JP5164456B2 - 水性アクリル系感圧接着剤組成物 - Google Patents

水性アクリル系感圧接着剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、温水などを吹き付けることにより容易に剥離することのできる感圧接着ラベル用の水性アクリル系感圧接着剤組成物に関し、特に貼付前に長期保管されていても再剥離性が低下することのない感圧接着ラベル用の水性アクリル系感圧接着剤組成物に関する。
近年、例えばパック牛乳、瓶ビール、パンなどをプラスチック製のコンテナーに入れて輸送、保管する方法がしばしば採用されている。その場合、コンテナーには、収容されている商品の種類や商品名、その数量、配送先を表示した感圧接着ラベルが貼付される。それらのコンテナーは、通常、商品が取り出された後、洗浄されて再使用されるが、使用済みの感圧接着ラベルは、その洗浄時に温水等を吹き付けることによって剥落することが好ましく、少なくともブラシ等で容易に擦り落とすことができる必要がある。
一般に使用されている感圧接着ラベルの感圧接着剤層は、被着体に対してある程度の耐水接着力を有しており、通常、水洗時にブラシなどで擦った程度では、感圧接着ラベルが感圧接着剤層ごと剥離することはほとんどなく、感圧接着剤層がコンテナー等の被着体に残留し、それに埃などが付着してコンテナーを汚し、著しくその外観を損ねることになる。
このような課題を解決するための方法も幾つか提案されており、例えば、特許文献1(特開平9-114382号公報)には、界面活性剤を含むエマルジョン系の粘着剤で構成され、水との接触により粘着力が低減する粘着ラベルが開示されている。
この提案の具体例である実施例によれば、2-エチルヘキシルアクリレートやブチルアクリレートなどを主体とする単量体を、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのノニオン系界面活性剤及び、これに必要に応じてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアニオン系界面活性剤を併用して乳化重合したアクリル系水性分散液を用いて、上質紙などの基材上に感圧接着剤層を形成した後、その接着剤層の表面に離型シートを積層する方法で感圧接着ラベルを形成している。しかしながら、この実施例記載の方法は、界面活性剤の使用量がやや多めである以外は、アクリル系共重合体水性分散液を用いた通常の粘着ラベルの製造とほとんど変わっておらず、従って、本発明者等によるこれら実施例の追試では、必ずしも十分な水剥離性は得られなかった。
また、感圧接着剤層の水に対する接触角が特定値以下となるような水性アクリル系感圧接着剤組成物についても知られており、例えば、特許文献2(特開平9-176583号公報)には、粘着シートの再生パルプ化を容易にすることを目的とした、粘着剤層の水に対する接触角が水滴下60秒後で100゜以下である粘着シートについて開示されている。
この第2の提案では、粘着シートを水に浸漬したときの粘着剤層への水の浸透性を向上させ、それにより粘着剤層の一部を溶解させて粘着剤層を脆化させて、粘着シートの水への分散を容易にすることを意図しており、その達成のために、具体的な粘着剤としては、ブチルアクリレートなどの炭素数4〜18の(メタ)アルキルアクリレート 40〜85重量%の他に、メトキシポリエチレングリコールアクリレートなどの(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート5〜40重量%、アクリル酸などのエチレン性不飽和カルボン酸含有モノマー3重量%程度、カルボン酸変性ロジンエステルモノマー5重量%程度を、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム塩等のアニオン系界面活性剤の存在下に乳化重合したものが用いられている。
しかしながら、本発明者等による前記第2提案の実施例の追試によれば、得られるアクリル系共重合体水性分散液により形成される感圧接着剤層は、確かに優れた水分散性を示し、該感圧接着剤層を有する感圧接着ラベルも良好な水剥離性を示すが、その感圧接着剤層は必ずしも十分な凝集力を有しておらず、例えば、感圧接着ラベルを貼付したコンテナーを夏季の炎天下に長時間輸送したり、炎天下又は高温となる室内で貯蔵したりする時、該感圧接着ラベルがコンテナーからずり落ちたりする不都合が発生することがあり、また、感圧接着ラベルの原材料である感圧接着シートの作製に際しては、しばしばロール状に巻き取られて貯蔵されるが、その時の巻締圧によってロールの脇から感圧接着剤がはみ出すという不都合が生じやすい。さらに感圧接着ラベルの作製に際して、感圧接着シートの印刷後ラベルの大きさに即して裁断される時に、感圧接着剤が裁断用の刃に付着して裁断に支障を来したり、製品のラベルを汚したりする不都合が生じやすい。
本発明者等は、前記従来の感圧接着剤が有する問題点を解決するために水性アクリル系感圧接着剤の改良研究を行ってきた結果、特許文献3(特開2002−309209号公報)において、ガラス転移点(Tg)が−40℃以下である水分散性のアクリル系共重合体であって、その分散粒子が少なくとも0.2μm以上の平均粒子径を有するアクリル系共重合体を含んでなる水性アクリル系感圧接着剤組成物において、該感圧接着剤組成物から形成される感圧接着剤層の水に対する接触角が50゜以下であることを特徴とする水性アクリル系感圧接着剤組成物により、温水などを吹き付けるだけで容易にプラスチック製被着体から剥離することのできる感圧接着シートが得られ、前記の凝集力の不十分さに伴う問題も生じないことを見いだした。
