JP5172221B2 - 化粧用スポンジパフの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表面部の形成に特徴を有する、化粧用スポンジパフの製造方法に関するものである。
図1乃至図3を参照して説明する。化粧用スポンジパフ1は、ゴム材などのスポンジ基材2を押出成形し、加熱して加硫および発泡させた後、図1に示すように、所定の形状に打抜いて形成されるが、その加熱によって表面には発泡していない表皮(スキン層)2Aが形成される。この表皮2Aには、気泡が存在せず、比較的硬いので除去する必要があり、従来、この表皮2Aの除去は、例えば、図2に示すように、上下の送りローラー23,23で挟んだスポンジ基材2をバンドナイフ等の刃物20でスライスしたり、図3に示すように、研削砥石21によって削り取っていた。
しかし、表皮2Aをバンドナイフ等の刃物20でスライスする場合は、上下両面を、片方ずつ行う必要があるので加工が煩雑であるといった問題がある。また、この場合は、加工面が平滑になりすぎて、化粧用スポンジパフ1としての感触性と塗布性が劣るという問題もある。
一方、表皮2Aを研削砥石21で削り取る方法では、化粧用スポンジパフ1の感触性は良いものの、研削屑が残存してしまうため、使用中に、その研削屑が顔に付着してしまうという問題がある。
本発明はこうした問題に鑑み創案されたもので、製造が容易で、感触性や塗布性に優れ、かつ、研削屑を発生させない化粧用スポンジパフの製造方法を提供することを課題とする。
図1および図4乃至図9を参照して説明する。この発明の基本構成は、化粧用スポンジパフ1を製造する方法であって、ゴム材または樹脂材であるスポンジ基材2を押出成形し、その上下両面または一方片面あるいは全面に貼付けまたは一体押出成形あるいは塗布によって設けた剥離材5と共に、加熱して加硫および発泡させた後、前記剥離材5を引き剥がして、前記スポンジ基材2の上下両面または一方片面あるいは全面に所望の凹凸3と気泡4の存在する表面部2aを形成した後、所定形状に打抜いてなることを特徴とするものである。スポンジ基材2と剥離材5は、同一材料であっても良いし、異なる材料であっても良い。なお、上記「塗布」には、いわゆる、どぶ漬けなどの浸漬を含む。
ここで、所望の凹凸3とは、本発明の製造方法によって選択的に得ることのできる凹凸の程度(大きさや深さ)を意味し、所望の気泡4とは、同様に、選択的に得ることのできる、表面層2aに露出させる気泡の大きさやその数を意味する。凹凸の程度(特に深さ)は、1mm以下でよく、0.5mm以下が好ましい。望ましくは0.1mm程度にする。凹凸が深くなると(1mm以上)感触が悪くなり、また化粧料がムラ付きするなど、機能的にも良くない。
請求項に記載の発明は、化粧用スポンジパフ1を製造する方法であって、ゴム材または樹脂材であるスポンジ基材2を押出成形すると共に、前記スポンジ基材2と同じ材料の剥離材5を別体押出成形し、所定時間経過後、前記剥離材5を、前記スポンジ基材2の上下両面または一方片面あるいは全面に貼付け、前記スポンジ基材2と前記剥離材5とを一体化しない程度に固着した後、加熱して加硫および発泡させ、前記剥離材5を引き剥がすことによって、前記スポンジ基材2の上下両面または一方片面あるいは全面に所望の凹凸3と気泡4の存在する表面部2aを形成した後、所定形状に打抜いてなることを特徴とするものである。
請求項に記載の発明は、化粧用スポンジパフ1を製造する方法であって、ゴム材または樹脂材であるスポンジ基材2と、前記スポンジ基材2と異なる材料の剥離材5とを一体押出成形し、加熱して加硫および発泡させた後、前記剥離材5を引き剥がすことによって、前記スポンジ基材2の上下両面または一方片面あるいは全面に所望の凹凸3と気泡4の存在する表面部2aを形成した後、所定形状に打抜いてなることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、化粧用スポンジパフ1を製造する方法であって、ゴム材または樹脂材であるスポンジ基材2を押出成形し、その上下両面または一方片面あるいは全面に、前記スポンジ基材2と同一または異なる材料の剥離材5を塗布し、加熱して加硫および発泡させた後、前記剥離材5を引き剥がすことによって、前記スポンジ基材2の上下両面または一方片面あるいは全面に所望の凹凸3と気泡4の存在する表面部2aを形成した後、所定形状に打抜いてなることを特徴とするものである。
