JP5172084B2 - ダイヤモンド被覆基板、濾過フィルター及び電極 - Google Patents
ダイヤモンド被覆基板、濾過フィルター及び電極 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5172084B2 JP5172084B2 JP2005277030A JP2005277030A JP5172084B2 JP 5172084 B2 JP5172084 B2 JP 5172084B2 JP 2005277030 A JP2005277030 A JP 2005277030A JP 2005277030 A JP2005277030 A JP 2005277030A JP 5172084 B2 JP5172084 B2 JP 5172084B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- substrate
- diamond
- electrode
- conductive
- coated
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Electrodes For Compound Or Non-Metal Manufacture (AREA)
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
- Filtering Materials (AREA)
- Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)
Description
近年、産業面において物質の廃棄、排水、リサイクル技術が急速に発展してきている。その中の一つとして、セラミックフィルターを用いた排水濾過方法がある。しかし、従来のセラミックフィルターでは、極めて腐食性の強い溶液や環境での使用において腐食してしまう可能性がある。
また、廃液中の望ましくない有機化合物を低減するために、電気化学的酸化を行う技法がある。従来使用されている電極では、白金、二酸化鉛及び二酸化スズなどがある。しかし、これらも電気分解過程において厳しい化学的環境におかれ、腐食される。また、陽極として使用される場合には、作用面上への吸着物が形成され、効率が著しく低下するという欠点がある。
有機媒体中でダイヤモンド電極を電流密度が高い条件で使用する場合に、発生するガスや電解液により、膜と基板との界面で剥離が起こる。剥離により下地基板が露出してしまい、溶液により腐食が進行してしまう。または、電解効率が著しく悪くなるという問題が起こる。
(1)基板および該基板に被覆したダイヤモンド層からなり、該基板が多孔質で開気孔径が0.1μm〜1000μmの開気孔を有し、前記基板の材質がAl、Ta、Nb、Hf、Zr、Znであり、導電性ダイヤモンド層は基板上に不連続に形成されており、前記不連続に形成された個々のダイヤモンド層を構成するダイヤモンドの連続して繋がっている部分の最大面積が1μm2以上1000μm2以下であり、前記導電性ダイヤモンド層が、硼素、リン、窒素のうち一つ以上を不純物として含み、前記硼素の含有量は10ppm〜10000ppmであることを特徴とするダイヤモンド被覆基板である。
(2)上記(1)に記載のダイヤモンド被覆基板を用いることを特徴とする濾過フィルターである。
(3)上記(1)に記載のダイヤモンド被覆基板及び/または上記(2)に記載の濾過フィルターを陽極及び/または陰極として用いることを特徴とする電極である。
本発明に係るダイヤモンド被覆基板は、濾過機能を有したフィルターとして使用することが可能であり、また同時に電極として広く使用することができる。高速亜鉛めっきや電解銅箔製造、洗浄用酸性水やアルカリ水の製造にも使用できる。
ダイヤモンドを被覆する基板に、多孔質基板を用いることでフィルター機能を持たせることができる。この多孔質基板は開気孔を有している必要がある。フィルターとしてのみ使用する場合には被覆されたダイヤモンドは特に導電性を有している必要はない。
ダイヤモンド層に硼素、リン、窒素のうち一以上を不純物としてドープすることにより、導電性を付与することができ、抵抗値を著しく下げることができる。それ以外の元素を不純物として含む場合には、ダイヤモンドの品質が悪くなり好ましくない。
上記の基板上に導電性ダイヤモンド層を成膜する。前処理として、ダイヤモンドパウダーを用いたスクラッチング処理や、超音波処理により種付けを行い、成膜を行う。導電性ダイヤモンドの合成方法は気相合成であることが好ましい。その中でも熱フィラメントCVD法やプラズマCVD法を用いることが好ましい。水素ガスと、炭素含有ガス例えば、メタンを導入し合成する。水素:メタンの比率は、0.2%〜5%の範囲であることが好ましい。0.2%未満であると、炭素源が少なすぎるため成膜に時間がかかってしまう。5%を超えると、炭素源が多すぎるためにダイヤモンドの品質を下げることとなる。導電性を付与するためには、硼素、リン、窒素などを不純物として添加する。
(実施例1)
表1に示す基板を用いて、導電性ダイヤモンド層を成膜した。基板の開気孔径は1μm程度のものを使用した。前処理としてダイヤモンド粉末を用いてスクラッチ処理、もしくはダイヤモンド粉末を分散させた溶液中での超音波処理を施した。ダイヤモンド粉末の大きさは0.2μm〜3.0μmと変化させた。
表2に示すように開気孔径を変化させた多孔質基板上に、導電性ダイヤモンドの成膜を行った。作製したダイヤモンド被覆基板を用いて、基板の片側方向から溶液を供給し、反対側へ溶液が送られるようにポンプを用いて溶液を循環させた。溶液には0.1Mの硫酸溶液に、トリクロロエチレン、アセトンを含む有機性混合溶液とダイヤモンドパウダーを含みヘドロ状となった沈殿物を混合したものを使用した。この溶液の濾過処理を行いながら、電気化学的酸化処理を同時に行った。まず、溶液を循環させ溶液の濾過を4時間行った。
表3に示すように基板材質を変えた多孔質基板上に導電性ダイヤモンドを成膜した。実施例1と同様に電気化学的酸化処理を行った。処理時に、基板の腐食が起こったものを×、起こらなかったものを○とした。また電気化学的酸化処理を更に電流密度1.5A/cm2とし100時間続けた。(これを電解処理2とする)基板とダイヤモンド膜との間で剥離が起こったものを×、起こらなかったものを○とした。
