JP5164344B2 - 機器免震装置 - Google Patents

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Description

本発明は、機器免震装置に関するものであり、より詳細には、複合的な製造装置系の製造機器が配置される室内空間と、該室内空間の床構造体の下側に形成された下層空間とを有する製造施設に設けられる機器免震装置に関するものである。
天井面から下方に清浄空気流を吹出し、降下気流を床面の吸込口から吸込む方式の空調システムが、清浄な作業空間を要する精密部品等の製造工場や、コンピュータ室等において使用されている。例えば、半導体、液晶、ダイオード等の電子デバイスを製造する多くの半導体工場においては、天井面から下方に清浄空気流を吹出し、室内領域を流下する気流を床面の吸込口から吸込む一方向流式の空調システムが採用されている。この方式の空調システムでは、塵埃等を含む室内空気は、清浄空気によって希釈されるとともに、床面吸込口から空気循環系に送出され、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルター等の高性能フィルターによって浄化された後に室内に再循環する。このような一方向流式空調システムによれば、高い空気清浄度を室内に維持することができる。
この種の空調システムを備えた電子デバイス製造工場において、半導体製造設備の補機等を配置可能な床下設備空間を室内空間の下側に形成した2層構造の製造施設が知られている(例えば、特開平2−243882号公報)。このような複層構造の精密機器製造工場では、清浄空気流の床面吸込口を通過した空気流は、床下設備空間を介して空気循環系に送出される。
近年、建築物の免震性能を向上させる免震装置が多くの建築物において採用されているが、高精度の生産装置又は製造設備を備えた製造施設では、建築物自体の免震化のみならず、製造設備自体を局所的に免震し、生産装置又は製造設備を地震時の加振力から保護する対策が採用されている。例えば、製造設備自体を局所的に免震する免震架台が、特開2006−16910号公報、特開2005−127460号公報、特開平9−32261号公報及び特開平9−195570号公報に開示されている。
特開平2−243882号公報 特開2006−16910号公報 特開2005−127460号公報 特開平9−32261号公報 特開平9−195570号公報
フォトレジストの基板上にレーザー光線を照射して精密且つ緻密な電極パターンを基板にエッチングする露光装置(リソグラフィ又はステッパー)が、半導体や液晶パネルの基板を作成する多くの製造工場において使用されている。露光装置は、極めて精密な嫌振機器であることから、免震架台によって支持し難い事情がある反面、このような高精度の製造装置に地震加速度が作用すると、地震後の再調整等に多大な労力及び時間を要し、また、過大な地震力が製造装置に作用すると、装置にとって回復し難い致命的損傷等が発生することも懸念される。このため、地震被災後の再調整等の問題を考慮すると、露光装置のような精密機器であっても、機器免震手段によって局所免震することが望ましいと考えられる。
図9は、ステッパー(縮小投影型露光装置)を免震架台によって支持した構成を示す半導体製造工場の部分縦断面図である。
半導体製造工場のクリーンルーム内空間1(以下、「室内空間1」という。)は、通気性を有する床構造体2と、空調ユニット9(破線で示す)を組込んだ天井構造体3とを備える。空調ユニット9は、天井面から下方に清浄空気流を吹出す。床構造体2の床面は、鋼製根太4上に敷設した有孔グレーチング5からなり、室内空間1を流下する気流は、グレーチング5の開孔を通過し、下層空間6に降下する。
下層空間6は、製造設備の補機、設備機器、配管、配線等を配置可能な設備空間として使用されるとともに、作業員等が歩行可能なメンテナンス用空間として使用される。下層空間6に流下した気流は、空調システムの空気循環系(図示せず)を介して天井構造体3の空調ユニット9に還流し、空調ユニット9の高性能フィルターによって浄化された後に室内空間1に再循環する。
