JP5167067B2 - 減衰力可変ダンパの制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両のサスペンション装置に設けられたダンパの減衰力を、制御手段により可変制御する減衰力可変ダンパの制御装置に関する。
サスペンション装置用の可変減衰力ダンパの粘性流体として、磁界の作用で粘性が変化する磁気粘性流体(MRF:Magneto-Rheological Fluids)を採用し、シリンダに摺動自在に嵌合するピストン内に、その流体通路中の磁気粘性流体に磁界を作用させるためのコイルを設けたものが、特許文献1により公知である。この可変減衰力ダンパによれば、コイルに通電して発生した磁界で流体通路中の磁気粘性流体の粘性を変化させることで、ダンパの減衰力を任意に制御することができる。
また、サスペンション装置のバネ上質量の上下方向の絶対速度x′と、ダンパの伸縮によるバネ上質量のバネ下質量に対する上下方向の相対速度y′と、が同一方向であるときにダンパの減衰力を高めに設定し、絶対速度x′と相対速度y′とが逆方向であるときにダンパの減衰力を低めに設定する、いわゆるスカイフック制御を行うものにおいて、サスペンション装置がバンプ時にフルバンプ(本発明の「最大圧縮状態」に対応)して、ダンパにおいてバウンドストッパとの衝突を生じたり、サスペンション装置がリバウンド時にフルリバウンド(本発明の「最大伸長状態」に対応)して、ダンパにおいてリバウンドストッパとの衝突を生じたりするのを防止するため、バネ上質量の上下加速度x″から車体の振動の大きさX(あおり度)を検出して、車体の振動が大きい場合や、ダンパの伸び量および縮み量が大きくて、相対変位量yが所定の範囲内から外れた場合(y>y1 or y<y2)には、減衰力を設定する目標減衰係数の下限値を所定制限値以上に制限し、ダンパの自由な変位を抑制し、ダンパにおける前記バウンドストッパやリバウンドストッパとの衝突を避ける技術が特許文献2に記載されている。
ちなみに、バネ上質量の上下方向の絶対速度x′は、上方向を正とし、下方向を負とし、ダンパの伸縮によるバネ上質量のバネ下質量に対する上下方向の相対速度y′は、基準値からの増加量(ダンパの伸び側)を正とし、基準値からの減少量(ダンパの縮み側)を負としている。
特開昭60−113711号公報 特開平10−119528号公報
しかしながら、前記特許文献2の技術は、バウンドストッパやリバウンドストッパとの衝突を避けるための減衰力の制御を、個々のサスペンション装置のバネ上質量のダンパの相対変位量yが所定の範囲内から外れた場合に、所定値以上の減衰力を出すように制御している。
例えば、左右の前輪が略同時に落ち込んで、左右のダンパが伸び方向に動作し、車体前部(バネ上質量)が落ち込むときに、左右のダンパがフルリバウンドしてリバウンドストッパと衝突しないように所定の値に減衰力を増大させる場合は、左右の前輪の2つのダンパの減衰力が期待でき、その後は、スカイフック制御により、2つのダンパの減衰力を増大させて車体前部の落ち込みを少なくし、さらに、バウンドストッパと衝突しないように所定の値に減衰力を増大させることにより、バネ上質量からの荷重を支えることができる。
しかし、左右の前輪の一方のみが落ち込んで、その一方のダンパが伸び方向に動作し、車体前部の前記一方が落ち込むときに、その一方のダンパのみをフルリバウンドしてリバウンドストッパと衝突することのないように所定の値に減衰力を増大させる場合は、左右の前輪の一方のみのダンパの減衰力しか期待できず、その後は、スカイフック制御により、落ち込んだ一方の前輪のダンパの減衰力を増大させてその一方側に偏った車体前部の荷重による落ち込みを少なくしようとしても、その一方のダンパだけではバネ上質量からの荷重を支えることができず、その一方のダンパはフルバンプしてバウンドストッパに衝突させてしまう可能性があった。
本発明は、前記した従来の課題を解決するものであり、左右の対または前後の対になるダンパの一方のみのフルバンプ、フルリバウンド傾向の場合も、フルバンプ、またはフルリバウンドに到ることを防止できる減衰力可変ダンパの制御装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、4輪車両に設置され、車体と各車輪との間に配置されたダンパの減衰力を可変制御する減衰力可変ダンパの制御装置であって、各ダンパの伸縮状態量を取得する伸縮状態量取得手段と、伸縮状態量取得手段により取得された伸縮状態量にもとづき、ダンパの最大伸長状態、もしくは、最大圧縮状態に到達しないように各ダンパのフルストローク抑制目標減衰力を設定するフルストローク抑制減衰力設定手段と、各ダンパのうちの一つの伸縮方向と、車両の左右、または、前後で対となる他方のダンパの伸縮方向が同じ場合は、一つのダンパに対するフルストローク抑制目標減衰力を、対となる他方のダンパのフルストローク抑制目標減衰力に応じて、必要なときに規制を行う減衰力規制手段と、を備え、前記フルストローク抑制減衰力設定手段は、前記各ダンパのうちの少なくとも一つの伸縮状態量が、予め設定された第1の変位量を超えて伸び方向の動作をしている状態、または、予め設定された第2の変位量未満に縮み方向の動作をしている場合に、前記対となるダンパに対する前記フルストローク抑制目標減衰力を、前記対となるダンパの少なくとも伸縮状態量および該伸縮状態量の時間微分である相対速度に応じて、設定することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、減衰力規制手段が、4輪の各ダンパのうちの一つの伸縮方向と、車両の左右、または、前後で対となる他方のダンパの伸縮方向が同じ場合は、一つのダンパに対するフルストローク抑制目標減衰力を、対となる他方のダンパのフルストローク抑制目標減衰力に応じて、必要なときに規制を行うことにしているので、例えば、対の一方のダンパのみが最大伸長状態、もしくは、最大圧縮状態に近づいた場合のその一方のダンパのフルストローク抑制目標減衰力を、対となる2つのダンパが最大伸長状態、もしくは、最大圧縮状態に近づいた場合よりも大きな減衰力とすることができるように規制を制御して、その一つのダンパの減衰力をより大きくして、一つのダンパで車体前部または車体後部、もしくは、車体左側または車体右側のバネ上質量からの荷重を支持できるようにすることができる。
また、フルストローク抑制減衰力は、各ダンパのうちの少なくとも一つの伸縮状態量が、第1の変位量を超えて伸び方向の動作をしている状態、または、第2の変位量未満に縮み方向の動作をしている場合に、対となるダンパの少なくとも伸縮状態量およびその伸縮状態量の時間微分である相対速度に応じて設定されるので、ダンパの最大伸長状態、または、最大圧縮状態に到達しないような適切なフルストローク抑制減衰力を対のダンパそれぞれ個別に適切に設定することができる。
請求項2に記載の発明は、4輪車両に設置され、車体と各車輪との間に配置されたダンパの減衰力を可変制御する減衰力可変ダンパの制御装置であって、前記各ダンパの伸縮状態量を取得する伸縮状態量取得手段と、前記伸縮状態量取得手段により取得された前記伸縮状態量にもとづき、前記ダンパの最大伸長状態、もしくは、最大圧縮状態に到達しないように前記各ダンパのフルストローク抑制目標減衰力を設定するフルストローク抑制減衰力設定手段と、前記各ダンパのうちの一つの伸縮方向と、車両の左右、または、前後で対となる他方の前記ダンパの伸縮方向が同じ場合は、前記一つのダンパに対する前記フルストローク抑制目標減衰力を、前記対となる他方のダンパの前記フルストローク抑制目標減衰力に応じて、必要なときに規制を行う減衰力規制手段と、を備え、前記減衰力規制手段は、前記対となるダンパのうちの一方のダンパと他方のダンパで発生させるフルストローク抑制目標減衰力の合計の最大値を予め設定し、前記対となるダンパのうちの前記他方のダンパの前記フルストローク抑制減衰力設定手段により設定されたフルストローク抑制目標減衰力が、前記合計の最大値の半分未満である場合には、前記一方のダンパの前記フルストローク抑制目標減衰力の上限値を、前記合計の最大値から前記他方のダンパの前記設定されたフルストローク抑制目標減衰力を減算した値として設定し、前記一方のダンパの前記フルストローク抑制減衰力設定手段により設定されたフルストローク抑制目標減衰力を、必要に応じて前記上限値に規制し、前記対となるダンパのうちの前記他方のダンパの前記フルストローク抑制減衰力設定手段により設定されたフルストローク抑制目標減衰力が、前記合計の最大値の半分以上である場合には、前記一方のダンパの前記フルストローク抑制目標減衰力の上限値を、前記合計の最大値の半分の値として設定し、前記一方のダンパの前記フルストローク抑制減衰力設定手段により設定されたフルストローク抑制目標減衰力を、必要に応じて前記上限値に規制することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、減衰力規制手段が、4輪の各ダンパのうちの一つの伸縮方向と、車両の左右、または、前後で対となる他方のダンパの伸縮方向が同じ場合は、一つのダンパに対するフルストローク抑制目標減衰力を、対となる他方のダンパのフルストローク抑制目標減衰力に応じて、必要なときに規制を行うことにしているので、例えば、対の一方のダンパのみが最大伸長状態、もしくは、最大圧縮状態に近づいた場合のその一方のダンパのフルストローク抑制目標減衰力を、対となる2つのダンパが最大伸長状態、もしくは、最大圧縮状態に近づいた場合よりも大きな減衰力とすることができるように規制を制御して、その一つのダンパの減衰力をより大きくして、一つのダンパで車体前部または車体後部、もしくは、車体左側または車体右側のバネ上質量からの荷重を支持できるようにすることができる。
また、減衰力規制手段において、例えば、対となるダンパのうちの一方のダンパと他方のダンパで発生させるフルストローク抑制目標減衰力の合計の最大値を、対のダンパ2つで車体前部または車体後部、もしくは、車体左側または車体右側のバネ上質量からのフルバンプ(最大圧縮状態)傾向時の荷重を支持できるように設定しておくと、対の他方のダンパのフルストローク抑制目標減衰力が小さくて良いときは、対の一方のダンパのフルストローク抑制目標減衰力を合計の最大値の許す範囲でより大きく許容して、対の一方のダンパ側に偏って掛かる車体前部または車体後部、もしくは、車体左側または車体右側のバネ上質量からのフルバンプ傾向時の荷重を支持できる。
また、このようにフルストローク抑制目標減衰力の上限値の規制をすることにより、例えば、前記特許文献2に記載のように、一つのダンパで発生させるフルストローク抑制目標減衰力の上限値をそれぞれ、車体前部または車体後部、もしくは、車体左側または車体右側のバネ上質量からのフルバンプ傾向時の荷重を支持できるように大きめに設定しておくと、対のダンパ2つともフルバンプ傾向時に、それぞれのダンパに設定されるフルストローク抑制目標減衰力が大き過ぎて、乗り心地が悪く(硬く)なることを防止できる。
また、このようなフルストローク抑制目標減衰力の上限値の規制をしているので、減衰力可変ダンパに消費される電力を無駄に大きくすることを抑制でき、結果として、車両の燃費改善に役立つ。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明の構成に加えて、さらに、フルストローク抑制減衰力設定手段は、各ダンパのうちの少なくとも一つの伸縮状態量が、予め設定された第1の変位量を超えて伸び方向の動作をしている状態、または、予め設定された第2の変位量未満に縮み方向の動作をしている場合に、対となるダンパに対するフルストローク抑制目標減衰力を、対となるダンパの少なくとも伸縮状態量およびその伸縮状態量の時間微分である相対速度に応じて、設定することを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、フルストローク抑制減衰力は、各ダンパのうちの少なくとも一つの伸縮状態量が、第1の変位量を超えて伸び方向の動作をしている状態、または、第2の変位量未満に縮み方向の動作をしている場合に、対となるダンパの少なくとも伸縮状態量およびその伸縮状態量の時間微分である相対速度に応じて設定されるので、請求項2に記載の発明の効果に加えて、ダンパの最大伸長状態、もしくは、最大圧縮状態に到達しないような適切なフルストローク抑制減衰力を対のダンパそれぞれ個別に適切に設定することができる。
本発明によれば、左右の対または前後の対になるダンパの一方のみのフルバンプ(最大圧縮状態)、フルリバウンド(最大伸長状態)に到る傾向の場合も、フルバンプ、またはフルリバウンドに到ることを防止すると共に、ダンパの最大伸長状態、または、最大圧縮状態に到達しないような適切なフルストローク抑制減衰力を対のダンパそれぞれ個別に適切に設定可能な減衰力可変ダンパの制御装置を提供することができる。
以下に、本発明の実施形態に係る減衰力可変ダンパの制御装置を、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態に係る減衰力可変ダンパの制御装置を適用した4輪車両の概略構成図であり、図2は、車両のサスペンション装置の正面図、図3は、減衰力可変ダンパの縦断面図である。
まず、図1を参照して、本実施形態に係る減衰力可変ダンパの制御装置を適用した4輪車両の概略構成を説明する。
説明に当たり、4個の車輪やそれらに対して配置された装置や部材(タイヤやサスペンション装置等)や、後記する図4、図5、図6における機能ブロック図の4個の車輪それぞれに対して設けられた駆動回路や、機能構成部や、目標電流値等の信号については、それぞれの装置、部材、機能構成部を示す数字の符号や、目標電流値等の信号を示す英文字符号の後に、左前輪を示す符号fl、右前輪を示す符号fr、左後輪を示す符号rl、右後輪を示す符号rrをそのまま付すか、添え字として付して、例えば、車輪3fl,3fr,3rl,3rrと記載するとともに、総称する場合には、それらの符号を外して、例えば、車輪3と記載する。
