JP5172486B2 - 同期点検出方法及び通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、同期点のタイミングを検出する同期点検出方法、及び、それを用いた電力線通信装置に関する。
近年、家庭内の電力線を通信用の伝送路として利用する電力線通信(PLC:Power Line Communications)技術が実用化され、この技術を採用した電力線通信装置がPLCモデム等の装置として市販されている。
例えば、共通の電力線に接続された第1の電力線通信装置と第2の電力線通信装置とが存在し、これらの間で双方向の通信を行う場合には、信号の伝送路である電力線は1つだけなので、第1の電力線通信装置が送出する信号と第2の電力線通信装置が送出する信号とが伝送路上で衝突することなく、しかも伝送路を効率的に利用して通信できるように、第1の電力線通信装置と第2の電力線通信装置との間で送受信のタイミングの同期を取る必要がある。
電力線通信においては、一般的に伝送路である電力線上にAC100Vなどの正弦波の交流電力が供給されるので、この交流電力の波形から基準となるタイミングを検出し、通信の同期のために利用することができる。すなわち、それぞれのPLCモデムに電力線から共通の交流電力が印加されるので、それぞれのPLCモデムが交流電力の波形から基準となるタイミングを検出することにより、各局(PLCモデム)が管理している通信のタイミングを一致させることが可能である。
電力線上に現れる交流波形に同期したタイミングを検出するためには、例えば発光ダイオードとフォトトランジスタとで構成されるフォトカプラが用いられる。フォトカプラを用いることにより、入力側の回路(電力線側)と出力側の回路とを電気的に絶縁し、入力側の波形のタイミングを簡単に検出することが可能になる。
例えば、図16に示すようなフォトカプラを用いた検出回路を用いる。この検出回路では、入力される交流電圧が負極性の区間ではフォトカプラPCの発光ダイオードに電流が流れないため、フォトトランジスタにも電流が流れず、出力側のトランジスタQ1がオフになって出力電圧(SS)が高電位(H)になる。また、入力される交流電圧が負極性からゼロクロス点を横切って正極性になる時に、この電圧がフォトカプラPCの所定の閾値を上回ると、フォトトランジスタに電流が流れて、出力側のトランジスタQ1がオンになって出力電圧(SS)が低電位(L)に変化する。更に、交流電圧の半周期程度の時間を経過して入力される交流電圧が正極性からゼロクロス点に近づくときには、この電圧がフォトカプラPCの所定の閾値を下回ると、フォトトランジスタに十分な電流が流れなくなり、出力側のトランジスタQ1がオフになって出力電圧(SS)が高電位(H)に変化する。なお、例えば、R1=100kΩもしくは400kΩ、R2=4.7kΩ、R3=4.7kΩ、R4=100kΩ、Vcc=3.3Vとすることができる。
このような図16に示す検出回路により、図17に示すように電源の交流波形(入力信号:Vinput)に同期した矩形波の信号(出力信号:Voutput)を取り出すことができる。すなわち、交流波形の電圧が正極性の区間と負極性の区間とでレベルが二値的に変化する矩形波が得られる。従って、電源の交流波形の電圧が負極性から正極性に変化するゼロクロス点又は交流波形の電圧が正極性から負極性に変化するゼロクロス点のタイミングを検出できる。
なお、同期タイミングを検出する方法として、フォトダイオードを含むフォトカプラが所定の閾値に基づいて電源周期に同期した信号を生成する技術(例えば、特許文献1参照)、室外機から受信した伝送信号の受信タイミングのオンオフのタイミングと、交流電源のゼロクロス時刻から次の周期の伝送信号の受信タイミングを検知する技術(例えば、特許文献2参照)、電源周期に同期した基本周期と2倍周期から、電源周期の特定の位相の期間を検出する技術(例えば、特許文献3参照)が知られている。
特開平9−116525号公報 特開平10−290184号公報 特開2003−8479号公報
しかしながら、電源の交流波形のゼロクロス点を従来技術で検出する場合には、検出されるタイミングに比較的大きな検出誤差が発生する可能性がある。例えば、フォトカプラを利用する場合には、フォトカプラの電流伝達率(CTR:Current Transfer Ratio)特性が誤差の原因になりうる。フォトカプラの電流伝達率は、出力側のフォトトランジスタに流れる電流と入力側の発光ダイオードに流れる電流との比を表す。フォトカプラの電流伝達率は、個体ばらつきとして一般的に50〜300程度の値をとり、更に経年変化や周囲温度の影響を受けて変化する可能性がある。
フォトカプラのCTRが変化すると、フォトカプラ自体及び出力側に接続されるトランジスタの動作点(しきい値電圧:例えば0.7V)と電源の交流波形の電圧との関係が変化するので、交流波形のゼロクロス点を検出するタイミングにずれが生じる。
ここで、CTRが1/4に変化した場合の検出誤差についてのシミュレーション検証結果について説明する。図16に示した回路において、CTRが1/4になる変化を模擬するために、フォトカプラの入力側に接続した抵抗R1の抵抗値が100kΩから400kΩに変化した場合(フォトダイオードに流れる電流が1/4になった場合と等価)に出力される信号の波形及びタイミングの変化をシミュレータ(SPICE)を用いて検証した。その結果、出力電圧の低レベル(L)から高レベル(H)への立ち上がりのタイミングについては、低レベルから高レベルへ変化する動作点電圧が0.8Vの場合を想定すると、図18に示すように、CTR変化前の出力信号(Voutput)とCTR変化後の出力信号(Voutput2)とは220μsecの時間差が発生することが確認できた。また、出力電圧の高レベルから低レベルへの立ち下がりのタイミングについては、高レベルから低レベルへ変化する動作点電圧が2.0Vの場合を想定すると、図19に示すように、CTR変化前の出力信号(Voutput)とCTR変化後の出力信号(Voutput2)とは250μsecの時間差が発生することが確認できた。
