JP2000167128A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 遊技機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤の前面側に略円弧状に配設された外側案内レールと、その内側に配設された内側案内レールとを備え、前記内側案内レールの先端部及び外側案内レール間に、発射された遊技球が放出される出口部を有し、かつ、該出口部に、放出された遊技球が逆戻りするのを防止する球戻り防止装置を設けた遊技機において、
前記球戻り防止装置を、少なくとも
固定部と、
前記固定部に対し傾動可能に軸支され、前記遊技球の放出に伴い傾動する弁体と、
前記弁体の傾動に基づき遊技球の放出を検出するための放出検出手段と、
前記遊技球の放出後の弁体を元の位置に復帰させる復帰手段と
から構成し、前記復帰手段にて前記弁体が復帰する場合の前記弁体の振動を抑制する振動抑制手段を設けたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記復帰手段及び振動抑制手段を、前記弁体とともに軸支され、一端が前記固定部に当接し、他端が前記弁体に当接するよう配設された弾性部材により構成したことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記弁体の先端部分に発射された遊技球が当たるよう構成され、
前記弾性部材の他端を、前記弁体のうち、前記軸支部よりも先端側に当接させたことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記放出検出手段をフォトセンサにより構成するとともに、前記弁体の一部には前記遊技球の放出に際して前記フォトセンサの投受光を許容或いは禁止する突起を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
【請求項5】
前記球戻り防止装置を、内側案内レールの先端部に一体的に設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
【請求項6】
前記弁体の先端と外側案内レールとの間隔が遊技球の直径とほぼ等しくなった場合に前記放出検出手段が遊技球の放出を検出することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
【請求項7】
前記弁体の軸支部を保護する釘又はカバーを設けたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に係り、特に、遊技盤の前面に、放出された遊技球が逆戻りするのを防止するための球戻り防止装置を設けてなる遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、パチンコ機の遊技盤の前面には、略円弧状の外側案内レールと、その内側において内側案内レールがそれぞれ敷設されている。また、内側案内レールの略上端部及び外側案内レール間には出口部が設けられ、遊技球発射装置から発射された遊技球は両案内レールによって案内された後、該出口部から遊技盤面上部の遊技領域へと放出される。
【0003】
近年、前記出口部には、一旦放出された遊技球が逆戻りするのを防止するための球戻り防止装置が設けられるようになってきている。球戻り防止装置としては、弁体の基端部が固定されており、先端部に遊技球が当たることによって撓みうる固定タイプと、弁体が傾動可能に軸支されている軸支タイプとが知られている。固定タイプは、構造が簡単であるという点では優れているものの、長期使用に耐えうるという点では軸支タイプの方が優れているといえる。
【0004】
上記軸支タイプの球戻り防止装置は、一般に、遊技盤に取付固定される固定部と、固定部に対し傾動可能に軸支された弁体と、該弁体を元の位置に復帰させるための復帰手段とを備えている。復帰手段は、弁体から垂下するようにして一体的に設けられた錘により構成される。このような球戻り防止装置を備えたパチンコ機によれば、遊技球発射装置から発射された遊技球は両案内レールによって案内された後、出口部に位置する弁体に当たる。そして、遊技球の運動エネルギーによって弁体が傾動し、出口部が開口する。これにより、遊技球の遊技盤面上部への放出が許容される。遊技球が放出された後、前記錘の作用によって、弁体は元の位置へと復帰する。連続的に遊技球が発射される場合には、上記のような動作が繰り返し行われる。
【0005】
ところで、近年、上記球戻り防止装置に、フォトセンサ等の放出検出手段を設ける試みがなされている。つまり、フォトセンサの投受光部間に弁体の下端部(例えば錘)が配置させられることにより、弁体の傾動があった場合、下端部(錘)が移動することからフォトセンサの投受光が許容されることになる。これにより、1つの遊技球の発射(遊技盤への放出)が行われたものとみなされて、放出された遊技球の総数をカウントしたりすることが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術では、次に記すような課題が生じうる。すなわち、遊技球が放出された後、錘の作用によって、弁体は元の位置へと復帰するのであるが、このとき、復帰に際しての弁体による振動動作(バウンド動作)が数回行われてしまうおそれがあった。このため、当該バウンド動作に伴う下記の不具合が発生するおそれがあった。
【0007】
まず第1には、弁体がバウンド動作している最中に次の遊技球が発射されてきた場合、次の遊技球はバウンド中の弁体に当たることになる。このため、バウンド中の弁体に当たる場合とそうでない場合とで、放出される遊技球の勢いに差異が生じ、結果的に、遊技球の飛翔距離にばらつきが生じてしまうおそれがあった。
【0008】
また第2に、上記バウンド動作によって、フォトセンサでの誤検出が誘発されてしまうおそれがあった。つまり、遊技球の放出がないにもかかわらず、フォトセンサの投受光が許容される(「チャタリング」と称される)場合があり、これにより、遊技盤へと放出されてもいない遊技球の数がカウントされてしまうおそれがあった。
