JP5170830B2 - 高速断続切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 - Google Patents

高速断続切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 Download PDF

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Description

この発明は、特に鋼や鋳鉄などの、高熱発生を伴い、かつ、切刃に対して衝撃的負荷が作用する高速断続切削加工で、硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮する表面被覆背削工具(以下、被覆工具という)に関するものである。
従来、炭化タングステン(以下、WCで示す)基超硬合金または炭窒化チタン(以下、TiCNで示す)基サーメットで構成された工具基体の表面に、
(a)下部層として、化学蒸着形成されたTiN層、TiCN層からなり、0.1〜1μmの平均層厚を有する第1密着層と、化学蒸着形成され、Zr含有量が0.3〜50質量%であり、かつ2.5〜15μmの平均層厚を有するTiとZrの炭窒化物(以下、従来TiZrCNで示す)層、
(b)中間層として、TiCO層、TiCNO層からなり、0.1〜1μmの平均層厚を有する第2密着層、
(c)上部層として、化学蒸着形成されたAl23層からなり、かつ1〜15μmの平均層厚を有する高温硬質層、
以上(a)〜(c)で構成された硬質被覆層を形成してなる被覆工具(以下、従来被覆工具という)が知られており、この被覆工具が、例えば各種の鋼や鋳鉄などの連続切削加工で、すぐれた膜密着性と耐摩耗性を有することが知られている。
特開2001−11632号公報
近年の切削加工装置の高性能化はめざましく、一方で切削加工に対する省力化および省エネ化、さらに低コスト化の要求は強く、これに伴い、切削加工は一段と高速化の傾向にあるが、上記の従来被覆工具においては、被覆工具の下部層は所定の高温強度、また、同上部層は所定の高温硬さおよび耐熱性を具備することから、これを通常の切削加工条件で用いた場合には特段の問題は生じないが、特にこれを、高熱発生を伴い、かつ、切刃に対して衝撃的負荷が作用する高速断続切削加工に用いた場合には、従来被覆工具の下部層を構成する従来TiZrCN層の高温強度、耐熱性が不十分となるため、チッピング(微小欠け)、熱塑性変形、偏摩耗等を発生し易くなり、これらを原因として比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、上記の従来被覆工具を構成する硬質被覆層の耐チッピング性、耐摩耗性の向上をはかるべく、従来TiZrCN層を構成する結晶粒の形態に着目して研究を行ったところ、TiZrCN層の結晶粒の結晶面の配向の仕方によって、TiZrCN層の特性が大きく影響を受けることを見出した。
即ち、TiZrCN層は、格子点にTi、Zr、炭素(C)、および窒素(N)からなる構成原子がそれぞれ存在するNaCl型面心立方晶の結晶構造を有しているが、本発明者等は、特に、TiZrCN層を構成する結晶粒の結晶面である{112}面、{110}面、{111}面相互が、特定の方向に対して、特定の比率で存在する場合に、TiZrCN層が、特にすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を備えるという知見を得た。
より具体的に述べれば、以下のとおりである。
(a)上記従来被覆工具の硬質被覆層の下部層を構成する従来TiZrCN層は、通常の化学蒸着装置で、
反応ガス組成−体積%で、TiCl:0.3〜2.5%、ZrCl:0.3〜2.5%、CHCN:0.6〜5%、N:25〜45%、H:残り、
反応雰囲気温度:750〜980℃、
反応雰囲気圧力:2.7〜13.3kPa、
の条件で蒸着することにより形成される。
しかし、上記従来TiZrCN層の形成条件を変更し、
反応ガス組成−体積%で、TiCl:0.5〜5%、ZrCl:4〜6%、CHCN:4〜6%、N:10〜30%、H:残り、
の反応ガス雰囲気中で、
初期反応時(蒸着開始から30分間)には、
反応雰囲気温度:750〜850℃、
反応雰囲気圧力:2.5〜5kPa、
の比較的低温、低圧の雰囲気中で蒸着し、一方、
メイン反応時(蒸着開始から30分経過以降)には、