ところで、前記感圧接着ラベルは、表面に印刷や表示を行い、感圧接着剤を塗布し剥離基材上に貼付した形で、ラベル製造者から表示を必要とするユーザーに提供されるものである。該ラベルは必ずしも製造後直ちに使用されるものではなく、ラベルの流通過程、保管期間中に 場合によっては高温や多湿の条件下におかれることもある。このような悪条件に置かれた後に基材に貼り付けた場合に、前記提案の水性アクリル系感圧接着剤組成物は、温水を吹き付けて剥離しようとしても剥離不十分になるという問題が発生した。
特開平9-114382号公報 特開平9-176583号公報 特開2002−309209号公報
本発明が解決しようとする課題は、感圧接着剤塗布後に長時間高温多湿条件に置かれても使用時の接着力が低下せず、水剥離性が十分な感圧接着剤組成物を提供することである。
本発明者らは、前記課題について研究を進めた結果、特定の水分散性のアクリル系共重合体に特定分子量範囲のポリビニルアルコールを後添加することによって、前記課題を解決することができることを見い出し、本発明を完成した。すなわち、ガラス転移点(Tg)が−40℃以下である水分散性のアクリル系共重合体であって、その分散粒子が少なくとも0.2μm以上の平均粒子径を有するアクリル系共重合体(A)100重量部に対してアクリル系共重合体(A) 100重量部に対して
部分けん化ポリビニルアルコール(B) 1〜10 重量部
アルキルアリールスルホン酸塩 (C) 0.5〜2.5重量部 を含む感圧接着剤組成物。
により、本課題を解決することができた。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の水性アクリル系感圧接着剤組成物は、その主要成分として水分散性のアクリル系共重合体を含んでなるものである。このようなアクリル系共重合体としては、(メタ)アクリル酸エステルを50重量%以上共重合してなるものであることが好ましい。
具体的には、本発明に用いられるアクリル系共重合体は、下記単量体(a1)及び(a2)、(a1) 下記一般式(1)で表され、その単独重合体のガラス転移点が−20℃以下であるアクリル酸エステル〔以下、主単量体(a1)ということがある〕、
CH2=CH−COOR1
(1)(式中、R1は炭素数2〜12の直鎖もしくは分枝アルキル基を示す)及び、
(a2) 炭素数3〜5のα,β−不飽和モノ−又はジ−カルボン酸〔以下、不飽和カルボン酸(a2)又は単に単量体(a2)ということがある〕、並びに、必要に応じて、
(a3) 分子内に1個のラジカル重合性不飽和基の他に少なくとも1個の官能基を有する単量体であって、上記単量体(a2)以外の単量体〔以下、官能性単量体(a3)又は単に単量体(a3)ということがある〕、及び、(a4) 上記単量体(a1)〜(a4)と共重合可能な、該単量体(a1)〜(a3)以外の共単量体〔以下共単量体(a4)ということがある〕、を乳化共重合してなるものであることが好ましい。
なお、前記の「(メタ)アクリル酸エステルを50重量%以上共重合してなるもの」とは、上記主単量体(a1)並びに、上記共単量体(a4)の中のアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの合計が、共重合体を形成する全単量体成分(a1)〜(a4)に対して50重量%以上を占めていることを意味するものである。
前記の必須単量体成分である主単量体(a1)は、前記一般式(1)で表され、その単独重合体のガラス転移点が−20℃以下であるアクリル酸エステル単量体である。
前記一般式(1)における基R1の例としては、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、i-オクチル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、i-ノニル基、n-デシル基、n-ドデシル基などを挙げることができる。
このようなアクリル酸エステルの好適な具体例としては、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、i-ブチルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、i-オクチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-ノニルアクリレート、i-ノニルアクリレート等を挙げることができ、n-ブチルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、i-オクチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-ノニルアクリレート、i-ノニルアクリレート等の使用が特に好ましい。
なお、ここでいう「単独重合体のガラス転移点(Tg)」には、便覧等に記載されている単量体のガラス転移点が適用される。
上記主単量体(a1)の使用量は、本発明で用いられるアクリル系共重合体を形成する全単量体成分である、前記単量体(a1)〜(a4)の合計100重量%に対して、50〜99.9重量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは55〜99.5重量%、さらに好ましくは60〜97.7重量%、特に好ましくは65〜94.5重量%であるのがよい。単量体(a1)の使用量が該下限量以上であれば、形成される感圧接着剤層の接着力、タック及び凝集力がバランスよく兼備されるので好ましく、一方、該上限量以下であれば、凝集力が不足するなどの不都合が生じにくいので好ましい。
