JP5167827B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5167827B2
JP5167827B2 JP2008010171A JP2008010171A JP5167827B2 JP 5167827 B2 JP5167827 B2 JP 5167827B2 JP 2008010171 A JP2008010171 A JP 2008010171A JP 2008010171 A JP2008010171 A JP 2008010171A JP 5167827 B2 JP5167827 B2 JP 5167827B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shift
speed
vehicle speed
manual
operated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008010171A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009168232A (ja
Inventor
哲孝 柴田
忠志 齊藤
康夫 重中
逸男 百武
利孝 清水
洋史 渡辺
勇樹 高原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2008010171A priority Critical patent/JP5167827B2/ja
Publication of JP2009168232A publication Critical patent/JP2009168232A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5167827B2 publication Critical patent/JP5167827B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

本発明は自動車に搭載される自動変速機、特に自動変速レンジでの手動変速機能を備えた自動変速機の制御装置に関し、自動車用変速機の技術分野に属する。
近年、自動車用自動変速機として、走行状態に応じて変速段を自動的に切り換える自動変速モードと、運転者の手動操作によって変速段を切り換える手動変速モードとを備えたものが実用化されている。
この自動変速機は、レンジ切り換え用のシフトレバーの操作位置として、駐車用のPレンジ、後退用のRレンジ、中立用のNレンジ、及び自動変速モード選択用のDレンジ等の他に、Mレンジ等と呼ばれる手動変速モード選択位置が設定され、この手動変速モード選択位置におけるシフトレバーの操作により、変速段が1段ずつシフトアップ又はシフトダウンするように構成されている。
また、特許文献1には、前記のようなシフトレバーの操作によって変速段を切り換える手動変速モードを備えた自動変速機において、さらに、ステアリングホイールにシフトアップスイッチとシフトダウンスイッチとを設け、手動変速モードにおいて、これらのスイッチの操作によっても変速段のシフトアップ又はシフトダウンを可能としたものが開示されている。
そして、この特許文献1に記載の自動変速機では、自動変速モードにおいて前記シフトダウンスイッチを操作すれば、変速モードが手動変速モードに切り換り、その後、シフトアップスイッチを操作すれば、自動変速モードに復帰するように構成されているが、このように、シフトレバーをDレンジ等の自動変速モード選択位置に操作したまま手動変速モードに切り換えることを可能とすれば、一時的に或いは迅速に加速、減速することができて、変速操作の利便性が向上する。
特開2002−349687号公報
ところで、上述のようにステアリングホイールにシフトダウンスイッチやシフトアップスイッチを設けると、変速操作を迅速かつ簡単に実行できるという利便性が向上する半面、不用意な変速操作や無意識のうちに手がスイッチに触れるという誤操作により、走行状態に適合しない変速が行われる可能性がある。
例えば、高車速での走行時に、運転者の前記のような不適切なシフトダウンスイッチの操作により、その操作に対応する変速段のシフトダウンが実行されてエンジンが過回転する可能性がある。また、過回転に至らなくても、運転者の不適切なシフトダウンスイッチの操作により、その操作に対応する変速段のシフトダウンが実行されて大きなエンジンブレーキが発生し、運転者に違和感を与える可能性がある。
そこで、本発明は、ステアリングホイールに手動変速モードで変速操作を行うためのスイッチが設けられ、このスイッチの操作により、シフトレバーが自動変速モード用のレンジに操作されている状態でも変速が可能とされた自動変速機において、運転者の不適切なスイッチ操作、特にシフトダウンスイッチの操作によって変速段がシフトダウンされて起こる不具合の発生を抑制することができる自動変速機の制御装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明は、走行状態に応じて変速段が自動的に切り換る自動変速モードと、運転者の手動操作によって変速段が切り換わる手動変速モードとが設定され、これらのモードを選択するシフトレバーが備えられていると共に、ステアリングホイール上又はその近傍に、手動操作により変速段をシフトダウンさせるシフトダウンスイッチが設けられた自動変速機の制御装置であって、
車速を検出する車速検出手段と、
アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、
前記シフトレバーが手動変速モード選択位置に操作されている状態で、前記シフトダウンスイッチが操作されたときに変速段をシフトダウンさせる第1手動変速制御手段と、
前記シフトレバーが自動変速モード選択位置に操作されている状態で、前記シフトダウンスイッチが操作されたときに変速段をシフトダウンさせる第2手動変速制御手段と、
前記第1手動変速制御手段による制御中に、前記車速検出手段で検出された車速が第1許容車速よりも大きいときに前記シフトダウンスイッチによる変速段のシフトダウンを禁止する第1シフトダウン禁止手段と、
前記第2手動変速制御手段による制御中に、前記車速検出手段で検出された車速が前記第1許容車速に比べて小さい値に設定された第2許容車速よりも大きく、かつ前記アクセル開度検出手段が検出するアクセル開度が所定の開度より小さいときに、前記シフトダウンスイッチによる変速段のシフトダウンを禁止する第2シフトダウン禁止手段とが備えられ、かつ、
ブレーキ操作を検出するブレーキ操作検出手段と、
前記ブレーキ操作検出手段がブレーキ操作を検出しているときは、非検出時に比べて前記第2許容車速を高速側の車速に設定する第2許容車速設定手段とを有することを特徴とする。
一方、請求項2に記載の発明は、走行状態に応じて変速段が自動的に切り換る自動変速モードと、運転者の手動操作によって変速段が切り換わる手動変速モードとが設定され、これらのモードを選択するシフトレバーが備えられていると共に、ステアリングホイール上又はその近傍に、手動操作により変速段をシフトダウンさせるシフトダウンスイッチが設けられた自動変速機の制御装置であって、
エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、
前記エンジン回転数検出手段に基づいてシフトダウン後のエンジン回転数を算出するシフトダウン後回転数算出手段と、
前記シフトレバーが手動変速モード選択位置に操作されている状態で、前記シフトダウンスイッチが操作されたときに変速段をシフトダウンさせる第1手動変速制御手段と、
前記シフトレバーが自動変速モード選択位置に操作されている状態で、前記シフトダウンスイッチが操作されたときに変速段をシフトダウンさせる第2手動変速制御手段と、
前記第1手動変速制御手段による制御中に、前記シフトダウン後回転数算出手段が算出したエンジン回転数が第1許容回転数よりも大きいときに前記シフトダウンスイッチによる変速段のシフトダウンを禁止する第1シフトダウン禁止手段と、
前記第2手動変速制御手段による制御中に、前記シフトダウン後回転数算出手段が算出したエンジン回転数が前記第1許容回転数に比べて小さい値に設定された第2許容回転数よりも大きく、かつ前記アクセル開度検出手段が検出するアクセル開度が所定の開度より小さいときに、前記シフトダウンスイッチによる変速段のシフトダウンを禁止する第2シフトダウン禁止手段とが備えられ、かつ、
ブレーキ操作を検出するブレーキ操作検出手段と、
前記ブレーキ操作検出手段がブレーキ操作を検出しているときは、非検出時に比べて高回転数側の回転数に前記第2許容回転数を設定する第2許容回転数設定手段とを有することを特徴とする。
以上のように構成したことにより、本願各請求項の発明によれば、次の効果が得られる。
まず、請求項1に記載の発明によれば、シフトレバーが手動変速モード選択位置に操作され、運転者の手動操作による変速の意思が明確な手動変速モードでは、車速検出手段によって検出される車速が第1許容車速より大きくない限り、第1手動変速制御手段により、シフトダウンスイッチの操作に対応する変速が実行される。その場合に、前記第1許容車速は、例えば変速段のシフトダウンが実行されるときの車速がこれより高速であると、変速後にエンジンが過回転しうる値に設定されている。これにより、変速段のシフトダウンによるエンジンの過回転が抑制される。
これに対し、シフトレバーが自動変速モード選択位置に操作されている場合、すなわちステアリングまたはその近傍に備えられたシフトダウンスイッチの誤操作等の不適切な操作が行われやすいときは、車速検出手段によって検出される車速が前記第1許容車速より小さい第2許容車速より小さい場合に、第2手動変速制御手段により、シフトダウン用のステアリング変速スイッチの操作に対応する変速が実行される。その場合に、この第2許容車速は、例えば変速段のシフトダウンが実行されるときの車速がこれより高速であると、変速後に大きなエンジンブレーキが発生しうる値に設定されている。
これにより、シフトレバーが手動変速モード選択位置に操作されているときは、運転者の操作が可能な限り尊重された変速制御が行われると共に、シフトレバーが自動変速モード選択位置に操作されているときは、すなわちシフトダウンスイッチの不適切な操作が行われやすいときは、エンジンの過回転等の異常事態には至らなくても、予期しない大きなエンジンブレーキの発生など運転者に違和感を与えるような変速が禁止されることになり、シフトレバーが自動変速モード選択位置に操作されている状態での手動変速制御が良好に行われることになる。
また、この請求項1に記載の発明によれば、ブレーキ操作検出手段がブレーキ操作を検出しているとき、第2許容車速設定手段により、第2許容車速がブレーキ操作非検出時に比べて高速側の車速に設定される。すなわち、シフトレバーが自動変速モード選択位置に操作されている場合、シフトダウンの実行可能な車速の上限が、運転者がブレーキ操作を実施しているときは、ブレーキ操作を実施していないときに比べて高くなる。このようにする理由は、ブレーキ操作しているときは減速中であって大きなエンジンブレーキが発生しても運転者に違和感を与えることが少なくなるので、シフトダウンスイッチによる変速を過度に制限しないためである。
さらに、この請求項1に記載の発明によれば、車速検出手段によって検出される車速が前記第2許容車速より小さい場合のほか、アクセル開度検出手段が所定の開度より大きいアクセル開度を検出しているときも、第2手動変速制御手段により、シフトダウン用のステアリング変速スイッチの操作に対応する変速が実行される。この所定の開度は、例えば、これより大きいときにはエンジンが加速状態となり、変速段がシフトダウンされてもエンジンブレーキが発生しない値に設定されている。したがって、予期しないエンジンブレーキの発生の問題が生じない状態で徒にシフトダウンを禁止することが回避される。
一方、請求項2に記載の発明によれば、シフトレバーが手動変速モード選択位置に操作され、運転者の手動操作による変速の意思が明確な手動変速モードでは、シフトダウン後回転数算出手段によって算出されるシフトダウン後のエンジン回転数が第1許容回転数より大きくない限り、第1手動変速制御手段により、シフトダウンスイッチの操作に対応する変速が実行される。その場合に、前記第1許容回転数は、これより高回転であるとエンジンが過回転状態にあるという値に設定されている。これにより、変速段のシフトダウンによるエンジンの過回転が抑制される。
これに対し、シフトレバーが自動変速モード選択位置に操作されている場合、すなわちステアリングまたはその近傍に備えられたシフトダウンスイッチの誤操作等の不適切な操作が行われやすいときは、シフトダウン後回転数算出手段によって算出されるシフトダウン後のエンジン回転数が前記第1許容回転数より小さい第2許容回転数より小さい場合に、第2手動変速制御手段により、シフトダウン用のステアリング変速スイッチの操作に対応する変速が実行される。その場合に、この第2許容回転数は、例えば変速段のシフトダウン後のエンジン回転数がこれより高回転であると、変速後に大きなエンジンブレーキが発生しうる値に設定されている。
これにより、シフトレバーが手動変速モード選択位置に操作されているときは、運転者の操作が可能な限り尊重された変速制御が行われると共に、シフトレバーが自動変速モード選択位置に操作されているときは、すなわちシフトダウンスイッチの不適切な操作が行われやすいときは、エンジンの過回転等の異常事態には至らなくても、予期しない大きなエンジンブレーキの発生など運転者に違和感を与えるような変速が禁止されることになり、シフトレバーが自動変速モード選択位置に操作されている状態での手動変速制御が良好に行われることになる。
また、この請求項2に記載の発明によれば、ブレーキ操作検出手段がブレーキ操作を検出しているとき、第2許容回転数設定手段により、第2許容回転数がブレーキ操作非検出時に比べて高回転側の回転数に設定される。すなわち、シフトレバーが自動変速モード選択位置に操作されている場合、シフトダウンの実行可能なエンジン回転数の上限が、運転者がブレーキ操作を実施しているときは、ブレーキ操作を実施していないときに比べて高くなる。このようにする理由は、ブレーキ操作しているときは減速中であって大きなエンジンブレーキが発生しても運転者に違和感を与えることが少なくなるので、シフトダウンスイッチによる変速を過度に制限しないためである。
