JP5169855B2 - 内燃機関の制御装置および車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御装置および車両の制御装置に関する。
ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関の排気ガスには、例えば、一酸化炭素(CO)、未燃燃料(HC)、窒素酸化物(NO)または粒子状物質(PM:パティキュレート)などの成分が含まれており、これらの成分を浄化するために排気処理装置が取り付けられる。排気処理装置には、一酸化炭素などを酸化するための酸化触媒、窒素酸化物を除去するためのNO吸蔵触媒又はNO選択還元触媒、粒子状物質を除去するためのパティキュレートフィルタ等が含まれる。
内燃機関の排気処理装置には優れた浄化能力を発揮するために好適な条件を有する。たとえば、酸化触媒は、酸化反応が生じる活性化温度を有する。酸化触媒を昇温して活性化温度以上にするために、機関排気通路の酸化触媒の上流側で燃料を燃焼させて、この燃焼熱により酸化触媒を昇温することが知られている。
特開平9−125939号公報においては、エンジンの排気ガスが流通する排気流路に触媒コンバータを設け、さらに、バーナユニットを設けたハイブリッド車両の排気システムが開示されている。この排気システムにおいては、触媒コンバータの上流部で、バーナユニットの排気ガスが流れる排気流路をエンジンの排気ガスが流れる排気流路に合流させている。バッテリを充電するためにエンジンが再始動する際には、再始動に先立ってバーナユニットが作動し、バーナユニットの排気ガスにより触媒コンバータの温度を高くして、エンジンの起動時には触媒コンバータが十分に活性化されていることが開示されている。
特開2001−234738号公報においては、エンジンの排気マニホールドにフロント排気管、燃焼器および触媒コンバータが順次に接続され、フロント排気管には、2次空気導入パイプにより2次空気が導入されるエンジンの排気浄化装置が開示されている。この排気浄化装置においては、エンジン始動直後における排気ガスに含まれる未燃焼ガスを確実に燃焼して、触媒コンバータを早期に昇温して機能発揮させることが開示されている。
特開平9−125939号公報 特開2001−234738号公報
近年においては、機関本体を一時的に停止する内燃機関が知られている。たとえば、燃費の向上および二酸化炭素の排出の抑制等を目的にして、駆動力の出力要求がない場合に機関本体を一時的に停止する内燃機関が知られている。この内燃機関が車両に配置されている場合には、例えば、車両の停止中に機関本体を停止し、そして車両の発進時に機関本体を自動的に再始動するように制御されている。
または、駆動力を出力するために内燃機関に加えて電動機を備えるハイブリッド駆動装置を備える車両が知られている。この車両においては、停止中には内燃機関の機関本体が停止する。さらに、緩やかに加速するとき等の負荷が小さなときには電動機のみにより駆動輪が駆動され、内燃機関の機関本体は停止している。
このような機関本体を一時的に停止する内燃機関においては、機関本体の停止中に排気処理装置への排気ガスの供給が停止する。このため、排気処理装置の温度が低下する。排気処理装置の温度が下がると、排気ガスの浄化能力が低下してしまう場合がある。排気処理装置の温度が低下した状態で機関本体が再始動したときには、排気ガスの浄化能力が低くなる場合がある。例えば、排気処理装置が酸化触媒を含む場合に、機関本体の停止中に酸化触媒の温度が低下してしまい、機関本体を再始動したときに酸化触媒での酸化能力が低下している場合があった。
または、機関本体の再始動に備えて、機関本体の再始動前に排気処理装置の浄化能力を回復しておくことが好ましい場合がある。たとえば、排気処理装置がNO吸蔵触媒を含む場合には、NO吸蔵触媒に吸蔵されているNOの量が多いと、機関本体の再始動時にNOの吸蔵能力が低くなる場合がある。このため、機関本体の再始動時には、NO吸蔵触媒のNO吸蔵量を少なくしておくことが好ましい。
本発明は、内燃機関の機関本体を一時的に停止した後に再始動した時に、優れた排気ガスの浄化能力を有するように内燃機関を制御する制御装置および車両の制御装置を提供することを目的とする。
本発明の内燃機関の制御装置は、機関排気通路の内部に配置され、排気を浄化する排気処理装置と、排気処理装置の上流側に配置され、排気ガスに含まれる未燃燃料を燃焼させる燃焼手段とを備え、機関本体の運転を一時的に停止可能にした内燃機関の制御装置であって、燃焼手段による未燃燃料の燃焼が停止している場合に、機関本体の運転を一時的に停止する条件が成立したときに、気筒内においてリーンの空燃比で燃料を燃焼し、気筒内から排出される排気ガス中の酸素を使用して、燃焼手段により未燃燃料を燃焼させた後に機関本体を停止する。この構成により、機関本体を再始動した時に、優れた排気ガスの浄化能力を有するように内燃機関を制御することができる。
上記発明においては、燃焼手段による未燃燃料の燃焼によって、排気処理装置の上流側の端面の温度を上昇させ、未燃燃料の燃焼の終了後に、排気ガスの流れ方向における排気処理装置の温度の最大点が排気処理装置の内部に移動するまで、機関本体の運転を継続した後に機関本体を停止することが好ましい。この構成により、機関本体の停止期間における放熱を抑制することができて、排気処理装置の温度低下を抑制することができる。
上記発明においては、排気処理装置は、排気ガスの空燃比がリーンの時には排気ガス中に含まれるNOを吸蔵し、流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比又はリッチになると吸蔵したNOを放出するNO吸蔵触媒を含み、NO吸蔵触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比またはリッチになるように未燃燃料を燃焼させてNOを放出させることが好ましい。この構成により、高い還元効率でNOの放出および還元を行うことができて、NOを放出させるために必要な燃料の消費を抑制することができる。
上記発明においては、排気処理装置は、基体に担持されている金属粒子を含み、燃焼手段による未燃燃料の燃焼を終了すべきときに、未燃燃料を燃焼させるときの排気ガスの空燃比を理論空燃比またはリッチになるようにし、排気ガスに含まれる酸素のほぼ全てを消費させることが好ましい。この構成により、金属粒子を含む排気処理装置のシンタリングを抑制することができる。
上記発明においては、燃焼手段の上流側の機関排気通路の内部に未燃燃料を供給する燃料供給手段を備え、燃焼手段は、機関排気通路の内部に配置されているグロープラグを含み、燃料供給手段は、グロープラグに向かって未燃燃料を噴射する燃料添加弁を含むことができる。
本発明の車両の制御装置は、機関排気通路の内部に配置され、排気を浄化する排気処理装置と、排気処理装置の上流側の機関排気通路の内部に配置され、排気ガスに含まれる未燃燃料を燃焼させる燃焼手段とを含む内燃機関と、機関本体を駆動する電動機とを備え、機関本体の運転を一時的に停止可能にした車両の制御装置であって、機関本体の運転を停止する条件が成立して機関本体を一時的に停止している期間中に、電動機により機関本体を駆動して機関排気通路に空気を供給し、気筒内から排出される空気中の酸素を使用して、燃焼手段により未燃燃料を燃焼させる。この構成により、機関本体を再始動した時に、優れた排気ガスの浄化能力を有するように内燃機関を制御する車両の制御装置を提供することができる。
上記発明においては、電動機は、駆動輪を駆動する駆動モータを含み、駆動モータにて機関本体を駆動することにより機関排気通路に空気を供給することができる。すなわち、上記発明をハイブリッド車両に適用することができる。
本発明によれば、内燃機関の機関本体を一時的に停止した後に再始動した時に、優れた排気ガスの浄化能力を有するように内燃機関を制御する制御装置および車両の制御装置を提供することができる。
(実施の形態1)
図1から図9を参照して、実施の形態1における内燃機関の制御装置および車両の制御装置について説明する。