本発明の水性アクリル系共重合体は、前記の主単量体(a1)と共に、前記の不飽和カルボン酸(a2)を必須成分として乳化共重合してなるものであることが好ましい。
このような不飽和カルボン酸(b)の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸などを挙げることができる。これらの中では、アクリル酸、メタクリル酸の利用がより好ましい。
不飽和カルボン酸(a2)の使用量は、前記単量体(a1)〜(a4)の合計100重量%に対して0.1〜5重量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.2〜4重量%、さらに好ましくは0.3〜3重量%、特に好ましくは0.5〜2重量%であるのがよい。不飽和カルボン酸(a2)の使用量が該上限量以下であれば、形成される感圧接着剤層のタック及び耐水性が低下するなどの不都合が生じにくいので好ましい。一方、該使用量が該下限値以上であれば、得られる水性感圧接着剤組成物の機械安定性及び得られる感圧接着剤層の接着力が優れており、凝集力が不足するなどの不都合が生じにくいので、該使用量範囲において適宜選択利用するのが好ましい。
本発明の水性アクリル系共重合体は、必須成分である前記の主単量体(a1)及び不飽和カルボン酸(a2)と共に、必要に応じて、分子内に1個のラジカル重合性不飽和基の他に少なくとも1個の官能基を有する単量体であって、上記単量体(a2)以外の単量体(a3)を共重合することもできる。
このような官能性単量体(a3)としては、官能基として、例えば、アミド基もしくは置換アミド基、アミノ基もしくは置換アミノ基、ヒドロキシル基、炭素数6以下の低級アルコキシル基、エポキシ基、メルカプト基又は珪素含有基等を有する単量体を挙げることができ、また、分子内にラジカル重合性不飽和基を2個以上有する単量体も使用できる。
これら単量体(a3)の具体例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミド、N-n-ブトキシメチルアクリルアミド、N-i-ブトキシメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-メチルアクリルアミド(好ましくはアクリルアミド、メタクリルアミド)等のアミド基もしくは置換アミド基含有単量体;例えば、アミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート(好ましくはN,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート)等のアミノ基もしくは置換アミノ基含有単量体;
例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、アリルアルコール、メタリルアルコール、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、(好ましくは2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート)等のヒドロキシル基含有単量体;
例えば、2-メトキシエチルアクリレート、2-エトキシエチルアクリレート、2-n-ブトキシエチルアクリレート、2-メトキシエトキシエチルアクリレート、2-エトキシエトキシエチルアクリレート、2-n-ブトキシエトキシエチルアクリレート、2-メトキシエチルメタクリレート、2-エトキシエチルメタクリレート、2-n-ブトキシエチルメタクリレート、2-メトキシエトキシエチルメタクリレート、2-エトキシエトキシエチルメタクリレート、2-n-ブトキシエトキシエチルメタクリレート(好ましくは2-メトキシエチルアクリレート、2-エトキシエチルアクリレート、2-メトキシエチルメタクリレート、2-エトキシエチルメタクリレート)等の低級アルコキシル基含有単量体;
例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル、グリシジルメタリルエーテル(好ましくはグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート)等のエポキシ基含有単量体;アリルメルカプタン等のメルカプト基含有単量体;
例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリブロモシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ-n-プロポキシシラン、ビニルトリ-i-プロポキシシラン、ビニルトリ-n-ブトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリス(2-ヒドロキシメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルジエトキシシラノール、ビニルエトキシシラジオール、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、2-アクリルアミドエチルトリエトキシシラン等の珪素含有基を有する単量体;
例えば、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2-プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等の2個以上のラジカル重合性不飽和基を有する単量体;等の単量体群を挙げることができる。