全体的な傾向としては、図20に示すように、CTRが低下すると出力信号(矩形波)の立ち上がりは変化前と比べて時間的に前方にシフトし、立ち下がりは時間的に後方にシフトする。シフト時間は前方と後方とでほぼ等しい。これは、交流波形の電圧を二値信号に変換する回路(フォトカプラ等)の出力が高レベルから低レベルへ変化するために必要な入力電流(電圧)と、出力が低レベルから高レベルへ変化するために必要な入力電流(電圧)とがCTRに応じて変化するためである。
交流波形のゼロクロス点を検出する際に上記のように大きな時間差(220〜250μsec)が発生すると、前述のような電力線通信装置においては、通信のタイミングに大きな誤差が発生する可能性があるので、タイムスロットの時間幅が小さい場合のように時間的な余裕が小さい場合には、共通の伝送路である電力線上で信号の衝突等が生じ、高速な通信を妨げる可能性がある。
しかし、例えばCTR特性のばらつきが小さいフォトカプラ等の回路素子を選別したり、環境変化や経年変化等の影響を補償するような回路要素を追加したりすると大幅に製造コストが嵩むことになる。
本発明は、フォトカプラ等の回路素子の特性劣化の影響を低減し、交流波形に正確に同期したタイミングを検出することが可能な同期点検出方法及び電力線通信装置を提供することを目的とする。
本発明の同期点検出方法は、交流電源の交流波形から二値信号を生成する検出回路の出力に基づいて、前記交流波形の同期点を検出するための同期点検出方法であって、前記検出回路から出力される二値信号に基づいて、前記交流波形の電圧が所定電圧未満から所定電圧以上に変化した時点を示す第1変化点を検出するステップと、前記検出回路から出力される二値信号に基づいて、前記交流波形の電圧が所定電圧以上から所定電圧未満に変化した時点を示す第2変化点を検出するステップと、前記第1変化点から前記第1変化点に後続する前記第2変化点までの期間を示す第1期間の長さを計測するステップと、前記第2変化点から前記第2変化点に後続する前記第1変化点までの期間を示す第2期間の長さを計測するステップと、前記第1期間の長さと前記第2期間の長さとの差に基づいて、補正値を検出するステップと、前記補正値と前記第1変化点または前記第2変化点とに基づいて、前記同期点を検出するステップと、を有する。
この同期点検出方法によれば、フォトカプラ等の回路素子の特性劣化の影響を低減し、交流波形に正確に同期したタイミングを検出することが可能である。第1期間と第2期間との和(交流波形の1周期に相当)は一定であるため、上記タイミングのずれは、第1期間と第2期間との差分として現れる。そこで、この差分から求められる補正値を利用して同期点の正しいタイミングを検出することが可能になる。
また、本発明の同期点検出方法は、前記第1期間の長さをTaとし、前記第2期間の長さをTbとした場合に、前記補正値が|Tb−Ta|/4であってもよい。
また、本発明の同期点検出方法は、前記同期点が前記第2変化点から|Tb−Ta|/4の期間が経過した時点であってもよい。
この同期点検出方法によれば、フォトカプラ等の回路素子の特性劣化の影響を低減し、交流波形に正確に同期したタイミングを検出することが可能である。例えば、交流波形の同期点は、経年変化や温度変化によりゼロクロス点と線対称にずれる。この場合、時間的に前方向のずれ量および後ろ方向のずれ量ΔTは同等である。フォトカプラを検出器として用いた場合、第1期間はCTR特性が劣化するとΔT×2だけ短くなる。また、第2期間はCTR特性が劣化するとΔT×2だけ長くなる。したがって、第2期間と第1期間の差分時間の(1/4)はずれ量を補償するために必要な補正値と等価になる。この補正値を用いることで、正しい同期点を検出することが可能である。
また、本発明の同期点検出方法は、前記第1の期間の長さをTaとし、前記第2の期間の長さをTbとした場合に、前記補正値がTa+Tb+|Tb−Ta|/4であってもよい。
また、本発明の同期点検出方法は、前記同期点が前記第1変化点からTa+Tb+|Tb−Ta|/4の期間が経過した時点であってもよい。
この同期点検出方法によれば、フォトカプラ等の回路素子の特性劣化の影響を低減し、交流波形に正確に同期したタイミングを検出することが可能である。例えば、交流波形の同期点は、経年変化や温度変化によりゼロクロス点と線対称にずれる。この場合、時間的に前方向のずれ量および後ろ方向のずれ量ΔTは同等である。フォトカプラを検出器として用いた場合、第1期間はCTR特性が劣化するとΔT×2だけ短くなる。また、第2期間はCTR特性が劣化するとΔT×2だけ長くなる。したがって、第2期間と第1期間の差分時間の(1/4)はずれ量を補償するために必要な補正値と等価になる。この補正値を用いることで、正しい同期点を検出することが可能である。
また、本発明の通信装置は、交流電源の交流波形の同期点を検出する通信装置であって、前記交流波形を変換して二値信号を出力する検出回路と、前記検出回路から出力される二値信号に基づいて、前記交流波形の電圧が所定電圧未満から所定電圧以上に変化した時点を示す第1変化点を検出する第1変化点検出部と、前記検出回路から出力される二値信号に基づいて、前記交流波形の電圧が所定電圧以上から所定電圧未満に変化した時点を示す第2変化点を検出する第2変化点検出部と、前記第1変化点から前記第1変化点に後続する前記第2変化点までの期間を示す第1期間の長さを計測する第1期間計測部と、前記第2変化点から前記第2変化点に後続する前記第1変化点までの期間を示す第2期間の長さを計測する第2期間計測部と、前記第1期間の長さと前記第2期間の長さとの差に基づいて、補正値を検出する補正値検出部と、前記補正値と前記第1変化点または前記第2変化点とに基づいて、前記同期点を検出する同期点検出部と、前記同期点に基づいて、他の通信装置との間で通信を行う通信部と、を備える。