図1に示すように車両100は、タイヤ2が装着された4個の車輪3を備えており、これら各車輪3がサスペンションアーム43(図2参照)や、コイルスプリング41(図2参照)、ダンパ20(図2参照)等からなるサスペンション装置4によって車体1に懸架されている。
車両100には、車体1に搭載された各ダンパ20の減衰力を統括制御する制御装置7(以下、ECU(Electronic Control Unit)7と称する)の他、横加速度を検出する横Gセンサ10や、ヨーレートを検出するヨーレートセンサ11、車速を検出する車速センサ14等が車体1に設置されている。
ここで、ECU7が請求項に記載の「減衰力可変ダンパの制御装置」に対応する。
また、車両100には、ホイールハウス付近の上下加速度(バネ上質量である車体側部材の上下方向の加速度)を検出するバネ上Gセンサ12と、ダンパ20およびサスペンション装置4の伸縮状態量であるストローク変位(車体側部材に対する車輪側部材の相対変位)を検出する変位量センサ(伸縮状態量取得手段)13と、図示しないバッテリからダンパ20に減衰力制御のために供給する直流電流をPWM(Pulse Width Modulation)制御する駆動回路6が車輪3ごとに設置されている。
《サスペンション装置》
図2に示すように、車輪3を懸架するサスペンション装置4は、車体1にナックル5を上下動自在に支持するサスペンションアーム43と、サスペンションアーム43および車体1を接続する可変減衰力のダンパ20と、サスペンションアーム43またはダンパ20のシリンダ21と車体1とを接続するコイルスプリング41とを備える。
ダンパ20の減衰力を制御するECU7には、横Gセンサ10(図1参照)からの信号と、ヨーレートセンサ11(図1参照)からの信号と、バネ上Gセンサ12からの信号と、変位量センサ13からの信号と、車速センサ14(図1参照)からの信号が入力される。
(ダンパ)
図3に示すように、ダンパ20は、下端がサスペンションアーム43(図2参照)に接続されたシリンダ21と、シリンダ21内壁に摺動自在に嵌合するピストン22と、ピストン22から上方に延びてシリンダ21の上壁を液密に貫通し、上端がサポートプレート29を介して車体1(図2参照)に接続されたピストンロッド23と、シリンダ21の下部内壁に摺動自在に嵌合するフリーピストン24とを備えている。シリンダ21の内部には、ピストン22により仕切られた上側の第1流体室25および下側の第2流体室26が区画されるとともに、フリーピストン24の下部に圧縮ガスが封入されたガス室27が区画される。
ピストン22にはその上下面を連通させるように複数の流体通路22a…が形成されており、これらの流体通路22a…によって第1、第2流体室25,26が相互に連通する。第1、第2流体室25,26および流体通路22a…に封入される磁気粘性流体は、オイルのような粘性流体に鉄粉のような磁性体微粒子を分散させたもので、磁界を加えると磁力線に沿って磁性体微粒子が整列することで粘性流体が流れ難くなり、見かけの粘性が増加する性質を有している。
ピストン22の内部には、周方向に沿ってコイル28が設けられており、そのコイル28への給電線35は、ピストンロッド23の中心部に設けられた図示しない中空部を経て上端から車体1(図2参照)へ配線され、ECU7から出力されるPWM制御指令値が駆動回路6(図2参照)に入力され、駆動回路6により前記給電線35を通じてコイル28への通電が制御される。コイル28に通電されると矢印で示すように磁束が発生し、流体通路22a…を通過する磁束により磁気粘性流体の粘性が変化する。
ダンパ20が収縮してシリンダ21に対してピストン22が下動すると、第1流体室25の容積が増加して第2流体室26の容積が減少するため、第2流体室26の磁気粘性流体がピストン22の流体通路22a…を通過して第1流体室25に流入し、逆にダンパ20が伸長してシリンダ21に対してピストン22が上動すると、第2流体室26の容積が増加して第1流体室25の容積が減少するため、第1流体室25の磁気粘性流体がピストン22の流体通路22a…を通過して第2流体室26に流入する。その際に流体通路22a…を通過する磁気粘性流体の粘性抵抗によりダンパ20が減衰力を発生する。
このとき、コイル28に通電して磁界を発生させると、ピストン22の流体通路22a…に存在する磁気粘性流体の見かけの粘性が増加して該流体通路22aを通過し難くなるため、ダンパ20の減衰力が増加する。この減衰力の増加量は、コイル28に供給する電流の大きさにより任意に制御することができる。
なお、ダンパ20に衝撃的な圧縮荷重が加わって第2流体室26の容積が減少するとき、ガス室27を縮小させながらフリーピストン24が下降することで衝撃を吸収する。またダンパ20に衝撃的な引張荷重が加わって第2流体室26の容積が増加するとき、ガス室27を拡張させながらフリーピストン24が上昇することで衝撃を吸収する。
さらに、ピストン22が下降してシリンダ21内に収納されるピストンロッド23の容積が増加したとき、その容積の増加分を吸収するようにフリーピストン24が下降する。
また、ピストンロッド23の上端側には、ピストンロッド23に固定され、車体1(図2参照)側に支持された弾性体で構成されたバウンドストッパ31が設けられ、サスペンション装置4がフルバンプしたとき(最大圧縮状態になったとき)に、ダンパ20のシリンダ21の上端面と車体1側との間の衝突による衝撃を緩和する。同様に、サスペンション装置4がフルリバウンドしたとき(最大伸長状態になったとき)に、ダンパ20のシリンダ21の上端下面とピストン22の上端面との間の衝突による衝撃を緩和するため、シリンダ21の上端下面に弾性体で構成されたリバウンドストッパ33が設けられている。
減衰力可変ダンパの制御装置》
次に、減衰力可変ダンパの制御装置について説明する。図4は、減衰力可変ダンパの制御装置のハード的な概略構成を示すブロック図である。
図4に示すように、ECU7は、図示省略のCPU、ROM、RAM、不揮発メモリ、入出力インタフェース、各種ドライバ等を含むマイクロコンピュータ7aや、マイクロコンピュータ7aの入出力インタフェースに接続する入力インタフェース回路7b、出力インタフェース回路7cから構成されている。入力インタフェース回路7bには、フィルタ処理回路やA/D変換器等が含まれる。
ECU7は、横Gセンサ10で検出した横加速度aS(図5参照)、ヨーレートセンサ11で検出したヨーレートγ(図5参照)、バネ上Gセンサ12fl,12fr,12rl,12rrで検出したバネ上質量の上下加速度xfl″,xfr″,xrl″,xrr″(図5
参照)、変位量センサ13fl,13fr,13rl,13rrで検出したサスペンション装置4のストローク変位yfl,yfr,yrl,yrr(図5参照)、車速センサ14で検出した車速V(図5参照)にもとづいて、各車輪3fl,3fr,3rl,3rrの合計4個のダンパ20fl,20fr,20rl,20rrの減衰力を制御するためのPWM制御用の目標電流値を設定して駆動回路6fl,6fr,6rl,6rrに出力する。このとき、ECU7は、路面の凹凸を乗り越える際の車両の動揺を抑えて乗り心地を高めるスカイフック制御と、路面の凹凸を乗り越える際にダンパ20fl,20fr,20rl,20rrがフルバンプ(最大圧縮状態)や、フルリバウンド(最大伸長状態)となり、ショック音を発生しないようにダンパ20fl,20fr,20rl,20rrのフルストローク変位を抑制する衝突防止制御(以下、「フルバンプ・フルリバウンド抑制制御」と称する)を選択的に実行して、PWM制御用の目標電流値を設定して駆動回路6fl,6fr,6rl,6rrに出力する。
駆動回路6fl,6fr,6rl,6rrは、PWM制御用の目標電流値をECU7から入力されて、直流電流値をPWM制御してダンパ20fl,20fr,20rl,20rrの減衰力を個別に制御する。
《ECUの機能ブロック構成》
次に、ECU7に含まれるマイクロコンピュータ7aにおいて、ROMに格納されたプログラムや不揮発メモリに格納された定数や、制御用のマップデータを用いて前記したスカイフック制御とフルバンプ・フルリバウンド抑制制御について、図5から図17を参照して説明する。
図5は、減衰力可変ダンパの制御装置の機能ブロック図であり、図6は、図5における目標電流値制限演算部の詳細な機能ブロック図である。図7は、サスペンションモデルの説明図であり、図8は、スカイフック制御における目標減衰力マップの説明図であり、図9は、スカイフック制御の説明図である。
図5に示すように、ECU7には、入力信号として、横Gセンサ10で検出した横加速度as、ヨーレートセンサ11で検出したヨーレートγ、バネ上Gセンサ12(図5中、12fl,12fr,12rl,12rrと表示)で検出した絶対的な空間に対する車体1の局所的な上下方向の加速度(バネ上質量19(図7参照)の上下加速度)x″(図5
中、xfl″,xfr″,xrl″,xrr″と表示)、変位量センサ13(図5中、13fl,
13fr,13rl,13rrと表示)で検出したサスペンション装置4のストローク変位y(図5中、yfl,yfr,yrl,yrrと表示)、車速センサ14で検出した車速Vが入力される。
以下、ストローク変位yは、変位量yと称する。ここで、変位量yが請求項に記載の「伸縮状態量」に対応する。
ここで、上下加速度x″は、正のとき上方向の加速度を表し、負のとき下方向の加速度を表している。
変位量センサ13が出力する変位量yは、図7におけるバネ上質量19に対応する車体1(図2参照)の、図7におけるバネ下質量18に対応する車輪3およびサスペンションアーム43(図2参照)に対する上下方向の距離Lの基準値L0からの相対的な変位量である。ただし、この相対的な変位量yは、正値のとき基準値L0からの増加量(ダンパ20の伸び側)を表し、負値のとき基準値L0からの減少量(ダンパ20の縮み側)を表す。
図7に示すサスペンション装置4のモデルから明らかなように、路面にタイヤ2の仮想的なバネ17を介してバネ下質量18が接続され、バネ下質量18にダンパ20およびコイルスプリング41を介してバネ上質量19が接続される。ダンパ20の減衰力はコイル28(図3参照)への通電により可変である。
図5に戻って、ECU7は、機能構成部として、各ダンパ20fl,20fr,20rl,20rrに対応させて変位量初期値取得部71fl,71fr,71rl,71rrとスカイフック制御部73fl,73fr,73rl,73rrを含み、さらに、4輪ダンパ伸縮状態判定部75、衝突防止制御部77を含んでいる。
さらに、ECU7は、機能構成部として、図示省略の旋回姿勢制御部を含んでいる。
(変位量初期値取得部)
変位量初期値取得部71(図5中、71fl,71fr,71rl,71rrと表示)は、車速センサ14からの車速Vの信号にもとづいて、車両100が停止状態の間、各サスペンション装置4の変位量yを周期的に読み込み、変位量yの移動平均値〈y〉を算出し、車両100が走行開始を検出したとき、最後の移動平均値〈y〉を変位量yの初期値(初期変位量とも称する)y0(図5中、y0fl,y0fr,y0rl,y0rrと表示)として不揮発メモリに記憶させ、スカイフック制御部73(図5中、73fl,73fr,73rl,73rrと表示)、衝突防止制御部77に含まれる後記する衝突防止目標電流設定部81(図5中、81fl,81fr,81rl,81rrと表示)および補正部85(図5中、85fl,85fr,85rl,85rrと表示)において、不揮発メモリから初期値(初期変位量)y0を読み出して用いられる。
本来、変位量yの初期値y0はゼロであるが、車両100に乗る乗員の数、車室内の乗員の配置、トランクルームへの荷物の搭載等により各サスペンション装置4にかかる荷重とコイルスプリング41の反発力との間の伸縮の吊り合い点はずれるものであり、サスペンション装置4またはダンパ20が、伸び側方向の変位か圧縮方向の変位かの判定をするための基準点でもある変位量の初期値y0は、各サスペンション装置4への荷重配分により異なるため、車両100の走行開始前に各サスペンション装置4に対する初期値y0を取得する。
また、初期値y0の値がゼロから負方向に変化した場合は、そのサスペンション装置4にかかるバネ上質量19(図7参照)が増加したことを意味し、ダンパ20がフルバンプやフルリバウンドをしないようにダンパ20の減衰力を設定する場合に、バネ上質量19が増加をしたことを補正部85において反映させる補正のときにも使用する。
(スカイフック制御部)
各スカイフック制御部73は、対応するバネ上Gセンサ12および対応する変位量センサ13から上下加速度x″および変位量yを読みこみ、変位量yを初期変位量y0で補正(y=y−y0)し、上下加速度x″を時間積分することにより、車体1の局所的な上下方向の絶対速度x′を計算するとともに、前記補正された変位量yを時間微分することにより車体1の車輪3およびサスペンションアーム43に対する上下方向の相対速度y′を計算する。そして、次に、スカイフック制御部73は、絶対速度x′を相対速度y′で除算して速度比x′/y′を計算する。この速度比x′/y′の計算後、前記したROMに記憶格納された目標減衰力マップ73a(図8参照)を参照して、速度比x′/y′に対応する目標電流値IT(1)(図5中、ITfl(1),ITfr(1),ITrl(1),ITrr(1)と表示)を決定し、目標電流値IT(1)を、対応する出力制御部89(図5中、89fl,89fr,89rl,89rrと表示)に入力する。また、スカイフック制御部73は、初期変位量y0で補正された変位量y、相対速度y′を4輪ダンパ伸縮状態判定部75人力するとともに、対応する衝突防止目標電流設定部81(図5中、81fl,81fr,81rl,81rrと表示)にも入力する。
目標減衰力マップ73aは、負から正に変化する速度比x′/y′に対して図8に示すような関係で変化する目標減衰力をダンパ20で作用させるための目標電流値IT(1)を決定するものである。例えば、速度比x′/y′が負の値であるとき、または、正の小さな所定値以下であるときには、目標電流値IT(1)をゼロに設定し、速度比x′/y′が前記所定値を超えて徐々に大きくなると、目標電流値IT(1)もゼロから徐々に増加する。