反応雰囲気温度:870〜1000℃、
反応雰囲気圧力:6〜15kPa、
の比較的高温、高圧の雰囲気中で蒸着し、
初期反応とメイン反応で反応雰囲気の温度と圧力を上記のように変化させてやると、
組成式:(Ti1−XZr)CN(ただし、原子比で、X:0.3〜0.5)を満足し、かつ、縦長成長結晶組織を有するTiとZrの炭窒化物(以下、改質TiZrCNで示す)層が蒸着形成され、そして、この改質TiZrCN層は、上記従来TiZrCN層に比して、すぐれた高温強度とすぐれた耐熱性を示す。
(b)そして、上記改質TiZrCN層について、電界放出型走査電子顕微鏡を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する立方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である{112}面の法線がなす傾斜角(図1(a),(b)に概略図を示す)、{110}面の法線がなす傾斜角(図2(a),(b)に概略図を示す)および{111}面の法線がなす傾斜角(図3(a),(b)に概略図を示す)を測定し、前記測定傾斜角のうちで、{112}面についての測定傾斜角が前記表面研磨面の法線に対して0〜10度の傾斜角の範囲内にある結晶粒子の総面積Aを測定し、また、{110}面についての測定傾斜角が前記表面研磨面の法線に対して0〜10度の傾斜角の範囲内にある結晶粒子の総面積Bを測定し、さらに、{111}面についての測定傾斜角が前記表面研磨面の法線に対して0〜10度の傾斜角の範囲内にある結晶粒子の総面積Cを測定したとき、総面積Aと総面積B、総面積Cの関係A/B、A/Cを求めると、A/B、A/Cの値はいずれも2〜8を示し、これは、改質TiZrCN層は、縦長成長結晶組織を有する{112}面配向のTiZrCN結晶粒中に、縦長成長結晶組織を有する{110}面配向のTiZrCN結晶粒および同じく縦長成長結晶組織を有する{111}面配向のTiZrCN結晶粒が存在する結晶組織構造を有することを示している。
なお、前記従来TiZrCN層については、結晶粒の{112}面についての測定傾斜角が前記表面研磨面の法線に対して0〜10度の傾斜角の範囲内にある結晶粒子の総面積A、{110}面についての測定傾斜角が前記表面研磨面の法線に対して0〜10度の傾斜角の範囲内にある結晶粒子の総面積Bおよび{111}面についての測定傾斜角が前記表面研磨面の法線に対して0〜10度の傾斜角の範囲内にある結晶粒子の総面積Cをそれぞれ測定し、総面積A、総面積B、総面積CからA/Bの値およびA/Cの値を求めたところ、少なくともいずれかは、2未満あるいは8を超えるものであった。
(c)したがって、硬質被覆層の下部層を密着性Ti化合物層と改質TiZrCN層、また、上部層をAl層で構成した被覆工具は、これを、高熱発生を伴い、かつ、切刃に対して衝撃的負荷が作用する高速断続切削加工に用いた場合にも、改質TiZrCN層がすぐれた高温強度と耐熱性を備えるため、チッピング、欠損、剥離、熱塑性変形、偏摩耗等を生じることなく、長期の使用にわたって、すぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を示すようになる。
この発明は、上記知見に基づいてなされたものであって、
「 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットで構成された工具基体の表面に、
(a)下部層として、3〜20μmの合計平均層厚を有し、いずれも化学蒸着で形成された密着性Ti化合物層と改質Ti系炭窒化物(改質TiZrCN)層、
(b)上部層として、化学蒸着で形成された1〜15μmの平均層厚を有する酸化アルミニウム層、
上記(a)、(b)からなる硬質被覆層を蒸着形成した表面被覆切削工具において、
(c)上記下部層の密着性Ti化合物層は、0.5〜5μmの合計平均層厚を有するTiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層、および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上からなり、
(d)上記下部層の改質Ti系炭窒化物(改質TiZrCN)層は、上記密着性Ti化合物層間に介在形成されるとともに、2.5〜15μmの平均層厚を有し、かつ、
組成式:(Ti1−XZr)CN