【0009】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、遊技盤の前面に、放出された遊技球が逆戻りするのを防止するための球戻り防止装置を設けてなる遊技機において、弁体の振動に伴う不具合の発生を抑制することのできる遊技機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、第1の発明においては、遊技盤の前面側に略円弧状に配設された外側案内レールと、その内側に配設された内側案内レールとを備え、前記内側案内レールの先端部及び外側案内レール間に、発射された遊技球が放出される出口部を有し、かつ、該出口部に、放出された遊技球が逆戻りするのを防止する球戻り防止装置を設けた遊技機において、
前記球戻り防止装置を、少なくとも
固定部と、
前記固定部に対し傾動可能に軸支され、前記遊技球の放出に伴い傾動する弁体と、
前記弁体の傾動に基づき遊技球の放出を検出するための放出検出手段と、
前記遊技球の放出後の弁体を元の位置に復帰させる復帰手段と
から構成し、前記復帰手段にて前記弁体が復帰する場合の前記弁体の振動を抑制する振動抑制手段を設けたことをその要旨としている。
第2の発明では、前記復帰手段及び振動抑制手段を、前記弁体とともに軸支され、一端が前記固定部に当接し、他端が前記弁体に当接するよう配設された弾性部材により構成したことをその要旨としている。
第3の発明では、前記弁体の先端部分に発射された遊技球が当たるよう構成され、
前記弾性部材の他端を、前記弁体のうち、前記軸支部よりも先端側に当接させたことをその要旨としている。
第4の発明では、前記放出検出手段をフォトセンサにより構成するとともに、前記弁体の一部には前記遊技球の放出に際して前記フォトセンサの投受光を許容或いは禁止する突起を設けたことをその要旨としている。
第5の発明では、前記球戻り防止装置を、内側案内レールの先端部に一体的に設けたことをその要旨としている。
第6の発明では、前記弁体の先端と外側案内レールとの間隔が遊技球の直径とほぼ等しくなった場合に前記放出検出手段が遊技球の放出を検出することをその要旨としている。
第7の発明では、前記弁体の軸支部を保護する釘又はカバーを設けたことをその要旨としている。
【0011】
(作用)
上記第1の発明にかかる遊技機によれば、遊技盤の前面に略円弧状に敷設された外側案内レールと、その内側に敷設された内側案内レールとによって、発射された遊技球が案内され、内側案内レールの略上端部及び外側案内レール間の出口部から、放出される。また、球戻り防止装置の存在により、一旦放出された遊技球が出口部から逆戻りするという事態が防止される。
【0012】
さて、発射された遊技球は、球戻り防止装置において、固定部に対し軸支された弁体に当たって弁体が傾動し、遊技球が放出される。このとき、放出検出手段によって、弁体の傾動に基づく遊技球の放出が検出される。さらに、遊技球の放出後において、復帰手段によって、弁体が元の位置に復帰させられる。ここで、復帰手段にて弁体が復帰する際の弁体の振動が、振動抑制手段によって抑制される。このため、弁体が未だ振動している最中に次に発射された遊技球が当たるという事態が起こりにくいものとなる。
【0013】
また、振動に基づく弁体の微小な傾動が抑制されることから、放出検出手段における誤検出も抑制される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、遊技機をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)に具体化した一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
図1,2に示すように、パチンコ機1は、外枠2及び前面枠3を備えており、その前面枠3の前面内周には、透明なガラス板が取着されてなるガラス扉枠4が開閉自在に設けられている。
【0016】
前記前面枠3の後側(ガラス扉枠4の奥、外枠2の内側)には、ミドルプレート(図示略)が設けられており、該ミドルプレートに遊技盤5が着脱可能に装着されている。この遊技盤5の前面には、普通入賞口6、可変入賞装置7、作動口8、可変表示装置9、内側案内レール(内レール)10、外側案内レール(外レール)11等が配設されている。ここで、内レール10及び外レール11は、遊技球発射装置Uにより発射された遊技球Bを遊技盤5の上部に案内するためのガイド部材であって、円弧状に敷設されている。また、前面枠3には、上受皿12及び下受皿13が設けられている。
【0017】
可変表示装置9は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)よりなる表示画面を備えており、表示画面には例えば左図柄列、中図柄列及び右図柄列の3つの表示列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が各図柄列毎にスクロールされて表示画面に表示されるようになっている。
【0018】
可変入賞装置7は、通常、遊技球Bが入賞できない状態又は入賞し難い状態になっている。より詳しくは、作動口8に対し遊技球Bが入賞することに基づいて、遊技盤5の中央部に配設された可変表示装置9の図柄がランダムに変動する。そして、停止した図柄が特定の組み合わせであることを必要条件に、可変入賞装置7の大入賞口が所定時間、所定回数だけ開いて、遊技球Bが入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。
【0019】
なお、内レール10の略上端部及び外レール11間には、遊技球発射装置Uにより発射された遊技球Bが遊技盤5面上の遊技領域に放出される出口部が設けられている。遊技球Bは該出口部から遊技盤5の上部に案内された後、遊技盤5面に沿って落下する。このとき、前記一般入賞口6、可変入賞装置7、作動口8に遊技球Bが入賞することに基づいて、上受皿12(場合によっては下受皿13)に対し所定数の景品球が払い出されるようになっている。
【0020】