これら単量体(a3)の使用量は、単量体(a1)〜(a4)の合計100重量%に対して5重量%未満であるのが好ましく、より好ましくは3重量%以下であるのがよい。該使用量が5重量%未満であれば、水性乳化重合の際の凝集物の発生や乳化状態の破壊、得られる水性分散液の貯蔵安定性の低下、或いは、形成される感圧接着剤層のタック、接着力及び耐水性等の低下などの不都合を引き起こすことがないので好ましい。
本発明の水性アクリル系共重合体は、必須成分である前記の主単量体(a1)及び不飽和カルボン酸(a2)、並びに、必要に応じて用いられる前記の官能性単量体 (a3)と共に、前記の共単量体(a4)を共重合することができる。
このような共単量体(a4)としては、下記一般式(2)、
[化2]
HC=C(−R2)−X (2)
(ここで、R2は水素又はメチル基、XはCOOR3、OCOR4又はR5であって、R3は炭素数1〜20の直鎖もしくは分枝アルキル基又はアルケニル基、炭素数4〜8のシクロアルキル基或いは炭素数7〜10のアラルキル基、R4は水素又は炭素数2〜12の直鎖もしくは分枝アルキル基、R5は炭素数6〜8のアリール基又はシアノ基を表す)で示されるものであることが好ましい。
このような共単量体(a4)としては、例えば、上記一般式(2)におけるR2が水素原子で、XがCOOR3である前記主単量体(a)以外のアクリル酸エステルを挙げることができ、このような基R3の例としては、メチル基、i-プロピル基、t-ブチル基、ステアリル基、オレイル基、シクロヘキシル基、ベンジル基などを挙げることができる。
このようなアクリル酸エステルの具体例としては、メチルアクリレート、i-プロピルアクリレート、t-ブチルアクリレート、ステアリルアクリレート、オレイルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート(好ましくはメチルアクリレート)等を挙げることができる。
また共単量体(a4)としては、前記一般式(2)におけるR2がメチル基でXがCOOR3であるメタクリル酸エステルを挙げることができ、このような基R3の例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、i-ブチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、i-オクチル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、i-ノニル基、n-デシル基、i-デシル基、n-ドデシル基、トリデシル基、セチル基、ステアリル基、オレイル基、シクロヘキシル基、ベンジル基などを挙げることができる。
このようなメタクリル酸エステルの具体例としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、i-ブチルメタクリレート、t-ブチルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、i-デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、セチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、オレイルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート(好ましくはメチルメタクリレート)等のメタクリル酸エステルなどを挙げることができる。
さらに共単量体(a4)としては、前記一般式(2)におけるR2が水素原子でXがOCOR4である飽和脂肪酸ビニルエステルを挙げることができ、例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、「バーサチック酸ビニル」(商品名)(好ましくは酢酸ビニル)を例示することができる。
さらにまた共単量体(a4)としては、前記一般式(2)におけるR2が水素又はメチル基、XがR5で、R5がアリール基である、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン(好ましくはスチレン)等の芳香族ビニル単量体;R5がシアノ基である、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等(好ましくはアクリロニトリル)のシアン化ビニル単量体;よりえらばれた共単量体も同様に利用できる。
このような共単量体(a4)の使用量は、前記単量体(a1)〜(a4)の合計100重量%に対して、一般に45重量%以下、好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは2〜35重量%、特に好ましくは5〜30重量%であるのがよい。該共単量体(a4)の使用量は、その種類により変わるので一義的には決められないが、接着力とタックとのバランス及びこれらと凝集力とのバランスなどを所望に応じて調節するのに役立つので、そのような目的に合致するように上記範囲内の量で適宜に選択することができる。該共単量体(a4)の使用量が上記範囲の上限値以下であれば、タックが小さくなり過ぎるなどの不都合が生じないので好ましい。また、該使用量を5重量%以上とすることにより接着力又は凝集力の向上が期待できる。
本発明に用いられるアクリル系共重合体は、そのガラス転移点(Tg)が−40℃以下であることが必要である。Tgが該温度を超えて高すぎては、得られる感圧接着剤層のタックが不足しがちとなり、また、例えば10℃以下などの低温での接着力が不十分となる等の不都合が生じるあるので好ましくない。
なお本発明におけるアクリル系共重合体のガラス転移点(Tg)とは、便覧等に記載されているガラス転移点(Tg)の値に従って以下の計算式により計算により求められたものである。