の通信装置によれば、正確な同期に基づいて他の通信装置と通信を行うことが可能となるため、通信の品質を向上させることができる。したがって、例えば、通信に用いるタイムスロットの時間幅を短くし、かつ、タイムスロットの総数を増やしても、正確な同期が可能である。そのため、信号伝送速度の向上や伝送路の利用効率の向上が可能になる。
本発明は、フォトカプラ等の回路素子の特性劣化の影響を低減し、交流波形に正確に同期したタイミングを検出することが可能である。また、電力線通信における信号伝送速度の向上や伝送路の利用効率の向上が可能になる。
以下、本発明の実施形態の同期点検出方法および電力線通信装置について、図面を用いて説明する。
なお、本発明の実施形態の電力線通信装置は、同期点検出方法を行うための装置の一例である。以下、電力線通信装置により同期点検出を行うことを想定して説明する。
図1は、電力線通信装置の一例であるPLC(Power Line Communication)モデム100の前面を示す外観斜視図、図2は、PLCモデム100の背面を示す外観斜視図である。図1、図2に示すPLCモデム100は、筐体101を有しており、筐体101の前面には、図1に示すようにLED(Light Emitting Diode)等の表示部105が設けられている。
また、筐体101の背面には、図2に示すように電源コネクタ102、及びRJ45等のLAN(Local Area Network)用モジュラージャック103、及び動作モードを切換える切換えスイッチ104が設けられている。
また、筐体の上面には、ボタン106が設けられている。ボタン106は、PLCモデム100を通信可能状態とするための処理(登録処理)を開始するためのセットアップボタンとしての機能を有する。尚、例示として筐体101の上面に設けるとしたが、この位置に限られることはない。
電源コネクタ102には、図示しない電源ケーブルが接続され、モジュラージャック103には、図示しないLANケーブルが接続される。なお、PLCモデム100には、さらにDsub(D−subminiature)コネクタを設け、Dsubケーブルを接続するようにしてもよい。
なお、電力線通信装置の一例としてPLCモデム100を示したが、電力線通信装置としては、PLCモデムを内蔵した電気機器でもよい。電気機器としては、例えば、テレビ、電話、ビデオデッキ、セットトップボックスなどの家電機器や、パーソナルコンピュータ、ファクス、プリンターなどの事務機器がある。
また、PLCモデム100は、電力線700に接続され、他のPLCモデム100と共に電力線通信システムを構成する。
次に、図3に、主にPLCモデム100のハードウェア構成の一例を示す。PLC100は、回路モジュール200及びスイッチング電源300を有している。スイッチング電源300は、各種(例えば、+1.2V、+3.3V、+12V)の電圧を回路モジュール200に供給するものであり、例えば、スイッチングトランス、DC−DCコンバータ(いずれも図示せず)を含んで構成される。
回路モジュール200には、メインIC(Integrated Circuit)210、AFE・IC(Analog Front END・Integrated Circuit)220、イーサネットPHY・IC(Physical layer・Integrated Circuit)230、メモリ240、ローパスフィルタ(LPF)251、ドライバIC252、バンドパスフィルタ(BPF)260、カプラ270、AMP(増幅器)IC281、およびADC(AD変換)IC282が設けられている。スイッチング電源300及びカプラ270は、電源コネクタ102に接続され、さらに電源ケーブル600、電源プラグ400、コンセント500を介して電力線700に接続される。なお、メインIC210は電力線通信を行う制御回路として機能する。
メインIC210は、CPU(Central Processing Unit)211、PLC・MAC(Power Line Communication・Media Access Control layer)ブロック212、及びPLC・PHY(Power Line Communication・Physical layer)ブロック213で構成されている。
CPU211は、32ビットのRISC(Reduced Instruction Set Computer)プロセッサを実装している。PLC・MACブロック212は、送受信信号のMAC層(Media Access Control layer)を管理し、PLC・PHYブロック213は、送受信信号のPHY層(Physical layer)を管理する。
AFE・IC220は、DA変換器(DAC;D/A Converter)221、AD変換器(ADC;A/D Converter)222、及び可変増幅器(VGA;Variable Gain Amplifier)223で構成されている。カプラ270は、コイルトランス271、及びカップリング用コンデンサ272a、272bで構成されている。
なお、CPU211は、メモリ240に記憶されたデータを利用して、PLC・MACブロック212、及びPLC・PHYブロック213の動作を制御するとともに、PLCモデム100全体の制御も行う。
PLCモデム100による通信は、概略次のように行われる。モジュラージャック103から入力されたデータは、イーサネットPHY・IC230を介してメインIC210に送られ、デジタル信号処理を施すことによってデジタル送信信号が生成される。生成されたデジタル送信信号は、AFE・IC220のDA変換器(DAC)221によってアナログ信号に変換され、ローパスフィルタ251、ドライバIC252、カプラ270、電源コネクタ102、電源ケーブル600、電源プラグ400、コンセント500を介して電力線700に出力される。
