JP5172504B2 - 演算増幅器 - Google Patents

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Description

本発明は、演算増幅器に係り、特に、出力の過電流状態を保護する回路を有するものにあって、出力特性の低下等を招くことなく安定、確実な過電流保護動作の確保等を図ったものに関する。
演算増幅器の構成としては、例えば、図11に示されたような差動増幅回路が構成されたものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。以下、同図を参照しつつ、従来の演算増幅器について説明する。
この演算増幅器は、前段増幅部101Aと、プリドライバ部102Aと、プッシュプル出力段103Aと、アイドル電流供給部104Aとに大別されて構成されてなるものである。
かかる構成において、正転入力端子VIN+と反転入力端子VIN-に、VIN-≫VIN+となる電圧が印加されると、前段増幅部101Aは、ノードVpから電流が前段増幅部101Aの出力段に流れ込むように動作するので、トランジスタQ01のベースから電流IB01が前段増幅部101Aへ流れ込み、ノードVpの電位が低下することとなる。これにより、トランジスタQ01は、コレクタ電流IC01を流すように動作し、トランジスタQA3,QA4によるカレントミラーによって電流IC04がトランジスタQA4に流れる。これにより、IC01とIC04の和電流がトランジスタQA1のベース電流IBA1となり、出力トランジスタQA1には、大きな電流ICA1が流れることとなる。
そして、この電流ICA1が過大であると、出力トランジスタQA1の性能劣化を招く原因となる。
かかる出力の過電流を抑圧する方策としては、図12に示されたようにプッシュプル出力段103Aに抵抗器RA1とトランジスタQA5による過電流保護回路を設けることが従来から良く知られている。
すなわち、電流ICA1が所定値以上となると、電流検出用の抵抗器RA1における電圧降下により、トランジスタQA5のエミッタ・ベース間電圧VBEA5が上昇し、その結果、トランジスタQA5がオンとなり、電流ICA5がトランジスタQ10のベースへ向かって流れるととなる。そのため、ノードVpの電位が上昇し、先に述べた電流IB01の前段増幅部101への流れ込みを抑圧するよう作用し、出力トランジスタQA1における電流ICA1の増大が抑圧されるようになっている。
特開2002−217654号公報(第4−6頁、図1−図23)
しかしながら、上述の従来の過電流保護回路にあっては、電流検出用の抵抗器RA1のために、出力トランジスタQA1の見かけ上のトランスコンダクタンスが低下し、得られる出力電圧が制限されるという欠点がある。
すなわち、図12の構成における出力トランジスタQA1のトランスコンダクタンスGmは、下記する式1により表される。
Gm=gmQA1/(1+gmQA1・RA1)・・・式1
ここで、gmQA1は、出力トランジスタQA1自体のトランスコンダクタンス、RA1は、電流検出用の抵抗器RA1の抵抗値である。
このように、見かけ上のトランスコンダクタンスが減少するため、出力トランジスタQA1のベース電圧に対する出力電圧の電圧利得が減少することとなる。
また、図12に示された過電流保護回路を設けた場合と、かかる過電流保護回路を有しない図11に示された従来回路とを、出力電流ICA1で比較して見ると、図7に示されたように過電流保護回路が無い場合に比して、過電流保護回路を有する従来回路にあっては、格段に電流制限がなされていることが確認できるが、その結果として、最大出力電圧も、過電流保護回路が無い場合に比して低下するものとなっている(図8参照)。
なお、図7において、横軸はトランジスタQ01のベース電流を、縦軸は出力電流を、それぞれ表しており、「従来回路」の表記は、図12に示された構成の回路を、「保護回路なし」の表記は、図11に示された回路を、それぞれ意味している。
また、図12に示されたような過電流保護回路にあって、電流検出用の抵抗器RA1の抵抗値RA1は、下記する式2により表される出力電流の限界値ICA1maxとの関係式によって設定される一方、出力電流の限界値ICA1maxの温度特性は、その抵抗値RA1によって下記する式3のように一意的に定まるものとなっている。