1/Tg=w1/Tg1+w2/Tg2+・・・・・・・・・+w/Tg
但し、Tgは共重合体のガラス転移温度であり、Tg1、Tg2、・・・・・・Tgkは各単量体成分の単独重合体のTgであり、w1、w2、・・・・・・wkは各単量体成分の重量分率を表わし、w1+w2+・・・・・・+wk=1である。
本発明に用いられるアクリル系共重合体の水性媒体中の分散粒子は、少なくとも0.2μm以上の平均粒子径を有することが必要であり、好ましくは0.4μm以上、特に好ましくは0.5μm以上であるのがよい。分散粒子の平均粒子径が該下限値未満と小さすぎては、得られる水性アクリル系感圧接着剤組成物から形成される感圧接着剤層の凝集力が不十分となることがあり、また粘度が上昇しすぎるなど取り扱い上の問題を生ずることがあるので好ましくない。
なお本明細書において、分散粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定された値であり、具体的には「マスターサイザー2000」〔商品名;シスメックス(株)製〕を用いて測定された重量平均径である。
本発明に好適に用いられるアクリル系共重合体は、前記の必須単量体(a)及び(b)、又はこれら必須単量体(a)及び(b)と共に、必要に応じて、さらに単量体(c)及び/又は(d)を含む組合せ単量体を、好ましくは1種以上の界面活性剤の存在下に、水性媒体中で乳化共重合して得られるものであるのがよい。
アクリル系共重合体の乳化共重合に際しては、前記の界面活性剤を適宜組み合わせて使用することができるが、必要に応じて、分子内にラジカル重合可能な不飽和基を有する、所謂「反応性乳化剤」をそれぞれ単独で、もしくは反応性乳化剤同士適宜組み合わせて、又はそれらと前記の通常の乳化剤とを組み合わせて使用することもできる。
このような反応性乳化剤としては、例えば、「エレミノールJS-2」、「エレミノールRS-30」〔以上、三洋化成工業(株)製〕、「アクアロンHS-10N」、「アクアロンHS-20N」〔以上、第一工業製薬(株)製〕、「アデカリアソープSE-10N」〔旭電化工業(株)製〕、「ラテムルS-120」、「ラテムルS-120A」、「ラテムルS-180」、「ラテムルS-180A」〔以上、花王(株)製〕等のアニオン系反応性乳化剤;例えば、「アクアロンRN-20」、「アクアロンRN-30」、「アクアロンRN-50」〔以上、第一工業製薬(株)製〕、「アデカリアソープNE-10」、「アデカリアソープNE-20」、「アデカリアソープNE-30」〔旭電化工業(株)製〕、「RMA-564」、「RMA-568」、「RMA-1114」〔以上、日本乳化剤(株)製〕等のノニオン系反応性乳化剤;などを挙げることができ、環境保全の観点から、これらの反応性乳化剤のうちアルキルフェニル基を含まないものを選択して用いることが好ましい。
アクリル系共重合体の乳化共重合に際しての界面活性剤の使用量は、必ずしも限定されるものではないが、該アクリル系共重合体100重量部に対して、界面活性剤有効成分で、一般に0.5〜5重量部程度の量で使用することができるが、好ましくは1〜3重量部、さらに好ましくは1.5〜2.5重量部使用するのがよい。該下限値以上であれば、乳化共重合が円滑に進行すると共に、アクリル系共重合体水性分散液の製造操作に支障を来すおそれのある反応器の壁への付着やカスなどの発生が少なく、且つ該水性分散液に基づく水性アクリル系感圧接着剤の機械安定性及び貯蔵安定性にも優れているので好ましい。
一方、該使用量を上限値以下とすることにより、得られる感圧接着剤層の水に対する接触角を比較的容易に50゜以下とすることができ、また、分散粒子の平均粒子径を、例えば0.2μm以上、好ましくは0.5μm以上など比較的大きくすることができ、得られる感圧接着剤層の凝集力を高めることができるので好ましい。
本発明に用いられるアクリル系共重合体の乳化共重合に際しては、得られる共重合体の性能に悪影響を及ぼさない範囲において、前記のアニオン系及び/又はノニオン系界面活性剤とともに水溶性保護コロイドを併用することもできる。
上記の水溶性保護コロイドとしては、例えば、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類;例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩等のセルロース誘導体;及びグアガムなどの天然多糖類;などが挙げられ、これらは、単独でも複数種併用の態様でも利用できる。水溶性保護コロイドの使用量としては、前記単量体(a)〜(d)の合計100重量部当り0〜0.5重量部程度である。
更に乳化重合に際しては、通常、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩類;t-ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、p-メンタンヒドロパーオキシドなどの有機過酸化物類;過酸化水素;などの重合開始剤が使用される。これら重合開始剤も一種もしくは複数種併用のいずれの態様でも利用できる。これらの重合開始剤は、前記単量体(a1)〜(a4)の合計100重量部に対して、0.01〜1重量部程度の量を用いるのが好ましい。
また乳化重合に際して、所望により、重合開始剤とともに還元剤を併用することができる。このような還元剤としては、例えば、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖、ホルムアルデヒドスルホキシラート金属塩等の還元性有機化合物;チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物;を例示できる。これら還元剤は、前記単量体(a1)〜(a4)の合計100重量部に対して、0.1〜1重量部程度の量を用いるのが好ましい。
