JP2005320614A - 電解用電極の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明はチタンやチタン合金など安定で加工しやすい金属基材を使用して、その表面に導電性ダイアモンドを形成したダイアモンド電極並びにその製造方法を確立することを課題とした。
【解決手段】
本発明は弁金属基材表面にあらかじめ弁金属窒化物層を介して表面にCVD法により導電性ダイアモンドを形成すること、又は、弁金属基材の表面にあらかじめ弁金属窒化物層を形成し、該表面に中間層として導電性の弁金属酸化物層を形成し、更にCVD法により導電性ダイアモンドを形成すること、又は、弁金属基材の表面にあらかじめ弁金属窒化物を形成し、該窒化物表面に白金族金属及び/またはその酸化物を1から10モル%含む弁金属酸化物層を形成し、更にCVD法により導電性ダイアモンドを形成することによって弁金属を基材としてCVD法により安定的にダイアモンド電極を得ることが出来る。

Description

本発明は酸化能力が大きく水処理などに有効に使用される導電性ダイアモンド電極に関するものである。
導電性ダイアモンド電極は比較的新しい存在であるが、極めて広い電位窓を有し、特に陽極として高い過電圧を持つことから、有機含有廃水の有機物分解処理用などとして、また非金属であることから、エレクトロニクス用途においても電解中の電極消耗があっても金属汚染が起こらないなど有効な電極材料として注目を集めている。この電極の製造方法は通常のいわゆるCVD法ダイアモンド薄膜製造方法と同じであり、原料に炭素源に加えて半導性を与えるためにドープ材として、硼素などを加えて作成する。いくつかのCVD法の条件が知られ、たとえばホットフィラメントと呼ばれる高温のフィラメントによる方法、マイクロ波プラズマ法と呼ばれるプラズマ条件からのダイアモンドの生成、通常のプラズマ法、火炎溶射法などが知られる。この中で特に電極用として良好な性能を示すダイアモンド合成条件としてはホットフィラメント法があげられる。これは1800〜2400℃のフィラメントで炭素を活性化し、それを1000℃程度の基板上にダイアモンドとして析出させる。雰囲気は水素による還元雰囲気である。マイクロ波プラズマ法あるいは他の方法でも若干温度などの周辺条件が変化するが、水素雰囲気であることは同じである。このような条件では高温であり、水素化物を生成しやすい金属を基材とするとダイアモンド形成時に、表面へのダイアモンドの形成の前に基材金属自体が水素を吸収して水素化物となり、表面がぼろぼろになってしまうという欠点がある。従来はこのようなことを避けるために基材としては水素化物を作りにくいシリコンやニオブが使われていたが他の金属が事実上使われたことは無かった。本来入手しやすく、自らの不働体化による安定化を行うチタンやタンタルなどを使用することが望ましく、種々試みられているようであるが、完成したという報告はまだ見られていない。
一方、導電性ダイアモンドを電極として使用することを考えると、ダイアモンドの基材として最もポピュラーなシリコンはそれ自身が強酸性液中で陽分極条件下では耐食性に乏しく、つまりダイアモンドが完全に覆っているときは良いが、部分的にでもダイアモンドの剥離が起こるとシリコン基材が腐食してしまうという問題点があった。またシリコンは加工性が悪く、板状での使用はまだしも、メッシュあるいは多孔板にすることはほとんど不可能であった。一方ニオブはそれ自身耐食性があり、強酸などほとんどの雰囲気での使用に耐えるが、高価であること、また表面の酸化が進みやすく、ダイアモンドの剥離が起こり液が浸透するなどの問題が起こると通電が不可能になるという問題があった。
またニオブは加工性が良いとされるが、チタンほどではなく電極として使用しやすいエクスパンドメッシュにはなりにくいなどの問題点が残されていた。
これらを解決するためにダイアモンドを電極物質として使用する場合に予め導電性のダイアモンドを作っておき、それをバインダー物質と共に、チタンなどの金属基材表面に被覆する技術が提案されている。たとえば特開平09−268395には導電性のダイアモンドをチタンなどの金属表面に熱分解法につける技術が提案されている。この技術はそれ自身で極めて有用であり基材形状を問わないというメリットがある一方、現実問題として、導電性ダイアモンド粒子を得ることがかなり困難であること、また粒子の担持における制約があるなどの問題点があった。