請求項に記載の発明は、請求項1、2、または3に記載の発明において、スポンジ基材2と剥離材5との間に、液体、粉体、粒状物などの中間材6を介在させて、前記スポンジ基材2と剥離材5の接着力を調整してなることを特徴とするものである。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、中間材6の一部を、剥離材5を引き剥がした後のスポンジ基材2の表面部2aに残存させてなることを特徴とするものである。
なお、中間材6の一部を表面部2aに残存させる手段は限定されないが、例えば、中間材6としてスポンジ基材2の性状や性質に近い材料を選択したり、中間材6を塗布するに先立って、スポンジ基材2の表面部2aにプライマー処理(下塗り処理)を施しておくことが考えられる。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の化粧スポンジパフの製造方法によってスポンジ基材2から引き剥がした二枚の剥離材5を、その引き剥がし面5aを外面側に向けて貼り合わせた後、所定形状に打抜いてなることを特徴とするものである。
この発明の化粧用スポンジパフの製造方法は、スポンジ基材2の上下両面または一方片面あるいは全面に設けた剥離材5を引き剥がすことによって、スポンジ基材2の上下両面または一方片面あるいは全面に細かい凹凸3と気泡4の存在する表面部2aを形成するので、感触性と塗布性に優れ、かつ、研磨屑の発生しない化粧用スポンジパフ1を容易に製造することができる。
すなわち、スポンジ基材2の上下両面または一方片面あるいは全面に貼り付けた剥離材5を引き剥がすという、きわめて簡素な工程によって気泡4の存在する表面部2aを形成することができるので、バンドナイフ等の刃物20でスライスする場合と比較して製造が容易である。
また、剥離材5を引き剥がすといった作業はきわめて簡単であるため、スポンジ基材2の上下両面に貼り付けた二枚の剥離材5を同時に引き剥がすことができる。従って、より容易に製造することができる。
また、剥離材5を引き剥がすことによって、スポンジ基材2に表面部2aを形成するので、スポンジ基材2と剥離材5の接着力を調整することによって、表面部2aには所望の適度な細かい凹凸3および気泡4が形成される。従って、感触性と塗布性に優れる化粧用スポンジパフ1を提供することができる。また、スポンジ基材2を研削をしないので、研削屑が発生することもない。
剥離材5を引き剥がすことによって、スポンジ基材2に表面部2aが形成されるのは、スポンジ基材2および剥離材5が一体化しない程度に固着しているため、加熱加硫によって、スポンジ基材2の表面(剥離材5との境界面)にも、その内部構造と同様の構造が形成されるからである。従って、剥離材5を引き剥がすと、内部構造と同様に凹凸3と気泡4の存在する表面部2aが露出することによるものである。
なお、スポンジ基材2と剥離材5の形成材料の選択によって、両者の接着力を適度に調整することにより、表面部2aの凹凸3を小さくし、露出する気泡4を少なくて小さなものとすることができる。従って、滑らかな感触性と優れた塗布性を出現させることができる。また、液状化粧料の余分な染み込みを少なくすることができる。なお、スポンジ基材2と剥離材5の接着力を高めることによって、その逆の作用効果を得ることができる。
請求項に記載の化粧用スポンジパフの製造方法は、スポンジ基材2と、当該スポンジ基材2と同じ材料の剥離材5とを別々に押出成形した後、両者を貼り付け、前記スポンジ基材2と前記剥離材5とを一体化しない程度に固着した後、加熱して加硫および発泡させ、剥離材5を引き剥がすことによって、スポンジ基材2の上下両面または一方片面あるいは全面に所望の凹凸3と気泡4の存在する表面部2aを形成するので、感触性と塗布性に優れ、研磨屑の発生しない化粧用スポンジパフ1を容易に製造することができる。
