(第1実施例)
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。本発明の遊技機をパチンコ遊技機(以下、単に遊技機という)に適用した実施例を図面に示す。
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、本体枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20等を備えている。なお、図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
本体枠2は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものであり、遊技機1の外枠を構成している。中枠3はプラスチック製であり、本体枠2の内側にはめ込まれて設置されており、外枠2に対して開閉可能に左端で軸支されている。中枠3は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠4とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部5と下皿部6が設けられている。下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する発射手段を構成する発射装置ユニット(図示略)、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置(図示略)が設けられている。
前面枠4は、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端で開閉可能に支持されている。前面枠4はプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部4aが形成されている。前面枠4の裏面には、開口部4aに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。前面枠4における遊技盤20の周囲には、LED等のランプ類(図示略)が設けられている。これらのランプ類は、遊技効果を高めるためにゲーム進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
上皿部5は、前面枠4の下側に設けられ、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。上皿部5は、皿外縁部5aと、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口5bと、上皿部5の遊技球を下皿部6に排出する球抜きボタン5cとを備えている。皿外縁部5aの上面には、演出ボタン5d(操作手段)や球貸ボタン5e等が設けられている。演出ボタン5dは、皿外縁部5aの上面に突出して設けられており、遊技者が押圧操作することで下方に移動するとともに、押圧を解くことで図示しない弾性手段(例えばバネ部材)により上方に移動する出没式の押しボタンとして構成されている。
下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から下皿部6に遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。下皿部6の左端には灰皿7が設けられている。下皿部6の右端には、遊技者が発射装置ユニット(図示略)を操作するための発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者が触れていることを検出する接触検知手段としてのタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
施錠装置9は、中枠3の右端中央に設けられており、前面枠4を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。
また、遊技機1には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるためのスピーカ10a〜10dが設けられている。スピーカ10a〜10dは、遊技機1の上部に設けられた上部スピーカ10a、10bと遊技機1の下部に設けられた下部スピーカ10c、10dとからなる。さらに、遊技機1の左側には、プリペイドカードユニット13(CRユニット)が装着されている。
次に、本実施例の遊技盤20の表面構造について説明する。図2は遊技盤20の正面図である。遊技盤20は、略長方形の木製の板状体であって中枠3に着脱可能に取り付けられているとともに、裏機構盤(図示略)によりその背面側が覆われている。
図2に示すように、遊技盤20には、遊技盤20の表面(盤面)に設けられた外レール22と内レール23とにより、略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21内には、中央装置24、普通図柄作動ゲート27、大入賞装置(特別電動役物)33、始動口28、左入賞口34,35、右入賞口36,37、第1装飾部材50、第2装飾部材60等の遊技装置が配設されている。また、遊技領域21には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。
中央装置(センター役物)24は遊技領域21の略中央部に配置され、演出表示装置25を備えている。本実施例では、演出表示装置25として大型の液晶表示装置を用いており、演出表示装置25の表示領域では各種演出表示が行われる。