特開平09−268395
本発明の解決しようとする課題は、チタンやチタン合金など安定でしかも加工しやすい金属基材を使用して、あらかじめ該表面の加工は必要とするが、加工後の表面には従来のすでに確立された条件で導電性ダイアモンドを形成したダイアモンド電極並びにその製造方法を確立することである。
本発明は第一に弁金属基材表面にあらかじめ弁金属窒化物層を介して表面にCVD法により導電性ダイアモンドを形成した電解用電極であり、第二に弁金属基材の表面にあらかじめ弁金属窒化物層を形成し、該表面に中間層として導電性の弁金属酸化物層を形成し、更にCVD法により導電性ダイアモンドを形成した電解用電極であり、第三に弁金属基材の表面にあらかじめ弁金属窒化物を形成し、該窒化物表面に白金族金属及び/またはその酸化物を1から10モル%含む弁金属酸化物層を形成し、更にCVD法により導電性ダイアモンドを形成した電解用電極であって、チタンのような弁金属表面に、水素透過性のほとんど無い窒化物層をもうけることにより水素気流中でのCVDにおいて、基材弁金属が水素化しないようにして表面に導電性のダイアモンド層を形成できる。これによってチタンやチタン合金表面に導電性のダイアモンド層を形成した電解用電極が完成する。
以下詳細に説明する。
チタンあるいはチタン合金は加工が容易であり、しかも電極材料としては十分な耐食性があると共に、入手しやすいという特徴を有している。従いこれを基材として使用することは従来から最も望まれていた。CVD法によるダイアモンド電極の場合、CVD雰囲気が高温であり、水素雰囲気であるために、直接チタン表面へのダイアモンド層の形成は、水素化の問題から不可能であった。本発明者らはこれらの弁金属基材の表面に水素の透過が起こらず、水素化物の形成を阻止すると共に、導電性である窒化物層を形成しておくことによって、水素雰囲気中でCVD法によりダイアモンド被膜を形成しても、基材金属がほとんど水素化しないで、強固にダイアモンド層を形成できることを見いだして本発明に至ったものである。
つまりダイアモンドをCVD法によって形成する時の基材温度は少なくとも800から1000℃程度まで上昇しそこで水素雰囲気にさらされることになる。ダイアモンド層の形成はCVD法によって生成するダイアモンド並びに他の炭素が平衡論的な割合で析出すると同時に結合の弱い、ダイアモンド以外の炭素が水素化物を作って揮散することによってダイアモンドだけが残ると考えても良い。本発明はこの現象を積極的に活用することによってチタンなどの弁金属表面を水素化することなくダイアモンド層を形成することが可能となった。弁金属基材としては入手しやすく、比較的安価で加工しやすいチタン又はチタン合金が望ましい。この金属の表面をアセトンで洗浄して油脂類を除去して後、表面を窒素化する。表面の窒素化の条件は特には指定されないが、たとえばチタンやチタン合金であれば窒素ガス雰囲気中で、温度600から1200℃程度で加熱し、保持することによって表面が窒化する。また異種の金属窒化物を形成することも可能である。一つの方法としてはいわゆるPVD(物理的蒸着法)によることができる。弁金属窒化物のターゲットを用い、高周波をかけて弁金属窒化物を金属基材表面に沈積させることによって弁金属窒化物を基材表面に析出させる。あるいはいわゆるCVD法として、弁金属や弁金属窒化物前駆体化合物を窒素雰囲気でとばしながら、適切な温度条件で基材金属表面に窒化物として析出させることができる。これらの窒化物生成条件は特には指定されないが、弁金属基材表面を密にまた完全に覆っていることが望ましく、そのためにはたとえば加熱により表面を直接窒化物化する場合は、加熱温度を1000℃以上とすることによって目的が達成できる。またいわゆるPVD法では通常面に対して垂直方向に貫通孔を有するようになるが、いわゆる反応性スパターと呼ばれる窒素雰囲気で、窒化物や金属を原料として基材表面には窒化物として形成する条件ではたとえ貫通孔があっても、基材表面自身も同時に窒素化されるので全体を窒素化できる。