ステッパー10及びレーザー装置11から構成される複合的な製造装置系が室内空間1に配置され、ステッパー10の電源ユニット12、空調機13及び調温機14が下層空間6に配置される。ステッパー10及びレーザー装置11は、共通の免震架台20に支持され、レーザー光が通過する水平配管15によって相互連結される。
免震架台20は、鋼構造パネルからなる剛性床組21と、根太4又は横架材30に堅固に固定された支持基板22と、剛性床組21及び基板22の間に介装された免震支承23とから構成される。免震支承23は、地震時に架台20に作用する加振力を遮断して剛性床組21上の精密機器(ステッパー10及びレーザー装置11)を保護する。
ステッパー10は、配管又は配線16、17、18によって下層空間6の電源ユニット12、空調機13及び調温機14に接続される。電源ユニット12、空調機13及び調温機14は、地震時の短期水平荷重に耐えるアンカーボルト等によって下層空間6の床構造体7に堅固に固定される。配管又は配線16、17、18は、可撓継手、可撓管又は可撓性配線部分16a、17a、18aを有し、或いは、全長に亘って可撓管又は可撓性配線から構成され、補機類(電源ユニット12、空調機13及び調温機14)と、精密機器(ステッパー10及びレーザー装置11)との間の振動伝達は、配管又は配線16、17、18の局所変形又は可撓性等によって遮断される。
しかしながら、ステッパー10及びレーザー装置11の双方を支持する免震架台20は、平面寸法が大きく、かなりの床面積(水平投影面積)を室内空間1において占有する。これは、有効利用可能な室内空間1の床面積を制限し、或いは、製造施設の規模の最適化を妨げる要因となる。
これに対し、レーザー装置11は、その性能上は、ウェハ等の精密加工材料の搬送ライン上に配置する必要性が比較的低く、しかも、比較的清浄度が低い空間にも配置し得ることから、レーザー装置11を補機12、13、14と同様に下層空間6に配置し、床構造体7上に設置することも考慮し得る。しかし、ステッパー10及びレーザー装置11を連結する配管15は、レチクル及び縮小投影レンズ群等を介してウェハ等に照射すべきレーザー光が通過する微細露光光学系の経路を構成することから、光軸等の厳密な管理が必要とされる。このため、ステッパー10及びレーザー装置11の相対変位又は相対挙動は、確実に阻止しなければならない。このような条件は、回路パターン等の更なる微細化を追求する近年の半導体製造技術の傾向と相まって、今後、更に厳密に課せられるものと考えられる。即ち、レーザー装置11を補機12、13、14と同様に下層空間6に配置した場合、地震時にステッパー10とレーザー装置11との間に相対変位又は相対挙動が生じる結果、地震被災後の再稼働時に長時間且つ困難な再調整作業(光軸調整作業等)が必要となる。
このため、ステッパー10及びレーザー装置11の相対変位又は相対挙動を確実に阻止すべく、図9に示すようにステッパー10及びレーザー装置11を単一の免震架台20によって室内空間1の床上に支持する構成を採用せざるを得ないが、これは、前述の如く、有効利用可能な室内空間を制限し、或いは、製造施設の規模の最適化を妨げる要因となる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、露光装置等の複合的な製造装置系が占有する室内空間の床面積を縮小するとともに、製造装置系を構成する各製造機器の相対変位又は相対挙動を確実に阻止することができる機器免震装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成すべく、複合的な製造装置系の製造機器が配置される室内空間と、該室内空間の床構造体の下側に形成された下層空間とを有する製造施設に設けられる機器免震装置において、
上下方向に間隔を隔てた上層及び下層の剛性床組と、上下の前記剛性床組を一体的に連結する剛性支柱とを有し、
前記剛性床組及び剛性支柱は、剛性骨組として一体化した重層構造の剛性架台を構成し
前記剛性床組及び前記支柱の鉛直荷重は、免震支承を介して前記下層空間の床構造体によって支持され、前記支柱は、前記室内空間の床構造体を水平変位可能に貫通して上層の前記剛性床組を前記室内空間に支持し、