したがって、目標電流値IT(1)は、図9に示すように、絶対速度x′および相対速度y′の正負の符号が同じでそれらの方向が一致しているとき(車体1(ばね上質量19)の振動が制振状態にあるとき)、急激に立ち上がってその後に徐々に減少する値となり、また、絶対速度x′および相対速度y′の正負の符号が異なってそれらの方向が不一致であるとき(車体1(ばね上質量19)の振動が加振状態にあるとき)、例えば、ゼロとなる。
したがって、図9に示すように車輪3が路面の突起を乗り越す場合を考えると、(a)に示すように車輪3が突起の前半に沿って上昇する間は、車体1が上向きに移動してバネ上質量19の絶対速度x′が正値になり、ダンパ20やコイルスプリング41が圧縮されて、相対速度y′が負値になるため、両者が逆符号となってダンパ20は圧縮方向の減衰力を減少させるように制御される。
また、図9の(b)に示すように車輪3が突起の頂点を乗り越した直後は、車体1が慣性で依然として上向きに移動して絶対速度x′が正値になり、車体1の上昇によりダンパ20およびコイルスプリング41が伸長されて相対速度y′が正値になるため、両者が同符号となってダンパ20は伸長方向の減衰力を増加させるように制御される。
その後、図9の(c)に示すように車輪3が突起の後半に沿って下降する間は、車体1が下向きに移動して絶対速度x′が負値になり、車輪3が車体1よりも速く下降することにより、ダンパ20およびコイルスプリング41が伸長されて、相対速度y′が正値になるため、両者が逆符号となってダンパ20は伸長方向の減衰力を減少させるように制御される。
さらに、図9の(d)に示すように車輪3が突起を完全に乗り越した直後は、車体1が慣性で依然として下向きに移動して絶対速度x′が負値になり、車輪3が下降を停止することにより、ダンパ20およびコイルスプリング41が圧縮されて、相対速度y′が負値になるため、両者が同符号となってダンパ20は圧縮方向の減衰力を増加させるように制御される。
また、図9に示した突起の代わりに窪みがあったとして図9を用いて、車輪3が路面の窪みを通過する場合を考えると、車輪3が窪みの前半に沿って下降する間は、図9の(c)に示す状態と同じであり、車体1が下向きに移動して絶対速度x′が負値になり、車輪3が車体1よりも速く下降することにより、ダンパ20およびコイルスプリング41が伸長されて、相対速度y′が正値になるため、両者が逆符号となってダンパ20は伸長方向の減衰力を減少させるように制御される。
さらに、車輪3が窪みに完全に落ち込んだ直後は、図9の(d)に示す状態と同じであり、車体1が慣性で依然として下向きに移動して絶対速度x′が負値になり、車輪3が下降を停止することにより、ダンパ20およびコイルスプリング41が圧縮されて、相対速度y′が負値になるため、両者が同符号となってダンパ20は圧縮方向の減衰力を増加させるように制御される。
その後、車輪3が窪みの後半に沿って上昇する間は、図9の(a)に示す状態と同じであり、車体1が上向きに移動してバネ上質量19の絶対速度x′が正値になり、ダンパ20やコイルスプリング41が圧縮されて、相対速度y′が負値になるため、両者が逆符号となってダンパ20は圧縮方向の減衰力を減少させるように制御される。
また、車輪3が窪みを出た直後は、図9の(b)に示す状態と同じであり、車体1が慣性で依然として上向きに移動して絶対速度x′が正値になり、車体1の上昇によりダンパ20およびコイルスプリング41が伸長されて相対速度y′が正値になるため、両者が同符号となってダンパ20は伸長方向の減衰力を増加させるように制御される。
(4輪ダンパ伸縮状態判定部)
次に、図5に再び戻って、4輪ダンパ伸縮状態判定部75について説明する。
4輪ダンパ伸縮状態判定部75は、スカイフック制御部73fl,73fr,73rl,73rrから、変位量yflと相対速度yfl′の対のデータ、変位量yfrと相対速度yfr′の対のデータ、変位量yrlと相対速度yrl′の対のデータ、変位量yrrと相対速度yrr′の対のデータを入力され、サスペンション装置4fl,4fr,4rl,4rrの伸縮状態を監視し、また、横Gセンサ10から入力される横加速度aSと、ヨーレートセンサ11から入力されるヨーレートγと、車速センサ14から入力される車速Vを監視する。
そして、4輪ダンパ伸縮状態判定部75は、横加速度aSが所定の閾値以上、または、ヨーレートγが所定の閾値以上の場合に、車両100(図1参照)が旋回走行中と判定して、前記図示省略の旋回姿勢制御部に、例えば、特開2006−273220号公報に開示されているように、車両100の旋回内側方向のダンパ20の伸び方向の減衰力を増加させ、旋回外側方向のダンパ20の圧縮方向の減衰力を増加させるように、横加速度aSまたはヨーレートγに応じて目標電流値IT(5)(図6参照、図6中、ITfl(5),ITfr(5),ITrl(5),ITrr(5)と表示)を設定させ、衝突防止制御部77に含まれる各出力制御部89(図5、図6参照、図5、図6中、89fl,89fr,89rl,89rrと表示)に入力させるとともに、各出力制御部89に旋回姿勢制御の指示を出力して、スカイフック制御部73(図5参照、図5中、73fl,73fr,73rl,73rrと表示)から入力される各目標電流値IT(1)(図6参照、図6中、ITfl(1),ITfr(1),ITrl(1),ITrr(1)と表示)の代わりに、前記旋回姿勢制御部から入力される各目標電流値IT(5)(図6参照、図6中、ITfl(5),ITfr(5),ITrl(5),ITrr(5)と表示)を各駆動回路6(図6中、6fl,6fr,6rl,6rrと表示)に出力させる。
また、4輪ダンパ伸縮状態判定部75は、横加速度aSまたはヨーレートγが所定の閾値未満の場合に、車両100(図1参照)が旋回走行中ではないと判定して、さらに、各車輪3(図1参照、図1中、3fl,3fr,3rl,3rrと表示)の変位量y(図5参照、yfl,yfr,yrl,yrr)、初期変位量y0(図5参照、y0fl,y0fr,y0rl,y0rr)、相対速度y′(図5参照、図5中、yfl′,yfr′,yrl′,yrr′と表示)から、相対速度y′が伸び方向(正値)で、変位量(y+y0)が所定の閾値(第1の変位量)y1より大きく(y+y0>y1)、または、相対速度y′が縮み方向(負値)で、変位量(y+y0)が所定の閾値(第2の変位量)y2より小さく(y+y0<y2)なっている進行方向の車輪3(前進走行の場合は前輪、後進走行の場合は後輪を意味する)のダンパ20が有るか否かをチェックし、そのようなダンパ20が有る場合に、衝突防止制御部77に対して左右輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御、または、前後輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御を行わせるように指示を出力する。
ここで、フルバンプ・フルリバウンド抑制制御のために変位量(y+y0)を用いるのは、本来、変位量yが前記した基準値L0からの伸長または圧縮による相対的な変化量を示しているなら、ダンパ20のフルバンプ時にバウンドストッパ31(図3参照)にシリンダ21(図3参照)の上端が衝突したり、フルリバウンド時にリバウンドストッパ33(図3参照)にピストン22(図3参照)の上面が衝突したりするときの変位量yと対応しているが、前記したようにスカイフック制御部73から出力される変位量yは、初期変位量y0で補正(y=y−y0)されているので、フルリバウンドまたはフルバンプまでにどれだけ距離が残っているかの長さに対応した変位量yではないからである。
そして、前記したy1は、所定の正値であり、ダンパ20が伸び方向の動作中に、フルリバウンドとなる前にダンパ20の減衰力で衝突を防止可能な変位量の値であり、予め試験等により設定されて、ROMに記憶された値である。同様に、前記したy2は、所定の負値であり、ダンパ20が縮み方向の動作中に、フルバンプとなる前にダンパ20の減衰力で衝突を防止可能な変位量の値であり、予め試験等により設定されて、ROMに記憶された値である。
《衝突防止制御部》
次に、衝突防止制御部77について詳細に説明する。
衝突防止制御部77は、各ダンパ20fl,20fr,20rl,20rrに対応して設けられる機能構成部である、フルストローク抑制目標減衰力設定部(フルストローク抑制減衰力設定手段)82fl,82fr,82rl,82rr、目標電流値制限演算部(減衰力規制手段)87、並びに、出力制御部89fl,89fr,89rl,89rrを含んで構成されている。
(フルストローク抑制目標減衰力設定部82fl)
フルストローク抑制目標減衰力設定部82flは、衝突防止目標電流設定部81flおよび補正部85flを含んで構成されており、衝突防止目標電流設定部81flは、4輪ダンパ伸縮状態判定部75からの左右輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御、または、前後輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御の指示にしたがって、変位量yfl、初期値y0fl、相対速度yfl′にもとづいて、フルストローク抑制目標減衰力マップ83を参照してフルストローク抑制のための(フルバンプやフルリバウンドに至らないような)目標減衰力をダンパ20に発揮させる衝突防止目標電流値ITfl(2)を設定して補正部85flに出力する。
このフルストローク抑制目標減衰力マップ83は、変位量(yfl+y0fl)がフルバンプまたはフルリバウンドに近いほど衝突防止目標電流値ITfl(2)を大きく、また、相対速度yfl′の絶対値が大きいほど衝突防止目標電流値ITfl(2)を大きく設定する。
補正部85flは、初期値y0flにもとづいて算出される補正係数を入力された衝突防止目標電流値ITfl(2)に乗じるか、または、初期値y0flにもとづいて算出される補正電流値を入力された衝突防止目標電流値ITfl(2)に加算して、衝突防止目標電流値ITfl(2)を補正して衝突防止目標電流値ITfl(3)(図6参照)を目標電流値制限演算部87に出力する補正手段である。
前記したように、初期値y0flがゼロよりも大きいときは、ダンパ20flのバネ上質量19が、基準より軽いことを意味し、補正部85flは、衝突防止目標電流値ITfl(2)を小さくするように補正して衝突防止目標電流値ITfl(3)とする。逆に、初期値y0flがゼロよりも小さいときは、ダンパ20flのバネ上質量19が、基準より重いことを意味し、補正部85flは、衝突防止目標電流値ITfl(2)を大きくするように補正して目標電流値ITfl(3)とする。
(フルストローク抑制目標減衰力設定部82fr,82rl,82rr)
フルストローク抑制目標減衰力設定部82frは、衝突防止目標電流設定部81frおよび補正部85frを含んで構成され、フルストローク抑制目標減衰力設定部82rlは、衝突防止目標電流設定部81rlおよび補正部85rlを含んで構成され、フルストローク抑制目標減衰力設定部82rrは、衝突防止目標電流設定部81rrおよび補正部85rrを含んで構成され、それぞれの機能は前記したフルストローク抑制目標減衰力設定部82flと同様であり、重複する説明を省略する。
ちなみに、フルストローク抑制目標減衰力設定部82fr,82rl,82rr、その中に含まれる衝突防止目標電流設定部81fr,81rl,81rr、補正部85fr,85rl,85rr、に対しては、前記フルストローク抑制目標減衰力設定部82fl、衝突防止目標電流設定部81flおよび補正部85flの説明中の、「変位量yfl」、「初期値y0fl」、「相対速度yfl′」、「衝突防止目標電流値ITfl(2)」、「衝突防止目標電流値ITfl(3)」、「ダンパ20fl」の左前輪を示す符号flの代わりに、右前輪を示す符号fr、左後輪を示す符号rl、右後輪を示す符号rrに読み替えればよい。
ここで、衝突防止目標電流値ITfl(3),ITfr(3),ITrl(3),ITrr(3)が、請求項に記載の「フルストローク抑制目標減衰力」に相当する。
なお、4輪ダンパ伸縮状態判定部75が左右輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御、または、前後輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御の指示を、フルストローク抑制目標減衰力設定部82fl,82fr,82rl,82rrに出さない場合は、フルストローク抑制目標減衰力設定部82fl,82fr,82rl,82rrは、衝突防止目標電流値ITfl(3),ITfr(3),ITrl(3),ITrr(3)をゼロとして、目標電流値制限演算部87に出力する。
フルストローク抑制目標減衰力マップ83は、変位量(y+y0)、相対速度y′に応じて衝突防止目標電流値IT(2)を決定する三次元マップであり、試験等により求めて前記したROMに予め記憶されている。
ここで、変位量(y+y0)は、変位量(yfl+y0fl),(yfr+y0fr),(yrl+y0rl),(yrr+y0rr)を総称した表示であり、相対速度y′は、相対速度yfl′,yfr′,yrl′,yrr′を総称した表示であり、衝突防止目標電流値IT(2)は、衝突防止目標電流値ITfl(2),ITfr(2),ITrl(2),ITrr(2)(図6参照)を総称した表示である。
(目標電流値制限演算部)
次に、目標電流値制限演算部87の詳細な構成について図6を参照しながら説明する。目標電流値制限演算部87は、左右前輪電流制限演算部110Aおよび左右後輪電流制限演算部110B、並びに、左側前後輪電流制限演算部113Aおよび右側前後輪電流制限演算部113Bの4つから構成されている。