このようにして基材表面を窒素化するが、窒化物の厚みについては特には指定されないが、貫通孔を最小限とし、しかも金属表面に強固に付着していることが必要であり、そのためには0.1から10ミクロン程度が望ましい。これ以上の厚みでは貫通孔は全くなくなるが、付着強度に問題のでる可能性があること、特にダイアモンド形成時には基材温度が1000℃以上になる可能性があり、そのような条件下で安定に保持するためには10ミクロン以下が望ましい。また0.1ミクロン以下では基材の保護が不十分となる可能性がある。更にこのようにしてチタン基材表面を窒化処理したもの野窒化物と基材チタンとの付着性を向上させるために、加熱処理を行うことが出来る。つまり窒化処理チタンをマッフル炉中で900℃30分以上保持すると表面に粉状の酸化チタンが生成する。この酸化チタン層を除去すると再び電気伝導性がある窒化チタン層が出現、この窒化チタン層は付着性が良くなる事を発見した。
このようにして作成した表面が窒化物である基材の表面に必要に応じてさらに導電性の弁金属酸化物を形成することができる。これは使用条件を勘案して決めれば良いが、熱分解法によって形成する。この酸化物も水素化を防ぐ有効な手段となると共に、ダイアモンド層との付着性をより向上させるのに有効である。形成条件は特には指定されないが、たとえば酸化チタンにわずかに酸化タンタルを入れた半導性の被膜の場合ブチルチタネートに所定割合のブチルタンタレートを混合し、塩酸を加えて加水分解を防ぎながら、溶媒としてブチルアルコール、プロピルアルコール、あるいはペンチルアルコールなどを加えて被覆液を作成し、これを基材表面の窒化物に塗布する。このものを乾燥し、空気などの酸素含有雰囲気中で450から600℃に加熱し熱分解する。これにより酸化物表面を作成することができるが、必要に応じて塗布、熱分解を2から10回程度繰り返して適当な厚みになる。なおこれにより、皮膜の厚みは0.1から3ミクロン程度であり、これは塗布/熱分解の回数で制御する。
一回あたりの皮膜の厚みを大きくすることも可能であるが、その場合は多孔化すると共に、付着強度が弱くなるので注意が必要である。なおこの場合のチタンとタンタルの比率は導電性を有し強固に付着すれば特には指定されないが、通常はTi:Ta=0.99から0.7(モル比)程度がよい。
また半導性の弁金属酸化物皮膜にわずかに白金族金属あるいはその酸化物を加えることもできる。つまり酸化ルテニウムや酸化イリジウムはきわめて優れた電気伝導性を示すと同時に、化学的にも安定していること、また酸化物としてはルチル型となり、酸化チタンと同型であるので親和性が良好である。また水素化物の生成を抑える働きがあるとされる。この被覆は上記チタンタンタル被覆液に、塩化イリジウム酸を所定量加えて溶解することによって塗布液を作成し、これを塗布し、温度450℃から550℃で熱分解すればよい。被覆の厚みについては特には指定されないが、やはり0.1から3ミクロンが最適である。なお白金族金属並びにその酸化物は電極としてきわめて活性であるので、それを抑えるために白金族金属の被膜中の割合は最大で10モル%以下であることが必要であり、好ましくは3から7%である。
このようにして下地が形成され、その表面に導電性のダイアモンド被膜をCVD法で形成する。形成条件は通常のCVD条件でよく、原料としてエチルアルコールなどのアルコール中に酸化硼素を1000から10000ppm程度加えたものを使用する。CVD条件は特には指定されないが、特にホットフィラメント型が安定な被膜のできることから特に望ましく、またこれより処理温度が若干低くなる、マイクロ波プラズマ型も有効である。また当然その他の条件でも良い。
本発明によりCVD法の導電性ダイアモンド形成において問題となっていた基材を金属とすること、しかも従来から不溶性金属電極として広く使われてきたチタンやチタン合金を偉材として従来法と同じ条件で導電性のダイアモンド電極を形成できる様になった。これにより従来から問題視されていた基材の形状を板状ばかりでなく、たとえばエクスパンドメッシュや多孔板とすることが出来るようになり、それによって電解用電極として広い範囲に使用することが可能になった。
電解用電極としては基材金属からの通電により電極として合目的に働くことが必要であり、そのためにはチタン、チタン合金を基材として表面に導電性のダイアモンドを形成することが最も望ましい形態であり、本発明はそれを可能にすることが出来る。以下に実施例により説明するがこれに制限されず、同様の手法により広く金属を基材としてその表面にダイアモンドをCVD法により被覆する技術を含むことは言うまでもない。