さらに、この請求項2に記載の発明によれば、シフトダウン後回転数算出手段によって算出されるシフトダウン後のエンジン回転数が小さい場合のほか、アクセル開度検出手段が所定の開度より大きいアクセル開度を検出しているときも、第2手動変速制御手段により、シフトダウン用のステアリング変速スイッチの操作に対応する変速が実行される。この所定の開度は、例えば、これより大きいときにはエンジンが加速状態となり、変速段がシフトダウンされてもエンジンブレーキが発生しない値に設定されている。したがって、予期しないエンジンブレーキの発生の問題が生じない状態で徒にシフトダウンを禁止することが回避される。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る自動変速機が搭載された自動車の概略の構成を示すもので、この自動車の前部には、エンジン1と自動変速機2とを結合してなるパワーユニットが搭載されている。また、車内には、運転席の側方に前記自動変速機2のレンジを切り換えるためのシフトレバー3が、前方にステアリングホイール4がそれぞれ配設されていると共に、運転席の前方のフロアには、アクセルペダル5及びブレーキペダル6が配設されている。さらに、前記ステアリングホイール4の前方のインストルメントパネルには、メーターユニット7が配置されている。
前記シフトレバー3は、図2に示すように、ガイド部材31に設けられた一連の操作経路32に沿って操作されるようになっており、その操作経路32上に、Pレンジ位置、Rレンジ位置、Nレンジ位置、及びDレンジ位置が設けられている。そして、シフトレバー3がDレンジ位置に操作されたときに、自動変速機2の変速モードが走行状態に応じて変速段が自動的に切り換わる自動変速モードに設定されるようになっている。
さらに、Dレンジ位置の側方にはMレンジ位置33が設けられており、シフトレバー3がDレンジ位置から該Mレンジ位置33に操作されたときに、自動変速機2の変速モードが運転者の手動操作によって変速段を切り換える手動変速モードに切り換わるようになっている。
このMレンジ位置33は前後に長い操作領域を有し、その中央の中立位置からシフトレバー3を前方(図2(b)に示すA方向)へ操作すれば、シフトダウンスイッチ(以下、「シフトレバーダウンスイッチ」という)34がONされて、自動変速機2の変速段が1段シフトダウンし、後方(図2(b)に示すB方向)へ操作すれば、シフトアップスイッチ(以下、「シフトレバーアップスイッチ」という)36がONされて、変速段が1段シフトアップするようになっている。そして、操作後は中立位置に戻り、次の操作に備えるようになっている。
また、図3に示すように、前記ステアリングホイール4は、中央のパドル部41と、該パドル部41からT字状に延びる3本のスポーク42、43、44と、これらのスポークに支持されたホイール部45とで構成されている。そして、左右のスポーク42、43の表側の前方位置、即ちホイール部45を握った運転者の左右の手の親指が位置する部位の近傍に左右一対のシフトダウンスイッチ(以下、「ステアリングダウンスイッチ」という)46、46が設けられており、また、該スポーク42、43の裏側における前記パドル部41の所定の部位、即ちホイール部45を握った運転者の左右の手の親指以外の指が位置する部位の近傍に左右一対のシフトアップスイッチ(以下、「ステアリングアップスイッチ」という)47、47が設けられている。
このステアリングダウンスイッチ46、46及びステアリングアップスイッチ47、47は、前記シフトレバー3がMレンジ位置に操作されて手動変速モードが選択されているときに、前記シフトレバーダウンスイッチ34及びシフトレバーアップスイッチ35の代わりに、変速段をシフトダウン又はシフトアップさせる機能を備えている。
具体的には、一対のステアリングダウンスイッチ46、46のいずれか一方(又は両方)を図3(a)に示すA′方向に押し下げ操作すれば、該スイッチ46がONされて自動変速機2の変速段が1段シフトダウンし、また、一対のステアリングアップスイッチ47、47のいずれか一方(又は両方)を矢印B′で示すように手前へ引き寄せ操作すれば、該スイッチ47がONされて変速段が1段シフトアップする。
また、このステアリングダウンスイッチ46及びステアリングアップスイッチ47は、手動変速モードにおいて変速段をシフトダウン又はシフトアップさせる機能に加えて、シフトレバー3がDレンジ位置に操作されている状態で一時的に手動変速を可能とする変速モード(以下、「ダイレクトモード」という)に設定する機能を備えている。
即ち、シフトレバー3がDレンジ位置に操作されている状態で、ステアリングダウンスイッチ46、46及びステアリングアップスイッチ47、47のいずれか一つがON操作されると、自動変速機2の変速モードが自動変速モードから前記ダイレクトモードに切り換わって、変速段が1段シフトダウン又はシフトアップし、所定の解除条件が成立するまで、その変速段が維持される。また、その間にステアリングダウンスイッチ46又はステアリングアップスイッチ47が再びON操作されれば、その都度、変速段が1段シフトダウン又はシフトアップする。
さらに、図4に示すように、前記メーターユニット7は、中央に車速計71、その左側のエリアにエンジン回転計72、右側のエリアに水温計73、燃料計74及び自動変速機2の状態を示すインジケータ75を配置した構成とされている。
このインジケータ75は、前記シフトレバー3の操作によって選択されたレンジを示すPレンジ表示器75a、Rレンジ表示器75b、Nレンジ表示器75c、及びDレンジ表示器75dを有し、さらに、Dレンジ表示器75dに隣接させて、「D」の文字を示すダイレクトモード表示器75e、及び「M」の文字を示す手動変速モード表示器75fを備えており、これらの表示器のうち、Dレンジ表示器75dはセブンセグメント型の表示器で構成されている。
ここで、該Dレンジ表示器75dと、前記ダイレクトモード表示器75e及び手動変速モード表示器75fの表示態様を説明すると、まず、シフトレバー3がDレンジ位置にある自動変速モードでは、図5(a)に示すように、ダイレクトモード表示器75e及び手動変速モード表示器75fが消灯し、Dレンジ表示器75dが「D」の文字を表示する。
また、シフトレバー3がMレンジ位置にある手動変速モードでは、図5(b)に示すように、ダイレクトモード表示器75eが消灯し、手動変速モード表示器75fが点灯すると共に、Dレンジ表示器75dがそのときの変速段を示す数字を表示する。
そして、シフトレバー3がDレンジ位置に操作されている状態で、ステアリングダウンスイッチ46、46又はステアリングアップスイッチ47、47のいずれか一つがON操作されることにより設定されるダイレクトモードでは、図5(c)に示すように、ダイレクトモード表示器75e及び手動変速モード表示器75fが点灯すると共に、Dレンジ表示器75dがそのときの変速段を示す数字を表示する。
