JP2009141415A - 電源制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
電力線通信の通信環境を改善する。
【解決手段】
PLC変換回路30dは、通信IF38dを介してPLC通信ラインの通信状況情報40を電源制御回路36dに供給する。電源制御回路36dは、通信状況情報40から、使用すべきスイッチング周波数を決定する。電源制御回路36dは、決定したスイッチング周波数にスイッチング周波数制御回路34dを介してスイッチング電源32dのスイッチング周波数を制御する。電源制御回路36dはまた、他のスイッチング電源のスイッチング周波数を制御するスイッチング周波数制御信号42を通信IF38dを介してPLC変換回路30dに出力する。PLC変換回路30dは、スイッチング周波数制御信号42を、電力線10を介して他のPLCアダプタ18a〜18cに供給し、LANケーブル22dを介してLAN端末24dに供給する。
【選択図】 図2
電力線通信の通信環境を改善する。
【解決手段】
PLC変換回路30dは、通信IF38dを介してPLC通信ラインの通信状況情報40を電源制御回路36dに供給する。電源制御回路36dは、通信状況情報40から、使用すべきスイッチング周波数を決定する。電源制御回路36dは、決定したスイッチング周波数にスイッチング周波数制御回路34dを介してスイッチング電源32dのスイッチング周波数を制御する。電源制御回路36dはまた、他のスイッチング電源のスイッチング周波数を制御するスイッチング周波数制御信号42を通信IF38dを介してPLC変換回路30dに出力する。PLC変換回路30dは、スイッチング周波数制御信号42を、電力線10を介して他のPLCアダプタ18a〜18cに供給し、LANケーブル22dを介してLAN端末24dに供給する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、電力線(いわゆる電灯線)を通信線として使用する電力線通信にいて、スイッチング電源によるスイッチングノイズを低減するための電源制御装置に関する。
近年、商用電源線、いわゆる電力線に通信信号を重畳し、通信を行う電力線通信装置(PLC装置)が実用化されている。電力線通信は、配設済みの電力線を通信線として利用でき、専用の通信線を新たに設置しなくて良いという利点がある。最大通信速度は、近年の技術革新と、使用可能な周波数帯域の規制緩和による拡大で、高速化している。
反面、電力線を通信線として見た場合、ノイズが多く、高品質とは言い難い。原理上、高速であっても、実際の通信においては、十分な速度が出ない場合がある。ノイズの発生源としては、様々なものが考えられるが、そのうち多くは、スイッチング電源によるものである。電力線に接続される家庭用の電子機器の多くは、電力線の交流電圧を直流の低電圧に変換する電源回路を内蔵する。この種の電源回路には、一般に変換効率が高いスイッチング電源が使用されている。しかし、電力線通信から見ると、スイッチング電源はノイズ発生源でもある。即ち、スイッチング電源は、スイッチング周波数とその高調波のノイズを発生し、このノイズが電力線に漏れ出し、電力線通信の通信速度を低下させる。
電力線通信に用いられる通信方式は統一されておらず、複数の規格が存在する。具体的には、多くの搬送波を使用する(マルチキャリア)周波数分割多重(FDM)方式と、デジタル信号の周波数スペクトラム分布の性質を用いて更に密度の高い多重化を実現する直交周波数分割多重(OFDM)方式が、現在、主流になっている。
電力線通信では、いずれの方式でも、基本的に、数多くの周波数の異なる搬送波を使ってデータを伝送する。受信復調時には、これらの搬送波の内、ノイズによる妨害やレベルの減衰などから生き残った、復調可能な搬送信号を復調し、データエラーを訂正する。実効的な通信速度を上げるには、ノイズによる妨害とレベルの減衰を少なくしなければならない。
一方で、電力線に接続されている電気機器に内蔵されるスイッチング電源のスイッチング周波数は、電気機器毎にまちまちである。多くの電気機器が電力線に接続されるほど、その様々な基本周波数とその高調波のノイズが電力線に重畳されることになる。その結果、多くの搬送波が妨害により使用不能となってしまい、通信速度の確保が難しくなる。
電力線通信で通信速度を確保する技術として、特許文献1には、電力線通信の障害となるノイズの帯域を検出し、その帯域の搬送波を利用しないようにする技術が記載されている。また、特許文献2には、電気機器のスイッチング電源のスイッチング周波数を、電力線通信で使用される信号搬送波の最大周波数以上に設定することが記載されている。