不純物として硼素を含まない以外は実施例1と同じ条件で、熱フィラメントCVD法によって導電性ダイヤモンド膜の成膜を行った。この成膜時に、ジボランガスを流さず、導電性ダイヤモンド層がカーボンを不純物として含むようにし、導電性を持たせた。しかし、電気分解処理中にカーボンが腐食されることにより、導電性ダイヤモンド層と基板との密着力が悪くなり、剥離することにより、電解処理が継続できなくなった。
不純物としての硼素の含有量を変更した以外は実施例1と同じ条件で、熱フィラメントCVD法によって導電性ダイヤモンド膜の成膜を行った。この成膜時に、流す硼素を含むガスの量を調節し、導電性ダイヤモンド層が含む硼素量を0.9ppm、1000ppm、60000ppmとなるように作製した。含有量1000ppmのダイヤモンド電極に比べ、含有量0.9ppmの電極は、ダイヤモンド膜の電気抵抗が高く、電気分解処理の際の電力効率が悪くなった。60000ppmのものは、ダイヤモンドの品質が悪くなり、電気分解処理中に不純物が電極表面に付着し、電気効率が悪くなった。
Claims (3)
- 基板および該基板に被覆したダイヤモンド層からなり、該基板が多孔質で開気孔径が0.1μm〜1000μmの開気孔を有し、前記基板の材質がAl、Ta、Nb、Hf、Zr、Znであり、導電性ダイヤモンド層は基板上に不連続に形成されており、前記不連続に形成された個々のダイヤモンド層を構成するダイヤモンドの連続して繋がっている部分の最大面積が1μm2以上1000μm2以下であり、前記導電性ダイヤモンド層が、硼素、リン、窒素のうち一つ以上を不純物として含み、前記硼素の含有量は10ppm〜10000ppmであることを特徴とするダイヤモンド被覆基板。
- 請求項1に記載のダイヤモンド被覆基板を用いることを特徴とする濾過フィルター。
- 請求項1に記載のダイヤモンド被覆基板及び/または請求項2に記載の濾過フィルターを陽極及び/または陰極として用いることを特徴とする電極。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005277030A JP5172084B2 (ja) | 2005-09-26 | 2005-09-26 | ダイヤモンド被覆基板、濾過フィルター及び電極 |
CN 200680001510 CN101090999A (zh) | 2005-09-26 | 2006-08-30 | 金刚石覆盖基板、过滤器及电极 |
US11/791,793 US20080014417A1 (en) | 2005-09-26 | 2006-08-30 | Diamond-Covered Substrate, Filter And Electrode |
EP06797084A EP1930470A1 (en) | 2005-09-26 | 2006-08-30 | Diamond covered substrate, filtration filter, and electrode |
PCT/JP2006/317111 WO2007034665A1 (ja) | 2005-09-26 | 2006-08-30 | ダイヤモンド被覆基板、濾過フィルター及び電極 |
KR1020077013069A KR20080050355A (ko) | 2005-09-26 | 2006-08-30 | 다이아몬드 피복 기판, 여과 필터 및 전극 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005277030A JP5172084B2 (ja) | 2005-09-26 | 2005-09-26 | ダイヤモンド被覆基板、濾過フィルター及び電極 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007084892A JP2007084892A (ja) | 2007-04-05 |
JP5172084B2 true JP5172084B2 (ja) | 2013-03-27 |
Family
ID=37972170
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005277030A Expired - Fee Related JP5172084B2 (ja) | 2005-09-26 | 2005-09-26 | ダイヤモンド被覆基板、濾過フィルター及び電極 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5172084B2 (ja) |
CN (1) | CN101090999A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5290656B2 (ja) * | 2008-07-22 | 2013-09-18 | 東海旅客鉄道株式会社 | ホウ素ドープダイヤモンドの製造方法 |
DE102009019744A1 (de) * | 2009-05-02 | 2011-04-14 | Hydac Filtertechnik Gmbh | Filtervorrichtung zum Reinigen von Fluiden |
CN102242374A (zh) * | 2011-06-30 | 2011-11-16 | 南京航空航天大学 | 钛基掺硼金刚石涂层电极的制备方法 |
JP7422639B2 (ja) * | 2020-10-15 | 2024-01-26 | 佐竹マルチミクス株式会社 | 培地交換用フィルター及びこのフィルターを有する培養装置 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02284615A (ja) * | 1989-04-24 | 1990-11-22 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | ダイヤモンドフィルター |
JP3176086B2 (ja) * | 1991-06-21 | 2001-06-11 | キヤノン株式会社 | ダイヤモンド結晶及びダイヤモンド形成用基体 |
JP3207268B2 (ja) * | 1992-10-22 | 2001-09-10 | 日本特殊陶業株式会社 | ダイヤモンドの合成方法 |
JPH09268395A (ja) * | 1996-04-02 | 1997-10-14 | Permelec Electrode Ltd | 電解用電極及び該電極を使用する電解槽 |