大入賞装置33は遊技領域21における中央装置24の下方に配置されている。第1装飾装置50は遊技領域21における大入賞装置33の左側に配置され、第2装飾装置60は遊技領域21における大入賞装置33の右側に配置されており、装飾装置50,60はいわゆるサイド飾りを構成している。また、第1装飾装置50には左入賞口34,35が一体化されており、第2装飾装置60には右入賞口36,37が一体化されている。
普通図柄作動ゲート27は、中央装置24の左側に設けられている。普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s(図3参照)が設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過することで、普通図柄が変動開始する。
始動口28は、中央装置24の中央位置の下方に設けられている。始動口28は、遊技盤20の盤面上を流下する遊技球を受け入れる遊技球受入口が形成された2つの入球口を上下方向に並べて配置したもので、上側に設けられた第1始動口28aと下側に設けられた第2始動口28bとから構成されている。
第1始動口28aは、遊技球受入口の大きさが変化せず遊技球の入球可能性が一定とされる固定式の始動口として構成されており、遊技球の入球が常時可能となっている。一方、第2始動口28bはいわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部を備えており、この一対の翼片部の上端間隙が遊技球受入口となっている。この一対の翼片部は、各々左右方向に傾動することで開閉動作を行うものとされており、この開閉動作により、第2始動口28bは一対の翼片部の遊技球受入口の大きさが変化する可変式の始動口として構成されている。第2始動口28bは、一対の翼片部が開動作することで入球可能性が高い開放状態となり、一対の翼片部が閉動作することで入球可能性が低い通常状態(入球不能な閉鎖状態を含む)となる。普通図柄が当り図柄の組合せで停止表示された場合には、一対の翼片部が開動作して第2始動口28bの遊技球受入口が拡大され、第2始動口28bは普通電動役物として機能する。
始動口28の内部には、遊技球の入球を検知する始動口入球検知スイッチ28s(図3参照)と、一対の翼片部を作動させるための始動口ソレノイド28c(図3参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開動作した場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが通常時より拡大され、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となる。一方、一対の翼片部が立設された場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが遊技球の直径より僅かに大きい(遊技球1個が通過可能な)通常の大きさとされ、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が小さくなる(または入球不能となる)通常状態(閉鎖状態)となる。遊技球が始動口28a、28bに入球することで、後述の特別図柄が変動開始する。
大入賞装置33は、始動口28の下方に配設されている。ここで、大入賞装置33は、帯状に開口された大入賞口33aと、この大入賞口33aを開放・閉鎖する開閉板33bと、この開閉板33bを作動させるための大入賞口ソレノイド33c(図3参照)と、遊技球の入球を検知する入球検知スイッチ33s(図3参照)とから主に構成されている。
大入賞装置33の左斜め上方と右斜め上方には、左入賞口34,35と右入賞口36,37が設けられている。これら入賞口の内部には、それぞれ入賞口入球検知スイッチ(図示せず)が設けられている。
第1装飾部材50には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより、普通図柄表示部51、普図保留表示部52、特別図柄保留表示部53が構成されている。同様に第2装飾部材60には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより、特別図柄表示部61が構成されている。
普通図柄表示部51は、1個のLEDから構成されており、このLEDにより普通図柄の表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄の変動表示及び停止表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過することにより普通図柄が変動開始し、所定時間経過後に普通図柄が当り普通図柄の表示態様あるいは外れ普通図柄の表示態様で停止表示される。そして、普通図柄が予め設定された当り普通図柄の表示態様で停止表示すると、第2始動口28bが所定時間(例えば0.1秒)だけ開放される。