特開2003−008521公報
特開2006−304086公報
特許文献1に記載の技術では、ノイズ発生源が増加すると、利用できる搬送波が少なくなり、その結果として、通信速度の確保が難しくなる。
特許文献2に記載の技術では、電力線通信装置と同時に電力線に接続される電気機器のスイッチング電源のスイッチング周波数が、電力線通信で使用される信号搬送波の最大周波数以上になることを待つしかない。技術革新により電力線通信の使用周波数が高くなると、役に立たない。他方で、スイッチング周波数の高周波数化にも限界がある。2007年現在の電力線通信の最大周波数は大略30MHzであるが、スイッチング電源の使用周波数は数MHz程度であり、それ以上になると効率が低下する。
本発明は、このような不都合を解消し、スイッチング電源に起因するノイズの影響を低減する電源制御装置を提示することを目的とする。
本発明に係る電源制御装置は、電力線を介して通信する電力線通信において、前記電力線に接続し、スイッチング電源を使用する複数の電気電子機器の前記スイッチング電源を制御する装置であって、前記電力線通信の通信状況を検出する通信状況検出手段と、前記通信状況検出手段の検出結果に従い、前記複数のスイッチング電源の発生するスイッチングノイズが前記電力線通信に使用されるキャリアのノッチに位置するように、前記複数のスイッチング電源のスイッチング周波数を制御する制御手段とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、電力線にスイッチング電源により加えられるスイッチングノイズを電力線通信に使用されるキャリアのノッチに位置させることができるので、電力線通信の通信品質を改善できる。例えば、通信速度を向上させ、又はエラーレートを低減できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例を使用する電力線通信システムの概略構成図を示す。この例では、電力線10のソケット(コンセント)12a〜12dが壁14に配置されている。電力線10は、図示しないブレーカ及び積算電力計を介して、電力会社の電力供給線16に接続する。電力線通信装置であるPLCアダブタ18a〜18dが、プラグ20a〜20dによりソケット12a〜12dにそれぞれ接続する。PLCアダプタ18a〜18dは、スイッチング周波数を制御可能なスイッチング電源を内蔵する。PLCアダプタ18dは更に、同じ電力線に接続するPLCアダプタ18a〜18cのスイッチング電源のスイッチング周波数を制御するスイッチング周波数制御回路を内蔵する。
各PLCアダプタ18a〜18dはLAN端子を具備し、LANケーブル22a〜22dを介してLAN端末24a〜24dに接続する。LAN端末24a〜24dは、例えば、パーソナルコンピュータ、ルータ、通信機能を有するカメラ、又は通信機能を有するプリンタ等の、通信機能を有する電気電子装置からなる。この実施例では、LAN端末24a〜24dもまた、スイッチング周波数を制御可能なスイッチング電源を具備する。電池を電源とし得る携帯端末機器も、LAN端末としては、電力線10からの交流電力で動作しているとする。
PLC通信は、無線LANのアドホックモードのように、有線LANにおける通信路の分岐に必要なHUB装置を必要としない。図示したネットワーク構成では、PLCアダプタ18a〜18dは、電力線10を介して相互に通信できる。その結果、各LAN端末24a〜24dもまた、対応するPLCアダプタ18a〜18dを介して、相互に通信できる。
詳細は後述するが、PLCアダプタ18dは、内蔵する電源制御回路により、他のPLCアダプタ18a〜18c、及びLAN端末24a〜24dに内蔵される各スイッチング電源のスイッチング周波数を遠隔制御する。
電力線10上には、PLCアダプタ18a〜18dから出力されるPLC信号と、PLCアダプタ18a〜18d及びLAN端末24a〜24dに内蔵される各スイッチング電源が発生するスイッチングノイズが存在する。なお、電力線10には、近隣家庭又は施設からのPLC信号又はノイズが入りこむが、内部で発生する上述のノイズの方が大きく、内部のPLC通信に対する影響も大きい。
図2は、PLCアダプタ18dとPLCアダプタ18a間の通信に注目した概略構成ブロック図を示す。PLCアダプタ18b,18cの内部の構成は、基本的に、PLCアダプタ18aのそれと同じである。