4輪ダンパ伸縮状態判定部75(図5参照)が、後記する左右輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御の指示を目標電流値制限演算部87に出したときには、左右前輪電流制限演算部110Aおよび左右後輪電流制限演算部110Bが、各ダンパ20の変位量(y+y0)と相対速度y′にもとづいて個別にフルストローク抑制のためにフルストローク抑制目標減衰力設定部82fl,82fr,82rl,82rrにおいて設定された衝突防止目標電流値ITfl(3),ITfr(3),をダンパ20fl,20frの対の間、およびダンパ20rl,20rrの対の間で関係を持たせて、ダンパ20fl,20frの対の合計目標電流値(ITfl(3)+ITfr(3))、ダンパ20rl,20rrの対の合計目標電流値(ITrl(3)+ITrr(3))それぞれが、所定値以下となるように規制して、目標電流値ITAfl(4),ITAfr(4),ITArl(4),ITArr(4)として出力制御部89fl,89fr,89rl,89rrに出力する。詳細な規制制御の方法については図12から図14に示すフローチャートを参照して後記する。
図6に示すように、左右前輪電流制限演算部110Aは、補正部85flから入力された衝突防止目標電流値ITfl(3)を所定値(第1の上限値)、例えば、1.5A以下に規制して後記する減算部103flに動的上限電流値算出用電流値IDLfr(1)として出力するリミッタ101flと、対のダンパ20fl,20frに対する目標電流値の合計の最大値を意味する所定上限電流値(第2の上限値)を、例えば、3Aとして設定して減算部103flに出力する対合計電流上限設定部105flと、前記所定上限電流値、3Aから動的上限電流値算出用電流値IDLfr(1)を減算して、動的上限電流値IDLfr(2)として、ダイナミックリミッタ107frに出力する減算部103flと、補正部85frから入力された衝突防止目標電流値ITfr(3)を所定値(第1の上限値)、例えば、1.5A以下に規制して後記する減算部103frに動的上限電流値算出用電流値IDLfl(1)として出力するリミッタ101frと、対のダンパ20fl,20frに対する目標電流値の合計の最大値を意味する所定上限電流値(第2の上限値)を、例えば、3Aとして設定して減算部103frに出力する対合計電流上限設定部105frと、前記所定上限電流値、3Aから動的上限電流値算出用電流値IDLfl(1)を減算して、動的上限電流値IDLfl(2)として、ダイナミックリミッタ107flに出力する減算部103frと、補正部85flから入力された衝突防止目標電流値ITfl(3)を動的上限電流値IDLfl(2)(第3の上限値)以下に規制するダイナミックリミッタ107flと、補正部85frから入力された衝突防止目標電流値ITfr(3)を動的上限電流値IDLfr(2)(第3の上限値)以下に規制するダイナミックリミッタ107frと、を含んで構成されている。
そして、ダイナミックリミッタ107flは、動的上限電流値IDLfl(2)(第3の上限値)以下に規制された目標電流値ITAfl(4)を出力制御部89flに、ダイナミックリミッタ107frは、動的上限電流値IDLfr(2)(第3の上限値)以下に規制された目標電流値ITAfr(4)を出力制御部89frに出力する。
ここで、前記した「補正部85flから入力された衝突防止目標電流値ITfl(3)を所定値(第1の上限値)、例えば、1.5A以下に規制」および「補正部85frから入力された衝突防止目標電流値ITfr(3)を所定値(第1の上限値)、例えば、1.5A以下に規制」の「1.5A」は、請求項に記載の「前記合計の最大値の半分」の値に対応し、前記した「対のダンパ20fl,20frに対する目標電流値の合計の最大値を意味する所定上限電流値(第2の上限値)」が、請求項に記載の「前記対となるダンパのうちの一方のダンパと他方のダンパで発生させるフルストローク抑制目標減衰力の合計の最大値」に対応する。
左右後輪電流制限演算部110Bも、図6に示すように左右前輪電流制限演算部110Aと同様の構成であり、左右前輪電流制限演算部110Aについての前段落の説明において、左前輪位置を示す符号flを、左後輪位置を示す符号rlに、右前輪位置を示す符号frを、右後輪位置を示す符号rrに読み替えるだけで良い。
ここで、「補正部85rlから入力された衝突防止目標電流値ITrl(3)を所定値(第1の上限値)、例えば、1.5A以下に規制」および「補正部85rrから入力された衝突防止目標電流値ITrr(3)を所定値(第1の上限値)、例えば、1.5A以下に規制」の「1.5A」は、請求項に記載の「前記合計の最大値の半分」の値に対応し、「対のダンパ20rl,20rrに対する目標電流値の合計の最大値を意味する所定上限電流値(第2の上限値)」が、請求項に記載の「前記対となるダンパのうちの一方のダンパと他方のダンパで発生させるフルストローク抑制目標減衰力の合計の最大値」に対応する。
図6に示すように、左側前後輪電流制限演算部113Aは、補正部85flから入力された衝突防止目標電流値ITfl(3)を所定値(第1の上限値)、例えば、1.5A以下に規制して後記する減算部104flに動的上限電流値算出用電流値IDLrl(1)として出力するリミッタ102flと、対のダンパ20fl,20rlに対する目標電流値の合計の最大値を意味する所定上限電流値(第2の上限値)を、例えば、3Aとして設定して減算部104flに出力する対合計電流上限設定部106flと、前記所定上限電流値、3Aから動的上限電流値算出用電流値IDLrl(1)を減算して、動的上限電流値IDLrl(2)として、ダイナミックリミッタ108rlに出力する減算部104flと、補正部85rlから入力された衝突防止目標電流値ITrl(3)を所定値(第1の上限値)、例えば、1.5A以下に規制して後記する減算部104rlに動的上限電流値算出用電流値IDLfl(1)として出力するリミッタ102rlと、対のダンパ20fl,20rlに対する目標電流値の合計の最大値を意味する所定上限電流値(第2の上限値)を、例えば、3Aとして設定して減算部104rlに出力する対合計電流上限設定部106rlと、前記所定上限電流値、3Aから動的上限電流値算出用電流値IDLfl(1)を減算して、動的上限電流値IDLfl(2)として、ダイナミックリミッタ108flに出力する減算部104rlと、補正部85flから入力された衝突防止目標電流値ITfl(3)を動的上限電流値IDLfl(2)(第3の上限値)以下に規制するダイナミックリミッタ108flと、補正部85rlから入力された衝突防止目標電流値ITrl(3)を動的上限電流値IDLrl(2)(第3の上限値)以下に規制するダイナミックリミッタ108rlと、を含んで構成されている。
そして、ダイナミックリミッタ108flは、動的上限電流値IDLfl(2)(第3の上限値)以下に規制された目標電流値ITBfl(4)を出力制御部89flに、ダイナミックリミッタ108rlは、動的上限電流値IDLrl(2)(第3の上限値)以下に規制された目標電流値ITBrl(4)を出力制御部89rlに出力する。
ここで、前記した「補正部85flから入力された衝突防止目標電流値ITfl(3)を所定値(第1の上限値)、例えば、1.5A以下に規制」および「補正部85rlから入力された衝突防止目標電流値ITrl(3)を所定値(第1の上限値)、例えば、1.5A以下に規制」の「1.5A」は、請求項に記載の「前記合計の最大値の半分」の値に対応し、前記した「対のダンパ20fl,20rlに対する目標電流値の合計の最大値を意味する所定上限電流値(第2の上限値)」が、請求項に記載の「前記対となるダンパのうちの一方のダンパと他方のダンパで発生させるフルストローク抑制目標減衰力の合計の最大値」に対応する。
右側前後輪電流制限演算部113Bも、図6に示すように左側前後輪電流制限演算部113Aと同様の構成であり、左側前後輪電流制限演算部113Aについての前段落の説明において、左前輪位置を示す符号flを、右前輪位置を示す符号frに、左後輪位置を示す符号rlを、右後輪位置を示す符号rrに読み替えるだけで良い。
ここで、「補正部85frから入力された衝突防止目標電流値ITfr(3)を所定値(第1の上限値)、例えば、1.5A以下に規制」および「補正部85rrから入力された衝突防止目標電流値ITrr(3)を所定値(第1の上限値)、例えば、1.5A以下に規制」の「1.5A」は、請求項に記載の「前記合計の最大値の半分」の値に対応し、「対のダンパ20fr,20rrに対する目標電流値の合計の最大値を意味する所定上限電流値(第2の上限値)」が、請求項に記載の「前記対となるダンパのうちの一方のダンパと他方のダンパで発生させるフルストローク抑制目標減衰力の合計の最大値」に対応する。
なお、4輪ダンパ伸縮状態判定部75が目標電流値制限演算部87に左右輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御を指示した場合は、左側前後輪電流制限演算部113Aと右側前後輪電流制限演算部113Bは、目標電流値ITBfl(4),ITBfr(4),ITBrl(4),ITBrr(4)を全てゼロとして出力し、4輪ダンパ伸縮状態判定部75が目標電流値制限演算部87に前後輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御を指示した場合は、左右前輪電流制限演算部110Aと左右後輪電流制限演算部110Bは、目標電流値ITAfl(4),ITAfr(4),ITArl(4),ITArr(4)を全てゼロとして出力する。
ちなみに、4輪ダンパ伸縮状態判定部75が左右輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御、または、前後輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御の指示を、フルストローク抑制目標減衰力設定部82fl,82fr,82rl,82rrに出さない場合は、衝突防止目標電流値ITfl(3),ITfr(3),ITrl(3),ITrr(3)が全てゼロなので、目標電流値制限演算部87から出力される目標電流値ITAfl(4),ITAfr(4),ITArl(4),ITArr(4)も目標電流値ITBfl(4),ITBfr(4),ITBrl(4),ITBrr(4)も全てゼロとなる。
(出力制御部)
次に、図6を参照しながら適宜図5を参照して出力制御部89fl,89fr,89rl,89rrの機能について説明する。
各ダンパ20(図5中、20fl,20fr,20rl,20rrと表示)に対応する出力制御部89(図6中、89fl,89fr,89rl,89rrと表示)には、同じく対応するスカイフック制御部73(図5中、73fl,73fr,73rl,73rrと表示)からの対応する目標電流値IT(1)(図6中、ITfl(1),ITfr(1),ITrl(1),ITrr(1)と表示)、目標電流値制限演算部87からの対応する目標電流値ITA(4)(図6中、ITAfl(4),ITAfr(4),ITArl(4),ITArr(4)と表示)、または、対応する目標電流値ITB(4)(図6中、ITBfl(4),ITBfr(4),ITBrl(4),ITBrr(4)と表示)の他に、図5において図示省略の旋回姿勢制御部からの対応する目標電流値IT(5)(図6中、ITfl(5),ITfr(5),ITrl(5),ITrr(5)と表示)が入力される。
そして、各出力制御部89は、4輪ダンパ伸縮状態判定部75が旋回中と判定して、旋回姿勢制御の指示を受けたときは、スカイフック制御部73(図5参照、図5中、73fl,73fr,73rl,73rrと表示)から入力される目標電流値IT(1)(図6中、ITfl(1),ITfr(1),ITrl(1),ITrr(1)と表示)の代わりに、旋回姿勢制御部から入力される目標電流値IT(5)(図6参照、図6中、ITfl(5),ITfr(5),ITrl(5),ITrr(5)と表示)を駆動回路6fl,6fr,6rl,6rrに出力させる。
また、各出力制御部89は、4輪ダンパ伸縮状態判定部75からの左右輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御の指示を受けたときは、スカイフック制御部73から入力される目標電流値IT(1)(図6中、ITfl(1),ITfr(1),ITrl(1),ITrr(1)と表示)と、目標電流値制限演算部87から入力される目標電流値ITAfl(4)(図6参照、図6中、ITAfl(4),ITAfr(4),ITArl(4),ITArr(4)と表示)とのうちの大きい値の目標電流値を駆動回路6fl,6fr,6rl,6rrに出力させる。
さらに、各出力制御部89は、4輪ダンパ伸縮状態判定部75からの前後輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御の指示を受けたときは、スカイフック制御部73から入力される目標電流値IT(1)(図6中、ITfl(1),ITfr(1),ITrl(1),ITrr(1)と表示)と、目標電流値制限演算部87から入力される目標電流値ITBfl(4)(図6参照、図6中、ITBfl(4),ITBfr(4),ITBrl(4),ITBrr(4)と表示)とのうちの大きい値の目標電流値を駆動回路6(図6中、6fl,6fr,6rl,6rrと表示)に出力させる。
《全体フローチャート》
次に、図10、図11を参照しながら適宜図1、図4、図5、図6、図8を参照してダンパの減衰力制御の全体の流れについて説明する。図10、図11は、減衰力可変ダンパの制御装置における減衰力制御の流れを示す全体フローチャートである。
全体フローチャートの制御は、マイクロコンピュータ7a(図4参照)において一定の周期でなされ、ステップS01〜S05は、変位量初期値取得部71(図5参照、図5中、71fl,71fr,71rl,71rrと表示)において処理され、ステップS06〜S11は、スカイフック制御部73(図5参照、図5中、73fl,73fr,73rl,73rrと表示)で処理され、ステップS12,S14,S15は、4輪ダンパ伸縮状態判定部75において処理され、ステップS13は、図5において図示省略の旋回姿勢制御部において処理され、ステップS16,S17は、衝突防止制御部77において処理される。
ステップS01では、変位量初期値取得部71が、車両100(図1参照)が停止しているか否かをチェックし、停止している場合(Yes)は、ステップS02へ進み、停止していない場合(No)は、ステップS06へ進む。この車両100の停止検出は、車速センサ14(図1参照)からの車速Vを示す信号により前進、後進の走行方向も含めて、走行中か停止中かを容易に判定できる。
