅等であってもよい。また、電子受容層33の表面に金属膜を形成する方法として、スパッタ法、インプリント、スクリーン印刷、メッキ処理、またはゾルゲル法等を用いてもよい。
電子受容層33上(金属膜上)には、色素41で修飾された被検物質42を捕捉するためのプローブ34が固定されている。プローブ34は、被検物質42と特異的に結合可能な物質、例えば核酸、タンパク質、またはペプチドからなる。また、プローブ34は、電子受容層33上に設けられた金属膜と共有結合により強固に固定されている。
被検物質42を修飾する色素41としてはルテニウム錯体が用いられており、この色素41は、被検物質42にペプチド結合される。しかしながら、色素41は、光源5(図2参照)によって励起され、電子を放出する物質であれば特に限定されるものではなく、例えば、金属錯体、有機色素および量子ドット等を用いることができる。光励起により電子を放出する物質の具体例としては、金属フタロシアニン、オスミウム錯体、鉄錯体、亜鉛錯体、9−フェニルキサンテン系色素、シアニン系色素、メタロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素、アクリジン系色素、オキサジン系色素、クマリン系色素、メシロアニン系色素、ロダシアニン系色素、ポリメチン系色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、ローダミン系色素、キサンテン系色素、クロロフィル系色素、エオシン系色素、マーキュロクロム系色素、インジゴ系色素、およびセレン化カドミウム等を挙げることができる。
下基板14は、二酸化ケイ素(SiO2)により形成されている。また、対極24、還元電極26、および参照電極28は、白金(Pt)によって形成され、スパッタ法により下基板14上に設けられている。ただし、これら電極24,26,28は、金、銀、銅、炭素、アルミニウム、ロジウム、インジウム等の金属や、酸化物半導体、導電性セラミックス等から構成することもでき、後述する電解液に対して安定であれば特に材質は限定されない。また酸化物半導体上に白金をスパッタ法により付着させたもの、またはTiO2(導電性セラミックス)上に金を蒸着により付着させた多層電極でもよい。
〔検出装置を用いた検出方法〕
以上に説明した検出チップ4を用い、検出装置1により被検物質を検出する方法について説明する。
図8は、ユーザにより検体試料を検出チップ4に注入する手順を示すフローチャートであり、図9は、検出装置1の検出動作手順を示すフローチャートである。
図8において、ステップS1でユーザは検体試料を検査チップ4の試料注入口11から注入する。この検体試料に含まれる被検物質42は予め色素41で修飾されており、図7に示すように、作用電極21の電子受容層33に固定されたプローブ34によって捕捉(核酸の場合にはハイブリダイゼーションと称呼されることもある)される。
ステップS2において、ユーザは、検査チップ4内の溶液を試料注入口11より排出し、ハイブリダイゼーション洗浄液で検査チップ4内を洗浄する。プローブ34は電子受容層33の表面に設けられた金属膜との共有結合によって強固に固定されているため、ハイブリダイゼーション反応時および検体試料の洗浄時に、プローブ34が電子受容層33から剥離してしまうのを防止することができる。
ステップS3において、ユーザは、試料注入口11から電解液を注入する。この電解液は、例えば電解質としてヨウ素、支持電解質塩としてテトラプロピルアンモニウムクロライド(NPr4Cl)、および溶媒としてアセトニトリル(AN)と炭酸エチレン(EC)とを体積比で6:4に混合した有機溶媒を含んだものを用いることができる。検査チップ4内に電解液を注入すると、電解液中のヨウ素が、電子受容層33上の金属膜(Au)を溶解させ、プローブ34は電子受容層33上に配置される。これにより後工程で説明する光照射により励起された色素41から放出される電子は、効率よく電子受容層33に受容される。
なお、本実施の形態では、プローブの固定は金属膜を利用したが、プローブを電子受容層上に強固に固定できればよく、例えばアミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)などのシランカップリング剤を用いてもよい。
その後、ユーザは検出装置1のチップ受入部3(図1参照)に検査チップ4を挿入し、ディスプレイ2上で測定開始の指示を行う。
検査装置1に供給された検査チップ4は、図7に示すように、その電極リード22,25,27,29が電流計6や電源9に接続される。電源9は、第1の電源9Aと、第2の電源9Bとからなり、第1の電源9Aは参照電極28を基準として作用電極21に0Vの電位を印加し、第2の電源9Bは参照電極28を基準として還元電極26に−0.3Vの電位を印加する(図9のステップS4)。
なお、本実施の形態において、参照電極28は省略することが可能であり、この場合、第1,第2の電源9A,9Bは、それぞれ対極24を基準として作用電極21に0V,還元電極26に−0.3Vの電位を印加する。また、作用電極21および還元電極26に印加する電位の値は、適宜変更することができ、後述する電解質の酸化還元が十分に行われる場合には必ずしも各電極21,26には電位を印加しなくてもよい。