US6267866B1 (en) * | 1999-10-14 | 2001-07-31 | The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy | Fabrication of a high surface area boron-doped diamond coated metal mesh for electrochemical applications |
DE10144862B4 (de) * | 2001-09-12 | 2006-06-29 | Drägerwerk AG | Elektrochemischer Gassensor mit Diamantelektrode |
JP2005089789A (ja) * | 2003-09-12 | 2005-04-07 | Ebara Corp | 液中電極およびその製造方法 |
-
2005
- 2005-09-26 JP JP2005277030A patent/JP5172084B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2006
- 2006-08-30 CN CN 200680001510 patent/CN101090999A/zh active Pending
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN101090999A (zh) | 2007-12-19 |
JP2007084892A (ja) | 2007-04-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4673696B2 (ja) | 導電性ダイヤモンド電極及びその製造方法 | |
EP1640479B1 (en) | Conductive diamond electrode and process for producing the same | |
US8338323B2 (en) | Electrode for electrochemical reaction and production process thereof | |
JP4500745B2 (ja) | 電解用電極の製造方法 | |
JP5604017B2 (ja) | 電気化学用電極とその製造方法 | |
US8349164B2 (en) | Conductive diamond electrode structure and method for electrolytic synthesis of fluorine-containing material | |
EP1657228A1 (en) | Diamond-coated porous substrate | |
KR20130143650A (ko) | 불소 화합물의 전해 합성용 전극 및 전해 합성 방법 | |
JP5172084B2 (ja) | ダイヤモンド被覆基板、濾過フィルター及び電極 | |
Jović et al. | Ru layers electrodeposited onto highly stable Ti2AlC substrates as cathodes for hydrogen evolution in sulfuric acid solutions | |
WO2007034665A1 (ja) | ダイヤモンド被覆基板、濾過フィルター及び電極 | |
CN108486546B (zh) | 一种bdd膜电极材料及其制备方法 | |
JPWO2009054295A1 (ja) | ダイヤモンド電極、処理装置、およびダイヤモンド電極の製造方法 | |
JP4756572B2 (ja) | 多孔性ダイヤモンド層及び多孔性ダイヤモンド粒子の製造方法及びそれらを使用する電気化学用電極 | |
Zhang et al. | Fabrication of a boron-doped nanocrystalline diamond grown on an WC–Co electrode for degradation of phenol | |
JP2008063607A (ja) | ダイヤモンド被覆基板、電気化学的処理用電極、電気化学的処理方法及びダイヤモンド被覆基板の製造方法 | |
JP4406312B2 (ja) | 電解用ダイヤモンド電極 | |
JP2007146255A (ja) | ダイヤモンド被覆基板及び電極 | |
JP2006206971A (ja) | ダイヤモンド被覆電極 | |
CN115491708B (zh) | 一种用于含盐废水电解制氢的电极及其制备方法和应用 | |
JP2008001932A (ja) | 電解用電極 | |
JP5386324B2 (ja) | 電解用電極の製造方法 | |
Knozowski et al. | Non-active anodes based on boron-doped diamond, PbO2 and SnO2-Sb for anodic oxidation of water contaminants: Synthesis, properties, and recent advances | |
JP2008266717A (ja) | オゾン生成用電極 | |
JP2005320614A (ja) | 電解用電極の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080926 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111014 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111212 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20120308 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121116 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20121226 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |