以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。本発明の遊技機をセブン機と称されるパチンコ遊技機(以下、単に遊技機という)に適用した実施例を図1〜図7に示す。
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、本体枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20などを備えている。なお、図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4などが前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
本体枠2は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものであり、遊技機1の外枠を構成している。中枠3はプラスチック製であり、本体枠2の内側にはめ込まれて設置されており、外枠2に対して開閉可能に左端で軸支されている。中枠3は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠4とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部5と下皿部6が設けられている。下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する発射手段を構成する発射装置ユニット(図示略)、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置(図示略)が設けられている。
前面枠4は、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端で開閉可能に支持されている。前面枠4はプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部4aが形成されている。前面枠4の裏面には、開口部4aに対応したガラス板などの透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。前面枠4における遊技盤20の周囲には、LEDなどのランプ類(図示略)が設けられている。これらのランプ類は、遊技効果を高めるためにゲーム進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
上皿部5は、前面枠4の下側に設けられ、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。上皿部5は、皿外縁部5aと、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口5bと、上皿部5の遊技球を下皿部6に排出する球抜きボタン5cとを備えている。皿外縁部5aの上面には、演出ボタン5d(操作手段)や球貸ボタン5eなどが設けられている。演出ボタン5dは、皿外縁部5aの上面に突出して設けられており、遊技者が押圧操作することで下方に移動するとともに、押圧を解くことで図示しない弾性手段(例えばバネ部材)により上方に移動する出没式の押しボタンとして構成されている。
下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から下皿部6に遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。下皿部6の左端には灰皿7が設けられている。下皿部6の右端には、遊技者が発射装置ユニット(図示略)を操作するための発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者が触れていることを検出する接触検知手段としてのタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
施錠装置9は、中枠3の右端中央に設けられており、前面枠4を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。
また、遊技機1には、遊技状態に応じた効果音などを発生させるためのスピーカ10a〜10dが設けられている。スピーカ10a〜10dは、遊技機1の上部に設けられた上部スピーカ10a、10bと遊技機1の下部に設けられた下部スピーカ10c、10dとからなる。さらに、遊技機1の左側には、プリペイドカードユニット13(CRユニット)が装着されている。
次に、本実施例の遊技盤20の表面構造について説明する。図2は遊技盤20の正面図である。遊技盤20は、略長方形の木製の板状体であって中枠3に着脱可能に取り付けられているとともに、裏機構盤(図示略)によりその背面側が覆われている。
図2に示すように、遊技盤20には、遊技盤20の表面(盤面)に設けられた外レール22と内レール23とにより、略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21内には、中央装置24、普通図柄作動ゲート27、大入賞装置(特別電動役物)33、始動口28、左入賞口34,35、右入賞口36,37、第1装飾装置50、第2装飾装置60などの遊技装置が配設されている。また、遊技領域21には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。