図9のステップS5において、光源5は、被検物質42を修飾している色素41に光を照射し、色素41を励起させる。本実施の形態では、光源5はレーザー光を発するものとされ、上基板13の外面(電子受容層33とは反対側の面)からレーザー光を照射する。レーザー光によって励起された色素41は電子を放出し、放出された電子は電子受容層33に受容される。その結果、作用電極21と対極24との間には電解液を介して電流(光電流)が流れる。
ステップS6において、色素41から電子受容層33への電子の移動に起因して、作用電極21と対極24との間に流れる電流を電流計6で測定する。電流計6で測定された電流値は、色素の個数と高い相関性を有しているので、測定された電流値に基づき、被検物質42の定量測定を行うことができる。
ここで、作用電極21と対極24との間の電流の流れ(電子の受け渡し)の原理について、図7を参照して説明する。光励起によって色素41が電子を放出すると、電解液43中のヨウ素(I-)は色素41に対して電子を受け渡し、次式に示すように酸化され、(I3 -)となる。
式:3I- ⇔ I3 - + 2e-
一方、酸化によって生じた電解液43中の(I3 -)は自然拡散によって対極24へ移動し、対極24から電子を受け取ることによって可逆的に(I-)に還元される。このようにして電解質の酸化還元が繰り返し行われ、作用電極21と対極24との間に電流が流れる。
前記のような酸化還元反応が繰り返し行われると、色素41に電子を受け渡すことができる(I-)の濃度が低下していき、対極24から作用電極21への電子の流れが小さくなり、被検物質の検出感度が低下することがある。そのため、本実施の形態では、対極24とは別に検査チップ4内に還元電極26を設け、電解液43中の(I3 -)に対して還元電極26から電子を受け渡すことによって可逆的に(I-)に還元している。これによって(I3 -)の還元反応が促進され、(I-)の濃度を上昇させて作用電極21と対極24との間を流れる電流を増大させることにより、被検物質42の検出精度を高めることが可能となっている。
図9のステップS7において、A/D変換部7によってデジタル変換された電流値が制御部8に入力される。次に、制御部8で、予め作成された光電流値と被検物質42の量との関係を示す検量線に基づき、デジタル変換された光電流値から検体試料中の被検物質42の量を概算する。そして、概算された被検物質42の量をディスプレイ2に表示するための検出結果画面を作成する。
そして、ステップS8において、制御部8によって作成された検出結果画面がディスプレイ2上に送信され、ディスプレイ2に表示され、処理が終了する。
前記実施の形態において、光源5は、色素41を励起させるものであればレーザー光を発するものに限定されず、例えば、発光ダイオード(LED)、無機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス素子等を用いることもできる。また、ハロゲンランプ、キセノンランプなどの白色光源や、白色光源と光学フィルターを組み合わせた励起光源でも良い。
各電極21,24,26,28は、電解液を介して互いに接触していればよいため、必ずしも異なる基板13,14上に形成されていなくてもよく、同一基板に形成されていてもよい。また、還元電極26は、「くし形」に限定されるものではなく、平板状であってもよい。ただし、「くし形」に形成することによって、エッジ部分等の構造を因子として、電解質の還元効率を向上させることが可能となる。
〔実験1;還元電極による効果の検証〕
上述のような還元電極による効果を検証するために次のような実験を行った。この実験は、電解質の還元のために還元電極を使用した場合(実施例)と、還元電極を使用しない場合(比較例)とで、作用電極と対極との間の光電流値を測定し、両者の比較を行うことによって還元電極の有効性を検証するものである。
(電極の作製)
まず、本実験で使用する電極の作製について説明する。実施例および比較例において使用する作用電極は、二酸化ケイ素(SiO2)で形成された基板の表面に、導電層と電子受容層とを兼ねた酸化インジウムスズ(ITO;厚さ200nm)およびアンチモンドープ酸化スズ(ATO;厚さ100nm)からなる2層の薄膜をスパッタ法により形成し、さらに電子受容層の表面に金(厚さ10nm)からなる金属膜を真空蒸着法によって形成することによって作製した。
また、実施例の対極、還元電極、および参照電極は、二酸化ケイ素(SiO2)からなる基板上に白金(Pt)からなる薄膜をスパッタ法によって形成することによって作製した。一方、比較例は、基板上に対極および参照電極のみを形成したものを使用した。
(プローブ物質の固定)
作用電極の電子受容層上(金属膜上)に、チオール基を有するDNA(24base)からなるプローブを固定させた。この作業は、DNA(24base)を分散させた水溶液に作用電極を一定時間(約14時間)浸漬し、水洗、乾燥させて行った。これにより、DNAのチオール基と電子受容層上の金属膜であるAuとの共有結合で、金属膜上にプローブが固定された。
(被検物質の調製)
被検物質として、プローブと相補的な塩基配列を含むDNAに色素を結合させたものを作製した。色素は、ルテニウム錯体(商品名:Pulsar650、バイオサーチテクノロジーズジャパン社製)を使用し、DNAにルテニウム錯体をペプチド結合させた。
(被検物質とプローブとのハイブリダイゼーション)
ハイブリダイゼーション反応により、色素で修飾された被検物質を作用電極上のプローブで捕捉した。この作業は、作用電極上に色素で修飾したDNAを注入し、所定温度(約45℃)で加熱するとともに一定時間(約1時間)静置することによって行った。