PLCアダプタ18dは、PLC変換回路30d、スイッチング電源32d、スイッチング周波数制御回路34d、電源制御回路36d及び通信インターフェース38dを具備する。通信インターフェース(IF)38dは、PLC変換回路30dと電源制御回路36dとの間の通信を仲介する。電源制御回路36dは、マイクロプロセッサからなり、スイッチング周波数制御回路34dを介してスイッチング電源32のスイッチング周波数を制御する。電源制御回路36dはまた、電力線10に接続する他の電気電子機器、例えば、PLCアダプタ18a〜18c及びLAN端末24a〜24dに内蔵されるスイッチング電源のスイッチング周波数を制御する。
PLCアダプタ18aは、PLC変換回路30a、スイッチング電源32a、スイッチング周波数制御回路34a及び通信IF38aを具備する。通信IF38aは、PLC変換回路30aからスイッチング周波数制御回路34aへのスイッチング周波数制御信号を仲介する。
PLCアダプタ18dの基本的な動作を説明する。PLC変換回路30dは、LANケーブル22dを介してLAN端末24dから受信した信号をPLC信号に変換して、電力線10に出力する。PLC変換回路30dはまた、電力線10を介して受信したPLC信号をLAN信号に変換し、LANケーブル22dを介してLAN端末24dに送信する。
PLCアダプタ18dの電源制御回路36dは、自己の及び他のスイッチング電源のスイッチング周波数を制御する。そのために、PLC変換回路30dは更に、通信IF38dを介してPLC通信ラインの通信状況情報40を電源制御回路36dに供給する。通信状況情報40は具体的には、PLC通信信号方式とその現状での通信速度を示す。PLC変換回路30dは、通信状況検出手段として機能する。電源制御回路36dは、PLC変換回路30dの通信状況検出結果である通信状況情報40を予め設定された制御テーブルに照合して、使用すべきスイッチング周波数を決定する。電源制御回路36dは、決定したスイッチング周波数にスイッチング周波数制御回路34dを介してスイッチング電源32dのスイッチング周波数を制御する。
電源制御回路36dはまた、他のスイッチング電源のスイッチング周波数を制御するスイッチング周波数制御信号42を、通信IF38dを介してPLC変換回路30dに出力する。PLC変換回路30dは、このスイッチング周波数制御信号42を、電力線10を介して他のPLCアダプタ18a〜18cに供給し、LANケーブル22dを介してLAN端末24dに供給する。図2では、スイッチング周波数制御信号42の流れを破線で図示してある。
PLCアダプタ18aでは、PLC変換回路30aは、PLC変換回路30dと同様に、電力線10に接続する他のPLCアダプタ18b〜18dとLAN端末24aとの間の通信を仲介する。PLC変換回路30aはまた、電力線10を介して受信したスイッチング周波数制御信号42を、通信IF38aを介してスイッチング周波数制御回路34aに供給する。スイッチング周波数制御回路34aは、入力するスイッチング周波数制御信号42に従い、スイッチング電源32aを制御する。PLC変換回路30aはまた、LANケーブル22aを介してスイッチング周波数制御信号42をLAN端末24aにも供給する。
図3は、LAN端末24a〜24dの一例としての、パーソナルコンピュータの概略構成ブロック図を示す。スイッチング電源のスイッチング周波数制御に関する機能ブロックを図示してあり、その他の要素は省略してある。LANケーブル22は通信IF50を介してCPU52に接続する。スイッチング電源54は電力線10に接続し、電力線10からの交流電圧から直流電圧を生成して、各部に供給する。CPU52は、LANケーブル22及び通信IF50を介して受信したスイッチング周波数制御信号をスイッチング周波数制御回路56に供給する。スイッチング周波数制御回路56は、このスイッチング周波数制御信号に従いスイッチング電源54のスイッチング周波数を制御する。
図4は、LAN端末24a〜24dの一例としての、ルータの概略構成ブロック図を示す。スイッチング電源のスイッチング周波数制御に関する機能ブロックを図示してあり、その他の要素は省略してある。LANケーブル22は通信IF60を介してルータ制御回路62に接続する。ルータ制御回路62はまた、別の通信IF63を介して別の通信回線、例えば、インターネットに接続する通信回線に接続する。スイッチング電源64は電力線10に接続し、電力線10からの交流電圧から直流電圧を生成して、各部に供給する。ルータ制御回路62は、LANケーブル22及び通信IF60を介して受信したスイッチング周波数制御信号をスイッチング周波数制御回路66に供給する。スイッチング周波数制御回路66は、このスイッチング周波数制御信号に従いスイッチング電源64のスイッチング周波数を制御する。