最初は、車両100が停止しているので、ステップS02へ進む。
ステップS02では、変位量初期値取得部71が、車両100が停止中の変位量センサ13(図5参照、図5中、13fl,13fr,13rl,13rrと表示)の変位量yを示す信号を読み込む{「y0の読み込み(y0fl,y0fr,y0rl,y0rr)」}。次いで、変位量初期値取得部71が、ステップS02で車両100が停止中に、繰り返し読み込んだ変位量yの移動平均を算出する{「y0の移動平均算出(〈y0fl〉,〈y0fr〉,〈y0rl〉,〈y0rr〉)」}。
このステップS02,S03は、各車輪3のダンパ20の変位量yの初期値(初期変位量)y0の読み込みと、停車中の乗員の乗り降りや荷物の搭載または荷下ろしによるダンパ20の変位量yの時間変化中の移動平均を取って、最終的に乗員の乗り降りや荷物の搭載または荷下ろしが完了した状態での初期変位量y0の移動平均を算出することを目的とする。
ステップS04では、変位量初期値取得部71が、車両100が走行開始したか否かをチェックし、走行開始した場合(Yes)は、ステップS05へ進み、まだ停止している場合(No)は、ステップS02へ戻り、ステップS02,S03の「y0の読み込み」と「y0の移動平均算出」を繰り返す。
ステップS05では、変位量初期値取得部71が、マイクロコンピュータ7a(図4参照)に内蔵の図示省略の不揮発メモリ、例えば、フラッシュメモリに変位量yの初期値y0を記憶させる{「(y0fl=〈y0fl〉,y0fr=〈y0fr〉,y0rl=〈y0rl〉,y0rr=〈y0rr〉)」}。
ステップS06では、スカイフック制御部73が4輪のバネ上Gセンサ12(図5参照、図5中、12fl,12fr,12rl,12rrと表示)、変位量センサ13の信号を読み込む(xfl″,yfl,xfr″,yfr,xrl″,yrl,xrr″,yrr)。そして、ステップS07では、スカイフック制御部73が、ステップS05において記憶された初期値y0を用いて、変位量yを補正する{「(yfl=yfl−y0fl,yfr=yfr−y0fr,yrl=yrl−y0rl,yrr=yrr−y0rr)」}。補正された変位量yは、4輪ダンパ伸縮状態判定部75および衝突防止目標電流設定部81(図5参照、図5中、81fl,81fr,81rl,81rrと表示)に入力される。
この変位量yの初期値y0で補正された変位量yが、負のとき各サスペンション装置4のダンパ20への現在の荷重状態におけるダンパ20の縮み状態を意味し、補正された変位量yが、正のとき各サスペンション装置4のダンパ20への現在の荷重状態におけるダンパ20の伸び状態を意味する。
ステップS08では、スカイフック制御部73が、バネ上質量の上下加速度x″からバネ上質量の絶対速度x′を算出する{「(xfl′=∫xfl″dt,xfr′=∫xfr″dt,xrl′=∫xrl″dt,xrr′=∫xrr″dt)」}。
ステップS09では、スカイフック制御部73が、ステップS07で補正された変位量yから相対速度y′を算出する{「(yfl′=dyfl/dt,yfr′=dyfr/dt,yrl′=dyrl/dt,yrr′=dyrr/dt)」}。算出された相対速度y′は、4輪ダンパ伸縮状態判定部75および衝突防止目標電流設定部81(図5参照、図5中、81fl,81fr,81rl,81rrと表示)に入力される。ステップS09の後、連結子(A)にしたがって図11のステップS10に進む。
ステップS10では、スカイフック制御部73が、ステップS08において算出された絶対速度x′とステップS09で算出された相対速度y′との速度比x′/y′を算出する{「(xfl′/yfl′,xfr′/yfr′,xrl′/yrl′,xrr′/yrr′)」}。
ステップS11では、スカイフック制御部73が、目標減衰力マップ73a(図5、図8参照)を参照して、速度比x′/y′に対応する目標減衰力をダンパ20に発生させるための目標電流値IT(1)を設定する{目標減衰力マップを参照して、速度比x′/y′に対応する目標電流値を設定する(ITfl(1),ITfr(1),ITrl(1),ITrr(1))}。そして、各出力制御部89(図5、図6参照、図5、図6中、89fl,89fr,89rl,89rrと表示)に各目標電流値IT(1)(図5、図6参照、図5、図6中、ITfl(1),ITfr(1),ITrl(1),ITrr(1)と表示)を入力する。
ステップS12では、4輪ダンパ伸縮状態判定部75が、車両100が旋回中か否かを判定する。旋回中の場合(Yes)は、ステップS13へ進み、旋回中でない場合(No)は、ステップS14へ進む。この旋回中か否かの判定は、4輪ダンパ伸縮状態判定部75が、横Gセンサ10(図5参照)からの横加速度aSを示す信号、および、ヨーレートセンサ11からのヨーレートγを示す信号を監視し、横加速度aSが所定の閾値以上、または、ヨーレートγが所定の閾値以上の場合に、車両100(図1参照)が旋回中と判定することで容易に行える。
ステップS13では、図5において図示省略の旋回姿勢制御部において、横加速度aSまたはヨーレートγに応じて各ダンパ20に対する目標電流値IT(5)(図6参照、図6中、ITfl(5),ITfr(5),ITrl(5),ITrr(5)と表示)を設定し、衝突防止制御部77(図5参照)に含まれる各出力制御部89(図5、図6参照、図5、図6中、89fl,89fr,89rl,89rrと表示)に入力する。そして、各出力制御部89において、4輪ダンパ伸縮状態判定部75からの旋回姿勢制御の指示を受けて、ステップS11においてスカイフック制御部73(図5参照、図5中、73fl,73fr,73rl,73rrと表示)から入力される各目標電流値IT(1)(図6参照、図6中、ITfl(1),ITfr(1),ITrl(1),ITrr(1)と表示)の代わりに、前記旋回姿勢制御部から入力される各目標電流値IT(5)を各駆動回路6(図6中、6fl,6fr,6rl,6rrと表示)に出力する。
そして、一連の繰り返し処理が一通り終わり、一連の繰り返し処理の最初のステップであるステップS01に戻る。
ステップS14では、4輪ダンパ伸縮状態判定部75が、ステップS05で記憶された初期変位量y0を読み込み、また、ステップS07において補正された変位量yから変位量(y+y0)を算出し、変位量(y+y0)とステップS09において算出された相対速度y′にもとづき、相対速度y′が伸び方向(正値)で、変位量(y+y0)が所定の閾値y1より大きく(y+y0>y1)、または、相対速度y′が縮み方向(負値)で、変位量(y+y0)が所定の閾値y2より小さく(y+y0<y2)なっている進行方向の車輪3(前進走行の場合は前輪、後進走行の場合は後輪を意味する)のダンパ20が有るか否かをチェックする{「相対速度y′が伸び方向で、変位量(y+y0)>y1、または、相対速度y′が縮み方向で、変位量(y+y0)<y2の進行方向の車輪有?」}。
ステップS14においてYesの場合は、ステップS15へ進み、Noの場合は、4輪ダンパ伸縮状態判定部75に制御されて、出力制御部89(図5、図6参照、図5、図6中、89fl,89fr,89rl,89rrと表示)に、ステップS11においてスカイフック制御部73(図5参照、図5中、73fl,73fr,73rl,73rrと表示)から入力される各目標電流値IT(1)(図6参照、図6中、ITfl(1),ITfr(1),ITrl(1),ITrr(1)と表示)を駆動回路6(図6中、6fl,6fr,6rl,6rrと表示)に出力する。
そして、一連の繰り返し処理の最初のステップであるステップS01に戻る。
ステップS15では、4輪ダンパ伸縮状態判定部75が、相対速度y′が伸び方向(正値)で、変位量(y+y0)が所定の閾値y1より大きく(y+y0>y1)、または、相対速度y′が縮み方向(負値)で、変位量(y+y0)が所定の閾値y2より小さく(y+y0<y2)なっている進行方向の車輪3と同一左右側で、進行方向と反対側の車輪3のダンパ20で、所定値以上の同一方向の伸縮があるかをチェックする{「相対速度y′が伸び方向で、変位量(y+y0)>y1、または、相対速度y′が縮み方向で、変位量(y+y0)<y2の進行方向の車輪と同一左右側で、進行方向と反対側の車輪のダンパで、所定値以上の同一方向の伸縮があるか?」}。ステップS15においてYesの場合は、ステップS17へ進み、Noの場合は、ステップS16へ進む。
ここで、「所定値以上の同一方向の伸縮」における、「所定値」は、y1>y3>0を満たすy3と、y2<y4<0を満たすy4の両方の閾値を意味している。
ステップS16では、衝突防止制御部77において、左右輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御を行う。左右輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御の詳細な説明は、図12から図14に示す左右輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御のフローチャートの説明において行う。
ステップS17では、衝突防止制御部77において、前後輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御を行う。前後輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御の詳細な説明は、図15から図17に示す前後輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御のフローチャートの説明において行う。
(左右輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御)
次に、図12から図14を参照しながら、適宜図1、図5、図6を参照して左右輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御について説明する。図12から図14は、4輪ダンパ伸縮状態判定部および衝突防止制御部における左右輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御の流れを示すフローチャートである。
ここでは全体フローチャートのステップS14において車両100の進行方向が前進状態で、ステップS14の条件を満たす進行方向の車輪が左右の前輪3fl,3fr(図1参照)のいずれかである場合を例に説明する。
ステップS21では、4輪ダンパ伸縮状態判定部75(図5参照)が、進行方向の車輪である左右の前輪3fl,3frの相対速度yfl′,yfr′の積がゼロ以上か否かをチェックする(「yfl′×yfr′≧0?」)。相対速度yfl′,yfr′の積がゼロ以上の場合(Yes)は、ステップS22へ進み、そうでない場合(No)は、連結子(C)にしたがって、ステップS30へ進む。これは、左右の前輪3fl,3frのサスペンション装置4fl,4frの伸縮方向の動きが逆方向でないことを確認するチェックである。
ステップS22では、4輪ダンパ伸縮状態判定部75が、左右の前輪3fl,3frにおいて、それぞれの変位量yと相対速度y′との積が負か否かをチェックする{「(yfl×yfl′<0かつyfr×yfr′<0)」}。それぞれの変位量yと相対速度y′との積が負の場合(Yes)は、連結子(C)にしたがって、ステップS30へ進み、そうでない場合(No)は、ステップS23へ進む。
ステップS21,S22においてステップS30へ進んだ場合は、左右の前輪3fl,3frにおいて左右輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御が終了したことを意味し、4輪ダンパ伸縮状態判定部75は、左右の前輪3fl,3frのダンパ20fl,20frには、フルバンプ・フルリバウンド抑制制御を止めさせ、フルストローク抑制目標減衰力設定部82fl,82fr(図5参照)に衝突防止目標電流値ITfl(3),ITfr(3)をゼロと設定させ、目標電流値制限演算部87(図5参照)から出力制御部89fl,89fr(図5参照)に目標電流値ITAfl(4),ITAfr(4)としてゼロを出力させ、出力制御部89fl,89frにスカイフック制御部73fl,73frから入力された目標電流値ITfl(1),ITfr(1)を選択させて駆動回路6fl,6fr(図5参照)に出力させる。
つまり、左右の前輪3fl,3frのダンパ20fl,20fr(図5参照)は、通常のスカイフック制御に戻る。
ステップS23では、フルストローク抑制目標減衰力設定部82flの衝突防止目標電流設定部81fl(図5参照)が、左前輪3flの変位量(yfl+y0fl)、相対速度yfl′にもとづいて、ダンパ20fl(図5参照)の衝突防止目標電流値ITfl(2)を設定し、補正部85flに出力する。ステップS24では、補正部85fl(図5参照)が、左前輪3flの初期変位量y0flにもとづいて、補正係数を算出し、ダンパ20flの衝突防止目標電流値ITfl(2)を補正し、衝突防止目標電流値ITfl(3)を目標電流値制限演算部87の左右前輪電流制限演算部110A(図6参照)に出力する。
ステップS25では、フルストローク抑制目標減衰力設定部82frの衝突防止目標電流設定部81fr(図5参照)が、右前輪3frの変位量(yfr+y0fr)、相対速度yfr′にもとづいて、ダンパ20frの衝突防止目標電流値ITfr(2)を設定し、補正部85fr(図5参照)に出力する。ステップS26では、補正部85frが、右前輪3frの初期変位量y0frにもとづいて、補正係数を算出し、ダンパ20frの衝突防止目標電流値ITfr(2)を補正し、衝突防止目標電流値ITfr(3)を目標電流値制限演算部87の左右前輪電流制限演算部110Aに出力する。