(電解液の調製)
電解液は、溶媒としてアセトニトリル(AN)と炭酸エチレン(EC)とを体積比で6:4に混合したものに、支持電解質塩として0.6Mのテトラプロピルアンモニウムクロライド(NPr4Cl)と、電解質として0.06Mのヨウ素を溶解させて調製した。
(光電流の測定)
作用電極の電子受容層(金属膜)の周囲を間隔保持部材であるシリコーンゴム(厚さ0.2mm)で囲み、このシリコーンゴムによって形成された空間に8μLの電解液を注入した。そして、電解液が注入された作用電極を、上方から対極、参照電極、および還元電極が形成された基板で密封した。これにより、作用電極、対極、参照電極、および還元電極を電解液に接触させた。
実施例の還元電極および作用電極には、電源によってそれぞれ参照電極を基準として−0.3V、0Vの電圧を印加した。一方、比較例では、作用電極に参照電極を基準として0Vの電圧を印加した。
そして、作用電極のプローブを固定した面とは反対側から光源によって光を照射した。
光源には、色素を励起させることができる特定の波長(波長約473nm、強度約13mW)のレーザー光を発光するものを用い、これを所定の周期(1Hz)で点滅(on・off)させた。また、作用電極21と対極24との間を流れる光電流の測定値として、レーザー光の点滅(on・off)により増減する光電流を電流計で観測するとともに、その光電流の増加量を求めた。
(測定結果)
図10は、実験1において作用電極と対極との間を流れる光電流の値を測定した結果を示すグラフである。この図において、ハッチングを施したグラフが還元電極を使用した場合(実施例)であり、白抜きのグラフが還元電極を使用しない場合(比較例)である。また、実施例と比較例との双方について、プローブと被検物質とをハイブリダイズさせる工程を行った場合(図中左側のグラフ)と、行わなかった場合(図中右側のグラフ)の光電流値の測定結果も示している。プローブと被検物質とをハイブリダイズさせる工程を行わなかった場合、電極自体が光源の光照射によって励起され、作用電極と対極との間には電極由来の電流が流れ、ノイズとなる。
実施例において、プローブと被検物質とをハイブリダイズさせる工程を行った場合の光電流値は37.0nAであったのに対して、比較例においてプローブと被検物質とをハイブリダイズさせる工程を行った場合の光電流値は24.0nAであった。したがって、実施例のように還元電極を備えると、作用電極と対極との間の光電流値が増大し、被検物質の検出感度が向上することが分かる。
また、実施例において、プローブと被検物質とをハイブリダイズさせる工程を行わなかった場合の光電流値は23.8nAであり、比較例において、ハイブリダイズさせる工程を行わなかった場合の光電流値は16.4nAであった。したがって、実施例と比較例とのS/Nを比較すると、実施例ではS/N=37.0/23.8=1.55となり、比較例ではS/N=24.0/16.4=1.46となる。つまり、実施例では、S/Nの値が高まり、被検物質の検出精度が向上することが分かる。
〔実験2;光電流値の時間的変化の検証〕
この実験では、作用電極で検出される光電流値の時間的変化を測定した。
(電極の作製)
図11に示すように、作用電極は、二酸化ケイ素(SiO2)で形成された基板の表面に、酸化インジウムスズ(ITO;厚さ200nm)およびアンチモンドープ酸化スズ(ATO;厚さ100nm)の2層からなる導電層をスパッタ法により形成し、導電層の表面に、二酸化チタン(TiO2)からなる電子受容層を形成することによって作製した。
対極、参照電極、および還元電極は実験1と同様に作製した。
(被検物質の調製)
本実験では、電子受容層33の表面にプローブを固定せず、色素を修飾した被検物質(DNA)を直接的に固定した。この固定には、核酸が有するチオール基とTiO2との結合、および燐酸基とTiO2との結合を利用した。
色素は、実験1と同様にルテニウム錯体(商品名:Pulsar650、バイオサーチテクノロジーズジャパン社製)を使用し、被検物質としてのDNAにルテニウム錯体をペプチド結合させた。
(電解液の調製)
電解液は、実験1と同様に調製した。
(光電流の測定)
実験1と同様に、作用電極および還元電極には、それぞれ参照電極を基準として0V、−0.3Vの電位を印加した。そして、実験1と同様の光源によって、レーザー光を1Hz周期で点滅し、作用電極の電子受容層とは反対側の面に照射した。
(測定結果)
図12は、実験2において作用電極で検出された光電流値の経時的変化を示すグラフである。作用電極で検出される光電流は、光源の点滅によって増減する。そして、光源offからonまでの増加量Lは、時間の経過と共に増大していることが分かる。これは、還元電極の存在によって、電解液中の電解質、すなわちヨウ素の還元量が徐々に増えることに基づいていると考えられる。
また、図13は、実験2において作用電極において検出された光電流値と、還元電極において検出された電流値とを示すグラフである。それぞれの値は、図12における電流値の増加量Lをとったものである。
この実験から、測定開始直後(グラフ左端)では作用電極における光電流値や還元電極における電流値は小さいが、時間の経過によっていずれも漸増していることが分かる。これは、測定開始直後は、還元電極に所定の電位を印加しても直ちに還元される電解質は少なく、光電流値にはすぐに反映されないが、時間が経過すると還元電極による還元反応が徐々に活発になると考えられるからである。したがって、被検物質の検出感度を高めるには、測定開始からある程度の時間の経過が必要であることが分かる。