中央装置(センター役物)24は遊技領域21の略中央部に配置され、演出表示装置25を備えている。本実施例では、演出表示装置25として大型の液晶表示装置を用いており、演出表示装置25の表示領域では各種演出表示が行われる。
大入賞装置33は遊技領域21における中央装置24の下方に配置されている。第1装飾装置50は遊技領域21における大入賞装置33の左側に配置され、第2装飾装置60は遊技領域21における大入賞装置33の右側に配置されており、装飾装置50,60はいわゆるサイド飾りを構成している。また、第1装飾装置50には左入賞口34,35が一体化されており、第2装飾装置60には右入賞口36,37が一体化されている。
普通図柄作動ゲート27は、中央装置24の左側に設けられている。普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s(図3参照)が設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過することで、普通図柄が変動開始する。
始動口28は、中央装置24の中央位置の下方に設けられている。始動口28は、遊技盤20の盤面上を流下する遊技球を受け入れる遊技球受入口が形成された2つの入球口を上下方向に並べて配置したもので、上側に設けられた第1始動口28aと下側に設けられた第2始動口28bとから構成されている。
第1始動口28aは、遊技球受入口の大きさが変化せず遊技球の入球可能性が一定の固定始動口として構成された通常始動口となっており、遊技球の入球が常時可能となっている。一方、第2始動口28bはいわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部を備えており、この一対の翼片部の上端間隙が遊技球受入口となっている。この一対の翼片部は、各々左右方向に傾動することで開閉動作を行うものとされており、この開閉動作により、第2始動口28bは一対の翼片部の遊技球受入口の大きさが変化する可変始動口として構成されている。第2始動口28bは、一対の翼片部が開動作することで入球可能性が高い状態となり、一対の翼片部が閉動作することで入球可能性が低い状態となる。普通図柄が当り図柄の組合せで停止表示された場合には、一対の翼片部が開動作して第2始動口28bの遊技球受入口が拡大され、第2始動口28bは普通電動役物として機能する。
始動口28の内部には、遊技球の入球を検知する始動口入球検知スイッチ28s(図3参照)と、一対の翼片部を作動させるための始動口ソレノイド28c(図3参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開動作した場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが通常時より拡大され、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となる。一方、一対の翼片部が立設された場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが遊技球の直径より僅かに大きい(遊技球1個が通過可能な)通常の大きさとされ、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態(閉鎖状態)となる。遊技球が始動口28a、28bに入球することで、後述の特別図柄が変動開始する。
大入賞装置33は、始動口28の下方に配設されている。ここで、大入賞装置33は、帯状に開口された大入賞口33aと、この大入賞口33aを開放・閉鎖する開閉板33bと、この開閉板33bを作動させるための大入賞口ソレノイド33c(図3参照)と、遊技球の入球を検知する入球検知スイッチ33s(図3参照)とから主に構成されている。
大入賞装置33の左斜め上方と右斜め上方には、左入賞口34,35と右入賞口36,37が設けられている。これら入賞口の内部には、それぞれ入賞口入球検知スイッチ(図示せず)が設けられている。
第1装飾装置50には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより、普通図柄表示部51、普図保留表示部52、特別図柄保留表示部53が構成されている。同様に第2装飾装置60には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより、特別図柄表示部61が構成されている。また、第1装飾装置50および第2装飾装置60には、普通図柄表示部51、普通図保留表示部52、特別図柄保留表示部53および特別図柄表示部61を構成するLEDの他に、演出用(装飾用)の各種LED・ランプ262(図3参照)が設けられている。