次に、本実施の形態の特徴的部分について説明する。本実施の形態では、前記内レール10の上端部及び外レール11間の出口部には、放出された遊技球Bが逆戻りするのを防止するための球戻り防止装置21が設けられている。より詳しくは、本実施の形態における内レール10は、樹脂により構成されているとともに、当該内レール10の上端部に対し、球戻り防止装置21が一体的に配設されている。図3,4,5に示すように、この球戻り防止装置21は、固定部としての取付部材22、軸24、弁体25、つるまきバネ26、フォトセンサユニット27、裏カバー28等を備えている。取付部材22には、弁体25を収容するための開口部を有してなるケーシング23が一体形成されている。軸24は、前記ケーシング23及び裏カバー28間に固定されている。そして、この軸24には、弁体25が傾動可能に支持されている。すなわち、弁体25は、硬質合成樹脂よりなり、軸24挿通用の透孔を有してなる軸支部31と、該軸支部31に対し基端部が埋設され、平滑で、かつ、薄肉状の金属片よりなる舌片部32と、前記軸支部31に一体形成され、下方へ垂下するようにして延びる突起33とを備えている。当該弁体25は、前記透孔に軸24が挿通された状態で支持されており、軸24を中心として傾動可能となっている。
【0021】
また、軸24には、復帰手段としてのつるまきバネ26が挿通されており、該つるまきバネ26の一端は、前記ケーシング23に当接し、他端が前記軸支部31に形成された切欠き部31aに引っかけられるようにして弁体25に当接した状態となっている。そして、当該つるまきバネ26の復元力により、弁体25は、常には基本状態(出口部ほぼを塞いだ状態)に位置するようになっている。
【0022】
さらに、フォトセンサユニット27は、球戻り防止装置21の下部において、前記ケーシング23及び裏カバー28間に固定されている。フォトセンサユニット27は、凹字状のフォトセンサ27aを備えており、該フォトセンサ27aは、投光部及び受光部を備えている。そして、この相対しあっている投光部及び受光部間に、常には前記弁体25の突起33が位置している。これにより、常には投光部から放たれた光が突起33によって遮られ、受光部による受光が行われないようになっている。また、弁体25が傾動して突起33が移動した場合には(弁体25の舌片部32先端と外レール11との間隔が遊技球Bの直径とほぼ等しくなったときに)、受光部による受光が許容されることとなり、フォトセンサ27aによる遊技球Bの放出が検出されるように構成されている。
【0023】
併せて、図2に示すように、遊技盤5面上には多数の釘が植設されているとともに、そのうち1本の釘G1は、前記ケーシング23の開口部近傍(軸支部31の近傍)に設けられている。これにより、一旦放出された遊技球Bが、弁体25の軸支部31に当たるといった事態が回避されるようになっている。
【0024】
続いて、上記のように構成されてなる本実施の形態の作用及び効果について説明する。
【0025】
図6(a)に示すように、遊技球発射装置Uにより発射された遊技球Bは、内レール10及び外レール11間において、両レール10,11に案内されつつ出口部へと誘導される。そして、遊技球Bは、球戻り防止装置21の弁体25の舌片部32に当たる。
【0026】
このとき、遊技球Bの持つ運動エネルギーによって、図6(b)に示すように、弁体25は、軸24を支点として前記つるまきバネ26の復元力に抗して傾動する。そして、遊技球Bは、舌片部32の先端と、外レール11との間の隙間から、遊技盤5上部の遊技領域へと放出される。
【0027】
またこのとき、フォトセンサ27aにおいては、弁体25の傾動に伴い突起33が移動することから、投光部及び受光部間での投受光が一時的に許容されることとなる。これにより、フォトセンサ27aによる遊技球Bの放出が検出される。
【0028】
そして、遊技球Bが放出された後、図6(c)に示すように、つるまきバネ26の復元力によって、弁体25は元の位置へと復帰する。これにより、突起33が元の位置に復帰することから、フォトセンサ27aの投光部及び受光部間での投受光が再度禁止されることとなる。また、このとき、錘により弁体が元の位置に復帰させられていた従来技術とは異なり、つるまきバネ26の作用により、弁体25はピタッと元の位置に復帰するとともに、復帰する際には弁体25はほとんど振動しない。
【0029】
このため、弁体25が未だ振動(バウンド)している最中に次に発射された遊技球Bが弁体25に当たるという事態が起こりにくいものとなる。その結果、放出される遊技球Bの勢いに差異が生じ、遊技球Bの飛翔距離にばらつきが生じてしまうといった不具合を抑制することができる。
【0030】
また、振動に基づく弁体25の微小な傾動が抑制されることから、フォトセンサ27aにおける誤検出(チャタリング)も確実に抑制される。その結果、遊技領域に放出された遊技球Bの総数を正確にカウントすることが可能となる。
【0031】
さらに、本実施の形態では、弁体25を元の位置に復帰させる復帰手段と、振動抑制手段とを、つるまきバネ26で兼用することとした。このため、構成の簡素化を図ることができるとともに、省スペース化を図ることができる。
【0032】
併せて、本実施の形態では、弁体25の軸支部31を樹脂材料により構成した。このため、大量生産に適するとともに、容易に軸支構造を確保することができる。また、耐久性の向上を図ることができる。
【0033】
加えて、本実施の形態では、弁体25のうち、少なくとも遊技球Bが当たる部分を、平滑で、かつ、薄肉状の金属製の舌片部32により構成した。このため、遊技球Bが当たった場合に、遊技球Bが弁体25から摩擦力を受けるのを極力抑えることができる。従って、遊技球Bの円滑な飛翔を確保することができる。
【0034】
また、本実施の形態では、内レール10を樹脂により構成するとともに、当該内レール10の上端部に対し、球戻り防止装置21を一体的に配設することとした。そのため、球戻り防止装置21の配設位置が個々のパチンコ機1間でずれてしまうことがなく、配置状態の適正化を図ることができる。
【0035】
さらに、弁体25の舌片部32の先端と外レール11との間隔が、遊技球Bの直径とほぼ等しくなったときに、フォトセンサ27aでの投受光が許容されるようにした。このため、遊技球Bが遊技領域に放出される際には、当該放出を確実に検出できるとともに、弁体25が元の位置に復帰するときに仮に多少の振動が生じたとしても、遊技球Bの放出が誤検出されてしまうことがない。その結果、上記作用効果をより確実なものとすることができる。
【0036】
併せて、本実施の形態では、多数の釘のうち、1本の釘G1は、軸支部31の近傍に設けられている。このため、一旦放出された遊技球Bが、弁体25の軸支部31に当たるといった事態が回避される。従って、放出後の遊技球Bが軸支部31に当たることに伴う弁体25の傾動を防止することができ、結果として、当該傾動による誤検出を確実に防止することができる。また、これとともに、放出後の遊技球Bが軸支部31に当たらないため、軸支部31ひいては弁体25が損傷を受けにくいものとなる。その結果、さらなる製品寿命の長期化を図ることができる。
【0037】
尚、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0038】
(a)上記実施の形態では、軸支部31の近傍に1本の釘G1を植設することとした。これに対し、2本以上の釘を植設することとしてもよい。また、図7に示すように、前記ケーシング23に対し、軸支部31を保護するカバー41を設けることとしてもよい。このような構成とすることで、釘G1を省略することも可能である。
【0039】
(b)上記実施の形態では、舌片部32を、軸支部31にインサート成形することで固定することとしたが、図8に示すように、軸支部31に対し、別体で舌片部42をねじ43等で固定することとしてもよい。
【0040】
(c)上記実施の形態では、舌片部32を金属材料により、軸支部31を硬質樹脂材料によりそれぞれ構成したが、金属又は樹脂材料により、両者を一体で構成してもよい。
【0041】
(d)上記実施の形態では、放出検出手段としてフォトセンサ27aを採用したが、他の検出手段(例えばリミットスイッチ等)を用いてもよい。
【0042】
(e)上記実施の形態では、つるまきバネ26に代えて他の弾性部材(例えば板バネ等)を用いてもよい。
【0043】
(f)上記実施の形態では、軸支部31に切欠き部31aを形成し、該切欠き部31aにつるまきバネ26の端部を引っかけるようにしたが、該切欠き部31aを省略することとしてもよい。
【0044】
(g)ケーシング23を省略したり、ケーシング23の少なくとも一部を透明にしたりして、球戻り防止装置21の内部構造を外部から視認できる構成としてもよい。
【0045】
(h)軸24を遊技盤5に直接固定してもよい。この場合、取付部材22等を省略する構成としてもよい。
【0046】
(i)本発明は、上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機にも適用できる。従って、可変表示装置9等のないパチンコ機や、他の役物を備えたパチンコ機にも応用できる。また、本発明は、パチンコ機以外にも雀球、アレンジボール等の遊技機にも応用可能である。
【0047】
(j)上記実施の形態では、フォトセンサ27aの投光部及び受光部間に突起33が位置するように配置し、弁体25の傾動により投受光が許容された場合に、遊技球Bの放出が検出されるような構成としたが、常には投受光が許容された状態となっており、弁体25の傾動により投受光が禁止された(遮られた)場合に遊技球Bの放出が検出されるような構成としてもよい。
【0048】
以下に、上記実施の形態から把握できる技術的思想について記載する。
【0049】
(1)遊技盤の前面に略円弧状に敷設された外側案内レールと、その内側に敷設された内側案内レールとを備え、前記内側案内レールの略上端部及び外側案内レール間に、発射された遊技球が放出される出口部を有し、かつ、該出口部に、放出された遊技球が逆戻りするのを防止するための球戻り防止装置を設けてなる遊技機において、
前記球戻り防止装置を、少なくとも
固定部と、
前記固定部に対し傾動可能に軸支され、前記遊技球の放出に伴い傾動が許容される弁体と、
前記遊技球の放出後の弁体を元の位置に復帰させる復帰手段と
から構成し、前記復帰手段にて前記弁体が復帰する際の前記弁体の振動を抑制するための振動抑制手段を設けたことを特徴とする遊技機。
【0050】
(2)前記復帰手段及び振動抑制手段を、前記弁体とともに軸支され、一端が前記固定部に当接し、他端が前記弁体に当接するよう配設された弾性部材により構成したことを特徴とする遊技機。
【0051】
(3)前記放出検出手段をフォトセンサにより構成するとともに、前記弁体の一部には前記遊技球の放出に際して前記フォトセンサの投受光を許容或いは禁止する突起を設けたことを特徴とする遊技機。
【0052】
(4)前記弁体の軸支部分を樹脂材料により構成したことを特徴とする遊技機。
【0053】
(5)前記弁体のうち、少なくとも前記遊技球が当たる部分を、平滑で、かつ、薄肉状の金属片により構成したことを特徴とする遊技機。
【0054】
(6)前記球戻り防止装置を内側案内レールの先端部に対し一体的に設けたことを特徴とする遊技機。
【0055】
(7)前記内側案内レールを樹脂材料により構成したことを特徴とする遊技機。
【0056】
(8)前記弁体を、前記弁体の先端と外側案内レールとの間隔が遊技球の直径とほぼ等しくなったときに前記放出検出手段が遊技球の放出を検出するように配設したことを特徴とする遊技機。
【0057】
(9)前記遊技盤の前面には、多数の釘が植設されているとともに、当該釘の少なくとも一部が前記弁体の軸支部近傍に設けられていることを特徴とする遊技機。
【0058】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、遊技盤の前面に、放出された遊技球が逆戻りするのを防止するための球戻り防止装置を設けてなる遊技機において、弁体の振動に伴う不具合の発生を抑制することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態におけるパチンコ機を示す斜視図である。
【図2】パチンコ機の遊技盤を示す正面図である。
【図3】球戻り防止装置を示す斜視図である。
【図4】球戻り防止装置を示す断面図である。
【図5】球戻り防止装置を示す分解斜視図である。
【図6】球戻り防止装置等を示す図であって、(a),(b),(c)は、遊技球放出時の作用を示す一部破断部分正面図である。
【図7】別の実施の形態における球戻り防止装置を示す一部破断正面図である。
【図8】別の実施の形態における弁体を示す正面図である。
【符号の説明】
1…遊技機としてのパチンコ機、2…外枠、3…前面枠、5…遊技盤、10…内レール、11…外レール、21…球戻り防止装置、22…取付部材、24…軸、25…弁体、26…つるまきバネ、27a…フォトセンサ、31…軸支部、32,42…舌片部、33…突起。
【発明の名称】 遊技機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤の前面側に略円弧状に配設された外側案内レールと、その内側に配設された内側案内レールとを備え、前記内側案内レールの先端部及び外側案内レール間に、発射された遊技球が放出される出口部を有し、かつ、該出口部に、放出された遊技球が逆戻りするのを防止する球戻り防止装置を設けた遊技機において、
前記球戻り防止装置を、少なくとも
固定部と、
前記固定部に対し傾動可能に軸支され、前記遊技球の放出に伴い傾動する弁体と、
前記弁体の傾動に基づき遊技球の放出を検出するための放出検出手段と、
前記遊技球の放出後の弁体を元の位置に復帰させる復帰手段と
から構成し、前記復帰手段にて前記弁体が復帰する場合の前記弁体の振動を抑制する振動抑制手段を設けたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記復帰手段及び振動抑制手段を、前記弁体とともに軸支され、一端が前記固定部に当接し、他端が前記弁体に当接するよう配設された弾性部材により構成したことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記弁体の先端部分に発射された遊技球が当たるよう構成され、
前記弾性部材の他端を、前記弁体のうち、前記軸支部よりも先端側に当接させたことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記放出検出手段をフォトセンサにより構成するとともに、前記弁体の一部には前記遊技球の放出に際して前記フォトセンサの投受光を許容或いは禁止する突起を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
【請求項5】
前記球戻り防止装置を、内側案内レールの先端部に一体的に設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
【請求項6】
前記弁体の先端と外側案内レールとの間隔が遊技球の直径とほぼ等しくなった場合に前記放出検出手段が遊技球の放出を検出することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
【請求項7】
前記弁体の軸支部を保護する釘又はカバーを設けたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に係り、特に、遊技盤の前面に、放出された遊技球が逆戻りするのを防止するための球戻り防止装置を設けてなる遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、パチンコ機の遊技盤の前面には、略円弧状の外側案内レールと、その内側において内側案内レールがそれぞれ敷設されている。また、内側案内レールの略上端部及び外側案内レール間には出口部が設けられ、遊技球発射装置から発射された遊技球は両案内レールによって案内された後、該出口部から遊技盤面上部の遊技領域へと放出される。
【0003】
近年、前記出口部には、一旦放出された遊技球が逆戻りするのを防止するための球戻り防止装置が設けられるようになってきている。球戻り防止装置としては、弁体の基端部が固定されており、先端部に遊技球が当たることによって撓みうる固定タイプと、弁体が傾動可能に軸支されている軸支タイプとが知られている。固定タイプは、構造が簡単であるという点では優れているものの、長期使用に耐えうるという点では軸支タイプの方が優れているといえる。
【0004】
上記軸支タイプの球戻り防止装置は、一般に、遊技盤に取付固定される固定部と、固定部に対し傾動可能に軸支された弁体と、該弁体を元の位置に復帰させるための復帰手段とを備えている。復帰手段は、弁体から垂下するようにして一体的に設けられた錘により構成される。このような球戻り防止装置を備えたパチンコ機によれば、遊技球発射装置から発射された遊技球は両案内レールによって案内された後、出口部に位置する弁体に当たる。そして、遊技球の運動エネルギーによって弁体が傾動し、出口部が開口する。これにより、遊技球の遊技盤面上部への放出が許容される。遊技球が放出された後、前記錘の作用によって、弁体は元の位置へと復帰する。連続的に遊技球が発射される場合には、上記のような動作が繰り返し行われる。
【0005】
ところで、近年、上記球戻り防止装置に、フォトセンサ等の放出検出手段を設ける試みがなされている。つまり、フォトセンサの投受光部間に弁体の下端部(例えば錘)が配置させられることにより、弁体の傾動があった場合、下端部(錘)が移動することからフォトセンサの投受光が許容されることになる。これにより、1つの遊技球の発射(遊技盤への放出)が行われたものとみなされて、放出された遊技球の総数をカウントしたりすることが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術では、次に記すような課題が生じうる。すなわち、遊技球が放出された後、錘の作用によって、弁体は元の位置へと復帰するのであるが、このとき、復帰に際しての弁体による振動動作(バウンド動作)が数回行われてしまうおそれがあった。このため、当該バウンド動作に伴う下記の不具合が発生するおそれがあった。
【0007】
まず第1には、弁体がバウンド動作している最中に次の遊技球が発射されてきた場合、次の遊技球はバウンド中の弁体に当たることになる。このため、バウンド中の弁体に当たる場合とそうでない場合とで、放出される遊技球の勢いに差異が生じ、結果的に、遊技球の飛翔距離にばらつきが生じてしまうおそれがあった。
【0008】
また第2に、上記バウンド動作によって、フォトセンサでの誤検出が誘発されてしまうおそれがあった。つまり、遊技球の放出がないにもかかわらず、フォトセンサの投受光が許容される(「チャタリング」と称される)場合があり、これにより、遊技盤へと放出されてもいない遊技球の数がカウントされてしまうおそれがあった。
【0009】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、遊技盤の前面に、放出された遊技球が逆戻りするのを防止するための球戻り防止装置を設けてなる遊技機において、弁体の振動に伴う不具合の発生を抑制することのできる遊技機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、第1の発明においては、遊技盤の前面側に略円弧状に配設された外側案内レールと、その内側に配設された内側案内レールとを備え、前記内側案内レールの先端部及び外側案内レール間に、発射された遊技球が放出される出口部を有し、かつ、該出口部に、放出された遊技球が逆戻りするのを防止する球戻り防止装置を設けた遊技機において、
前記球戻り防止装置を、少なくとも
固定部と、
前記固定部に対し傾動可能に軸支され、前記遊技球の放出に伴い傾動する弁体と、
前記弁体の傾動に基づき遊技球の放出を検出するための放出検出手段と、
前記遊技球の放出後の弁体を元の位置に復帰させる復帰手段と
から構成し、前記復帰手段にて前記弁体が復帰する場合の前記弁体の振動を抑制する振動抑制手段を設けたことをその要旨としている。
第2の発明では、前記復帰手段及び振動抑制手段を、前記弁体とともに軸支され、一端が前記固定部に当接し、他端が前記弁体に当接するよう配設された弾性部材により構成したことをその要旨としている。
第3の発明では、前記弁体の先端部分に発射された遊技球が当たるよう構成され、
前記弾性部材の他端を、前記弁体のうち、前記軸支部よりも先端側に当接させたことをその要旨としている。
第4の発明では、前記放出検出手段をフォトセンサにより構成するとともに、前記弁体の一部には前記遊技球の放出に際して前記フォトセンサの投受光を許容或いは禁止する突起を設けたことをその要旨としている。
第5の発明では、前記球戻り防止装置を、内側案内レールの先端部に一体的に設けたことをその要旨としている。
第6の発明では、前記弁体の先端と外側案内レールとの間隔が遊技球の直径とほぼ等しくなった場合に前記放出検出手段が遊技球の放出を検出することをその要旨としている。
第7の発明では、前記弁体の軸支部を保護する釘又はカバーを設けたことをその要旨としている。
【0011】
(作用)
上記第1の発明にかかる遊技機によれば、遊技盤の前面に略円弧状に敷設された外側案内レールと、その内側に敷設された内側案内レールとによって、発射された遊技球が案内され、内側案内レールの略上端部及び外側案内レール間の出口部から、放出される。また、球戻り防止装置の存在により、一旦放出された遊技球が出口部から逆戻りするという事態が防止される。
【0012】
さて、発射された遊技球は、球戻り防止装置において、固定部に対し軸支された弁体に当たって弁体が傾動し、遊技球が放出される。このとき、放出検出手段によって、弁体の傾動に基づく遊技球の放出が検出される。さらに、遊技球の放出後において、復帰手段によって、弁体が元の位置に復帰させられる。ここで、復帰手段にて弁体が復帰する際の弁体の振動が、振動抑制手段によって抑制される。このため、弁体が未だ振動している最中に次に発射された遊技球が当たるという事態が起こりにくいものとなる。
【0013】
また、振動に基づく弁体の微小な傾動が抑制されることから、放出検出手段における誤検出も抑制される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、遊技機をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)に具体化した一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
図1,2に示すように、パチンコ機1は、外枠2及び前面枠3を備えており、その前面枠3の前面内周には、透明なガラス板が取着されてなるガラス扉枠4が開閉自在に設けられている。
【0016】
前記前面枠3の後側(ガラス扉枠4の奥、外枠2の内側)には、ミドルプレート(図示略)が設けられており、該ミドルプレートに遊技盤5が着脱可能に装着されている。この遊技盤5の前面には、普通入賞口6、可変入賞装置7、作動口8、可変表示装置9、内側案内レール(内レール)10、外側案内レール(外レール)11等が配設されている。ここで、内レール10及び外レール11は、遊技球発射装置Uにより発射された遊技球Bを遊技盤5の上部に案内するためのガイド部材であって、円弧状に敷設されている。また、前面枠3には、上受皿12及び下受皿13が設けられている。
【0017】
可変表示装置9は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)よりなる表示画面を備えており、表示画面には例えば左図柄列、中図柄列及び右図柄列の3つの表示列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が各図柄列毎にスクロールされて表示画面に表示されるようになっている。
【0018】
可変入賞装置7は、通常、遊技球Bが入賞できない状態又は入賞し難い状態になっている。より詳しくは、作動口8に対し遊技球Bが入賞することに基づいて、遊技盤5の中央部に配設された可変表示装置9の図柄がランダムに変動する。そして、停止した図柄が特定の組み合わせであることを必要条件に、可変入賞装置7の大入賞口が所定時間、所定回数だけ開いて、遊技球Bが入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。
【0019】
なお、内レール10の略上端部及び外レール11間には、遊技球発射装置Uにより発射された遊技球Bが遊技盤5面上の遊技領域に放出される出口部が設けられている。遊技球Bは該出口部から遊技盤5の上部に案内された後、遊技盤5面に沿って落下する。このとき、前記一般入賞口6、可変入賞装置7、作動口8に遊技球Bが入賞することに基づいて、上受皿12(場合によっては下受皿13)に対し所定数の景品球が払い出されるようになっている。
【0020】