ICA1max=VbeQA5/RA1・・・式2
∂ICA1max/∂T=(RA1×∂VbeQA5/∂T−VbeQA5×∂RA1/∂T)/RA1・・・式3
なお、式2において、VbeQA5は、過電流保護に用いられるトランジスタQA5のベース・エミッタ間電圧であり、Tは、温度である。
このように、従来回路においては、出力電流の温度特性を任意に設定することができず、抵抗器RA1の温度特性によっては出力電流の限界値ICA1maxの温度に対する感度が鋭敏となり動作の安定性を著しく悪化させるという問題を招くことがある。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、最大出力電圧の低下を招くことなく出力の過電流を回避することのできる過電流保護回路を有する演算増幅器の提供するものである。
本発明の他の目的は、発振を生ずることのない安定した動作が可能な過電流保護回路を有する演算増幅器を提供することにある。
本発明の他の目的は、出力電流の限界値の設定における温度依存性を軽減することにある。
本発明の他の目的は、熱暴走を招くことのない安定した動作が可能な過電流保護回路を有する演算増幅器を提供することにある。
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る演算増幅器は、
入力信号に対して差動出力が得られるよう構成された前段増幅部と、前記前段増幅器の出力を電圧・電流変換するプリドライバ部と、前記プリドライバ部からの入力信号を増幅出力するプッシュプル出力段を具備してなる演算増幅器であって、
前記プリドライバ部は、ベースが前記前段増幅部の出力段に接続される一方、エミッタが第1の定電流源に接続されたPNP形の第1のトランジスタを有してなる一方、
前記第1のトランジスタのコレクタ電流の増大に応じて、前記プシュプル出力段の出力電流の増大を抑圧するよう構成されてなる過電流保護回路が設けられ、
当該過電流保護回路は、一端に第1の電源電圧が印加され、他端に過電流保護回路用カレントミラーを介して前記プリドライバ部の第1のトランジスタのコレクタ電流に応じた電流が流れるよう電流検出用抵抗器が設けられ、
当該電流検出用抵抗器と前記過電流保護回路用カンレントミラーとの接続点には、過電流保護用のPNP形トランジスタのベースが接続され、当該過電流保護用のPNP形トランジスタのエミッタには、前記第1の電源電圧が印加される一方、そのコレクタは、前記前段増幅部の出力段に接続され、
前記過電流保護回路用カレントミラーは、ベースとコレクタとが接続されたNPN形のカレントミラー用第1のトランジスタと、当該カレントミラー用第1のトランジスタとベースが相互に接続されたNPN形のカレントミラー用第2のトランジスタとを有し、前記カレントミラー用第1及び第2のトランジスタのエミッタには、共に第2の電源電圧が印加され、前記カレントミラー用第1のトランジスタのコレクタは、前記プリドライバ部の第1のトランジスタのコレクタに接続される一方、前記カレントミラー用第2のトランジスタのコレクタは、前記電流検出用抵抗器の一端に接続され、
前記プッシュプル出力段を構成するハイサイド側のトランジスタのベースが、前記プリドライバ部のPNP形の第1のトランジスタのエミッタに接続され、
前記過電流保護用のPNP形トランジスタのコレクタと、前記電流検出用抵抗器と前記過電流保護回路用カレントミラーのカレントミラー用第2のトランジスタのコレクタとの接続点との間に、キャパシタが接続され、
前記過電流保護用抵抗器の両端に、前記第1の定電流源とほぼ等しい温度特性を有する過電流保護回路用の定電流源が並列接続されて設けられてなるものである。
本発明によれば、従来と異なり、出力トランジスタの電圧降下を生じさせないので、出力段のトランスコンダクタンスを低下させることなく、したがって、電圧利得の低下を招くことなく過電流保護が可能となる。
また、過電流保護回路のトランジスタのベースとコレクタとの間にキャパシタを設ける構成とすることにより、演算増幅器の外部帰還が無くなった場合の発振を防止し、安定した過電流保護動作を確保することができる。
