(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について図面を用いて説明する。なお、以下では、特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示され、これを契機に大当り遊技が開始されるタイプ(いわゆるセブン機タイプ)のパチンコ遊技機(以下、単に遊技機という)に本発明を適用した実施例について説明する。
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1は、遊技枠2と遊技盤20等を備えている。図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。遊技枠2は、外枠3、中枠4、前面枠5、上皿部6、下皿部7等から構成される。中枠4は、前面枠5が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
外枠3は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものである。外枠3は、パチンコホールの島設備に設けられた設置部位に固定されると共に遊技機本体を支持するためのものである。この外枠3は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体2aと、外枠本体2aの前面下部を覆う前板部2bとを備えている。
中枠4はプラスチック製で遊技機1の本体枠を構成するもので、外枠3の内側にはめ込まれて設置されており、外枠3に対して開閉可能に左端で軸支されている。この中枠4は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠5とが重なるように設けられている。前面枠5における下方側には、上皿部6と下皿部7が一体的に設けられている。下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する発射手段を構成する発射装置ユニット(図示略)、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置(図示略)が設けられている。前面枠5の右側下方には、前面枠5を閉じた場合にこれを施錠するための施錠装置5bが設けられている。
前面枠5は、中枠4の前面側に配置され、中枠4の左端で開閉可能に支持されている。前面枠5はプラスチック製であり、その奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするための開口部5aが形成されている。前面枠5の裏面には、開口部5aに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。
前面枠5における開口部5aの周囲には、LED等を用いた枠ランプ部5cが設けられている。枠ランプ部5cは、遊技効果を高めるために遊技の進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
上皿部6は、前面枠5における開口部5aの下側に設けられている。上皿部6には、賞球あるいは貸球として払い出される遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。上皿部6の上面のうち、中央には演出ボタン8、右側にはCR操作部9がそれぞれ設けられている。演出ボタン8は、第1演出ボタン8aとその左右に1つずつ設けられた第2演出ボタン8b、8cとからなる。
CR操作部12は、遊技機1の左側に設けられたプリペイドカードユニット13(CRユニット)を操作するために用いられる。CR操作部9は、プリペイドカードの返却を要求する返却ボタン9aと、プリペイドカードの残り度数を表示する度数表示部9bと、遊技球の貸し出しを要求する球貸ボタン9cとを備えている。
下皿部7は、前面枠5における上皿部6の下方に設けられている。下皿部7の略中央には、遊技機1の内部から下皿部7に遊技球を排出するための排出口7aが設けられている。下皿部7の右端には、遊技者が発射装置ユニット(図示略)を操作するための発射ハンドル10が設けられている。発射ハンドル10には、遊技者が触れていることを検出する接触検出手段としてのタッチスイッチ10aが設けられている。発射ハンドル10の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ10bが配置されている。
また、遊技機1には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるためのスピーカ11a〜11dが設けられている。スピーカ11a〜11dは、前面枠5の上部に設けられた上部スピーカ11a、11bと、前面枠5の下方の前板部2bに設けられた下部スピーカ11c、11dとからなる。
次に、本実施例の遊技盤20の表面構造について説明する。図2は遊技盤20の正面図である。遊技盤20は、略長方形の木製の板状体であって中枠3に着脱可能に取り付けられているとともに、裏機構盤(図示略)によりその背面側が覆われている。
図2に示すように、遊技盤20には、遊技盤20の表面(盤面)に設けられた外レール22と内レール23とにより、略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21内には、中央装置24、普通図柄作動ゲート27、始動口28、大入賞装置33、左入賞口34,35、右入賞口36,37、第1装飾部材50、第2装飾部材60等の遊技装置が配設されている。また、遊技領域21には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。
中央装置(センター役物)24は遊技領域21の略中央部に配置され、演出表示装置25を備えている。本実施例では、演出表示装置25として大型の液晶表示装置を用いており、演出表示装置25の表示領域では各種演出表示が行われる。