図1に、本実施の形態における内燃機関の全体図を示す。本実施の形態においては、圧縮着火式のディーゼルエンジンを例に取り上げて説明する。本実施の形態における内燃機関は、機関本体1と排気浄化装置とを備える。機関本体1は、各気筒の燃焼室2と、各燃焼室2内に夫々燃料を噴射する電子制御式の燃料噴射弁3と、吸気マニホールド4と、排気マニホールド5とを含む。排気浄化装置は、排気管12および排気処理装置55を含む。
吸気マニホールド4は、吸気ダクト6を介して排気ターボチャージャ7のコンプレッサ7aの出口に連結されている。コンプレッサ7aの入口は、吸入空気量検出器8を介してエアクリーナ9に連結されている。吸気ダクト6内にはステップモータにより駆動されるスロットル弁10が配置され、更に吸気ダクト6の周りには吸気ダクト6内を流れる吸入空気を冷却するための冷却装置11が配置されている。図1に示される実施例では機関冷却水が冷却装置11内に導かれ、機関冷却水によって吸入空気が冷却される。
一方、排気マニホールド5は、排気ターボチャージャ7の排気タービン7bの入口に連結されている。排気タービン7bの出口は、排気管12を介して排気処理装置55に連結されている。排気処理装置55は、機関本体1から排出される排気を浄化することができる装置である。排気処理装置55としては、酸化触媒、NO吸蔵触媒、パティキュレートフィルタ、またはNO選択還元触媒を例示することができる。
排気処理装置55の上流の機関排気通路内には、即ち排気管12内には、排気管12内に未燃燃料を供給するための燃料供給手段として、燃料添加弁15が配置されている。燃料添加弁15は、燃料を供給したり停止したりできるように形成されている。本実施の形態における内燃機関は、排気ガスに含まれる未燃燃料を燃焼させる燃焼手段を備える。本実施の形態における燃焼手段は、グロープラグ51を含む。グロープラグ51は、燃料添加弁15と排気処理装置55との間に配置されている。グロープラグ51は、燃料添加弁15から噴射される未燃燃料を着火する機能を有する。
排気マニホールド5と吸気マニホールド4との間には、排気ガス再循環(EGR)を行うためにEGR通路18が配置されている。EGR通路18には電子制御式のEGR制御弁19が配置されている。また、EGR通路18の周りにはEGR通路18内を流れるEGRガスを冷却するための冷却装置20が配置されている。図1に示される実施例では機関冷却水が冷却装置20内に導かれ、機関冷却水によってEGRガスが冷却される。
それぞれの燃料噴射弁3は、燃料供給管21を介してコモンレール22に連結されている。このコモンレール22は、電子制御式の吐出量可変な燃料ポンプ23を介して燃料タンク24に連結されている。燃料タンク24内に貯蔵されている燃料は、燃料ポンプ23によってコモンレール22内に供給される。コモンレール22内に供給された燃料は、それぞれの燃料供給管21を介して燃料噴射弁3に供給される。
本実施の形態における電子制御ユニット30は、デジタルコンピュータからなる。本実施の形態における電子制御ユニット30は、双方性バス31によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35および出力ポート36を備える。
排気処理装置55の下流には、排気処理装置55の温度を検出するための温度センサ26が配置されている。温度センサ26の出力信号は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。
吸入空気量検出器8の出力信号は、対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。アクセルペダル40には、アクセルペダル40の踏込み量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ41が接続されている。負荷センサ41の出力電圧は、対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。入力ポート35にはクランクシャフトが例えば15°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ42が接続されている。
一方、出力ポート36は、対応する駆動回路38を介して燃料噴射弁3、スロットル弁10の駆動用ステップモータ、EGR制御弁19および燃料ポンプ23に接続されている。さらに、出力ポート36は、対応する駆動回路38を介して燃料添加弁15およびグロープラグ51に接続されている。本実施の形態における燃料添加弁15およびグロープラグ51は、電子制御ユニット30により制御されている。
図2に、本実施の形態の内燃機関において燃料添加弁およびグロープラグが配置されている排気管の概略断面図を示す。排気管12は、筒状に形成されている。燃料添加弁15は、排気処理装置55およびグロープラグ51の上流側に配置されている。本実施の形態における燃料添加弁15は、燃料を放射状に噴射する様に形成されている。また、燃料添加弁15は、霧状に燃料を噴射するように形成されている。本実施の形態においては、機関本体1の燃料である軽油が燃料添加弁15から噴射されるように形成されている。機関排気通路に供給される未燃燃料については、この形態に限られず、機関本体1の燃料とは異なる燃料が供給されていても構わない。
グロープラグ51は、燃料添加弁15から供給される燃料を加熱するように配置されている。グロープラグ51は、温度が上昇する発熱部51aを有する。この装置例における発熱部51aは、グロープラグ51の先端に形成されている。本実施の形態における燃料添加弁15は、発熱部51aに向けて燃料を噴射するように形成されている。燃料添加弁15の噴射口は、グロープラグ51の発熱部51aに向いている。グロープラグ51は、発熱部51aが燃料添加弁15から噴射される燃料と接触する位置に配置されている。
機関本体1から排出される排気ガスは、矢印90に示すように、排気管12の延びる方向に沿って流れる。本実施の形態における内燃機関は、燃料添加弁15から噴射された未燃燃料をグロープラグ51で着火して燃焼させることができる。機関排気通路で火炎52が生成される。未燃燃料の燃焼は、排気ガスの酸素濃度が所定値以上であり、さらに、排気ガスの流量が所定値以下の場合に行うことができる。生成された火炎52は、排気ガスの流れに沿って移動する。本実施の形態においては、生成された火炎52が排気処理装置55の上流側の端面に到達するように、グロープラグ51および燃料添加弁15が排気処理装置55に近接して配置されている。
本実施の形態における内燃機関は、車両に搭載されている。本実施の形態における車両は自動車である。本実施の形態における内燃機関は、機関本体の運転を一時的に停止させることができる。内燃機関の制御装置は、車両の停止中に機関本体を停止する制御を行うように形成されている。この制御においては、車両の停車を検出して機関本体の運転を自動的に停止させる。次に、車両が再び発進するときに内燃機関を自動的に再始動させる。このような制御により、燃費を向上したり、二酸化炭素の排出を抑制したりすることができる。機関本体の停止は、車両の停止中に限られず、たとえば、車両の減速中等の出力の要求量が零のときに機関本体を停止しても構わない。
本実施の形態の制御においては、車両の速度が零であり、かつ運転者によるアクセルペダル40の踏込み量が零である場合などに機関本体1を一時的に停止する条件が成立する。アクセルペダル40の踏込み量は、負荷センサ41にて検出することができる。機関本体1を停止する場合には、燃料噴射弁3からの燃料の供給や点火栓による点火が中止される。機関本体1が停止した後に、アクセルペダル40が踏込まれた場合などに機関本体1の再始動条件が成立する。再始動条件の成立を検出して機関本体1が再始動する。すなわち、燃料噴射弁3から燃料が供給され、点火栓による点火が行われる。機関本体1が作動している状態になる。なお、機関本体1を停止する条件や再始動する条件については、任意の条件を採用することができる。