本実施例では、普通図柄当否判定用乱数が用意されており、この普通図柄当否判定用乱数は、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した際に、第2始動口28bを作動させるか否かの普通図柄当否判定に用いられる。普通図柄当否判定用乱数には、予め当り値が設定されており、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したタイミングで取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、当りと判定された場合には、普通図柄表示部51で停止表示される普通図柄は、当り普通図柄の表示態様に決定される。一方、外れと判定された場合(取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致しない場合)には、普通図柄表示部51で停止表示される普通図柄は外れ普通図柄の表示態様に決定される。なお、普通図柄当否判定および普通図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御部200によって行われる。
ここで、普通図柄の保留について説明する。普図保留表示部52には普通図柄保留数が表示され、普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球の数を最大保留数(本実施例では4個)まで保留可能となっている。そして、次回の普通図柄当否判定が行われ普通図柄の変動表示が開始する毎に、未始動回数(保留数)が消化され、普通図柄保留数が1個ずつ減少する。普図保留表示部52は2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、4個を上限として保留数を表示することができる。普通図柄の保留および保留消化は、後述の主制御部200によって行われる。普通図柄の保留に伴って、普通図柄当否判定用乱数が主制御部200のRAMの所定領域に記憶される。
次に、特別図柄について説明する。特別図柄表示部61は7個のLEDから構成されており、これらのLEDにより特別図柄が表示される。この特別図柄表示部61を構成する各LEDは、点灯および消灯が可能となっており、これら各LEDの点灯および消灯の組合せにより特別図柄の複数の表示態様を表示できる。そして、7個のLEDで表示される特別図柄の組合わせのうち、特定の組合せが当り特別図柄(大当り図柄)として設定されており、当り特別図柄以外が外れ特別図柄(外れ図柄)と設定されている。本実施例では、特別図柄の変動表示を各LEDが点灯と消灯を繰り返す点滅表示で行うものとしている。
特別図柄表示部61では、始動口28に遊技球が入球することで特別図柄が変動開始し、所定時間経過後に特別図柄が大当り図柄あるいは外れ図柄で停止表示される。本実施例では、遊技球が始動口28に入球した際に取得され、大当り遊技(特別遊技)を実行するか否かの特別図柄当否判定(大当り抽選)に用いられる特別図柄当否判定用乱数(大当り抽選用乱数)が設けられている。さらに、特別図柄の停止図柄を決定するための特別図柄決定用乱数が設けられている。始動口28の遊技球入球に伴って、特別図柄当否判定用乱数と特別図柄決定用乱数が取得され、この取得された特別図柄当否判定用乱数と特別図柄決定用乱数は、主制御部200のRAMの所定領域(第1保留記憶領域)に記憶される。
ここで、特別図柄の保留について説明する。特別図柄保留表示部53は2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、4個を上限として保留数を表示することができる。始動口28に入球した遊技球数は、特別図柄保留数として最大保留数(本実施例では4個)に達するまで保留可能となっている。特別図柄保留数は、始動口28への遊技球の入球が発生する度に取得されて主制御部200のRAMの所定領域に記憶される特別図柄当否判定用乱数の個数(記憶数)に相当する。そして、特別図柄保留数は、特別図柄当否判定(大当り抽選)が行われ特別図柄の変動表示が開始される毎に消化され、1個ずつ減少する。
特別図柄当否判定用乱数(大当り抽選用乱数)には、当否判定用の当り値が設定されており、遊技球が始動口28に入球したタイミングで取得された特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に大当りと判定される。特別図柄当否判定(大当り抽選)は、特別図柄が変動表示を開始する際に行われる。
そして、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合には、特別図柄表示部61で停止表示される特別図柄は大当り図柄に決定される。なお、特別図柄の大当り図柄の種類は特別図柄決定用乱数に基づき決定される。一方、特別図柄当否判定が外れの場合には、特別図柄表示部61で停止表示される特別図柄が外れ図柄に決定される。
次に、大当り遊技(特別遊技)について説明する。特別図柄表示部61で停止表示された特別図柄が当り特別図柄であった場合(特別図柄当否判定の結果が大当りだった場合)に、主制御部200は遊技者に相対的に有利な大当り遊技(特別遊技)を開始させる。大当り遊技は、大当り遊技フラグをONに設定することで開始する。大当り遊技は、大入賞装置33を作動させる、換言すると大入賞口33aを複数回開閉させることで、大入賞口33aへの遊技球の入球に関して遊技者に利益(賞球)を付与するものである。なお、主制御部200のCPU200b(図3参照)が本発明の抽選実行手段、特別遊技実行手段に相当している。
