JP2010166398A - 通信装置、通信方法、及び集積回路 - Google Patents

通信装置、通信方法、及び集積回路 Download PDF

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Abstract

【課題】伝送路状態が一定でない場合であっても、最適な通信特性を維持することが可能な通信装置を提供する。
【解決手段】電力線700を介して、他のPLCモデム100へのデータの伝送を行うPLCモデム100であって、現行TMの通信パラメータを用いてデータを伝送する第1の通信を行う通信部14と、新TMの通信パラメータを設定する通信パラメータ設定部14と、第1の通信における第1の通信性能を取得する通信性能取得部12と、第1の通信性能と新TMの通信パラメータに対応する第2の通信性能とを比較する比較部13とを備える。さらに、通信パラメータ設定部14は、比較結果に基づいて、現行TMの通信パラメータまたは新TMの通信パラメータを新たなTMの通信パラメータとして設定する。
【選択図】図6

Description

本発明は、通信装置に関し、特に、伝送路を介して、他の通信装置へのデータの伝送を行う通信装置に関する。
近年の通信装置は、様々な種類の変調方式や誤り訂正モード等の通信パラメータを選択的に採用することができる。デジタル信号を伝送する際には、通信パラメータに応じて、例えば、最大のデータ伝送速度(単位時間内に伝送可能な情報量:例えばMbit/sec)が変化する。従って、適切な通信パラメータを選択することで、効率の良い通信を行うことができるようになる。
一方、複数の通信装置間で通信を行う際には、伝送路に接続される機器や通信タイミングによって、伝送路の特性が一定ではなく、逐次変化する。従って、通信パラメータを固定すると、適切な条件で通信できないことがある。例えば、比較的高いデータ伝送速度の通信を行うための通信パラメータで通信を行うと、伝送路の状態が劣化した場合に、エラーの発生する頻度が高くなり、再送を行う機会が増える。しかし、エラーの発生頻度を下げるために、比較的低いデータ伝送速度の通信を行うための通信パラメータで通信を行うと、データ伝送速度が非常に低速の通信だけしかできなくなる。従って、実際の伝送路の状態に合わせて最適な通信パラメータを採用すると共に、伝送路の状態が変化した場合には他の通信パラメータに切り替えて伝送品質を最適な状態に維持するのが望ましい。
通信パラメータを自動的に変更するための技術として、複数の通信パラメータのそれぞれを用いて通信を行い、各パラメータを用いた場合の通信状態を観測して各測定値を比較し、最適な通信パラメータを選択することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−141273号公報
従来の通信装置は、第1の通信装置と第2の通信装置とが所定の伝送路を介して通信する場合に、第1の通信装置と第2の通信装置とが既知の情報を第1の通信装置と第2の通信装置の間で相互に伝送し、受信した信号の歪み具合などを評価することにより、実際の伝送路の状態を推定することができる。伝送路の状態が変化した場合には、推定の結果に基づいて、通信パラメータとして新しい候補を決定することができる。これにより、伝送路の状態に合わせて、通信パラメータを変更することが可能である。
しかしながら、変更前の通信パラメータに比べて、変更後の通信パラメータが優れていない場合がある。例えば、変更後の通信パラメータは、所定期間(例えば1msec)における伝送路の状態だけを反映して決定されるので、この期間以外のタイミングでは、伝送路の状態を的確に反映していない可能性もある。したがって、通信パラメータを変更しても、最適な通信特性を維持できないことがある。
最適な通信特性が維持されていない具体例を図24に示している。図24では、縦軸は実際の伝送速度(Mbps)、横軸は経過時間を表している。図24に示すような伝送速度の急激な落ち込みは、通信パラメータの誤選択によって発生することが多い。
本発明は、伝送路状態が一定でない場合であっても、最適な通信特性を維持することが可能な通信装置を提供することを目的とする。
本発明の通信装置は、伝送路を介して、他の通信装置へのデータの送信を行う通信装置であって、第1の通信パラメータを用いて第1の通信を行う第1の通信部と、第2の通信パラメータを用いて第2の通信を行う第2の通信部と、前記第1の通信に対応する第1の通信性能、および前記第2の通信に対応する第2の通信性能を取得する通信性能取得部と、前記第1の通信性能と前記第2の通信性能を比較する比較部と、前記比較に基づいて前記第1の通信パラメータまたは前記第2の通信パラメータを通信に用いる通信パラメータとして選択する通信パラメータ選択部とを備える。
この通信装置によれば、伝送路状態が一定でない場合であっても、最適な通信特性を維持することが可能である。具体的には、現在採用している通信パラメータと次期候補の通信パラメータの通信性能を十分に比較検討し、より優れているパラメータを採用する。そのため、通信パラメータを変更した場合には、最適な通信特性となる通信を行うことができる。
本発明の通信装置は、前記第1の通信部が、第1の所定期間、前記第1の通信を行う。
この通信装置によれば、所定期間にわたって行う第1の通信を行い、第1の通信性能を取得することが可能であるため、比較結果の信頼性が高くなる。例えば、実際のデータ伝送による通信性能については、短い時間では正確な値が得られないことがあるが、比較的長い時間(例えば4秒間)に渡って通信性能を監視することで、第1の通信性能に関する統計的な信頼性を向上できる。
本発明の通信装置は、前記伝送路の伝送路状態の情報を取得する伝送路状態取得部を備え、前記通信パラメータ設定部が、前記伝送路の伝送路状態の情報に基づいて、前記第2の通信パラメータを設定する。
この通信装置によれば、例えば既知情報を他の通信装置へ送信し、これに対する応答に含まれる評価情報に応じて第2の通信パラメータを設定するので、伝送路状態を反映した通信パラメータを次期候補とすることができる。
本発明の通信装置は、前記通信パラメータ設定部が、前記第1の通信の後に、前記第2の通信を行う。
この通信装置によれば、第1の通信期間中に伝送路状態が変化した場合であっても、第2の通信を第1の通信の後に行っているので、最適な通信パラメータを第2の通信パラメータとして決定することができる。
本発明の通信装置は、前記通信部が、前記第2の通信において、前記他の通信装置へ送信するデータを送信する第2の通信を行う。
この通信装置によれば、前記第2の通信性能の取得期間においても、通常のデータの伝送も並行して行うことができ、伝送効率の向上が可能になる。
本発明の通信装置は、前記比較部による比較の後に、第2の所定期間、第2の通信を行い、前記通信性能取得部が、前記第2の通信における前記第2の通信性能を取得する。
この通信装置によれば、本来重要となる次期候補となる第2の通信パラメータについて、実際のデータ伝送をもとに通信性能を取得できる。
本発明の通信装置は、前記第2の所定期間が、1秒以上である。
この通信装置によれば、本来重要となる次期候補となる第2の通信パラメータを用いて、十分な時間通信性能を取得できるため、正確な通信性能の情報を得ることが可能となる。
本発明の通信装置は、前記比較部が、前記第1の通信性能と、前記第2の通信パラメータを用いてデータを伝送する第2の通信において再送が発生しないと仮定した場合の前記第2の通信性能と、を比較する第1の比較を行い、前記第1の比較の結果、前記第2の通信性能が前記第1の通信性能よりも所定基準以上優れている場合に、前記第1の通信性能と前記通信性能取得部により取得された第2の通信性能とを比較する第2の比較を行う。
この通信装置によれば、第2の通信パラメータを用いた通信において再送が発生しない場合の通信性能、つまり第2の通信パラメータを用いた場合に考えられる最高の通信性能と比較しても現行(第1)の通信パラメータより通信性能が劣っている場合には、実際に第2の通信パラメータを用いてデータ伝送を行った場合の通信性能と比較するまでもなく現行の通信パラメータの方が優れていると判断できるため、以降の比較処理を行うことを省略することができる。これにより、新たな通信パラメータを設定するために要する時間を短縮でき、処理負荷も軽減できる。
本発明の通信装置は、前記通信性能取得部が、前記比較部による前記第1の比較の結果、前記第2の通信性能が前記第1の通信性能よりも所定基準以上優れている場合に、前記第1の通信と前記第2の通信とを交互に行った場合の第2の通信期間における第2の通信性能を取得し、前記比較部が、前記第1の通信性能と前記第2の通信期間における第2の通信性能とを比較する第3の比較を行い、前記第3の比較の結果、前記第2の通信期間における第2の通信性能が前記第1の通信性能よりも優れている場合に、前記第2の比較を行う。
この通信装置によれば、現行(第1)の通信パラメータ、次期候補(第2)の通信パラメータを用いたデータ伝送における通信性能を交互に取得し、現行の通信性能より次期候補の通信が劣っている場合には、次期候補の通信パラメータのみを用いてデータ伝送を行った場合の通信性能についても現行の通信性能に劣っている可能性が高いため、以降の比較処理を行うことを省略することができる。これにより、新たな通信パラメータを設定するために要する時間を短縮でき、処理負荷も軽減できる。
本発明の通信装置は、前記通信性能取得部が、前記第2の比較の後の前記第1の通信における前記第1の通信性能を取得し、前記パラメータ設定部は、前記第1の通信性能が所定基準を満たしていない場合、前記第2の通信パラメータを再設定する。
この通信装置によれば、現行(第1)の通信パラメータ、次期候補(第2)の通信パラメータを用いた場合の通信性能を各種比較することで時間が経過し、全比較が終了した後には伝送路の状態が変化している場合には、次期候補となる第2のパラメータを再度設定することができる。これにより、万全の状態の通信パラメータを新たなパラメータとして採用することになる。
本発明の通信装置は、前記第1の通信性能および第2の通信性能が、再送率を含む。
この通信装置によれば、通信性能として再送率を含む情報を取得するので、再送によって生じる伝送速度の低下を考慮して実効的な伝送速度を求めることが可能である。従って、再送率の情報を利用して、通信パラメータとの適合性を正しく評価することができる。
本発明の通信装置は、前記伝送路が、電力線である。
この通信装置によれば、電力線を伝送路として通信を行う電力線通信においても、伝送路状態が一定でない場合であっても、最適な通信特性を維持することが可能である。
本発明の通信方法は、伝送路を介して、他の通信装置へのデータの送信を行う通信方法であって、第1の通信パラメータを用いて第1の通信を行い、第2の通信パラメータを用いて第2の通信を行い、前記第1の通信に対応する第1の通信性能、および前記第2の通信に対応する第2の通信性能を取得し、前記第1の通信性能と前記第2の通信性能を比較し、前記比較に基づいて前記第1の通信パラメータまたは前記第2の通信パラメータを通信に用いる通信パラメータとして選択する。