なお、この発明では、スポンジ基材2と剥離材5を同じ材料で形成しているが、それぞれを別々に押出成形し、所定時間経過後に、剥離材5をスポンジ基材2に貼り付けるので、両者は一体化するほど強固に固着しない。従って、剥離材5をスポンジ基材2から円滑に引き剥がすことができる。
請求項に記載の化粧用スポンジパフの製造方法は、スポンジ基材2と、スポンジ基材2と異なる材料の剥離材5とを一体押出成形し、加熱して加硫および発泡させた後、剥離材5を引き剥がすことによって、スポンジ基材2の上下両面または一方片面あるいは全面に細かい凹凸3と気泡4の存在する表面部2aを形成するので、製造が容易であり、感触性と塗布性に優れ、研削屑の発生しない化粧用スポンジパフ1を製造することができる。
なお、スポンジ基材2と剥離材5を一体押出成形するが、両者は異なる材料で形成されているので、一体化するほど強固に固着しない。従って、剥離材5をスポンジ基材2から円滑に引き剥がすことができる。
請求項記載の発明は、スポンジ基材2を押出成形した後、その上下両面または一方片面あるいは全面に、当該スポンジ基材2と同一または異なる材料の剥離材5を塗布し、加硫発砲後に、当該剥離材5を引き剥がすことによってスポンジ基材2に細かい凹凸3と気泡4の存在する表面部2aを形成するので、請求項1乃至に記載の発明と同様に、製造が容易であり、感触性と塗布性に優れ、研削屑の発生しない化粧用スポンジパフ1を製造することができる。また、塗布するので剥離材5の肉厚を薄くすることができ、これにより、廃材(剥離材5)の量を削減することができる。
請求項記載の化粧用スポンジパフの製造方法は、請求項1、2、および3に記載の発明と同様に、感触性と塗布性に優れた製品を容易に製造することができる。また、スポンジ基材2と剥離材5との間に、液体、粉体、粒状物などの中間材6を介在させて、スポンジ基材2と剥離材5の接着力を調整するので、所望の表面部2aを形成することができる。
すなわち、中間材6を介在させることによって、スポンジ基材2と剥離材5の接着力を弱め、これにより、剥離材5を引き剥がした際に、そこに現出する表面部2aの凹凸3を細かくし、また、露出する気泡4の数を少なくすることができる。なお、その逆に、中間材6を介在させて、スポンジ基材2と剥離材5の接着力を高め、表面部2aに現れる凹凸3や気泡4を大きくすることも可能である。
請求項に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、中間材6の一部を、剥離材5を引き剥がした後のスポンジ基材2の表面部2aに残存させるので、当該剥離材5の存在によって、スポンジ基材表面部2aの肌に対する接触面積を減少させて摩擦抵抗を低下させ、滑り性を向上させることができる。従って、さらに感触性を高めることができる。
また、剥離材5の存在によって、スポンジ基材2の表面部2aに細かな段差部7が形成されるので、この段差部7に化粧料を含ませることができる。これにより、充分な量の化粧料を、肌に均一に塗布することができる。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の化粧スポンジパフの製造方法によってスポンジ基材2から引き剥がした二枚の剥離材5を、その引き剥がし面5aを外面側に向けて貼り合わせた後、所定形状に打抜くので、剥離材5を廃棄することなく有効利用することができる。
なお、この剥離材5の引き剥がし面5aには、凹凸3や形成材料によっては気泡4も形成されるため、スポンジ基材2の表面部2aと同様の面を形成する。従って、この引き剥がし面5aの作用により、肌触りに優れる化粧用スポンジパフを形成することができる。
本発明に係る化粧用スポンジパフの製造方法の第一実施形態を、図1、図4および図5に示す。この製造方法は、まず、ゴム材であるスポンジ基材2を押出成形機10によって押出成形する。同時に、このスポンジ基材2と同じ材料の剥離材5を、他の押出成形機10によって別体押出成形する。
次に、所定時間経過後、剥離材5を、スポンジ基材2の上下両面に貼付け、加硫炉11内で、加熱して加硫および発泡させる。続いて、剥離材5を引き剥がすことによって、スポンジ基材2に、細かい凹凸3と、小さくて数の少ない気泡4が露出した表面部2aを形成する(図10)。そして、円形状に打抜いて製品とする。なお、本実施形態では、押出成形、貼付け、加硫・発泡、および引き剥がし工程を連続的に行っている。なお、剥離材5の引き剥がしは、図4に示すように、剥がしローラー12によって行うことができる。