次に、自動変速機2の変速段を制御する制御装置であるコントローラ(請求の範囲に記載の、「第1手動変速制御手段」、「第2手動変速制御手段」、「第1シフトダウン禁止手段」、および「第2シフトダウン禁止手段」に対応する。)について説明すると、図6に示すように、コントローラ100には、自動変速機2の基本的な変速制御としての自動変速モードでの制御のために、車速を検出する車速センサ101からの信号と、エンジン負荷としてアクセルペダル5の踏込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ102からの信号と、シフトレバー3の操作位置を検出するシフト位置センサ103からの信号とが入力されるようになっている。
また、前記手動変速モードでの変速制御のために、シフトレバーダウンスイッチ34及びシフトレバーアップスイッチ35からの信号が入力されると共に、該手動変速モード及び前記ダイレクトモードでの変速制御のために、ステアリングダウンスイッチ46及びステアリングアップスイッチ47からの信号が入力されるようになっている。
そして、このコントローラ100は、前記各センサ及びスイッチからの信号に基づいて変速段を設定し、その変速段を実現するように自動変速機2に変速制御信号を出力すると共に、前記メーターユニット7におけるインジケータ75に各表示器75a〜75fの表示状態を制御するための表示制御信号を出力するようになっている。
次に、前記コントローラ100による変速制御、特に本発明に係る、シフトレバー3がDレンジ位置に操作されている場合において、ステアリングダウンスイッチ46の操作によって変速段がシフトダウンされて起こる不具合の発生、特に大きなエンジンブレーキの発生を抑制するための変速制御の一例を図7に示すフローチャートに従って説明する。図7のフローチャートに示す制御は、自動車の走行中、繰り返し実行される。
まず、S200において、図6に示す各センサおよびスイッチからの信号がコントローラ100に入力される。
次に、S210において、コントローラ100は、現在の変速段が1速であるか否かを判定する。1速である場合、シフトダウンはないので、リターンに進み、スタートに戻る。1速でない場合、S220に進む。
S220において、コントローラ100は、ステアリングダウンスイッチ46がONされたか否かを判定する。そして、OFFの状態からONされた直後であれば、S230に進む。そうでない場合、リターンに進み、スタートに戻る。
S230において、コントローラ100は、シフト位置センサ103からの信号に基づいて、シフトレバー3の操作位置がMレンジ位置かDレンジ位置かを判定する。シフトレバー3がMレンジ位置にある場合、S240に進む。シフトレバー3がDレンジ位置にある場合、S250に進む。
S240において、コントローラ100は、記憶装置(図示せず)に記憶されている手動変速モード用の許容車速(請求の範囲に記載の「第1許容車速」に対応。)値を読み込み、その後S260に進む。記憶装置には、図8に示すテーブルのように、各変速段における手動変速モード(Mモード)用の許容車速値がデータとして記憶されている。2速用として60km/h、3速用として80km/h、4速用として100km/h、5速用として130km/hが記憶されている。これらの車速値は、自動車の仕様によって異なる。
この手動変速モード用の許容車速(値)は、例えば変速段のシフトダウンが実行されるときの車速がこれより高速であると、変速後にエンジンが過回転しうる値に設定されている。例えば3速から2速にシフトダウンするときに車速が80km/hより高速であると、シフトダウン後にエンジンが過回転状態になる。これらの手動変速モードの許容車速(値)は、予め実験的に求められている。
一方、S250において、コントローラ100は、記憶装置(図示せず)に記憶されているダイレクトモード(Dモード)用の許容車速(請求の範囲に記載の「第2許容車速」に対応。)値を読み込み、その後S260に進む。記憶装置には、図8に示すテーブルのように、各変速段におけるダイレクトモード(Dモード)用の許容車速値がデータとして記憶されている。2速用として30km/h、3速用として50km/h、4速用として70km/h、5速用として100km/hが記憶されている。
このダイレクトモード用の許容車速(値)は、変速段のシフトダウンが実行されるときの車速がこれより高速であると、変速後に大きなエンジンブレーキが発生しうる値に設定されている。例えば3速から2速にシフトダウンするときに車速が50km/hより高速であると、シフトダウン後に大きなエンジンブレーキが発生する。
また、ダイレクトモード用の許容車速(値)は、図8に示すように、各変速段について、手動変速モード用の許容車速(値)より、小さく設定されている。各変速段について、手動変速モード用の許容車速(値)より30km/h低速に設定されている。なお、ここでは、2つのモードの許容車速(値)の差は、各変速段において30km/hで同一であるが、自動車の仕様によっては、30km/hでなく、また変速段毎に異なる値になる場合もある。
S260において、コントローラ100は、車速センサ101が検出した車速が、S240またはS250のいずれか一方で読み込んだ許容車速より小さいか否かを判定する。小さい場合、S270に進み、コントローラ100は、S220のステアリングダウンスイッチ46の操作に基づく変速段のシフトダウンを実行する。そして、リターンに進み、スタートに戻る。
一方、車速センサ101が検出した車速が、許容車速より小さくない場合(大きい場合)、S280に進み、コントローラ100は、シフトダウンを不実行とする(言い換えると、S220のステアリングダウンスイッチ46の操作をなかったものとする。)。そして、リターンに進み、スタートに戻る。
本実施形態によれば、シフトレバー3がMレンジ位置に操作されているときは、運転者の操作が可能な限り尊重された変速制御が行われると共に、シフトレバー3がDレンジ位置に操作されているとき、すなわちステアリングダウンスイッチ46の不適切な操作が行われやすいときは、エンジンの過回転の異常事態には至らなくても、予期しない大きなエンジンブレーキの発生など運転者に違和感を与えるような変速が禁止される。すなわち、ダイレクトモードでの変速制御が良好に行われる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態は、シフトレバーがDレンジ位置に操作されている場合において、シフトダウン後に大きなエンジンブレーキが発生して運転者に違和感を与えるとして、ステアリングダウンシフトダウンスイッチの操作時の車速がダイレクトモード用許容車速より大きい場合、そのステアリングダウンスイッチ操作に基づくシフトダウンの実行を禁止している。これは、過度にシフトダウンを禁止しており、ステアリングダウンスイッチの操作時の車速がダイレクトモード用許容車速より大きく、かつその操作に基づくシフトダウンが実行されて大きなエンジンブレーキが発生しても運転者に違和感を与えることがほとんどない状況を考慮していない。