この通信方法によれば、伝送路状態が一定でない場合であっても、最適な通信特性を維持することが可能である。具体的には、現在採用している通信パラメータと次期候補の通信パラメータの通信性能を十分に比較検討し、より優れているパラメータを採用する。そのため、通信パラメータを変更した場合には、最適な通信特性となる通信を行うことができる。
本発明の集積回路は、伝送路を介して、他の通信装置へのデータの送信を行う通信装置に用いられる集積回路であって、第1の通信パラメータを用いて第1の通信を行う第1の通信部と、第2の通信パラメータを用いて第2の通信を行う第2の通信部と、前記第1の通信に対応する第1の通信性能、および前記第2の通信に対応する第2の通信性能を取得する通信性能取得部と、前記第1の通信性能と前記第2の通信性能を比較する比較部と、 前記比較に基づいて前記第1の通信パラメータまたは前記第2の通信パラメータを通信に用いる通信パラメータとして選択する通信パラメータ選択部とを備える。
この集積回路によれば、伝送路状態が一定でない場合であっても、最適な通信特性を維持することが可能である。具体的には、現在採用している通信パラメータと次期候補の通信パラメータの通信性能を十分に比較検討し、より優れているパラメータを採用する。そのため、通信パラメータを変更した場合には、最適な通信特性となる通信を行うことができる。
本発明によれば、伝送路状態が一定でない場合であっても、最適な通信特性を維持することが可能である。
以下、本発明の実施形態の通信装置について、図面を用いて説明する。
図1は、電力線通信装置の一例であるPLC(Power Line Communication)モデム100の前面を示す外観斜視図、図2は、PLCモデム100の背面を示す外観斜視図である。図1、図2に示すPLCモデム100は、筐体101を有しており、筐体101の前面には、図1に示すようにLED(Light Emitting Diode)等の表示部105が設けられている。
また、筐体101の背面には、図2に示すように電源コネクタ102、及びRJ45等のLAN(Local Area Network)用モジュラージャック103、及び動作モード(親機モード/子機モード)を切換える切換えスイッチ104が設けられている。
また、筐体の上面には、ボタン106が設けられている。ボタン106は、PLCモデム100を通信可能状態とするための処理(登録処理)を開始するためのセットアップボタンとしての機能を有する。尚、例示として筐体101の上面に設けるとしたが、この位置に限られることはない。
電源コネクタ102には、図示しない電源ケーブルが接続され、モジュラージャック103には、図示しないLANケーブルが接続される。なお、PLCモデム100には、さらにDsub(D−subminiature)コネクタを設け、Dsubケーブルを接続するようにしてもよい。
なお、電力線通信装置の一例としてPLCモデム100を示したが、電力線通信装置としては、PLCモデムを内蔵した電気機器でもよい。電気機器としては、例えば、テレビ、電話、ビデオデッキ、セットトップボックスなどの家電機器や、パーソナルコンピュータ、ファクス、プリンターなどの事務機器がある。
また、PLCモデム100は、電力線700に接続され、他のPLCモデム100と共に電力線通信システムを構成する。
次に、図3に、主にPLCモデム100のハードウェア構成の一例を示す。PLC100は、回路モジュール200及びスイッチング電源300を有している。スイッチング電源300は、各種(例えば、+1.2V、+3.3V、+12V)の電圧を回路モジュール200に供給するものであり、例えば、スイッチングトランス、DC−DCコンバータ(いずれも図示せず)を含んで構成される。
回路モジュール200には、メインIC(Integrated Circuit)210、AFE・IC(Analog Front End・Integrated Circuit)220、イーサネット(登録商標)PHY・IC(Physical layer・Integrated Circuit)230、メモリ240、ローパスフィルタ(LPF)251、ドライバIC252、バンドパスフィルタ(BPF)260、カプラ270、AMP(増幅器)IC281、ADC(AD変換)IC282、ACサイクル検出器60が設けられている。スイッチング電源300及びカプラ270は、電源コネクタ102に接続され、さらに電源ケーブル600、電源プラグ400、コンセント500を介して電力線700に接続される。なお、メインIC210は電力線通信を行う制御回路として機能する。
メインIC210は、CPU(Central Processing Unit)211、PLC・MAC(Power Line Communication・Media Access Control layer)ブロック212、及びPLC・PHY(Power Line Communication・Physical layer)ブロック213で構成されている。
CPU211は、32ビットのRISC(Reduced Instruction Set Computer)プロセッサを実装している。PLC・MACブロック212は、送受信信号のMAC層(Media Access Control layer)を管理し、PLC・PHYブロック213は、送受信信号のPHY層(Physical layer)を管理する。
AFE・IC220は、DA変換器(DAC;D/A Converter)221、AD変換器(ADC;A/D Converter)222、及び可変増幅器(VGA;Variable Gain Amplifier)223で構成されている。カプラ270は、コイルトランス271、及びカップリング用コンデンサ272a、272bで構成されている。
なお、CPU211は、メモリ240に記憶されたデータを利用して、PLC・MACブロック212、及びPLC・PHYブロック213の動作を制御するとともに、PLCモデム100全体の制御も行う。
PLCモデム100による通信は、概略次のように行われる。モジュラージャック103から入力されたデータは、イーサネット(登録商標)PHY・IC230を介してメインIC210に送られ、デジタル信号処理を施すことによってデジタル送信信号が生成される。生成されたデジタル送信信号は、AFE・IC220のDA変換器(DAC)221によってアナログ信号に変換され、ローパスフィルタ251、ドライバIC252、カプラ270、電源コネクタ102、電源ケーブル600、電源プラグ400、コンセント500を介して電力線700に出力される。
電力線700から受信された信号は、カプラ270を経由してバンドパスフィルタ260に送られ、AFE・IC220の可変増幅器(VGA)223でゲイン調整がされた後、AD変換器(ADC)222でデジタル信号に変換される。そして、変換されたデジタル信号は、メインIC210に送られ、デジタル信号処理を施すことによって、デジタルデータに変換される。変換されたデジタルデータは、イーサネット(登録商標)PHY・IC230を介してモジュラージャック103から出力される。
回路モジュール200に設けられたACサイクル検出器60は、互いに通信を行う複数台のPLCモデム100が共通のタイミングで制御を実施するために必要な同期信号を生成する。つまり、ACサイクル検出器60は電力線700に供給される交流電源波形に同期した信号を生成する。
ACサイクル検出器60は、ダイオードブリッジ60a、抵抗器60b、60c、直流電源供給部60e、およびコンデンサ60dで構成される。ダイオードブリッジ60aの出力は抵抗器60bに接続される。抵抗器60bと抵抗器60cは直列に接続される。抵抗器60bおよび60cは、コンデンサ60dの一方の端子に並列に接続される。直流電源供給部60eは、コンデンサ60dの他方の端子に接続されている。
このACサイクル検出器60は、具体的には次のように動作する。すなわち、電力線700に供給される商用の交流電源波形AC、つまり50Hz又は60Hzの正弦波からなる交流波形のゼロクロス点を検出し、このタイミングを基準とする同期信号を生成する。同期信号の具体例としては、交流電源波形のゼロクロス点に同期した単数、または複数のパルスからなる矩形波が用いられる。なお、本信号は後述では交流電源波形の位相を決定するのに用いるため、交流電源の任意の電圧を検出する回路で代用することも可能である。
次に、メインIC210によって実現されるデジタル信号処理の一例について説明する。PLCモデム100は、複数のサブキャリアを用いて生成されるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)信号などのマルチキャリア信号を伝送用の信号として使用するものである。PLCモデム100は、送信対象のデータをOFDM信号などのマルチキャリア送信信号に変換して出力すると共に、OFDM信号などのマルチキャリア受信信号を処理して受信データに変換する。これらの変換のためのデジタル信号処理は、主としてPLC・PHYブロック213で行われる。
PLC・PHYブロック213によって実現されるデジタル信号処理を行うために必要とされる機能上の構成の一例が図4に示されている。図4に示す例では、ウェーブレット変換を利用するOFDM伝送を行う場合の構成を示してある。図4に示すように、PLC・PHYブロック213は、変換制御部810、シンボルマッパ811、シリアル−パラレル(S/P)変換器812、逆ウェーブレット変換器813、ウェーブレット変換器814、パラレル−シリアル(P/S)変換器815、デマッパ816の各機能を有している。
シンボルマッパ811は、送信すべきビットデータをシンボルデータに変換し、各シンボルデータに従ってシンボルマッピング(例えばPAM(Pulse Amplitude Modulation)変調)を行うものである。シリアル−パラレル変換器812は、マッピングされた直列のデータを入力し並列のデータに変換して出力する。逆ウェーブレット変換器813は、並列データを逆ウェーブレット変換し、時間軸上のデータとするものであり、伝送シンボルを表すサンプル値系列を生成するものである。このデータは、AFE・IC220のDA変換器(DAC)221に送られる。
ウェーブレット変換器814は、AFE・IC220のAD変換器(ADC)222から得られる受信デジタルデータ(送信時と同一のサンプルレートでサンプルされたサンプル値系列)を周波数軸上へ離散ウェーブレット変換するものである。パラレル−シリアル変換器815は、周波数軸上のデータとして入力される並列データを並び替えて直列データに変換し出力する。デマッパ816は、各サブキャリアの振幅値を計算し、受信信号の判定を行って受信データを求めるものである。
本実施形態におけるPLCモデム100は、特徴的な制御として、「伝送速度の安定化制御」と、「AC同期フレーム長制御」との2つを実施する。以下、第1の実施形態で「伝送速度の安定化制御」について、第2の実施形態で「AC同期フレーム長制御」について、第3の実施形態で伝送速度の安定化制御とAC同期フレーム長制御を組み合わせた場合の処理について説明する。