本実施形態に係る化粧用スポンジパフの製造方法では、感触性と塗布性に優れ、研磨屑の発生しない化粧用スポンジパフ1を容易に製造することができる。すなわち、スポンジ基材2の上下両面に貼り付けた剥離材5を引き剥がすといったきわめて簡素な工程によって気泡4の存在する表面部2aを形成することができるので、製造が容易である。
また、スポンジ基材2の上下両面に貼り付けた二枚の剥離材5を同時に引き剥がすので、一枚ずつ引き剥がすのと比較して、製造がより容易となる。また、剥離材5を引き剥がすことによって表面部2aを形成するので、刃物20でスライスした場合と比較して、表面部2aには適度な細かい凹凸3が形成されると共に、適度な大きさと数の気泡4が露出する。よって、感触性と塗布性に優れ、研削屑の発生しない化粧用スポンジパフ1を製造することができる。
なお、スポンジ基材2に剥離材5を貼り付けた後、加熱して加硫および発泡し、その後、剥離材5を引き剥がすが、加熱後にこの引き剥がしができるのは、押出成形後に、スポンジ基材2および剥離材5から何らかの物質がブリードし(染み出し)、この物質が、両者が一体的に固着するのを防止する働きをするからであると考えられる。
すなわち、スポンジ基材2および剥離材5は、一体化しない程度に固着しているため、加硫後において、両者はその境界面で円滑に剥離される。また、両者は、一体化しない程度に固着しているという同様の理由で、スポンジ基材2および剥離材5の境界面には表皮が形成されず、それぞれの内部構造と同様な構造が形成されると考えられる。従って、スポンジ基材2と剥離材5の固着力が強いと、それぞれの境界面に形成される構造はそれぞれの内部構造により近くなる。また、その逆に、両者の固着力が弱いと、スポンジ基材2と剥離材5の境界面には、それぞれ、表皮に近い構造が形成される。
本製造方法で使用するスポンジ基材2の発泡倍率は特に限定されないが、化粧用であることから、3〜20倍が好ましい。また、剥離材5のそれは1〜20倍が好ましい。剥離材5の肉厚は限定されないが、引き剥がし作業を考慮して、0.1mm以上とすることが好ましい。
スポンジ基材2は、ゴム材で形成することが好ましく、次のものが好ましい。すなわち、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、シリコーンゴム(Q)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、シリコーン変性エチレン・プロピレン・ジエン共重合系合成ゴム(SEP)、 ウレタンゴム(U)などである。
また、これらのほかに、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、アクリルゴム(ACM)、塩素化ポリエチレン(CM)、ブチルゴム(IIR) などの合成ゴム類を使用することもできる。
さらに、合成樹脂材も使用することができ、ポリエチレン、酢酸ビニル・エチレン共重合体、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、熱可塑性エラストマーの類、あるいはそれらの組み合わせで形成することができる。
また、スポンジ基材2に、プロセスオイル、DOP(フタル酸ビス(2−エチルヘキシル))、DINP(フタル酸ジイソノニル)などの合成可塑剤、シリコーンオイル、フッ素オイル、各種界面活性剤、各種脂肪酸、各種油脂類を添加することができる。
なお、図6に示すように、スポンジ基材2と剥離材5との間に、中間材6を介在させることもできる。この中間材6は、供給機22で自動的に供給することができる。当該中間材6は、スポンジ基材2と剥離材5を押出成形した直後に介在させても良いし、両者を貼り付ける直前に介在させても良い。
中間材6としては、接着力が低い液体、粉体あるいは粒状物を使用することができ、スポンジ基材2と剥離材5との接着力を弱めて、剥離材5を引き剥がしてスポンジ基材2の凹凸3の程度を小さくし、露出する気泡4を小さくし、その数を少なくすることによって、滑らかな表面部2aを形成することができる。