また、過電流保護回路のトランジスタのベースにベース抵抗器を設ける構成とすることにより、熱暴走を確実に防止し、回路の信頼性の向上を図ることができる。
さらに、過電流保護回路に定電流源を設け、第1のトランジスタのエミッタに接続された第1の定電流源と同一の温度特性として、双方の電流を所定の関係に設定する構成とすることにより、出力電流の制限値の温度特性を、従来に比して、より容易に制御可能とすることができ、温度依存性を軽減することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図10を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における演算増幅器の第1の構成例について、図1を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態における演算増幅器は、前段増幅部101と、プリドライバ部102と、プッシュプル出力段103と、アイドル電流供給部104と、過電流保護回路105に大別されて構成されたものとなっている。
以下、具体的に回路構成について説明することとする。なお、以下の説明において、第1、第2、第7乃至第10のトランジスタ1、2、7〜10にはPNP形が、第3乃至第6のトランジスタ3〜6、第11乃至第13のトランジスタ11〜13にはNPN形が、それぞれ用いられているものとする。
前段増幅部101は、正転入力端子42と反転入力端子43に印加された入力信号の差分に応じた出力信号を出力するよう差動増幅器(コンダクタンスアンプ)が構成されてなるものである。
前段増幅部101の出力段には、プリドライバ部102を構成する第1のトランジスタ(図1においては「Q1」と表記)1のベースと、過電流保護回路105を構成する第10のトランジスタ(図1においては「Q10」と表記)10のコレクタが接続されている。
プリドライバ部102は、第1のトランジスタ1を用いてなり、前段増幅部101の出力電圧を電流変換してプッシュプル出力段103を駆動するようになっているものである。
第1のトランジスタ1は、エミッタに定電流I01を出力する第1の定電流源21の一端に接続される一方、コレクタは、第11のトランジスタ(図1においては「Q11」と表記)11のコレクタが接続されている。
なお、第1の定電流源21は、その他端に第1の電源電圧V+が印加されるようになっている。
第11のトランジスタ11は、ベースとコレクタとが相互に接続されて、いわゆるダイオード接続状態とされており、エミッタは、第2の電源電圧V−が印加されるようになっている。
この第11のトランジスタ11のベースは、第12のトランジスタ(図1においては「Q12」と表記)12のベースに接続されており、第12のトランジスタ12のコレクタは、後述する過電流保護回路105を構成する電流検出用抵抗器31の一端及び第10のトランジスタ10のベースに接続される一方、エミッタは、第2の電源電圧V−が印加されるようになっている。
しかして、第11及び第12のトランジスタ11,12によりカレントミラーが構成されたものとなっている。
プッシュプル出力段103は、第2のトランジスタ(図1においては「Q2」と表記)2と第3のトランジスタ(図1においては「Q3」と表記)3とから構成されており、第2及び第3のトランジスタ2,3は、コレクタが相互に接続されると共に、出力端子41に接続されている。
また、第2のトランジスタ2のエミッタには、第1の電源電圧V+が印加されるようになっており、第2のトランジスタ2は、ハイサイド側のトランジスタとされる一方、第3のトランジスタ3のエミッタは、第2の電源電圧V−が印加されるようになっており、第3のトランジスタ3は、ローサイド側のトランジスタとなっている。
そして、第2のトランジスタ2のベースは、プリドライバ部102の第1のトランジスタ1のエミッタに接続されている。