普通図柄表示部51は、1個のLEDから構成されており、このLEDにより普通図柄の表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄の変動表示及び停止表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過することにより普通図柄が変動開始し、所定時間経過後に普通図柄が当り普通図柄の表示態様あるいは外れ普通図柄の表示態様で停止表示される。そして、普通図柄が予め設定された当り普通図柄の表示態様で停止表示すると、第2始動口28bが所定時間(例えば0.1秒)だけ開放される。
本実施例では、普通図柄当否判定用乱数が用意されており、この普通図柄当否判定用乱数は、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した際に、第2始動口28bを作動させるか否かの普通図柄当否判定に用いられる。普通図柄当否判定用乱数には、予め当り値が設定されており、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したタイミングで取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、当りと判定された場合には、普通図柄表示部51で停止表示される普通図柄は、当り普通図柄の表示態様に決定される。一方、外れと判定された場合(取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致しない場合)には、普通図柄表示部51で停止表示される普通図柄は外れ普通図柄の表示態様に決定される。なお、普通図柄当否判定および普通図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御部200によって行われる。
ここで、普通図柄の保留について説明する。普図保留表示部52には普通図柄保留数が表示され、普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球の数を最大保留数(本実施例では4個)まで保留可能となっている。そして、次回の普通図柄当否判定が行われ普通図柄の変動表示が開始する毎に、未始動回数(保留数)が消化され、普通図柄保留数が1個ずつ減少する。普図保留表示部52は2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、4個を上限として保留数を表示することができる。普通図柄の保留および保留消化は、後述の主制御部200によって行われる。普通図柄の保留に伴って、普通図柄当否判定用乱数が主制御部200のRAMの所定領域に記憶される。
次に、特別図柄について説明する。特別図柄は特別図柄当否判定の結果を示す抽選図柄として機能する。特別図柄表示部61は、7個のLEDから構成されており、これらのLEDにより特別図柄が表示される。特別図柄表示部61を構成する各LEDは、点灯および消灯が可能となっており、これら各LEDの点灯および消灯の組合せにより特別図柄の複数の表示態様を表示できる。そして、7個のLEDで表示される特別図柄の組合せのうち、特定の組合せが当り特別図柄(大当り図柄)の組合せとして設定されており、当り特別図柄以外の組合せが外れ特別図柄(外れ図柄)と設定されている。本実施例では、特別図柄の変動表示を各LEDが点灯と消灯を繰り返す点滅表示で行うものとしている。特別図柄表示部61では、始動口28に遊技球が入球することにより特別図柄が変動開始し、所定時間経過後に特別図柄が大当り図柄の組合せあるいは外れ図柄の組合せで停止表示される。なお、特別図柄の表示制御は後述の主制御部200によって行われる。
ここで、特別図柄の保留について説明する。特別図柄保留表示部53は2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、4個を上限として保留数を表示することができる。
始動口28に入球した遊技球数は、特別図柄保留数として最大保留数(本実施例では4個)に達するまで保留可能となっており、次回の特別図柄当否判定が行われ特別図柄の変動表示が開始する毎に、未始動回数(保留数)が消化され、特別図柄保留数が1個ずつ減少する。なお、特別図柄の保留および保留消化は、後述の主制御部200によって行われる。
本実施例では、遊技球が始動口28に入球したことを契機として、特別遊技(大当り遊技)を開始させるか否かの特別図柄当否判定を行うために、特別図柄当否判定用乱数が用意されている。特別図柄の保留(始動口28への遊技球の入球)に伴って、特別図柄当否判定用乱数が主制御部200のRAMの所定領域に記憶される。
これらの特別図柄当否判定用乱数には、予め当否判定用の当り値が設定されており、遊技球が始動口28に入球したタイミングで取得された特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に大当りと判定される。そして、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合には、特別図柄表示部61で停止表示される特別図柄は大当り図柄の組合せに決定され、一方、特別図柄当否判定が外れの場合(取得された特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致しない場合)には、特別図柄表示部61で停止表示される特別図柄が外れ図柄の組合せに決定される。