次に、本実施の形態の特徴的部分について説明する。本実施の形態では、前記内レール10の上端部及び外レール11間の出口部には、放出された遊技球Bが逆戻りするのを防止するための球戻り防止装置21が設けられている。より詳しくは、本実施の形態における内レール10は、樹脂により構成されているとともに、当該内レール10の上端部に対し、球戻り防止装置21が一体的に配設されている。図3,4,5に示すように、この球戻り防止装置21は、固定部としての取付部材22、軸24、弁体25、つるまきバネ26、フォトセンサユニット27、裏カバー28等を備えている。取付部材22には、弁体25を収容するための開口部を有してなるケーシング23が一体形成されている。軸24は、前記ケーシング23及び裏カバー28間に固定されている。そして、この軸24には、弁体25が傾動可能に支持されている。すなわち、弁体25は、硬質合成樹脂よりなり、軸24挿通用の透孔を有してなる軸支部31と、該軸支部31に対し基端部が埋設され、平滑で、かつ、薄肉状の金属片よりなる舌片部32と、前記軸支部31に一体形成され、下方へ垂下するようにして延びる突起33とを備えている。当該弁体25は、前記透孔に軸24が挿通された状態で支持されており、軸24を中心として傾動可能となっている。
【0021】
また、軸24には、復帰手段としてのつるまきバネ26が挿通されており、該つるまきバネ26の一端は、前記ケーシング23に当接し、他端が前記軸支部31に形成された切欠き部31aに引っかけられるようにして弁体25に当接した状態となっている。そして、当該つるまきバネ26の復元力により、弁体25は、常には基本状態(出口部ほぼを塞いだ状態)に位置するようになっている。
【0022】
さらに、フォトセンサユニット27は、球戻り防止装置21の下部において、前記ケーシング23及び裏カバー28間に固定されている。フォトセンサユニット27は、凹字状のフォトセンサ27aを備えており、該フォトセンサ27aは、投光部及び受光部を備えている。そして、この相対しあっている投光部及び受光部間に、常には前記弁体25の突起33が位置している。これにより、常には投光部から放たれた光が突起33によって遮られ、受光部による受光が行われないようになっている。また、弁体25が傾動して突起33が移動した場合には(弁体25の舌片部32先端と外レール11との間隔が遊技球Bの直径とほぼ等しくなったときに)、受光部による受光が許容されることとなり、フォトセンサ27aによる遊技球Bの放出が検出されるように構成されている。
【0023】
併せて、図2に示すように、遊技盤5面上には多数の釘が植設されているとともに、そのうち1本の釘G1は、前記ケーシング23の開口部近傍(軸支部31の近傍)に設けられている。これにより、一旦放出された遊技球Bが、弁体25の軸支部31に当たるといった事態が回避されるようになっている。
【0024】
続いて、上記のように構成されてなる本実施の形態の作用及び効果について説明する。
【0025】
図6(a)に示すように、遊技球発射装置Uにより発射された遊技球Bは、内レール10及び外レール11間において、両レール10,11に案内されつつ出口部へと誘導される。そして、遊技球Bは、球戻り防止装置21の弁体25の舌片部32に当たる。
【0026】
このとき、遊技球Bの持つ運動エネルギーによって、図6(b)に示すように、弁体25は、軸24を支点として前記つるまきバネ26の復元力に抗して傾動する。そして、遊技球Bは、舌片部32の先端と、外レール11との間の隙間から、遊技盤5上部の遊技領域へと放出される。
【0027】
またこのとき、フォトセンサ27aにおいては、弁体25の傾動に伴い突起33が移動することから、投光部及び受光部間での投受光が一時的に許容されることとなる。これにより、フォトセンサ27aによる遊技球Bの放出が検出される。
【0028】
そして、遊技球Bが放出された後、図6(c)に示すように、つるまきバネ26の復元力によって、弁体25は元の位置へと復帰する。これにより、突起33が元の位置に復帰することから、フォトセンサ27aの投光部及び受光部間での投受光が再度禁止されることとなる。また、このとき、錘により弁体が元の位置に復帰させられていた従来技術とは異なり、つるまきバネ26の作用により、弁体25はピタッと元の位置に復帰するとともに、復帰する際には弁体25はほとんど振動しない。
【0029】
このため、弁体25が未だ振動(バウンド)している最中に次に発射された遊技球Bが弁体25に当たるという事態が起こりにくいものとなる。その結果、放出される遊技球Bの勢いに差異が生じ、遊技球Bの飛翔距離にばらつきが生じてしまうといった不具合を抑制することができる。
【0030】
また、振動に基づく弁体25の微小な傾動が抑制されることから、フォトセンサ27aにおける誤検出(チャタリング)も確実に抑制される。その結果、遊技領域に放出された遊技球Bの総数を正確にカウントすることが可能となる。
【0031】
さらに、本実施の形態では、弁体25を元の位置に復帰させる復帰手段と、振動抑制手段とを、つるまきバネ26で兼用することとした。このため、構成の簡素化を図ることができるとともに、省スペース化を図ることができる。
【0032】
併せて、本実施の形態では、弁体25の軸支部31を樹脂材料により構成した。このため、大量生産に適するとともに、容易に軸支構造を確保することができる。また、耐久性の向上を図ることができる。
【0033】
加えて、本実施の形態では、弁体25のうち、少なくとも遊技球Bが当たる部分を、平滑で、かつ、薄肉状の金属製の舌片部32により構成した。このため、遊技球Bが当たった場合に、遊技球Bが弁体25から摩擦力を受けるのを極力抑えることができる。従って、遊技球Bの円滑な飛翔を確保することができる。
【0034】
また、本実施の形態では、内レール10を樹脂により構成するとともに、当該内レール10の上端部に対し、球戻り防止装置21を一体的に配設することとした。そのため、球戻り防止装置21の配設位置が個々のパチンコ機1間でずれてしまうことがなく、配置状態の適正化を図ることができる。
【0035】
さらに、弁体25の舌片部32の先端と外レール11との間隔が、遊技球Bの直径とほぼ等しくなったときに、フォトセンサ27aでの投受光が許容されるようにした。このため、遊技球Bが遊技領域に放出される際には、当該放出を確実に検出できるとともに、弁体25が元の位置に復帰するときに仮に多少の振動が生じたとしても、遊技球Bの放出が誤検出されてしまうことがない。その結果、上記作用効果をより確実なものとすることができる。
【0036】
併せて、本実施の形態では、多数の釘のうち、1本の釘G1は、軸支部31の近傍に設けられている。このため、一旦放出された遊技球Bが、弁体25の軸支部31に当たるといった事態が回避される。従って、放出後の遊技球Bが軸支部31に当たることに伴う弁体25の傾動を防止することができ、結果として、当該傾動による誤検出を確実に防止することができる。また、これとともに、放出後の遊技球Bが軸支部31に当たらないため、軸支部31ひいては弁体25が損傷を受けにくいものとなる。その結果、さらなる製品寿命の長期化を図ることができる。