大当り遊技中(特別遊技中)は、大入賞装置33が作動し、大入賞口33aへの遊技球の入球に応じて、所定数の賞球(例えば、1個の入球に対して15個の賞球)が払い出される。具体的には、大当り遊技の開始により、大入賞装置(特別電動役物)33を連続して作動させ、大入賞口33aを開放状態と閉鎖状態とに切り替える大入賞口開閉動作が複数回連続して行われる。大入賞装置33の作動開始により、大入賞口33aが開放状態となる。この開放状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口33aが閉鎖状態となる。所定の終了条件として、大入賞口33aの開放時間が所定時間(本実施例では30秒)に達したとき、もしくは開放状態の大入賞口33aに入球した遊技球数が所定数(本実施例では10個)に達したときとすることができる。
この大入賞口33aの開放状態の開始から終了までを1ラウンドとした場合、大当り遊技は、所定数のラウンドが行われることで終了する。大入賞装置33では、大入賞口33aの開放が終了、すなわち大入賞口33aが閉鎖状態となってから所定時間が経過した後に、大入賞口33aは再び開放状態となり、次のラウンドが開始する。このような大入賞口33aの開放開始から終了までを1ラウンドとする大入賞口33aの開閉動作は、所定の最高継続ラウンド数(本実施形態では15ラウンド)が終了するまで繰り返し継続される。
次に、演出表示装置25で表示される演出図柄について説明する。演出表示装置25の表示領域には、演出図柄を表示する演出図柄表示部25aが設けられている。演出図柄表示部25aの演出図柄は特別図柄表示部61の特別図柄の変動表示および停止表示に連動して表示される。
演出図柄表示部25aは、左図柄が表示される左図柄表示領域、中図柄が表示される中図柄表示領域、右図柄が表示される右図柄表示領域からなる3つの図柄表示領域から構成されている。図柄表示領域25aの各図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向(縦方向)に図柄変動方向が設定されている。図柄表示領域25aの各図柄表示領域は、「1」〜「9」からなる図柄をそれぞれ表示可能となっている。演出図柄は、特別図柄の変動表示開始により変動表示を開始し、特別図柄が何れかの図柄で停止表示されると、その演出図柄は特別図柄の停止図柄に応じた図柄で停止表示される。演出図柄では、3桁同一の偶数図柄の組合せが特別図柄の大当り図柄し、それ以外の組合せが、特別図柄の外れ図柄に対応している。
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図3に基づいて説明する。図3は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図3に示すように、電子制御装置は、主制御部200と、その主制御部200に接続された副制御部230、260、280とを含んで構成されている。副制御部は、払出制御部(賞球制御部)230、サブ制御部260及び演出表示制御部280から構成される。主制御部200は主制御基板200aを備え、副制御部230、260及び280は周辺制御基板として払出制御基板230a、サブ制御基板260a及び演出表示制御基板280aをそれぞれ備えている。これらの各制御基板や、その他の基板(電源基板、中継基板、駆動基板、装飾基板、アンプ基板、演出ボタン基板など)は、遊技機1の裏面側に配置される。
各制御部200、230、260、280には、図示しない主電源から電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が各制御部200、230、260、280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御部200及び払出制御部230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御部200及び払出制御部230のRAMデータが保持される。
主制御部200は、遊技の進行を司る主制御手段を構成するものであり、各副制御部230、260に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御部230、260、280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
主制御部200を構成する主制御基板200aのCPU200bは、CPUコア、内蔵RAM(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM(以下、単にROMともいう)等を備えており、ROMに格納された制御プログラムにより、RAMをワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御部200は、CPU200bが主体となって、ROMに格納された当否判定プログラムにより特別図柄の当否判定(大当り抽選)を行う当否判定手段を構成している。また、主制御部200のCPU200bは、特別図柄当否判定を実行する際に、ROMに格納された特別図柄の変動パターンテーブルから特定の変動パターンを決定する。なお、本実施例の主制御部200のCPU200bの制御周期は2msに設定されている。
主制御部200には、盤面入力中継基板201と盤面出力中継基板202とが接続されている。盤面入力中継基板201には、普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s、始動口入賞検知スイッチ28s、大入賞口入球検知スイッチ33sが接続されており、これらの信号が主制御部200に入力するように構成されている。盤面出力中継基板202には、図柄表示装置51、61、始動口ソレノイド28c、大入賞口ソレノイド33cが接続されており、主制御部200からの制御信号が出力される。さらに、主制御部200には、大当り抽選用乱数等の各種乱数を生成する乱数生成用ICが設けられているが、これについては後述する。