また、特別図柄当否判定、特別図柄の変動態様の決定、特別図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御部200によって行われるように構成されている。
特別図柄表示部61に大当り図柄が停止表示されることで開始される特別遊技(大当り遊技)では、大入賞装置33が作動し、大入賞口33aへの遊技球の入球に応じて、所定数の賞球(例えば、1個の入球に対して15個の賞球)が払い出される。具体的には、特別遊技(大当り遊技)の開始により、大当り遊技実行手段としての主制御部200が、大入賞装置(特別電動役物)33を連続して作動させ、大入賞口33aを連続して開放状態とする。大入賞装置33の作動開始により、大入賞口33aが開放して遊技球受入状態となる。この遊技球受入状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口33aが閉鎖状態となる。所定の終了条件としては、遊技球受入状態の開始後における大入賞口33aの開放時間が所定時間(本実施例では30秒)に達したとき、もしくは遊技球受入状態の開始後、大入賞口33aに入球した遊技球数が所定数(本実施例では10個)に達したときを例示できる。
この遊技球受入状態の開始から終了までを1ラウンドとした場合、特別遊技は、所定数のラウンドが行われることで終了する。大入賞装置33では、遊技球受入状態が終了してから所定時間(例えば2秒)が経過した後に、大入賞口33aが開放して再び遊技球受入状態となり、次のラウンドが開始する。このような開始から終了までを1ラウンドとする遊技球受入状態は、所定の継続ラウンド数(本実施例では15ラウンド)が終了するまで繰り返し継続される。
本実施例の遊技機1では、特別遊技(大当り遊技)の終了後、変動時間短縮機能や開放時間延長機能、確率変動機能が作動する特定遊技(いわゆる時短遊技および確変遊技)が開始される。特別図柄当否判定には、複数種類の大当りが設定されており、特別図柄当否判定の結果が通常大当り(特別図柄の停止図柄が通常大当り図柄)の場合には、特別遊技終了後、時短遊技が開始され、特別図柄当否判定の結果が確変大当り(特別図柄の停止図柄が確変大当り図柄)の場合には、特別遊技終了後、確変遊技が開始される。
特別図柄当否判定が通常大当り(特別図柄の停止図柄が通常大当り図柄)の場合には、特別遊技(大当り遊技)の終了後、変動時間短縮機能および第2始動口28bの開放時間を延長させる開放時間延長機能が作動開始し、時短遊技が開始される。変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、主制御部200の制御により作動または停止されるものであり、変動時間短縮機能には、普通図柄変動時間を短縮させる普通図柄変動時間短縮機能と、特別図柄変動時間を短縮させる特別図柄変動時間短縮機能とが含まれている。変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、特別遊技終了後、次回の特別遊技が開始されるまでの間、または特別図柄の変動回数が所定回数(本例では100回)に到達するまで作動する。
特別図柄当否判定が確変大当り(特別図柄の停止図柄が確変大当り図柄)の場合には、特別遊技(大当り遊技)の終了後、確率変動機能が作動開始し、確変遊技が開始される。確変遊技は、主制御部200の制御により実現されるものであり、この確変遊技では、上記変動時間短縮機能および開放時間延長機能に加え、特別図柄当否判定の確率、すなわち特別図柄が大当り図柄で停止表示する確率を変更(向上)させる確率変動機能が作動する通常確変状態と、上記変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動せず、確率変動機能のみが作動する潜伏確変状態とが設定されている。確率変動機能は、特別遊技終了後、次回の特別遊技が開始されるまで作動する。
次に、演出表示装置25で表示される演出図柄について説明する。演出表示装置25の表示領域には、演出図柄を表示する演出図柄表示部25aが設けられている。演出図柄表示部25aの演出図柄は特別図柄表示部61の特別図柄の変動表示および停止表示に連動して表示される。
演出図柄表示部25aは、右図柄が表示される右図柄表示領域、中図柄が表示される中図柄表示領域、左図柄が表示される左図柄表示領域からなる3つの図柄表示領域から構成されている。各図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向(縦方向)に図柄変動方向が設定されている。各図柄表示領域は、「1」〜「9」からなる図柄をそれぞれ表示可能となっている。
演出図柄は、特別図柄の変動表示開始により変動表示を開始し、特別図柄が何れかの図柄で停止表示されると、演出図柄は特別図柄の停止図柄に応じた図柄で停止表示される。演出図柄では、3桁同一の偶数図柄の表示態様が特別図柄の通常大当り図柄に対応し、3桁同一の奇数図柄の表示態様が特別図柄の確変大当り図柄に対応し、それら以外の図柄の表示態様が特別図柄の外れ図柄に対応している。演出図柄の変動態様および停止図柄の決定は、主制御部200から送信されるコマンドに基づいて後述のサブ制御部260によって行われるように構成されている。