電力線700から受信された信号は、カプラ270を経由してバンドパスフィルタ260に送られ、AFE・IC220の可変増幅器(VGA)223でゲイン調整がされた後、AD変換器(ADC)222でデジタル信号に変換される。そして、変換されたデジタル信号は、メインIC210に送られ、デジタル信号処理を施すことによって、デジタルデータに変換される。変換されたデジタルデータは、イーサネットPHY・IC230を介してモジュラージャック103から出力される。
図3に示したPLCモデム100の機能上の構成例が図4に示されている。図4に示すように、PLCモデム100は、データ通信器10と、通信制御器20と、ACサイクル検出器30とを備えている。
データ通信器10は、図3に示すメインIC210に含まれ、一般的なモデムと同様にデータ通信のための基本的な制御や変復調を含む信号処理を行う電気回路である。すなわち、図示しないパソコンなどの通信端末から出力されるデータ信号を変調して送信信号(データ)として出力すると共に、電力線700側から入力されるデータ信号を受信信号(データ)として復調してパソコンなどの通信端末に出力する。また、電力線700を使用できるかどうかを確認するために、データ通信器10は、通信する前に、通信制御器20に所定の通信要求信号を出力する。また、データ通信器10は、通信制御器20からの指示に基づいた周波数帯や時間帯にてデータ通信を行う。
通信制御器20は、ACサイクル検出器30が出力する同期信号SSのタイミングに同期して、複数種類のPLCモデム100が電力線700上で共存するために必要な制御を行う。すなわち、データ通信器10から入力される通信要求に従って、自局(PLCモデム100)が電力線700を使用するための優先権獲得のための制御を行う。また、他の通信装置(他のPLCモデム100)との間で優先権獲得のネゴシエーションを行うために、通信制御器20は制御信号を電力線700に送出し、電力線700から制御信号を受信する。
ACサイクル検出器30は、複数種類のPLCモデム100が共通のタイミングで制御を実施するために必要な同期信号を生成する。実際には、電力線700上には、商用電源波形、すなわち、日本では50Hz又は60Hzの正弦波からなる交流電圧波形ACが現れるので、この交流電圧波形ACの電圧のゼロクロス点を検出し、このタイミングを基準とする同期信号SSを生成する。なお、図4に示す同期信号SSは、一例であるが、交流電圧波形ACのゼロクロス点に同期した複数のパルスからなる矩形波である。交流電圧波形ACは、電力線の交流波形の一例であって、交流電流波形や交流電力波形であってもよい。
次に、交流電圧波形ACのタイミングを利用して同期を取る場合の共存処理に関する具体的な動作例について説明する。図5は、交流電圧波形ACを利用した共存処理に関するタイムチャートであり、複数のPLCモデム100間で通信する場合の通信区間の割り当ての具体例を示すタイムチャートである。
ここでは、PLCモデム100Aおよび100Bが電力線700を介して電力線通信を行うことを想定して説明する。また、PLCモデム100Aおよび100Bの両者に共通する説明は、単にPLCモデム100として説明する。
PLCモデム100は、ある期間(例えばn秒間)を等間隔で複数の小区間に区分し、それぞれの小区間を独立した通信用のタイムスロットとして時分割で使用している。タイムスロットの構成は周期性を有しており、その周期の開始点は、ゼロクロス点などの同期点と同期させる。
図5に示すように、制御信号の送受信のために利用される制御信号区間と、データ信号の送受信のために利用されるデータ通信用区間とが設けてあり、これらの区間は周期的に繰り返し現れる。また、データ通信用区間は、例えば4つのタイムスロットA1、A2、A3、A4に区分されている。更に、制御信号区間の内側には、タイムスロットA1の使用権を要求するための区間a1と、タイムスロットA2の使用権を要求するための区間a2と、タイムスロットA3の使用権を要求するための区間a3と、タイムスロットA4の使用権を要求するための区間a4とが設けてある。
本実施形態では、データ通信方式として同じ通信方式の場合を例示しているが、一般的にはデータ通信方式は複数存在し、PLCモデムで異なる場合がある。制御信号のみ常に共通である。
例えば、図5に示すように、区間a1でPLCモデム100AがタイムスロットA1の使用権を要求し、タイムスロットA1の獲得に成功すると、タイムスロットA1のタイミングはPLCモデム100Aにとっては送信に利用可能な状態(USEステータス)になり、PLCモデム100Bにとっては送信できない待機状態(WAITステータス)になる。また、区間a3でPLCモデム100BがタイムスロットA3の使用権を要求し、タイムスロットA3の獲得に成功すると、タイムスロットA3のタイミングはPLCモデム100Bにとっては送信に利用可能な状態(USEステータス)になり、PLCモデム100Aにとっては送信できない待機状態(WAITステータス)になる。
続いて、制御信号区間を使用してネゴシエーションのための制御信号を送受信する通信制御器20の内部機能構成について説明する。図6は本発明の実施形態における通信制御器の概略構成を示すブロック図である。
図6に示すように、通信制御器20は制御部21、信号発生器22、D/A変換器23、ローパスフィルタ24、バンドパスフィルタ25、AGC回路26、A/D変換器27、及びFFT( 高速フーリエ変換)回路28を備えている。
制御部21は、図3に示されるメインIC210のPLC・MACブロック212に含まれ、データ通信器10から入力される通信要求や、図4に示す制御信号に従い、ACサイクル検出器30から入力される同期信号SSのタイミングに同期して通信制御器20の全体の制御を行うデジタル回路である。