また、測定開始直後(グラフ左端)の光電流値は、還元電極の影響をほとんど受けていないと考えられることから、還元電極がない場合の光電流値とほぼ等しい値であると推定することができる。そして、このように推定される光電流値は約25nAであり、約20秒後の光電流値は約43nAであることから、還元電極の存在によって約1.7倍の光電流値を取り出すことが可能であると考えられる。
〔実験3;還元電極に印加する電位の検討(I)〕
この実験では、電源によって還元電極に印加する電位を検討するため、電解液の電気化学的挙動を示すサイクリックボルタモグラムの測定を行った。
この実験には、電解液として実験1および2と同様のものを用い、電極として白金(Pt)により形成されたものを用いた。また、電極の形状は、図6に示す還元電極26と同様の「くし形」電極(5μm幅の線状部を10μmピッチで設けたもの)と、電極表面に複数の穴(ウェル)を備えた「ウェル形」電極(穴径3μmの穴を10μmピッチで形成したもの)との2種類を用いた。
図14は、実験3において電解液のサイクリックボルタモグラムの測定結果を示すグラフである。電極には、負に大きな電位(図14の左側)から正に大きな電位(図14の右側)へと印加し、これを6サイクル測定した。電位の掃引速度は10mV/sとした。
この結果から、電極に印加する電位が概ね0Vよりも小さい場合にマイナス電流、すなわち還元電流が検出されていることが分かる。また、「くし形」、「ウェル形」の双方において還元電流が効果的に流れていると考えられる電位は−0.5V以上0V未満の範囲であり、この範囲に還元電極の電位を設定すれば、好適に電解質の還元反応を促進することができると考えられる。
〔実験4;還元電極26に印加する電位の検討(II)〕
この実験では、実験3の測定結果をふまえ、還元電極に印加する電位を所定の範囲で変化させながら光電流値の測定を行った。
(電極の作製)
作用電極は、二酸化ケイ素(SiO2)からなる基板上に酸化インジウムスズ(ITO;厚さ200nm)からなる電子受容層を形成し、エタノール(EtOH)中で所定時間(約10分)の超音波洗浄を行った。ついで、1%APTES溶液(溶媒:トルエン)に作用電極を1時間浸漬し、トルエンで余分なAPTESを洗い流した。
対極、作用電極、および還元電極は実験1と同様に作製した。
(被検物質の調製)
10μMの色素で修飾されたDNAを4μL作用電極上に滴下し、カバーガラスで密封した状態で所定時間(約18時間)、所定の温度(約37℃)で浸漬固定した。ついで、作用電極を超純水により洗浄した。
(光電流の測定)
まず、作用電極上に実験3と同様の電解液(約8μL)を注入した。
さらに、作用電極上には、直径約10μmのシリカビーズを分散させて設けた。このシリカビーズは、実験1で用いたシリコーンゴムの代替となるものであり、作用電極と、対極、参照電極、および還元電極(以下、対極等ともいう)との間に電解液を注入するための空間を形成するものである。実験1では、作用電極と対極等との間隔はシリコーンゴムによって約0.2mmに設定されていたが、本実験では、作用電極と対極等との間隔がシリカビーズの直径である約10μmに設定された。
ついで、電解液が注入された作用電極を、上方から対極、参照電極、および還元電極が形成された基板で密封した。これにより、作用電極、対極、参照電極、および還元電極を電解液に接触させた。
ついで、作用電極に、電源によって参照電極を基準として0Vの電位を印加した。そして、還元電極に、参照電極を基準として0Vから−0.5Vの範囲の電位を経時的に変化させながら印加した。また、作用電極のプローブを固定した面とは反対側に、光源によって光を照射した。光源には、色素を励起させることができる特定の波長(波長約488nm、強度約13mW)のレーザー光を発光するものを用いた。
そして、光照射によって作用電極と対極との間を流れる光電流を電流計により測定した。
(測定結果)
図15は、実験4において還元電極に印加する電位の変化に応じた光電流値を測定した結果を示すグラフである。還元電極には、グラフの左側から右側へ向かう順番で、所定の時間間隔(約1分)ごとに0V〜−0.5Vの範囲で電位を変化させながら印加している。ただし、左端と右から2番目の白抜きのグラフは、還元電極に対して電圧を印加しなかった場合の光電流値を示し、その他のハッチングを施したグラフは、還元電極に対して電位を印加した場合の光電流値を示している。
図15に示すように、測定開始直後は、還元電極に電圧を印加しておらず、そのときの光電流値は3.41nAであった。その後、還元電圧に印加する電位を約1分ごとに負の方向へ大きくしていくと、還元反応が促進されることよって光電流値は徐々に上昇していることが分かる。特に、−0.2Vから−0.3Vへ電位が変化したときには、1nA以上の大きな光電流値の上昇が見られる。
還元電極に−0.3Vの電位を印加したのち、一旦、還元電極への電位の印加を止め、その後、約12分経過してから還元電極に再び−0.5Vの電位を印加した。−0.5Vの電位を印加することにより、光電流がさらに上昇していることが分かる。したがって、本実験から、還元電極に印加する電位が0V未満−0.5V以上の範囲であれば、いずれの電位においても好適に光電流値を上昇させ、被検物質の検出感度を高めることが可能であることが分かる。