(第1の実施形態)
図5は、本発明の第1の実施形態におけるPLCモデム100の機能ブロック図である。図5に示すPLCモデム100は、通信パラメータ設定部11、通信性能取得部12、比較部13、および通信部14を有して構成される。図5に示すように、通信パラメータ設定部11、通信性能取得部12、及び比較部13は、CPU211に内包されている機能ブロックであり、通信部14は、PLC・MAC212、PLC・PHY213に内包されている機能ブロックである。
通信パラメータ設定部11は、複数のTM(ToneMap:トーンマップ)から、1つのTMを決定する。TMは、例えばメインIC210、またはメモリ240に記憶されており、マルチキャリア信号のサブキャリア毎に、適用する一次変調の種類、誤り訂正モードの種類などの通信パラメータの一式をまとめて保持している。PLCモデム100は、様々な伝送路特性を考慮して相手先モデム毎に少なくとも一つのTMを備えている。通信パラメータ設定部11には、通常通信時には一つのTMの通信パラメータが設定されている。
TMは、一つの相手先モデムに対して複数備えることができる。つまり、後述のCE要求/CERの結果に基づいて必要時に新たにTMを生成した場合、それまでの通信で使用していたTM(現行TM)と新たに生成したTM(新TM)のパラメータを保持することができる。なお、後述では現行TMと新TMの2つを保持している場合について説明するが、現行TMとして複数のTMを保持し、複数の現行TMと新TMを用いて評価するようにしてもよい。
通信部14は、通信パラメータ設定部11が決定した通信パラメータに応じた変調方式などを用いて、共通の電力線700に接続された他のPLCモデム100との間で通信を行う。
通信性能取得部12は、通信部14による通信性能の情報を取得する。通信性能の具体例としては、再送の発生頻度(以下、再送率ともいう)や伝送速度(単位時間当たりのデータ情報量、例えばパケット数なども含む)などが考えられる。
比較部13は、複数の通信パラメータのそれぞれについて通信性能取得部12が取得した通信性能の情報を用いて、複数の通信パラメータの優劣を比較する。比較部13の比較結果が通信パラメータ設定部11に出力される。通信パラメータ設定部11は、比較部13の比較結果を反映して、次回の通信のための通信パラメータを決定する。
次に、本実施形態のPLCモデム100の主要な処理の内容について説明する。
PLCモデム100は、TMとして、現行TM、新TMの2組の候補を想定し、2組の候補の中でいずれが優れているか、すなわち、いずれが伝送路としての電力線700の特性に合っているかを識別するための処理を実行する。実行の結果、いずれか一つのTMを採用する。ここで、現行TMは、先に決定あるいは選択したTMを表す。また、新TMは、現行TMの後に選択された新たな候補のTMを表す。
図6および図7は、PLCモデム100が伝送速度の安定化制御を行う際の動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、図8および図9を参照しながら、説明を行う。また、図6の処理の開始時点で現行TMは既に定められているものとする。
ステップS11では、通信パラメータ設定部11は、現行TMを選択し、通信部14に通知する。
ステップS12では、通信部14は、通信パラメータ設定部11から通知された現行TMに基づいて通信パラメータを決定し、送信対象の任意のデータを電力線700に送信する。この時に、通信性能取得部12は、伝送エラーの発生によって再送が発生したか否かを把握し、検出された再送率の情報(再送率Ret1)を例えばメモリ240に保存する。
ステップS13では、比較部13は、所定時間(例えば図8では4秒)が経過したか否かを識別する。所定時間が経過すると、次のステップS14に進む。なお、所定期間が経過するまでは、送信すべきデータがある場合には、所定のタイミングで現行TMに基づくパラメータで送信を行う。送信すべきデータがない場合には実データとは関係ない評価のためだけのダミーデータを送信してもよい。このように、4秒間における再送率を観察するため、ある程度は信頼のおける再送率情報を得ることができる。
ステップS14では、通信部14は、電力線700を介して他のPLCモデム100宛てにチャネル推定要求(CE:Channel Estimation)を送信する。CEには、自局のPLCモデム100と他局である他のPLCモデム100との間であらかじめ両者が認識している既知の信号が含まれる。
ステップS15では、他のPLCモデム100からチャネル推定要求レスポンス(CER:Channel Estimation Response)が送信されるので、これを通信性能取得部12が受信する。CERには、受信した既知の信号に対する評価情報(例えばマルチキャリアの各サブキャリアごとのCINR(Carrier to Interference and Noise power Ratio)や、それに基づく伝送速度(PHY速度)情報などの伝送路状態を示す情報)に基づく新TMが含まれる。
なお、CE要求/CERの実施は、定期的に行われるものとは別に、現行TMが未だに定まっていない状態のとき(例えばPLCモデム100の動作開始時)、電力線700の特性状態が急激に変化したとき(例えば電力線700に接続されている電気機器が大きく変化したとき)にも行われる。
ステップS16では、通信パラメータ設定部11は、CERに含まれる新TMを取得する。
ステップS17では、通信性能取得部12は、現行TMとステップS12で保存した再送率Ret1(4秒間の検出結果)とを取得し、比較部13は、これらに基づいて現行TMの実効伝送レート、つまり再送を考慮した伝送速度R11を算出する。具体的には現行TMから得られる伝送速度(PHY速度)に(1−Ret1)と効率係数α1を乗算した値をR11とする。なお、α1はPHY速度に基づくフレーム長やフレーム間ギャップなどの影響を考慮した伝送効率を表す指標であり、0から1の間の値とする。
ステップS18では、比較部13は、ステップS16で選択された新TMに基づき、新TMの理論上最大の実効伝送レートR21を算出する。具体的には、再送率が0であるものと仮定して新TMから実効伝送レートR21を算出する。従って、この段階では「新TM」に関する再送率の情報は必要ない。
ステップS19では、比較部13は、ステップS17で算出された現行TMの実効伝送レートR11と、ステップS18で算出された新TMの実効伝送レートR21を比較する。そして、R11がR21よりも大きい場合には、ステップS33に遷移し、新TMに比べて現行TMの通信性能(再送を考慮した伝送速度)が優れていると判断から、通信パラメータ設定部11は、今後使用する通信パラメータとして現行TMの通信パラメータを採用し、処理を終了する。一方、R11がR21以下である場合には、次のステップS20に進む。
つまり、ステップS19の条件を満たす場合には、これ以降の処理を打ち切り、図8に示す「第1トレーニング処理」、「第2トレーニング処理」、「第3トレーニング処理」、「第4トレーニング処理」には進まない。すなわち、再送率が0の場合でも「新TM」の実効伝送レートR21が「現行TM」に比べて劣っているということは、「新TM」の実際の再送率を取得しても比較結果は変わらない。ステップS19で、以降の処理を省略することで、不要な処理を省略できる。伝送速度の低下を抑制するのにも役立つ。
ステップS20では、PLCモデム100は、所定期間(例えば100msecの期間)に渡って、第1トレーニング処理を実行する。第1トレーニング処理では、通信部12が、新TMおよび現行TMの通信パラメータを用いて送信対象の任意のデータを電力線700に送信する。この時に、伝送エラーの発生によって再送が発生したか否かを通信性能取得部12により把握し、検出された再送率の情報(新TMの再送率Ret21)を例えばメモリ240に保存する。
第1トレーニング処理中には、通信部14が使用する通信パラメータは、図9に示すモードAのように、通信パラメータ設定部11により周期的に交互に切り替えられる。すなわち、通信部14は、現行TMを用いて2回送信した後、新TMを用いて2回送信し、再び現行TMを用いて2回送信し、以下同様に2回の送信毎に通信パラメータを通信パラメータ設定部11が交互に切り替える。なお、ここでは2回ずつ交互に切り替えるとしたが、他の回数毎に繰り返してもよい。
但し、再送率Ret21に関する情報を取得するのは、通信部14が通信パラメータとして新TMを選択している期間のみである。つまり、再送率Ret21は、新TMに関する再送率である。
図9に示すモードAのように、現行TMと新TMとを周期的に交互に切り替えることで、トレーニング期間中に伝送レートが異常に低下するのを避けることができる。すなわち、第1トレーニング処理を実施する段階では、新TMの伝送レートが非常に低い可能性もあるため、図9に示すモードBのように、新TMだけを使用すると伝送レートが著しく低下する場合がある。しかし、現行TMと新TMとを交互に切り替えてデータ伝送に利用することにより、局所的に発生する伝送レートの低下に対応することができる。
図9に示すモードAのように、現行TMと新TMとを周期的に交互に切り替える場合には、例えば伝送路状態が交流電源波形(AC波形)の周期に同期して「悪」、「良」、「悪」、「良」、「悪」、・・・と変化し、劣悪状態が現行TM、新TMのいずれかに偏り、再送率Ret21が正しく伝送路の状態を反映しないことも考えられる。しかし、本実施形態のトレーニング処理全体を十分な時間長さで行うことにより、周期的な劣悪状態を反映させずに、最良のTMを選択することが可能となる。
ステップS21では、比較部13は、新TMとステップS20で取得した再送率Ret21とに基づいて、新TMの実効伝送レート(再送を考慮した伝送速度)R22を算出する。
ステップS22では、比較部13は、ステップS17で算出された現行TMの実効伝送レートR11とステップS22で算出された新TMの実効伝送レートR22とを比較する。ここで、ΔRは所定閾値(例えば定数)である。そして、R11がR22とΔRとの和よりも大きい場合には、ステップS33に遷移し、新TMに比べて現行TMの通信性能(再送を考慮した伝送速度)が優れていると判断から、通信パラメータ設定部11は、今後使用する通信パラメータとして現行TMの通信パラメータを採用し、ここで処理を終了する。それ以外の場合には、ステップS23に進む。
つまり、ステップS22の条件を満たす場合には、これ以降の処理を打ち切り、図8に示す「第2トレーニング処理」、「第3トレーニング処理」、「第4トレーニング処理」には進まない。すなわち、閾値ΔRを加えた条件であっても、新TMの実効伝送レートR22が現行TMに比べて劣っているということは、より正確な再送率を取得するためにこれ以降の処理を継続しても、比較結果は変わらない可能性が高い。ステップS22で処理を打ち切ることで不要な処理を省略できる。伝送速度の低下を抑制するのにも役立つ。
