JP5168631B2 - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
つまり、現像剤の量が多い供給搬送路の上流側では現像スリーブへの現像剤の供給量が安定していて画像濃度は一定となる。一方、現像剤の量が少ない供給搬送路の下流側では、現像スリーブへの現像剤の供給量が不安定になり画像に濃度ムラが生じて画像不良が起こる。
また、請求項2の発明は、請求項1の現像装置において、上記循環搬送路の搬送方向下流側ほど高くなるように該循環搬送路の底面が傾斜していることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の現像装置において、上記供給搬送部材及び上記循環搬送部材は、回転軸と回転軸に螺旋状に設けられた羽部とを備え、回転することにより回転軸の軸方向に現像剤を搬送するスクリュ部材からなる供給スクリュ及び循環スクリュであり、該供給スクリュの回転軸と該循環スクリュとの回転軸との距離が一定であることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3の現像装置において、上記循環搬送路を上記供給搬送路に対して鉛直方向下方に配置することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、少なくとも潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電させるための帯電手段と、該潜像担持体上に静電潜像を形成するための潜像形成手段と、該静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段とを有する画像形成装置において、該現像手段として、請求項1、2、3または4に記載の現像装置を用いることを特徴とするものである。
図1は、本実施形態に係る複写機500の概略構成図である。複写機500はプリンタ部100、これを載せる給紙装置200、プリンタ部100の上に固定されたスキャナ300などを備えている。また、このスキャナ300の上に固定された原稿自動搬送装置400なども備えている。
プロセスカートリッジ18Y,M,C,Kは、ドラム状の感光体1、帯電器、現像装置4、ドラムクリーニング装置、除電器などを有している。
帯電手段たる帯電器によって、感光体1Yの表面は一様帯電される。帯電処理が施された感光体1Yの表面には、光書込ユニット21によって変調及び偏向されたレーザ光が照射される。これにより、照射部(露光部)の感光体1Yの表面の電位が減衰する。この表面の電位の減衰により、感光体1Y表面にY用の静電潜像が形成される。形成されたY用の静電潜像は現像手段たる現像装置4Yによって現像されてYトナー像となる。
Y用の感光体1Y上に形成されたYトナー像は、後述の中間転写ベルト110に一次転写される。一次転写後の感光体1Yの表面は、ドラムクリーニング装置によって転写残トナーがクリーニングされる。
Y用のプロセスカートリッジ18Yにおいて、ドラムクリーニング装置によってクリーニングされた感光体1Yは、除電器によって除電される。そして、帯電器によって一様帯電せしめられて、初期状態に戻る。以上のような一連のプロセスは、他のプロセスカートリッジ18M,C,Kについても同様である。
中間転写ユニット17は、中間転写ベルト110やベルトクリーニング装置90などを有している。また、中転張架ローラ114、駆動ローラ15、二次転写バックアップローラ16、4つの一次転写バイアスローラ62Y,M,C,Kなども有している。
中間転写ベルト110は、中転張架ローラ114を含む複数のローラによってテンション張架されている。そして、図示しないベルト駆動モータによって駆動される駆動ローラ15の回転によって図中時計回りに無端移動せしめられる。
4つの一次転写バイアスローラ62Y,M,C,Kは、それぞれ中間転写ベルト110の内周面側に接触するように配設され、図示しない電源から一次転写バイアスの印加を受ける。また、中間転写ベルト110をその内周面側から感光体1Y,M,C,Kに向けて押圧してそれぞれ一次転写ニップを形成する。各一次転写ニップには、一次転写バイアスの影響により、感光体1と一次転写バイアスローラ62との間に一次転写電界が形成される。