本実施例の遊技機1は、演出図柄を用いたリーチ表示を行うことができるように構成されている。リーチ表示とは、演出図柄の変動表示中に、最終停止図柄となる演出図柄以外の演出図柄が、大当り図柄の組合せと一致した状態で停止している状態(大当り図柄を構成する図柄で停止表示した状態)のように、全ての演出図柄が停止表示される前で大当り可能性が継続している状態において行われる演出表示のことを指す。例えば、演出図柄が左図柄、右図柄、中図柄の順に停止し、これら表示図柄がすべて同一図柄で揃った場合に大当りとなるものとする。このとき、最終停止図柄である中図柄以外の左図柄及び右図柄が同一図柄で停止している状態をリーチ状態という。演出図柄によるリーチ表示は、特別図柄当否判定で当り判定となった場合(当りリーチ)と、特別図柄当否判定で外れ判定となった場合においてリーチ表示を行うと決定された場合(外れリーチ)に行われる。
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図3に基づいて説明する。図3は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図3に示すように、電子制御装置は、主制御部200と、その主制御部200に接続された副制御部230、260、280とを含んで構成されている。副制御部は、払出制御部(賞球制御部)230、サブ制御部260及び演出制御部280から構成される。主制御部200は、主制御基板200aを備え、副制御部230、260、280は、周辺制御基板として、払出制御基板(賞球制御基板)230a、サブ制御基板260a及び演出制御基板280aをそれぞれ備えている。
各制御部200、230、260、280には、図示しない主電源から電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が各制御部200、230、260、280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時(電源オフ時)に主制御部200及び払出制御部230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御部200及び払出制御部230のRAMデータが保持される。
主制御部200は、遊技の進行を司る主制御手段を構成するものであり、各副制御部230、260に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御部230、260、280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
主制御部200の主制御基板200aのCPU200bは、CPUコア、内蔵RAM(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM(以下、単にROMともいう)などを備えており、ROMに格納された制御プログラムにより、RAMをワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御部200は、CPU200bが主体となって、ROMに格納された当否判定プログラムにより特別図柄の当否判定を行う当否判定手段を構成している。また、主制御部200は、特別図柄当否判定を実行する際に、ROMに格納された特別図柄の変動パターンテーブルから特定の変動パターンを決定する。なお、本実施例の主制御部200のCPU200bの制御周期は4msに設定されている。
主制御部200には、盤面入力中継基板201と盤面出力中継基板202とが接続されている。盤面入力中継基板201には、普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s、始動口入賞検知スイッチ28s、大入賞口入球検知スイッチ33sが接続されており、これらの信号が主制御部200に入力するように構成されている。盤面出力中継基板202には、普通図柄表示部51、特別図柄表示部61、始動口ソレノイド28c、大入賞口ソレノイド33cが接続されており、主制御部200からの主制御信号が出力される。
払出制御部230を構成する払出制御基板230aには、主制御部200のCPU200bと同様の構成を有するCPUを備えている。払出制御部230には、発射制御基板250aで構成される発射制御部250、CRユニット13などが接続されている。主制御部200から払出制御部230には、賞球払出を指示する賞球指示信号、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンドなどのコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可などが含まれている。
サブ制御部260を構成するサブ制御基板260aには、CPU260bや図示しないROM、RAM、入出力ポートなどを有する演算回路構成要素が設けられており、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。サブ制御部260は、装飾演出装置の演出制御を行うように構成されており、装飾演出装置としては、各種ランプ装置、可動役物(図示せず)などが挙げられる。