上述する、ステアリングダウンスイッチの操作時の車速がダイレクトモード用許容車速より大きく、その操作に基づくシフトダウンの実行後に大きなエンジンブレーキが発生しても運転者に違和感をほとんど与えない状況とは、ステアリングダウンスイッチ操作時にブレーキ操作がなされている状況、すなわち自動車が減速中である状況である。減速中は、大きなエンジンブレーキが発生しても運転者にほとんど違和感を与えない。
したがって、本実施形態は、シフトレバーがDレンジ位置に操作されておりブレーキ操作が行われているときは、車速が特に高速でないかぎり、第1の実施形態と異なり、ステアリングダウンスイッチの操作によるシフトダウンを禁止せずに実行する。言い換えると、ステアリングダウンスイッチ操作時の速度が、ブレーキ操作中であってもシフトダウンにより大きなエンジンブレーキが発生して急減速し、それにより運転者に違和感を与えうる高速である場合にのみ、シフトダウンを禁止する。このことを可能にする本実施形態を説明する。
本実施形態の構成は、第1の実施形態とほぼ同一であり、異なる点はブレーキ操作を検出するブレーキセンサが存在することと、ブレーキ操作に基づく変速制御内容である。
本実施形態の変速制御の一例を示すフローチャートは、図7に示すフローチャートとほぼ同じで、S250の制御を、図9に示すS250−1、S250−2、およびS250−3の制御に置換したものである。したがって、図9に示すS250−1、S250−2、S250−3のみを説明する。
S230で、シフトレバー3がDレンジ位置にあると判定すると、S250−1において、コントローラ100は、ブレーキセンサの検出結果に基づいて、ブレーキがOFF状態(ブレーキ操作が実施されていない状態)であるか否かを判定する。ブレーキがOFF状態であるとき、S250−2に進む。そうでない場合(ブレーキがON状態の場合)、S250−3に進む。
S250−2において、コントローラ100は、記憶装置(図示せず)に記憶されているダイレクトモード(Dモード)用の許容車速(請求の範囲に記載の「第2許容車速」に対応。)値を読み込み、その後S260に進む。すなわち、第1の実施形態のS250の制御と同一の制御を実行する。
一方、S250−1でブレーキがON状態と判定された場合、S250−3において、コントローラ100は、図8のテーブルの点線部分内に示すような、ブレーキON時のダイレクトモード用の許容車速値を読込み、その後S260に進む。
このブレーキON時のダイレクトモード用の許容車速値は、ブレーキOFF時の許容車速値に比べて、高速側に設定されている。図8テーブルのテーブルに示すように、例えば2速では、30Km/hより高速な50km/hに設定されている。
なお、図8に示すように、各変速段において、ブレーキOFF状態用のダイレクトモード用許容車速値と、ブレーキON状態用のダイレクトモード用許容車速値との2つの値を記憶装置に記憶してもよいが、これの代わりに、各変速段においてダイレクトモード用許容車速値を記憶装置に1つ記憶して、ブレーキのON/OFFに応じて許容車速値を設定変更するようにしてもよい(特許請求の範囲の第2許容車速設定手段としてコントローラ100が機能する。)。また、この場合、ブレーキのON/OFF状態で2つの値の間で設定変更するのではなく、ブレーキの踏込み量が大きくなるに従い、段階的または連続的に許容車速値を高速側の値に設定変更するようにしてもよい。
本実施形態によれば、シフトレバー3がDレンジ位置に操作されている場合)、シフトダウンの実行可能な車速の上限が、運転者がブレーキ操作を実施しているときは、ブレーキ操作を実施していないときに比べて高くなる。これにより、ステアリングダウンスイッチ46による変速を過度に制限することがなくなる。
(第3の実施形態)
本実施形態も第2の実施形態と同様に、ステアリングダウンスイッチの操作時の車速がダイレクトモード用許容車速より大きく、かつその操作に基づくシフトダウンが実行されて大きなエンジンブレーキが発生しても運転者に違和感を与えることがない状況を考慮したものである。ただし、第2の実施形態と異なる状況である。
上述する、ステアリングダウンスイッチの操作時の車速がダイレクトモード用許容車速より大きく、その操作に基づくシフトダウンの実行後に大きなエンジンブレーキが発生しても運転者に違和感を与えない状況とは、ステアリングダウンスイッチ操作時にアクセル開度が所定の開度より大きい状況である。ここで言う、所定の開度とは、これより大きいときにはエンジンが加速状態となり、変速段がシフトダウンされてもエンジンブレーキが発生しない値である。
したがって、シフトレバー3がDレンジ位置に操作されている場合において、ステアリングダウンスイッチの操作時の車速がダイレクトモード用許容車速より大きくても、アクセル開度が所定の開度より大きいときは、第1の実施形態と異なり、ステアリングダウンスイッチの操作によるシフトダウンを禁止せずに実行する。これにより、エンジンブレーキの発生の問題が生じない状態で徒にシフトダウンを禁止することを回避する。このことを可能にする本実施形態を説明する。
本実施形態の構成は、第1の実施形態とほぼ同一であり、異なる点はアクセル開度に基づく変速制御内容である。
本実施形態の変速制御の一例を示すフローチャートは、図7に示すフローチャートとほぼ同じで、S280の制御を、図10に示すS280−1、S280−2、およびS280−3の制御に置換したものである。したがって、図10に示すS280−1、S280−2、S280−3のみを説明する。
S260で車速センサ101が検出した車速が許容車速より小さくない(大きい)と判定すると、S280−1において、コントローラ100は、シフト位置センサ103からの信号に基づいて、シフトレバー3の操作位置がMレンジ位置かDレンジ位置かを判定する。シフトレバー3がDレンジ位置にある場合、S280−2に進む。シフトレバー3がMレンジ位置にある場合、S280−3に進み、シフトダウンを不実行とする。そして、リターンに進み、スタートに戻る(図7参照。)。
S280−2において、コントローラ100は、アクセル開度センサ102からの信号に基づいて、アクセル開度が所定の開度より小さいか否かを判定する。すなわち、所定の開度とは、これより大きいときにはエンジンが加速状態となり、変速段がシフトダウンされてもエンジンブレーキが発生しない値である。小さい場合、S280−3に進み、シフトダウンを不実行とする。そして、リターンに進み、スタートに戻る(図7参照。)。
一方、S280−2でアクセル開度が所定値より小さくない(大きい)と判定した場合、S270に進み、コントローラ100は、シフトダウンを実行する。
本実施形態によれば、シフトレバー3がDレンジ位置に操作されている場合において、ステアリングダウンスイッチの操作時の車速がダイレクトモード用許容車速より大きくても、アクセル開度が所定の開度より大きいときは、ステアリングダウンスイッチの操作によるシフトダウンが実行される。これにより、エンジンブレーキの発生の問題が生じない状態で徒にシフトダウンを禁止することを回避する。
(第4の実施形態)