Y用の感光体1Y上に形成された上述のYトナー像は、この一次転写電界やニップ圧の影響によって中間転写ベルト110上に一次転写される。このYトナー像の上には、M,C,K用の感光体1M,C,K上に形成されたM,C,Kトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト110上には多重トナー像たる4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
中間転写ベルト110上に重ね合わせ転写された4色トナー像は、後述の二次転写ニップで図示しない記録体たる転写紙に二次転写される。二次転写ニップ通過後の中間転写ベルト110の表面に残留する転写残トナーは、図中左側の駆動ローラ15との間にベルトを挟み込むベルトクリーニング装置90によってクリーニングされる。
中間転写ユニット17の図中下方には、2本の張架ローラ23によって紙搬送ベルト24を張架している二次転写装置22が配設されている。紙搬送ベルト24は、少なくとも何れか一方の張架ローラ23の回転駆動に伴って、図中反時計回りに無端移動せしめられる。2本の張架ローラ23のうち、図中右側に配設された一方のローラは、中間転写ユニット17の二次転写バックアップローラ16との間に、中間転写ベルト110及び紙搬送ベルト24を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ユニット17の中間転写ベルト110と、二次転写装置22の紙搬送ベルト24とが接触する二次転写ニップが形成されている。そして、この一方の張架ローラ23には、トナーと逆極性の二次転写バイアスが図示しない電源によって印加される。この二次転写バイアスの印加により、二次転写ニップには中間転写ユニット17の中間転写ベルト110上の4色トナー像をベルト側からこの一方の張架ローラ23側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。後述のレジストローラ対49によって中間転写ベルト110上の4色トナー像に同期するように二次転写ニップに送り込まれた転写紙には、この二次転写電界やニップ圧の影響を受けた4色トナー像が二次転写せしめられる。なお、このように一方の張架ローラ23に二次転写バイアスを印加する二次転写方式に代えて、転写紙を非接触でチャージさせるチャージャを設けてもよい。
現像装置4は潜像担持体であるドラム状の感光体1に対向配置され、感光体1は図中矢印aに示すように図2における時計回り方向に回転駆動する。感光体1は、回転しながら、その表面を不図示の帯電装置により帯電される。帯電された感光体1の表面は露光装置である光書込ユニット21から照射されたレーザ光によってその表面に静電潜像を形成される。
現像容器3内の現像剤2は、供給スクリュ9と循環スクリュ10との回転による搬送によって、隔壁6の両端に設けられた2つの開口部を通じて供給搬送路7と循環搬送路8との間を循環する。
すなわち、現像スリーブ14a上に担持されて現像領域Aに搬送され、現像領域Aを通過した後、現像領域Aにおいて感光体1の表面の供給されずに現像スリーブ14a上に残った現像剤2は、現像スリーブ14aの回転に伴って供給搬送路7に再度回収されるのではなく、一度、循環搬送路8に回収される。このために供給搬送路7内には常に循環搬送路8で十分攪拌された現像剤のみが存在する。
図2及び図3に示すように、現像装置4では、供給搬送路7と循環搬送路8とが垂直方向に配置されている。このため、隔壁6の両端に設けられた開口部のうち図3中右側の開口部である落下口12では供給搬送路7の下流端から循環搬送路8の上流端へと現像剤2は上から下へと移動する。一方、隔壁6の両端に設けられた開口部のうち図3中左側の開口部である持ち上げ口11では循環搬送路8の下流端から供給搬送路7の上流端へと現像剤2は下から上へと移動する。持ち上げ口11での循環搬送路8から供給搬送路7への現像剤の移動は、循環搬送路8内の搬送方向下流端に溜まった現像剤2の圧力により下から上と押し上げられるようにして現像剤が受け渡される。