本実施の形態においては、機関本体を一時的に停止する条件が成立したときに、排気処理装置55の上流側において未燃燃料を燃焼させて排気処理装置55を昇温する。はじめに、排気処理装置55が酸化触媒を含む場合について説明する。酸化触媒は、排気浄化を行うための酸化能力を有する触媒である。酸化触媒は、例えば、円筒形状のケース本体の内部に排気ガスの流れ方向に伸びる隔壁を有する基体を備える。基体は、例えばハニカム構造に形成されている。基体の表面には、例えば多孔質酸化物粉末よりなるコート層が形成され、このコート層に白金Pt等の貴金属触媒が担持されている。排気ガスに含まれる一酸化炭素(CO)および未燃炭化水素(HC)は、酸化触媒で酸化されて水や二酸化炭素等の物質に変換される。
図3に、本実施の形態における内燃機関の第1の制御のフローチャートを示す。ステップ101において、機関本体の運転を一時的に停止する条件が成立したことが検出される。次に、ステップ102において、排気処理装置の温度が判定値以下か否かが判別される。図1を参照して、排気処理装置55の温度は、排気処理装置55の下流側に配置されている温度センサ26により検出することができる。
酸化触媒は、酸化反応が活性化する活性化温度を有する。活性化温度未満では所望の酸化反応は生じずに、活性化温度以上になると酸化反応が生じる。酸化触媒の活性化温度は、例えば、ほぼ200℃である。酸化触媒の温度は、一時的な機関本体の停止後に再始動するときに活性化温度以上であることが好ましい。ここで、機関本体を停止すべきときに、酸化触媒の温度が十分に高い場合には、一時的な機関本体の停止により酸化触媒の温度が下降しても、再始動時における酸化触媒の温度を活性化温度以上に維持することができる。ステップ102において、酸化触媒の温度が所定の判定値よりも大きい場合には、この制御を終了する。
本実施の形態においては、ステップ102における判定値は予め定められている。判定値は、機関本体の運転を一時的に停止して再始動する時に、酸化触媒の温度を活性化温度以上に保てる温度であることが好ましい。例えば、機関本体を一時的に停止しているときの平均的な温度低下量を算出し、酸化触媒の活性化温度に算出された温度低下量および余裕分を加算した温度を判定値として採用することができる。
ステップ102において、酸化触媒の温度が判定値以下である場合には、ステップ103に移行する。ステップ103においては、グロープラグ51を通電する。ステップ104においては、グロープラグ51が未燃燃料を着火する温度に達しているか否かが判別される。本実施の形態においては、グロープラグ51の通電時間を検出することにより、グロープラグ51の温度が未燃燃料を着火する温度に達しているか否かを判別する。グロープラグ51の温度の検出においては、任意の方法を採用することができる。
ステップ104において、グロープラグ51の温度が未燃燃料を着火させる温度未満の場合には、ステップ103に戻ってグロープラグ51の通電を継続する。グロープラグ51の温度が未燃燃料を着火する温度以上の場合にはステップ105に移行する。
次に、ステップ105においては、排気ガスの酸素濃度が判定値以上か否かが判別される。すなわち、排気ガスの酸素濃度が着火可能な酸素濃度以上であるか否かが判別される。図1を参照して、機関本体1の燃焼室2において燃料が燃焼するときの空気および燃料(炭化水素)の比を燃焼空燃比(A/F)と称すると、機関本体1から排出される排気ガスの酸素濃度は、燃焼空燃比に依存する。排気ガスの酸素濃度は、燃焼室2に流入する空気の量と、燃焼室2にて燃焼させるために燃料噴射弁3から噴射される燃料の量とに依存する。本実施の形態においては、燃焼室2においてリーンの空燃比(理論空燃比より大きな空燃比)で燃料を燃焼しているか否かが判別される。すなわち、燃焼空燃比がリーンであるか否かが判別される。
ステップ105において、排気ガスの酸素濃度が判定値未満の場合には、ステップ106に移行して排気ガスの酸素濃度を判定値以上にする制御が行なわれる。燃焼室2における燃焼空燃比が理論空燃比またはリッチの状態のときには、燃焼空燃比をリーンにする制御を行う。本実施の形態においては、機関本体1の停止条件が成立しているために、機関本体1の燃焼室2における燃焼空燃比を任意に変更することができる。例えば、機関本体1と駆動軸との連結が切り離されている状態で、スロットル弁10の開度を大きくして燃焼室2に流入する空気の量を増加させることにより燃焼空燃比を増大させることができる。
ステップ105において、排気ガスの酸素濃度が判定値以上である場合には、ステップ107に移行する。または、ステップ106において排気ガスの酸素濃度を判定値以上に制御した後にステップ107に移行する。ステップ107においては、燃料添加弁15から未燃燃料を噴射して未燃燃料を燃焼させる。所定の時間の経過後に、ステップ108において未燃燃料の燃焼を停止する。更に、機関本体1の運転を停止する。
図4に、本実施の形態における内燃機関の第1の制御のタイムチャートを示す。時刻tにおいて、機関本体の運転を一時的に停止する条件が成立している。時刻tにおいて、グロープラグの通電を開始している。時刻tにおいて、燃料添加弁から未燃燃料を供給して未燃燃料を燃焼させる。排気管の内部には火炎が形成される。酸化触媒に流入する排気ガスの温度が上昇する。このため、酸化触媒の温度が上昇する。本実施の形態においては、未燃燃料を燃焼させる時間が予め定められている。または、酸化触媒の温度を検出して、酸化触媒の温度が所定の温度以上になるまで未燃燃料の燃焼を継続しても構わない。本実施の形態においては、時刻tまで未燃燃料の燃焼を継続している。
時刻tにおいて、未燃燃料の供給およびグロープラグの通電を停止して未燃燃料の燃焼を終了するとともに、機関本体の運転を停止している。本実施の形態においては、機関本体の停止および未燃燃料の燃焼の停止をほぼ同時に行っているが、いずれかを先に行っても構わない。この後に、時刻tまで機関本体を停止している。時刻tにおいて機関本体を再始動する条件が成立して、機関本体を再始動している。
酸化触媒の温度は時刻tから時刻tまでの期間中に放熱の為に下降する。しかしながら、機関本体の停止前に酸化触媒を昇温しているために、再始動する時の時刻tにおいても、酸化触媒の温度を活性化温度以上に保つことができる。このため、再始動時においても、排気ガスの酸化能力に優れ、十分な排気ガスの酸化を行なうことができる。酸化触媒にて酸化反応が生じると、酸化反応熱のために酸化触媒が活性化温度以上に維持される。
このように、本実施の形態においては、機関本体の運転を一時的に停止する条件が成立したときに、気筒内において燃焼空燃比がリーンの状態で燃焼を燃焼する。気筒内から排出される排気ガスに含まれる酸素を使用して、燃焼手段により未燃燃料を燃焼させる。未燃燃料の燃焼の後に機関本体を停止する。この制御を行なうことにより、機関本体の停止中に排気処理装置の温度が降下しても、再始動時における排気処理装置の温度を所定の温度以上に維持することができて、浄化能力を高く維持することができる。また、機関本体を停止するときに酸化触媒の活性化温度以下のような低い温度であっても、未燃燃料を燃焼することにより昇温を行うことができる。
本実施の形態の第1の制御においては、燃料添加弁からの未燃燃料の供給の前にグロープラグによる通電を行なっている。すなわち、グロープラグの予熱を行って、グロープラグが高い温度になるまで待ってから未燃燃料の供給を行なっている。この制御を行なうことにより、燃料添加弁から未燃燃料を供給すると同時に、未燃燃料を燃焼させることができて、未燃燃料の損失を抑制することができる。未燃燃料の燃焼においては、この形態に限られず、燃料添加弁からの未燃燃料の供給の後にグロープラグの通電を開始しても構わない。または、燃料添加弁からの未燃燃料の供給とグロープラグの通電とを同時に開始しても構わない。
本実施の形態における燃焼手段は、機関排気通路の内部に配置されているグロープラグを含む。また、燃料供給手段は、グロープラグに向かって未燃燃料を噴射する燃料添加弁を含む。この構成を採用することにより、火炎を生成するための燃焼器等を追設する必要がなく、簡易な構成で未燃燃料を燃焼させた排気ガスを排気処理装置に供給することができる。
本実施の形態における内燃機関は、機関本体の停止前に排気処理装置に還元剤を供給して、排気処理装置において優れた還元反応を行うことができる。次に、機関排気通路に配置されている排気処理装置が、NO吸蔵触媒を含む場合について説明する。