第1の実施形態は、エンジンの回転数に関する問題、すなわちエンジンの過回転やエンジンの回転数の急な低下(エンジンブレーキ)を抑制する制御を、車速に基づいて実行している。したがって、車速と、過回転状態のエンジンの回転数やエンジンブレーキ発生時の回転数との関係を予め調べておく必要がある(図8に示すテーブルを作成する必要がある。)。本実施形態は、車速ではなく、エンジン回転数に基づいて、第1の実施形態と同様の制御を実行する。したがって、予めエンジンの回転数と車速との関係を調べる必要がなくなる。
本実施形態の構成は、第1の実施形態とほぼ同一であり、異なる点はエンジン回転数を検出するエンジン回転数センサを有することと、エンジン回転数センサが検出するエンジン回転数に基づいてシフトダウン後のエンジン回転数をコントローラが算出する(特許請求の範囲に記載の「シフトダウン後回転数算出手段」としてコントローラが機能する)ことと、変速制御内容である。
図11は、シフトレバー3がDレンジ位置に操作されている場合においてステアリングダウンスイッチ46の操作によって変速段がシフトダウンされて起こる不具合の発生、特に大きなエンジンブレーキの発生を抑制するための、エンジン回転数に基づく変速制御の一例を示すフローチャートである。
まず、S300において、図6に示す各センサおよびスイッチ、それに加えてエンジン回転数センサからの信号がコントローラ100に入力される。
次に、S310において、コントローラ100は、現在の変速段が1速であるか否かを判定する。1速である場合、シフトダウンはないので、リターンに進み、スタートに戻る。1速でない場合、S320に進む。
S320において、コントローラ100は、ステアリングダウンスイッチ46がONされたか否かを判定する。そして、OFFの状態からONされた直後であれば、S330に進む。そうでない場合、リターンに進み、スタートに戻る。
S330において、コントローラ100は、エンジン回転数センサからの信号に基づいて、現在の変速段からシフトダウンした後のエンジン回転数Nを算出する。算出は、現在のエンジン回転数と、現在の変速段の減速比と、シフトダウン後の変速段の減速比とから行う。
続いて、S340において、コントローラ100は、シフト位置センサ103からの信号に基づいて、シフトレバー3の操作位置がMレンジ位置かDレンジ位置かを判定する。シフトレバー3がMレンジ位置にある場合、S350に進む。シフトレバー3がDレンジ位置にある場合、S360に進む。
S350において、コントローラ100は、記憶装置(図示せず)に記憶されている手動変速モード用の許容回転数(請求の範囲に記載の「第1許容回転数」に対応。)値を読み込み、その後S370に進む。記憶装置には、図12に示すテーブルのように、手動変速モード(Mモード)用の許容回転数値がデータとして記憶されている。図12に示すように、6500RPMが記憶されている。この回転数(値)は、自動車の仕様によって異なる。
この手動変速モード用の許容回転数(値)は、例えば変速段のシフトダウンが実行された後のエンジン回転数が、これより高回転であるとエンジンが過回転状態にあるという値に設定されている。この、手動変速モード用の許容回転数(値)は、予め実験的に求められている。
一方、S360において、コントローラ100は、記憶装置(図示せず)に記憶されているダイレクトモード(Dモード)用の許容回転数(請求の範囲に記載の「第2許容回転数」に対応。)値を読み込み、その後S370に進む。記憶装置には、図12に示すテーブルのように、ダイレクトモード(Dモード)用の許容回転数値がデータとして記憶されている。図12に示すように、4500RPMが記憶されている。
このダイレクトモード用の許容回転数(値)は、変速段のシフトダウンが実行された後のエンジン回転数が、これより高回転であると大きなエンジンブレーキが発生しうる値に設定されている。例えば、シフトダウン後の回転数が4500RPMより高回転であると、シフトダウン後に大きなエンジンブレーキが発生する。
また、ダイレクトモード用の許容回転数(値)は、図12に示すように、手動変速モード用の許容回転数(値)より、小さく設定されている。2つのモードの許容回転数の差は、2000RPMである。なお、自動車の仕様によってこの差は異なる。
S370において、コントローラ100は、S330で算出したシフトダウン後の回転数Nが、S350またはS360のいずれか一方で読み込んだ許容回転数より小さいか否かを判定する。小さい場合、S380に進み、コントローラ100は、S320のステアリングダウンスイッチ46の操作に基づく変速段のシフトダウンを実行する。そして、リターンに進み、スタートに戻る。
一方、S330で算出した回転数Nが、許容回転数より小さくない場合(大きい場合)、S390に進み、コントローラ100は、シフトダウンを不実行とする(言い換えると、S320のステアリングダウンスイッチ46の操作をなかったものとする。)。そして、リターンに進み、スタートに戻る。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、シフトレバー3がMレンジ位置に操作されているときは、運転者の操作が可能な限り尊重された変速制御が行われると共に、シフトレバー3がDレンジ位置に操作されているとき、すなわちステアリングダウンスイッチ46の不適切な操作が行われやすいときは、エンジンの過回転の異常事態には至らなくても、予期しない大きなエンジンブレーキの発生など運転者に違和感を与えるような変速が禁止される。ただし、第1の実施形態とは異なり、車速ではなくエンジン回転数に基づいて制御を行うため、予めエンジンの回転数と車速との関係を調べる必要がなく、また、調べた関係をデータとして記憶する装置も必要がない。
以上、4つの実施形態を挙げて、本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されない。
例えば、第4の実施形態のような、エンジン回転数に基づいて、シフトレバーがDレンジ位置に操作されている場合においてステアリングダウンスイッチの操作によるシフトダウンを実行するか否かの判断をする制御に、第2の実施形態のような、ブレーキ操作の有無に基づいてステアリングダウンスイッチの操作によるシフトダウンを実行するか否かの判断をする制御を加えてもよい。
すなわち、第4の実施形態は、シフトレバーがDレンジ位置に操作されている場合において、シフトダウン後に大きなエンジンブレーキが発生して運転者に違和感を与えるとして、ステアリングダウンシフトダウンスイッチの操作によるシフトダウンが実行された後のエンジン回転数がダイレクトモード用許容回転数より大きいと予測される場合、そのステアリングダウンスイッチ操作に基づくシフトダウンの実行を禁止しているが、これは過度に変速を禁止している。この対処として、第2の実施形態のように、ブレーキ操作時は大きなエンジンブレーキが発生しても運転者にほとんど違和感を与えることがないことを考慮することも可能である。