このため、供給搬送路7内で供給スクリュ9によって搬送力が付与されて搬送される現像剤2の量は、供給搬送路7内の上流端から下流端に向かうに従い徐々に減少する傾向がある。
一方、循環搬送路8内で循環スクリュ10によって搬送力が付与されて搬送される現像剤2の量は、循環搬送路8内の上流端から下流端に向かうに従い徐々に増加する傾向がある。即ち、現像装置4内の現像剤2の分布には片寄りが存在する。
図4に示すように、従来の現像装置4は、供給スクリュ9はその回転軸が水平軸Hと平行になるように配置され、供給搬送路7内の供給スクリュ9による現像剤の搬送方向が水平方向となっている。また、循環スクリュ10もその回転軸が水平軸Hと平行になるように配置され、循環搬送路8内の循環スクリュ10による現像剤の搬送方向が水平方向となっている。ここで、水平方向とは鉛直方向に対して垂直な方向であり、水平軸Hは水平方向が軸方向となる仮想軸である。
上述したように現像装置4では、供給搬送路7内の現像剤2の量が、供給搬送路7内の上流端から下流端に向かうに従い徐々に減少するため、供給搬送路7内の現像剤2の量は搬送方向下流側ほど少なくなる。図4に示すように、供給搬送路7内の搬送方向上流側と下流側とで現像剤2の量に偏りが生じると、現像スリーブ14aへの現像剤の供給にムラができ、現像スリーブ14aに供給される現像剤2の量にも現像スリーブ14aの軸方向で片寄りが生じ、不均一となる。
また、現像装置4のように、循環搬送路8を供給搬送路7の鉛直方向に下方に配置する現像装置においては、供給搬送路7から循環搬送路8への現像剤は上から下へ、また、循環搬送路8から供給搬送路7への現像剤は下から上へと動く。そして、上述したように、持ち上げ口11での循環搬送路8から供給搬送路7への現像剤の受け渡しは、循環搬送路8の搬送方向下流端部に溜まった現像剤2の圧力により下から上へと押し上げられるようにして行われる。図4に示すように、循環スクリュ10による現像剤の搬送方向が水平方向の場合、持ち上げ口11で現像剤を上昇させる向きには直接的な力は作用しないため、持ち上げ口11では受け渡し効率が悪くなり、持ち上げ口11の付近に現像剤が詰まりやすくなるといった問題があった。
また、この問題に対する別の対策として、特開2002−6599号公報に開示された技術のように、供給搬送路の下流に現像剤を塞き止める機構を設け、片寄りを緩和することも考えられる。この場合は、供給搬送路下流にて現像剤を塞き止めているために、下流での現像剤の剤面の高さを高くすることは可能である。しかし、中央部の現像剤の高さを変動させる工夫はなされていないために、両端部の剤面を調整することはできても、中央部の剤面を調整することが出来ないため、剤面の高さにはむらが生じ、画像の濃度むらが生じるという問題がある。
このような問題に対する対策としては、特開2002−236420号公報に開示された技術のように、循環搬送路8から供給搬送路7に現像剤を受け渡す現像剤の持ち上げ口に現像剤上昇手段を設け、受渡効率を向上させ、現像剤の詰まりを解消することも考えられる。しかし、この場合、持ち上げ口において現像剤上昇手段を設けるため、現像装置が大型化してしまう問題があった。
この問題に対する別の対策として、特開2004−133339号公報に開示された技術のように、循環スクリュを現像剤の進行方向に対して上昇する向きに傾斜させることが考えられる。循環搬送路から供給搬送路に現像剤を受け渡す受渡部への圧入による現像剤の搬送では、現像剤を上昇させる向きに作用する力は直接的に生じない。しかし、特開2004−133339号公報に開示された現像装置では、循環スクリュの搬送力が作用する方向が現像剤を上昇させる方向に向かっているため、現像剤が搬送されるに伴い現像剤を供給搬送路の位置まで持ち上げることができる。このため、循環搬送路から供給搬送路への現像剤の受渡効率は改善される。しかし、特開2004−133339号公報に開示されているように循環搬送路から供給搬送路への現像剤の受け渡し部で、供給搬送路と循環搬送路を水平方向に並べてしまうと、現像装置の横幅は大きくなってしまう。また、循環搬送路を供給搬送路の鉛直方向真下に配置した場合、現像装置の横幅は小型に収まるが、供給スクリュと循環スクリュとの軸間距離が狭くなり、設計が困難になるといった問題がある。