ステップS27では、左右前輪電流制限演算部110Aのリミッタ101fl,101fr(図6参照)が、ダンパ20fl,20frの衝突防止目標電流値ITfl(3),ITfr(3)を所定値、例えば、1.5A(アンペア)でリミッタ処理して動的上限電流値算出用電流値IDLfr(1),IDLfl(1)を、減算部103fl,103frに出力する(図6参照)。具体的には、リミッタ101fl,101frは、衝突防止目標電流値ITfl(3),ITfr(3)が、1.5A以上の場合には、動的上限電流値算出用電流値IDLfr(1),IDLfl(1)を1.5Aとし、1.5A未満の場合は、動的上限電流値算出用電流値IDLfr(1),IDLfl(1)を衝突防止目標電流値ITfl(3),ITfr(3)の値のままとして、減算部103fl,103frに出力する。
ステップS28では、減算部103fl,103frが、それぞれの対合計電流上限設定部105fl,105frから入力される左右輪対合計の所定上限電流値、例えば、3.0Aから、ステップS27でリミッタ101fl,101frから入力された動的上限電流値算出用電流値IDLfr(1),IDLfl(1)を減じて、動的上限電流値IDLfr(2),IDLfl(2)を、ダイナミックリミッタ107fr,107flそれぞれに出力する。
ステップS29では、ダイナミックリミッタ107fl,107frが、ダンパ20fl,20frの衝突防止目標電流値ITfl(3),ITfr(3)を動的上限電流値IDLfl(2),IDLfr(2)でリミット処理し、目標電流値ITAfl(4),ITAfr(4)を出力制御部89fl,89frに出力する。
具体的には、ダイナミックリミッタ107flは、目標電流値ITAfl(4)として、衝突防止目標電流値ITfl(3)が動的上限電流値IDLfl(2)以上の場合には、動的上限電流値IDLfl(2)の値とし、衝突防止目標電流値ITfl(3)が動的上限電流値IDLfl(2)未満の場合は、衝突防止目標電流値ITfl(3)の値のままとして、出力制御部89flに出力する。そして、出力制御部89flは、4輪ダンパ伸縮状態判定部75に制御されて、目標電流値ITAfl(4)を選択して駆動回路6flに出力する。
同様に、ダイナミックリミッタ107frは、目標電流値ITAfr(4)として、衝突防止目標電流値ITfr(3)が動的上限電流値IDLfr(2)以上の場合には、動的上限電流値IDLfr(2)の値とし、衝突防止目標電流値ITfr(3)が動的上限電流値IDLfr(2)未満の場合は、衝突防止目標電流値ITfr(3)の値のままとして、出力制御部89frに出力する。そして、出力制御部89frは、4輪ダンパ伸縮状態判定部75に制御されて、目標電流値ITAfr(4)を選択して駆動回路6frに出力する。
その後、連結子(D)にしたがってステップS30へ進む。
ステップS30では、4輪ダンパ伸縮状態判定部75が、ステップS05で記憶された初期変位量y0rl,y0rrを読み込み、また、ステップSS07において補正された変位量yrl,yrrから変位量(yrl+y0rl),(yrr+y0rr)を算出し、変位量(yrl+y0rl),(yrr+y0rr)とステップS09において算出された相対速度yrl′,yrr′にもとづき、左右の後輪3rl,3rrのいずれかにおいて、相対速度y′が伸び方向(正値)で、変位量(y+y0)が所定の閾値y1より大きく(y+y0>y1)、または、相対速度y′が縮み方向(負値)で、変位量(y+y0)が所定の閾値y2より小さく(y+y0<y2)なったか否かをチェックする{「左右の後輪のいずれかにおいて、相対速度y′が伸び方向で、変位量(y+y0)>y1、または、相対速度y′が縮み方向で、変位量(y+y0)<y2となったか?」}。
ステップS30がYesの場合は、ステップS31へ進み、Noの場合は、連結子(E)にしたがってステップS21に戻る。このステップS21に戻ることは、4輪ダンパ伸縮状態判定部75が、左右の前輪3fl,3frの左右輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御のみを行わせることを意味し、左右の後輪3rl,3rrは、まだスカイフック制御が続けられる。
ステップS31では、4輪ダンパ伸縮状態判定部75が、左右の後輪3rl,3rrの相対速度yrl′,yrr′の積がゼロ以上か否かをチェックする(「yrl′×yrr′≧0?」)。相対速度yrl′,yrr′の積がゼロ以上の場合(Yes)は、連結子(F)にしたがって一連の左右輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御を終了し、そうでない場合(No)は、ステップS32へ進む。これは、左右の後輪3rl,3rrのサスペンション装置4rl,4rrの伸縮方向の動きが逆方向でないことを確認するチェックである。
ステップS32では、4輪ダンパ伸縮状態判定部75が、左右の後輪3rl,3rrにおいて、それぞれの変位量yと相対速度y′との積が負か否かをチェックする{「(yrl×yrl′<0かつyrr×yrr′<0)」}。それぞれの変位量yと相対速度y′との積が負の場合(Yes)は、連結子(F)にしたがって、一連の左右輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御を終了し、そうでない場合(No)は、ステップS33へ進む。
ステップS31,S32において一連の左右輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御を終了した場合は、4輪ダンパ伸縮状態判定部75は、左右の後輪3rl,3rrのダンパ20rl,20rrには、フルバンプ・フルリバウンド抑制制御を止めさせ、フルストローク抑制目標減衰力設定部82rl,82rr(図5参照)に衝突防止目標電流値ITrl(3),ITrr(3)をゼロと設定させ、目標電流値制限演算部87(図5参照)から出力制御部89rl,89rr(図5参照)に目標電流値ITArl(4),ITArr(4)としてゼロを出力させ、出力制御部89rl,89rrにスカイフック制御部73rl,73rrから入力された目標電流値ITrl(1),ITrr(1)を選択させて駆動回路6rl,6rr(図5参照)に出力させる。
つまり、左右の後輪3rl,3rrのダンパ20rl,20rr(図5参照)は、通常のスカイフック制御に戻る。
ステップS33では、フルストローク抑制目標減衰力設定部82rlの衝突防止目標電流設定部81rl(図5参照)が、左後輪3rlの変位量(yrl+y0rl)、相対速度yrl′にもとづいて、ダンパ20rlの衝突防止目標電流値ITrl(2)を設定し、補正部85rlに出力する。ステップS34では、補正部85rl(図5参照)が、左後輪3rlの初期変位量y0rlにもとづいて、補正係数を算出し、ダンパ20rlの衝突防止目標電流値ITrl(2)を補正し、衝突防止目標電流値ITrl(3)を目標電流値制限演算部87の左右後輪電流制限演算部110B(図6参照)に出力する。
ステップS35では、フルストローク抑制目標減衰力設定部82rrの衝突防止目標電流設定部81rr(図5参照)が、右後輪3rrの変位量(yrr+y0rr)、相対速度yrr′にもとづいて、ダンパ20rrの衝突防止目標電流値ITrr(2)を設定し、補正部85rr(図5参照)に出力する。ステップS36では、補正部85rrが、右後輪3rrの初期変位量y0rrにもとづいて、補正係数を算出し、ダンパ20rrの衝突防止目標電流値ITrr(2)を補正し、衝突防止目標電流値ITrr(3)を目標電流値制限演算部87の左右後輪電流制限演算部110Bに出力する。
ステップS37では、左右後輪電流制限演算部110Bのリミッタ101rl,101rr(図6参照)が、ダンパ20rl,20rrの衝突防止目標電流値ITrl(3),ITrr(3)を所定値、例えば、1.5A(アンペア)でリミッタ処理して動的上限電流値算出用電流値IDLrr(1),IDLrl(1)を、減算部103rl,103rrに出力する(図6参照)。具体的には、リミッタ101rl,101rrは、衝突防止目標電流値ITrl(3),ITrr(3)が、1.5A以上の場合には、動的上限電流値算出用電流値IDLrr(1),IDLrl(1)を1.5Aとし、1.5A未満の場合は、動的上限電流値算出用電流値IDLrr(1),IDLrl(1)を衝突防止目標電流値ITrl(3),ITrr(3)の値のままとし、減算部103rl,103rrに出力する。ステップS37の後、連結子(G)にしたがってステップS38へ進み、減算部103rl,103rrが、それぞれの対合計電流上限設定部105rl,105rrから入力される左右輪対合計の所定上限電流値、例えば、3.0Aから、ステップS37でリミッタ101rl,101rrから入力された動的上限電流値算出用電流値IDLrr(1),IDLrl(1)を減じて、動的上限電流値IDLrr(2),IDLrl(2)を、ダイナミックリミッタ107rr,107rlそれぞれに出力する。
ステップS39では、ダイナミックリミッタ107rl,107rrが、ダンパ20rl,20rrの衝突防止目標電流値ITrl(3),ITrr(3)を動的上限電流値IDLrl(2),IDLrr(2)でリミット処理し、目標電流値ITArl(4),ITArr(4)を出力制御部89rl,89rrに出力する。
具体的には、ダイナミックリミッタ107rlは、目標電流値ITArl(4)として、衝突防止目標電流値ITrl(3)が動的上限電流値IDLrl(2)以上の場合には、動的上限電流値IDLrl(2)の値とし、衝突防止目標電流値ITrl(3)が動的上限電流値IDLrl(2)未満の場合は、衝突防止目標電流値ITrl(3)の値のままとして、出力制御部89rlに出力する。そして、出力制御部89rlは、4輪ダンパ伸縮状態判定部75に制御されて、目標電流値ITArl(4)を選択して駆動回路6rlに出力する。
同様に、ダイナミックリミッタ107rrは、目標電流値ITArr(4)として、衝突防止目標電流値ITrr(3)が動的上限電流値IDLrr(2)以上の場合には、動的上限電流値IDLrr(2)の値とし、衝突防止目標電流値ITrr(3)が動的上限電流値IDLrr(2)未満の場合は、衝突防止目標電流値ITrr(3)の値のままとして、出力制御部89rrに出力する。そして、出力制御部89rrは、4輪ダンパ伸縮状態判定部75に制御されて、目標電流値ITArr(4)を選択して駆動回路6rrに出力する。
その後、連結子(E)にしたがってステップS21戻り、左右輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御を繰り返す。
ちなみに、図12から図14のフローチャートでは、車両100が前進状態のときのフローチャートを示したが、後進の場合は容易に想像できるように、ステップS31〜S39が先に実行され、その後に、連結子(E)の行き先は、ステップS30となり、ステップS30が、「左右の後輪のいずれかにおいて、・・・」が「左右の前輪のいずれかにおいて、・・・」と読み替えて実行され、その後にステップS21〜S29が続いて実行される。また、このときは、連結子(C)の行き先は「RETURN」となり、連結子(F)の行き先はステップS30となり、ステップS21〜S29の後、連結子(D)の行き先は、ステップS31に戻るようにする。
(前後輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御)
次に、図15から図17を参照しながら、適宜図1、図5、図6を参照して前後輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御について説明する。図15から図17は、4輪ダンパ伸縮状態判定部および衝突防止制御部における前後輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御の流れを示すフローチャートである。
ステップS51では、4輪ダンパ伸縮状態判定部75(図5参照)が、左の前後輪3fl,3rlの相対速度yfl′,yrl′の積がゼロ以上か否かをチェックする(「yfl′×yrl′≧0?」)。相対速度yfl′,yrl′の積がゼロ以上の場合(Yes)は、ステップS52へ進み、そうでない場合(No)は、連結子(H)にしたがって、ステップS60へ進む。これは、左の前後輪3fl,3rlのサスペンション装置4fl,4rlの伸縮方向の動きが逆方向でないことを確認するチェックである。
ステップS52では、4輪ダンパ伸縮状態判定部75が、左の前後輪3fl,3rlにおいて、それぞれの変位量yと相対速度y′との積が負か否かをチェックする{「(yfl×yfl′<0かつyrl×yrl′<0)」}。それぞれの変位量yと相対速度y′との積が負の場合(Yes)は、連結子(H)にしたがって、ステップS60へ進み、そうでない場合(No)は、ステップS53へ進む。
ステップS51,S52においてステップS60へ進んだ場合は、左の前後輪3fl,3rlにおいて左の前後輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御が終了したことを意味し、4輪ダンパ伸縮状態判定部75は、左の前後輪3fl,3rlのダンパ20fl,20rlには、フルバンプ・フルリバウンド抑制制御を止めさせ、フルストローク抑制目標減衰力設定部82fl,82rl(図5参照)に衝突防止目標電流値ITfl(3),ITrl(3)をゼロと設定させ、目標電流値制限演算部87(図5参照)から出力制御部89fl,89rl(図5参照)に目標電流値ITAfl(4),ITArl(4)としてゼロを出力させ、出力制御部89fl,89rlにスカイフック制御部73fl,73rlから入力された目標電流値ITfl(1),ITrl(1)を選択させて駆動回路6fl,6rl(図5参照)に出力させる。
つまり、左の前後輪3fl,3rlのダンパ20fl,20rl(図5参照)は、通常のスカイフック制御に戻る。