厚さ1mmのチタン板を基材として、その表面の油脂類を除去するためにアセトンで3回洗浄して乾燥した。 このチタン基材を窒素流通ガス中、1100℃で2時間処理した。これにより、表面が金色となり、厚み2ミクロンの窒化チタンの層が基材表面に得られた。これの表面をSEMで観察したところ、緻密で欠陥らしきものはほとんど認められなかった。この窒化物の表面に上からダイアモンド粉末をこすりつけた。これを基材としてフィラメント温度2100から2200℃でホットフィラメント法によりダイアモンド被膜を形成した。なお原料としてはエチルアルコールに酸化硼素を1%重量で加えた溶液を使用した。なお基材表面温度は850から900℃であった。3時間の処理によって約10ミクロンのダイアモンド被膜が形成された。このものについてエックス線マイクロアナライザーによって表面分析を行ったところ、硼素が約5000ppm含有し、粒径1から10ミクロンほどの(100),(111)に成長した導電性を有するダイアモンド被膜が形成されていることがみられた。これを陽極として3N硫酸水溶液中で電気分解を行った。温度は30℃であった。電流密度100A/dm2での電解において10時間連続的に電解を継続したが、電極表面には変化が認められず、また付着性の劣化もなかった。
実施例1と同様に板材でチタン基材表面を窒化処理したものをマッフル炉中で900℃45分保持した後表面に生成した酸化チタン層を除去した。この表面の色調はくすんだ金色になっていたが、この表面をSEMで観察したところ、緻密で欠陥らしきものはほとんど認められなかった。この窒化物の表面に上からダイアモンド粉末をこすりつけた。これを基材としてフィラメント温度2100から2200℃でホットフィラメント法によりダイアモンド被膜を形成した。なお原料としてはエチルアルコールに酸化硼素を1%重量で加えた溶液を使用した。なお基材表面温度は850から900℃であった。3時間の処理によって約10ミクロンのダイアモンド被膜が形成された。このものについてエックス線マイクロアナライザーによって表面分析を行ったところ、硼素が約5000ppm含有し、導電性を有するダイアモンド被膜が形成されていることがみられた。これを陽極として3N硫酸水溶液中で電気分解を行った。温度は30℃であった。電流密度200A/dm2での電解において10時間連続的に電解を継続したが、電極表面には変化が認められず、また付着性の劣化もなかった。
実施例1と同様にしてチタン基材表面に窒化チタン層を形成した。なおチタン基材はここでは厚さ1mm開口が10mmx20mmのエクスパンドメッシュとした。この表面にブチルチタネートとブチルタンタレートの混合液に35%塩酸を体積で1%加え、さらにn−プロピルアルコールで希釈した塗布液を準備した。液濃度は金属(チタン+タンタル)1gあたり50mlであった。この溶液を基材窒化チタン表面に塗布し、乾燥後マッフル炉に入れて、空気を流通させながら550℃で12分間加熱熱分解を行った。これを4回繰り返して、見かけ厚み0.5ミクロンのルチル型酸化チタンの被膜を形成した。なお4回目にはこの塗布液に粒径0.1から3ミクロンのダイアモンド粉末を種として懸濁したものを使用し塗布熱分解を行った。表面にわずかにダイアモンドが存在する薄い層が形成された。これに実施例1と同じ条件で硼素を含有するダイアモンド層を形成した。なお硼素の量増加するために原料中の酸化硼素量1.5%に増加した。これにより、ダイアモンド層中の硼素量は9000から10000ppmとなった。実施例1と同様の条件で電解試験を行ったところ、電流密度100A/dm2で1000時間以上安定に電解が出来た。またその後もダイアモンド膜の剥離は認められず、基材水素脆化は起こっていないものと考えられた。