すなわち、図11に示すS360において、ステアリングダウンスイッチ操作時にブレーキが操作されていないときは、図12のテーブルの実線部分内に示すダイレクトモードの4500RPMを読込み、ブレーキ操作が実施されているときは、4500RPMより大きい点線部分内に示す6000RPMを読み込む。これにより、シフトレバーがDレンジ位置に操作されている場合において、シフトダウンの実行可能なエンジン回転数の上限が、運転者がブレーキ操作を実施しているときは、ブレーキ操作を実施していないときに比べて高くなる。これにより、ステアリングダウンスイッチによる変速を過度に制限することがなくなる。
また、第4の実施形態は、第3の実施形態のように、アクセル開度を考慮する、具体的に言えば、シフトレバーがDレンジ位置に操作されている場合において、シフトダウン後のエンジン回転数がダイレクトモード用許容回転数より大きいと予測される場合であっても、該シフトダウンに対応するステアリングダウンスイッチ操作時にアクセル開度が所定の開度より大きいのであれば、エンジンは加速状態となり、変速段がシフトダウンされてもエンジンブレーキが発生しないことを考慮することも可能である。
すなわち、シフトレバーがDレンジ位置に操作されている場合において、シフトダウン後のエンジン回転数がダイレクトモード用許容回転数より大きいと予測されても、該シフトダウンに対応するステアリングダウンスイッチの操作時にアクセル開度が所定の開度より大きいのであれば、該シフトダウンを禁止せずに実行する。これにより、エンジンブレーキの発生の問題が生じない状態で徒にシフトダウンを禁止することを回避する。
以上のように、本発明に係る自動変速機の制御装置によれば、ステアリングホイールに手動変速モードで変速操作を行うためのスイッチが設けられ、このスイッチの操作により、シフトレバーが自動変速モード用のレンジに操作されている状態でも変速が可能とされた自動変速機において、運転者の不適切なスイッチ操作、特にシフトダウンスイッチの操作によって変速段がシフトダウンされて起こる不具合の発生を抑制することができる。したがって、本発明は、この種の自動車用自動変速機の製造産業分野において、好適に利用される可能性がある。
本発明の実施の形態を構成する各構成要素の配置を示す自動車の全部の概略図である。 シフトレバー及びその操作位置を示す図である。 ステアリングダウンスイッチ及びステアリングアップスイッチの配置を示す図である。 メーターユニットの構成を示す図である。 同メーターユニットにおける自動変速機用インジケータの要部の点灯状態を示す図である。 本発明の実施の形態の制御システムを示すブロック図である。 第1の実施形態の変速制御動作を示すフローチャートである。 許容車速のテーブルを示す図である。 第2の実施形態の変速制御動作を示すフローチャートの一部である。 第3の実施形態の変速制御動作を示すフローチャートの一部である。 第1の実施形態の変速制御動作を示すフローチャートである。 許容回転数のテーブルを示す図である。
符号の説明
2 自動変速機
46 シフトダウンスイッチ(ステアリングダウンスイッチ)
100 第1手動変速制御手段、第2手動変速制御手段、第1シフトダウン禁止手段、第2シフトダウン禁止手段(コントローラ)

Claims (2)

  1. 走行状態に応じて変速段が自動的に切り換る自動変速モードと、運転者の手動操作によって変速段が切り換わる手動変速モードとが設定され、これらのモードを選択するシフトレバーが備えられていると共に、ステアリングホイール上又はその近傍に、手動操作により変速段をシフトダウンさせるシフトダウンスイッチが設けられた自動変速機の制御装置であって、
    車速を検出する車速検出手段と、
    アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、
    前記シフトレバーが手動変速モード選択位置に操作されている状態で、前記シフトダウンスイッチが操作されたときに変速段をシフトダウンさせる第1手動変速制御手段と、
    前記シフトレバーが自動変速モード選択位置に操作されている状態で、前記シフトダウンスイッチが操作されたときに変速段をシフトダウンさせる第2手動変速制御手段と、
    前記第1手動変速制御手段による制御中に、前記車速検出手段で検出された車速が第1許容車速よりも大きいときに前記シフトダウンスイッチによる変速段のシフトダウンを禁止する第1シフトダウン禁止手段と、
    前記第2手動変速制御手段による制御中に、前記車速検出手段で検出された車速が前記第1許容車速に比べて小さい値に設定された第2許容車速よりも大きく、かつ前記アクセル開度検出手段が検出するアクセル開度が所定の開度より小さいときに、前記シフトダウンスイッチによる変速段のシフトダウンを禁止する第2シフトダウン禁止手段とが備えられ、かつ、
    ブレーキ操作を検出するブレーキ操作検出手段と、
    前記ブレーキ操作検出手段がブレーキ操作を検出しているときは、非検出時に比べて前記第2許容車速を高速側の車速に設定する第2許容車速設定手段とを有することを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 走行状態に応じて変速段が自動的に切り換る自動変速モードと、運転者の手動操作によって変速段が切り換わる手動変速モードとが設定され、これらのモードを選択するシフトレバーが備えられていると共に、ステアリングホイール上又はその近傍に、手動操作により変速段をシフトダウンさせるシフトダウンスイッチが設けられた自動変速機の制御装置であって、
    エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
    アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、
    前記エンジン回転数検出手段に基づいてシフトダウン後のエンジン回転数を算出するシフトダウン後回転数算出手段と、
    前記シフトレバーが手動変速モード選択位置に操作されている状態で、前記シフトダウンスイッチが操作されたときに変速段をシフトダウンさせる第1手動変速制御手段と、
    前記シフトレバーが自動変速モード選択位置に操作されている状態で、前記シフトダウンスイッチが操作されたときに変速段をシフトダウンさせる第2手動変速制御手段と、
    前記第1手動変速制御手段による制御中に、前記シフトダウン後回転数算出手段が算出したエンジン回転数が第1許容回転数よりも大きいときに前記シフトダウンスイッチによる変速段のシフトダウンを禁止する第1シフトダウン禁止手段と、
    前記第2手動変速制御手段による制御中に、前記シフトダウン後回転数算出手段が算出したエンジン回転数が前記第1許容回転数に比べて小さい値に設定された第2許容回転数よりも大きく、かつ前記アクセル開度検出手段が検出するアクセル開度が所定の開度より小さいときに、前記シフトダウンスイッチによる変速段のシフトダウンを禁止する第2シフトダウン禁止手段とが備えられ、かつ、
    ブレーキ操作を検出するブレーキ操作検出手段と、
    前記ブレーキ操作検出手段がブレーキ操作を検出しているときは、非検出時に比べて高回転数側の回転数に前記第2許容回転数を設定する第2許容回転数設定手段とを有することを特徴とする自動変速機の制御装置。