【0037】
尚、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0038】
(a)上記実施の形態では、軸支部31の近傍に1本の釘G1を植設することとした。これに対し、2本以上の釘を植設することとしてもよい。また、図7に示すように、前記ケーシング23に対し、軸支部31を保護するカバー41を設けることとしてもよい。このような構成とすることで、釘G1を省略することも可能である。
【0039】
(b)上記実施の形態では、舌片部32を、軸支部31にインサート成形することで固定することとしたが、図8に示すように、軸支部31に対し、別体で舌片部42をねじ43等で固定することとしてもよい。
【0040】
(c)上記実施の形態では、舌片部32を金属材料により、軸支部31を硬質樹脂材料によりそれぞれ構成したが、金属又は樹脂材料により、両者を一体で構成してもよい。
【0041】
(d)上記実施の形態では、放出検出手段としてフォトセンサ27aを採用したが、他の検出手段(例えばリミットスイッチ等)を用いてもよい。
【0042】
(e)上記実施の形態では、つるまきバネ26に代えて他の弾性部材(例えば板バネ等)を用いてもよい。
【0043】
(f)上記実施の形態では、軸支部31に切欠き部31aを形成し、該切欠き部31aにつるまきバネ26の端部を引っかけるようにしたが、該切欠き部31aを省略することとしてもよい。
【0044】
(g)ケーシング23を省略したり、ケーシング23の少なくとも一部を透明にしたりして、球戻り防止装置21の内部構造を外部から視認できる構成としてもよい。
【0045】
(h)軸24を遊技盤5に直接固定してもよい。この場合、取付部材22等を省略する構成としてもよい。
【0046】
(i)本発明は、上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機にも適用できる。従って、可変表示装置9等のないパチンコ機や、他の役物を備えたパチンコ機にも応用できる。また、本発明は、パチンコ機以外にも雀球、アレンジボール等の遊技機にも応用可能である。
【0047】
(j)上記実施の形態では、フォトセンサ27aの投光部及び受光部間に突起33が位置するように配置し、弁体25の傾動により投受光が許容された場合に、遊技球Bの放出が検出されるような構成としたが、常には投受光が許容された状態となっており、弁体25の傾動により投受光が禁止された(遮られた)場合に遊技球Bの放出が検出されるような構成としてもよい。
【0048】
以下に、上記実施の形態から把握できる技術的思想について記載する。
【0049】
(1)遊技盤の前面に略円弧状に敷設された外側案内レールと、その内側に敷設された内側案内レールとを備え、前記内側案内レールの略上端部及び外側案内レール間に、発射された遊技球が放出される出口部を有し、かつ、該出口部に、放出された遊技球が逆戻りするのを防止するための球戻り防止装置を設けてなる遊技機において、
前記球戻り防止装置を、少なくとも
固定部と、
前記固定部に対し傾動可能に軸支され、前記遊技球の放出に伴い傾動が許容される弁体と、
前記遊技球の放出後の弁体を元の位置に復帰させる復帰手段と
から構成し、前記復帰手段にて前記弁体が復帰する際の前記弁体の振動を抑制するための振動抑制手段を設けたことを特徴とする遊技機。
【0050】
(2)前記復帰手段及び振動抑制手段を、前記弁体とともに軸支され、一端が前記固定部に当接し、他端が前記弁体に当接するよう配設された弾性部材により構成したことを特徴とする遊技機。
【0051】
(3)前記放出検出手段をフォトセンサにより構成するとともに、前記弁体の一部には前記遊技球の放出に際して前記フォトセンサの投受光を許容或いは禁止する突起を設けたことを特徴とする遊技機。
【0052】
(4)前記弁体の軸支部分を樹脂材料により構成したことを特徴とする遊技機。
【0053】
(5)前記弁体のうち、少なくとも前記遊技球が当たる部分を、平滑で、かつ、薄肉状の金属片により構成したことを特徴とする遊技機。
【0054】
(6)前記球戻り防止装置を内側案内レールの先端部に対し一体的に設けたことを特徴とする遊技機。
【0055】
(7)前記内側案内レールを樹脂材料により構成したことを特徴とする遊技機。
【0056】
(8)前記弁体を、前記弁体の先端と外側案内レールとの間隔が遊技球の直径とほぼ等しくなったときに前記放出検出手段が遊技球の放出を検出するように配設したことを特徴とする遊技機。
【0057】
(9)前記遊技盤の前面には、多数の釘が植設されているとともに、当該釘の少なくとも一部が前記弁体の軸支部近傍に設けられていることを特徴とする遊技機。
【0058】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、遊技盤の前面に、放出された遊技球が逆戻りするのを防止するための球戻り防止装置を設けてなる遊技機において、弁体の振動に伴う不具合の発生を抑制することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態におけるパチンコ機を示す斜視図である。
【図2】パチンコ機の遊技盤を示す正面図である。
【図3】球戻り防止装置を示す斜視図である。
【図4】球戻り防止装置を示す断面図である。
【図5】球戻り防止装置を示す分解斜視図である。
【図6】球戻り防止装置等を示す図であって、(a),(b),(c)は、遊技球放出時の作用を示す一部破断部分正面図である。
【図7】別の実施の形態における球戻り防止装置を示す一部破断正面図である。
【図8】別の実施の形態における弁体を示す正面図である。
【符号の説明】
1…遊技機としてのパチンコ機、2…外枠、3…前面枠、5…遊技盤、10…内レール、11…外レール、21…球戻り防止装置、22…取付部材、24…軸、25…弁体、26…つるまきバネ、27a…フォトセンサ、31…軸支部、32,42…舌片部、33…突起。
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