更にまた、乳化重合に際しては連鎖移動剤を使用することができる。このような連鎖移動剤としては、例えば、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、n-ブチルメルカプタン、2-エチルヘキシルチオグリコレート、2-メルカプトエタノール、トリクロロブロモメタン等を挙げることができる。これら連鎖移動剤は、前記単量体(a1)〜(a4)の合計100重量部に対して0〜1重量部程度の量を用いるのが好ましい。
なお前記の水性媒体とは、水、並びに、水及び水と相溶性を有する有機溶媒からなる混合溶媒をいう。このような有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、i-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、t-ブチルアルコール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、アセトン、メチルエチルケトン等を挙げることができる。
本発明に用いるアクリル系共重合体の乳化共重合における水性媒体としては、水を主成分とするものを用いるのが好ましく、該水性媒体中に占める水溶性有機溶媒の含有量は、通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下であるのがよい。
本発明に用いるアクリル系共重合体の乳化共重合において好適に採用される共重合温度は、約40〜100℃、特には約50〜90℃である。
かくして得られたアクリル系共重合体の水性分散液は、必要に応じて、アンモニア水等によってpH調節されることができる。このような分散液は、通常、固形分濃度30〜50重量%、粘度10〜3000mPa・s(BH型回転粘度計、25℃、20rpm;粘度測定条件以下同様)、pH2〜9程度である
本発明の水性感圧接着剤組成物には、前記の水分散性アクリル系共重合体と共にアルキルアリールスルホン酸塩類をアクリル系共重合体100重量部に対して 0.5〜2.5重量部、好ましくは 0.5 〜 1.0 重量部添加することが必要である。該下限値以上であれば、得られるアクリル系感圧接着剤の保管後の再剥離性が優れたものとなるので好ましい。一方、該使用量を該上限値以下とすることにより、接着力の経時低下を抑えられるので好ましい。
アルキルアリールスルホン酸塩類としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩が特に好ましい。
本発明の水性感圧接着剤組成物には前記の水分散性アクリル系共重合体、アルキルアリールスルホン酸塩類と共に、アクリル系共重合体100重量部に対して1〜10重量部、好ましくは 2〜 8重量部、特に好ましくは 3〜 6重量部のポリビニルアルコール(B)を含有する。
該ポリビニルアルコール(B)は部分的にけん化している部分けん化ポリビニルアルコールであることが必要であり、そのけん化度は75〜95mol%、好ましくは
80〜90mol%であって、けん化度が低すぎても、高すぎても保管後の水剥離性が低下する。
このようなとしては、たとえばクラレ株式会社製 クラレポバール200シリーズ、日本合成化学工業株式会社製 PVOH樹脂「A型ゴーセノール」、「G型ゴーセノール」等が挙げられる。
該部分けん化ポリビニルアルコール(B)の重合度は200〜3000であることが必要であり、好ましくは 300〜2500であるのがよい。重合度が200以上であれば、経時保管後でも十分水剥離可能でありであり、3000未満であれば接着力が低下することはない。
本発明の水性アクリル系感圧接着剤組成物は、必要に応じて、さらに粘着付与樹脂を含有させることができる。本発明に使用可能な粘着付与樹脂としては、例えば、クマロン・インデン樹脂、テルペン樹脂、テルペン・フェノール樹脂、ロジン樹脂、p-t-ブチルフェノール・アセチレン樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、石油系炭化水素樹脂、水素添加炭化水素樹脂、テレピン系樹脂等を使用することができ、低温接着力及び曲面接着性のよさ等の観点から、ロジン樹脂、石油系炭化水素樹脂の使用が好ましい。また該粘着付与樹脂の軟化点は、70〜180℃、好ましくは100〜180℃、特に好ましくは120〜170℃であることが好ましく、その重量平均分子量は、5000以下、特には2000〜4000であることが好ましい。さらに本発明に用いることのできる粘着付与樹脂は、水性分散物であることが好ましい。
このような粘着付与樹脂としては、例えば、「スーパーエステルE-625A」、「スーパーエステルE-650」、スーパーエステルKE-788」〔以上荒川化学工業(株)製〕、「ハリエスターSK-130D」、「ハリエスターSK-508」、「LP-532 NF」〔以上ハリマ化成(株)製〕等のロジン樹脂;例えば、「QME-100」、「QME-125ps」、「QME-800」〔以上東邦化学工業(株)製〕等の石油系炭化水素樹脂;などの商品名で市販されているものを挙げることができ、これらの中、アルキルフェニル系界面活性剤を実質的に含有しない、「スーパーエステルKE-788」、「LP-532NF」、「QME-125ps」、「QME-800」が好適に使用される。
上記粘着付与樹脂の使用量は、前記アクリル系共重合体100重量部に対して、2〜45重量部、好ましくは4〜35重量部程度であるのがよい。