一方、還元電極に印加する電位を−0.5Vよりもさらに負の方向に大きくすると、電解質や被検物質としてのDNA、またはプローブとしてのDNAの電気分解反応が起こり、測定結果が不安定になる可能性がある。
なお、図15において、電位を−0.3Vから−0.5Vに変化させる過程で電位の印加を止めているが、この間にも光電流値は増大している(右から2番目の白抜きのグラフ)。これは、電位の印加を止めるまでの段階で、還元電極によって還元反応が促進され、電解液中の(I-)の濃度が高められているためと考えられる。
〔実験5;電極間の間隔の検討〕
本実験では、作用電極と対極等との間隔を実験1とは異ならせた状態で光電流値を測定し、作用電極と対極等との間隔と光電流値の関係について検討した。具体的には、作用電極と対極等との間に約200nmの間隔を形成した状態で光電流を測定し、この測定値を、約200μmの間隔を形成した場合の光電流の測定値と比較した。
(作用電極の作製および被検物質の調製)
作用電極の作製および被検物質の調製は、前記実験4と同様に行った。
(対極、還元電極、および参照電極の作製)
還元電極は、実験3で使用した「ウェル形」電極(穴径3μmの穴を10μmピッチで形成したもの)と同様に作製した。また、対極、還元電極、および参照電極は、実験1と同様に、二酸化ケイ素(SiO2)からなる基板上に白金(Pt)からなる薄膜をスパッタ法によって形成した。
(電解質の調製)
電解液は、溶媒としてアセトニトリル(AN)と炭酸エチレン(EC)とを体積比で6:4に混合したものに、支持電解質塩として0.6Mのテトラプロピルアンモニウムヨーダイド(NPr4l)と、電解質として0.06Mのヨウ素とを溶解させて調製した。
(光電流の測定)
まず、作用電極上に電解液(約1μL)を滴下した。そして、作用電極上に、直径約200nmのシリカビーズを分散させた状態で設けた。このシリカビーズによって、作用電極と対極等との間に電解液を注入するための間隔(空間)を形成した。実験1では、シリコーンゴムにより形成される間隔は約200μm(0.2mm)であったが、本実験ではシリカビーズにより形成される間隔がシリカビーズの直径である約200nmとなった。
電解液が注入された作用電極を、上方から対極、参照電極、および還元電極が形成された基板で密封した。これにより、作用電極、対極、参照電極、および還元電極を電解液に接触させた。
作用電極には、参照電極を基準として0Vの電位を印加し、還元電極には、参照電極を基準として−0.1Vの電位を印加した。また、作用電極のプローブを固定した面とは反対側に対して光源から光を照射した。光源には、色素を励起させることができる特定波長(波長約488nm、強度約13mW)のレーザー光を発光した。
そして、光照射によって作用電極と対極との間を流れる光電流を電流計により測定した。
(測定結果)
図16は、実験5において、作用電極と対極との間を流れる光電流の測定結果を示すグラフである。図16において、左端の白抜きグラフは、厚さ約200μmのシリコーンゴムを用い、さらに還元電極に電位を印加しなかった場合の光電流の測定結果を示す。また、直径約200nmのシリカビーズを用いた場合の光電流の測定を3回行い、各測定結果を図16のNo.1〜No.3に示した。No.1〜No.3の各測定においては、還元電極に電位を印加した場合としない場合との2つのパターンで光電流を測定し、その測定結果をそれぞれハッチングを施したグラフと白抜きのグラフに示した。
No.1〜No.3に示す測定結果において、還元電極に電位を印加した場合と、印加しない場合とを比較すると、前者の方が光電流値が高くなっている。したがって、還元電極に電位を印加することによって電解質の還元反応が促進されていると判断できる。また、作用電極と対極等との間隔が200μmの場合と200nmの場合とを比較すると、前者の測定値が21.8nAであるのに対して、後者の測定値は33.1nA(No.1)であり、還元電極に電位を印加していなくても光電流値は約1.5倍に増大している。したがって、作用電極と対極等との間隔は小さいほど効果的であることが分かる。また、還元電極にはあえて電位を付与しなくても、自然電位の状態で電解質を還元可能な電位に保持される材質の電極(本実験では白金)であれば、還元電極として使用可能であることが分かる。
なお、上述の各実験で使用した電極、電解液、光源等の構成は、実施の形態における検査チップや検査装置および方法に適用することが可能である。
本発明の一実施の形態に係る検出装置を示す斜視図である。 図1に示される検出装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態に係る検査チップを示す斜視図である。 図3に示される検査チップを示す断面図である。 図3に示される検査チップの上基板を下面側から見た平面図である。 図3に示される検査チップの下基板を上面側からみた平面図である。 図3に示される検査チップを模式的に表した概略図である。 ユーザにより検体試料を検出チップに注入する手順を示すフローチャートである。 検出装置の検出動作手順を示すフローチャートである。 実験1において、作用電極と対極との間を流れる光電流の測定結果を示すグラフである。 実験2で使用した作用電極を模式的に示す概略図である。 実験2において、作用電極で検出された光電流値の経時的変化を示すグラフである。 実験2において、作用電極において検出された光電流と、還元電極において検出された電流とを示すグラフである。 実験3において、電解液のサイクリックボルタモグラムの測定結果を示すグラフである。 実験4において、還元電極に印加する電位の変化に応じた光電流の測定結果を示すグラフである。 実験5において、作用電極と対極等との間の間隔を変化させた場合の光電流の測定結果を示すグラフである。