アイドル電流供給部104は、プッシュプル出力段103のアイドリング時におけるアイドリング電流を供給するためのもので、本発明の実施の形態においては、カレントミラー(アイドル用第1のカレントミラー)を構成する第4及び第5のトランジスタ(図1においては、それぞれ「Q4」、「Q5」と表記)4,5と、同じくカレントミラー(アイドル用第2のカレントミラー)を構成する第7及び第8のトランジスタ(図1においては、それぞれ「Q7」、「Q8」と表記)7,8と、第2乃至第5の定電流源22〜25を主たる構成要素として構成されたものとなっている。
第4のトランジスタ4は、ベースとコレクタとが相互に接続されて、いわゆるダイオード接続状態とされると共に、その接続点には、第5のトランジスタ5のベースが接続されている。
そして、第4のトランジスタ4のコレクタには、定電流I02を出力する第2の定電流源22の一端が接続されており、この第2の定電流源22の他端には、第1の電源電圧V+が印加されるようになっている。
また、第4のトランジスタ4のエミッタには、第6のトランジスタ(図1においては「Q6」と表記)6のコレクタ及びベースが接続されている。
第6のトランジスタ6は、上述のようにダイオード接続されており、エミッタは、第2の電源電圧V−が印加されるようになっている。
一方、第5のトランジスタ5は、コレクタが先の第2のトランジスタ2のベースに接続される一方、エミッタは、定電流I05を出力する第5の定電流源25の一端に接続されており、この第5の定電流源25の他端は、第2の電源電圧V−が印加されるようになっている。
第7のトランジスタ7は、ベースとコレクタとが相互に接続されて、いわゆるダイオード接続状態とされると共に、その接続点には、第8のトランジスタ8のベースが接続されている。
そして、第7のトランジスタ4のコレクタには、定電流I04を出力する第4の定電流源24の一端が接続されており、この第4の定電流源24の他端には、第2の電源電圧V−が印加されるようになっている。
また、第7のトランジスタ7のエミッタには、第9トランジスタ(図1においては「Q9」と表記)9のコレクタ及びベースが接続されている。
第9のトランジスタ9は、上述のようにダイオード接続されており、エミッタは、第1の電源電圧V+が印加されるようになっている。
一方、第8のトランジスタ8のエミッタは、第2のトランジスタ2のベースに接続されると共に、定電流I03を出力する第3の定電流源23の一端に接続されており、この第3の定電流源23の他端は、第1の電源電圧V+が印加されるようになっている。
また、第8のトランジスタ8のコレクタは、第5のトランジスタ5のエミッタ及び第3のトランジスタ3のベースに接続されている。
過電流保護回路105は、第10のトランジスタ10と、電流検出用抵抗器(図1においては「RB1」と表記)31とを備えてなるもので、この第1の構成例は、最も基本的な過電流保護回路の構成を示すものである。
すなわち、第10のトランジスタ10は、そのエミッタに第1の電源電圧V+が印加されるようになっている一方、コレクタは、先に述べたように第1のトランジスタ1のベースに接続されている。
さらに、第10のトランジスタ10のベースは、電流検出用抵抗器31と第12のトランジスタの相互の接続点に接続されており、電流検出用抵抗器31の他端は、第1の電源電圧V+が印加されるようになっている。
次に、上述した過電流保護回路105の基本構成に対して、種々の観点から構成要素を付加した構成例について、図2乃至図5を参照しつつ説明し、回路動作については、図5に示された構成例を参照しつつ説明することとする。
最初に、第2の構成例について、図2を参照しつつ説明する。なお、図1に示された構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略し、以下、異なる点を中心に説明することとする。
この第2の構成例は、図1に示された構成において、さらに、発振防止用のキャパシタ(図2においては「CB1」と表記)35を追加した構成となっているものである。
すなわち、キャパシタ35は、その一端が第10のトランジスタ10のコレクタに、他端が電流検出用抵抗器31と第12のトランジスタ12のコレクタとの接続点に接続されたものとなっている。
次に、第3の構成例について、図3を参照しつつ説明する。なお、図1又は図2に示された構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略し、以下、異なる点を中心に説明することとする。
