JP5170812B2 - 加工機の集塵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、加工機の加工室で発生する粉塵を、圧縮空気により機外に効率良く排出する加工機の集塵装置に関する。
この種の装置として、加工機(例えばマシニングセンター)の加工室を塵埃の飛散防止用カバーで覆い、この飛散防止用カバー内部に空気を送り込み、飛散防止用カバーの排出口から塵埃を排出するマシニングセンターの集塵装置が知られている(例えば特許文献1参照)。なお、加工室内には、切り粉や砥粒などからなる集塵対象が発生し、本願ではこのような集塵対象となる粉塵等を塵埃と表現する。
実開平5−37439号公報
特許文献1に開示される集塵装置は、マシニングセンターのスピンドルヘッドの側面に排出口が設けられている。これにより、送風機から飛散防止用カバー内に送り込まれた圧縮空気により排出口に向く上昇気流が発生する。
しかしながら、飛散防止用カバー内における限られた領域において上昇気流のみで集塵する場合、飛散防止用カバー内部の場所によっては塵埃の除去残りが生じることがある。例えば、テーブル等の陰になって気流が流れにくい場所などでは、加工によって発生する砥粒や粉塵等を巻き上げる気流が弱くなり、その結果、塵埃の一部は巻き上げられずに残ってしまう場合がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、加工室内で発生する粉塵等の塵埃を効率良く機外に排出し、飛散防止用カバー内での粉塵の除去残りを削減することができる加工機の集塵装置を提供することを目的とする。
本願発明に係る加工機の集塵装置では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
請求項1に記載された発明は、加工機の加工室を粉塵等の飛散防止用カバーで覆い、このカバー内部に圧縮空気を送り込んで渦流を発生させる渦流発生手段を備えることを特徴とする。
この発明によれば、渦流発生手段により、飛散防止用カバー内部に渦流を発生させることができ、この渦流により飛散防止用カバー内部で発生する塵埃を渦流に巻き込んで効率よく集塵できるようになる。
また、前記飛散防止用カバーが、前記加工室を囲む平面視矩形をなす壁面を備え、前記渦流発生手段は、前記飛散防止用カバー内部に設けられた圧縮空気の吹き出し部を複数備え、これらの吹き出し部はそれぞれ前記飛散防止用カバーの角部に配置され、圧縮空気を前記飛散防止用カバー壁面の延在方向へ吹き出すものを含むことを特徴とする。
これによれば、圧縮空気の吹き出し部を飛散防止用カバー内の角部に配設し、壁面に沿って送風することにより、飛散防止用カバーで囲まれた空間内部に送り込まれた圧縮空気は、前記吹き出し部から前記飛散防止用カバー壁面の延在方向に吹き出されるので、飛散防止用カバーで囲まれた空間内に渦流を発生させることができる。
さらに、前記複数の吹き出し部のうちの一部を、吹き出し方向が前記飛散防止用カバー壁面と平行せずに所定の角度を持って前記飛散防止用カバーの内部を指向するように設けたことを特徴とする。
これによれば、一部の吹き出し部における吹き出し口をその吹き出し方向が前記飛散防止用カバー壁面と平行せずに所定の角度を持って飛散防止用カバーで囲まれた空間内部を指向するように設けられるので、渦流を速やかに排出ダクト側へ送り込むことができる。
請求項2に記載された発明は、前記吹き出し部が圧縮空気を吹き出す吹き出し口(N)を備え、所定の角度を持って前記飛散防止用カバーの内部を指向する前記吹き出し方向へ吹き出す前記一部の吹き出し部における吹き出し口が、前記飛散防止用カバーの中央方向を指向していることを特徴とする。
この発明によれば、一部の吹き出し部における吹き出し口を、飛散防止用カバーの中央方向を向くように設定しているため、渦流を排出ダクト側へ押し込む流れを発生させることができる。
請求項3に記載された発明は、前記吹き出し部が、前記飛散防止用カバーの高さ方向へ間隔を持って配列された複数の吹き出し口を備えることを特徴とする。
この発明によれば、飛散防止用カバーの高さ方向に延在する吹き出し部に、複数の吹き出し口を高さ方向へ配列させることで、飛散防止用カバー壁面の高さ方向においても均等に圧縮空気を送り込み、飛散防止用カバーで囲まれた加工室内の高さ方向全体に渦流を発生させる。
請求項4に記載された発明は、前記飛散防止用カバーで囲まれた空間内に前記排出口を覆う排出ダクトを備え、この排出ダクトの開口を直近における前記渦流の方向と対向させて開口させたことを特徴とする。
この発明によれば、飛散防止用カバーに設けられている排出ダクトが、直近における前記渦流の方向と対向する方向に開口しているので、発生した粉塵は渦流と共にスムーズに排出口に導かれる。
本発明に係る請求項1に記載の発明によれば、飛散防止用カバーで囲まれた空間内へ送り込まれた圧縮空気により飛散防止用カバーで囲まれた空間内部に渦流が発生すると、加工室で発生した粉塵等の塵埃は飛散防止用カバーで囲まれた空間内の渦流に巻き込まれて飛散防止用カバーで囲まれた空間内の一部に滞留しにくくなり、塵埃の除去残りを低減させことができる。
また、吹き出し部を飛散防止用カバーで囲まれた空間内の角部に配設して、圧縮空気を飛散防止用カバー壁面の延在方向に吹き出すようにしたので、飛散防止用カバーで囲まれた空間内に渦流を発生させることができる。しかも簡素な装置で確実に渦流を発生させることができる。
飛散防止用カバー壁面の延在方向に吹き出す圧縮空気の流れに対して、飛散防止用カバー壁面に沿わず飛散防止用カバー壁面と角度を持って飛散防止用カバーの内部へ向かう圧縮空気の流れが生じる。その結果、渦流を排出口へ押し込むので、より効率の良い集塵が可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、一部の吹き出し部における吹き出し口を、飛散防止用カバーの中央方向を向くように設定しているため、渦流を排出ダクト側へ押し込む流れを発生させ、渦流の粉塵等を速やかに排出ダクトへ送り込むことができる。
請求項3に記載の発明によれば、飛散防止用カバー室内の高さ方向にてもまんべんなく渦流を発生するので、加工室全体に渦流を発生することができる。
請求項4に記載の発明によれば、排出ダクトが直近の渦流の流れ方向に対向して開口するので、渦流に乗った粉塵は排出ダクトの開口からスムーズに排出される。このため空気流により浮揚させた粉塵等を効率良く確実に集塵することができる。
以下、本発明に係る加工機の集塵装置の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る集塵装置を備えた加工機(マシニングセンター)の全体平面図、図2はこのマシニングセンターの正面図、図3はこのマシニングセンターの左側面図である。
これらの図において、Mはマシニングセンター(加工機)であって、このマシニングセンターMは、基台15上に設けられた加工室R内のテーブルT上に載置された図示しないワークを主軸Sに装着した工具により加工されるようになっている。
主軸Sは、水平面内において直交するX,Y軸方向に移動可能なコラム4に回転自在に軸支されており、加工室Rに隣接して配置された工具マガジン8から選択された工具をATC(工具交換装置)により工具交換位置CHに移動した主軸Sの工具装着口に着脱可能に装着できるようになっており、次の加工のための工具が装着されると、X軸サーボモータ5、Y軸サーボモータ6、Z軸サーボモータ7により、X軸、Y軸及びこれらと直交するZ軸方向の3軸方向に移動制御して所定の加工が行われる。なお、図1において、矢印で示すX軸は左右方向、Y軸は前後方向、図2に示すZ軸は上下方向とする。
図1において、主軸Sは、テーブルT上面の範囲内でX,Y軸方向に移動可能となっており、これが加工領域として最大移動範囲に設定されている。この加工領域を含む加工室Rの周囲は、本発明の集塵装置1の一部を構成する飛散防止用カバー10(太線枠で示す)で覆われており、加工中に内部空間に形成される砥粒や切り粉などの粉塵等が加工室Rから機外に飛散するのを防止している。
図3に示すように、前記集塵装置1は、板金または合成樹脂などで密閉構造となるよう立方体で構成された前記飛散防止用カバー10と、この飛散防止用カバー10の内部に圧縮空気を送り込む送風手段PUと、前記飛散防止用カバー10内部に設けられて送り込まれた圧縮空気により渦流(サイクロン)を発生させる渦流発生手段(後述)とを備えている。
飛散防止用カバー10は、板金または合成樹脂などで密閉構造となるよう立方体で構成されて正面側(図2)には開閉可能な扉が設けられている。
飛散防止用カバー10は図1の平面視において、矩形をなして加工室Rを囲む4つの壁面を備える。平面視における飛散防止用カバー10の四隅をなす角部には、渦流発生手段をなすエア噴出ポールとして構成された4本の吹き出し部11,12,13,14が立設保持されている。
飛散防止用カバー10内の粉塵等は、後壁面(後述)に接続されたダクト管20a、20bより集塵処理部16へ排出される。2本のダクト管20a、20bは上下に分かれて飛散防止用カバー10へ接続するとともに、集塵処理部16の直前で集合して集塵処理部16へ接続する。
この集塵処理部16は公知のものであり、飛散防止用カバー10から排出された空気を洗浄処理してクリーンに浄化された空気を外部に排出する。
例えば、モータにより回転駆動されるターボファンフィルタ等が収容されており、ターボファンの作用で吸引された飛散防止用カバー10内の空気がフィルタを通過する過程で空気中に含まれる微粒子状の粉塵をフィルタに吸着させて分離処理する。
図4は、図3に示す送風手段PUの拡大図である。この図4において、送風手段PUは、図示しないエア源側に接続されるコネクタ22を介して接続されるエアフィルター23と、このエアフィルター23に接続する分岐コネクタ24と、この分岐コネクタ24の分岐パイプ24aが接続するレギュレター25と、このレギュレター25から配管26を通して接続されるブースター27とを備える。分岐コネクタ24は複数の分岐パイプ24を備え、送風手段PU以外にも各種のエア供給路へ接続される。
エア源からコネクタ22を介して供給された圧縮空気は、エアフィルター23で浄化されて分岐パイプ24へ送られ、さらに分岐パイプ24の一つのジョイントからレギュレター25へ送られ、ここで所定圧に調整されて配管26からブースター27へ送られる。
ブースター27はさらに増圧して配管28へ増圧空気を送る。
供給ライン28は飛散防止用カバー10へ至り、4本の端末パイプに枝分かれてそれぞれ4つの吹き出し部11,12,13,14へ均等に圧縮空気を分配する(図5参照)。
次に、集塵装置1に付き、図5、図6を参照して詳細に説明する。図5は渦流発生手段により飛散防止用カバーで囲まれた空間内部に渦流を発生するためのメカニズムを説明する集塵装置の概念的な斜視図、図6は飛散防止用カバーで囲まれた空間内の四隅角部に設けた吹き出し部の吹き出し口から噴き出される圧縮空気の流れを原理的に説明するための作用説明図である。
これらの図において、飛散防止用カバー10は、上壁17及び底壁18並びに4側面の壁からなる立体形の密閉構造をなし、4側面の壁は、正面側から見て左側に立設保持された左壁面W1と、マシニングセンターM(図1)の正面に立設され開閉可能に設けられた前壁面W2と、正面側から見て右側に立設保持された右壁面W3と、前記飛散防止用カバー10の奥に立設保持された後壁面W4とを備える。