前記製造装置系を構成する第1製造機器は、上層の前記剛性床組上に固定され、前記製造装置系を構成する第2製造機器は、下層の前記剛性床組上に固定されることを特徴とする機器免震装置を提供する。
本発明の上記構成によれば、機器免震装置は、上下の剛性床組を剛性支柱によって一体化した重層構造の剛性架台を有し、剛性架台は、免震支承によって下層空間の床構造体に支持される。免震支承によって支持された高剛性の重層架台は、地震力に応答して一体的に水平挙動し又は水平変位する。上下の剛性床組上に夫々固定された第1及び第2製造機器は、重層架台と一体的に水平挙動又は水平変位するので、上下方向に延びる剛性配管によって第1及び第2製造機器を相互連結することができる。
このような構成によれば、複合的な製造装置系を構成する第1及び第2製造機器を上下に配置し、製造装置系が占有する室内空間の床面積を縮小することができる。しかも、第1及び第2製造機器は、重層架台と一体的に水平挙動又は水平変位するので、第1及び第2製造機器の相対変位又は相対挙動を確実に阻止することができる。
本発明の機器免震装置によれば、露光装置等の複合的な製造装置系が占有する室内空間の床面積を縮小するとともに、製造装置系を構成する各製造機器の相対変位又は相対挙動を確実に阻止することができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、室内空間の床構造体は、根太及び横架材を組付けた組床構造を有し、支柱は、根太の間の領域を垂直に貫通し、上層の剛性床組を上層空間に支持する。床構造体は、水平挙動する支柱との干渉を妨げるために、支柱の水平挙動範囲の根太のみを取外し又は撤去した構造を有する。従って、製造ラインの変更等により機器免震装置の撤去又は位置変更等の必要が生じた場合、支柱の水平挙動範囲の根太のみを新たに施工し又は撤去すれば良い。
本発明の好適な実施形態において、上記免震支承は、剛滑り支承、弾性滑り支承又は転がり支承からなる。好ましくは、上記免震支承は、下層の剛性床組と下層空間の床構造体との間に配置された剛滑り支承からなる。
所望により、上層の剛性床組と室内空間の床構造体との間に支承が更に介装され、架台の傾倒又は歪を防止する。例えば、上層の剛性床組は外方延長部を有し、支承は、外方延長部と室内空間の床構造体との間に介装される。支承として、剛滑り支承を好ましく使用し得る。
本発明の好適な実施形態によれば、製造装置系は、ステッパー及びレーザー装置から構成され、ステッパーは、上層の剛性床組上に固定され、レーザー装置は、下層の剛性床組上に固定される。ステッパーの補機類(電源ユニット、空調機及び調温機)がレーザー装置とともに下層の剛性床組上に更に固定される。このような構成によれば、補機類を含むステッパーの全装置系を架台と一体的に水平変位又は水平挙動させることができるので、系内の全配管・配線に関し、可撓接続手段又は可撓変形部の設置数を低減し又は完全に省略し、或いは、地震時の可撓継手又は可撓管の損傷等を未然に防止することができる。
ステッパーのように自ら加振源となる嫌振機器を支持する免震支承には、稼働時に機器を剛に支持するための条件と、地震時に機器を水平変位させて所望の免震機能を得るための条件とが、同時に課せられる。このため、上記の如くステッパー及びレーザー装置を支持する架台には、滑り発生までは機器を剛に支持することができる免震支承として剛滑り支承を使用することが望ましい。剛滑り支承は、下層の剛性床組と下層空間の床構造体との間に介装され、好ましくは、製造機器自体の振動によっては滑りが発生しないように摩擦係数を設定した表面摺動層を有する。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明に係る機器免震装置の実施例を示す正面図及び側面図であり、図3及び図4は、図1及び図2に示す機器免震装置の平面図及びI−I線断面図である。