ステップS23では、PLCモデム100は、100msecの期間に渡って第2トレーニング処理を実行する。第2トレーニング処理の内容は、第1トレーニング処理と同様であるが、第2トレーニング処理で取得する情報は第1トレーニング処理および第2トレーニング処理の2処理から得られる再送率Ret22として、再送率Ret21とは区別する。
つまり、図8に示すように、第1トレーニング処理を100msecの期間に渡って実施した後、更に第2トレーニング処理を100msecの期間に渡って実施し、合計で200msecに渡って新TMの再送率を取得する。
ステップS24では、比較部13は、新TMとステップS23で取得した再送率Ret22とに基づいて、新TMの実効伝送レートR23を算出する。具体的には、新TMから得られる伝送速度(PHY速度)に(1−Ret22)と効率係数α2を乗算した値をR23とする。なお、α2はPHY速度に基づくフレーム長やフレーム間ギャップなどの影響を考慮した伝送効率を表す指標であり、0から1の間の値とする。α1とα2は簡易的に等しい値を用いてもよい。
ステップS25では、比較部13は、ステップS17で算出された現行TMの実効伝送レートR11とステップS24で算出された新TMの実効伝送レートR23を比較する。そして、R11がR23よりも大きい場合には、ステップS33に遷移し、新TMに比べて現行TMの通信性能(再送を考慮した伝送速度)が優れていると判断から、通信パラメータ設定部11は、今後使用する通信パラメータとして現行TMの通信パラメータを採用し、ここで処理を終了する。それ以外の場合はステップS26に進む。
つまり、ステップS25の条件を満たす場合には、これ以降の処理を打ち切り、図8に示す「第3トレーニング処理」、「第4トレーニング処理」には進まない。すなわち、新TMの実効伝送レートR23が現行TMに比べて劣っているということは、より正確な再送率を取得するためにこれ以降の処理を継続しても、比較結果は変わらない可能性が高い。ステップS25で処理を打ち切ることで、不要な処理を省略できる。伝送速度の低下を抑制するのにも役立つ。
ステップS26では、PLCモデム100は、1800msecの期間に渡って第3トレーニング処理を実行する。第3トレーニング処理では、新TMの通信パラメータを用いて送信対象の任意のデータを電力線700に送信する。この時に、伝送エラーの発生によって再送が発生したか否かを把握し、検出された再送率の情報(新TMの再送率Ret23)を例えばメモリ240に保存する。
また、第3トレーニング処理では、第1トレーニング処理の場合とは異なり、1800msecの全期間に渡って、新TMの通信パラメータを固定して使用する。すなわち、第3トレーニング処理に移行した段階では、新TMの伝送速度が非常に低い可能性は小さいので、現行TMを使用しなくても伝送速度の大きな低下は生じないと考えられる。また、新TMの通信パラメータに固定することにより、例えば図9に示すように電力線700の状態が周期的に変動する場合であっても、周期内の平均的な特性を反映した再送率Ret23を取得できる。
第3トレーニング処理を実行する時間の長さは、第1トレーニング処理および第2トレーニングとは異なり、1800msecと比較的長いため、より精度の高い再送率の情報を取得することが可能となる。第3トレーニング処理の時間長さは、第1トレーニング処理の期間(100msec)と第2トレーニング処理の期間(100msec)の和の5倍以上が好ましい。なお、図6および図7に示す処理は繰り返し実行されるため、第1トレーニング処理〜第3トレーニング処理の時間長さが長くなり過ぎないように、ステップS12を実行する時間(4秒)の半分程度に第3トレーニング処理の長さを設定することが望ましい。
ステップS27では、比較部13は、新TM、ステップS26で取得した再送率Ret23に基づいて、新TMの実効伝送レートR24を算出する。具体的には、新TMから得られる伝送速度(PHY速度)に(1−Ret23)と効率係数α2を乗算した値をR24とする。なお、α2はS24で用いた値に等しい。なお、Ret23については第1トレーニング処理、第2トレーニング処理、第3トレーニング処理の全ての処理からもとまる新TMに関する再送率としてもよい。
ステップS28では、比較部13は、ステップS17で算出された現行TMの実効伝送レートR11とステップS27で算出された新TMの実効伝送レートR24とを比較する。そして、R11がR24より大きい場合には、ステップS29に進み、それ以外の場合には、ステップS30に進む。
ステップS29では、これまでの評価の結果、新TMに比べて現行TMの通信性能(再送を考慮した伝送速度)が優れていると判断できたので、通信パラメータ設定部11は、今後使用する通信パラメータとして現行TMの通信パラメータを採用する。
ステップS30では、これまでの評価の結果、現行TMに比べて新TMの通信性能(再送を考慮した伝送速度)が優れていると判断できたので、通信パラメータ設定部11は、今後使用する通信パラメータとして新TMの通信パラメータを採用する。
ステップS31では、PLCモデム100は、300msecの期間に渡って第4トレーニング処理を実行する。第4トレーニング処理は、ステップS28の比較結果とは無関係に実行する。つまり、ステップS29、S30を実行する以前の現行TM(旧現行TM)の通信パラメータを用いて送信対象の任意のデータを電力線700に送信する。この時に、伝送エラーの発生によって再送が発生したか否かを把握し、検出された再送率の情報(旧現行TMの再送率Ret1x)を例えばメモリ240に保存する。なお、第4トレーニング処理では300msecの全期間に渡って、使用する通信パラメータは旧現行TMの通信パラメータに固定する。
ステップS32では、比較部13は、再送率Ret1xがS12で取得した再送率Ret1や、それ以前に同じ現行TMで取得した再送率Ret1yと比較して所定閾値ΔRx以上の差がある場合には、電力線700の特性が第1トレーニング処理〜第3トレーニング処理の処理中とは大きく変化し、トレーニングにより設定したステップS29、30以降の現行TMのパラメータが使用できなくなったと判断する。この場合にはCE要求/CERの実施を行い、変化後の伝送路に対する処理を新規に開始する。それ以外の場合には、処理を終了する。
第4トレーニング処理は、第1トレーニング処理〜第3トレーニング処理が終了するまでに2秒間程度が必要になり、実際にはこれを数回繰り返すので、この間の電力線700の特性変化の影響によって、第1トレーニング処理〜第3トレーニング処理により求めたTMが確実に使用できるものであることを確認することができる。つまり、第4トレーニング処理による再送率Ret1xを参照することで、伝送路の状態に大きな変化が生じていないことを確認し、ステップS29、S30において採用されたTMの信頼性が高いことを保証している。なお、第4のトレーニング処理の目的は伝送路変化の検出のため、再送率に限らず、他の指標、例えば誤り訂正率、伝送速度等の指標および、それらの組み合わせをステップS14以前に取得した同じ指標の値と比較することで伝送路の変化を検出してもよい。
図6および図7の処理を行うことで、現行TMと新TMの切り替えを実施する前に、変更前のTMと変更後のTMのいずれの通信パラメータが優れているか、あるいは適しているかを正しく判定することが可能となる。例えば、変更後の通信パラメータを使用すると変更前の新パラメータを使用する場合よりも高いデータ伝送速度が得られるが、その代わりに再送率が増加し、実効速度が低下するという状況を回避可能である。
また、電力線700上の交流電源により定期的にノイズが発生していても、的確なTMを選択することが可能となる。
また、電力線700上に短期的に大きなノイズが発生したとしても、伝送路状態の判定のために十分な時間をかける第1トレーニング処理〜第4トレーニング処理を行うことで、的確なTMを選択することができる。
また、図6および図7に示した処理の中で使用している実効伝送レートR11については、トレーニングを開始する前の通常のデータ伝送で事前に検出し保存した再送率Ret1に基づいているので、現行TMと新TMとの間に大きな再送率の偏りが生じることを回避可能である。
また、新TMを選択する際に、たまたま大きなノイズが伝送路に現れたとしても、その影響を受けて伝送速度の非常に低いTMを使用したトレーニングを行わない。これにより、一時的にあるいは瞬間的に異常に低い伝送速度に切り替わり、伝送速度が不安定になることを回避可能である。
また、第1トレーニング処理や第2トレーニング処理で取得する再送率については、現行TMと新TMを交互に切り替えることの悪影響(偏り)が生じる可能性があるが、第3トレーニング処理において新TMの通信パラメータに固定するので、悪影響がTM選択に反映されることがない。また、第3トレーニング処理の期間は第1トレーニング処理及び第2トレーニング処理よりも十分に長いので、精度の高い再送率が得られる。
特に、電力線700を伝送路として利用する場合には、様々なノイズが電力線700に現れるので、通信特性が変動し、伝送速度が低下したり、再送の発生頻度が高くなったりしやすい。このような適切なTMの通信パラメータを選択することで、安定した通信を行うことが可能となる。
なお、本実施形態では、通信システムとして電力線を伝送路として使用する電力線通信システムについて説明したが、例えば無線LANなどの通信装置によって構成される無線システムにおいて本実施形態に適用してもよい。
(第2の実施形態)
図10は、本発明の第2の実施形態におけるPLCモデム100の機能ブロック図である。図10に示すPLCモデム100は、通信フレーム生成部21、通信フレーム制御部22、通信特性取得部23、通信部24を有して構成される。図10に示すように、通信フレーム生成部21、通信フレーム制御部22、および通信性能取得部23は、CPU211に内包されている機能ブロックであり、通信部24は、PLC・MAC212、PLC・PHY213に内包されている機能ブロックである。
通信フレーム生成部21は、通信フレーム制御部22から出力される制御信号に基づいてフレーム長を決定し、そのフレーム長の通信フレームを生成する。
通信部24は、通信フレーム生成部21が生成した通信フレームの中に送信すべきデータのパケットを格納し、PLCフレームとして電力線700に送信する。また、応答フレームを受信して、先の送信データの受信の成否を判断する。
通信特性取得部23は、通信部24が送信したPLCフレームの実際の通信状態(例えば伝送エラーの発生状況)に基づいて、電力線700におけるインピーダンスの変化点(以下、Z変動点ともいう)を通信特性として検出する。通信特性には、インピーダンスを加味した伝送路特性が含まれる。ここでは、Z変動は周期的に発生することを想定しており、通信特性については、ACサイクル検出器60が出力する同期信号に同期して、交流電源波形の1周期内の相対的なタイミングの情報として出力する。
通信フレーム制御部22は、通信特性取得部23が取得した通信特性のタイミングに基づいて、フレーム長を制御するための制御信号を生成する。すなわち、Z変動点の近傍のタイミングで、PLCフレームを送出しないようにフレーム長を制限する。