ステップS53では、フルストローク抑制目標減衰力設定部82flの衝突防止目標電流設定部81fl(図5参照)が、左前輪3flの変位量(yfl+y0fl)、相対速度yfl′にもとづいて、ダンパ20fl(図5参照)の衝突防止目標電流値ITfl(2)を設定し、補正部85flに出力する。ステップS54では、補正部85fl(図5参照)が、左前輪3flの初期変位量y0flにもとづいて、補正係数を算出し、ダンパ20flの衝突防止目標電流値ITfl(2)を補正し、衝突防止目標電流値ITfl(3)を目標電流値制限演算部87の左側前後輪電流制限演算部113A(図6参照)に出力する。
ステップS55では、フルストローク抑制目標減衰力設定部82rlの衝突防止目標電流設定部81rl(図5参照)が、左後輪3rlの変位量(yrl+y0rl)、相対速度yrl′にもとづいて、ダンパ20rlの衝突防止目標電流値ITrl(2)を設定し、補正部85rl(図5参照)に出力する。ステップS56では、補正部85rlが、左後輪3rlの初期変位量y0rlにもとづいて、補正係数を算出し、ダンパ20rlの衝突防止目標電流値ITrl(2)を補正し、衝突防止目標電流値ITrl(3)を目標電流値制限演算部87の左側前後輪電流制限演算部113Aに出力する。
ステップS57では、左側前後輪電流制限演算部113Aのリミッタ102fl,102rl(図6参照)が、ダンパ20fl,20rlの衝突防止目標電流値ITfl(3),ITrl(3)を所定値、例えば、1.5A(アンペア)でリミッタ処理して動的上限電流値算出用電流値IDLrl(1),IDLfl(1)を、減算部104fl,104rlに出力する(図6参照)。具体的には、リミッタ102fl,102rlは、衝突防止目標電流値ITfl(3),ITrl(3)が、1.5A以上の場合には、動的上限電流値算出用電流値IDLrl(1),IDLfl(1)を1.5Aとし、1.5A未満の場合は、動的上限電流値算出用電流値IDLrl(1),IDLfl(1)を衝突防止目標電流値ITfl(3),ITrl(3)の値のままとして、減算部104rl,104flに出力する。
ステップS58では、減算部104fl,104rlが、それぞれの対合計電流上限設定部106fl,106rlから入力される左右輪対合計の所定上限電流値、例えば、3.0Aから、ステップS57でリミッタ102fl,102rlから入力された動的上限電流値算出用電流値IDLrl(1),IDLfl(1)を減じて、動的上限電流値IDLrl(2),IDLfl(2)を、ダイナミックリミッタ108rl,108flそれぞれに出力する。
ステップS59では、ダイナミックリミッタ108fl,108rlが、ダンパ20fl,20rlの衝突防止目標電流値ITfl(3),ITrl(3)を動的上限電流値IDLfl(2),IDLrl(2)でリミット処理し、目標電流値ITBfl(4),ITBrl(4)を出力制御部89fl,89rlに出力する。
具体的には、ダイナミックリミッタ108flは、目標電流値ITBfl(4)として、衝突防止目標電流値ITfl(3)が動的上限電流値IDLfl(2)以上の場合には、動的上限電流値IDLfl(2)の値とし、衝突防止目標電流値ITfl(3)が動的上限電流値IDLfl(2)未満の場合は、衝突防止目標電流値ITfl(3)の値のままとして、出力制御部89flに出力する。そして、出力制御部89flは、4輪ダンパ伸縮状態判定部75に制御されて、目標電流値ITBfl(4)を選択して駆動回路6flに出力する。
同様に、ダイナミックリミッタ108rlは、目標電流値ITBrl(4)として、衝突防止目標電流値ITrl(3)が動的上限電流値IDLrl(2)以上の場合には、動的上限電流値IDLrl(2)の値とし、衝突防止目標電流値ITrl(3)が動的上限電流値IDLrl(2)未満の場合は、衝突防止目標電流値ITrl(3)の値のままとして、出力制御部89rlに出力する。そして、出力制御部89rlは、4輪ダンパ伸縮状態判定部75に制御されて、目標電流値ITBrl(4)を選択して駆動回路6rlに出力する。
その後、連結子(I)にしたがってステップS60へ進む。
ステップS60では、4輪ダンパ伸縮状態判定部75が、ステップS05で記憶された初期変位量y0fr,y0rrを読み込み、また、ステップSS07において補正された変位量yfr,yrrから変位量(yfr+y0fr),(yrr+y0rr)を算出し、変位量(yfr+y0fr),(yrr+y0rr)とステップS09において算出された相対速度yfr′,yrr′にもとづき、右の前後輪3fr,3rrのいずれかにおいて、相対速度y′が伸び方向(正値)で、変位量(y+y0)が所定の閾値y1より大きく(y+y0>y1)、または、相対速度y′が縮み方向(負値)で、変位量(y+y0)が所定の閾値y2より小さく(y+y0<y2)なったか否かをチェックする{「右の前後輪のいずれかにおいて、相対速度y′が伸び方向で、変位量(y+y0)>y1、または、相対速度y′が縮み方向で、変位量(y+y0)<y2となったか?」}。
ステップS60がYesの場合は、ステップS61へ進み、Noの場合は、連結子(M)にしたがってステップS51に戻る。このステップS51に戻ることは、4輪ダンパ伸縮状態判定部75が、左の前後輪3fl,3rlの前後輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御のみを行わせることを意味し、右の前後輪3fr,3rrは、まだスカイフック制御が続けられる。
ステップS61では、4輪ダンパ伸縮状態判定部75が、右の前後輪3fr,3rrの相対速度yfr′,yrr′の積がゼロ以上か否かをチェックする(「yfr′×yrr′≧0?」)。相対速度yfr′,yrr′の積がゼロ以上の場合(Yes)は、連結子(K)にしたがって一連の前後輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御を終了し、そうでない場合(No)は、ステップS62へ進む。これは、右の前後輪3fr,3rrのサスペンション装置4fr,4rrの伸縮方向の動きが逆方向でないことを確認するチェックである。
ステップS62では、4輪ダンパ伸縮状態判定部75が、右の前後輪3fr,3rrにおいて、それぞれの変位量yと相対速度y′との積が負か否かをチェックする{「(yfr×yfr′<0かつyrr×yrr′<0)」}。それぞれの変位量yと相対速度y′との積が負の場合(Yes)は、連結子(K)にしたがって、一連の前後輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御を終了し、そうでない場合(No)は、ステップS63へ進む。
ステップS61,S62において一連の前後輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御を終了した場合は、4輪ダンパ伸縮状態判定部75は、右の前後輪3fr,3rrのダンパ20fr,20rrには、フルバンプ・フルリバウンド抑制制御を止めさせ、フルストローク抑制目標減衰力設定部82fr,82rr(図5参照)に衝突防止目標電流値ITfr(3),ITrr(3)をゼロと設定させ、目標電流値制限演算部87(図5参照)から出力制御部89fr,89rr(図5参照)に目標電流値ITBfr(4),ITBrr(4)としてゼロを出力させ、出力制御部89fr,89rrにスカイフック制御部73fr,73rrから入力された目標電流値ITfr(1),ITrr(1)を選択させて駆動回路6fr,6rr(図5参照)に出力させる。
つまり、右の前後輪3fr,3rrのダンパ20fr,20rr(図5参照)は、通常のスカイフック制御に戻る。
ステップS63では、フルストローク抑制目標減衰力設定部82frの衝突防止目標電流設定部81fr(図5参照)が、右前輪3frの変位量(yfr+y0fr)、相対速度yfr′にもとづいて、ダンパ20frの衝突防止目標電流値ITfr(2)を設定し、補正部85frに出力する。ステップS64では、補正部85fr(図5参照)が、右前輪3frの初期変位量y0frにもとづいて、補正係数を算出し、ダンパ20frの衝突防止目標電流値ITfr(2)を補正し、衝突防止目標電流値ITfr(3)を目標電流値制限演算部87の右側前後輪電流制限演算部113B(図6参照)に出力する。
ステップS65では、フルストローク抑制目標減衰力設定部82rrの衝突防止目標電流設定部81rr(図5参照)が、右後輪3rrの変位量(yrr+y0rr)、相対速度yrr′にもとづいて、ダンパ20rrの衝突防止目標電流値ITrr(2)を設定し、補正部85rr(図5参照)に出力する。ステップS66では、補正部85rrが、右後輪3rrの初期変位量y0rrにもとづいて、補正係数を算出し、ダンパ20rrの衝突防止目標電流値ITrr(2)を補正し、衝突防止目標電流値ITrr(3)を目標電流値制限演算部87の右側前後輪電流制限演算部113Bに出力する。
ステップS67では、右側前後輪電流制限演算部113Bのリミッタ102fr,102rr(図6参照)が、ダンパ20fr,20rrの衝突防止目標電流値ITfr(3),ITrr(3)を所定値、例えば、1.5A(アンペア)でリミッタ処理して動的上限電流値算出用電流値IDLrr(1),IDLfr(1)を、減算部104fr,104rrに出力する(図6参照)。具体的には、リミッタ102fr,102rrは、衝突防止目標電流値ITfr(3),ITrr(3)が、1.5A以上の場合には、動的上限電流値算出用電流値IDLrr(1),IDLfr(1)を1.5Aとし、1.5A未満の場合は、動的上限電流値算出用電流値IDLrr(1),IDLfr(1)を衝突防止目標電流値ITfr(3),ITrr(3)の値のままとし、減算部104fr,103rrに出力する。ステップS67の後、連結子(L)にしたがってステップS68へ進み、減算部104fr,104rrが、それぞれの対合計電流上限設定部106fr,106rrから入力される左右輪対合計の所定上限電流値、例えば、3.0Aから、ステップS67でリミッタ102fr,102rrから入力された動的上限電流値算出用電流値IDLrr(1),IDLfr(1)を減じて、動的上限電流値IDLrr(2),IDLfr(2)を、ダイナミックリミッタ108rr,108frそれぞれに出力する。
ステップS69では、ダイナミックリミッタ108fr,108rrが、ダンパ20fr,20rrの衝突防止目標電流値ITfr(3),ITrr(3)を動的上限電流値IDLfr(2),IDLrr(2)でリミット処理し、目標電流値ITBfr(4),ITBrr(4)を出力制御部89fr,89rrに出力する。
具体的には、ダイナミックリミッタ108frは、目標電流値ITBfr(4)として、衝突防止目標電流値ITfr(3)が動的上限電流値IDLfr(2)以上の場合には、動的上限電流値IDLfr(2)の値とし、衝突防止目標電流値ITfr(3)が動的上限電流値IDLfr(2)未満の場合は、衝突防止目標電流値ITfr(3)の値のままとして、出力制御部89frに出力する。そして、出力制御部89frは、4輪ダンパ伸縮状態判定部75に制御されて、目標電流値ITBfr(4)を選択して駆動回路6frに出力する。
同様に、ダイナミックリミッタ108rrは、目標電流値ITBrr(4)として、衝突防止目標電流値ITrr(3)が動的上限電流値IDLrr(2)以上の場合には、動的上限電流値IDLrr(2)の値とし、衝突防止目標電流値ITrr(3)が動的上限電流値IDLrr(2)未満の場合は、衝突防止目標電流値ITrr(3)の値のままとして、出力制御部89rrに出力する。そして、出力制御部89rrは、4輪ダンパ伸縮状態判定部75に制御されて、目標電流値ITBrr(4)を選択して駆動回路6rrに出力する。
その後、連結子(M)にしたがってステップS51戻り、前後輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御を繰り返す。
次に、図18から図20を参照しながら適宜図5を参照して本実施形態において左右前輪3fl,3frに対して左右輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御が行われたときの、目標電流値制限演算部87の左右前輪電流制限演算部110Aにおける具体的な制御例を説明する。
図18の(a)は、左右の前輪が略同時に段差に落ち込み、左右輪対のフルリバウンドを防止する制御に入った場合の説明図、(b)は、左右の前輪のうち左前輪だけが大きな窪みに落ち込み、右前輪は小さな窪みに落ち込んだ場合の、前輪の左右輪対のフルリバウンドを防止する制御に入った場合の説明図である。
図19は、左右の前輪が略同時に段差に落ち込み、左右輪対のフルリバウンドを防止する制御に入った場合の説明図であり、図20は、左右の前輪のうち左前輪だけが大きな窪みに落ち込み、右前輪は小さな窪みに落ち込んだ場合の、前輪の左右輪対のフルリバウンドを防止する制御に入った場合の説明図である。
例えば、図18の(a)に示す車輪3fl,3frの内側に表示の矢印のように左右の前輪3fl,3frが略同時に段差に大きく落ち込み、左右輪対のフルリバウンドを防止する制御に入った場合を考える。
ここで、左右前輪3fl,3frのダンパ20fl,20frに各1.5Aの電流を流せば、ダンパ20fl,20frの減衰力で十分フルリバウンド状態を発生させないようにでき、かつ、その後の前部車体の荷重の沈み込みをダンパ20fl,20frで吸収してフルバンプ状態に到らないように支持できる値である。
図19に示すように、リミッタ101fl,10frは、例えば、フルストローク抑制目標減衰力設定部82fl,82frから入力される衝突防止目標電流値ITfl(3)=2.8A,ITfr(3)=2.0Aを1.5A以下に制限し、それぞれ、動的上限電流値算出用電流値IDLfr(1)=1.5A,IDLfl(1)=1.5Aとして減算部103fl,103frに入力する。
対合計電流上限設定部105fl,10frは、所定上限電流値として3Aを減算部103fl,103frそれぞれに入力し、減算部103fl,103frにおいて、3Aから動的上限電流値算出用電流値IDLfr(1)=1.5A、IDLfl(1)=1.5Aの減算が行われ、動的上限電流値IDLfr(2),IDLfl(2)として1.5Aが、ダイナミックリミッタ107fr,107flにそれぞれ入力される。