図5に、NO吸蔵触媒の拡大概略断面図を示す。NO吸蔵触媒は、機関本体1から排出される排気ガスに含まれるNOを一時的に吸蔵して、吸蔵したNOを放出するときにNに変換する触媒である。
NO吸蔵触媒は、基体上に例えばアルミナからなる触媒担体45が担持されている。触媒担体45の表面上には貴金属触媒46が分散して担持されている。触媒担体45の表面上にはNO吸収剤47の層が形成されている。貴金属触媒46としては、例えば白金Ptが用いられる。NO吸収剤47を構成する成分としては、例えばカリウムK、ナトリウムNa、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つが用いられている。
機関吸気通路、燃焼室、または機関排気通路に供給された排気ガスの空気および燃料(炭化水素)の比を排気ガスの空燃比(A/F)と称すると、排気ガスの空燃比がリーンのとき(理論空燃比より大きなとき)には、排気ガス中に含まれるNOが貴金属触媒46上において酸化されてNOになる。NOは、硝酸イオンNO の形でNO吸収剤47内に吸蔵される。
これに対して、排気ガスの空燃比がリッチのとき(理論空燃比より小さなとき)或いは理論空燃比になると、排気ガス中の酸素濃度が低下するために反応が逆方向(NO →NO)に進む。NO吸収剤47内の硝酸イオンNO がNOの形でNO吸収剤47から放出される。放出されたNOは、排気ガスに含まれる未燃炭化水素や一酸化炭素等によってNに還元される。
NO吸蔵触媒は、NOを吸蔵できる温度範囲を有する。NO吸蔵触媒は、たとえば、ほぼ150℃からNO浄化率が向上して、ほぼ250℃でNO浄化率が一定になる特性を有する。このように、NO吸蔵触媒は、温度が低いとNOの吸蔵能力が小さくなる。このため、NO吸蔵触媒においては、NOを吸蔵すべき時に所定の温度以上であることが好ましい。酸化触媒の場合と同様に、NO吸蔵触媒においても機関本体の再始動時にNO吸蔵触媒が所定の温度以上になるように、機関本体の停止前にNO吸蔵触媒の上流側で未燃燃料を燃焼させて昇温することができる。
また、排気処理装置がNO吸蔵触媒を含む場合には、機関本体の停止前に、吸蔵しているNOを放出させるとともにNOを還元するNO放出制御を行なうことができる。通常の内燃機関のNO放出制御においては、機関本体の運転中にNO吸蔵量が第1の許容値を超えたことを検出してNO放出制御を行う。これに対して、本実施の形態においては、機関本体を停止する前にNO放出制御を行なう。
図6に、本実施の形態における内燃機関の第2の制御のフローチャートを示す。第2の制御においては、機関本体の停止前にNO放出制御を行なう。
ステップ101において、機関本体を一時的に停止する条件が成立したことが検出される。ステップ110においては、NO吸蔵触媒に吸蔵されているNO吸蔵量が所定値を超えているか否かが判別される。本実施の形態においては、機関本体の運転中にNO吸蔵触媒に蓄えられるNO吸蔵量を検出する。たとえば機関回転数Nと要求トルクTQとを関数にする単位時間あたりのNO蓄積量のマップを電子制御ユニット30のROM32に内蔵する。運転状態に応じて算出される単位時間あたりのNOの蓄積量を積算することにより、任意の時刻においてNO吸蔵触媒に吸蔵されているNO吸蔵量を算出することができる。本実施の形態における判定値は、通常のNO放出制御における第1の許容値よりも小さな第2の許容値を採用している。機関本体の停止前にNO放出制御を行う判定値としては、この形態に限られず、任意の判定値を採用することができる。
NO吸蔵触媒のNO吸蔵量が判定値未満である場合には、この制御を終了して、機関本体を停止する。NO吸蔵触媒のNO吸蔵量が判定値以上の場合にはステップ103に移行する。
ステップ103からステップ106までは、本実施の形態における第1の制御と同様である(図3参照)。すなわち、ステップ103においてグロープラグの通電を行い、ステップ104においてグロープラグが着火可能な温度以上であるかが判別される。ステップ104において、グロープラグが未燃燃料を着火できる温度以上である場合には、ステップ105に移行する。ステップ105およびステップ106においては、グロープラグに供給される排気ガスの酸素濃度が判定値以上になるように制御される。
次に、ステップ111において、燃料添加弁から燃料の供給を行なって、未燃燃料を燃焼させる。このときに、NO吸蔵触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比またはリッチになるように燃料添加弁から燃料を供給する。次に、ステップ108において、未燃燃料の燃焼を停止する。また、機関本体を停止する。
図7に、本実施の形態における内燃機関の第2の制御のタイムチャートを示す。時刻tにおいて、グロープラグの通電を開始する。時刻tにおいて、燃料添加弁からの供給を開始して未燃燃料の燃焼を行なう。このときに、NO吸蔵触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比またはリッチになるように、燃料添加弁からの未燃燃料の供給量を多くする。たとえば、燃料添加弁からの未燃燃料の供給流量を多くする。または、燃料添加弁からの未燃燃料の供給流量が一定であり、未燃燃料の供給を間欠的に行う場合には、未燃燃料を供給する間隔を短くすることによって、NO吸蔵触媒に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比またはリッチにすることができる。
排気ガスの空燃比を理論空燃比又はリッチにすることにより、吸蔵されているNOを放出させると共にNに還元することができる。NO放出制御を行うときには、NO吸蔵触媒に流入する排気ガスの空燃比が深いリッチになるように未燃燃料を供給することが好ましい。また、継続的に排気ガスの空燃比を理論空燃比またはリッチにする制御を行っても、または、間欠的に排気ガスの空燃比を理論空燃比またはリッチにする制御を行っても構わない。
時刻tにおいて、機関本体を停止するとともに、燃料添加弁による燃料の供給およびグロープラグの通電を停止している。このように、NO吸蔵触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比またはリッチになるように未燃燃料の燃焼を行っているときに、機関本体を停止している。時刻tにおいて、機関本体を再始動している。
本実施の形態においては、時刻tから時刻tまでの期間に、排気ガスの空燃比をリッチにすることによりNOを放出すると共に還元している。NO放出制御を行う時間については、たとえばNO吸蔵触媒のNO吸蔵量に対応させて行うことができる。
本実施の形態のNO放出制御においては、未燃燃料を燃焼させてNO吸蔵触媒に還元剤を供給している。未燃燃料を燃焼することにより、重質な還元剤を軽質な還元剤に変換することができる。このため、NO吸蔵触媒における還元効率を高めることができる。
さらに、本実施の形態においては、未燃燃料を燃焼している状態で機関本体を停止させている。機関本体が停止する時のNO吸蔵触媒における雰囲気は、還元剤に富む雰囲気である。この状態で機関本体を停止すると、排気ガスの流れが停止して、還元剤に富む排気ガスが滞留する。このため、機関本体の停止後もNOの放出および還元が行われる。排気ガスの流れが停止しているために、NO吸蔵触媒における反応時間を長くすることができる。NO吸蔵触媒におけるNOの還元効率を高くすることができ、少量の未燃燃料でNO放出制御を行うことができる。このため、NO放出を行うための未燃燃料の消費を抑制して燃費を向上させることができる。
また、前述のように未燃燃料を燃焼させることによりNO吸蔵触媒の昇温を行なうことができる。このため、時刻tにおいて機関本体を再始動する時には、NO吸蔵触媒の高い温度を維持し、さらにNO吸蔵量が少ない状態で機関本体の再始動を行なうことができる。このため、機関本体を再始動したときにも高い吸収効率でNOの吸蔵を行なうことができる。