次に現像装置4の参考構成例について説明する。
図5は参考構成例の現像装置4を図2の矢印C方向から見た、現像スリーブ14a、供給搬送路7及び循環搬送路8の説明図である。なお、図5中の斜線部分が、現像剤2の分布を模式的に示すものである。
図5に示すように、参考構成例の現像装置4では、供給搬送路7と循環搬送路8とを形成する現像容器3及び隔壁6が水平軸Hに対して傾斜している。詳しくは、供給搬送路7の搬送方向下流側ほど低くなるように供給搬送路7の底面である供給底面7bが傾斜し、循環搬送路8の搬送方向下流側ほど高くなるように循環搬送路8の底面である循環底面8bが傾斜するように、現像容器3及び隔壁6が水平軸Hに対して傾斜している。そして、供給スクリュ9はその回転軸が供給底面7bと平行になるように配置され、循環スクリュ10はその回転軸が循環底面8bと平行になるように配置されている。また、供給底面7bと循環底面8bとは同じ傾斜角で水平軸Hに対して傾斜しているため、供給底面7bと循環底面8bとは平行となっており、供給スクリュ9と循環スクリュ10とはそれぞれの回転軸が平行となるように配置されている。
参考構成例の現像装置4では、供給搬送路7内の現像剤2の進行方向が下降する向きに傾斜するように、供給底面7bを水平軸Hに対して傾斜させることによって、供給搬送路7内の現像剤2に対して重力が作用し、搬送速度が速くなる。これにより、供給スクリュ9の回転数を上昇させることなく、供給搬送路7内の現像剤2の移送速度を上昇させることが可能となる。供給搬送路7内の現像剤2の移送速度を上昇させることにより、現像剤の搬送量を増加させることができ、供給搬送路7の下流端近傍37での現像剤量を図4の従来の現像装置4よりも増加させることができる。これにより、供給スクリュ9の回転数を上昇させることなく現像剤の搬送量を増加させることができるので、現像剤に対するストレスの増加を抑制しつつ、供給搬送路7内の搬送方向における現像剤2の量の片寄りを軽減することが出来る。
このように、持ち上げ口11での現像剤の受け渡しの効率が改善されれば、現像剤の水平方向の搬送速度は遅くなったとしても、持ち上げ口11付近での搬送効率は改善されているため、結果として、持ち上げ口11付近における現像剤の詰まりは解消される。
そして、循環搬送路8の下流端近傍では、現像剤2が詰まった状態となっているため、重力に逆らえず、搬送方向とは逆方向に戻される現像剤2が存在し易い。このため、循環搬送路8の下流端近傍に存在する余剰の現像剤は、上述した重力を利用した移動により循環スクリュ10の搬送方向上流側(現像剤の量が少ない側)へと戻される。このように、循環搬送路8内で現像剤2の量が少ない側である搬送方向上流側へと現像剤2が戻されるため、循環搬送路8内での現像剤の片寄りが低減される。さらに、循環スクリュ10によって循環搬送路8内の搬送方向下流側に搬送された現像剤2が重力によって搬送方向上流側に戻るという、重力を利用した現像剤の循環が循環搬送路8内で生じるため、循環搬送路8内での攪拌効率が向上し、攪拌不良のトナーを低減することができる。
本実施形態の現像装置4では、循環搬送路8内の現像剤のトナー濃度の測定結果に応じて、循環搬送路8内の現像剤にトナーを補給する。参考構成例の現像装置4では、図5に示すように落下口12の上方にトナー補給口40を備える。トナー補給口40から補給されたトナーは、重力によって落下し、落下口12を通過して循環搬送路8内の現像剤2に供給される。
通常、現像装置内の現像剤のトナー濃度が低下した場合は、現像装置とは別の場所に設置されているトナー補給装置より、現像装置内の現像剤へとトナーが補給される。トナーを補給される際には、現像剤搬送路の上部よりトナーを落下させ、現像剤搬送路内の現像剤の上部へとトナーを補給する。現像剤搬送路内に補給されたトナーは、搬送スクリュによる搬送に伴い、現像剤搬送路内の現像剤と徐々に撹拌・混合されるが、現像剤とトナーとでは流動性が異なるため、補給されたトナーが現像剤の上部に乗ったままとなり十分には撹拌されない問題があった。