符号の説明
1 検出装置
3 検査チップ受入部
4 検査チップ
5 光源
6 電流計(電流測定部)
9 電源(電位印加部)
21 作用電極
24 対極
26 還元電極

Claims (9)

  1. 光励起により電子を生じる修飾物質で修飾された被検物質を検出する方法であって、
    半導体層を備えている作用電極と、前記被検物質を捕捉可能でありかつ前記半導体層上に固定されるプローブと、導電性材料からなる対極と、電解質を還元するための還元電極と、を備えている検査チップに前記被検物質を含む試料を適用し、前記プローブによって前記被検物質を捕捉する工程と、
    前記作用電極、前記対極、および前記還元電極に電解質を含む電解質媒体を接触させた状態で、前記プローブによって捕捉された前記被検物質を修飾している修飾物質に当該修飾物質を励起させる光を照射する工程と、
    前記光によって励起された修飾物質から前記作用電極への電子の移動により前記作用電極と前記対極との間を流れる電流を測定する工程と、
    前記電解質媒体に含まれている電解質を前記還元電極によって還元する工程と、
    を含む被検物質の特異的検出方法。
  2. 前記還元電極によって前記電解質を還元する工程が、前記還元電極に電位を印加した状態で行われる請求項1に記載の被検物質の特異的検出方法。
  3. 前記還元電極によって前記電解質を還元する工程が、前記対極を基準として−0.5V以上0V未満の電位を前記還元電極に印加した状態で行われる請求項1に記載の被検物質の特異的検出方法。
  4. 前記還元電極が、前記電解質を還元可能な自然電位に保持されている請求項1に記載の被検物質の特異的検出方法。
  5. 前記プローブは、核酸、タンパク質またはペプチドである請求項1〜4のいずれか1つに記載の被検物質の特異的検出方法。
  6. 前記電解質はヨウ素またはヨウ化物である請求項1〜5のいずれか1つに記載の被検物質の特異的検出方法。
  7. 光励起により電子を生じる修飾物質で修飾された被検物質を検出する検出装置であって、
    半導体層を備えている作用電極と、前記被検物質を捕捉可能でありかつ前記半導体層上に固定されるプローブと、導電性材料からなる対極と、前記作用電極および前記対極に接触される電解質媒体に含まれた電解質を還元するための還元電極と、を備えている検査チップを、受入可能に構成された検査チップ受入部と、
    前記検査チップ受入部に受け入れられた前記検査チップ内の被検物質を修飾している修飾物質に当該修飾物質を励起させる光を照射する光源と、
    前記還元電極に電位を印加するための電位印加部と、
    前記光源から照射された光によって励起された修飾物質から前記作用電極への電子の移動により前記作用電極と前記対極との間を流れる電流を測定する電流測定部と、
    を備えている被検物質の特異的検出装置。
  8. 光励起により電子を生じる修飾物質で修飾された被検物質を検出するための検査チップであって、
    半導体層を備えている作用電極と、
    前記被検物質を捕捉可能でありかつ前記半導体層上に固定されるプローブと、
    導電性材料からなる対極と
    前記作用電極および前記対極に接触される電解質媒体に含まれた電解質を還元するための還元電極と、を備えている検査チップ。
  9. 前記還元電極は、複数の線状部材が並列して配置された形状からなる電極である請求項8に記載の検査チップ。
JP2008279385A 2008-10-30 2008-10-30 被検物質の特異的検出方法および装置、ならびに検査チップ Active JP5172606B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008279385A JP5172606B2 (ja) 2008-10-30 2008-10-30 被検物質の特異的検出方法および装置、ならびに検査チップ
CN200910175886.2A CN101726527B (zh) 2008-10-30 2009-09-23 对被检物质进行检测的方法
US12/589,751 US20100108539A1 (en) 2008-10-30 2009-10-27 Method for detecting analyte, detection apparatus, and test chip
EP09174415A EP2182358B1 (en) 2008-10-30 2009-10-29 Method for detecting analyte, detection apparatus, and test chip
EP09174417.7A EP2182359B1 (en) 2008-10-30 2009-10-29 Method for detecting analyte