本発明の水性アクリル系感圧接着剤組成物はまた、所望の性能を損なわない限り、例えば、合成ゴム、天然ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂等の各種変性用樹脂を添加配合して使用することができる。これら各種変性用樹脂の添加量は、非極性ポリマーへの接着力と凝集力のバランスの観点から適宜選択でき、前記アクリル系共重合体の合計100重量部に対して、例えば、0〜30重量部、好ましくは、0〜20重量部のごとき添加量を例示できる。
さらに本発明の感圧接着剤組成物には、必要に応じて、可塑剤、湿潤剤、着色剤、無機質充填剤、安定剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤等を添加配合して使用することもできる。
本発明の水性アクリル系感圧接着剤組成物は、製造の容易性などの観点から、前記のアクリル系共重合体及び、必要に応じて用いられる前記粘着付与樹脂をそれぞれ水性分散液の形で混合し、さらに必要に応じて、これに湿潤剤、増粘剤等の上記配合物を添加・混合することにより調製することが好ましい。また、得られる水性感圧接着剤組成物中にもアルキルフェニル系界面活性剤を実質的に含有していないことが好ましいので、配合する粘着付与樹脂、湿潤剤、増粘剤なども、アルキルフェニル系界面活性剤を実質的に含有していないことが好ましい。
かくして得られる本発明の水性アクリル系感圧接着剤組成物は:固形分濃度はが、一般に30〜70重量%、好ましくは50〜70重量%;粘度が、一般に100〜20000mPa・s、転写法に用いる場合には3000〜20000mPa・s;pHが、一般に3〜8程度であり、転写法に用いる場合には、pH4〜8.5が好適である。
本発明の水性アクリル系感圧接着剤組成物を用いて、感圧接着剤層を形成させる方法としては、紙又はプラスチックフイルム等の基材の上に該感圧接着剤組成物を、例えばロールコーター、ナイフコーターなどの一般に公知の手段を用いて直接塗布して乾燥させる直接法が採用でき、また、該感圧接着剤組成物を離型材上に同様の手段を用いて塗布し乾燥させて感圧接着剤層を形成させた後、該感圧接着剤層上に該基材を重ね加圧し、該基材上に該感圧接着剤層を転写する転写法も利用できるが、転写法を用いるのがより好ましい。
上記転写法では、通常、各種の増粘剤、粘性改良剤を用いて本発明の感圧接着剤組成物を増粘して使用する。このような増粘剤、粘性改良剤としては、ポリアクリル酸ナトリウム、前記PVA類、前記セルロース誘導体、アルカリ性で増粘する水性分散型ポリ(メタ)アクリル酸系共重合体増粘剤等を例示することができる。これらの使用量は、所望の粘度、粘性に応じて適宜きめることができ、前記アクリル系共重合体の合計100重量部に対して固形分として0〜10重量部、好ましくは0〜5重量部の範囲である。
以下に実施例、比較例、参考例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。なお、これら実施例及び比較例において用いた、試験片の作成、並びに各種の試験方法及び評価方法は以下のとおりである。
(1) 試験用感圧接着シートの作成
シリコーン系離型剤で表面処理された離型紙上に、乾燥後の塗工量が20g/m2となるように、感圧接着剤組成物を塗布し、105℃で90秒間熱風循環式乾燥機にて乾燥した後、上質紙〔商品名;OKプリンス上質紙<55>/王子製紙(株)製〕の裏面を上記感圧接着剤層面と貼り合せ、加圧ニップロールに通紙、圧着して感圧接着シートを得た。
(2) 接着力の測定 (初期・経時)
JIS R 6253に規定する#280の耐水研磨紙で磨いたSUS 304のステンレス鋼板に、前(1)項で作成した試験用感圧接着シートより切り出した試験片をJIS Z 0237の方法に従ってそれぞれ圧着し、20分後、23℃、65%RHの雰囲気下、剥離速度300 mm/分の条件で、それぞれの剥離強度(N/25mm)を測定し初期接着力とした。同様の試験片を50℃、90%RHの雰囲気下で3日間放置した後、同様の方法で接着力を測定し、経時接着力とした。十分に接着し、かつ剥離によって、紙(上質紙)破れや糊残りが生じない接着力(800〜1500N/25mm)が好ましい。
(3) タックの測定J. Dow法に準じ、傾斜角30゜の斜面に前(1)項作成の試験用感圧接着シートより切り出した試験片(長さ100mm)を貼り付け、該試験片の斜面上方100mmの位置より径x/32インチの大きさのスチールボールを転がし、試験片上で停止する最大径のボールの大きさxで表示した。感圧接着シートの用途により適宜選択されるので一該にはいえないが、一般には数値が大きい程初期接着力が大きく良好であり、紙ラベル用としては通常8〜16の範囲であるのがよい。
(4) 初期温水剥離性測定
ポリプロピレン板に、前(1)項で作成した試験用感圧接着シートより4cmx4cmに切り出した試験片を貼り合せた後、40℃の温水中に浸漬し、シートが剥がれ落ちるまでの時間を測定し、試験を3回繰り返してそれらの平均値により温水剥離性の測定値とした。
(5) 保管後温水剥離性測定
(1)で作成した試験片を50℃、90%RHの雰囲気下で3日間放置した後、(4)と同様の方法で剥離性を測定した。
<アクリル系共重合体水性分散液の作製> 参考例1