本実施の形態においては、未燃燃料の燃焼の開始時から排気ガスの空燃比がリッチになるように未燃燃料を供給しているが、この形態に限られず、燃焼の開始時には、NO吸蔵触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンになるように未燃燃料を供給し、未燃燃料を燃焼させている期間中に、NO吸蔵触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比またはリッチになるように制御しても構わない。
ところで、排気ガスにはSO、即ちSOが含まれている。SOは、NO吸蔵触媒に流入すると、貴金属触媒46において酸化されてSOとなる。このSOはNO吸収剤47に吸収されて、例えば炭酸バリウムBaCOと結合しながら、硫酸イオンSO 2−の形でNO吸収剤47内に拡散して、硫酸塩BaSOを生成する。NO吸収剤47は、強い塩基性を有するために硫酸塩BaSOは安定していて分解しづらく、単に排気ガスの空燃比を理論空燃比またはリッチにしただけでは硫酸塩BaSOは分解されずにそのまま残る。このため、NO吸蔵触媒の使用を継続すると、NO吸収剤47内の硫酸塩BaSOが増大して、NO吸蔵触媒が吸収できるNO量が低下することになる。このように、NO吸蔵触媒には、いわゆる硫黄被毒が生じる。
硫黄被毒を回復するためには、NO吸蔵触媒の温度をSO放出が可能な温度まで上昇させた状態でNO吸蔵触媒に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比またはリッチにするSO放出制御を行なう。SO放出制御を行なうことにより、NO吸蔵触媒からSOを放出させることができる。
本実施の形態における内燃機関の第3の制御では、SO放出制御を行う。NO吸蔵触媒のSO蓄積量の算出においては、NO吸蔵量の算出と同様に、機関回転数と要求トルクを関数にする単位時間当たりのSO蓄積量のマップを電子制御ユニットに記憶させておき、単位時間当たりのSO蓄積量を積算することにより、任意の時刻におけるSOの蓄積量を算出することができる。
図6を参照して、ステップ110においてNO吸蔵量の代わりにSO蓄積量が判定値以上か否かが判別される。また、ステップ111において、NO吸蔵触媒の温度をSO放出が可能な温度まで上昇させる。燃料添加弁から燃料を供給するとともにグロープラグに通電して、未燃燃料を燃焼させることにより、NO吸蔵触媒をSO放出が可能な温度まで昇温することができる。または、任意の制御によりNO吸蔵触媒を昇温しても構わない。たとえば、機関本体の燃焼室における燃料の噴射パターンの変更によりNO吸蔵触媒を昇温することができる。NO吸蔵触媒の昇温の後に、NO放出制御と同様に排気ガスの空燃比を理論空燃比またはリッチにすることにより、SOの放出を行なうことができる。
機関本体の停止前にSO放出制御を行うことにより、機関本体を再始動するときのSO蓄積量を少なくすることができて、高いNO吸蔵能力を確保することができる。
本実施の形態のNO放出制御およびSO放出制御においては、機関本体を停止できる条件が成立しているために、機関本体から排出される排気ガスの流量および排気ガスの空燃比を任意に調整することができる。例えば、排気ガスの空燃比を深いリッチにして還元効率を高めることができる。又は、機関本体に流入する空気流量を小さくして、機関排気通路に流れる排気ガスの流速を遅くすることができる。機関排気通路における排気ガスの流速を遅くすることによりNO吸蔵触媒における反応時間を長くすることができて還元効率を高めることができる。この結果、NO放出制御またはSO放出制御のために消費する燃料を少なくすることができる。
本実施の形態におけるNO放出制御およびSO放出制御は、機関本体の停止前に行っているが、この形態に限られず、通常の内燃機関の運転中に行うNOの放出およびSOの放出と共に行っても構わない。
本実施の形態における燃料供給手段は、燃料添加弁を含むが、この形態に限られず、燃料供給手段は、未燃燃料を機関排気通路に供給するように形成されていれば構わない。たとえば、燃焼室における噴射パターンの変更により、機関排気通路に未燃燃料を供給することができる。
図8に、機関排気通路に未燃燃料を供給するときの噴射パターンを示す。図8は、燃焼室における燃料の噴射パターンである。通常運転時においては、略圧縮上死点TDCで主噴射FMが行なわれる。クランク角が略0°において主噴射FMが行なわれる。また、主噴射FMの燃焼を安定化させるために、主噴射FMの前にパイロット噴射FPが行なわれる。
機関排気通路に未燃燃料を供給する場合には、通常運転時における燃料噴射パターンに加えて、主噴射FMの後にポスト噴射FPOを行なう。ポスト噴射FPOは、燃焼室において燃料が燃焼しない時期に行なう噴射である。ポスト噴射FPOは、例えば、圧縮上死点後のクランク角が略90°から略120°の範囲内において行われる。ポスト噴射FPOを噴射することにより機関排気通路に未燃燃料を供給することができる。または、ポスト噴射FPOの噴射量を調整することにより、機関排気通路に供給する未燃燃料の量を調整することができる。
本実施の形態における燃焼手段はグロープラグを含むが、この形態に限られず、供給される未燃燃料を着火することが出来る任意の装置を採用することができる。例えば、点火プラグまたはセラミックヒーターなどが配置されていても構わない。
本実施の形態においては、排気処理装置として、酸化触媒およびNO吸蔵触媒を例に取り上げて説明したが、この形態に限られず、任意の排気処理装置の排気浄化能力の維持または向上するための制御に本発明を適用することができる。例えば、排気処理装置として、活性化温度を有する選択還元型NO触媒が配置されていても構わない。NO選択還元触媒は、アンモニアを用いて排気ガスに含まれるNOを選択的に還元する触媒である。NO選択還元触媒は、NOを還元するための活性化温度を有し、機関本体の停止前にNO選択還元触媒を昇温することができる。または、排気処理装置としてパティキュレートフィルタが配置され、機関本体の停止前に後述するパティキュレートフィルタの再生が行われても構わない。
図9に、本実施の形態における他の内燃機関の概略図を示す。他の内燃機関は、機関排気通路に、NO吸蔵触媒17、パティキュレートフィルタ16および酸化触媒13が配置されている。NO吸蔵触媒17の下流側には、NO吸蔵触媒17の温度を検出するために温度センサ26が配置されている。酸化触媒13の下流側には、パティキュレートフィルタ16または酸化触媒13の温度を検出するための温度センサ27が配置されている。また、パティキュレートフィルタ16の前後差圧を検出するための差圧センサ28が配置されている。このように、内燃機関は、複数種類の排気処理装置を備えていても構わない。または、複数種類の機能を備える排気処理装置が配置されていても構わない。たとえば、排気処理装置は、パティキュレートフィルタにNO吸蔵触媒が担持され、粒子状物質およびNOの浄化を行うDPNR(Diesel Particulate-NO Reduction system)を含んでいても構わない。
さらに、本実施の形態における内燃機関を、電動機を備えるいわゆるハイブリッド車両に配置することができる。ハイブリッド車両は、内燃機関および電動機の駆動力により走行する運転状態、内燃機関のみの駆動力で走行する運転状態、電動機のみの駆動力で走行する運転状態および内燃機関により蓄電装置を蓄電する運転状態等を有する。ハイブリッド車両においては、車両の停止時に限られず、極低負荷の状態でも機関本体を停止する。例えば、緩やかに発進を行なうとき、または減速時には機関本体を停止する。このような機関本体の一時的な停止を行うべきときに本発明を適用することができる。
本実施の形態においては、車両として自動車を例に取り上げて説明したが、この形態に限られず、たとえば、列車に本実施の形態における内燃機関の制御装置が配置されていても構わない。
(実施の形態2)
図10から図12を参照して、実施の形態2における内燃機関の制御装置および車両の制御装置について説明する。本実施の形態における内燃機関の構成は、実施の形態1における内燃機関の構成と同様である(図1または図2参照)。
図10に、本実施の形態における内燃機関の第1の制御のタイムチャートを示す。第1の制御においては、機関本体の停止前に排気処理装置を昇温する。時刻tにおいてグロープラグの通電を開始し、時刻tにおいて燃料添加弁から未燃燃料を供給することにより未燃燃料を燃焼させることは、実施の形態1と同様である(図4参照)。