サブ制御部260には、装飾駆動基板261を介して各種LED・ランプ262(各種ランプ装置)が接続されている。各種LED・ランプ262は、遊技効果を高めるためのものであり、これらのランプ類はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。さらに、サブ制御部260には、音量設定スイッチ264や演出ボタン5dが接続されている。サブ制御部260は、主制御部200からの各種指令に基づいて、各種LED・ランプの点灯・点滅パターンの選択・実行処理などを行う。
次に、演出制御部280について図4に基づいて説明する。図4は、サブ制御部260と演出制御部280の概略構成を示すブロック図である。図4に示すように、演出制御部280は、サブ制御部260に接続されている。演出制御部280を構成する演出制御基板280aには、CPU280bや図示しないRAM、ROM、入出力ポートなどを有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいてサブ制御部260に接続されている。演出制御部280は、CPU280bがROMに格納された制御プログラムに従ってRAMをワークエリアとして演出表示装置25での演出図柄の演出表示出力処理、および効果音出力装置(スピーカ10a〜10d)を用いた演出音の演出音出力処理といった演出データ出力処理を行うように構成されている。
演出制御部280には、音源ICの機能を内蔵したVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)280c、CGROM280d、音源ROM280eが設けられている。そして、VDP280cには、演出表示装置25および効果音出力装置(スピーカ10a〜10d)が接続されている。ここで、CGROM280dには、演出表示装置25で表示される演出用図柄の画像データが格納され、音源ROM280eには、図柄変動演出や大当り演出などの遊技演出に用いられる楽曲の音声データが記憶されている。
主制御部200からサブ制御部260には、遊技の進行状況を示す主制御コマンド(演出パターンを指定するコマンド、当否判定結果を示すコマンド、大当り遊技のラウンド数を指定するコマンドなど)が送信される。サブ制御部260では、主制御コマンドに基づいて特定される遊技進行状況に即した各種表示演出の実行を指示する各種演出表示コマンド(副制御信号)を決定する。さらに、サブ制御部260では、遊技進行状況に即した音演出の実行を指示する音声コマンド(副制御信号)を決定する。
そして、サブ制御部260から演出制御部280には、サブ制御部260で決定された各種演出関連コマンド(演出表示コマンド、音声コマンドなど)が送信される。演出制御部280では、各種演出関連コマンドのうち演出表示(演出表示装置25で行う演出図柄の表示)に係る演出表示コマンドに基づいて演出表示装置25における具体的な表示態様を決定し、当該表示態様を指定する演出表示指定信号をVDP280cに出力し、演出表示装置25で行われる演出表示に係る制御を行う。
さらに、演出制御部280では、各種演出関連コマンドのうち演出音に係る音声コマンドに基づいてスピーカ10a〜10dにおける具体的な音声出力態様を決定し、当該音声出力態様を指定する効果音指定信号や音量指定信号をVDP280cに出力して、スピーカ10a〜10dから出力される効果音データの選択・出力処理などの制御を行う。なお、効果音指定信号は、スピーカ10a〜10dにて出力する音声データ(楽曲)を指定するための信号であり、音量指定信号は、音声データを出力する際の音量を指定するための信号である。
上述のように、演出制御部280が演出制御のうち表示演出(演出表示装置25で表示される図柄を用いた演出)に係る制御処理(演出表示出力処理)および音演出(スピーカ10a〜10dから出力される効果音を用いた演出)に係る制御処理(演出音出力処理)を担い、サブ制御部260は、主制御コマンドに基づいて特定される遊技進行状況に即した各種表示演出および音演出の実行を指示する各種演出関連コマンドの決定処理(演出パターン決定処理)を担うように構成されている。このように、本実施例の遊技機1では、サブ制御部260(サブ制御基板260aのCPU260b)と演出制御部280(演出制御基板280aのCPU280b)とで、演出制御に係る処理を分散して行うように構成されており、サブ制御部260が本発明の第1副制御手段に相当し、演出制御部280が本発明の第2副制御手段に相当している。
ここで、各種演出関連コマンドのうち、演出表示コマンドの送信タイミング及び音声コマンドの送信タイミングの相違について図5に基づいて説明する。図5は、遊技状態の変化に応じた演出表示コマンドの送信タイミング及び音声コマンドの送信タイミングを説明する説明図であり、説明の都合上、遊技状態が大当り遊技および大当り遊技以外の遊技状態(演出図柄が変動表示する通常遊技)における演出表示コマンドおよび音声コマンドの送信タイミングを示している。