温度計、攪拌機、窒素導入管及び還流冷却器を備えた反応器内にイオン交換水29重量部を仕込み、内温を80℃に昇温させた。一方、別の容器にイオン交換水63重量部並びに、乳化重合用の界面活性剤(以下、単に乳化剤ということがある)として、アニオン系界面活性剤「ニューコール723SF」〔ポリオキシエチレン(n=23)ジスチリルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム塩及びアンモニウム塩型アニオン系界面活性剤(有効成分濃度30重量%);日本乳化剤(株)製〕1.67重量部(有効成分0.5重量部)(「723SF」)、並びにノニオン系界面活性剤「DSK NL-250」〔ポリオキシエチレン(n=25)ラウリルエーテル型ノニオン系界面活性剤(有効成分濃度100重量%);第一工業製薬(株)製〕(「NL-250」)2.0重量部(有効成分2.0重量部)を仕込んで攪拌溶解し、次いでこれに2-エチルヘキシルアクリレート(EHA)76.5重量部、ブチルアクリレート(BA)12.5重量部、メチルメタクリレート(MMA)10重量部及びアクリル酸(AA)1重量部よりなる単量体混合物を加えて攪拌し、単量体乳化液を得た。
反応器の内容物を窒素気流下に攪拌しながら加熱し、反応器内の水温が80℃に達した時点で重合開始剤及び還元剤として過硫酸アンモニウム(APS)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(SMBS)をそれぞれ0.057重量部添加した後、単量体乳化液及び8重量%濃度の過硫酸アンモニウム水溶液8.6重量部を逐次添加して80℃で約2時間重合反応を行った。重合反応終了後、同温度で約1時間攪拌を継続してから冷却し、25%アンモニア水を1.12重量部添加してpH調整し、感圧接着剤用アクリル系共重合体の水性分散液を得た。
この水性分散液は、固形分50.4重量%、pH7.2、粘度120mPa・s(25℃、BH型回転粘度計20rpm)、平均粒子径約0.6μmであり、得られるアクリル系共重合体の重量Tgは、-63℃であった。
<水性アクリル系感圧接着剤組成物の作製> 実施例
参考例1で得られたアクリル系共重合体の水性分散液205重量部(固形分103重量部;アクリル系共重合体約100重量部、乳化剤約2.5重量部)に対し、後添加乳化剤として「ネオコールSW-C」〔スルホコハク酸ジオクチルエステルナトリウム塩系アニオン型界面活性剤(有効成分濃度70重量%);第一工業製薬(株)製〕(「SW-C」)5.2重量部(有効成分3.6重量部)、「ネオペレックスG-65」〔アリキルベンゼンスルホン酸塩系アニオン型界面活性
剤(有効成分濃度65重量%);花王株式会社製〕(「G-65」)20wt%へ水希釈したもの17重量部(有効成分 2.2重量部)及び「クラレポバール PVA-205」[ 88mol% 部分けん化ポリビニルアルコール(有効成分濃度100wt%);クラレ株式会社製〕(「PVA-205」)20wt%へ水希釈したもの26重量部(有効成分5.2重量部)を添加し、次いでアクリル系アルカリ増粘剤及びアンモニア水を添加して、固形分44.2重量%、pH7.5、粘度8000mPa・s(25℃、BM型回転粘度計60rpm)の水性アクリル系感圧接着剤組成物を得た。
この組成物を用いて、前記(1)の方法に従い試験用の感圧接着シートを作成し、前記試験方法(2)〜(5)に従って感圧接着シートの物性測定を行った。感圧接着剤組成物の配合組成、特性値を表1に、感圧接着シートの諸物性を表2に示す。
実施例 2〜実施例 5、比較例 1〜比較例 4
「ネオペレックスG-65」、及び 「クラレポバール PVA-205」の使用量を表1に示すように変えた以外は実施例1と同様に反応を行い水性アクリル系感圧接着剤組成物を得た。
この組成物を用いて、前記(1)の方法に従い試験用の感圧接着シートを作成し、前記試験方法(2)〜(5)に従って感圧接着シートの物性測定を行った。感圧接着剤組成物の配合組成、特性値を表1に、感圧接着シートの諸物性を表2に示す。
実施例 6,7、比較例 5
使用するポバールの種類及び使用量を表1に示すように変える以外は実施例1と同様に反応を行い水性アクリル系感圧接着剤組成物を得た。
この組成物を用いて、前記(1)の方法に従い試験用の感圧接着シートを作成し、前記試験方法(2)〜(5)に従って感圧接着シートの物性測定を行った。感圧接着剤組成物の配合組成、特性値を表1に、感圧接着シートの諸物性を表2に示す。
本発明水性アクリル系感圧接着剤組成物は、特定のガラス転移点(Tg)及び分散粒子の特定の平均粒子径を有するアクリル系共重合体に特定の重合度のポリビニルアルコール及び アリールスルホン酸塩 を特定割合含んでなる水性アクリル系感圧接着剤組成物である。
このように構成されることによって本発明の感圧接着剤組成物は、感圧接着剤として必要不可欠な接着力、タック及び凝集力を保持すると共に、プラスチック製のコンテナー用の感圧接着ラベルとして用いられるとき、その感圧接着ラベルは、長期間保管された後貼り付けても、コンテナーの洗浄時に、単に温水等を吹き付けることによって剥落させることが可能となる。

Claims (2)

  1. ガラス転移点(Tg)が−40℃以下であり、その分散粒子が少なくとも0.2μm以上の平均粒子径を有する水分散性のアクリル系共重合体(A)を含んでなる水性アクリル系感圧接着剤組成物であって、アクリル系共重合体(A)100重量部に対して、重合度が200〜3000であり、かつけん化度が80〜90mol%である部分けん化ポリビニルアルコール(B)1〜10重量部と、アルキルアリールスルホン酸塩(C)0.5〜2.5重量部とを後添加する感圧接着剤組成物。
  2. アルキルアリールスルホン酸塩(C)がドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩である、請求項に記載の感圧接着剤組成物。
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