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008279385A JP5172606B2 (ja) 2008-10-30 2008-10-30 被検物質の特異的検出方法および装置、ならびに検査チップ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010107345A JP2010107345A (ja) 2010-05-13
JP5172606B2 true JP5172606B2 (ja) 2013-03-27

Family

ID=41546766

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008279385A Active JP5172606B2 (ja) 2008-10-30 2008-10-30 被検物質の特異的検出方法および装置、ならびに検査チップ

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20100108539A1 (ja)
EP (1) EP2182358B1 (ja)
JP (1) JP5172606B2 (ja)
CN (1) CN101726527B (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101317087B (zh) * 2005-09-29 2013-01-02 Toto株式会社 使用光电流特异性检测被检测物质的方法、其中所使用的电极、测定池和测定装置
JP5856780B2 (ja) * 2010-08-27 2016-02-10 シスメックス株式会社 検出物質の光電気化学的検出方法及び被検物質の光電気化学的検出方法
JP5806892B2 (ja) 2010-09-30 2015-11-10 シスメックス株式会社 検出物質の電気化学的検出方法および被検物質の電気化学的検出方法
JP5809010B2 (ja) * 2010-10-29 2015-11-10 シスメックス株式会社 検出物質の検出装置、電極基板、作用電極、検査チップ、検出物質の検出方法および被検物質の検出方法
JP2012150097A (ja) 2010-12-28 2012-08-09 Sysmex Corp 光電流検出用電極及びその製造方法並びに作用電極基板
WO2014018167A2 (en) * 2012-07-27 2014-01-30 Genefluidics, Inc. Cartridge for liquid transport
CN113777143A (zh) * 2021-09-16 2021-12-10 哈尔滨工业大学(深圳) 一种多通道集成式阵列光电化学传感电极及其制备方法和应用

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5766934A (en) * 1989-03-13 1998-06-16 Guiseppi-Elie; Anthony Chemical and biological sensors having electroactive polymer thin films attached to microfabricated devices and possessing immobilized indicator moieties
US5470484A (en) * 1994-01-13 1995-11-28 Buckman Laboratories International, Inc. Method and apparatus for controlling the feed of water treatment chemicals using a voltammetric sensor
US6221586B1 (en) * 1997-04-09 2001-04-24 California Institute Of Technology Electrochemical sensor using intercalative, redox-active moieties
US6686150B1 (en) * 1998-01-27 2004-02-03 Clinical Micro Sensors, Inc. Amplification of nucleic acids with electronic detection
GB9808264D0 (en) * 1998-04-17 1998-06-17 Imperial College Biochemical devices and their methods of manufacture
JP3690683B2 (ja) * 2001-05-29 2005-08-31 松下電器産業株式会社 バイオセンサ
EP1560930A4 (en) * 2002-11-15 2007-05-16 Applera Corp NUKLEINSûURESEQUENZNACHWEIS
CN100590200C (zh) * 2003-10-29 2010-02-17 新加坡科技研究局 借助分析物/聚合物活化剂双层排列检测分析物的方法
US7981362B2 (en) * 2003-11-04 2011-07-19 Meso Scale Technologies, Llc Modular assay plates, reader systems and methods for test measurements