JP2008010171A 2008-01-21 2008-01-21 自動変速機の制御装置 Expired - Fee Related JP5167827B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008010171A JP5167827B2 (ja) 2008-01-21 2008-01-21 自動変速機の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008010171A JP5167827B2 (ja) 2008-01-21 2008-01-21 自動変速機の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009168232A JP2009168232A (ja) 2009-07-30
JP5167827B2 true JP5167827B2 (ja) 2013-03-21

Family

ID=40969628

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008010171A Expired - Fee Related JP5167827B2 (ja) 2008-01-21 2008-01-21 自動変速機の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5167827B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5186928B2 (ja) * 2008-01-18 2013-04-24 トヨタ自動車株式会社 自動変速機の制御装置および制御方法
EP2320111B1 (en) * 2009-11-04 2011-12-28 ZF Friedrichshafen AG Procedure for controlling gear changes in transmissions for vehicles
JP5457495B2 (ja) * 2012-05-02 2014-04-02 富士重工業株式会社 車両用制御装置
JP5873116B2 (ja) * 2014-01-23 2016-03-01 富士重工業株式会社 無段変速機の異常検知装置、及び、無段変速機の異常検知方法
JP2016088239A (ja) * 2014-11-03 2016-05-23 ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 車両用制御装置
JP2015108453A (ja) * 2015-02-13 2015-06-11 ヤマハ発動機株式会社 変速装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62292539A (ja) * 1986-06-12 1987-12-19 Honda Motor Co Ltd 自動車の自動変速機
JPH09226404A (ja) * 1996-02-28 1997-09-02 Aqueous Res:Kk 自動車の音声案内装置
JP4188359B2 (ja) * 2005-10-31 2008-11-26 本田技研工業株式会社 自動変速機の変速制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009168232A (ja) 2009-07-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8886420B2 (en) Control method for automatic transmission, and automatic transmission system
JP5167827B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP2014084111A (ja) 第1及び第2位置を有する自動車用パドルシフタ
JP2010159853A (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP2006313002A (ja) 車両の制御装置
JP5713113B2 (ja) 車両用制御装置
US20220282785A1 (en) Control Unit and Method for a Manual Shift Using a Graphical User Interface
JP2009168197A (ja) 自動変速機の制御装置
JP6007811B2 (ja) 自動変速機の制御方法および制御装置
JP2011231839A (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP7340146B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP6260637B2 (ja) 自動変速機の手動変速制御装置
JP4978490B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP2009162359A (ja) 自動変速機の制御装置
JP7080444B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP6264389B2 (ja) 自動変速機の手動変速制御装置
JP5888257B2 (ja) 自動変速機の制御方法および制御装置
JP2009161133A (ja) 自動変速機の表示装置
JP2020055329A (ja) 制御装置、制御方法及びプログラム
JP2009052723A (ja) 自動変速機のダウンシフト制御装置、及び自動変速機のダウンシフト学習装置
JP6264388B2 (ja) 自動変速機の手動変速制御装置
JP6260636B2 (ja) 自動変速機の手動変速制御装置
JP6264390B2 (ja) 自動変速機の手動変速制御装置
JP2024000427A (ja) エンジンの運転状態表示装置
JP4897843B2 (ja) 車両用変速制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20090618

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110413

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120315

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120321

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120517

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5167827

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees