JP5163693B2 - パチンコ機の発射ハンドル - Google Patents

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Description

本発明は、遊技者によって操作されるパチンコ機の発射ハンドルに関する。
一般に、パチンコ機の前面側には、固定のハンドル本体と、そのハンドル本体に回動可能に取り付けられた回動操作部材とを備える発射ハンドルが設けられており、その回動操作部材を回動操作することにより、遊技球が遊技盤の遊技領域に発射されるようになっている。そして、遊技者は、回動操作部材の回動角度を調整することで遊技球の発射速度を調節する。
このようなパチンコ機の発射ハンドルにおいて、発射ハンドルを握ったときのフィット感を高めるため、ハンドル本体の表面に、断面が円弧状の曲面(例えば半球面)を形成することが多い。さらに回動操作部材を操作する指の疲労を軽減するため、ハンドル本体の円弧状の曲面に沿って延びる指掛け部を回動操作部材と一体に設けたものが知られている(例えば特許文献1、2参照)。
ところで、遊技者の中には、遊技球の発射速度を微調整した状態で一定に保持するために、回動操作部材とハンドル本体の間にコインを差し込み、そのコインを楔のように食い込ませることによって、回動操作部材の回動角度を固定する不正行為を行なう者がいる。
そこで、回動操作部材とハンドル本体の間の軸方向隙間にコインを食い込ませる行為を防止するため、特許文献3の発射ハンドルが提案されている。この発射ハンドルは、回動操作部材とハンドル本体の間に低摩擦の隙間埋めリングを組み込むことによって、回動操作部材とハンドル本体の間の軸方向隙間を小さくし、コインが差し込まれないようにしている。
特開2008−246229号公報 特開平11−290509号公報 特開2005−296037号公報
しかしながら、回動操作部材の指掛け部が、ハンドル本体の円弧状の曲面に沿って延びる部分を有する発射ハンドルにおいては、回動操作部材とハンドル本体の間に隙間埋めリングを組み込んでその軸方向隙間を小さくしたとしても、指掛け部とハンドル本体の円弧状の曲面との間の隙間を埋めることはできないので、その隙間にコインを食い込ませて回動操作部材が固定されるおそれがあった。
同様の問題は、発射ハンドルを握ったときに指を掛ける指掛け部に限らず、ハンドル本体の円弧状の曲面に沿って延びる部分を有する延出部が回動操作部材に一体に形成された発射ハンドルであれば起こりうる。例えば、視覚的デザインの観点により回動操作部材に形成された延出部が、ハンドル本体の円弧状の曲面に沿って延びる部分を有する場合がこれに相当する。
本発明の目的は、回動操作部材の延出部とハンドル本体の円弧状の曲面との間にコイン等の異物を食い込ませて回動操作部材を固定する不正行為を効果的に防止することが可能なパチンコ機の発射ハンドルを提供することである。
上記目的を達成するために本発明では、前記延出部のハンドル本体に沿った面に、延出部とハンドル本体との間に差し込まれた異物の先端を係止する切欠きが形成されている。このようにすると、延出部とハンドル本体の円弧状の曲面との間にコイン等の異物を差し込んだときに、ハンドル本体の表面の曲面が円弧状なので、延出部のハンドル本体に沿った面に異物の先端が突き当たり、その面に形成された切欠きで異物の先端が係止されて、それ以上の異物の侵入が阻止される。したがって、延出部とハンドル本体の円弧状の曲面との間にコイン等の異物を差し込んでも、回動操作部材を固定できる程の深さまで異物を食い込ませることができず、回動操作部材を固定する不正行為を効果的に防止することができる。
この発明のパチンコ機の発射ハンドルは、ハンドル本体の円弧状の曲面に沿って延びる部分を有する延出部に、延出部とハンドル本体との間に差し込まれた異物の先端を係止する切欠きが形成されているので、延出部とハンドル本体の円弧状の曲面との間にコイン等の異物を食い込ませて回動操作部材を固定する不正行為を効果的に防止することが可能である。
本発明の実施形態の発射ハンドルを採用したパチンコ機の正面図 遊技盤の正面図 図1に示すパチンコ機の斜視図 図3に示す発射ハンドルの側面図 図3に示す発射ハンドルの正面図 (a)は図4の指掛け部付近の拡大断面図、(b)は(a)に示す指掛け部とハンドル本体との間にコインを差し込んだ状態を示す図 図6(a)に示す切欠きの他の例を示す拡大断面図
以下、本発明を具体化した実施形態のパチンコ機の発射ハンドルについて、図1〜6にしたがって詳細に説明する。
図1に示すように、パチンコ機1は、パチンコホールに設置するときの設置台になる外枠2と、外枠2の一側部の上下に固定されたヒンジ片3で開閉可能に支持される中枠4と、中枠4の一側部の上下に固定されたヒンジ片5で開閉可能に支持される前面枠6とを備えている。
外枠2は、木製の板材を矩形状に枠組みして、前後に開口する角筒状に形成されており、その前面側を中枠4が開閉し、さらにその中枠4の前面側を前面枠6が開閉するようになっている。中枠4には、図2に示すように、遊技球が転動可能な遊技領域7を有する遊技盤8と、遊技領域7に設けられた入賞装置9に遊技球が入ったときに大当り抽選を演出表示する表示装置10とが組み込まれている。
図3に示すように、前面枠6には、中枠4の前面側を閉鎖した状態で遊技盤8を視認可能とするガラス板11が装着されている。前面枠6の下部には、払出装置(図示せず)から払出口12を通って払い出された遊技球を貯留して遊技球発射装置(図示せず)へと誘導する上皿13が一体に設けられている。
中枠4には、上皿13から溢れた遊技球を貯留する下皿14と、下皿14の取り付け基板15とからなる下皿ユニット16が取り付けられている。上皿13が払出口12から払い出された遊技球で一杯になったとき、上皿13から溢れた遊技球は、中枠4の後面側に設けられた溢れ玉通路(図示せず)を通って下皿14に払い出される。
下皿14の右側には発射ハンドル17が取り付けられている。発射ハンドル17は、パチンコ機1の前面側に固定されたハンドル本体18と、ハンドル本体18に回動可能に取り付けられた回動操作部材19とを備え、この回動操作部材19を回動操作することにより、上皿13に貯留された遊技球が遊技球発射装置から遊技盤8(図2参照)の遊技領域7に発射されるようになっている。
図4に示すように、ハンドル本体18は、下皿14の取り付け基板15から前方に延出するハンドルベース18Bと、ハンドルベース18Bの前方に固定されたハンドルカバー18Aとからなる。ハンドルベース18Bとハンドルカバー18Aは図示しないビスで互いに連結されており、その間に回動操作部材19が回動可能に挟まれている。
ハンドルカバー18Aは、前後方向を軸方向とする筒部20と、筒部20の前側の端部を閉じる椀状部21とからなる。椀状部21は、筒部20から順に連続する小曲率半径部分21aと大曲率半径部分21bとからなる。小曲率半径部分21aの表面と大曲率半径部分21bの表面は、いずれも回動操作部材19の回動方向に直交する断面(図に示す断面)が円弧状の曲面であるが、その曲率半径が互いに異なっており、小曲率半径部分21aの曲率半径が大曲率半径部分21bの曲率半径よりも小さい。一方、筒部20の表面は、回動操作部材19の回動方向に直交する断面が直線状となるように形成されている。
回動操作部材19は、ハンドルカバー18Aとハンドルベース18Bとの間で前後に挟まれるように配置されたリング状の平板部22と、ハンドルベース18Bとハンドルカバー18Aの間の軸方向隙間を内径側から塞ぐように形成された小径筒部23と、ハンドルカバー18Aの外周に沿って軸方向に延びる大径筒部24とを有する。
大径筒部24には、ハンドル本体18を手のひらで包むようにして握ったときに指が掛かる複数の指掛け部25が一体に形成されている。各指掛け部25は、ハンドルカバー18Aの筒部20の表面および椀状部21の表面に沿って延びるように形成されている。
回動操作部材19は、遊技球の発射を行なわない始点位置と、遊技球を最大の発射速度で発射する終点位置との間で回動操作できるようになっている。また、回動操作部材19は図示しないリターンスプリングで終点位置から始点位置に向けて付勢されている。ハンドルベース18Bには、回動操作部材19を回動操作した状態のまま遊技球の発射を停止させることが可能な発射停止ボタン26(図5参照)が設けられている。
図4に示すように、指掛け部25は、椀状部21の表面のうち、曲率半径の小さい小曲率半径部分21aのみに被さるように形成されている。指掛け部25のハンドルカバー18Aに沿った面には、筒部20と椀状部21の境界位置の外径側に切欠き27が形成されている。図6(a)に示すように、切欠き27は、筒部20と椀状部21の境界(すなわち円弧面と円筒面の境界)Lよりも椀状部21側の位置から筒部20側に向かって次第に深くなる導入面27aと、筒部20と椀状部21の境界Lよりも筒部20側の位置でハンドルカバー18Aの表面に対して垂直に立ち上がる係止面27bとを有し、指掛け部25とハンドルカバー18Aの椀状部21との間に差し込まれた異物の先端が、導入面27aに沿って切欠き27内に導入された後、係止面27bで係止されるようになっている。
以上のようなパチンコ機1で遊技をするにあたり、遊技者は発射ハンドル17の回動操作部材19を回動操作することにより、上皿13に貯留された遊技球を、遊技盤8の遊技領域7に発射させる。そして、回動操作部材19の回動角度を調整することで遊技球の発射速度を調節する。
このとき、遊技者は、遊技球の発射速度を微調整した状態で一定に保持するために、図6(b)に示すように、回動操作部材19の指掛け部25とハンドルカバー18Aの椀状部21との間にコインCを差し込む可能性があるが、このとき、ハンドルカバー18Aの椀状部21の表面は円弧状の曲面なので、指掛け部25のハンドルカバー18Aに沿った面にコインCの先端が突き当たり、回動操作部材19を固定できる程の深さまでコインCを食い込ませることができない。
そして、指掛け部25が変形する程の大きな力でコインC等の異物が押し込まれた場合や、コインCよりも柔軟性のある異物が差し込まれた場合でも、その異物の先端は、指掛け部25の椀状部21に沿った面に摺接しながら進み、その後、切欠き27の導入面27aに沿って切欠き27内に導入されて係止面27bで係止され、それ以上の侵入が阻止される。したがって、指掛け部25と椀状部21の円弧状の表面との間に異物を差し込まれても、回動操作部材19を固定できる程の深さまで異物を食い込ませることができず、回動操作部材19を固定する不正行為を効果的に防止することができる。
また、筒部20と椀状部21の境界で面の曲率が変化するので、その曲率の変化に追従できないコインC等の異物は、筒部20と椀状部21の境界位置よりも奥に進むことができず、結局、回動操作部材19を固定できる程の深さまで異物を食い込ませることができない。ここで、椀状部21は、筒部20に連続する部分(本実施形態では小曲率半径部分21a)の曲率半径を15mm以下に設定すると、異物の侵入を効果的に防止することが可能である。また、指掛け部25が椀状部21に被さる部分の椀状部21に沿った長さを3mm以下に設定することにより、異物の差し込み深さを十分に小さくすることができる。
このように、本実施形態においては、ハンドルカバー18Aの椀状部21の円弧状の表面に沿って延びる部分を有する指掛け部25に、指掛け部25とハンドルカバー18Aとの間に差し込まれた異物の先端を係止する切欠き27が形成されているので、指掛け部25とハンドルカバー18Aの椀状部21の円弧状の表面との間にコイン等の異物を食い込ませて回動操作部材19を固定する不正行為を効果的に防止することが可能である。
なお、本実施形態では、切欠き27の係止面27bは、ハンドルカバー18Aの表面から垂直に立ち上がるように形成したが、図7に示すように、遊技者側から見てハンドルカバー18Aの表面に沿って延びる接線の傾斜方向と同じ側に傾斜して立ち上がるように形成してもよい。このようにすると、指掛け部25とハンドルカバー18Aとの間に差し込まれた異物をより確実に係止することが可能となる。
切欠き27は、筒部20と椀状部21の境界よりも椀状部21側にずれた位置に形成してもよいが、本実施形態で説明したように、筒部20と椀状部21の境界に対応した位置に形成すると好ましい。このようにすると、指掛け部25が変形する程の大きな力でコインC等の異物が押し込まれた場合にも、筒部20と椀状部21の境界で面の曲率が変化するので、その曲率の変化に追従できないコインC等の異物を切欠き27で確実に係止することができる。
本実施形態では、異物の差し込みを防止する効果を高めるために、筒部20と椀状部21とからなるハンドルカバー18Aを採用した発射ハンドル17を例に挙げて説明したが、本発明は、例えば半球状の椀状部のみからなるハンドルカバーを採用した発射ハンドルにも適用することができる。
また、本実施形態では、ハンドル本体18の円弧状の曲面に沿って延びる部分を有する延出部として指掛け部25を例に挙げて説明したが、本発明は、例えば、視覚的デザインの観点から、ハンドル本体18の円弧状の曲面に沿って延びる部分を有する延出部を回動操作部材19と一体に形成した場合にも同様に適用しうる。
1・・・パチンコ機、17・・・発射ハンドル、18・・・ハンドル本体、19・・・回動操作部材、25・・・指掛け部、27・・・切欠き

Claims (1)

  1. パチンコ機の前面側に固定されるハンドル本体と、
    そのハンドル本体に回動可能に取り付けられ、遊技球を発射するために遊技者によって回動操作される回動操作部材とを備え、
    前記ハンドル本体の表面には、断面が円弧状の曲面が形成され、
    前記回動操作部材には、前記ハンドル本体の円弧状の曲面に沿って延びる部分を有する延出部が一体に設けられたパチンコ機の発射ハンドルにおいて、
    前記延出部のハンドル本体に沿った面に、延出部とハンドル本体との間に差し込まれた異物の先端を係止する切欠きが形成されていることを特徴とするパチンコ機の発射ハンドル。
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