時刻tにおいて燃料添加弁からの未燃燃料の供給を停止し、更にグロープラグの通電を停止する。すなわち、時刻tにおいて未燃燃料の燃焼を停止する。このときに、機関本体の運転を停止せずに、時刻tまで運転を継続する。すなわち、未燃燃料の燃焼の終了後においても機関本体の運転を継続する。時刻tにおいて、機関本体の運転を停止する。この後に、時刻tにおいて、再始動条件が成立して内燃機関を再始動する。
図11に、排気処理装置の概略断面図および排気ガスの流れ方向における排気処理装置の温度を説明するグラフを示す。排気処理装置55の上流側で未燃燃料を燃焼することにより、矢印90に示すように、高温の排気ガスが排気処理装置55に流入する。排気処理装置55の上流側の端面55aの温度が最も高くなり、下流側の端面55bに向かうにつれて温度が低くなる。
ここで、時刻tにおいて未燃燃料の燃焼を停止した後も、機関本体の運転を継続することにより排気ガスが継続的に流れる。排気ガスが流れることにより、時間T経過後のグラフおよび時間T経過後のグラフ(T<T)に示すように、排気処理装置55における温度の最大点が下流側に移動する。本実施の形態においては、排気ガスの流れ方向における排気処理装置55の温度の最大点が、排気処理装置55のほぼ中央に移動するまで機関本体の運転を継続している。時刻tにおいて機関本体の運転を停止するときには、排気処理装置55の排気ガスの流れ方向のほぼ中央に温度の最大点が存在する。本実施の形態においては、未燃燃料の燃焼終了後に予め定められた時間の間、機関本体の運転を継続している。
機関本体の停止期間中には、排気処理装置55から放熱が生じる。このときに、排気処理装置55の上流側の端面55aおよび下流側の端面55bからの放熱が大きくなる。本実施の形態においては、排気処理装置55における温度の最大点を排気処理装置55の内部に移動させることにより、上流側の端面55aおよび下流側の端面55bからの放熱を抑制することができる。
未燃燃料の燃焼中には、排気管12の温度が上昇しており、未燃燃料の燃焼の終了後の機関本体の運転中には、排気管12の熱を排気処理装置に供給することができる。このため、排気処理装置55の温度低下を抑制しながら、温度の最大点を排気処理装置55の内部に移動させることができる。
第1の制御においては、機関本体の停止期間における排気処理装置55からの放熱を小さくすることができて、排気処理装置55の排気ガスの流れ方向における平均温度を高く維持することができる。機関本体を再始動するときの排気処理装置55の温度を高くすることができる。また、温度の最大点を排気処理装置55のほぼ中央まで移動させることにより、上流側の端面55aおよび下流側の端面55bからの放熱を最小限にすることができて、より高い温度に維持することができる。
次に、本実施の形態における内燃機関の第2の制御について説明する。はじめに、排気処理装置に酸化触媒が含まれる場合を例示する。第2の制御においては、未燃燃料の燃焼を終了すべき時に排気ガスに含まれる酸素のほぼ全てを消費する制御を行う。
図12に、本実施の形態における内燃機関の第2の制御のタイムチャートを示す。ステップ101からステップ107までは、実施の形態1における第1の制御と同様である(図3参照)。
酸化触媒の周りの排気ガスの温度が高く、酸化触媒の周りの雰囲気が空気過剰である場合には、酸化触媒が劣化するシンタリングを起こす場合がある。シンタリングとは、排気処理装置の基体に担持されている白金等の金属粒子同士が接合して粒径が大きくなり、金属粒子の表面積の総和が小さくなって浄化能力が低下する現象である。
本実施の形態の第2の制御においては、ステップ107において未燃燃料を燃焼した後に、ステップ121において酸化触媒の温度が判定値以下か否かを判別する。この判定値としては、例えば、酸化触媒のシンタリングが顕著に生じる温度を採用することができる。
ステップ121において、排気処理装置の温度が判定値よりも大きい場合には、ステップ122に移行する。ステップ122においては、排気処理装置に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比またはリッチになるように未燃燃料を燃焼する。すなわち、酸化触媒に流入する排気ガスに含まれるほぼ全ての酸素が消費されるように未燃燃料を燃焼する。排気処理装置の内部における酸素濃度がほぼ零にするように未燃燃料を燃焼する。
ステップ122において、排気処理装置に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比またはリッチになるように未燃燃料の燃焼を継続した後に機関本体を停止する。この制御を行うことにより、酸化触媒の周りを酸素濃度がほぼ零の雰囲気にすることができて、酸化触媒のシンタリングを抑制することができる。更に、未燃燃料の燃焼の終了後に、酸化触媒の周りに残存する酸素および未燃燃料により酸化反応が生じて、酸化反応熱により酸化触媒の温度が上昇してシンタリングが発現し易くなることを抑制できる。
ステップ121において排気処理装置の温度が判定値以下である場合には、ステップ108に移行して未燃燃料の燃焼を停止するとともに機関本体を停止する。
なお、本実施の形態における第2の制御は、酸化触媒に限られず、シンタリングを生じる金属粒子を含む排気処理装置に適用することができる。たとえば、選択還元型NO触媒には銅などの金属粒子からなる触媒が基体に担持されている。このような排気処理装置についても、本実施の形態における第2の制御を適用することによりシンタリングを抑制することができる。
更には、未燃燃料の燃焼中に排気処理装置に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比またはリッチにすることにより、排気処理装置の周りの雰囲気が、空気過剰になることを回避でき、未燃燃料の燃焼中においても排気処理装置の温度が上昇してシンタリングが発現することを抑制できる。
本実施の形態の第2の制御は、排気処理装置がパティキュレートフィルタを含む場合に適用することができる。パティキュレートフィルタは、排気ガス中に含まれる炭素微粒子、サルフェート等のイオン系微粒子等の粒子状物質を除去するフィルタである。パティキュレートフィルタは、例えば、ハニカム構造を有し、ガスの流れ方向に伸びる複数の流路を有する。複数の流路において、下流端が封止された流路と上流端が封止された流路とが交互に形成されている。流路の隔壁は、コージライトのような多孔質材料で形成されている。この隔壁を排気ガスが通過するときに粒子状物質が捕捉される。
運転を継続するとパティキュレートフィルタには、次第に粒子状物質が堆積する。パティキュレートフィルタに堆積する粒子状物質の量は、たとえば、パティキュレートフィルタの前後差圧を検出する差圧センサを配置して、検出された差圧により検知することができる。パティキュレートフィルタの前後差圧が許容値を越えたときに、パティキュレートフィルタに堆積した粒子状物質の量が許容量を越えたと判別することができる。粒子状物質の堆積量が許容量を越えたときには、堆積した粒子状物質を酸化除去する再生を行なう。パティキュレートフィルタの再生においては、排気ガスの空燃比がリーンのもとでパティキュレートフィルタの温度を再生温度まで上昇させ、堆積した粒子状物質を酸化することにより粒子状物質を除去する。
本実施の形態の内燃機関は、機関本体の停止条件が成立した後に、燃料添加弁から供給する未燃燃料を燃焼させる。パティキュレートフィルタに流入する排気ガスの空燃比がリーンの状態である。温度を上昇することにより、粒子状物質の酸化処理を行うことができる。粒子状物質の酸化処理を行っている期間中に機関本体を停止すると、パティキュレートフィルタの周りに滞留する排気ガスに含まれる酸素により粒子状物質の燃焼が継続する。一方で、排気ガスの流れは停止しているために、発生した熱は排気ガスにより移送されずに蓄積する。このために、パティキュレートフィルタの温度が上昇して、パティキュレートフィルタの許容温度を超えてしまう場合がある。