図1には、半導体製造工場のクリーンルームの断面構造が示されている。クリーンルーム内空間1(室内空間1)には、各種製造装置及び搬送装置から構成された製造ラインが配置される。クリーンルームの天井構造体3には、HEPAフィルター等の高性能フィルターを備えた空調ユニット(ファンフィルターユニット)9が組込まれる。空調ユニット9は、矢印で示す如く、天井面から下方に清浄空気流を吹出す。クリーンルームの床構造体2は、空気流が通気可能な多数の通気孔を有する金属製有孔グレーチング5と、グレーチング5を支持する根太4と、根太4を支持する横架材30と、横架材30を支持する梁部材31とから構成される。根太4、横架材30及び梁部材31は、構造用角形鋼管、コンクリート充填鋼管、H形鋼、I形鋼等の構造用鋼材からなる。室内空間1を流下する気流は、グレーチング5の開孔を通過し、下層空間6に降下する。
下層空間6には、梁部材31を支持する柱32が配置される。柱32は、下層空間6に垂直に配置される。下層空間6の床構造体7は、多数の金属製有孔グレーチング33と、グレーチング33を支持する根太34と、根太34を支持する横架材35と、横架材35を支持する梁部材36とから構成される。柱32、根太34、横架材35及び梁部材36は、構造用角形鋼管、コンクリート充填鋼管、H形鋼、I形鋼等の構造用鋼材からなる。
下層空間6は、製造装置の補機類、設備機器、配管、配線等を配置可能な設備空間として使用されるとともに、作業員等が歩行可能なメンテナンス用空間として使用される。下層空間6に流下した気流は、空調システムの空気循環系(図示せず)を介して天井構造体2の空調ユニット9に還流し、空調ユニット9の高性能フィルターによって浄化された後に室内空間1に再循環する。
製造ラインを構成するステッパー(縮小投影型露光装置)10が室内空間1に配置され、レーザー装置11が下層空間6に配置される。ステッパー10は、レーザー装置11の直上に配置される。ステッパー10及びレーザー装置11は、垂直な剛性配管15によって相互連結される。製造ラインの稼働時には、レーザー装置11のレーザー光が配管15を通過し、ステッパー10のレチクル及び縮小投影レンズ群に入射する。
ステッパー10及びレーザー装置11を支持する重層構造の機器免震装置50が、下層空間6の床構造体7に支持される。機器免震装置50は、二層構造の剛性骨組と、剛性骨組を下層空間6の床構造体7上に支承する複数の滑り支承60とから構成される。
図5は、機器免震装置50の剛性骨組の構造を概略的に示す斜視図である。
機器免震装置50の剛性骨組は、上層及び下層の剛性床組51、52を垂直な剛性支柱53によって一体的に連結した構造を有する。剛性床組51、52は、構造用形鋼又は構造用鋼管等の構造用鋼材(本例ではH形鋼)を一体的に組付けた平面視方形の枠体54に対して鋼製根太55を組付け、鋼板等の床板56を根太55上に固定した鋼構造パネルからなり、下層空間6及び室内空間1の各床レベルに水平に配置される。支柱53の下端は、溶接等の固着手段によって剛性床組51の上面角部に固定され、支柱53の上端は、溶接等の固着手段によって剛性床組51の下面角部に固定される。剛性骨組を補強する鋼製ブレース57が、剛性床組51、52に連結される。本例では、ブレース57の下端部は、鋼製ブラケット59等によって剛性床組51と垂直支柱53との接合部に連結され、ブレース57の上端部は、鋼製ブラケット58等によって剛性床組52の枠体中間部に連結される。
図1及び図2に示す如く、支柱53は、根太4の間の領域を垂直に貫通し、上層の剛性床組52を床構造体2の上側に水平に支持する。床構造体2の根太4は、支柱53の可動範囲に配設されておらず、支柱53は、地震時に根太4と干渉せずに水平挙動する。好ましくは、根太4を配置しない範囲は、支柱53の水平挙動範囲のみに制限され、支柱53の水平挙動範囲外の領域には、根太4が配置される。床構造体2のグレーチング5は、機器免震装置50の水平挙動範囲全域に亘って敷設されず、剛性床組52の周囲には、床構造体2の床面開口が形成される。