特開2004−133339号公報に開示された従来技術では、循環搬送路の搬送方向下流端と供給搬送路の搬送方向上流端とが同じ高さとなるように配置され、循環搬送路から供給搬送路への現像剤の受け渡しは真横に受け渡される。このような現像装置では、現像剤を効率良く搬送することはできても、現像剤の搬送の途中にトナーと現像剤を撹拌・混合するという能力は十分ではなかった。
一方、参考構成例のように供給搬送路7と循環搬送路8とを上下方向に配置する現像装置4では、現像剤2の上部にトナーが乗ったまま循環搬送路8の搬送方向下流端に到達したとしても、持ち上げ口11での現像剤2の受け渡しのときに、循環搬送路8から受け渡される現像剤は、供給搬送路7内の現像剤2の一番下に潜り込む状態となる。これにより、補給されたトナーが現像剤2の上部に乗ったまま搬送されたとしても、供給搬送路7に受け渡すときには現像剤2中に混合することができる。このため、従来の真横への受け渡しと比較すると撹拌・混合能力が向上し、撹拌不良による異常画像の発生が低減するという利点が存在する。
また、供給搬送路7と循環搬送路8とを上下に配置することで、装置の水へ方向の小型化を実現できるといった利点が得られる。
現像装置4内を循環する現像剤において、持ち上げ口11の前後での現像剤の搬送速度に着目すると、循環搬送路8では重力に逆らい現像剤2を搬送しているため搬送速度は遅くなり、供給搬送路7では重力を利用し現像剤2を搬送できるため搬送速度が速くなる。
ここで、持ち上げ口11を通過前の方が相対的に現像剤2の搬送速度が高くなっている場合、持ち上げ口11を通過した現像剤が供給搬送路7内の搬送方向下流側へと搬送される速度が遅いため、持ち上げ口11の付近で現像剤2の循環が滞ってしまう。つまり、持ち上げ口11での現像剤2の循環を良好にするためには、持ち上げ口11を通過した後の方が相対的な搬送速度が早くなっている必要がある。
参考構成例の現像装置4では、供給底面7b、循環底面8b、供給スクリュ9、及び循環スクリュ10を傾斜させることにより、供給スクリュ9と循環スクリュ10との回転数を調節することなしに、容易に、持ち上げ口11近傍での現像剤の詰まりをさらに低減できる構成となっている。
現像により消費されたトナーを現像装置内に補給する際、トナー補給口付近には現像剤が多く存在していることが望ましい。なぜならば、現像装置内にトナーが補給されたとしても、トナーの流動性が高いため、トナー単体では搬送スクリュで搬送することは難しい。そのため、現像装置内にトナーが補給されたとしても、補給口付近に現像剤が存在していなければ、トナーは搬送され難いため、現像剤中に撹拌され難く、トナー濃度が上昇しない。また、トナーが現像剤中に補給されたとしても、現像剤量が少なければ、補給口付近に存在しているキャリア量に対し、トナーの量が過多となってしまい、トナー飛散が発生し、トナーが機外へと飛散してしまう問題がある。つまり、トナー補給口付近には、現像剤がある程度存在していた方が、トナーの撹拌性がよくなる。
参考構成例の現像装置4においては、上述したように、相対的な現像剤2の搬送速度は、重力の影響により供給搬送路7内の方が速くなっているため、循環搬送路8内に現像剤2が溜まる傾向にある。つまり、トナー補給口40付近には十分な量の現像剤2が存在することになる。よって、補給されたトナーは、現像装置4内の現像剤2と良好に撹拌されることができるため、撹拌不良が少なくなるという利点がある。
またさらに、参考構成例のように、現像剤受渡部である持ち上げ口11において現像剤の詰りを低減できると、持ち上げ口11で滞留して過度のストレスが負荷される剤が少なくなるため、現像剤の劣化を低減でき、現像剤の寿命を延ばすことが可能となる。
次に本実施形態の特徴部を備えた現像装置4の実施例について説明する。
図6は実施例の現像装置4を図2の矢印C方向から見た、現像スリーブ14a、供給搬送路7及び循環搬送路8の説明図である。なお、図6中の斜線部分が、現像剤2の分布を模式的に示すものである。
実施例の現像装置4では、参考構成例の現像装置4と同様に現像容器3及び隔壁6が水平軸Hに対して傾斜しており、供給底面7b、循環底面8b、供給スクリュ9、及び、循環スクリュ10が水平軸Hに対して傾斜している。そして、現像剤搬送部材である現像スリーブ14aも水平軸Hに対して傾斜している点で参考構成例の現像装置4と異なる。実施例の現像装置4では現像スリーブ14aの回転軸が供給スクリュ9の回転軸と平行となるように配置している。
実施例の現像装置4は、現像スリーブ14aが水平軸Hに対して傾斜している点以外は、参考構成例の現像装置4と共通し、共有点については参考構成例と同様の利点があり、また、同様の効果を奏することができる。
実施例の現像装置4では、供給搬送路7の供給底面7bを傾斜させることにより、重力による搬送力が加わるため、供給搬送路7内の現像剤2の搬送量は増加する。つまり、供給スクリュ9の回転数を上げるのと同等の効果を、現像剤2や現像装置4に対する負荷を増加させずに実現できる。
図4に示す従来の現像装置4でも、供給スクリュ9の回転数を上昇すれば、供給搬送路7内を搬送される現像剤量が増加し、相対的に、現像剤の減少量は低下する。つまり、供給搬送路7内の現像剤2の剤面は、供給スクリュ9の回転軸に対して、より均一になる。
このとき、現像スリーブ14aの回転軸を供給スクリュ9の回転軸と平行に配置すれば、供給搬送路7内の現像剤2の剤面と現像スリーブ14aとの距離も均一になるため、より安定した現像スリーブ14aへの現像剤2の供給を得ることができる。
つまり、現像スリーブ14aは、その軸方向に傾斜を持っているため、この傾斜に併せ、対向する感光体1を傾斜させたとする。また、感光体1の傾斜に併せ、中間転写ベルト110及び定着装置25を傾斜させる。また、光書込ユニット21から感光体1にレーザ光を照射する際、感光体1が傾斜している場合、その傾斜角度に伴い、光書込ユニット21の照射位置から感光体1までの光路長が異なるため、光路長が長手方向に寄らず均一になるように補正する機構を設けた方が望ましい。
このとき、現像装置4の水平軸Hに対する傾斜角をθ、現像装置4の長手方向の長さをL[m]とした場合、複写機500の中で、現像装置4が占める長手方向の幅を、L(1−cosθ)[m]だけ縮小することが可能となる。
通常使用される現像装置を用いた場合においては、現像装置を傾斜させてしまうと現像剤に片寄りが生じ、現像スリーブに安定した現像剤の供給ができなくなる。一方、図5を用いて説明した本実施例の現像装置4を使用すれば、現像装置4を傾斜させることでより安定に現像スリーブ14aへ現像剤2を供給することができるため、良好な現像剤の供給を行いながら、画像形成装置である複写機500の小型が可能になる。
実施例の現像装置4を用いて、現像装置4の水平軸Hに対する傾斜角θを変化させる実験を行った。
現像装置4が備える二つの現像スクリュの実験条件を以下に示す。
スクリュ径:φ12[mm]
スクリュ軸径:φ5[mm]
スクリュピッチ:12.5[mm]
なお、現像装置4の水平軸Hに対する傾斜角θが0[°]のときは、搬送スクリュの回転数を1200[rpm]としている。
供給搬送路7の搬送方向下流端近傍で現像剤量が不足し現像スリーブへの現像剤の供給量が不安定になり画像に濃度ムラが生じる状態を剤枯渇とし、持ち上げ口11の付近に現像剤が詰まる状態を剤詰まりとする。傾斜角θが0[°]の場合でも、搬送スクリュの回転数を1200[rpm]とすることにより、剤枯渇、及び、剤詰まり、ともに画像形成に問題がない程度に抑制することができた。
そして、現像装置4の傾斜角θの角度を大きくしていったところ、剤枯渇に関しては、傾斜角θが7[°]〜25[°]の範囲となるように現像装置4を傾けたところ、搬送スクリュの回転数を1200[rpm]よりも100[rpm]〜150[rpm]低減できる改善効果を確認できた。一方、剤詰まりに関しては、傾斜角θが10[°]〜20[°]の範囲となるように現像装置4を傾けたところ、搬送スクリュの回転数を1200[rpm]よりも150[rpm]〜200[rpm]低減できる改善効果を確認できた。
このため、実施例の現像装置4では、傾斜角θが10[°]〜20[°]の範囲となるように設定することにより、剤枯渇、及び、剤詰まり、ともに画像形成に問題がない程度に抑制しつつ、搬送スクリュの回転数を1200[rpm]よりも100[rpm]〜150[rpm]低減できる。回転数を低減することができるので、現像剤2や現像装置4の劣化を抑制することができ、現像剤2や現像装置4の長寿命化を図ることができる。