本実施の形態の第2の制御において、ステップ121において、パティキュレートフィルタの温度が判定値以下であるか否かが判別される。パティキュレートフィルタの温度が判定値よりも大きい場合には、ステップ122に移行する。ステップ122において、燃焼室から排出される排気ガスに含まれる酸素をほぼ消費する燃焼を行なう。次に、この燃焼を継続した後に、ステップ108において未燃燃料の燃焼を停止する。この制御を行うことにより、機関本体の停止時にパティキュレートフィルタの周りの酸素濃度がほぼ零になる。機関本体の停止後に粒子状物質の燃焼が継続することを抑制することができる。この結果、機関本体の停止中にパティキュレートフィルタの温度が上昇して、許容温度を超えてしまうことを抑制することができる。
その他の構成、作用および効果については、実施の形態1と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
(実施の形態3)
図13から図15を参照して、実施の形態3における内燃機関の制御装置および車両の制御装置について説明する。本実施の形態における車両は、駆動装置として内燃機関および電動機を備えるハイブリッド車両である。
図13は、本実施の形態におけるハイブリッド車両の概略図である。ハイブリッド車両は、ハイブリッド駆動装置60を備える。ハイブリッド駆動装置60は、内燃機関と電動機65とを含む。内燃機関は、機関本体1を含む。機関本体1は、動力分配機構61及び減速機62を介して駆動軸63に機械的に連結されている。電動機65は、駆動軸63を駆動するための駆動モータを含む。電動機65は、減速機62を介して駆動軸63に機械的に連結されている。機関本体1および電動機65のうち少なくとも一方により駆動軸63に駆動力を提供して、駆動輪64を回転させることができる。動力分配機構61は発電機66にも連結されている。発電機66は、動力分配機構61を介して機関本体1の駆動力を受けて発電する。
発電機66および電動機65は、インバータ67を介してバッテリ68に電気的に接続されている。発電機66により発電された交流電力は、インバータ67により直流に変換されてバッテリ68に充電される。バッテリ68の直流電力は、インバータ67により交流電力に変換されて電動機65に供給される。交流電力の供給により電動機65が駆動される。動力分配機構61としては、例えば、遊星歯車機構が用いられる。動力分配機構61および電動機65は、対応する駆動回路38を介して電子制御ユニット30の出力ポート36に接続されており、電子制御ユニット30からの信号により制御される。
ハイブリッド車両では、通常、電動機65と共に機関本体1が運転されているが、例えばハイブリッド駆動装置60に対する要求出力が小さくなると内燃機関の機関本体1の運転が停止され、電動機65のみによって駆動される。そして、ハイブリッド駆動装置60に対する要求出力が大きくなると機関本体1の運転が再開される。このように、車両の走行中に機関本体1の運転が行われたり停止されたりする。
また、ハイブリッド駆動装置60に対する要求出力が小さい時等であっても、バッテリ68の蓄電量が少ないときには発電機66を駆動するために機関本体1が運転される。すなわち、本実施の形態のハイブリッド駆動装置60では、バッテリ68の充電状態が適切に保たれるように監視され、充電放電の制御が行われる。
なお、ハイブリッド駆動装置については、上述したハイブリッド駆動装置に限られるものではなく、電動機にて機関本体を駆動させることができる任意のハイブリッド駆動装置に本発明を適用することができる。
図14に、本実施の形態における車両の制御装置の第1の制御のタイムチャートを示す。本実施の形態における車両の制御においては、機関本体1の停止期間中に未燃燃料を燃焼させる。内燃機関の構成については、実施の形態1と同様である(図1および図2参照)。
本実施の形態におけるハイブリッド駆動装置においては、電動機65を駆動することにより、動力分配機構61を介して、機関本体1を駆動させるモータリングを行うことができる。すなわち、機関本体1において燃料噴射弁3からの燃料の噴射を行わずに、機関本体1の空運転を行うことができる。電動機65により機関本体1を駆動することにより、機関排気通路に空気を供給することができる。
機関本体が停止している期間中の時刻tにおいて、グロープラグ51の通電を開始する。グロープラグ51の予熱を行う。時刻tにおいて、電動機65を駆動することにより内燃機関の機関本体1を駆動するモータリングを開始する。モータリングを行うことにより、燃焼室2におけるピストンが駆動されて、機関排気通路に空気を供給することができる。この状態において、時刻tにおいて燃料添加弁15から未燃燃料を供給することにより未燃燃料の燃焼を開始する。空気に含まれる酸素を利用して未燃燃料の燃焼を行うことができる。ここで、モータリングにより機関本体から機関排気通路に流入する空気が未燃燃料と共に燃焼し、さらに排気処理装置に流入するガスについての空気と未燃燃料との比をガスの空燃比と称すると、本実施の形態の第1の制御においては、排気処理装置に流入するガスの空燃比がリーンの状態で未燃燃料を燃焼させている。
時刻tにおいて、機関本体のモータリングを終了する。また、燃料添加弁15からの未燃燃料の供給およびグロープラグ51の通電を停止する。時刻tにおいて機関本体を再始動している。
本実施の形態の車両の第1の制御においては、機関本体を停止している期間中に、燃料添加弁から未燃燃料を供給して燃焼させることにより、排気処理装置の温度を上昇させることができる。機関本体の停止中には、排気処理装置の温度が下降する。このときに、未燃燃料を燃焼することにより排気処理装置の温度を上昇させることができる。機関本体が再始動する時に、排気処理装置の温度を高い状態にしておくことができる。この結果、機関本体の再始動時における排気ガスの高い浄化効率を確保することができる。
たとえば、排気処理装置が酸化触媒の場合には、機関本体の再始動時に活性化温度以上になるように昇温することができる。また、未燃燃料の燃焼器や空気を供給するための空気ポンプ等を追設する必要がなく、簡易な構成で未燃燃料を燃焼させることができる。
機関本体の停止期間中に未燃燃料を燃焼させるか否かの判別については、例えば、排気処理装置の温度を検出して、この温度が判定値以上か否かにより判別することができる。たとえば、排気処理装置が酸化触媒を含む場合には、酸化触媒の温度が活性化温度未満になったことを検出して、未燃燃料を燃焼させる制御を行うことができる。
また、本実施の形態の車両は、機関本体の停止中に排気処理装置に対して還元剤を供給して、好適な還元を行うことができる。排気処理装置がNO吸蔵触媒を含む場合には、機関本体の停止期間中に、NO放出制御またはSO放出制御を行うことができる。
図15に、本実施の形態における車両の制御装置の第2の制御のタイムチャートを示す。本実施の形態の第2の制御は、排気処理装置がNO吸蔵触媒を含み、NO吸蔵触媒のSO放出制御を行なうときの制御である。第2の制御においては、NO吸蔵触媒の昇温を行なった後に、NO吸蔵触媒に流入するガスの空燃比をリッチにする。機関本体が停止している期間中にSO放出制御を行なう条件としては、例えば、機関本体の停止前にNO吸蔵触媒のSO蓄積量が所定の判定値以上の場合にSO放出制御を行なうと判別することができる。
時刻tにおいて、グロープラグ51の通電を開始する。時刻tにおいて、電動機65により機関本体1のモータリングを開始する。時刻tにおいて、燃料添加弁15から未燃燃料を供給して未燃燃料の燃焼を開始する。時刻tまでは、NO吸蔵触媒に流入するガスの空燃比がリーンの状態で燃焼を継続する。排気処理装置の上流側で未燃燃料を燃焼させることにより、排気処理装置の温度が上昇する。時刻tにおいて、NO吸蔵触媒が目標温度であるSO放出温度に到達する。
時刻tにおいて、燃料添加弁15からの未燃燃料の供給量を多くする。燃料添加弁15が、間欠的に未燃燃料を供給する場合においては、未燃燃料を供給する間隔を短くする。燃料添加弁15からの未燃燃料の単位時間当たりの供給量を多くすることにより、NO吸蔵触媒に流入するガスの空燃比を理論空燃比またはリッチにすることができる。または、機関排気通路に供給する空気流量を小さくすることにより、ガスの空燃比を理論空燃比またはリッチにすることができる。本実施の形態においては、NO吸蔵触媒に流入するガスの空燃比を深いリッチにしている。