摺動プレート80が、床構造体2と剛性床組52との間に架設され、床構造体2の床面開口を閉鎖する。摺動プレート80の内端部分は、剛性床組52の上面に固定され、摺動プレート80の外端部分は、床開口周囲のグレーチング5上に摺動可能に配置される。摺動プレート80は、床構造体2の床面レベルと剛性床組52の上面とのレベル差を補償するように傾斜する。なお、レベル差が所望の範囲を超える場合には、支柱53の水平挙動範囲内の根太4を更に取外し又は撤去すれば良い。
図1に示す如く、剛性床組51の床板56上には、レーザー装置11、電源ユニット12、空調機13及び調温機14が配置され、剛性床組52の床板56上には、ステッパー10が配置される。レーザー装置11、電源ユニット12、空調機13及び調温機14は、アンカーボルト(図示せず)によって下層の剛性床組51上に固定され、ステッパー10は、アンカーボルト(図示せず)によって上層の剛性床組52上に固定される。ステッパー10及びレーザー装置11は、レーザー光が通過する垂直な剛性配管15によって相互連結される。ステッパー10は、配管又は配線16、17、18によって電源ユニット12、空調機13及び調温機14に接続される。配管又は配線16、17、18においては、可撓継手、可撓管又は可撓性配線部分等の可撓部分又は変形部分は、完全に省略される。
図1及び図4に示す如く、床構造体7は、機器免震装置50の下側全域に延在する水平なベースプレート37を備える。滑り支承60が、所定間隔を隔てて剛性床組51及びベースプレート37の間に介装される。ベースプレート37は、グレーチング33と実質的に同じ厚さを有し、滑り支承60を配設可能な水平面を床構造体7上に形成する。滑り支承60は、鉛直荷重を支持し且つ加振力に応答する受動式且つ滑り摩擦型の滑り部63を有する。滑り部63は、図1の部分拡大図に示すように、滑り材61及び滑り相手材62から構成される。相手材62は、鋼製パネル部材37上に水平に固定された方形ステンレンス板からなり、滑り材61は、相手材62の表面を滑動する表面摺動層(PTFE層)を備えた複合構造の円形鋼板からなる。滑り材61は、円形の鋼製中間プレート64によって支持され、プレート64は、中間部65を介して上部アンカープレート66に支持される。上部アンカープレート66は、アンカーボルト(図示せず)によって剛性床組51の枠体54に堅固に固定される。所望により、剛性床組51の水平変位を制限し又は剛性床組51を初期位置に付勢するオイルダンパ90(仮想線で示す)等が剛性床組51の側部に配設される。好ましくは、中間部65は、剛性材料からなり、滑り支承60は、剛滑り支承を構成する。変形例として、機器免震装置50がステッパー以外の製造機器(機内に加振源及び振動制御系等を備えない製造機器)を支持する場合、中間部65を弾性材料により形成し、滑り支承60を弾性滑り支承として使用することも可能である。また、所望により、PTFE等をコーティングした鋼板を相手材62として使用しても良い。
次に、図6及び図7を参照して機器免震装置50の作用について説明する。
図6及び図7に矢印で示す如く、地震時の地震加速度が短期水平荷重として機器免震装置50に作用すると、滑り支承60の滑り材61は、滑り相手材62上を滑動する。機器免震装置50は、図6及び図7に示すように水平挙動する。剛性骨組に作用する地震力は、滑り部63の摩擦エネルギー消費と、水平挙動による地震力減衰効果とによって減衰する。オイルダンパ90は、剛性骨組の水平変位を復元するように機能するとともに、剛性骨組に作用する地震力をオイル粘性により減衰させるように働く。
機器免震装置50は、地震入力に応答して上記の如く水平挙動するが、上下の剛性床組51、52は、一体的に水平挙動するので、剛性床組51、52上の各機器10〜14の相対位置は初期状態から変化せず、従って、剛性配管15、配管又は配線16、17、18の変形は生じない。
かくして、上記構成の機器免震装置50によれば、ステッパー10及びレーザー装置11を重層配置することができるので、ステッパー10及びレーザー装置11が占有する床面積を大幅に縮小することができる。また、上記構成の機器免震装置50によれば、ステッパー10及びレーザー装置11の相対的な水平挙動又は水平変位は確実に阻止されるので、地震被災後の再稼働時の再調整作業(光軸調整作業等)は簡素化する。