なお、表面部2aに露出する気泡4が小さすぎ、かつ、その数が少なすぎると滑らかな感触性を得ることはできるものの、水を含んだ化粧用スポンジパフ1を絞った際に、内部の水が気泡4間の空気の移動を阻害するので、形状回復性が悪くなる。従って、表面部2aに露出する気泡4の大きさや数を適度に調整することによって、良好な形状回復性を得る必要がある。
中間材6として粉体を使用する場合、その粒径は1μm〜100μmが望ましく、種類としては、各種ゴムや合成樹脂類の粉末、その他、天然物由来の有機粉末、例えば、クルミ粉、コルク粉などが好ましい。また、無機粉末も使用でき、タルク粉末のほか、シリカ、クレー、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、二酸化チタン、マイカ、炭酸カルシウム、貝殻粉末などが好ましい。さらに、液体を使用する場合は、水、パラフィン、エステル系可塑剤、各種界面活性剤、アルコール類などが適当である。
また、図12および図13に示すように、この中間材6の一部を、剥離材5を引き剥がした後のスポンジ基材2の表面部2aに残存させることができる。中間材6を表面部2aに残存させることによって、スポンジ基材表面部2aの肌に対する接触面積を減少させて摩擦抵抗を低下させ、滑り性を向上させることができる。これにより、感触性をさらに高めることができる。なお、図12および図13では、凹凸3や気泡4を省略している。
また、剥離材5が表面部2aに存在することによって、当該表面部2aに細かな段差部7が数多く形成されるので、この段差部7に化粧料を含ませることができる。従って、充分な量の化粧料を、肌に均一に塗布することができる。
中間材6の一部を表面部2aに残存させるためには、少なくとも、二つの方法が考えられる。一つは、中間材6としてスポンジ基材2の性状や性質に近い材料を選択することである。こうすることによって、中間材6をスポンジ基材2の表面部2aに、より強く固着させることができるので、剥離材5を剥がした後でも、その一部を表面部2aに残存させることができる。
二つ目は、当該中間材6を塗布するに先立って、スポンジ基材2の表面部2aにプライマー処理(下塗り処理)を施しておくことである。プライマー処理を行うことによって、中間材6を表面部2aに、より強く接着させることができるので、剥離材5を剥がした後でも、その一部を表面部2aに残存させることができる。
なお、このような場合に使用する中間材6としては、スポンジ基材2に剥離材5を貼り付ける際の圧力や加硫時の高熱によってその形状が破壊されないものが好ましい。従って、例えば、樹脂粉末ではテクポリマー(商品名)が好適である。
本発明に係る化粧用スポンジパフの製造方法の第二実施形態を、図7に示す。 この製造方法では、まず、ゴム材であるスポンジ基材2と、このスポンジ基材2と異なる材料で形成した剥離材5を、スポンジ基材2の上下両面に設ける状態で、押出成形機10によって一体押出成形する。次に、この一体物を、加硫炉11で加熱して加硫および発泡させる。続いて、剥離材5を引き剥がして、スポンジ基材2に細かい凹凸3と気泡4の存在する表面部2aを形成する。そして、円形状に打抜いて製品とする。
本実施形態に係る製造方法においても、スポンジ基材2の上下両面に貼り付けた剥離材5を引き剥がすといったきわめて簡素な工程によって気泡4の存在する表面部2aを形成することができるので、製造が容易である。また、スポンジ基材2の上下両面に貼り付けた二枚の剥離材5を同時に引き剥がすので、製造がさらに容易となる。また、剥離材5を引き剥がすことによって、スポンジ基材2の表面部2aを形成するので、表面部2aには適度な細かい凹凸3と適度な大きさと数の気泡4が形成され、よって、感触性と塗布性に優れ、研磨屑の発生しない化粧用スポンジパフ1を製造することができる。
なお、本実施形態における剥離材5は、スポンジ基材2と同様に発泡するスポンジ材を使用しても良く、また、発泡しないソリッド材を使用することもできる。なお、剥離材5は、引き剥がし後に廃棄する場合には、その廃棄物容積をも考慮して最適な材料を選択することが必要である。