で表した場合、0.3≦X≦0.5(但し、原子比)を満足し、かつ、縦長成長結晶組織を有するTiとZrの複合炭窒化物層からなり、
さらに、上記改質Ti系炭窒化物(改質TiZrCN)層は、
電界放出型走査電子顕微鏡を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する立方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である{112}面の法線、{110}面の法線および{111}面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうちで、{112}面についての測定傾斜角が前記表面研磨面の法線に対して0〜10度の傾斜角の範囲内にある結晶粒子の総面積Aと、{110}面についての測定傾斜角が前記表面研磨面の法線に対して0〜10度の傾斜角の範囲内にある結晶粒子の総面積Bと、{111}面についての測定傾斜角が前記表面研磨面の法線に対して0〜10度の傾斜角の範囲内にある結晶粒子の総面積Cを求めた場合、A/Bの値およびA/Cの値がいずれも2〜8である結晶配向性を示す改質Ti系炭窒化物(改質TiZrCN)層であることを特徴とする表面被覆切削工具。」
に特徴を有するものである。
つぎに、この発明の被覆工具の硬質被覆層の構成層について、詳細に説明する。
(a)下部層の密着性Ti化合物層
Ti化合物層は、自体が高温強度を有し、これの存在によって硬質被覆層が高温強度を具備するようになるほか、工具基体と改質TiZrCN層のいずれに対しても強固に密着し、よって硬質被覆層の工具基体に対する密着性向上に寄与する作用をもつが、その合計平均層厚が3μm未満では、前記作用を十分に発揮させることができず、一方その合計平均層厚が20μmを越えると、高熱発生を伴う高速切削加工では熱塑性変形を起し易くなり、これが偏摩耗の原因となることから、その合計平均層厚を3〜20μmと定めた。
(b)下部層の改質Ti系炭窒化物(改質TiZrCN)層
下部層の密着性Ti化合物層の上に、
反応ガス組成−体積%で、TiCl:0.5〜5%、ZrCl:4〜6%、CHCN:4〜6%、N:10〜30%、H:残り、
の反応ガス雰囲気中で、
初期反応時(蒸着開始から30分間)には、
反応雰囲気温度:750〜850℃、
反応雰囲気圧力:2.5〜5kPa、
の比較的低温、低圧の雰囲気中で蒸着し、一方、
メイン反応時(蒸着開始から30分経過以降)には、
反応雰囲気温度:870〜1000℃、
反応雰囲気圧力:6〜15kPa、
の比較的高温、高圧の雰囲気中で蒸着すると、
組成式:(Ti1−XZr)CN
で表した場合、0.3≦X≦0.5(但し、原子比)を満足するZr成分を含有し、かつ、縦長成長結晶組織を有する改質TiZrCN層が蒸着形成される。
そして、上記改質TiZrCN層について、電界放出型走査電子顕微鏡を用い、前記改質TiZrCN層の表面研磨面の測定範囲内に存在する立方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である{112}面、{110}面および{111}面の各法線がなす傾斜角を測定した場合、前記測定傾斜角のうちで、{112}面についての測定傾斜角が前記表面研磨面の法線に対して0〜10度の傾斜角の範囲内にある結晶粒子の総面積をA、また、{110}面についての測定傾斜角が前記表面研磨面の法線に対して0〜10度の傾斜角の範囲内にある結晶粒子の総面積をB、{111}面についての測定傾斜角が前記表面研磨面の法線に対して0〜10度の傾斜角の範囲内にある結晶粒子の総面積をCとした場合、A/Bの値及びA/Cの値はそれぞれ2〜8である結晶配向が形成される。
そして、改質TiZrCN層は、A/B、A/Cの値がそれぞれ2〜8である結晶配向を示す縦長成長結晶組織を有することにより、従来TiZrCN層に比して改質TiZrCN層の高温強度および耐熱性が一段と向上するため、高熱発生を伴い、かつ、切刃に対して衝撃的負荷が作用する高速断続切削加工において、チッピング、熱塑性変形、偏摩耗等を発生することもなくすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮する。
なお、上記A/B、A/Cの値を求めるための手順は、具体的には以下のとおりである。