図8は、本発明の他の実施例を示す機器免震装置50の正面図である。図8において、前述の実施例の構成部材又は構成要素と実質的に同じ構成部材又は構成要素については、同一の参照符号が付されている。
本実施例において、機器免震装置50の剛性架台は、滑り支承70によって下層空間6の床構造体7に支承される。滑り支承70は、鉛直荷重を支持し且つ加振力に応答する受動式且つ滑り摩擦型の滑り部73を有し、滑り部73は、滑り材71及び滑り相手材72から構成される。滑り材71は、表面摺動層(PTFE層)75を上面に備えた複合構造の円形鋼材からなる。
床構造体7の根太34は、水平な上面を有し、滑り材71の基板74が、根太34の上面に固定される。滑り材71は、水平な表面摺動層75を上方に向けた状態で根太34上に配置される。相手材72は、剛性床組51の枠体54に水平に固定された方形ステンレンス板からなる。所望により、PTFE等をコーティングした鋼板を相手材72として使用しても良い。
相手材72は、表面摺動層75に面接触し、機器免震装置50の鉛直荷重は、面圧として表面摺動層75に作用する。相手材72及び表面摺動層75の間に作用する剪断力が両者間の摩擦抵抗力に達しない場合、滑り支承70は剪断力を伝達するが、摩擦抵抗力を超える剪断力が相手材72及び表面摺動層75の間に作用すると、両者間に滑りが発生し、剪断力の伝達経路は実質的に遮断される。滑り支承70は、所定の剪断力を超える地震入力に応答して相手材72及び表面摺動層75の滑りを発生させ、地震力を減衰するように働く。
ステッパー10は、ウェハ等を高速且つ高精度に駆動する駆動部を備え、駆動部等を機内加振源として含む機内振動系を有する。このため、ステッパー10は、機内振動系の振動を自ら制御し又は抑制する独自の振動制御系又は振動制御機構を備える。従って、ステッパー10を支持する剛性床組52は、常時は、剛体としてステッパー10を剛に支持し、ステッパー10の振動制御系又は振動制御機構の機能に依存してステッパー10を作動させることが望ましい。他方、滑り支承70は、地震時に剛性床組52に作用する加振力を減衰する免震作用を発揮しなければならない。このため、表面摺動層75の摩擦係数は、ステッパー10の振動制御系又は振動制御機構が要求する支持剛性が確保され、ステッパー10の機内振動系の振動によっては相手材72との間に滑りが発生せず、しかも、所定値(トリガー値)以上の水平加振力が作用したときには水平加振力をトリガーとして相手材72との間に滑りが発生するように設定される。即ち、表面摺動層75の摩擦係数は、ステッパー10が要求する支持剛性と、地震力に応答した免震効果とが両立する値に設定される。かくして、剛滑り支承70は、常時は、ステッパー10の機内振動系に影響を与えない剛体として働き、地震時には、地震入力に応答して相手材72及び表面摺動層75の相対的な滑動により地震力を減衰する。
所望により、機器免震装置50の水平変位を制限し又は剛性床組51を初期位置に付勢するオイルダンパ90(仮想線で示す)が剛性床組51の側部に配設される。
上層の剛性床組52は、外方に延びる外方延長部材85を備える。外方延長部材85は、剛性床組52の枠体54に水平に突設した構造用形鋼又は構造用鋼管等の鋼材からなる。滑り部73を有する付加的な滑り支承70’が、外方延長部材85の下面と根太4の上面との間に介装される。
滑り支承70’は、機器免震装置50の水平挙動時に剛性骨組の変形又は傾倒を防止するように機能する。滑り支承70’は外方延長部材85に配置されていることから、滑り支承70’の間に十分な距離が確保されるので、地震時の変形又は傾倒に抗する十分な骨組剛性が得られる。
なお、図8に示す機器免震装置50の他の構成は、上記第1実施例と実質的に同一であるので、更なる詳細な説明を省略する。
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能であり、このような変形例又は変更例も又、本発明の範囲内に含まれるものであることは、いうまでもない。
例えば、上記実施例では、局所免震を要する製造装置系として、ステッパー10及びレーザー装置11を例示したが、本発明の機器免震装置は、局所免震を要する他の製造装置系に同様に適用し得るものである。