この第3の構成例は、定電流I06を出力する第6の定電流源26が、電流検出用抵抗器31に対して並列接続されて設けられたものである。
次に、第4の構成例について、図4を参照しつつ説明する。なお、図1、図2、又は、図3に示された構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略し、以下、異なる点を中心に説明することとする。
この第4の構成例は、第10のトランジスタ10のベース抵抗器(図4においては「RB2」と表記)32を設けたものである。
すなわち、ベース抵抗器32は、その一端が第10のトランジスタ10のベースに、他端が電流検出用抵抗器31と第12のトランジスタ12のコレクタとの接続点に接続されたものとなっている。
次に、第5の構成例について、図5を参照しつつ説明する。なお、図1、図2、図3、又は、図4に示された構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略し、以下、異なる点を中心に説明することとする。
この第5の構成例は、図1に示された基本構成に対して、図2乃至図4に示されたそれぞれの構成を適用し、かつ、第11及び第12のトランジスタ11,12と共にカレントミラーを構成するNPN形の第13のトランジスタ(図5においては「Q13」と表記)13が設けられたものとなっている。
すなわち、第13のトランジスタ13は、そのベースが第11及び第12のトランジスタ11,13のベースと相互に接続される一方、コレクタは、第2のトランジスタ2のベースに接続され、エミッタは、第2の電源電圧V−が印加されるようになっている。
次に、この第5の構成例における回路動作について、図6を参照しつつ説明する。なお、図6は、図5に示された回路構成に主たる電流の流れを併記したものである。
まず、反転入力端子43と正転入力端子42に、VIN-≫VIN+となる電圧が印加されたとする。これによって、前段増幅部101の出力段には、シンク電流IB01が第1のトランジスタ1のベースから流れ込み、ノードVpの電位が低下するため、第1のトランジスタ1は、コレクタ電流IC01を流すよう動作することとなる。
このとき、第11〜第13のトランジスタ11〜13によるカレントミラーによって、第12のトランジスタ12には電流ICB1が、第13のトランジスタ13には電流ICA4が、それぞれ流れ、第1のトランジスタ1を流れる電流IC01と、第13のトランジスタ13を流れる電流ICA4は、第2のトランジスタ2のベース電流IBA1となる。
これにより、第2のトランジスタ2のコレクタには、ベース電流IBA1がβPNP倍されたコレクタ電流ICA1が流れることとなる(図6参照)。 なお、ここで、βPNPは、PNP形トランジスタの電流増幅率である。
一方、第12のトランジスタ12を流れるICB1は、電流検出用抵抗器31に供給され、電圧降下による電圧VBEB2を生じせしめ、この電圧が第10のトランジスタ10の閾値電圧を超えると、第10のトランジスタ10が動作し、コレクタ電流ICB2を流すため、ノードVpの電位を上昇させる。その結果、先に述べた第1のトランジスタ1の電流IC01の増加が抑圧されるため、出力電流ICA1が過電流となることが防止されることとなる。
したがって、第11〜13のトランジスタ11〜13の特性が等しい場合、下記する式4に示されたように電流検出用抵抗器31の抵抗値RB1を設定することにより、出力電流ICA1が所望の大きさとなった際に、過電流保護動作が行われるようにすることができる。
RB1=0.7/(ICA1/2・βPNP+I01/2−I06)・・・式4
ここで、I01は、第1の定電流源21により出力される定電流値を、I06は、第6の定電流源26により出力される定電流値を、それぞれ表すものとする。
このように、本発明の実施の形態においては、電流検出用抵抗器31は、従来と異なり、出力段、すなわち、第2のトランジスタ2と直列接続されて設けられてないため、最大出力電圧を犠牲にすることなく過電流保護が可能となっている。