また、第1の実施形態と同様に、例えばメインIC210またはメモリ240にTMが記憶されており、TMは各種通信パラメータの一式をまとめて保持している。
次に、本実施形態のPLCモデム100の主要な処理の内容について説明する。
図11に示したPLCフレームF21、F22、F23のように、電力線700のインピーダンスが変化する時刻t11、t12、t13、t14(Z変動点)にPLCフレームが送出されないように各フレームの長さを制限する。これにより、図11に示すように、交流電源波形に同期するインピーダンスの変動(以下、Z変動ともいう)の影響によってパケットの伝送エラーが生じるのを防止できる。これがAC同期フレーム長制御の概要である。
このようなAC同期フレーム長制御を実施するためには、Z変動点を正しく把握する必要がある。本実施形態では、PLCフレームを送信し、そのPLCフレームに発生した伝送エラーの状況に基づいて、Z変動点を検出する。つまり、PLCフレームを送信すると、Z変動点で伝送路特性の急峻な変化により伝送エラーが発生するので、実際に発生した伝送エラーからZ変動点を認識できる。このZ変動点を検出するために、PLCモデム100は、多数のデータフレームを他のPLCモデム100へ繰り返し送信し、各データフレームに対して送信結果を加味した上記他のPLCモデム100応答信号(PLC−ACK)を受信する。
PLCモデム100が送信するPLCフレームは、例えば図12に示すように構成されている。すなわち、ヘッダとそれに続く多数(30程度)連結されたEtherパケット(以下、単にパケットという)とで構成されている。Z変動やノイズが生じて伝送エラーが発生する場合、パケット毎(パケットが送信される送信区間毎)に、エラーの有無を識別できる。図12においては、エラー無のパケットが○、エラー有のパケットが×で表してある。このパケット毎のエラーの有無は、PLC−ACKに含まれる情報、例えばエラー無し(正常受信)を1、エラー有(受信失敗)を0とするビットマップ情報により認識可能である。
PLCモデム100は、PLCフレームの送信結果の一覧情報を格納するための「ビットマップキュー」を例えばメインIC210またはメモリ240に保持している。ビットマップキューはフレーム送信情報を格納する。具体的には、送信した各々のPLCフレームについて、AC周期内のどのタイミングで送信したのか、1フレームのフレーム長(フレーム送信時間でありTM、Etherパケット長などで変わる)、1フレームに何個のパケットを連結したか、各パケットのエラー有無を表す情報(ビットマップ情報)が含まれる。このビットマップキューに格納された情報に基づいて、PLCモデム100はエラーマップを作成する。すなわち、エラーマップは、PLCフレームの送信結果を示す送信エラーの有無の情報を蓄積したものである。
上記情報のうち、PLCフレームをAC周期内のどのタイミングで送信したのかについては、ACサイクル検出器60から出力される同期信号の現れるタイミングを基準として、経過時間を測定することにより、求めることができる。
PLCモデム100は、図13に示すように、通信部24とCPU部211、特に通信特性取得部23とを備えており、これらは上記のようなエラーマップを作成するために使用される。
通信部24は、PLCフレームを他のPLCモデム100宛てに送信し、他のPLCモデム100からの応答であるPLC−ACKを受信する。このPLC−ACKには送信の成否を示すビットマップ情報が含まれている。このビットマップ情報を含むフレーム送信情報をビットマップキューに書き込む。また、必要に応じてビットマップの内容を解析し、別途再送処理等を実施する。
通信特性取得部23は、ビットマップキューから順番に情報(フレーム送信情報)を取り出して解析を行い、エラーマップを構築し、記憶する。エラーマップは、AC周期(例えば16.7msec)内の所定時間区間毎にエラーが発生した頻度を表す情報を保持するものである。つまり、通信特性取得部23は、ビットマップキューから取り出したフレーム送信情報に基づいて、各データフレームのエラー有無を表す情報をエラーマップ上で該当するパケットの時間の位置にマッピングする。各パケットの時間については、それが含まれるデータフレームの送信開始時刻と、該当するパケットの並び順(フレーム先頭からの距離、即ちパケット単位の送信時間)に基づいて知ることができる。
なお、AC周期内の送信開始時刻はACサイクル検出器60からの入力をもとに決定するが、ACサイクル検出器60はその実装方法により、電源半周期、または電源の全周期を検出する形態を取る可能性がある。いずれをとるか、または2つの連続する電源半周期の情報をつなげて電源全周期と仮定することにより、それぞれのパターンでの判定が可能となり、かつ本実施形態においてはいずれの周期信号を用いてもよい。
このような通信部24の処理は、PLCデータフレームを送信し、そのPLC−ACKを受信する度に行われる。つまり、フレーム送信情報は複数積算されていくものであり、通信特性取得部23はこれを基にエラーマップを作成する。
次に、具体的なエラーマップの内容について説明する。
図14は、エラーマップの内容の具体例を示すものである。図14において、横軸は1周期内の時間(msec)を表し、縦軸はエラー率(ある時間内の総送信数辺りのエラー発生数:ビットマップ情報における×の数の積算数)を表している。図14に示す内容は、AC周期のほぼ1周期の内容を表している。また、図14中の時間軸の0は、ACサイクル検出器60が出力する同期信号に基づいて決定される基準タイミング(例えばゼロクロス点)に相当する。なお、商用交流電源の周波数が60Hzの場合には、エラーマップの中で、15.4〜7.0msecの範囲と、7.0〜15.4msecの範囲とをそれぞれ前半及び後半の半周期の内容として規定してある。このように前後半を規定したのは、ACサイクル検出器60の検出精度(±1msec)や、一般的なインピーダンス変動の終端時間(5.5msec付近)を考慮したためである。商用交流電源の周波数が50Hzの場合には、エラーマップの中で、17.0〜7.0msecの範囲と、7.0〜17.0msecの範囲とをそれぞれ前半及び後半の半周期の内容として規定してある。このように前後半を規定したのは、ACサイクル検出器60の検出精度(±1msec)や、一般的なインピーダンス変動の終端時間を考慮したためである。
図14を参照すると、このエラーマップにおいては、一方の半周期内の時間t1〜t2の区間と、もう一方の半周期内の時間t3〜t4の区間のそれぞれでエラー率が大きく悪化していることが分かる。つまり、図14における時間t1、t2、t3、t4の近傍で電力線700にZ変動が生じ、その影響がこのエラーマップに反映されていると考えられる。
図14における各時間t1、t2、t3、t4については、各時間のエラー率と閾値(例えば定数)th1とを比較した結果として検出できる。本実施形態では、1周期の中で最大4点のインピーダンスの変化点を検出する。この変化点は、フレーム長(以下FLと呼ぶ:Frame Length)制御用の変化点として用いられるものであり、以下、FL制御用変化点ともいう。図14に示すエラーマップにおいては、各時間t1、t2、t3、t4が4つのFL制御用変化点に相当する。ここでは、t1〜t4は、エラー率が閾値th1となるときの時間成分を示している。また、ここでは変化「点」としているが、図14は1周期を所定時間区間毎に区分したものであるため、「点」は「時間区間」を示している。
次に、PLCモデム100がAC同期フレーム長制御を行う際の動作について説明する。図15はPLCモデム100がAC同期フレーム長制御を行う際の動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS41では、通信フレーム制御部22は、PLCモデム100が通信パラメータとして採用しているトーンマップ(TM)が不安定な状態か否かを識別し、安定するまで待機する。例えば、PLCモデム100の電源を投入した直後は、伝送路の状態に適していないトーンマップを採用し通信している可能性が高い。その状態でエラーマップを作成すると、不適切なトーンマップに依存した内容がエラーマップに反映され、適切なフレーム長制御ができなくなる。そこで安定するまで待機する。例えば、PLCモデム100の電源が投入された後、所定時間が経過するまで待ってから次に進む。なお、ステップS41は省略してもよい。
ステップS42では、通信部24が、通信データフレームの送信を繰り返し、その送信フレームに対するPLC−ACKを受信し、通信特性取得部23が、送信結果を反映したPLC−ACKに含まれるビットマップ情報を含むフレーム送信情報の内容に基づいて、エラーマップを作成する。
ステップS43では、通信フレーム制御部22は、通信特性取得部23により取得したフレーム送信情報のサンプル数が閾値(例えば定数)以上になったか否かを識別する。送信したデータフレームの数が閾値未満であればステップS42の処理を継続し、閾値以上になると次のステップS44に進む。なお、閾値が大きい程、精度の高いエラーマップを作成することが可能である。
ステップS44では、通信特性取得部23は、例えば図14に示した各時間t1、t2、t3、t4の点のように、例えば4つのFL制御用変化点をエラーマップから検出する。ここでは、エラーマップの中で半周期毎の始期から終期までの間でエラー率が最初に閾値th1を超えた点を開始点(t1,t3)として検出し、エラー率が最後に閾値th1を下回った点を終了点(t2,t4)として検出する。
ステップS45では、通信フレーム制御部22は、ステップS44で検出されたFL制御用変化点について補正を実施する。例えば、ステップS42〜S44のような処理によって検出されるFL制御用変化点は、実際のZ変動点に比べてやや後ろよりにずれる傾向がある。
そこで、ステップS45では、ステップS44で検出されたFL制御用変化点を次のように補正する。
Z変動の開始点(例えば図14のt1)と終了点(例えば図14のt2)の時刻が同一の場合、つまり瞬間的に閾値th1を超えたような場合には、その1点だけをFL制御用変化点として採用する。
また、Z変動の開始点と終了点の幅が広い(例えばt2−t1>thx(閾値))場合には、開始点と終了点のそれぞれを所定量だけ前に移動する。図16に示す例では、変化点の開始点P1と終了点P2の幅が広い場合は、P1、P2をそれぞれ200μsecだけ前に移動した点P1a、P2aをそれぞれ補正後の検出点とする。これにより、伝送エラーを回避して効率向上を図ることが可能である。
また、Z変動の開始点と終了点の幅が狭い(例えばt2−t1<thx(閾値))場合には、終了点のみを所定量だけ後ろ側に移動する。図16に示す例では、変化点の開始点P1と終了点P2の幅が狭い場合は、P2を200μsecだけ後ろに移動した点P2aを補正後の検出点とする。これにより、確実にZ変動区間にPLCフレームが現れることを回避することができる。
なお、図16において「BO」はバックオフ時間を示している。