また、現像装置4の傾斜角θを大きくしすぎると、循環搬送路8内での現像剤の移送速度が大幅に落ちてしまい、供給搬送路7側に十分な現像剤を搬送できなくなるため、傾斜角θには上限が存在する。
なお、循環搬送路8を供給搬送路7に対して鉛直方向下方に配置する構成で、循環搬送路8内の現像剤2の進行方向が上昇する向きに傾斜するように、循環底面8bを水平軸Hに対して傾斜させることによって、循環搬送路8内では上昇させる向きに傾斜するように現像剤2を搬送しているため、現像剤2に作用する力の成分には水平方向成分と鉛直方向上向き成分が存在する。よって、図4に示した従来の現像装置4のように、単純に現像剤を水平方向に搬送する場合と比較すると、水平方向への搬送速度は低下するが、その分鉛直方向上向きへの搬送力が作用することになる。このため、本実施形態の現像装置4において、供給底面7bと循環底面8bとの距離や、供給スクリュ9の回転軸と循環スクリュ10の回転軸との距離が従来の現像装置4と同等であったとしても、本実施形態の現像装置4では、循環スクリュ10が現像剤2に付与する搬送力によって、現像剤2に対して鉛直方向上向き成分の力が作用しているため、循環搬送路8内の現像剤は重力に逆らって上方に搬送されやすい。よって、図4に示した現像装置4に比べて、参考構成例の現像装置4では、循環搬送路8の下流端にある持ち上げ口11での現像剤の受け渡しの効率を改善することができる。これにより、持ち上げ口11付近における現像剤の詰まりを抑制することができる。
2 現像剤
3 現像容器
3b 底部
4 現像装置
5 剤規制部材
6 隔壁
7 供給搬送路
7b 供給底面
8 循環搬送路
8b 循環底面
9 供給スクリュ
10 循環スクリュ
11 持ち上げ口
12 落下口
13 仕切り壁
14a 現像スリーブ
14b マグネットローラ
15 駆動ローラ
16 二次転写バックアップローラ
17 中間転写ユニット
18 プロセスカートリッジ
20 画像形成ユニット
21 光書込ユニット
22 二次転写装置
23 張架ローラ
24 紙搬送ベルト
25 定着装置
40 トナー補給口
90 ベルトクリーニング装置
100 プリンタ部
110 中間転写ベルト
500 複写機
H 水平軸
T 堆積現像剤
Claims (5)
- 現像剤を表面上に担持して回転し、潜像担持体と対向する箇所で該潜像担持体の表面の潜像にトナーを供給して現像する現像剤担持体と、
該現像剤担持体に現像剤を供給しながら該現像剤担持体の軸線方向に現像剤を搬送する供給搬送路と、
該供給搬送路内の現像剤に対して搬送力を付与する供給搬送部材と、
該供給搬送路の搬送方向下流端に到達した現像剤を該供給搬送路の搬送方向上流端に搬送する循環搬送路と、
該循環搬送路内の現像剤に対して搬送力を付与する循環搬送部材とを有する現像装置において、
該供給搬送路の搬送方向下流側ほど低くなるように該供給搬送路の底面が傾斜し、
該現像剤担持体の軸線方向が該供給搬送路の底面と平行であることを特徴とする現像装置。 - 請求項1の現像装置において、
上記循環搬送路の搬送方向下流側ほど高くなるように該循環搬送路の底面が傾斜していることを特徴とする現像装置。 - 請求項2の現像装置において、
上記供給搬送部材及び上記循環搬送部材は、回転軸と回転軸に螺旋状に設けられた羽部とを備え、回転することにより回転軸の軸方向に現像剤を搬送するスクリュ部材からなる供給スクリュ及び循環スクリュであり、
該供給スクリュの回転軸と該循環スクリュとの回転軸との距離が一定であることを特徴とする現像装置。 - 請求項1、2または3の現像装置において、
上記循環搬送路を上記供給搬送路に対して鉛直方向下方に配置することを特徴とする現像装置。 - 少なくとも潜像担持体と、
該潜像担持体表面を帯電させるための帯電手段と、
該潜像担持体上に静電潜像を形成するための潜像形成手段と、
該静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段とを有する画像形成装置において、
該現像手段として、請求項1、2、3または4に記載の現像装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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