また、上記実施例においては、電源ユニット、空調機等の補機を下層の剛性床組上に支持しているが、補機類の一部又は全部を下層空間の床構造体上に配置しても良い。
本発明の機器免震装置は、製造ラインを配置した室内空間の下側に下層空間を備えた製造施設において使用される。殊に、本発明の機器免震装置は、半導体、液晶、ダイオード等の電子デバイスを製造する製造ラインを有し、一方向流式の空調システムを備えた中規模・大規模クリーンルームにおいて好ましく使用される。本発明の機器免震装置は、ステッパー等の精密機器をクリーンルームの室内空間に配置し且つレーザー装置等の精密機器を下層空間に配置した設計を可能にし、製造装置設置スペースの省スペース化に寄与する。
本発明に係る機器免震装置の実施例を示す正面図である。 図1に示す機器免震装置の側面図である。 図1に示す機器免震装置の平面図である。 図1のI−I線における断面図である。 機器免震装置の剛性骨組の構造を概略的に示す斜視図である。 地震時の機器免震装置の挙動を示す正面図である。 地震時の機器免震装置の挙動を示す正面図である。 本発明の他の実施例を示す機器免震装置の正面図である。 滑り支承を用いた露光装置支承構造(比較例)を示す半導体製造工場の部分縦断面図である。
符号の説明
1:クリーンルーム内空間(室内空間)
2:室内空間の床構造体
3:天井構造体
4:根太
5:有孔グレーチング
6:下層空間
7:下層空間の床構造体
10:ステッパー
11:レーザー装置
12:電源ユニット
13:空調機
14:調温機
15:剛性配管
16、17、18:配管又は配線
30:横架材
50:機器免震装置
51、52:剛性床組
53:剛性支柱
54:枠体
55:根太
56:床板
60:滑り支承
70、70’:滑り支承
80:摺動プレート

Claims (5)

  1. 複合的な製造装置系の製造機器が配置される室内空間と、該室内空間の床構造体の下側に形成された下層空間とを有する製造施設に設けられる機器免震装置において、
    上下方向に間隔を隔てた上層及び下層の剛性床組と、上下の前記剛性床組を一体的に連結する剛性支柱とを有し、
    前記剛性床組及び剛性支柱は、剛性骨組として一体化した重層構造の剛性架台を構成し
    前記剛性床組及び前記支柱の鉛直荷重は、免震支承を介して前記下層空間の床構造体によって支持され、前記支柱は、前記室内空間の床構造体を水平変位可能に貫通して上層の前記剛性床組を前記室内空間に支持し、
    前記製造装置系を構成する第1製造機器は、上層の前記剛性床組上に固定され、前記製造装置系を構成する第2製造機器は、下層の前記剛性床組上に固定されることを特徴とする機器免震装置。
  2. 前記室内空間の床構造体は、根太及び横架材を組付けた組床構造を有し、前記支柱は、根太間の領域を垂直に貫通し、上層の前記剛性床組を前記室内空間に支持することを特徴とする請求項1に記載の機器免震装置。
  3. 前記免震支承は、下層の前記剛性床組と前記下層空間の床構造体との間に介装した滑り支承からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の機器免震装置。
  4. 上層の前記剛性床組と前記室内空間の床構造体との間に支承が更に介装されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の機器免震装置。
  5. 前記製造装置系は、ステッパー及びレーザー装置から構成され、前記ステッパーは、上層の前記剛性床組上に固定され、前記レーザー装置は、下層の前記剛性床組上に固定され、前記ステッパーの補機類が前記レーザー装置とともに下層の前記剛性床組上に更に固定され、
    前記免震支承は、下層の前記剛性床組と前記下層空間の床構造体との間に介装した剛滑り支承からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の機器免震装置。
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