図5に示すように、本実施例の演出表示コマンドは、例えば、遊技球が始動口28に入球した際の図柄変動演出、大当り遊技の開始に伴って行われる大当り遊技演出、大当り遊技時の各ラウンドにおけるラウンド演出などの各種演出毎に、サブ制御部260から演出制御部280に送信される。一方、音声コマンドは、例えば、通常遊技の開始毎(演出図柄が最初に変動表示を開始する毎)あるいは大当り遊技の開始に伴って大当り遊技演出を開始する毎に、サブ制御部260から演出制御部280に送信される。つまり、本実施例の遊技機1では、複数回の演出図柄の変動表示に跨って一連の演出音(図柄変動演出音)をスピーカ10a〜10dにて出力するようになっている。また、大当り遊技の開始から終了に跨って一連の演出音(大当り遊技演出音)をスピーカ10a〜10dにて出力するようになっている。このように、本実施例の遊技機1は、サブ制御部260から演出制御部280に送信される音声コマンドの送信間隔は、演出表示コマンドの送信間隔に比べて長くなっている。
ところで、上述のように本実施例の遊技機1は、電源断時(電源オフ時)に主制御部200及び払出制御部230に作動電圧を供給するバックアップ電源部(図示略)を備えているものの、サブ制御部260及び演出制御部280はバックアップ電源部を備えておらず、サブ制御部260及び演出制御部280のRAM内のデータは、電源断時(電源オフ時)に保存されない。
具体的には、演出表示装置25にて行う演出表示に係る演出表示出力処理および効果音出力装置にて出力する演出音に係る演出音出力処理といった演出データ出力処理を実行中に演出制御部280などが一時的に電源オフ状態となるようなトラブルが発生すると、演出制御部280のRAM内のデータが失われて、電源オフ前に受信した各種演出関連コマンドが無効となる。ここで、演出制御部280が一時的に電源オフ状態となる場合としては、例えば、停電などによって遊技機1への電源供給が遮断される場合、ノイズや静電気の発生などが原因で演出制御部280のみに異常が発生して演出制御部280のみを再起動する場合などが挙げられる。
そのため、遊技機1への電源供給の遮断や演出制御部280への電源供給の遮断などが生じた後、電源オフ状態から復帰する際には、主制御部200のRAMに保存されたデータがサブ制御部260に送信され、さらに、サブ制御部260から各種演出関連コマンドが演出制御部280に送信されて、電源オフ時の遊技状態を継続して演出データ出力処理を実行するようになっている。つまり、演出制御部280では、電源オフ時点の遊技演出と電源オフ状態からの復帰時の遊技演出とが一連の遊技演出となるように演出データ出力処理が実行されるようになっている。
しかしながら、演出制御部280が電源オフ状態から復帰したとしても、サブ御部260から次の演出関連コマンドが送信されるまでは、演出制御部280が演出表示出力処理および演出音出力処理といった演出データ出力処理を実行することができない。
ここで、上述のように本実施例の遊技機1では、演出音に係る音声コマンドの送信間隔が演出表示コマンドの送信間隔に比べて長くなっている。そのため、演出制御部280では、電源オフ状態からの復帰後、短時間でサブ制御部260から演出表示コマンドが送信され、演出表示に係る演出表示出力処理を正常に実行可能となるが、音声コマンドがなかなか送信されず、演出音に係る演出音出力処理を正常に実行可能となるまで長い待ち時間が生ずることがある。つまり、演出制御部280にて演出音に係る演出音出力処理を実行中に電源オフ状態となった後、電源オフ状態から復帰する際に、演出制御部280において演出音に係る演出音出力処理を適切に実行することができなかった。
そこで、本実施例の遊技機1では、演出制御部280が演出データ出力処理(演出音出力処理)を実行中に電源オフ状態となり、電源オフ状態から復帰する際に、演出制御部280からサブ制御部260に対して音声コマンドを要求する要求信号が送信されるようになっている。一方、サブ制御部260では、演出制御部280からの要求信号を受信すると、現在の遊技演出(あるいは遊技状態)に応じた演出音に係る音声コマンドを演出制御部280に送信する。そして、演出制御部280は、サブ制御部260から送信された音声コマンドに基づいて演出音に係る演出音出力処理を実行する。
このように、本実施例の遊技機1では、サブ制御部260から演出制御部280への信号送信に加え、演出制御部280からサブ制御部260への信号送信ができるようになっており、サブ制御部260と演出制御部280との間で双方向通信が行われる。なお、演出制御部280が本発明の要求信号送信手段に相当し、サブ制御部260が本発明の演出音信号送信手段に相当している。
次に、本実施例の遊技機1の制御処理について図6、図7に基づいて説明する。図6は演出制御部280(演出制御基板280aのCPU280b)がROMに格納された制御プログラムにしたがって行う電源投入時制御処理の流れを示すフローチャートである。ここで、電源投入時制御処理とは、演出制御部280にて演出データ出力処理を実行中に遊技機1への電源供給の遮断や演出制御部280への電源供給の遮断などが生じた後、電源オフ状態から復帰する際に、演出制御部280にて行う制御処理のことである。図7は、図6に示す電源投入時制御処理の実行に付随して、サブ制御部260(サブ制御基板260aのCPU260b)がROMに格納された制御プログラムにしたがって行う制御処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、演出制御部280による電源投入時制御処理(図6)と、これに対応するサブ制御部260による制御処理(図7)を関連づけて説明する。