JP4919101B2 (ja) * 2004-09-24 2012-04-18 Toto株式会社 増感色素の光励起により生じる光電流を用いた被検物質の特異的検出に用いられるセンサセルおよび測定装置
CN101317087B (zh) * 2005-09-29 2013-01-02 Toto株式会社 使用光电流特异性检测被检测物质的方法、其中所使用的电极、测定池和测定装置
US7892816B2 (en) * 2006-09-28 2011-02-22 Colorado State University Research Foundation Electrochemical detection of substrates
CN101059477B (zh) * 2007-05-11 2013-10-16 浙江大学 一种基于氧化/还原探针的细胞生长以及形态变化检测装置及检测方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010107345A (ja) 2010-05-13
US20100108539A1 (en) 2010-05-06
EP2182358A1 (en) 2010-05-05
CN101726527A (zh) 2010-06-09
EP2182358B1 (en) 2012-07-04
CN101726527B (zh) 2014-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5172606B2 (ja) 被検物質の特異的検出方法および装置、ならびに検査チップ
Liu et al. Direct electrochemiluminescence imaging of a single cell on a chitosan film modified electrode
JP4086090B2 (ja) 光電流を用いた被検物質の特異的検出方法、それに用いられる電極、測定用セルおよび測定装置
JP5455878B2 (ja) 被検物質の電気化学的検出方法
US20100112578A1 (en) Test chip, detection apparatus, and method for detecting analyte
Walker et al. Aqueous electrogenerated chemiluminescence of self-assembled double-walled tubular J-aggregates of amphiphilic cyanine dyes
JP5795184B2 (ja) 被検物質の電気化学的検出方法
JP5856780B2 (ja) 検出物質の光電気化学的検出方法及び被検物質の光電気化学的検出方法
JP2006119111A (ja) 光電流を用いた被検物質の特異的検出方法、それに用いられる電極、測定用セル、および測定装置
JP2012150097A (ja) 光電流検出用電極及びその製造方法並びに作用電極基板
JP4826860B2 (ja) 光電流を用いた被検物質の特異的検出に用いられる測定装置、それに用いられるセンサユニット、および光電流を用いた被検物質の特異的検出方法
US9057688B2 (en) Detection device for detecting a test substance
JP4735860B2 (ja) 光電流を用いた被検物質の特異的検出方法、それに用いられる電極、測定用セルおよび測定装置
TWI495872B (zh) 整合流體擾動之電化學生物親和性感測晶片及其操作方法
CN101726528A (zh) 检查芯片、检测装置以及被检物质的检测方法
JP4919101B2 (ja) 増感色素の光励起により生じる光電流を用いた被検物質の特異的検出に用いられるセンサセルおよび測定装置
EP2182359B1 (en) Method for detecting analyte
JP4831524B2 (ja) 増感色素の光励起により生じる光電流を用いた被検物質の特異的検出に用いられるセンサセルおよび測定装置
JP5806892B2 (ja) 検出物質の電気化学的検出方法および被検物質の電気化学的検出方法
JP5480105B2 (ja) 電極基板、作用電極および検査チップ
JP2012233878A (ja) 被検物質の電気化学的検出方法
JP2009186453A (ja) 光電流を用いた被検物質の特異的検出に用いられるセンサユニットおよびそれを用いた測定装置
JP2009186454A (ja) 光電流を用いた被検物質の特異的検出に用いられるセンサユニットおよびそれを用いた測定装置
Iwanaga et al. Gold thin layer-assisted DNA immobilization for photoelectrochemical DNA sensor

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111028

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121128

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5172606

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250