NO吸蔵触媒に流入するガスの空燃比を理論空燃比またはリッチにすることによりSOを放出させることができる。NO吸蔵触媒のSO蓄積量は減少する。本実施の形態においては、予め定められた時間の間、SOの放出を継続しているが、この形態に限られず、たとえば、SO蓄積量に応じてガスの空燃比を理論空燃比またはリッチにする時間を変更しても構わない。時刻tにおいて、内燃機関のモータリング、燃料添加弁からの燃料の供給およびグロープラグの通電を停止している。
本実施の形態においては、機関本体のモータリングを行うために、機関排気通路に流入する空気流量を容易に制御することができる。たとえば、電動機により機関本体の駆動速度を任意に調整することができるため、排気処理装置に流入する空気流量を調整することができる。または、機関本体の吸入通路に配置されているスロットル弁の開度を調整することにより機関排気通路に供給する空気流量を調整することができる。また、燃料添加弁からの燃料の供給量を容易に制御することができる。このため、排気処理装置に流入するガスの空燃比を容易に制御することができる。本実施の形態においては、NO吸蔵触媒に流入するガスの空燃比を深いリッチにすることにより還元効率を向上させている。
また、NO放出制御またはSO放出制御のときに、機関排気通路を流れる空気の流速を小さくすることにより、NO吸蔵触媒における反応時間を長くすることができて還元効率を高くすることができる。または、NO吸蔵触媒に流入するガスの空燃比が理論空燃比またはリッチの状態で未燃燃料の燃焼を停止することにより、NO吸蔵触媒における反応時間を長くすることができて還元効率を高くすることができる。還元効率が高くなる結果、NO放出制御またはSO放出制御のために消費する燃料を少なくすることができる。
このように、第2の制御においては、機関本体の停止期間中にNO吸蔵触媒のSO放出制御を行なうことができるため、SO放出制御に好適な条件を生成して、SOの放出を行うことができる。NO放出制御についても同様に、還元効率に優れたNO放出制御を行うことができる。
本実施の形態においては、排気処理装置が酸化触媒またはNO吸蔵触媒を含む場合について説明を行ったが、この形態に限られず任意の排気処理装置について本発明を適用することができる。
本実施の形態においては、ハイブリッド車両において駆動輪を回転させるための電動機により機関本体を駆動させているが、この形態に限られず、駆動力を提供する駆動装置が内燃機関のみからなる車両にも本発明を適用することができる。たとえば、駆動装置が内燃機関のみからなる車両において機関本体を回転させる電動機が別に配置され、この電動機により機関本体を駆動させても構わない。
その他の構成、作用および効果については、実施の形態1または2と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
上記の実施の形態は、適宜組み合わせることができる。上述のそれぞれの図において、同一または相当する部分には同一の符号を付している。なお、上記の実施の形態は例示であり発明を限定するものではない。また、実施の形態においては、特許請求の範囲に含まれる変更が意図されている。
実施の形態1における内燃機関の概略図である。 実施の形態1における内燃機関の排気管の部分の拡大概略断面図である。 実施の形態1における内燃機関の第1の制御のフローチャートである。 実施の形態1における内燃機関の第1の制御のタイムチャートである。 NO吸蔵触媒の拡大概略断面図である。 実施の形態1における内燃機関の第2の制御のフローチャートである。 実施の形態1における内燃機関の第2の制御のタイムチャートである。 機関排気通路に未燃燃料を供給するための燃焼室における噴射パターンの説明図である。 実施の形態1における他の内燃機関の概略図である。 実施の形態2における内燃機関の第1の制御のタイムチャートである。 実施の形態2における内燃機関の第1の制御における排気処理装置の温度分布の移行を説明する概略図である。 実施の形態2における内燃機関の第2の制御のフローチャートである。 実施の形態3におけるハイブリッド駆動装置の概略図である。 実施の形態3における車両の第1の制御を説明するタイムチャートである。 実施の形態3における車両の第2の制御を説明するタイムチャートである。
1 機関本体
2 燃焼室
3 電子式燃料噴射弁
8 吸入空気量検出器
10 スロットル弁
12 排気管
13 酸化触媒
15 燃料添加弁
16 パティキュレートフィルタ
17 NO吸蔵触媒
30 電子制御ユニット
51 グロープラグ
52 火炎
55 排気処理装置
60 ハイブリッド駆動装置
65 電動機

Claims (7)

  1. 機関排気通路の内部に配置され、排気を浄化する排気処理装置と、排気処理装置の上流側に配置され、排気ガスに含まれる未燃燃料を燃焼させる燃焼手段とを備え、機関本体の運転を一時的に停止可能にした内燃機関の制御装置であって、
    燃焼手段による未燃燃料の燃焼が停止している場合に、機関本体の運転を一時的に停止する条件が成立したときに、気筒内においてリーンの空燃比で燃料を燃焼し、気筒内から排出される排気ガス中の酸素を使用して、燃焼手段により未燃燃料を燃焼させた後に機関本体を停止することを特徴とする、内燃機関の制御装置。
  2. 燃焼手段による未燃燃料の燃焼によって、排気処理装置の上流側の端面の温度を上昇させ、未燃燃料の燃焼の終了後に、排気ガスの流れ方向における排気処理装置の温度の最大点が排気処理装置の内部に移動するまで、機関本体の運転を継続した後に機関本体を停止することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 排気処理装置は、排気ガスの空燃比がリーンの時には排気ガス中に含まれるNOを吸蔵し、流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比又はリッチになると吸蔵したNOを放出するNO吸蔵触媒を含み、
    NO吸蔵触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比またはリッチになるように未燃燃料を燃焼させてNOを放出させることを特徴とする、請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 排気処理装置は、基体に担持されている金属粒子を含み、
    燃焼手段による未燃燃料の燃焼を終了すべきときに、未燃燃料を燃焼させるときの排気ガスの空燃比を理論空燃比またはリッチになるようにし、排気ガスに含まれる酸素のほぼ全てを消費させることを特徴とする、請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 燃焼手段の上流側の機関排気通路の内部に未燃燃料を供給する燃料供給手段を備え、
    燃焼手段は、機関排気通路の内部に配置されているグロープラグを含み、
    燃料供給手段は、グロープラグに向かって未燃燃料を噴射する燃料添加弁を含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 機関排気通路の内部に配置され、排気を浄化する排気処理装置と、排気処理装置の上流側の機関排気通路の内部に配置され、排気ガスに含まれる未燃燃料を燃焼させる燃焼手段とを含む内燃機関と、機関本体を駆動する電動機とを備え、機関本体の運転を一時的に停止可能にした車両の制御装置であって、
    機関本体の運転を停止する条件が成立して機関本体を一時的に停止している期間中に、電動機により機関本体を駆動して機関排気通路に空気を供給し、気筒内から排出される空気中の酸素を使用して、燃焼手段により未燃燃料を燃焼させることを特徴とする、車両の制御装置。
  7. 電動機は、駆動輪を駆動する駆動モータを含み、
    駆動モータにて機関本体を駆動することにより機関排気通路に空気を供給することを特徴とする、請求項6に記載の車両の制御装置。
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