まず、上記改質TiZrCN層の表面を研磨面とした状態で、電界放出型走査電子顕微鏡の鏡筒内にセットし、前記研磨面に70度の入射角度で15kVの加速電圧の電子線を1nAの照射電流で、前記表面研磨面の測定範囲内に存在する立方晶結晶格子を有する結晶粒個々に照射して、電子後方散乱回折像装置を用い、30×50μmの領域を0.1μm/stepの間隔で走査し、まず、改質TiZrCN層であると認識したピクセル数δをカウントし、次に、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である{112}面の法線がなす傾斜角を測定し、この測定傾斜角のうちで、その値が0〜10度の範囲にある結晶粒子と認識したピクセル数αをカウントし、A=K×α/δ×100の式(但し、K=改質TiZrCN層の総面積/測定範囲内に存在する改質TiZrCN層の面積)から、{112}面についての測定傾斜角が前記表面研磨面の法線に対して0〜10度の傾斜角の範囲内にある結晶粒子の総面積Aの値を算出する。
また、総面積Bについては、改質TiZrCN層であると認識したピクセル数δをカウントし、次に、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である{110}面の法線がなす傾斜角を測定し、この測定傾斜角のうちで、その値が0〜10度の範囲にある結晶粒子と認識したピクセル数βをカウントし、B=K×β/δ×100の式(但し、K=改質TiZrCN層の総面積/測定範囲内に存在する改質TiZrCN層の面積)から、{110}面についての測定傾斜角が前記表面研磨面の法線に対して0〜10度の傾斜角の範囲内にある結晶粒子の総面積Bの値を算出する。
同様にして、前記結晶粒の結晶面である{111}面の法線がなす傾斜角を測定し、この測定傾斜角のうちで、その値が0〜10度の範囲にある結晶粒子と認識したピクセル数γをカウントし、B=K×γ/δ×100の式(但し、K=改質TiZrCN層の総面積/測定範囲内に存在する改質TiZrCN層の面積)から、{111}面についての測定傾斜角が前記表面研磨面の法線に対して0〜10度の傾斜角の範囲内にある結晶粒子の総面積Cの値を算出する。
上記のとおり算出した総面積A、B、Cの値から、A/BおよびA/Cの値をそれぞれ求めることができる。
改質TiZrCN層に含有されるZr成分について、その含有割合X(X=Zr/(Ti+Zr))の値(但し、原子比)が、0.3未満では、電界放出型走査電子顕微鏡による測定で、改質TiZrCN層に占める総面積BおよびCの面積割合が小さくなり、一方、総面積Aの面積割合は60〜80%であるから、その結果、総面積比A/BおよびA/Cの値は8を超えてしまい、改質TiZrCN層の耐熱塑性変形性、耐偏摩耗性および耐摩耗性ともに不十分となる。
また、Zr成分の含有割合Xが、0.5を超えると、電界放出型走査電子顕微鏡による測定で、改質TiZrCN層に占める総面積Aの面積割合が60%未満となり、一方、総面積BまたはCの面積割合が30%以上であるから、その結果、総面積比A/BおよびA/Cの値が2未満となってしまい、所望の高温強度が得られなくなるので、Zrの含有割合を、0.3〜0.5に、また、総面積の比の値A/B、A/Cをそれぞれ、2〜8に定めた。
また、改質TiZrCN層の平均層厚が2.5μm未満では所望のすぐれた高温強度、耐熱性を発揮することができず、一方その平均層厚が15μmを越えると、偏摩耗の原因となる熱塑性変形が発生し易くなり、摩耗が促進されるようになることから、その平均層厚を2.5〜15μmと定めた。
(c)Al23層(上部層)
Al23層は、すぐれた高温硬さと耐熱性を有し、硬質被覆層の耐摩耗性向上に寄与するが、その平均層厚が1μm未満では、硬質被覆層に十分な耐摩耗性を発揮せしめることができず、一方その平均層厚が15μmを越えて厚くなりすぎると、チッピングが発生し易くなることから、その平均層厚を1〜15μmと定めた。
なお、切削工具の使用前後の識別を目的として、黄金色の色調を有するTiN層を、必要に応じて蒸着形成してもよいが、この場合の平均層厚は0.1〜1μmでよく、これは0.1μm未満では、十分な識別効果が得られず、一方前記TiN層による前記識別効果は1μmまでの平均層厚で十分であるという理由からである。
この発明の被覆工具は、硬質被覆層の下部層のうちの1層を構成する改質TiZrCN層がすぐれた高温強度とすぐれた耐熱性を有することから、高熱発生を伴い、かつ、切刃に対して衝撃的負荷が作用する高速断続切削加工に用いた場合でも、すぐれた耐チッピング性およびすぐれた耐摩耗性を示し、長期に亘ってすぐれた切削性能を発揮するものである。