なお、ステップS45は省略してもよい。
ステップS46では、通信フレーム制御部22は、Z変動点のタイミングを避けるように、通信フレーム生成部21が生成するフレームの長さを制限する。例えば、図11に示したPLCフレームFL21を生成する際には、フレームFL21の最終パケットが電力線700に現れるタイミングがZ変動点に相当する時間t1よりも前で終了するように、フレームFL21の長さ(もしくはこれに格納するパケットの数)を制限する。フレームFL21で送信しきれなかった残りのデータは、次以降のフレーム(FL22,F23)に格納するよう制御する。
このような本実施形態のPLCモデム100によれば、Z変動点においてPLCフレームを送信することを防止することができ、再送率が低下する結果、伝送効率を向上させることができる。
次に、エラーマップからFL制御用変化点を検出するための処理の変形例について、図17を参照して説明する。
ステップS101では、通信特性取得部23は、エラーマップの内容を参照し、所定の閾値th1を超えるエラー率が存在するか否かを識別し、存在する場合は次のステップS102に進む。
ステップS102では、通信特性取得部23は、エラーマップからエラー率が閾値以上のデータのみを抽出する。これにより、小さなノイズ成分を除外する。すなわち、エラー率の低いノイズについては、FL制御の効果があまり期待できないので無視する。これにより、これ以降の処理が簡略化される。
ステップS103では、通信特性取得部23は、ステップS102で抽出したデータについて、エラー率が閾値を超えている状態が連続している区間毎に、各区間のデータを特定するためのラベリングを行う。この場合、まず、各連続区間の終了点を検出する。すなわち、Z変動の回避のためには、特に変動の後ろ側が重要なので、終了点のタイミングを重視する。続いて、各連続区間について、区間内のエラー率の合計を算出し、合計が閾値(例えば定数)以下ならそのデータは除外する。これにより、インパルス性のノイズ成分を除去する。更に、各連続区間について、区間の幅(開始点から終了点までの時間幅)が閾値(例えば定数)以上なら開始点も検出する。これにより、変動幅が広いZ変動にも対応できる。なお、Z変動区間が多数ある場合には、終了点、開始点、その中間点の順に優先度をつける。
ステップS104では、通信特性取得部23は、ステップS103で検出された各連続区間のデータを、終了点、開始点、その中間点の順に優先度に基づき並べ替える。
ステップS105では、通信特性取得部23は、ステップS104で順位付けされた各連続区間のデータの中から、上位4番目までの終了点をFL制御用変化点として検出する。また、ここで検出されたFL制御用変化点についても、図16に示した処理と同様にタイミングの補正を実施してもよい。
なお、ステップS105で検出された終了点が4点未満の場合には、そのまま4点未満で制御してもよいし、検出された終了点と対応する開始点についても検出されたFL制御用変化点に追加し、合計で4つのFL制御用変化点を検出してもよい。
なお、FL制御は4つに限られるものではなく、4つ以上検出した場合に検出点を全てFL制御点と定めてもよい。
図17の処理によっても、Z変動点を的確に把握でき、所望のフレーム長制御を行うことができる。
次に、PLCモデム100がFL制御機能のオンオフを判定する方法について説明する。
上記説明したようなフレーム長の制限を実施すると、再送は生じにくくなるが伝送速度が低下することがある。従って、伝送路としての電力線700が複数のPLCモデムが送信をし、かつ混み合っている場合、つまり大量のトラヒックが発生しているような状況ではフレーム長の制限を実施しない方が良い結果が得られることがある。また、1つのPLCモデムから複数のPLCモデムに送信する場合、それぞれに対する伝送路特性が異なることがある。例えば、Z変動の影響を受けるPLCモデムと、影響を受けないPLCモデムに対するデータが混在する場合があり、このような場合、大幅な伝送効率の低下を招くこともある。これを考慮して、FL制御機能のオンオフ判定を行う。なお、エラーマップからFL制御用変化点(上述のステップS44)が検出されていることを前提としている。
具体的には、通信特性取得部23がトラヒック情報を収集し、通信フレーム制御部22が収集されたトラヒック情報に基づいて、フレーム長の制限機能のオンオフを判定する。
例えばPLCモデム100A、100B、100Cの3台のPLCモデムが共通の電力線700に接続されている場合に、各PLCモデム100の送信によって図18に示すようなPLCフレームが電力線700上に現れることになる。
図18に示す例では、最初のビーコン信号が現れた後で、フレーム長(FL)が350のPLCフレームをPLCモデム100AがPLCモデム100C宛に送信し、続いてFL=100のPLCフレームをPLCモデム100AがPLCモデム100B宛に、次にFL=350のPLCフレームをPLCモデム100C宛に送信し、更にFL=100のPLCフレームをPLCモデム100CがPLCモデム100A宛に送信し、同様の送信動作が繰り返されている。この場合、各PLCモデム100は電力線700に現れた各PLCフレームを検出し、トラヒックの状況を把握する。例えば、一のビーコン信号が現れてから次のビーコン信号が現れるまでの間に電力線700に現れたPLCフレームのフレーム長の合計をトラヒックの値として利用できる。図18に示す例では、PLCモデム100AがPLCモデム100B宛に送信したPLCフレームのトラヒックの値は1410であり、PLCモデム100C宛に送信したPLCフレームのトラヒックの値は510であり、PLCモデム100BについてはPLCモデム100C宛に送信したPLCフレームのトラヒックの値は1100であり、PLCモデム100CについてはPLCモデム100A宛に送信したPLCフレームのトラヒックの値は1410として検出される。
すなわち、通信部21は、図18に示したように、互いに隣接する2つのビーコン信号の間で現れた他PLCモデムが送信したPLCフレームおよび自PLCモデムの相手先別のPLCフレームのPLCフレームの長さ(FL)の合計を検出する。更に、検出したFLの合計を閾値、例えば「600」と比較し、合計が閾値より大きい場合には混み合っている、合計が閾値未満である場合には空いていると判断する。そして(FLの合計>閾値)の場合はカウンタの値に1を加算し、(FLの合計≦閾値)の場合はカウンタの値から1を減算する。このカウンタは通信特性取得部23が備えている。
図19に示す例では、ビーコン信号の発生毎に検出されるFLの合計が、500、710、690、350、と推移しているので、その都度カウンタの値には、「+1」「+1」「+1」「−1」の変化が現れる。
通信フレーム制御部22は、2secの周期で制御を実施し、その都度通信特性取得部23のカウンタをチェックすると共に、カウンタの値を0にリセットする。そして、カウンタの値に応じてフレーム長の制限に関する可否を判定する。すなわち、図19に示すように、カウンタの値が正の場合は、共通の伝送路としての電力線700に接続されている全てのPLCモデム100についてフレーム長の制限を強制的に禁止する。その場合、「FL制御禁止」として現在の状態を記憶する。また、カウンタの値が負の場合には、「FL制御可能」として現在の状態を記憶する。ここで記憶する内容がFL制御機能のオンオフに反映される。また、「FL制御可能」の状態では、後述する実施形態のTMを評価するためのトレーニングの際に「FL制御オン」の状態でのトレーニングを許可する。
このような処理を実行することで、PLCモデム内において、相手先PLCモデムごとに他PLCモデム及び自PLCモデム内の他相手先へのトラヒックの影響を考慮したFL制御のオンオフの判断が可能となる。
なお、図15に示したエラーマップの構築(ステップS42)、FL制御用変化点の検出(ステップS44)、エラーマップの再構築(ステップS42)等の処理については、通信特性取得部23のカウンタの値や状態とは無関係に実施される。
なお、上述の実施の形態ではビーコン周期ごとのカウンタを設けることで、突発的なトラヒックの増減を緩和させることができる。一方でより簡易に2秒間トラヒック量を同様の方法で加算し、ビーコン周期とは関係なく2秒単位で評価を行ってもよい。このときビーコン周期内で規定した閾値「600」に相当する比率の2秒に換算した閾値、例えばビーコン周期を50msecとすると600に40を乗算した「24000」を閾値とすることで簡易的な評価も可能となる。
次に、「FL制御可能」と「FL制御禁止」の判定と、FL制御機能のオンオフとのタイミングについて図20を用いて示す。
「FL制御可能」状態から他トラヒックの混入により「FL制御禁止」状態になる場合、FL制御をオンからオフに切り替えなければならない。このとき、他トラヒックの混入により性能が劣化する可能性があるため、瞬時に切り替えなければならない。よって、上述の状態変化の場合には検出と同時にFL制御機能をオンからオフに切り替える。(図20の切替ポイント1)
一方、「FL制御禁止」状態から他トラヒックの混入がなくなることにより「FL制御可能」状態になる場合、FL制御をオフからオンに切り替えることができる。この場合、他トラヒックの混入がなくなったことによりFL制御がオフのままでも伝送帯域は広がる。そのためFL制御機能を状態変化と同時にオフからオンに切り替える必要は無い(図20の切替ポイント2)。さらに後述のようにFL制御機能のオンとオフのいずれが性能がいいのかをCE要求/CERに基づくTMの決定の一つのパラメータと位置づけて決定するような場合は、次のCE要求/CERの評価においてFL制御機能をオンにする。
なお、「FL制御禁止」状態から「FL制御可能」状態になると同時にFL制御をオフからオンに切り替えてもよい。
なお、「FL制御禁止」状態から「FL制御可能」状態になると同時にCE要求/CERに基づく伝送路評価プロセスを実行し、FL制御をオフからオンになるタイミングを早めてもよい。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態におけるPLCモデム100の機能ブロックは不図示であるが、第1の実施形態におけるPLCモデムの機能ブロックと第2の実施形態におけるPLCモデムの機能ブロックとを組み合わせたものとなる。
次に、本実施形態のPLCモデム100の主要な処理の内容について説明する。
本実施形態では、PLCモデム100は、サブキャリア周波数毎の一次変調方式の違いや、誤り訂正モードの他に、通信パラメータ設定部11が、通信特性を改善するために、様々な変更を行う。例えば、微妙な伝送特性の変化に対応するために、通信フレーム中にパイロットシンボルを挿入するか否か(パイロットシンボル:オン/オフ)を切り替える。また、PLCモデム100がパルス振幅変調(PAM)を採用する場合に、一度に何ビットを伝送するか(PAM:PAM制限無、Max8PAM、Max4PAM)を切り替える。また、FL制御を行うか否か(FL制御:オン/オフ)を切り替える。