ダイナミックリミッタ107fl,107frとも、その動的上限電流値IDLfl(2),IDLfr(2)として1.5Aがともに入力されるので、フルストローク抑制目標減衰力設定部82fl,82frからダイナミックリミッタ107fl,107frへ入力される衝突防止目標電流値ITfl(3)=2.8A,ITfr(3)=2.0Aをとも1.5A以下に制限し、目標電流値ITAfl(4)=ITAfr(4)=1.5Aとして、出力する。
この結果、左右の前輪3fl,3frのダンパ20fl,20frは、それぞれ1.5Aに対応した均等の減衰力が発生して、フルリバウンドに到らず(フルリバウンドの衝撃音を発生させず)、その後の車体1の前部の沈み込みに対してスカイフック制御部73fl,73fr(図5参照)によるスカイフック制御に変わるが、その際にダンパ20fl,20frの変位量(yfl+y0fl),(yfr+y0fr)のいずれかが閾値y2より小さくなると、左右輪対のフルバンプを防止する制御に入り、同様にフルバンプに到らないように(フルバンプの衝撃音を発生させないように)制御できる。
また、ダンパ20fl,20frで車体1の前部の沈み込みを吸収するのに適した目標電流値ITAfl(4)=ITAfr(4)=1.5Aとしているので、乗員に乗り心地を硬く感じさせることを抑制できる。
これに対し、例えば、図18の(b)に示す車輪3fl,3frの内側に表示の矢印のように左の前輪3flが大きな窪みに大きく落ち込み、右の前輪3frの落ち込みは、小さいときに、左右輪対のフルリバウンドを防止する制御に入った場合を考える。
図20に示すように、リミッタ101fl,10frは、例えば、フルストローク抑制目標減衰力設定部82fl,82frから入力される衝突防止目標電流値ITfl(3)=2.8A,ITfr(3)=0.5Aを1.5A以下に制限し、それぞれ、動的上限電流値算出用電流値IDLfr(1)=1.5A,IDLfl(1)=0.5Aとして減算部103fl,103frに入力する。
対合計電流上限設定部105fl,10frは、所定上限電流値として3Aを減算部103fl,103frそれぞれに入力し、減算部103fl,103frにおいて、3Aから動的上限電流値算出用電流値IDLfr(1)=1.5A、IDLfl(1)=0.5Aの減算が行われ、動的上限電流値IDLfr(2)=1.5A,IDLfl(2)=2.5Aして、ダイナミックリミッタ107fr,107flにそれぞれ入力される。
ダイナミックリミッタ107flの動的上限電流値IDLfl(2)として2.5Aが、ダイナミックリミッタ107frの動的上限電流値IDLfr(2)として1.5Aが入力されるので、フルストローク抑制目標減衰力設定部82fl,82frからダイナミックリミッタ107fl,107frへ入力される衝突防止目標電流値ITfl(3)=2.8A,ITfr(3)=0.5Aは、ダイナミックリミッタ107fl,107frにおいて、目標電流値ITAfl(4)=2.5A,ITAfr(4)=0.5Aとして、出力する。
この結果、左の前輪3flのダンパ20flは、2.5Aに対応したより強い減衰力が発生して、フルリバウンドに到らず(フルリバウンドの衝撃音を発生させず)、その後の車体1の前部の左側に偏った沈み込みに対してスカイフック制御部73fl,73fr(図5参照)によるスカイフック制御に変わるが、その際にダンパ20flの変位量(yfl+y0fl)の方が、ダンパ20frの変位量(yfr+y0fr)よりも先に閾値y2より小さくなり、左右輪対のフルバンプを防止する制御に入る。車体1の前部の左側に偏った沈み込みを左のダンパ20flで吸収するときに、左前輪3flのダンパ20flの変位量(yfl+y0fl)の示す圧縮量および相対速度yfl′の絶対値の方が右前輪3frのダンパ20frの変位量(yfr+y0fr)の示す圧縮量および相対速度yfr′の絶対値よりも大きくなり、例えば、1.5Aより強い2.5Aに対応したより強い減衰力を発生させて、ダンパ20flを、従来技術で、例えば、1.5Aとするとフルバンプに到るところをフルバンプに到らないよう(フルバンプの衝撃音を発生させないように)に制御できる。
また、ダンパ20fl,20frで車体1の前部の左側に偏った沈み込みを吸収するのに目標電流値ITAfl(4)+ITAfr(4)≦3.0A(対の合計の最大値)としているので、ダンパ20fl,20frの対の減衰力制御に必要な最低限の電力で済ませることができ、結果的に燃費を改善できる。
同様に、大型車による間隔の大きい轍の溝が発生している道路に、車両100の左右一方の前後輪が、略同時に、例えば、前輪の方が早く大きく落ち込んだ場合の、左側前後輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御や右側前後輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御にも同様に、対の前後輪の内の落ち込みの大きい車輪3のダンパ20の減衰力を従来よりも高めるように、1.5Aを超える値に設定して、フルリバウンドやフルバンプを防止することができる。
実施形態に係る減衰力可変ダンパの制御装置を適用した4輪車両の概略構成図である。 車両のサスペンション装置の正面図である。 減衰力可変ダンパの縦断面図である。 減衰力可変ダンパの制御装置のハード的な概略構成を示すブロック図である。 減衰力可変ダンパの制御装置の機能ブロック図である。 図5における目標電流値制限演算部の詳細な機能ブロック図である。 サスペンションモデルの説明図である。 スカイフック制御における目標減衰力マップの説明図である。 スカイフック制御の説明図である。 減衰力可変ダンパの制御装置における減衰力制御の流れを示す全体フローチャートである。 減衰力可変ダンパの制御装置における減衰力制御の流れを示す全体フローチャートである。 4輪ダンパ伸縮状態判定部および衝突防止制御部における左右輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御の流れを示すフローチャートである。 4輪ダンパ伸縮状態判定部および衝突防止制御部における左右輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御の流れを示すフローチャートである。 4輪ダンパ伸縮状態判定部および衝突防止制御部における左右輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御の流れを示すフローチャートである。 4輪ダンパ伸縮状態判定部および衝突防止制御部における前後輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御の流れを示すフローチャートである。 4輪ダンパ伸縮状態判定部および衝突防止制御部における前後輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御の流れを示すフローチャートである。 4輪ダンパ伸縮状態判定部および衝突防止制御部における前後輪対のフルバンプ・フルリバウンド抑制制御の流れを示すフローチャートである。 (a)は、左右の前輪が略同時に段差に落ち込み、左右輪対のフルリバウンドを防止する制御に入った場合の説明図、(b)は、左右の前輪のうち左前輪だけが大きな窪みに落ち込み、右前輪は小さな窪みに落ち込んだ場合の、前輪左右輪対のフルリバウンドを防止する制御に入った場合の説明図である。 左右の前輪が略同時に段差に落ち込み、左右輪対のフルリバウンドを防止する制御に入った場合の説明図である。 左右の前輪のうち左前輪だけが大きな窪みに落ち込み、右前輪は小さな窪みに落ち込んだ場合の、前輪左右輪対のフルリバウンドを防止する制御に入った場合の説明図である。
符号の説明
1 車体
2 タイヤ
3,3fl,3fr,3rl,3rr 車輪
4,4fl,4fr,rl,4rr サスペンション装置
5 ナックル
6,6fl,6fr,6rl,6rr 駆動回路
7 ECU(減衰力可変ダンパの制御装置)
7a マイクロコンピュータ
7b 入力インタフェース回路
7c 出力インタフェース回路
10 横Gセンサ
11 ヨーレートセンサ
12,12fl,12fr,12rl,12rr バネ上Gセンサ
13,13fl,13fr,13rl,13rr 変位量センサ(伸縮状態量取得手段)
14 車速センサ
17 バネ
20,20fl,20fr,20rl,20rr ダンパ
21 シリンダ
22 ピストン
22a 流体通路
23 ピストンロッド
24 フリーピストン
25 第1流体室
26 第2流体室
27 ガス室
28 コイル
29 サポートプレート
31 バウンドストッパ
33 リバウンドストッパ
35 給電線
41 コイルスプリング
43 サスペンションアーム
71fl,71fr,71rl,71rr 変位量初期値取得部
73fl,73fr,73rl,73rr スカイフック制御部
73a 目標減衰力マップ
75 4輪ダンパ伸縮状態判定部
77 衝突防止制御部
81fl,81fr,81rl,81rr 衝突防止目標電流設定部
82fl,82fr,82rl,82rr フルストローク抑制目標減衰力設定部(フルストローク抑制減衰力設定手段)
83 フルストローク抑制目標減衰力マップ
85fl,85fr,85rl,85rr 補正部
87 目標電流値制限演算部(減衰力規制手段)
89fl,89fr,89rl,89rr 出力制御部
100 車両
101fl,101fr,101rl,101rr,102fl,102fr,102rl,102rr リミッタ
103fl,103fr,103rl,13rr,104fl,104fr,104rl,104rr 減算部
105fl,105fr,105rl,105rr,106fl,106fr,106rl,106rr 対合計電流上限設定部
107fl,107fr,107rl,107rr,108fl,108fr,108rl,108rr ダイナミックリミッタ
110A 左右前輪電流制限演算部
110B 左右後輪電流制限演算部
113A 左側前後輪電流制限演算部
113B 右側前後輪電流制限演算部

Claims (3)

  1. 4輪車両に設置され、車体と各車輪との間に配置されたダンパの減衰力を可変制御する減衰力可変ダンパの制御装置であって、
    前記各ダンパの伸縮状態量を取得する伸縮状態量取得手段と、
    前記伸縮状態量取得手段により取得された前記伸縮状態量にもとづき、前記ダンパの最大伸長状態、もしくは、最大圧縮状態に到達しないように前記各ダンパのフルストローク抑制目標減衰力を設定するフルストローク抑制減衰力設定手段と、
    前記各ダンパのうちの一つの伸縮方向と、車両の左右、または、前後で対となる他方の前記ダンパの伸縮方向が同じ場合は、前記一つのダンパに対する前記フルストローク抑制目標減衰力を、前記対となる他方のダンパの前記フルストローク抑制目標減衰力に応じて、必要なときに規制を行う減衰力規制手段と、を備え
    前記フルストローク抑制減衰力設定手段は、前記各ダンパのうちの少なくとも一つの伸縮状態量が、予め設定された第1の変位量を超えて伸び方向の動作をしている状態、または、予め設定された第2の変位量未満に縮み方向の動作をしている場合に、前記対となるダンパに対する前記フルストローク抑制目標減衰力を、前記対となるダンパの少なくとも伸縮状態量および該伸縮状態量の時間微分である相対速度に応じて、設定することを特徴とする減衰力可変ダンパの制御装置。
  2. 4輪車両に設置され、車体と各車輪との間に配置されたダンパの減衰力を可変制御する減衰力可変ダンパの制御装置であって、
    前記各ダンパの伸縮状態量を取得する伸縮状態量取得手段と、
    前記伸縮状態量取得手段により取得された前記伸縮状態量にもとづき、前記ダンパの最大伸長状態、もしくは、最大圧縮状態に到達しないように前記各ダンパのフルストローク抑制目標減衰力を設定するフルストローク抑制減衰力設定手段と、
    前記各ダンパのうちの一つの伸縮方向と、車両の左右、または、前後で対となる他方の前記ダンパの伸縮方向が同じ場合は、前記一つのダンパに対する前記フルストローク抑制目標減衰力を、前記対となる他方のダンパの前記フルストローク抑制目標減衰力に応じて、必要なときに規制を行う減衰力規制手段と、を備え、
    前記減衰力規制手段は、
    前記対となるダンパのうちの一方のダンパと他方のダンパで発生させるフルストローク抑制目標減衰力の合計の最大値を予め設定し、
    前記対となるダンパのうちの前記他方のダンパの前記フルストローク抑制減衰力設定手段により設定されたフルストローク抑制目標減衰力が、前記合計の最大値の半分未満である場合には、前記一方のダンパの前記フルストローク抑制目標減衰力の上限値を、前記合計の最大値から前記他方のダンパの前記設定されたフルストローク抑制目標減衰力を減算した値として設定し、
    前記一方のダンパの前記フルストローク抑制減衰力設定手段により設定されたフルストローク抑制目標減衰力を、必要に応じて前記上限値に規制し、
    前記対となるダンパのうちの前記他方のダンパの前記フルストローク抑制減衰力設定手段により設定されたフルストローク抑制目標減衰力が、前記合計の最大値の半分以上である場合には、前記一方のダンパの前記フルストローク抑制目標減衰力の上限値を、前記合計の最大値の半分の値として設定し、
    前記一方のダンパの前記フルストローク抑制減衰力設定手段により設定されたフルストローク抑制目標減衰力を、必要に応じて前記上限値に規制することを特徴とする減衰力可変ダンパの制御装置。
  3. 前記フルストローク抑制減衰力設定手段は、前記各ダンパのうちの少なくとも一つの伸縮状態量が、予め設定された第1の変位量を超えて伸び方向の動作をしている状態、または、予め設定された第2の変位量未満に縮み方向の動作をしている場合に、前記対となるダンパに対する前記フルストローク抑制目標減衰力を、前記対となるダンパの少なくとも伸縮状態量および該伸縮状態量の時間微分である相対速度に応じて、設定することを特徴とする請求項2に記載の減衰力可変ダンパの制御装置。
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