図5に示すように、飛散防止用カバー10内部の四隅角部には、吹き出し部となる中空管(円形、角型など各種断面形状の中空管を含む)で構成されたポール状をなす4本の吹き出し部11,12,13,14が底壁18上に立設保持されている。これらの吹き出し部11,12,13,14はエア噴出ポールとして飛散防止用カバー10内へ向かう圧縮空気の吹き出し部をなし、渦流発生手段を構成する。各吹き出し部の側面には、それぞれ複数の吹き出し口Nが一定間隔で高さ方向(長手方向)に配列されており、これら吹き出し部11,12,13,14の上端に配管28の枝別れ配管がそれぞれ接続されている。
なお、図5において各吹き出し部の吹き出し口Nを指示する線は、煩雑を避けるためそれぞれ一部のみを支持している。
後壁面W4の略中央には排出口32が設けられており、ここに集塵処理部16のダクト管20a,20b(図1・3参照)が接続されている。
なお、図4・5では排出口32は一つだけ示されているが、図3に示すように、ダクト管20a,20bを上下方向へ複数接続する場合には、ダクト管の数に応じて排出口32の上下方向へ複数設けるようにすることもできる。
飛散防止用カバー10内には、排出口32を覆うように平面視(図6)で断面L型をなす排出ダクト30が設けられている。この排出ダクト30には、吹き出し部14から吹き出される圧縮空気のエア吹き出し方向を指向する開口34が設けられている。
各吹き出し部11,12,13,14は、例えば、それぞれ内径13mmの中空円筒管が使用されている。また、各吹き出し口Nは、口径1.4mmの小孔が高さ方向に一定間隔(例えば100mm間隔で6か所)で設けられている。但しこのような寸法は一例であり、仕様に応じて任意に設定できる。
吹き出し部11の吹き出し口Nは,空気の吹き出し方向Aが左壁面W1と平行するように開口方向を指向して配置されている。
図中の矢示符号A〜Eは各吹き出し部からの空気吹き出し方向を示し、吹き出し部11・12・14はそれぞれ各壁面に沿って吹き出すようにされ、吹き出し部13のみが吹き出し方向Cを略対角方向もしくは加工室の略中央を指向するようになっている。
図5中の符号Gは渦流発生手段によって発生した渦流を示し、各吹き出し部11・12・14が壁面に沿って順方向へ空気を吹き出すことにより、飛散防止用カバー10内に竜巻状の渦流Gが発生する。
各吹き出し方向についてさらに詳細に説明する。左後方角部に配設される吹き出し部11の吹き出し口Nは、左壁面W1の内側延在方向(壁面と平行する方向)と吹き出し方向Aが平行になるように向けて配置され、左前方角部に配設される吹き出し部12の吹き出し口Nは、前壁面W2の内側延在方向と吹き出し方向Bが平行になるように向けて配置されている。右後方角部に配設される吹き出し部14の吹き出し口Nは、後壁面W4の内側延在方向と吹き出し方向Eが平行になるように向けて配置されている。
右前方角部に配設される吹き出し部13は、その吹き出し口Nが、加工室の中央を通って開口34へ向くように配置されており、その吹き出し方向Cが右壁面W3の内側延在方向と平行せずに所定の角度を持って、吹き出し部11方向を指向する対角状もしくは概ね前記排出ダクト30の近傍を指向するなど、飛散防止用カバー10の内部を指向するよう配置されている。
なお、吹き出し部13の吹き出し口Nは、加工室Rの中央部から吹き出し部11へ向いて対角状に吹き出し方向をなすように配置され、右壁面W3の延在方向と平行な吹き出し方向Dの空気流を吹き出さないが、吹き出し部12による前壁面W2の内側延在方向と平行な吹き出し方向Bに流れる空気流の一部が、吹き出し部13近傍にて右壁面W3に進行を遮られて向きを変え、右壁面W3の延在方向と平行な吹き出し方向Dの空気流を形成する。したがって、吹き出し部13の吹き出し方向が異なっていても、各壁面W1〜W4に沿って順方向(この実施例では図6において反時計回り方向)に回転する空気流が生じ、この空気流により渦流が形成される。