つぎに、この発明の被覆工具を実施例により具体的に説明する。
原料粉末として、いずれも0.5〜3μmの平均粒径を有するWC粉末、TiC粉末、ZrC粉末、VC粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr32粉末、TiN粉末、TaN粉末、およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を、表1に示される配合組成に配合し、さらにワックスを加えてアセトン中で36時間ボールミル混合し、減圧乾燥した後、98MPaの圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を5Paの真空中、1370〜1470℃の範囲内の所定の温度に1時間保持の条件で真空焼結し、焼結後、切刃部にR:0.07mmのホーニング加工を施すことによりISO・CNMG120408に規定するスローアウエイチップ形状をもったWC基超硬合金製の工具基体A〜Fをそれぞれ製造した。
また、原料粉末として、いずれも0.5〜2μmの平均粒径を有するTiCN(質量比で、TiC/TiN=50/50)粉末、Mo2C粉末、ZrC粉末、NbC粉末、TaC粉末、WC粉末、Co粉末、およびNi粉末を用意し、これら原料粉末を、表2に示される配合組成に配合し、ボールミルで36時間湿式混合し、乾燥した後、98MPaの圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を1.3kPaの窒素雰囲気中、温度:1540℃に1時間保持の条件で焼結し、焼結後、切刃部分にR:0.07mmのホーニング加工を施すことによりISO規格・CNMG120408のチップ形状をもったTiCN基サーメット製の工具基体a〜fを形成した。
つぎに、これらの工具基体A〜Fおよび工具基体a〜fの表面に、通常の化学蒸着装置を用い、硬質被覆層の下部層として、密着性Ti化合物層および改質TiZrCN層からなる下部層を表3に示される条件で、表4に示される組み合わせおよび目標層厚で蒸着形成し、ついで同じく表3に示される条件にて、上部層としてのAl23層を同じく表4に示される組み合わせで、かつ目標層厚で蒸着形成することにより本発明被覆工具1〜13をそれぞれ製造した。
比較の目的で、工具基体に密着性Ti化合物層を蒸着形成した後、従来TiZrCN層を表3に示される条件で、表5に示される組み合わせおよび目標層厚で蒸着形成し、さらに上部層としてのAl23層を、表3に示される条件で、かつ同じく表5に示される目標層厚で蒸着形成することにより比較被覆工具1〜13をそれぞれ製造した。
上記の本発明被覆工具1〜13の改質TiZrCN層は縦長成長結晶組織を有するのに対して、従来被覆工具1〜13の従来TiZrCN層は、粒状結晶組織を有しており、そして、それぞれについて、電界放出型走査電子顕微鏡を用い、前記各TiZrCN層の表面研磨面の測定範囲内に存在する立方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である{112}面の法線、{110}面の法線および{111}面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうちで、{112}面についての測定傾斜角が前記表面研磨面の法線に対して0〜10度の傾斜角の範囲内にある結晶粒子の総面積をA、{110}面についての測定傾斜角が前記表面研磨面の法線に対して0〜10度の傾斜角の範囲内にある結晶粒子の総面積をB、また、{111}面についての測定傾斜角が前記表面研磨面の法線に対して0〜10度の傾斜角の範囲内にある結晶粒子の総面積をCとして、総面積A、総面積B、総面積C相互の比の値、即ち、A/Bの値およびA/Cの値、を求めた。上記A/Bの値およびA/Cの値を表4、5にそれぞれ示す。
なお、上記A/B、A/Cの値は、既に述べたように、以下の手順で算出した。