信号発生器22は、図3に示されるメインIC210のPLC・PHYブロック213に含まれ、制御部21の指示に従って、電力線700に接続された他のPLCモデムとの間のネゴシエーションに必要な信号の波形パターンを発生する。この信号はマルチキャリア信号であり、この形態ではOFDM信号が制御信号として生成される。なお、変調方式としては、特にOFDMに限る必要はなく、例えば、W−OFDM(ウェーブレット変換をベースとしたOFDM)やSSを用いてよい。
D/A 変換器23は、図3に示されるAFE・IC220のDACブロック221に含まれ、信号発生器22から出力されるデジタルのOFDM信号をアナログ信号に変換する。ローパスフィルタ(LPF)( バンドパスフィルタでもよい)24は、図3に示されるLPFブロック251に含まれ、前述の制御信号帯域の周波数成分だけを電力線700に出力するために不要な周波数成分の通過を阻止する。
バンドパスフィルタ(BPF)25は、図3に示されるBPFブロック260に含まれ、電力線700上に現れた信号の中から制御信号帯域の周波数成分だけを抽出してAGC回路26に出力する。AGC回路26は、図3に示されるAFE・IC220のVGAブロック223に含まれ、減衰して入力された信号が規定のレベルになるように、自動的に利得を制御して信号を増幅する。
A/D変換器27は、図3に示されるAFE・IC220のADCブロック222に含まれ、AGC回路26から入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。FFT回路28は、図3に示されるメインIC210のPLC・PHYブロック213に含まれ、A/D変換器27から入力されるデジタル信号に対して所定の高速フーリエ変換処理を施し、時間領域で並んで現れるマルチキャリア信号を周波数領域の信号に変換する。FFT回路28は、例えば128ポイントのFFT処理を行えばよい。なお、FFT回路28の代わりに相関器を用いてもよい。
制御部21は、FFT回路28が出力する信号を調べて、他のPLCモデム100が制御信号として送出した信号の有無を確認する。
このように、通信制御部20は、ACサイクル検出器30が交流電圧波形ACに基づいて生成する同期信号のタイミングに同期して制御を実施するので、共通の電力線700に接続された他のPLCモデム100との間で制御のタイミングを同期させることが可能である。
ところで、図4に示すACサイクル検出器30は、電源の交流電圧波形の電圧が、負極性の電圧からゼロクロス点を横切って正極性に変化するタイミングや、正極性の電圧からゼロクロス点を横切って負極性に変化するタイミングをゼロクロス点として検出する回路であるが、実際には、入力電圧がトランジスタなどの能動素子の特性によって定まる所定の閾値を超えたかどうか、あるいは所定の閾値を下回ったかどうかを表す二値信号を同期信号SSとして出力する。
ACサイクル検出器30としては、例えば、先に説明した図16に示した検出回路を用いることができる。図16に示す検出回路においては、発光ダイオードとフォトトランジスタとで構成されるフォトカプラPCを利用して入力される交流電圧から二値信号の出力電圧を生成している。なお、ACサイクル検出器30から出力される同期信号SSが高電位(H)から低電位(L)に変化するタイミング及び同期信号SSが低電位(L)から高電位(H)に変化するタイミングは、先に説明した図20に示すように、交流波形の実際のゼロクロス点からずれることがある。そこで、ゼロクロス点などの同期点が所望のタイミングからずれている場合であっても、正しい同期点のタイミングを検出できるように、通信制御器20内の制御部21は、以下に説明するような処理を行っている。
(同期点検出に関する処理例1)
処理例1について、図7及び図8を参照しながら説明する。図7は正しい同期点を検出するための処理例1を示すフローチャートである。図8は図7に示す処理に対応する信号のタイミングを表すタイムチャートである。なお、図8中に破線で示す同期信号SSは、特性の変化に応じたタイミングの変動を表している。
図7に示すステップS11では、制御部21は、ACサイクル検出器30の出力信号である同期信号SSの電位を監視して、これが高レベル(H)から低レベル(L)に立ち下がる点Pa(図8に示す第1変化点であるPa(1)に相当)のタイミングを検出する。また、ここで時間を測定するためのタイマ(図示せず)を起動する。
ステップS12では、制御部21は、同期信号SSの電位を監視して、これが低レベル(L)から高レベル(H)に立ち上がる点Pb(図8に示す第2変化点であるPb(1)に相当)のタイミングを検出する。
ステップS13では、制御部21は、タイマを調べることにより、ステップS11で点Paを検出してからステップS12で点Pbを検出するまでの時間、すなわち図8に示す第1期間である期間Taの長さを測定する。また、ここでタイマを再起動する。なお、期間Taは、
ステップS14では、制御部21は、同期信号SSの電位を監視して、これが高レベル(H)から低レベル(L)に立ち下がる点Pa(図8に示すPa(2)に相当)のタイミングを検出する。
ステップS15では、制御部21は、タイマを調べることにより、ステップS12で点Pb(1)を検出してからステップS14で点Pa(2)を検出するまでの時間、すなわち図8に示す第2期間である期間Tbの長さを測定する。
ステップS16では、制御部21は、補正値を計算する。具体的には、ステップS13で得られた期間Taの長さとステップS15で得られた期間Tbの長さとの差分の絶対値の(1/4)を補正値とする。
ステップS17では、制御部21は、同期信号SSの電位を監視して、これが低レベル(L)から高レベル(H)に立ち上がる点Pb(図8に示すPb(2)に相当)のタイミングを検出する。このタイミングを検出すると次のステップS18に進む。