図21および図22は、PLCモデム100が実行する全体トレーニング処理(第1の実施形態で説明した処理と第2の実施形態で説明した処理を統合した総合処理)の一例を示すフローチャートである。図21および図22に示す処理では、図6および図7に示した処理を、条件を適宜変えながら、複数回繰り返す。また、FL制御を行うか否かも加味している。
ステップS51では、比較部13は、前述の新TMの内容に基づき、理論上最大の(再送率が0の場合の)実効伝送レートR21を計算する。但し、ここではパイロットシンボルはオフ、PAM制限(変調ビット数の制限)オフの条件を適用して計算する。
ステップS52では、比較部13は、図6のステップS17で得られた実効伝送レートR11と、ステップS51の実効伝送レートR21を比較する。R11がR21より大きい場合はステップS53に進み、これを満たさない場合はステップS54に進む。すなわち、新TMについてはPAM制限などのない最良の条件で、しかも再送率が0の場合を想定した最高の実効伝送レートR21でも、現行TMよりも通信性能が劣っている場合には、これ以降のトレーニングは不要なので、ステップS53に進む。
ステップS53では、通信パラメータ設定部11は、通信部14が使用する通信パラメータとして、現行TMを採用する。
ステップS54の「第1条件トレーニング」は、図6および図7に示した処理のうち、ステップS20以降の処理に相当する。但し、第1条件トレーニングでは、現行TMに関してはPAM制限等を含む条件(この時点で採用されている条件)を適用し、新TMに関してはパイロットシンボルはオン、PAM制限なしの条件を適用する。つまり、パイロットシンボルをオンにし、実効伝送レートを改善した状態でトレーニングを開始する。
ステップS55では、比較部13は、図6のステップS22と同じ条件を満たしているかどうかを識別する。すなわち、第1トレーニング処理の結果得られた再送率から求めた実効伝送レートR22と、実効伝送レートR11とを比較した結果、閾値(ΔR)以上新TMが劣っている場合には、ステップS56に進み、それ以外の場合はステップS57に進む。
ステップS56では、通信パラメータ設定部11は、第1条件トレーニング(ステップS54)の勝者である現行TMを、通信部14が使用する通信パラメータとして採用する。
ステップS57の「第2条件トレーニング」は、図6および図7に示した処理のうち、ステップS20以降の処理に相当する。但し、第2条件トレーニングでは、現行TMに関しては第1条件トレーニングの勝者と同じ条件を適用し、新TMに関してはパイロットシンボルはオフ、PAM制限なしの条件を適用する。つまり、新TMに対するパイロットシンボルをオフに切り替えて、第1条件トレーニングと同様の処理を繰り返す。
ステップS58では、比較部13は、第2条件トレーニングの勝者のTMについて、その実効伝送レート(1−Ret(2)×PHY(2))と、最大8PAM(3ビット:8レベル)に制限した場合の再送率を無視した伝送レート(PHY8)とを比較する。なお、(Ret(2))は「第2条件トレーニング」で取得した再送率を表し、(PHY(2)、(PHY8))は物理層レベル(つまり再送を考慮しない)の伝送レートを表している。ステップS58の条件を満たす場合にはステップS64に進み、満たさない場合にはステップS59に進む。
ステップS59では、比較部13は、新TMについて、PAM制限なしの場合の物理層レベルの伝送レート(PHY)と、最大8PAMに制限した場合の物理層レベルの伝送レート(PHY8)とを比較する。ステップS59の条件を満たす場合にはステップS62に進み、満たさない場合にはステップS60に進む。例えば、元々8PAM以下の条件しか存在しないTMの場合には、PAM制限しても伝送速度が変わらないので次のステップS60は省略する。
ステップS60の「第3条件トレーニング」は、図6および図7に示した処理のうち、ステップS20以降の処理に相当する。但し、第3条件トレーニングでは、現行TMに関しては第2条件トレーニングの勝者と同じ条件と適用し、新TMに関してはパイロットシンボルはオン、最大8PAM制限オンの条件を適用する。つまり、新TMに対する条件を切り替えて、第2条件トレーニングと同様の処理を繰り返す。
ステップS61では、比較部13は、第3条件トレーニングの勝者のTMについて、その実効伝送レート(1−Ret(3)×PHY(3))と、最大4PAM(2ビット:4レベル)に制限した場合の再送率を無視した伝送レート(PHY4)とを比較する。なお、(Ret(3))は第3条件トレーニングで取得した再送率を表し、(PHY(3)、(PHY4))は物理層レベル(つまり再送を考慮しない)の伝送レートを表している。ステップS61の条件を満たす場合にはステップS64に進み、満たさない場合はステップS62には進む。
ステップS62では、比較部13は、新TMについて、PAM制限なしの場合の物理層レベルの伝送レート(PHY)と、最大4PAMに制限した場合の物理層レベルの伝送レート(PHY4)とを比較する。ステップS62の条件を満たす場合にはステップS64に進み、満たさない場合にはステップS63に進む。例えば、元々4PAM以下の条件しか存在しないTMの場合には、PAM制限しても伝送速度が変わらないので次のステップS63は省略する。
ステップS63の「第4条件トレーニング」は、図6および図7に示した処理のうち、ステップS20以降の処理に相当する。但し、第4条件トレーニングでは、現行TMに関しては第3条件トレーニングの勝者と同じ条件と適用し、新TMに関してはパイロットシンボルはオン、最大4PAM制限オンの条件を適用する。つまり、新TMに対する条件を切り替えて、第3条件トレーニングと同様の処理を繰り返す。
ステップS64では、通信フレーム制御部22は、FL制御用変化点の検出の有無を調べ、検出しなかった場合にはステップS65に進み、検出した場合にはステップS60に進む。
ステップS65では、通信パラメータ設定部11は、この処理の直前に実行したトレーニングにおける勝者のTM及び条件を通信部14の通信パラメータとして採用する。
ステップS66では、通信フレーム制御部22は、この処理の直前に実行したトレーニングにおける勝者の条件が「FL制御オン」か否かを識別する。FL制御オンである場合にはステップS69に進み、それ以外ならステップS67に進む。
ステップS67の「第5条件トレーニング」は、図6および図7に示した処理のうち、ステップS20以降の処理に相当する。但し、第5条件トレーニングでは、現行TMに関しては直前のトレーニングの勝者と同じ条件を適用する。一方、新TMに関しては、FL制御オンに切り替えて、それ以外の条件は直前のトレーニングの勝者と同じ条件を適用する。つまり、FL制御オンに関する条件だけを切り替えて、トレーニングを実施する。
ステップS68では、通信パラメータ設定部11は、第5条件トレーニングの勝者のTM及びそれに適用した条件を通信部14の通信パラメータとして採用する。
ステップS69の「第6条件トレーニング」は、図6および図7に示した処理のうち、ステップS20以降の処理に相当する。但し、第6条件トレーニングでは、現行TMに関しては直前のトレーニングの勝者と同じ条件を適用する。一方、新TMに関しては、FL制御オフに切り替えて、それ以外の条件は直前のトレーニングの勝者と同じ条件を適用する。つまり、「FL制御オンオフ」に関する条件だけを切り替えて、トレーニングを実施する。
ステップS70では、通信パラメータ設定部11は、第6条件トレーニングの勝者のTM及びそれに適用した条件を通信部14の通信パラメータとして採用する。
ステップS71では、通信パラメータ設定部11は、トレーニングの結果として最終的に採用した通信パラメータにFL制御オンの条件が適用されているか否かを識別する。FL制御オフのTMを選択した場合には、次のステップS72に進む。
ステップS72では、通信フレーム制御部22は、第2の実施形態で説明したエラーマップをリセットし、エラーマップを再構築するためのトリガを発生する。これにより、FL制御用変化点を検出する際にインパルス性ノイズが発生し、このノイズの影響を受けて検出されるFL制御用変化点に多少の揺らぎ等が生じ、エラーマップが正しい変化点を反映していない場合であっても、エラーマップを再構築することにより、FL制御を実施する場合の制御の精度を高めることができる。
なお、第1条件トレーニング(ステップS54)、第2条件トレーニング(ステップS57)、第3条件トレーニング(ステップS60)、第4条件トレーニング(ステップS63)のそれぞれにおける新TMのFL制御オン/オフは、現行TMと同一の条件にする。
このような図21および図22の処理を行うことで、パイロットシンボルのオンオフ情報、PAM制限情報、FL制御のオンオフ情報を考慮して、より正確なTMの通信パラメータを採用することが可能となる。
次に、PLCモデム100が適切なTMの通信パラメータを選択するための動作に関する全体フローについて、図23を参照しながら説明する。
電源が投入されてPLCモデム100が起動すると、PLCモデム100は、所定の初期化(ADJUST:第1の実施形態で説明した第4トレーニングに相当)を行った後、CE要求の送信(図6参照)およびそれに対するCERの受信(図6参照)を行い、CERに含まれる評価情報に基づいて新TMを生成する。
この後で、PLCモデム100は、現行TM、新TMを評価するためのトレーニングTR11を400〜1000msecの期間にわたって実施する。トレーニングTR11の内容については、図6および図7に示した内容とは少し異なっている。例えば、ステップS12に相当するデータ伝送の結果が得られる前にトレーニングを開始するので、現行TM、新TMを交互に切り替えながら、現行TMの再送率と新TMの再送率とを所定期間にわたって取得し、その結果を比較して、採用するTMを決定する。
同様に、PLCモデム100は、起動後例えば1sec経過後、3sec経過後、7sec経過後、・・・にCE要求の送信、それに対するCERの受信を行い、トレーニングTR12等により採用TMを決定する。このように、所定回数繰り返される(トレーニングTR12、TR13、TR14、・・・)。トレーニングTR12、TR13、TR14の内容はTR11と同じである。繰り返しの回数(4回)はあくまで例示である。これらが第1段階の流れである。
なお、PLCモデム100の起動後10秒程度で通常のデータ送受信が可能な状態となる。
また、トレーニング自体の長さはTR11〜TR14で変化はないが、トレーニング間隔は少しずつ長くなっている。
続いて、第1段階に続いて、例えば起動後13sec後に、PLCモデム100は、トレーニングTR21を100〜1000msにわたって実施する。トレーニングTR21では、CE要求/CER受信の後に、PLCモデム100は、図6に示した第1トレーニング処理を加味して現行TMの再送率と新TMの再送率とを所定期間にわたって取得し、その結果を比較して、採用するTMを決定する。
同様に、PLCモデム100は、起動後例えば21sec経過後に、CE要求/CER受信を行い、トレーニングTR21等により採用TMを決定する。このように、トレーニングは所定回数繰り返される(トレーニングTR22、・・・)。トレーニングTR21の内容はTR21と同じである。繰り返しの回数(2回)はあくまで例示である。これらが第2段階の流れである。