払出制御部230を構成する払出制御基板230aは、主制御部200のCPU200bと同様の構成を有するCPU230bを備えている。払出制御部230には、発射制御部250、CRユニット13等が接続されている。主制御部200から払出制御部230には、賞球払出を指示する賞球指示コマンド、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。払出制御基板230aのCPU230bは、主制御部200からの賞球指示コマンドを受信すると、そのコマンドが示す賞球数に基づいて、遊技機1の裏面側に設けられた図示しない遊技球払出装置の払出モータを回転駆動することにより、指定された賞球数分の遊技球の払い出し(賞球払出)を行う。この遊技球の払い出し(賞球払出)は、遊技機1の裏面側上部に設けられた図示しない遊技球タンクに貯留された遊技球を、図示しない遊技球レールを介して遊技球払出装置に供給し、その供給された遊技球を遊技球払出装置の払出モータの回転駆動により排出することで、行われる。
サブ制御部260は、遊技の進行に伴って実行される各種演出を制御するサブ制御手段を構成しており、サブ制御基板260aにはCPU260bや図示しないROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素とサウンドジェネレータが設けられており、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。サブ制御部260は、各種ランプ類による装飾表示、スピーカ10a〜10dから出力される効果音、演出表示装置25による図柄表示等を用いた演出制御を司るように構成されている。
主制御部200からサブ制御部260には、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御部200から演出表示制御部280には、サブ制御部260を介して、演出図柄の表示制御を指示する各種図柄制御制御コマンドが送信される。サブ制御部260から演出表示制御部280には、演出表示制御を指示する各種演出表示制御コマンドが同時に送信される。
サブ制御部260には、演出表示制御部280が接続されている。演出表示制御基板280aには、CPU280b、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいてサブ制御基板260に接続されている。演出表示制御部280には演出表示装置25が接続されている。演出表示制御部280は、CPU280bがROMに格納された制御プログラムに従ってRAMをワークエリアとして演出表示装置25の表示制御を行うように構成されている。演出表示制御部280のROMには、演出表示装置25で表示される演出用図柄の画像データ(前述した変動演出に関する画像データなど)が複数格納されている。
サブ制御部260には、装飾駆動基板261を介して各種LED・ランプ262が接続されている。各種LED・ランプ262は、遊技効果を高めるためのものであり、これらのランプ類はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。また、サブ制御部260にはアンプ基板263が接続されている。アンプ基板263にはスピーカ10a〜10dが接続されている。スピーカ10a〜10dからは、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等が出力される。さらに、サブ制御部260には、演出ボタン基板264を介して演出ボタン5dが接続されている。サブ制御部260は、主制御部200や演出ボタン5dからの各種指令(演出パターン指定コマンドの受信、演出ボタン操作信号の入力など)に基づいて、各種LED・ランプの点灯・点滅パターンの選択・実行処理や、スピーカ10a〜10dから出力される効果音データの選択・出力処理や、演出表示装置25での演出表示のパターンの選択・実行処理等を行う。
次に、主制御部200における乱数生成について説明する。図4は、主制御部200の乱数生成用IC200c、200dを中心とした構成を示すブロック図である。図4に示すように、主制御部200には、2つの乱数生成用IC200c、200dと、2つの発振回路200e、200fが設けられている。第1乱数生成用IC200cは、大当り抽選用乱数等の乱数を生成し、CPU200bは第1乱数生成用IC200cで生成した乱数を用いて大当り抽選(特別図柄当否判定)を行う。
具体的には、0からカウントし始め1ずつ加算し、32767までカウントすると、再び0に戻る。これを繰り返し、大当り抽選用乱数を生成する。そして、予め定められた範囲(例えば、0から89)を当り値とし、予め定められた大当り確率(例えば、90/32768≒1/364)を得る。大当り抽選用乱数は、始動口28に入賞したタイミングで取得される。取得された大当り抽選用乱数が予め定められた当り値と一致していれば、大当り抽選(特別図柄当否判定)が大当りとなり、一致していなければ外れとなる。
また、第2乱数生成用IC200dは、大当り抽選用乱数とは異なる故障判定用乱数を生成する。