図5は、LAN端末24a〜24dの一例としての、ビデオカメラ又はデジタルビデオカメラの概略構成ブロック図を示す。撮影した写真あるいは動画像をネットワーク経由で鑑賞、保存又は転送を行うことが考えられる。スイッチング電源のスイッチング周波数制御に関する機能ブロックを図示してあり、その他の要素は省略してある。LANケーブル22は通信IF70を介してカメラ制御回路72に接続する。スイッチング電源74は電力線10に接続し、電力線10からの交流電圧から直流電圧を生成して、各部に供給する。カメラ制御回路72は、LANケーブル22及び通信IF70を介して受信したスイッチング周波数制御信号をスイッチング周波数制御回路76に供給する。スイッチング周波数制御回路76は、このスイッチング周波数制御信号に従いスイッチング電源74のスイッチング周波数を制御する。
図3、図4及び図5に図示した例では、スイッチング電源54,64,74は、これらの電気電子機器に内蔵される場合と、外付けのアダプタ形式で使用される場合とがある。
このような構成により、本実施例では、電力線通信に使用される電力線に接続する電気電子機器のスイッチング電源のスイッチング周波数を、電力線通信の邪魔にならないように制御することができる。
図6及び図7を参照して、スイッチング電源の発生ノイズを説明する。図6は、スイッチング電源のスイッチング波形例を示す。図7は、スイッチング波形の周波数スペクトラムの一例を示す。縦軸はエネルギー強度を示し、横軸は周波数を示す。基本波の他、高次にわたる高調波の発生が確認できる。
スイッチング電源は基本的に、直流を方形波80にスイッチングし、それをフィルタにより平滑化して、異なるレベルの直流を生成する。デューティ比の小さい波形82のときには、出力直流電圧が低くなる。デューティ比が高い波形84のときには、出力直流電圧が高くなる。この原理より、非常に少ない発生熱で、効率的な電圧制御が可能である。スイッチング波形80,82,84の基本周波数は、数メガヘルツに達する場合があるが、図7に示すように、多くの高調波を含む。そのため、電力線側には、電流モード(電圧は変動しない)の大きなパルス電流が流れることになる。
図8は、複数のスイッチング電源がある場合の、電力線上のスイッチングノイズの周波数分布の一例を示す。縦軸がエネルギー強度を示し、横軸が周波数を示す。スイッチング電源A,B,Cが、それぞれ異なる基本周波数でスイッチングを行っている。高調波もあるので、多くの周波数に妨害ノイズが存在することになる。
図9は、PLC通信信号の周波数スペクトラムの一例を示す。縦軸がエネルギー強度を示し、横軸が周波数を示す。日本国内でも、PLC通信方式には複数の方式が知られているが、主流は、OFDM(直交周波数分割多重変調)方式である。OFDM方式では、狭い周波数間隔(数キロヘルツ)で互いに直交する周波数位置に搬送波(キャリア)を配置し、個々のキャリアが通信信号の内の一部の信号を分担して搬送する。妨害波のレベルとスペクトラム分布により、トータルの通信速度が大きく影響を受ける。OFDM方式では、特定の周波数域の搬送波を意図的に除くことが可能である。この空白域はノッチ86と呼ばれる。例えば、ノッチは、アマチュア無線の使用周波数帯域等に設定される。これにより、アマチュア無線に対するPLC信号の妨害を軽減できる。
図10は、スイッチングノイズが重畳したPLC信号の周波数スペクトラム例を示す。縦軸がエネルギー強度を示し、横軸が周波数を示す。部分拡大図から容易に分かるように、複数のスイッチング電源のスイッチングノイズがPLC信号の多くの搬送波に重畳されている。これにより、PLCの通信品質と通信速度が低下する。本実施例では、PLC通信状況に応じて、スイッチング電源のスイッチング周波数を制御することで、このような弊害を改善し除去する。
図11は、スイッチング電源32a〜32d,54,64,74の概略構成ブロック図を示す。整流平滑回路88は、電力線10からの交流電力を整流及び平滑化して直流を生成する。スイッチング昇圧回路90は、整流平滑回路88の直流出力を、スイッチング信号発生回路100からのスイッチング信号に従いスイッチングして、矩形波を生成する。スイッチング昇圧回路90は、必要により昇圧して入力よりも高い電圧の矩形波を生成する。平滑回路92は、スイッチング昇圧回路90の出力矩形波を平滑化して直流を生成し、負荷94に供給する。