まず、上記改質TiZrCN層の表面を研磨面とした状態で、電界放出型走査電子顕微鏡の鏡筒内にセットし、前記研磨面に70度の入射角度で15kVの加速電圧の電子線を1nAの照射電流で、前記表面研磨面の測定範囲内に存在する立方晶結晶格子を有する結晶粒個々に照射して、電子後方散乱回折像装置を用い、30×50μmの領域を0.1μm/stepの間隔で走査し、まず、改質TiZrCN層であると認識したピクセル数δをカウントし、次に、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である{112}面の法線がなす傾斜角を測定し、この測定傾斜角のうちで、その値が0〜10度の範囲にある結晶粒子と認識したピクセル数αをカウントし、また、表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である{110}面の法線がなす傾斜角を測定し、この測定傾斜角のうちで、その値が0〜10度の範囲にある結晶粒子と認識したピクセル数βをカウントし、さらに、表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である{111}面の法線がなす傾斜角を測定し、この測定傾斜角のうちで、その値が0〜10度の範囲にある結晶粒子と認識したピクセル数γをカウントし、A=K×α/δ×100、B=K×β/δ×100およびC=K×γ/δ×100の式(但し、いずれも、K=改質TiZrCN層の総面積/測定範囲内に存在する改質TiZrCN層の面積)から、総面積A、総面積B、総面積Cの値をそれぞれ求め、総面積A、総面積B、総面積Cから、A/Bの値、A/Cの値を算出した。
表4、5にそれぞれ示される通り、本発明被覆工具の改質TiZrCN層について、電界放出型走査電子顕微鏡を用いて求めた{112}面についての測定傾斜角が表面研磨面の法線に対して0〜10度の傾斜角の範囲内にある結晶粒子の総面積Aと、{110}面についての測定傾斜角が前記表面研磨面の法線に対して0〜10度の傾斜角の範囲内にある結晶粒子の総面積Bと、{111}面についての測定傾斜角が前記表面研磨面の法線に対して0〜10度の傾斜角の範囲内にある結晶粒子の総面積Cとから求めたA/Bの値およびA/Cの値は、それぞれ2〜8であるのに対して、比較被覆工具の従来TiZrCN層では、前記面積比A/Bの値およびA/Cの値は、少なくともそのいずれかが、2未満あるいは8を超えるものであった。
さらに、上記の本発明被覆工具1〜13および比較被覆工具1〜13について、これの硬質被覆層の構成層を電子線マイクロアナライザー(EPMA)およびオージェ分光分析装置を用いて観察(層の縦断面を観察)したところ、前者および後者とも目標組成と実質的に同じ組成を有する密着性Ti化合物層、改質TiZrCN層、従来TiZrCN層、さらにAl23層からなることが確認された。また、これらの被覆工具の硬質被覆層の構成層の厚さを、走査型電子顕微鏡を用いて測定(同じく縦断面測定)したところ、いずれも目標層厚と実質的に同じ平均層厚(5点測定の平均値)を示した。
つぎに、上記の各種の被覆サーメット工具をいずれも工具鋼製バイトの先端部に固定治具にてネジ止めした状態で、本発明被覆工具1〜13および比較被覆工具1〜13について、
被削材:JIS・SCM440の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度: 450 m/min、
切り込み: 1.5 mm、
送り: 0.23 mm/rev、
切削時間: 10 分、
の条件(切削条件Aという)でのクロムモリブデン鋼の湿式高速断続切削試験、
被削材:JIS・S45Cの長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度: 450 m/min、
切り込み: 1.5 mm、
送り: 0.25 mm/rev、
切削時間: 10 分、
の条件(切削条件Bという)での炭素鋼の湿式高速断続切削試験、
被削材:JIS・FCD450の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度: 470 m/min、
切り込み: 1.5 mm、
送り: 0.28 mm/rev、
切削時間: 10 分、
の条件(切削条件Cという)での球状黒鉛鋳鉄の湿式高速断続切削試験、
いずれの切削試験(水溶性切削油使用)でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。この測定結果を表6に示した。