乱数生成用IC200c、200dのCLK端子には、第1発振回路200eからのシステムクロックが入力し、CP0端子にはカウントパルスが入力し、CPU200bのEX端子には、第2発振回路200fからシステムクロックが入力するように構成されている。乱数生成用IC200c、200dは、カウントICとして構成されており、カウントパルスの立ち上がりをシステムクロックで検出してカウントアップするように構成されている。具体的には、第1乱数生成用IC200cは、第1カウントパルスが入力する毎に第1カウント値をカウントアップし、第1カウント値を用いて大当り抽選用乱数を生成する。第2乱数生成用IC200dは、第2カウントパルスが入力する毎に第2カウント値をカウントアップし、第2カウント値を用いて故障判定用乱数を生成する。なお、第1乱数生成用IC200cが本発明の第1乱数生成手段に相当し、第2乱数生成用IC200dが本発明の第2乱数生成手段に相当している。
乱数生成用IC200c、200dで生成された乱数は、データバスを介してCPU200bに入力するようになっている。乱数生成用IC200c、200dのCSB端子には、CPU200bからのチップセレクト信号が入力し、チップセレクト信号がオフ状態となった場合にバス端子D0〜D7、D8〜D15が有効となり、オン状態となった場合にバス端子D0〜D7、D8〜D15が無効となる。これにより、CPU200bは、所望のタイミングでチップセレクト信号のオンオフを切り換えることで、乱数生成用IC200c、200dから乱数を取得することができる。また、図4では図示を省略しているが、各データバスにはプルアップ抵抗が設けられており、第1乱数生成用IC200cのバス端子D0〜D7が無効になった場合には、CPU200bのバス端子D0〜D7にFFFFHが入力し、第2乱数生成用IC200dのバス端子D8〜D15が無効になった場合には、CPU200bのバス端子D8〜D15にFFFFHが入力するように構成されている。
第2乱数生成用IC200dのCP0端子には、パルス変更回路200gを介して第1発振回路200eからのカウントパルス(第2カウントパルス)が入力するように構成されている。パルス変更回路200gは、カウントパルスの周期を変化させる機能を有しており、変更前のカウントパルス(第1カウントパルス)と変更後のカウントパルス(第2カウントパルス)とが一定の関係を有している。第1乱数生成用IC200cにはパルス変更回路200gによる変更前の第1カウントパルスが入力するので、第2乱数生成用IC200dに入力する第2カウントパルスの周期は、第1乱数生成用IC200cに入力する第1カウントパルスの周期と、一定の関係を持って異なっている。このため、第2乱数生成用IC200dで生成される乱数は、第1乱数生成用IC200cで生成される乱数と一定の関係を有している。なお、パルス変更回路200gが本発明のパルス変更手段に相当している。
図5は、第1発振回路200eとパルス変更回路200gの出力状態を示している。本実施例では、パルス変更回路200gとしてD型フリップフロップを用いており、図5に示すように、パルス変更回路200gの出力パルス(第2乱数生成用IC200dに入力するカウントパルス)の周期は、第1発振回路200eの出力パルス(第1乱数生成用IC200cに入力するカウントパルス)の周期の2倍になっている。つまり、第2乱数生成用IC200dに入力する第2カウントパルス数は、第1乱数生成用IC200cに入力する第1カウントパルス数の半分になっている。このため、第1乱数生成用IC200cで生成する乱数Xと、第2乱数生成用IC200dで生成する乱数Yとの関係は、「X=2×Y」または「X=2×Y−1」となる。「X=2×Y」または「X=2×Y−1」のいずれになるかは、乱数を取得するタイミングによる。
このため、CPU200bでは、第1乱数生成用IC200cと第2乱数生成用IC200dから同時に乱数を取得し、第1乱数生成用IC200cで生成する乱数Xと第2乱数生成用IC200dで生成する乱数Yが、「X=2×Y」または「X=2×Y−1」の関係を満たしているかどうかを判定することで、乱数生成用IC200c、200dに関する故障を判定することができる。なお、CPU200bが本発明の故障判定手段に相当している。
例えば、(1)CPU200bから第1乱数生成用IC200cに向かう配線Aが断線した場合は、第1乱数生成用IC200cにチップセレクト信号が入力しないため、第1乱数生成用IC200cのバス端子D0〜D7が無効となり、CPU200bのバス端子D0〜D7に入力する値は常にFFFFHとなる。(2)CPU200bから第2乱数生成用IC200dに向かう配線Bが断線した場合は、第2乱数生成用IC200dにチップセレクト信号が入力しないため、第2乱数生成用IC200dのバス端子D8〜D15が無効となり、CPU200bのバス端子D8〜D15に入力する値は常にFFFFHとなる。(3)第1発振回路200eから第1乱数生成用IC200cに向かう配線Cが断線した場合は、第1カウント値が更新されないため、第1乱数生成用IC200cで生成する乱数が常に前回と同じ値となる。(4)第1発振回路200eから第2乱数生成用IC200dに向かう配線Dが断線した場合には、第2カウント値が更新されないため、第2乱数生成用IC200dで生成する乱数が常に前回と同じ値となる。