比較回路96は、平滑回路88の出力直流電圧を基準電圧98と比較し、差電圧をスイッチング信号発生回路100に供給する。スイッチング信号発生回路100は、比較回路96からの差電圧がゼロになるような、ディーティ比を変更するスイッチング信号を発生し、スイッチング昇圧回路90に供給する。このフィードバックループにより、所望の直流電圧が負荷94に印加される。
スイッチング信号発生回路100には、スイッチング周波数制御回路からスイッチング周波数制御信号102が供給される。スイッチング信号発生回路100は、スイッチング周波数制御信号102が示す周波数のスイッチング信号を生成する。これにより、スイッチング電源のスイッチング周波数を外部制御できる。若干のスイッチング周波数の変化は、比較回路96及びスイッチング信号発生回路100のフィードバックループに影響は与えない。
図12は、本実施例による、OFDM方式PLC通信の周波数スペクトラムの一例を示す。縦軸がエネルギー強度を示し、横軸が周波数を示す。平坦な部分の拡大図から分かるように、OFDMの搬送波が規則正しく並んでおり、その隙間に、複数のスイッチング電源A,Bのスイッチングノイズが乗っている。このためには、第1に、電力線10に接続する電気電子機器のスイッチング電源のスイッチング周波数を全て高調波関係に揃える。第2に、これらのノイズの高調波のスペクトラムを、OFDMの各キャリアの隙間に入るように、スイッチング周波数又はその基本周波数を調整する。
以上により、スイッチング電源による妨害が最小限に抑えられ、通信速度の低下を最小限に抑えられる。なお、図12で、所々が櫛の歯のように欠けているのは、上述のノッチ86である。
図13を参照して、電源制御回路36dによるスイッチング周波数制御の動作を説明する。図13は、電源制御回路36dの動作フローチャートを示す。
電源オンにより、図13に示すフローのプログラムがスタートする。予め決められた一定時間、待機する(S1)。これは、PLC通信の開始にあたり、ノイズの多い周波数帯を予め検出し、これらを避けて搬送波群を配置する時間を与え、又は、複数種の通信方式のうち最適なものを選定する時間を与えるためである。
使用されている通信方式を検出し、通信方式とそれに対応したスイッチング周波数の対応表104を読み込む(S2)。検出された通信方式と、対応表104の内容から、スイッチング電源のスイッチング周波数を決定する(S3)。決定されたスイッチング周波数への変更が、電力線10に接続する電気電子機器に通知される(S4)。具体的には、電源制御回路36dは、決定したスイッチング周波数を設定するように指示するスイッチング周波数制御信号を生成し、スイッチング周波数制御回路34dとPLC変換回路30dに供給する。これにより、先に説明したように、決定された周波数へのスイッチング周波数の変更が、スイッチング周波数制御回路34dと、他のPLCアダプタ18a〜18c及びLAN端末24a〜24dに通知される。勿論、このような通知を理解できない電気電子機器は、この通知を無視する。
PLC信号を使って、電力線10に接続する電気電子機器中で、スイッチング周波数を変更可能なスイッチング電源の数を確認する(S5)。増減が無い場合(S6)、一定時間、待機し(S7)、その後、ステップS2以降を繰り返す。この待機(S7)は、電源制御回路36dの負荷を軽減し、PLC信号伝送路にネットワークに必要以上のトラフィックを流すことを抑制するためである。
増加した場合、新たに参加したスイッチング電源に対する制御を早く行う必要がある。減少した場合、その制御のための余分なトラフィックをPLC信号伝送路上に流すのを避けるのが好ましい。そこで、増減があった場合には(S6)、速やかにステップS2に戻り、ステップS2以降を繰り返す。スイッチング電源数の増減については、PLC信号伝送路となる電力線に接続される端末の取り付け又は取り外しが任意に随時で行われるので、それに対応するためである。
本実施例では、PLC通信状況に従い、PLC信号伝送路となる電力線に接続するスイッチング電源のスイッチング周波数を制御することで、PLC通信の品質を確保又は改善することができる。
電源制御回路36dがPLCアダプタ18dに組み込まれている実施例を説明したが、PLC通信機能を除外した電源制御装置として構成しても良いことはいうまでもない。
10:電力線
12a〜12d:ソケット(コンセント)