ステップS18では、補正値の値をタイマにセットし、点Pb(2)を検出した時点からの経過時間を監視する。そして、点Pb(2)から補正値の時間((Tb−Ta)/4)を経過した時点を正しい同期点として検出する。
なお、図7に示した処理については、マイクロプロセッサのソフトウェア処理によって実現することもできるが、時間的に余裕がない場合には専用の論理回路を用いて処理すればよい。
図8に実線で示す同期信号SSと破線で示す同期信号SSとの違いから分かるように、フォトカプラPC等の特性変化に伴って例えば同期信号SSの立ち上がりのタイミングが時間的に前方にΔT1移動すると、立ち下がりのタイミングは時間的に後方にΔT2だけ移動する。ΔT1とΔT2は同等の時間になる。従って、検出される期間Tb’は、変化前のTbと比べて(ΔT1+ΔT2)だけ長くなる。一方、検出される期間Ta’は変化前のTaと比べて(ΔT1+ΔT2)だけ短くなる。従って、同期信号SSの立ち上がりのタイミングから((|Tb−Ta|)/4)で表される補正値の時間だけ遅れた時点を同期点に修正すれば、この同期点を正しいゼロクロス点に近づけることができる。
(同期点検出に関する処理例2)
処理例2について、図9及び図10を参照しながら説明する。図9は正しい同期点を検出するための処理例2を示すフローチャートである。図10は図9に示す処理に対応する信号のタイミングを表すタイムチャートである。
図9に示すステップS21では、制御部21は、ACサイクル検出器30の出力信号である同期信号SSの電位を監視して、これが高レベル(H)から低レベル(L)に立ち下がる点Pa(図10に示すPa(1)に相当)のタイミングを検出する。また、ここで時間を測定するためのタイマ(図示せず)を起動する。
ステップS22では、制御部21は、同期信号SSの電位を監視して、これが低レベル(L)から高レベル(H)に立ち上がる点Pb(図10に示すPb(1)に相当)のタイミングを検出する。
ステップS23では、制御部21は、タイマを調べることにより、ステップS21で点Paを検出してからステップS22で点Pbを検出するまでの時間、すなわち図10に示す期間Taの長さを測定する。また、ここでタイマを再起動する。
ステップS24では、制御部21は、同期信号SSの電位を監視して、これが高レベル(H)から低レベル(L)に立ち下がる点Pa(図10に示すPa(2)に相当)のタイミングを検出する。
ステップS25では、制御部21は、タイマを調べることにより、ステップS22で点Pb(1)を検出してからステップS24で点Pa(2)を検出するまでの時間、すなわち図10に示す期間Tbの長さを測定する。また、タイマの値を読み取った後で直ちにこのタイマを再起動する。
ステップS26では、制御部21は、交流電圧波形ACの1周期の期間T0を求める。すなわち、ステップS23で検出した期間TaとステップS25で検出した期間Tbとの和が1周期期間T0になる。
ステップS27では、制御部21は、補正値を計算する。具体的には、ステップS26で求めた1周期期間T0から誤差分に相当する値((|Ta−Tb|)/4)を差し引いた結果を補正値とする。
ステップS28では、制御部21は、ステップS25で再起動したタイマの値(経過時間)を監視して、この値がステップS27で求めた補正値に達したか否かを調べる。つまり、図10に示す点Pa(2)からの経過時間が補正値に達したかどうかを識別する。
タイマの値が補正値に達した場合には、ステップS28からステップS29に進み、制御部21は、この時点を正しい同期点として検出する。
なお、図9に示した処理については、マイクロプロセッサのソフトウェア処理によって実現することもできるが、時間的に余裕がない場合には専用の論理回路を用いて処理すればよい。
図10に実線で示す同期信号SSと破線で示す同期信号SSとの違いから分かるように、フォトカプラPC等の特性変化に伴って例えば同期信号SSの立ち上がりのタイミングが時間的に前方にΔT1移動すると、立ち下がりのタイミングは時間的に後方にΔT2だけ移動する。ΔT1とΔT2は同等の時間になる。従って、検出される期間Tb’は、変化前のTbと比べて(ΔT1+ΔT2)だけ長くなる。一方、検出される期間Ta’は変化前のTaと比べて(ΔT1+ΔT2)だけ短くなる。従って、同期信号SSの立ち上がり又は立ち下がりのタイミングから誤差分の時間((|Tb−Ta|)/4)だけ修正した点を正しい同期点として検出すれば、この同期点を正しいゼロクロス点に近づけることができる。
但し、例えば図10における同期点は、立ち下がり点Pa(3)よりも時間的に少し前方に位置しているので、立ち下がり点Pa(3)を検出した後では修正できない。そこで、1周期期間T0から誤差分を差し引いた結果を補正値として採用している。
(同期点検出に関する処理例3)
処理例3について、図11及び図12を参照しながら説明する。図11は正しい同期点を検出するための処理例3を示すフローチャートである。図12は図11に示す処理に対応する信号のタイミングを表すタイムチャートである。
図11に示すステップS31では、制御部21は、ACサイクル検出器30の出力信号である同期信号SSの電位を監視して、これが高レベル(H)から低レベル(L)に立ち下がる点Pa(図12に示すPa(1)に相当)のタイミングを検出する。また、ここで時間を測定するためのタイマ(図示せず)を起動する。
ステップS32では、制御部21は、同期信号SSの電位を監視して、これが低レベル(L)から高レベル(H)に立ち上がる点Pb(図12に示すPb(1)に相当)のタイミングを検出する。
ステップS33では、制御部21は、タイマを調べることにより、ステップS31で点Paを検出してからステップS32で点Pbを検出するまでの時間、すなわち図12に示す期間Taの長さを測定する。
ステップS34では、制御部21は、補正値を求める。具体的には、ステップS33で得られた期間Taの長さの半分の時間を補正値に決定する。