ジルコニウム板表面をブラストによりJIS Ra=5μm程度まで荒らし、これについて5%フッ化水素酸水溶液で酸洗した。油脂除去のためにアセトンで3回洗浄して、これを1100℃窒素雰囲気中で2時間の処理を行い表面に窒化ジルコニウムの薄層を形成した。更に窒化チタンターゲットを用いPVD条件で厚さ1μmの窒化チタン層を形成して窒化物基材とした。このものの表面に、この表面にブチルチタネートとブチルタンタレートの混合液に35%塩酸を体積で1%加え、さらにチタン+タンタルの5%(モル)に相当するイリジウムを塩化イリジウムで加え、n−プロピルアルコールで希釈した塗布液を準備した。なお液濃度は金属(チタン+タンタル)1gあたり50mlであった。この溶液を基材窒化チタン表面に塗布し、乾燥後マッフル炉に入れて、空気を流通させながら550℃で12分間加熱熱分解を行った。これを4回繰り返して、見かけ厚み0.5ミクロンのルチル型酸化チタンの被膜を形成した。なお4回目にはこの液に粒径0.1から3ミクロンのダイアモンド粉末を種として懸濁して塗布熱分解を行った。これに対してマイクロ波プラズマ法CVDにより硼素を約1000ppm含む導電性ダイアモンドの被膜を形成した。形成時間は1時間であり、その厚みは約10ミクロンであった。これについて導電性を計測したところジルコニウム基材と表面層の間で見かけ上、面積あたりの電流密度100A/dm2において10mV程度の電圧ロスであり実用上差し支えないことを確認した。これを電極として硫酸ソーダ100g/l液中で陽極として使用した場合に酸素の他、オゾンと過酸化水素の生成が認められ、ダイアモンドは有効に働いていることが確認された。
本発明による技術では従来困難であった、チタン並びにチタン合金の表面に導電性のダイアモンド被膜を容易にCVD法によって形成することが出来る。これによって比較的自由な形状の電解用電極を高価なシリコンやニオブを基材とすることなしに得られるので、水処理、あるいは電子デバイス処理用の超高純度水の製造や、デバイスの電解処理など広い範囲にわたって使用できるようになる。特に従来は高価であり、形状が限られていることによって拡大が出来なかった水処理分野に効率的に応用が出来ると考える。

Claims (16)

  1. 弁金属基材表面にあらかじめ弁金属窒化物層を介して表面にCVD法により導電性ダイアモンドを形成した電解用電極
  2. 弁金属基材の表面にあらかじめ弁金属窒化物層を形成し、該表面に中間層として導電性の弁金属酸化物層を形成し、更にCVD法により導電性ダイアモンドを形成した電解用電極
  3. 弁金属基材の表面にあらかじめ弁金属窒化物を形成し、該窒化物表面に白金族金属及び/またはその酸化物を1から10モル%含む弁金属酸化物層を形成し、更にCVD法により導電性ダイアモンドを形成した電解用電極
  4. 弁金属がチタン又はチタン合金であることを特徴とする請求項1から請求項3の電解用電極
  5. 窒化物の形成を弁金属基材の窒素含有雰囲気ガス中で熱処理による表面窒化処理によって行うことを特徴とする請求項1から3の電解用電極
  6. 窒化物の形成を弁金属基材の窒素含有雰囲気ガス中で熱処理による表面窒化処理の後、空気中で高温処理して生成する酸化チタン被膜を除去して得られる窒化チタン被膜からなることを特徴とする請求項1から3の電解用電極
  7. 窒化物の形成を物理的蒸着法によって行うことを特徴とする請求項1から3の電解用電極
  8. 窒化物の形成を化学的蒸着法によって行うことを特徴とする請求1から3の電解用電極
  9. 導電性の弁金属酸化物がチタンとタンタルの複合酸化物であることを特徴とする請求項2及び3の電解用電極
  10. 導電性の弁金属酸化物が熱分解法により形成されたものであることを特徴とする請求項2及び3の電解用電極
  11. 導電性の弁金属酸化物に微少なダイアモンドまたはその前駆体を含んでなり、基材表面にダイアモンド核が分散されてなることを特徴とする請求項2及び3の電解用電極
  12. 白金族金属として白金を分散したことを特徴とする請求項3の電解用電極
  13. 導電性ダイアモンドが硼素を1000から10000ppmドープしたダイアモンドである請求項1から3の電解用電極
  14. 白金族金属がイリジウムであり、酸化イリジウムとして分散したことを特徴とする請求項3の電解用電極
  15. CVD法によるダイアモンドの形成をホットフィラメント法により行われることを特徴とする請求項1から3の電解用電極
  16. CVD法によるダイアモンドの形成をマイクロ波プラズマ法により行われることを特徴とする請求項1から3の電解用電極
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