吹き出し部14から背壁面W4と平行な吹き出し方向Eを向く空気流の一部は、排出ダクト30の開口34へ吸入されずこれを通過するが、この通過した気流は後壁面W4に平行な吹き出し方向Fを向く流れとなり、吹き出し部11側へ向かうことになり、この流れ部よっても渦流の発生を助長する。
排出ダクト30の開口34はその直近部における渦流Gの方向と対向するように設けられ、この開口34から排出ダクト30へ取り込まれた渦流の一部を排出口32から排出するようになっている。なお、開口34の直近部における渦流Gの方向は、概ね後壁面W4に沿うものとなるから、吹き出し部14の吹き出し方向Eとほぼ一致することになり、開口34を吹き出し部14に向けれるだけで開口方向を設定できる。
また、吹き出し口Nは、図5に示すように高さ方向へ複数設けられ、本実施例では各吹き出し部毎に、それぞれの高さ方向に配置された各吹き出し口Nの開口方向は一致しているが、そのうちの一部の開口方向を変えることもできる。
例えば、吹き出し部13において、一部の吹き出し口Nを吹き出し方向Cを形成するように開口させ、他の部分を右壁面W3の壁面に沿う空気流Dを形成するように開口させ、吹き出し方向がCとDとなる2種類の吹き出し口を混在して設けることができる。この場合の中央へ向く吹き出し口Nと背壁面W4の吹き出し部14へ向く吹き出し口Nの数はそれぞれ任意である。なお、吹き出し部13の吹き出し口NのうちD方向を指向さするものの数を増やせばD方向の空気の流れをより強く形成できる。なお、吹き出し部13の中央へ向く吹き出し口Nは、必ずしも設ける必要はなく全ての吹き出し口NをD方向に向けてもよい。
このように各吹き出し部を設けると、送風手段PUのブースター27から増圧して送り込まれる圧縮空気は、図6に示すように3本の吹き出し部11,12、14の各吹き出し口Nから各壁面W1,W2,W4の延在方向に沿って吹き出され、これにより、飛散防止用カバー10の内部には、各壁面W1〜W4の延在方向に沿った一定方向を向く層流状態の流れが形成され、中央部側に渦流Gが発生し易くなり、この渦流Gに粉塵が巻き込まれて乗るようになる。しかも簡素な装置で確実に渦流を発生させることができる。また角部へ各吹き出し部を設けることにより、各吹き出し部を容易に配置できる。
渦流Gは竜巻状をなして強い気流を生じるので、粉塵等の一部が飛散防止用カバー10の局部に滞留することを防ぎ、全体が渦流に巻き込まれやすくなる。
その結果、飛散防止用カバー10内部で渦流に巻き込まれた粉塵等は、渦流Gの外側部分が排出ダクト30へ至って排出口32から排出するに伴い、この排出される渦流に乗って排出口32から排出され、集塵処理部16へ効率良く吸引されて処理される。
そのうえ、一部の吹き出し部13は、吹き出し口Nが加工室の中央を向くように設定しており、これによって、渦流Gを開口34側へ押し込む流れが発生し、渦流Gの粉塵等を速やかに開口34へ送り込むことができる。また竜巻状の渦流による強い空気流により、飛散防止用カバー10に付着していたような粉塵等も巻き上げられるので、効率の良い集塵が可能となる。
また、4本の吹き出し部11〜14に形成された複数の吹き出し口Nが、高さ方向に一定間隔で配列させられ、複数の吹き出し口Nから各カバー壁面W1・W2・W4の延在方向に圧縮空気が送り込まれるため、加工室の高さ方向を含む全体に渦流を発生することができる。その結果、飛散防止用カバー10で囲まれた加工室Rの内部、すなわち飛散防止用カバー10の内部における上下方向においても均一かつ効率的に集塵できる。
さらに、排出ダクト30の開口34は、直近部における渦流Gの方向に対向するように形成されているので、飛散防止用カバー10内の粉塵等は渦流側と共に対向する開口34から排出ダクト30内へ速やかに導かれるようになり、竜巻状の空気流により浮揚された粉塵等を効率良く確実に集塵することができる。