ステップS35では、制御部21は、同期信号SSの電位を監視して、これが高レベル(H)から低レベル(L)に立ち下がる点Pa(図12に示すPa(2)に相当)のタイミングを検出する。
ステップS36では、制御部21は、タイマにステップS34で決定した補正値をセットしてタイマを再起動し、補正値の時間が経過するまで待機する。そして、補正値の時間が経過した時点を正しい同期点として検出する。
図12に実線で示す同期信号SSと破線で示す同期信号SSとの違いから分かるように、フォトカプラPC等の特性変化に伴って例えば同期信号SSの立ち上がりのタイミングが時間的に前方にΔT1移動すると、立ち下がりのタイミングは時間的に後方にΔT2だけ移動する。ΔT1とΔT2は同等の時間になる。従って、検出される期間Ta’は変化前のTaと比べて(ΔT1+ΔT2)だけ短くなる。
しかし、ΔT1とΔT2の長さは同等の時間なので、点Paと次の点Pbとの中央のタイミングについては、交流波形の所定の位相(ここでは90度)とのずれがほとんど生じない。そこで、同期信号SSの立ち下がりのタイミングから期間Taの半分に相当する補正値を経過した時点を同期点として採用すれば、特性の変化による影響を低減できる。
(同期点検出に関する処理例4)
処理例4について、図13及び図14を参照しながら説明する。図13は正しい同期点を検出するための処理例4を示すフローチャートである。図14は図13に示す処理に対応する信号のタイミングを表すタイムチャートである。
図13に示すステップS41では、制御部21は、ACサイクル検出器30の出力信号である同期信号SSの電位を監視して、これが低レベル(L)から高レベル(H)からに立ち上がる点Pa(図14に示すPa(1)に相当)のタイミングを検出する。また、ここで時間を測定するためのタイマ(図示せず)を起動する。
ステップS42では、制御部21は、同期信号SSの電位を監視して、これが高レベル(H)から低レベル(L)に立ち下がる点Pb(図14に示すPb(1)に相当)のタイミングを検出する。
ステップS43では、制御部21は、タイマを調べることにより、ステップS41で点Paを検出してからステップS42で点Pbを検出するまでの時間、すなわち図14に示す期間Tbの長さを測定する。
ステップS44では、制御部21は、補正値を求める。具体的には、ステップS43で得られた期間Tbの長さの半分の時間を補正値に決定する。
ステップS45では、制御部21は、同期信号SSの電位を監視して、これが低レベル(L)から高レベル(H)に立ち上がる点Pa(図14に示すPa(2)に相当)のタイミングを検出する。
ステップS46では、制御部21は、タイマにステップS44で決定した補正値をセットしてタイマを再起動し、補正値の時間が経過するまで待機する。そして、補正値の時間が経過した時点を正しい同期点として検出する。
図14に実線で示す同期信号SSと破線で示す同期信号SSとの違いから分かるように、フォトカプラPC等の特性変化に伴って例えば同期信号SSの立ち上がりのタイミングが時間的に前方にΔT1移動すると、立ち下がりのタイミングは時間的に後方にΔT2だけ移動する。ΔT1とΔT2は同等の時間になる。従って、検出される期間Tb’は変化前のTbと比べて(ΔT1+ΔT2)だけ長くなる。
しかし、ΔT1とΔT2の長さは同等の時間なので、点Paと次の点Pbとの中央のタイミングについては、交流波形の所定の位相(ここでは270度)とのずれがほとんど生じない。そこで、同期信号SSの立ち上がりのタイミング(Pa(2))から期間Tbの半分に相当する補正値を経過した時点を同期点として採用すれば、特性の変化による影響を低減できる。
前述の各処理を行うことによって得られる同期点の誤差の低減に関する具体的な数値が図15にまとめて示してある。図15において、「立ち上がり点」及び「立ち下がり点」の数値(時間)は補正前の同期点のずれ量を表し、「同期点1」は図7に示す処理を行った結果として得られる同期点に関するずれ量を表し、「同期点2」は図9に示す処理を行った結果として得られる同期点に関するずれ量を表し、「同期点3」は図11に示す処理を行った結果として得られる同期点に関するずれ量を表し、「同期点4」は図13に示す処理を行った結果として得られる同期点に関するずれ量を表している。
図15に示す結果から分かるように、図7、図9、図11、図13のいずれかに示す処理を行うことにより、同期点の検出精度を大幅に改善することが可能になる。
さらに、同期点の検出精度を改善することで、下記の効果も期待できる。
先に説明した図5に示す例では、分割されたタイムスロットが4つの場合を想定しているが、各タイムスロットの時間幅を短くすれば、同じ長さのデータ通信用区間の中により多くのタイムスロットを配置することが可能になる。タイムスロットの数を増やすことにより、PLCモデム100Aが送信に利用可能なタイムスロットの数とPLCモデム100Bが送信に利用可能なタイムスロットの数との比率を細かく調整することが可能になり、伝送路の利用効率を高めて効率の良い通信が実現する。
同期点の検出精度を向上させることで、電力線通信を行うためのタイムスロットの時間幅を短くし、かつ、タイムスロットの総数を増やすことが可能であり、通信速度の向上や伝送路の利用効率の向上が可能である。
以上のように、本発明は、フォトカプラ等の回路素子の特性劣化の影響を低減し、交流波形に正確に同期したタイミングを検出することが可能な同期点検出方法及び電力線通信装置等として有用である。