剥離材5は、第一実施形態のように、スポンジ基材2と同一の材料で形成することができるが、その場合は、材料によっては、両者の接着力が強固になりすぎて引き剥がしができないことが考えられる。従って、そうした場合は、本実施形態のように異なる材料で形成することが必要である。なお、剥離材5を形成する材料として、スポンジ基材2の発泡を阻害したり、発泡前あるいは発泡中に剥離するようなものは適さない。
また、剥離材5を引き剥がした際に、所望の細かい凹凸3と気泡4が得られる程度の接着力を確保するために、例えば、スポンジ基材2をアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)で形成し、剥離材5をスチレンブタジエンゴム(SBR)で形成することができる。また、前者をアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)とし、後者を塩素化ポリエチレン(CM)とすることもできる。
なお、スポンジ基材2と剥離材5を異なる材料で形成し、一体押出成形するのは、両材料が強固に固着しない場合に限るものであり、両者を引き剥がすことができない程度に強固に固着する場合には別体押出成形する必要がある。
本発明に係る化粧用スポンジパフの製造方法の第三実施形態を、図8に示す。これは、ゴム材または樹脂材であるニトリルゴム(NBR)製のスポンジ基材2を押出成形した後、その上面に、同じくニトリルゴム製で液状の剥離材5を塗布する。次に、この一体物を加硫炉11で加熱して加硫および発泡させ、所定時間経過後、剥離材5を引き剥がす。これにより、当該スポンジ基材2に所望の凹凸3と気泡4の存在する表面部2aを形成する。そして、最後に、所定形状に打抜いて製品としている。なお、スポンジ基材2と剥離材5を異なる材料で形成することもできる。また、スポンジ基材2を液状の剥離材5に浸漬することもできる。
本実施形態においても、第一および第二実施形態と同様に、スポンジ基材2に貼り付けた剥離材5を引き剥がすといったきわめて簡素な工程によって気泡4の存在する表面部2aを形成することができるので、製造が容易である。また、剥離材5を引き剥がすことによって表面部2aを形成するので、同様に、感触性と塗布性に優れ、研磨屑の発生しない化粧用スポンジパフ1を製造することができる。
本発明に係る化粧用スポンジパフの製造法の第四実施形態を、図9に示す。これは、上記実施形態に係る製造方法によってスポンジ基材2から引き剥がした二枚の剥離材5を使用するもので、当該剥離材5の引き剥がし面5aを外面側(上面側と下面側)に向けて貼り合わせた後、所定形状に打抜くものである。
この製造方法は、第一乃至第三実施形態における製造方法によって発生した剥離材5を利用することによって、当該剥離材5を廃棄することなく有効利用することができるので、材料を無駄にしないといった大きな利点を有する。
なお、この剥離材5の引き剥がし面5aには、凹凸3や形成材料によっては気泡4も形成されるため、スポンジ基材2の表面部2aと同様に肌触りの良い面を形成する。従って、肌触りに優れる化粧用スポンジパフを形成することができる。
本発明者らは、本発明に係る製造方法によって、化粧用スポンジパフ1を製造した。この製造方法では、スポンジ基材2と剥離材5を同一の材料で形成し、図5に示すように、それぞれを別体押出成形した後、その上下から一対の圧着ローラー13で圧着して貼付け、加硫炉11で加熱して加硫および発泡させた後、剥離材5を引き剥がしてスポンジ基材2に表面部2aを形成した。材料の成分等は、表1に示す通りである。
Figure 0005172221
こうして形成したスポンジ基材2の表面部2aを拡大鏡で確認した際の平面拡大図を、図10に示す。このうち、(a)は、スポンジ基材2と剥離材5を押出成形後に圧着して製造したものを示す。また、(b)は押出成形後、1時間経過後に強固に圧着したものを示し、(c)は軽く圧着したものを示す。なお、図11は、比較例であり、スポンジ基材2の表皮2Aをハサミで裁断して除去したものを示す。