まず、演出制御部280は、一時的な電源オフ状態から電源オン状態に復帰すると電源投入時制御処理を実行する。演出制御部280の電源投入時制御処理では、図6に示すように、演出音に係る情報の要求信号をサブ制御部260に送信する(S100)。
サブ制御部260では、図7に示すように、演出制御部280から演出音に係る情報の要求信号を受信したか否かを判定する(S200)。この結果、要求信号を受信したと判定された場合には(S200:YES)、現在の遊技状態に係る情報(図柄変動中か否か、時短遊技中か否か、確変遊技中か否か、大当り遊技中か否かなど)を取得して、その情報(遊技状態情報)に対応する現在の演出音に係る音声コマンドを特定する(S210)。ここで、演出制御部280に加えてサブ制御部260も一時的に電源オフ状態から復帰する場合には、主制御部200から電源復帰時に送信される主制御コマンドに基づいて現在の遊技状態を取得することで、その取得した遊技状態に応じた演出音に係る音声コマンドを特定することができる。
そして、取得した遊技状態に対応する音声コマンドを演出制御部280に送信する(S220)。ここで、サブ制御部260から演出制御部280に音声コマンドを送信するタイミングは、演出制御部280からの要求信号を受信した後、直ちに音声コマンドを演出制御部280に送信してもよいし、次の演出表示コマンドの送信タイミングに合わせて音声コマンドを演出制御部280に送信してもよい。なお、要求信号を受信したと判定されない場合には(S200:NO)、S210とS220の処理をスキップして制御処理を終了する。
次に、演出制御部280は、図6に示すように、サブ制御部260からの音声コマンドを受信したか否かを判定する(S110)。この結果、音声コマンドを受信していないと判定された場合には(S110:NO)、音声コマンドを受信するまで待機状態となる。一方、音声コマンドを受信したと判定された場合には(S110:YES)、受信した音声コマンドに基づいて効果音出力装置(スピーカ10a〜10d)における具体的な音声出力態様を決定し(S120)、効果音出力装置から出力される効果音データの選択・出力処理などの制御を行う(S130)。
以上説明したように、演出制御部280は、演出データ出力処理の実行中に電源オフ状態となった後、電源オフ状態から復帰する際に、サブ制御部260に演出音に係る情報の要求信号を送信し、要求信号を受信したサブ制御部260から現在の遊技状態に応じた演出音に係る音声コマンドを受信するので、演出制御部280において演出音出力処理を適切に実行することができる。
さらに、本実施例のように、例えば、複数回の演出図柄の変動表示に跨って一連の演出音(図柄変動演出音)をスピーカ10a〜10dにて出力したり、大当り遊技における複数のラウンドに跨って一連の演出音(大当り遊技演出音)をスピーカ10a〜10dにて出力したりする遊技機1、すなわち、音声コマンドの送信間隔が演出表示コマンドの送信間隔に比べて長くなっている遊技機1において、上述の電源投入時制御処理を適用する場合、演出制御部280が電源オフ状態から復帰する際に、演出制御部280に演出表示に係る演出表示コマンドが送信されるにも係わらず、演出音に係る音声コマンドがなかなか送信されないといった不具合を抑制することができる。従って、演出制御部280が電源オフ状態から復帰する際に、演出制御部280において演出音に係る演出音出力処理をより適切に実行することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上記実施例では、演出制御部280にて演出表示に係る演出表示出力処理と演出音に係る演出音出力処理といった演出データ出力処理を実行する構成としたが、これに限らず、演出制御部を独立した2つの制御部で構成して、演出表示出力処理と演出音出力処理とを異なる制御部にて実行するように構成してもよい。このような構成によっても、演出音に係る演出音出力処理を実行する制御部にて電源投入時制御処理を実行することで、一時的なオフ状態から復帰する際に、演出音に係る演出音出力処理を適切に実行することができる。
また、上記実施例では、本発明をサブ制御部260からの音声コマンドの送信が、通常遊技の開始毎(演出図柄が最初に変動表示を開始する毎)あるいは大当り遊技の開始に伴って大当り遊技演出を開始する毎に行われる遊技機1、すなわち複数回の演出図柄の変動表示に跨って一連の演出音(図柄変動演出音)を出力したり、大当り遊技における複数のラウンドに跨って一連の演出音(大当り遊技演出音)を出力したりする遊技機1に適用した例を説明したが、このような一連の演出音を出力しない場合であっても、音声コマンドの送信間隔が演出表示コマンドの送信間隔に比べて長い送信間隔となる状況が発生し得る遊技機であれば適用可能である。
また、上記実施例では、本発明をセブン機と称されるパチンコ遊技機に適用した例について説明したが、これ以外にも、いわゆる羽根物や権利物と称されるパチンコ遊技機や組合せ式遊技機、さらにはスロットマシン(コイン式遊技機)にも適用可能である。
1…遊技機、10a〜10b…スピーカ、25…演出表示装置、200…主制御部(主制御手段)、260…サブ制御部(第1副制御手段、演出音信号送信手段)、280…演出制御部(第2副制御手段、要求信号送信手段)。