また、第1段階と同様に、トレーニング自体の長さはTR21、TR22で変化はないが、トレーニング間隔は少しずつ長くなっている。
続いて、第2段階に続いて、例えば起動後43sec後に、PLCモデム100は、トレーニングTR31を100〜11500msにわたって実施する。トレーニングTR31では、CE要求/CER受信の後に、PLCモデム100は、図6に示した第1トレーニング処理〜第4トレーニング処理を行い、採用するTMを決定する。この場合、図6および図7の処理を行う際に事前に必要となる現行TMの通信特性(例えば再送率)を取得する。取得する期間は、第1トレーニング処理〜第4トレーニング処理を行う直前(例えば39sec〜43sec)である。
同様に、PLCモデム100は、起動後例えば57sec経過後に、CE要求/CER受信を行い、トレーニングTR32等により採用TMを決定する。このように、トレーニングは所定回数繰り返される(トレーニングTR32、・・・)。トレーニングTR32の内容はTR31と同じである。繰り返しの回数(2回)はあくまで例示である。これらが第3段階の流れである。
また、第1段階および第2段階と同様に、トレーニング自体の長さはTR21、TR22で変化はないが、トレーニング間隔は少しずつ長くなっている。ただし、トレーニング間隔が30秒程度になった後はトレーニング間隔を一定とする。
このような図23の処理を行うことで、PLCモデム100の起動直後は伝送路としての電力線700の特性が安定していない状態であるので、短期間の簡易なトレーニングを取り急ぎ行いながらTMを修正し、起動から時間が経過するにつれて、長期間の確実性を重視したトレーニングを行うことで、スムーズかつ的確に最適なTMを採用することができる。
なお、PLCモデム100は、FL制御のオンオフ判定を図23とは非同期で実施する。
本発明は、伝送路状態が一定でない場合であっても、最適な通信特性を維持することが可能な通信装置等に有用である。
本発明の実施形態におけるPLCモデムの前面を示す外観斜視図 本発明の実施形態におけるPLCモデムの背面を示す外観斜視図 本発明の実施形態におけるPLCモデムのハードウェアの一例を示した図 本発明の実施形態におけるPLCモデムのデジタル信号処理を説明するための図 本発明の第1の実施形態におけるPLCモデムの機能ブロック図 本発明の第1の実施形態におけるPLCモデムが伝送速度の安定化制御を行う際の動作の一例を示すフローチャート 本発明の第1の実施形態におけるPLCモデムが伝送速度の安定化制御を行う際の動作の一例を示すフローチャート 本発明の第1の実施形態におけるトレーニング処理の流れの一例を示す図 本発明の第1の実施形態における所定時間区間において選択されたTMの一例を示す図 本発明の第2の実施形態におけるPLCモデムの機能ブロック図 本発明の第2の実施形態におけるZ変動区間を考慮した通信フレームの一例を示す図 本発明の第2の実施形態におけるPLCモデムが送信するPLCフレームの送信フレーム(送信結果を含む) 本発明の第2の実施形態におけるメインICが備える通信部、通信特性取得部、ビットマップキューの一例を示す図 本発明の第2の実施形態におけるエラーマップの内容の具体例を示す図 本発明の第2の実施形態におけるPLCモデムがAC同期フレーム長制御を行う際の動作の一例を示すフローチャート 本発明の第2の実施形態におけるFL制御用変化点の補正の一例を示す図 本発明の第2の実施形態におけるエラーマップからZ変動点を検出するための処理の変形例を示す図 本発明の第2の実施形態における複数のPLCモデムから送信された電力線上のPLCフレームおよびビーコンの一例を示す図 本発明の第2の実施形態における通信部のカウンタ値の一例を示す図 本発明の第2の実施形態におけるFL制御オン/オフのタイミングを示すタイミングチャート 本発明の第3の実施形態における全体トレーニング処理の一例を示すフローチャート 本発明の第3の実施形態における全体トレーニング処理の一例を示すフローチャート 本発明の第3の実施形態における段階的にトレーニング方法を変化させる場合の流れを示す図 適切な通信特性が維持されていない場合の伝送速度の変化の一例を示す図
11 通信パラメータ設定部
12 通信性能取得部
13 比較部
14 通信部
15 伝送路
21 通信フレーム生成部
22 通信フレーム制御部
23 通信特性取得部
24 通信部
25 伝送路
100 PLCモデム
102 電源コネクタ
150 管理装置
200 回路モジュール
210 メインIC
211 CPU
212 PLC・MACブロック
213 PLC・PHYブロック
220 AFE・IC
221 DA変換器(DAC)
222 AD変換器(ADC)
230 PHY・IC
240 メモリ
251 ローパスフィルタ
252 ドライバIC
260 バンドパスフィルタ
270 カプラ
281 AMP IC
282 ADC IC
60 ACサイクル検出器
300 スイッチング電源
400 電源プラグ
500 コンセント
600 電源ケーブル
700 電力線

Claims (14)

  1. 伝送路を介して、他の通信装置へのデータの送信を行う通信装置であって、
    第1の通信パラメータを用いて第1の通信を行う第1の通信部と、
    第2の通信パラメータを用いて第2の通信を行う第2の通信部と、
    前記第1の通信に対応する第1の通信性能、および前記第2の通信に対応する第2の通信性能を取得する通信性能取得部と、
    前記第1の通信性能と前記第2の通信性能を比較する比較部と、
    前記比較に基づいて前記第1の通信パラメータまたは前記第2の通信パラメータを通信に用いる通信パラメータとして選択する通信パラメータ選択部とを備える
    通信装置。
  2. 請求項1に記載の通信装置であって、
    前記第1の通信部は、第1の所定期間、前記第1の通信を行う
    通信装置。
  3. 請求項1または2に記載の通信装置であって、更に、
    前記伝送路の伝送路状態の情報を取得する伝送路状態取得部を備え、
    前記通信パラメータ設定部は、前記伝送路の伝送路状態の情報に基づいて、前記第2の通信パラメータを設定する
    通信装置。
  4. 請求項1に記載の通信装置であって、更に、
    前記通信パラメータ設定部は、前記第1の通信の後に、前記第2の通信を行う
    通信装置。
  5. 請求項1に記載の通信装置であって、更に、
    前記通信部は、前記第2の通信において、前記他の通信装置へ送信するデータを送信する第2の通信を行う
    通信装置。
  6. 請求項5に記載の通信装置であって、
    前記比較部による比較の後に、第2の所定期間、第2の通信を行い、
    前記通信性能取得部は、前記第2の通信における前記第2の通信性能を取得する
    通信装置。
  7. 請求項6に記載の通信装置であって、
    前記第2の所定期間は、1秒以上である
    通信装置。
  8. 請求項5または6に記載の通信装置であって、
    前記比較部は、
    前記第1の通信性能と、前記第2の通信パラメータを用いてデータを送信する第2の通信において再送が発生しないと仮定した場合の前記第2の通信性能と、を比較する第1の比較を行い、
    前記第1の比較の結果、前記第2の通信性能が前記第1の通信性能よりも所定基準以上優れている場合に、前記第1の通信性能と前記通信性能取得部により取得された第2の通信性能とを比較する第2の比較を行う
    通信装置。
  9. 請求項8に記載の通信装置であって、
    前記通信性能取得部は、前記比較部による前記第1の比較の結果、前記第2の通信性能が前記第1の通信性能よりも所定基準以上優れている場合に、前記第1の通信と前記第2の通信とを交互に行った場合の第2の通信期間における第2の通信性能を取得し、
    前記比較部は、前記第1の通信性能と前記第2の通信期間における第2の通信性能とを比較する第3の比較を行い、前記第3の比較の結果、前記第2の通信期間における第2の通信性能が前記第1の通信性能よりも優れている場合に、前記第2の比較を行う
    通信装置。
  10. 請求項9に記載の通信装置であって、
    前記通信性能取得部は、前記第2の比較の後の前記第1の通信における前記第1の通信性能を取得し、
    前記パラメータ設定部は、前記第1の通信性能が所定基準を満たしていない場合、前記第2の通信パラメータを再設定する
    通信装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の通信装置であって、
    前記第1の通信性能および第2の通信性能は、再送率を含む
    通信装置。
  12. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の通信装置であって、
    前記伝送路は、電力線である
    通信装置。
  13. 伝送路を介して、他の通信装置へのデータの送信を行う通信方法であって、
    第1の通信パラメータを用いて第1の通信を行い、
    第2の通信パラメータを用いて第2の通信を行い、
    前記第1の通信に対応する第1の通信性能、および前記第2の通信に対応する第2の通信性能を取得し、
    前記第1の通信性能と前記第2の通信性能を比較し、
    前記比較に基づいて前記第1の通信パラメータまたは前記第2の通信パラメータを通信に用いる通信パラメータとして選択する
    通信装置。
  14. 伝送路を介して、他の通信装置へのデータの送信を行う通信装置に用いられる集積回路であって、
    第1の通信パラメータを用いて第1の通信を行う第1の通信部と、
    第2の通信パラメータを用いて第2の通信を行う第2の通信部と、
    前記第1の通信に対応する第1の通信性能、および前記第2の通信に対応する第2の通信性能を取得する通信性能取得部と、
    前記第1の通信性能と前記第2の通信性能を比較する比較部と、
    前記比較に基づいて前記第1の通信パラメータまたは前記第2の通信パラメータを通信に用いる通信パラメータとして選択する通信パラメータ選択部とを備える
    集積回路。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101849527B1 (ko) * 2016-07-29 2018-04-17 주식회사 하이솔루션 태양광발전소의 원격제어시스템 및 원격제어방법

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KR101849527B1 (ko) * 2016-07-29 2018-04-17 주식회사 하이솔루션 태양광발전소의 원격제어시스템 및 원격제어방법

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