14:壁
16:電力供給線
18a〜18d:PLCアダブタ
20a〜20d:プラグ
22a〜22d:LANケーブル
24a〜24d:LAN端末
30a,30d:PLC変換回路
32a,32d:スイッチング電源
34a,34d:スイッチング周波数制御回路
36d:電源制御回路
38a,38d:通信インターフェース(通信IF)
40:通信状況情報
42:スイッチング周波数制御信号
50:通信インターフェース(通信IF)
52:CPU
54:スイッチング電源
56:スイッチング周波数制御回路
60:通信インターフェース(通信IF)
62:ルータ制御回路
63:通信インターフェース(通信IF)
64:スイッチング電源
66:スイッチング周波数制御回路
70:通信インターフェース(通信IF)
72:カメラ制御回路
74:スイッチング電源
76:スイッチング周波数制御回路
88:整流平滑回路
90:スイッチング昇圧回路
92:平滑回路
94:負荷
96:比較回路
98:基準電圧
100:スイッチング信号発生回路
102:スイッチング周波数制御信号
104:通信方式とそれに対応したスイッチング周波数の対応表
12a〜12d:ソケット(コンセント)
14:壁
16:電力供給線
18a〜18d:PLCアダブタ
20a〜20d:プラグ
22a〜22d:LANケーブル
24a〜24d:LAN端末
30a,30d:PLC変換回路
32a,32d:スイッチング電源
34a,34d:スイッチング周波数制御回路
36d:電源制御回路
38a,38d:通信インターフェース(通信IF)
40:通信状況情報
42:スイッチング周波数制御信号
50:通信インターフェース(通信IF)
52:CPU
54:スイッチング電源
56:スイッチング周波数制御回路
60:通信インターフェース(通信IF)
62:ルータ制御回路
63:通信インターフェース(通信IF)
64:スイッチング電源
66:スイッチング周波数制御回路
70:通信インターフェース(通信IF)
72:カメラ制御回路
74:スイッチング電源
76:スイッチング周波数制御回路
88:整流平滑回路
90:スイッチング昇圧回路
92:平滑回路
94:負荷
96:比較回路
98:基準電圧
100:スイッチング信号発生回路
102:スイッチング周波数制御信号
104:通信方式とそれに対応したスイッチング周波数の対応表
Claims (5)
- 電力線を介して通信する電力線通信において、前記電力線に接続し、スイッチング電源を使用する複数の電気電子機器の前記スイッチング電源を制御する装置であって、
前記電力線通信の通信状況を検出する通信状況検出手段と、
前記通信状況検出手段の検出結果に従い、前記複数のスイッチング電源の発生するスイッチングノイズが前記電力線通信に使用されるキャリアのノッチに位置するように、前記複数のスイッチング電源のスイッチング周波数を制御する制御手段
とを具備することを特徴とする電源制御装置。 - 更に、前記電力線通信の通信方式を検出する手段を具備し、
前記対応表は、前記電力線通信の複数の通信方式に対応する表を具備する
ことを特徴とする請求項1に記載の電源制御装置。 - 電力線通信装置に組み込まれており、前記制御手段は、前記電力線通信装置のスイッチング電源のスイッチング周波数も制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の電源制御装置。
- 前記制御手段は、前記複数のスイッチング電源を制御する制御信号を前記電力線通信を使って、前記複数の電気電子機器に送信することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電源制御装置。
- 更に、前記通信状況検出手段で検出されうる通信状況とスイッチング周波数との対応表を具備し、
前記制御手段は、前記通信状況検出手段の検出結果を前記対応表に照合した結果に従い、前期複数のスイッチング電源のスイッチング周波数を制御する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電源制御装置。
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2007
- 2007-12-03 JP JP2007312508A patent/JP2009141415A/ja not_active Withdrawn
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