これらの図から、本実施例の表面部2aは、いずれも、比較例で示すものより凹凸3が細かく、露出している気泡4も小さく、その数も少ないことが分かる。また、三つの実施例のうち、押出成形直後に貼り付けたもの(図10(a))は、接着力が大きいため、引き剥がしによって表面部2aの凹凸3が最も大きく、露出している気泡4も大きく、その数も多い。その逆に、押出成形後、1時間経過後に軽く圧着して貼り付けたもの(図10(c))は、凹凸3が最も細かく、気泡4も小さく、その数も少ない。このように、本発明に係る製造方法は、スポンジ基材2と剥離材5の接着力を調整することによって、所望の表面部2aを自由に得ることができるものである。
化粧用スポンジパフの打抜き工程を示す斜視図である。 従来例に係る製造方法を示す側面図である。 他の従来例に係る製造方法を示す平面図である。 本発明に係る製造方法の要部を示す平面図である。 本発明に係る製造方法の第一実施形態を示す平面図である。 図5に示す製造方法の他の実施態様を示す平面図である。 本発明に係る製造方法の第二実施形態を示す平面図である。 本発明に係る製造方法の第三実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る製造方法の第四実施形態を示す側面図である。 本発明によって製造された化粧用スポンジパフの表面部を示す平面拡大図である。 他の化粧用スポンジパフの表面部を示す平面拡大図である。 図6に示す製造方法によって製造された化粧用スポンジパフを示す斜視図である(凹凸と気泡は省略)。 図12に示すスポンジパフの拡大断面図である(凹凸と気泡は省略)。
1 化粧用スポンジパフ
2 スポンジ基材
2A スキン層
2a 表面部
3 凹凸
4 気泡
5 剥離材
5a 引き剥がし面
6 中間材
7 段差部
10 押出成形機
11 加硫炉
12 剥がしローラー
13 圧着ローラー
20 刃物
21 研削砥石
22 供給機
23 送りローラー

Claims (6)

  1. 化粧用スポンジパフを製造する方法であって、ゴム材または樹脂材であるスポンジ基材を押出成形すると共に,前記スポンジ基材と同じ材料の剥離材を別体押出成形し,所定時間経過後,前記剥離材を,前記スポンジ基材の上下両面または一方片面あるいは全面に貼付け,前記スポンジ基材と前記剥離材とを一体化しない程度に固着した後,加熱して加硫および発泡させ,前記剥離材を引き剥がすことによって,前記スポンジ基材の上下両面または一方片面あるいは全面に所望の凹凸と気泡の存在する表面部を形成した後,所定形状に打抜いてなることを特徴とする化粧用スポンジパフの製造方法。
  2. 化粧用スポンジパフを製造する方法であって、ゴム材または樹脂材であるスポンジ基材と,前記スポンジ基材と異なる材料の剥離材とを一体押出成形し,加熱して加硫および発泡させた後,前記剥離材を引き剥がすことによって,前記スポンジ基材の上下両面または一方片面あるいは全面に所望の凹凸と気泡の存在する表面部を形成した後,所定形状に打抜いてなることを特徴とする化粧用スポンジパフの製造方法。
  3. 化粧用スポンジパフを製造する方法であって、ゴム材または樹脂材であるスポンジ基材を押出成形し,その上下両面または一方片面あるいは全面に,前記スポンジ基材と同一または異なる材料の剥離材を塗布し、加熱して加硫および発泡させた後,前記剥離材を引き剥がすことによって,前記スポンジ基材の上下両面または一方片面あるいは全面に所望の凹凸と気泡の存在する表面部を形成した後,所定形状に打抜いてなることを特徴とする化粧用スポンジパフの製造方法。
  4. スポンジ基材と剥離材との間に、液体、粉体、粒状物などの中間材を介在させて、前記スポンジ基材と剥離材の接着力を調整してなることを特徴とする請求項1,2,または3に記載の化粧用スポンジパフの製造方法。
  5. 中間材の一部を、剥離材を引き剥がした後のスポンジ基材の表面部に残存させてなることを特徴とする請求項に記載の化粧用スポンジパフの製造方法。
  6. 請求項1乃至のいずれかに記載の化粧用スポンジパフの製造方法によってスポンジ基材から引き剥がした二枚の剥離材を、その引き剥がし面を外面側に向けて貼り合わせた後、所定形状に打抜いてなることを特徴とする化粧用スポンジパフの製造方法。
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