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表4〜6に示される結果から、本発明被覆工具1〜13は、硬質被覆層の改質TiZrCN層における、{112}面についての測定傾斜角が0〜10度の範囲内にある結晶粒子の総面積Aと、{110}面についての測定傾斜角が0〜10度の範囲内にある結晶粒子の総面積Bと、{111}面についての測定傾斜角が0〜10度の範囲内にある結晶粒子の総面積Cとの関係が、2≦A/B≦8、かつ、2≦A/C≦8であることから、すぐれた高温強度と耐熱性を備えることにより、硬質被覆層の耐チッピング性、耐摩耗性が著しく改善されるのに対して、硬質被覆層が従来TiZrCNで構成された比較被覆工具1〜13においては、A/BあるいはA/Cの少なくともいずれかが上記数値範囲を外れるものであるため、高熱発生を伴うとともに切刃に対して衝撃的負荷が作用する高速断続切削条件下では、硬質被覆層の高温強度、耐熱性が不十分であり、硬質被覆層にチッピング、熱塑性変形、偏摩耗等が発生し、比較的短時間で使用寿命に至ることが明らかである。
上述のように、この発明の被覆工具は、各種鋼や鋳鉄などの通常の条件での連続切削や断続切削は勿論のこと、特に高い熱発生を伴い、かつ、切刃に対して衝撃的負荷が作用する高速断続切削加工でも、硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性とすぐれた耐摩耗性を示し、長期に亘ってすぐれた切削性能を発揮するものであるから、切削装置の高性能化並びに切削加工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に十分満足に対応できるものである。
改質TiZrCN層および従来TiZrCN層における結晶粒の{112}面の傾斜角の測定範囲を示す概略説明図である。 改質TiZrCN層および従来TiZrCN層における結晶粒の{110}面の傾斜角の測定範囲を示す概略説明図である。 改質TiZrCN層および従来TiZrCN層における結晶粒の{111}面の傾斜角の測定範囲を示す概略説明図である。

Claims (1)

  1. 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットで構成された工具基体の表面に、
    (a)下部層として、3〜20μmの合計平均層厚を有し、いずれも化学蒸着で形成された密着性Ti化合物層と改質Ti系炭窒化物層、
    (b)上部層として、化学蒸着で形成された1〜15μmの平均層厚を有する酸化アルミニウム層、
    上記(a)、(b)からなる硬質被覆層を蒸着形成した表面被覆切削工具において、
    (c)上記下部層の密着性Ti化合物層は、0.5〜5μmの合計平均層厚を有するTiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層、および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上からなり、
    (d)上記下部層の改質Ti系炭窒化物層は、上記密着性Ti化合物層間に介在形成されるとともに、2.5〜15μmの平均層厚を有し、かつ、
    組成式:(Ti1−XZr)CN
    で表した場合、0.3≦X≦0.5(但し、原子比)を満足し、かつ、縦長成長結晶組織を有するTiとZrの複合炭窒化物層からなり、
    さらに、上記改質Ti系炭窒化物層は、
    電界放出型走査電子顕微鏡を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する立方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である{112}面の法線、{110}面の法線および{111}面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうちで、{112}面についての測定傾斜角が前記表面研磨面の法線に対して0〜10度の傾斜角の範囲内にある結晶粒子の総面積Aと、{110}面についての測定傾斜角が前記表面研磨面の法線に対して0〜10度の傾斜角の範囲内にある結晶粒子の総面積Bと、{111}面についての測定傾斜角が前記表面研磨面の法線に対して0〜10度の傾斜角の範囲内にある結晶粒子の総面積Cを求めた場合、A/Bの値およびA/Cの値がいずれも2〜8である結晶配向性を示す改質Ti系炭窒化物層であることを特徴とする表面被覆切削工具。
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