これらの(1)〜(4)のケースでは、いずれも第1乱数生成用IC200cで生成する乱数Xと第2乱数生成用IC200dで生成する乱数Yが、「X=2×Y」または「X=2×Y−1」の関係を満たさなくなるので、主制御部200のCPU200bは、乱数生成用IC200c、200dに関する故障が発生したと判断することができる。さらに、第1乱数生成用IC200c自体または第2乱数生成用IC200d自体が故障した場合にも、上記(1)〜(4)の1つ以上に該当すると考えられ、主制御部200のCPU200bは、乱数生成用IC200c、200dに関する故障が発生したと判断することができる。主制御部200のCPU200bは、乱数生成用IC200c、200dに関する故障が発生したと判断した場合に、遊技の進行を中止するとともに、遊技を中止する旨の報知を行うようにすればよい。
以上説明した本実施例では、大当り抽選定用乱数を生成する第1乱数生成用IC200cに加え、故障判定用乱数を生成する第2乱数生成用IC200dを設け、第2乱数生成用IC200dに入力するカウントパルスの周期を変更し、2つの乱数生成用IC200c、200dで生成される乱数を比較することで、乱数生成用IC200c、200dに関する故障の発生を検出することができる。この結果、乱数生成用IC200c、200dに関する故障に起因して大当り抽選用乱数が固定値となり、大当り抽選結果が常に大当りになるという不具合を解消することができる。
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例について説明する。図6は、第2実施例の主制御部200の乱数生成IC200c、200dを中心とした構成を示すブロック図である。図6に示すように、本第2実施例では、上記第1実施例と比較して、第2発振回路200fが設けられておらず、1つの発振回路200eからCPU200bと乱数生成用IC200c、200dにシステムクロックが入力するように構成されている。
本第2実施例の構成によれば、上記第1実施例と同様、乱数生成用IC200c、200dに関する故障の発生を検出することができる。さらに、CPU200bと乱数生成用IC200c、200dで発振回路200eを共通化することで、発振回路200eからCPU200bに向かう配線Eで断線が発生した場合には、CPU200bが停止することとなる。この結果、特別図柄当否判定(大当り抽選)が実行されず、大当り抽選結果が常に大当りになるという不具合を解消することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上記実施例では、パルス変更回路200gとしてD型フロップフロップを用いたが、これに限らず、パルス変更回路はカウントパルスを一定の関係を持って変化させることができればよく、例えばカウントパルスのオンオフ状態を反転させるインバータを用いてもよい。
図7は、パルス変更回路200gとしてインバータを用いた場合の第1発振回路200eとパルス変更回路200gの出力状態を示している。図7に示すように、パルス変更回路200gとしてインバータを用いた場合には、第1発振回路200eの出力パルス(第1乱数生成用IC200cに入力するカウントパルス)より、パルス変更回路200gの出力パルス(第2乱数生成用IC200dに入力するカウントパルス)が1周期分遅延することになる。このため、第1乱数生成用IC200cで生成する乱数Xと第2乱数生成用IC200dで生成する乱数Yの関係は「X=Y+1」となる。したがって、主制御部200のCPU200bは、第1乱数生成用IC200cで生成する乱数Xと第2乱数生成用IC200dで生成する乱数Yの関係が「X=Y+1」を満たすか否かを判定することで、乱数生成用IC200c、200dに関する故障が発生したと判断することができる。
また、上記各実施例では、乱数生成用ICにより特別図柄当否判定用乱数(大当り抽選用乱数)を生成する場合について説明したが、これに限らず、普通図柄当否判定用乱数を生成する乱数生成用ICを故障診断する構成においても本発明は適用可能である。この場合にも、乱数生成用ICにより特別図柄当否判定乱数と同様に普通図柄当否判定用乱数を生成する。具体的には、0からカウントし始め1ずつ加算し、4095までカウントすると、再び0に戻る。これを繰り返し、普通図柄当否判定用乱数を生成する。そして、予め定められた範囲(例えば、0から3999)を普通図柄当否判定の当り値とし、予め定められた当否確率(例えば、4000/4096≒977/1000)を得る。普通図柄当否判定用乱数は、普通図柄作動ゲート27を通過したタイミングで取得される。取得された普通図柄当否判定用乱数が、予め定められた範囲の当り値と一致していれば普通図柄当否判定が当りとなり、一致していなければ外れとなる。普通図柄当否判定が当りの場合には、当り図柄の組合せで停止表示され、第2始動口28bの一対の翼片部が開動作して第2始動口28bの遊技球受入口が拡大される普通図柄遊技が実行される。普通図柄当否判定の実施例の場合は、この普通図柄遊技が本発明の特別遊技に相当する。
また、本発明の抽選は特別図柄当否判定や普通図柄当否判定等の当否判定のみならず、何らかの特別遊技を実行するか否かの抽選であればよく、特別図柄の変動パターン抽選や演出モードの抽選においても本発明は適用可能である。この場合、特別図柄の変動パターン抽選用乱数や演出モードの抽選用乱数を生成する乱数生成用ICを故障診断する構成とすればよい。
また、図8は、回胴式遊技機100の正面図である。本発明は、上記各実施例で説明した弾球遊技機に限らず、複数の回胴110を所定の図柄の組合せが揃うように停止させ、遊技役の入賞が成立しているか否かによって遊技メダルが払い出されるという一連の遊技を行う回胴式遊技機100にも適用可能である。