図7には、第1のトランジスタ1のベース電流IB01の変化に対する第2のトランジスタ2のコレクタ電流(出力電流)ICA1の変化特性例が、過電流保護回路を有する従来回路及び過電流保護回路を有しない従来回路のそれぞれの同様の変化特性例と共に示されており、同図によれば、本発明の実施の形態における過電流保護回路は、従来の過電流保護回路と同程度に出力電流)ICA1が制限可能であることが確認できる。
そして、図8には、本発明の実施の形態における演算増幅器と、従来の過電流保護回路を有する演算増幅器において、それぞれ出力電流の制限を同程度とした場合の、電源電圧の変化に対する最大出力電圧の変化特性例が示されている。同図によれば、本発明の実施の形態における演算増幅器の場合、過電流保護回路を有しない従来の演算増幅器と同様の最大出力電圧が得られるのに対して、従来の過電流保護回路を有する演算増幅器では、明らかに過電流保護回路が無い場合よりも、最大出力電圧が低下していることが確認できる。
次に、発振防止用のキャパシタ35について説明すれば、これは、過電流保護動作時の発振を防止するために設けられたものである。
すなわち、演算増幅器が過電流保護が作用しない通常の動作状態にある場合は、キャパシタ35はの両端子間は同相となるので、キャパシタ35が無い状態に等価である。しかし、先に説明したように過電流保護動作時には、キャパシタ35は、第10のトランジスタ10に対して差動的に作用して発振を防止するものとなっている。
図9には、キャパシタ35を有する場合と、有しない場合におけるパルス応答特性の例が示されており、同図によれば、キャパシタ35を設けることによって、キャパシタ35を設けない場合に比して発振が抑えられていることがわかる。
次に、第6の定電流源26を設ける意義について説明することとする。
第6の定電流源26は、第1の定電流源21とほぼ等しい温度特性のもの用いることで、次述するように出力電流の限界値ICA1maxの温度特性の制御が従来に比して容易となる。
すなわち、まず、第6の定電流電源26から出力される定電流I06と、第1の定電流電源21から出力される定電流I01は、下記する式5に表される関係式を満足するように設定される。
I06=n×I01(0≦n<0.5)・・・式5
そして、かかる条件の下、プッシュプル出力段103の出力ソース電流は、下記する式6のようになる。
ICA1max=2βPNP・VbeQB2/RB1−(1−2n)βPNP・I01・・・式6
ここで、VbeQB2は、第10のトランジスタ10のベース・エミッタ間電圧である。
この式6を温度Tについて偏微分して出力電流の制限値ICA1maxの温度係数を求めると下記する式7のようになる。
∂ICA1max/∂T=(2βPNP/RB1)(∂VbeQB2/∂T)−(2βPNP・VbeQB2/RB1)(∂RB1/∂T)−(1−2n)βPNP(∂I01/∂T)+{(2VbeQB2/RB1)−(1−2n・I01)}(∂βPNP/∂T)・・・式7
したがって、式6では、従来回路(図12)におけるICA1maxの温度特性を表す式3と異なり、任意に設定できる変数として、RB1とnがあるので、ICA1maxの温度特性をある程度制御することができるものとなっている。
図10には、周囲温度25℃でICA1max≒30mAとした場合の、周囲温度変化に対する最大出力ソース電流の変化例が、本発明の実施の形態における回路と従来回路(図12参照)について示されている。
同図によれば、本発明の実施の形態における回路は、従来回路に比してICA1maxの温度依存性を確実に軽減するものであることが確認できる。
次に、ベース抵抗器32を設ける意義について説明すれば、このベース抵抗32は第10のトランジスタ10の熱暴走を防止するためのものである。
すなわち、前段増幅部101のシンク電流能力が十分に大きい場合に、周囲温度が高温状態において、その入力電圧がVin-≫Vin+の状態を続けると、第10のトランジスタ10ベース・エミッタ間電圧VBEB2が減少し、そのコレクタ電流ICB2が増加し、それによって第10のトランジスタ10の温度上昇を招き、最悪時には、熱暴走に至る虞がある。