本発明の実施形態におけるPLCモデムの前面を示す外観斜視図 本発明の実施形態におけるPLCモデムの背面を示す外観斜視図 本発明の実施形態におけるPLCモデムのハードウェアの一例を示した図 本発明の実施形態におけるPLCモデムの機能構成の一例を示すブロック図 本発明の実施形態における交流電圧波形を利用した共存処理の一例を示すタイムチャート 本発明の実施形態における通信制御器の概略構成を示すブロック図 本発明の実施形態における同期点を検出するための処理例1を示すフローチャート 本発明の実施形態における同期点を検出するための処理例1に対応する信号のタイミングを表すタイムチャート 本発明の実施形態における同期点を検出するための処理例2を示すフローチャート 本発明の実施形態における同期点を検出するための処理例2に対応する信号のタイミングを表すタイムチャート 本発明の実施形態における同期点を検出するための処理例3を示すフローチャート 本発明の実施形態における同期点を検出するための処理例3に対応する信号のタイミングを表すタイムチャート 本発明の実施形態における同期点を検出するための処理例4を示すフローチャート 本発明の実施形態における同期点を検出するための処理例4に対応する信号のタイミングを表すタイムチャート 本発明の実施形態における補正前及び補正後の同期点のずれ量を示す図 交流電源の交流波形に同期した信号を検出するためのフォトカプラを用いた検出回路の構成例を示す電気回路図 フォトカプラを用いた検出回路の入力信号電圧及び出力信号電圧の波形の具体例を示す波形図 CTRの異なるフォトカプラを用いた検出回路の出力信号電圧の立ち上がり時の波形の具体例を示す波形図 CTRの異なるフォトカプラを用いた検出回路の出力信号電圧の立ち下がり時の波形の具体例を示す波形図 フォトカプラを用いた検出回路の特性変化に伴って生じる出力信号電圧のタイミングの変化の具体例を示す波形図
符号の説明
100、100A、100B 電力線通信用モデム(PLCモデム)
101 筐体
102 電源コネクタ
103 LAN用モジュラージャック
104 切換えスイッチ
105 表示部
106 ボタン
200 回路モジュール
210 メインIC
211 CPU
212 PLC・MACブロック
213 PLC・PHYブロック
220 AFE IC
221 DAC
222 ADC
223 VGA
230 イーサネットPHY・IC
240 メモリ
251 LPF
252 ドライバIC
260 BPF
270 カプラ
271 コイルトランス
272a、272b カップリング用コンデンサ
281 AMP・IC
282 ADC・IC
300 スイッチング電源
400 電源プラグ
500 コンセント
600 電源ケーブル
700 電力線
10 データ通信器
20 通信制御器
21 制御部
22 信号発生部
23 D/A変換器
24 ローパスフィルタ
25 バンドパスフィルタ
26 AGC回路
27 A/D変換器
28 FFT回路
30 ACサイクル検出器
PC フォトカプラ

Claims (6)

  1. 交流電源の交流波形から二値信号を生成する検出回路の出力に基づいて、前記交流波形の同期点を検出するための同期点検出方法であって、
    前記検出回路から出力される二値信号に基づいて、前記交流波形の電圧が所定電圧未満から所定電圧以上に変化した時点を示す第1変化点を検出するステップと、
    前記検出回路から出力される二値信号に基づいて、前記交流波形の電圧が所定電圧以上から所定電圧未満に変化した時点を示す第2変化点を検出するステップと、
    前記第1変化点から前記第1変化点に後続する前記第2変化点までの期間を示す第1期間の長さを計測するステップと、
    前記第2変化点から前記第2変化点に後続する前記第1変化点までの期間を示す第2期間の長さを計測するステップと、
    前記第1期間の長さと前記第2期間の長さとの差に基づいて、補正値を検出するステップと、
    前記補正値と前記第1変化点または前記第2変化点とに基づいて、前記同期点を検出するステップと、
    を有する同期点検出方法。
  2. 請求項1に記載の同期点検出方法であって、
    前記第1期間の長さをTaとし、前記第2期間の長さをTbとした場合に、前記補正値は|Tb−Ta|/4である
    同期点検出方法。
  3. 請求項2に記載の同期点検出方法であって、
    前記同期点は前記第2変化点から|Tb−Ta|/4の期間が経過した時点である
    同期点検出方法。
  4. 請求項1に記載の同期点検出方法であって、
    前記第1の期間の長さをTaとし、前記第2の期間の長さをTbとした場合に、前記補正値はTa+Tb+|Tb−Ta|/4である
    同期点検出方法。
  5. 請求項4に記載の同期点検出方法であって、
    前記同期点は前記第1変化点からTa+Tb+|Tb−Ta|/4の期間が経過した時点である
    同期点検出方法。
  6. 交流電源の交流波形の同期点を検出する通信装置であって、
    前記交流波形を変換して二値信号を出力する検出回路と、
    前記検出回路から出力される二値信号に基づいて、前記交流波形の電圧が所定電圧未満から所定電圧以上に変化した時点を示す第1変化点を検出する第1変化点検出部と、
    前記検出回路から出力される二値信号に基づいて、前記交流波形の電圧が所定電圧以上から所定電圧未満に変化した時点を示す第2変化点を検出する第2変化点検出部と、
    前記第1変化点から前記第1変化点に後続する前記第2変化点までの期間を示す第1期間の長さを計測する第1期間計測部と、
    前記第2変化点から前記第2変化点に後続する前記第1変化点までの期間を示す第2期間の長さを計測する第2期間計測部と、
    前記第1期間の長さと前記第2期間の長さとの差に基づいて、補正値を検出する補正値検出部と、
    前記補正値と前記第1変化点または前記第2変化点とに基づいて、前記同期点を検出する同期点検出部と、
    前記同期点に基づいて、他の通信装置との間で通信を行う通信部と、
    を備える通信装置。
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