なお、本願発明は上記の各実施例に限定されるものではなく、発明の原理内において種々に変形や応用が可能である。例えば、上記実施例ではそれぞれの吹き出し口Nは、吹き出し部11,12,13,14の高さ方向に一定の等間隔で配列されているが、これに限らず異なる間隔で配列することもできる。また、隣り合う吹き出し部の吹き出し口Nの高さ位置を一定させず、高低に変化させると、高さ方向において空気の対流が促進され、所定高さ毎に層流化しにくくなるから、粉塵等をより確実に渦流に巻き込むことができ、集塵効率を向上させることができる。
さらに、前記吹き出し口Nは、複数の小孔を高さ方向に一定間隔に配列するだけでなく、所定長さの長孔等、非円形の孔を設け、これを高さ方向へ間隔等で配設しても良い。また吹き出し部も必ずしもポール状とせず、例えば、多数のエア配管を直接壁面へ開口させ、これを高さ方向へ複数配設してもよい。さらに飛散防止用カバーの肉厚部内等へ直接一体化して設けた通気路等にしてもよい。
また、渦流を水平断面で回転する流れとするばかりでなく、垂直断面内で回転する流れとすることもできる。さらに、適用対象の加工機はマシニングセンターに限らず、集塵すべき塵埃が発生する各種加工機に適用できる。マシニングセンターに適用する場合でも、テーブル可動型や逆にテーブルが固定で主軸が動く形式のいずれにも適用できる。
実施形態に係るマシニングセンター(加工機)の全体平面図 上記マシニングセンターの正面図 上記マシニングセンターの側面図 送風手段の拡大図 集塵装置を概念的に示す斜視図 作用の説明図
符号の説明
1…集塵装置、 10…飛散防止用カバー、 11,12,13,14…吹き出し部、 16…集塵処理部、 30…排出ダクト、 M…マシニングセンター(加工機)、N…吹き出し口、 PU…送風手段、W1,W2,W3,W4…飛散防止用カバーの壁面

Claims (4)

  1. 加工機の加工室を塵埃の飛散防止用カバー(10)で覆い、この飛散防止用カバー内部に圧縮空気を送り込んで渦流(G)を発生させる渦流発生手段を備え、この渦流により前記飛散防止用カバーの壁面(W4)に設けられた排出口(32)から加工室内の塵埃を集塵する加工機の集塵装置において、
    前記飛散防止用カバー(10)は、前記加工室を囲む平面視矩形をなす壁面(W1・W2・W3・W4)を備え、
    前記渦流発生手段は、前記飛散防止用カバー内部に設けられた圧縮空気の吹き出し部(11〜14)を複数備え、
    これらの吹き出し部(11〜14)はそれぞれ前記飛散防止用カバーの角部に配置され、圧縮空気を前記飛散防止用カバー壁面の延在方向へ吹き出すものを含むとともに、
    前記複数の吹き出し部のうちの一部(13)を、吹き出し方向(C)が前記飛散防止用カバー壁面(W3)と平行せずに所定の角度を持って前記飛散防止用カバーの内部を指向するように設けたことを特徴とする加工機の集塵装置。
  2. 前記吹き出し部(11〜14)は圧縮空気を吹き出す吹き出し口(N)を備え、
    所定の角度を持って前記飛散防止用カバーの内部を指向する前記吹き出し方向(C)へ吹き出す前記一部の吹き出し部(13)における吹き出し口(N)が、前記飛散防止用カバーの中央方向を指向していることを特徴とする請求項1に記載の加工機の集塵装置。
  3. 前記吹き出し部(11〜14)は、前記飛散防止用カバーの高さ方向へ間隔を持って配列された複数の吹き出し口(N)を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の加工機の集塵装置。
  4. 前記飛散防止用カバー内に前記排出口(32)を覆う排出ダクト(30)を備え、
    の排出ダクトの開口(34)を直近における前記渦流の方向(E)と対向させて開口させたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の加工機の集塵装置。
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