そこで、正の温度係数を有するベース抵抗器32を第10のトランジスタ10のベースに接続することで、高温時におけるベース・エミッタ間電圧VBEB2の減少分が補償されることとなり、熱暴走の防止がなされるようになっている。
本発明の実施の形態における演算増幅器の過電流保護回路の第1の構成例を示す回路図である。 本発明の実施の形態における演算増幅器の過電流保護回路の第2の構成例を示す回路図である。 本発明の実施の形態における演算増幅器の過電流保護回路の第3の構成例を示す回路図である。 本発明の実施の形態における演算増幅器の過電流保護回路の第4の構成例を示す回路図である。 本発明の実施の形態における演算増幅器の過電流保護回路の第5の構成例を示す回路図である。 図5に示された回路図における主要部における電流の流れを示した回路図である。 前段増幅部へ流れ込む電流の変化に対するとプッシュプル出力段の出力電流の変化特性を示す特性線図である。 電源電圧の変化に対する最大出力電圧の変化特性を示す特性線図である。 パルス入力に対する出力電圧の変化特性を示す特性線図である。 周囲温度の変化に対する最大出力ソース電流の変化特性を示す特性線図である。 過電流保護回路を有しない演算増幅器の従来回路例を示す回路図である。 従来の過電流保護回路を備えた演算増幅器の回路例を示す回路図である。
符号の説明
101…前段増幅部
102…プリドライバ部
103…プッシュプル出力段
105…過電流保護回路

Claims (2)

  1. 入力信号に対して差動出力が得られるよう構成された前段増幅部と、前記前段増幅器の出力を電圧・電流変換するプリドライバ部と、前記プリドライバ部からの入力信号を増幅出力するプッシュプル出力段を具備してなる演算増幅器であって、
    前記プリドライバ部は、ベースが前記前段増幅部の出力段に接続される一方、エミッタが第1の定電流源に接続されたPNP形の第1のトランジスタを有してなる一方、
    前記第1のトランジスタのコレクタ電流の増大に応じて、前記プシュプル出力段の出力電流の増大を抑圧するよう構成されてなる過電流保護回路が設けられ、
    当該過電流保護回路は、一端に第1の電源電圧が印加され、他端に過電流保護回路用カレントミラーを介して前記プリドライバ部の第1のトランジスタのコレクタ電流に応じた電流が流れるよう電流検出用抵抗器が設けられ、
    当該電流検出用抵抗器と前記過電流保護回路用カンレントミラーとの接続点には、過電流保護用のPNP形トランジスタのベースが接続され、当該過電流保護用のPNP形トランジスタのエミッタには、前記第1の電源電圧が印加される一方、そのコレクタは、前記前段増幅部の出力段に接続され、
    前記過電流保護回路用カレントミラーは、ベースとコレクタとが接続されたNPN形のカレントミラー用第1のトランジスタと、当該カレントミラー用第1のトランジスタとベースが相互に接続されたNPN形のカレントミラー用第2のトランジスタとを有し、前記カレントミラー用第1及び第2のトランジスタのエミッタには、共に第2の電源電圧が印加され、前記カレントミラー用第1のトランジスタのコレクタは、前記プリドライバ部の第1のトランジスタのコレクタに接続される一方、前記カレントミラー用第2のトランジスタのコレクタは、前記電流検出用抵抗器の一端に接続され、
    前記プッシュプル出力段を構成するハイサイド側のトランジスタのベースが、前記プリドライバ部のPNP形の第1のトランジスタのエミッタに接続され、
    前記過電流保護用のPNP形トランジスタのコレクタと、前記電流検出用抵抗器と前記過電流保護回路用カレントミラーのカレントミラー用第2のトランジスタのコレクタとの接続点との間に、キャパシタが接続され、
    前記過電流保護用抵抗器の両端に、前記第1の定電流源とほぼ等しい温度特性を有する過電流保護回路用の定電流源が並列接続されて設けられてなることを特徴とする演算増幅器。
  2. 前記過電流保護用のPNP形トランジスタのベースと、前記電流検出用抵抗器と前記過電流保護回路用カレントミラーのカレントミラー用第2のトランジスタのコレクタとの接続点との間に、ベース抵抗器が接続されてなることを特徴とする請求項記載の演算増幅器。
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