大入賞装置33は遊技領域21における中央装置24の下方に配置されている。第1装飾装置50は遊技領域21における始動口28の左側に配置され、第2装飾装置60は遊技領域21における始動口28の右側に配置されており、装飾装置50,60はいわゆるサイド飾りを構成している。また、第1装飾装置50には左入賞口34,35が一体化されており、第2装飾装置60には右入賞口36,37が一体化されている。
普通図柄作動ゲート27は、中央装置24の左側に設けられている。普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技盤上を流下する遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s(図3参照)が設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過することで、普通図柄が変動表示を開始する。
始動口28は、中央装置24の中央位置の下方に設けられている。始動口28は、遊技盤20の盤面上を流下する遊技球を受け入れる遊技球受入口が形成された2つの入球口を上下方向に並べて配置したもので、上側に設けられた第1始動口28aと下側に設けられた第2始動口28bとから構成されている。
第1始動口28aは、遊技球受入口の大きさが変化せず遊技球の入球可能性が一定とされる固定式始動口として構成されており、遊技球の入球が常時可能となっている。一方、第2始動口28bはいわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部(開閉部材)を備えており、この一対の翼片部の上端間隙が遊技球受入口となっている。この一対の翼片部は、各々左右方向に傾動することで開閉動作を行うもの(開状態と閉状態とに変化可能)とされており、この開閉動作により、第2始動口28bは一対の翼片部の遊技球受入口の大きさが変化する可変式始動口として構成されている。第2始動口28bは、一対の翼片部が開動作することで入球可能性が高い開状態となり、一対の翼片部が閉動作することで入球可能性が低い閉状態(入球不能な閉鎖状態を含む)となる。普通図柄が当り図柄の組合せで停止表示された場合には、一対の翼片部が開動作して第2始動口28bの遊技球受入口が拡大され、第2始動口28bは普通電動役物として機能する。
始動口28の内部には、第1始動口28aへの遊技球の入球を検知する始動口入球検知スイッチ28s(図3参照)と、第2始動口28bへの遊技球の入球を検知する始動口入球検知スイッチ28t(図3参照)と、一対の翼片部を作動させるための始動口ソレノイド28c(図3参照)とが備えられている。始動口ソレノイド28cは通電によって作動し、翼片部が開状態となる。始動口ソレノイド28cの作動制御は、ソレノイド駆動回路300(図4参照)を介して主制御部200によって行われる。ソレノイド駆動回路300については、後で詳細に説明する。
この一対の翼片部が左右に開動作した場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが通常時より拡大され、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となる。一方、一対の翼片部が立設された場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが遊技球の直径より僅かに大きい(遊技球1個が通過可能な)通常の大きさとされ、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が小さくなる(または入球不能となる)通常状態(閉鎖状態)となる。遊技球が始動口28a、28bのいずれかに入球することで、後述の特別図柄が変動表示を開始する。
大入賞装置33は、始動口28の下方に配設されている。ここで、大入賞装置33は、帯状に開口された大入賞口33aと、この大入賞口33aを開放・閉鎖する開閉板33bと、この開閉板33bを作動させるための大入賞口ソレノイド33c(図3参照)と、遊技球の入球を検知する入球検知スイッチ33s(図3参照)とから主に構成されている。
始動口28の左側と右側には、左入賞口34,35と右入賞口36,37が設けられている。これら入賞口の内部には、それぞれ入賞口入球検知スイッチ(図示せず)が設けられている。
第1装飾部材50には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより、普通図柄表示部51、普図保留表示部52、第1特別図柄保留表示部53、第2特別図柄保留表示部54が構成されている。同様に第2装飾部材60には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより、第1特別図柄表示部61および第2特別図柄表示部62が構成されている。
普通図柄表示部51は、1個のLEDから構成されており、このLEDにより普通図柄の表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄の変動表示及び停止表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過することにより普通図柄が変動表示を開始し、所定時間経過後に普通図柄が当り普通図柄の表示態様あるいは外れ普通図柄の表示態様で停止表示される。そして、普通図柄が予め設定された当り普通図柄の表示態様で停止表示すると、第2始動口28bが所定の開放パターンにしたがって開放される。第2始動口28bの開放パターンは複数種類設定されている。第2始動口28bの開放時間を延長させる開放時間延長機能の非作動時には、第1開放時間(例えば0.1秒)が設定された第1開放パターン(短時間開放パターン)がセットされ、開放時間延長機能の作動時(開放延長状態)には第1開放時間より長い第2開放時間(例えば4.5秒)が設定された第2開放パターン(長時間開放パターン)がセットされる。なお、開放時間延長機能については後述する。
本実施例では、普通図柄当否判定用乱数が用意されており、この普通図柄当否判定用乱数は、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した際に、第2始動口28bを作動させるか否か(開放状態とするか否か)の普通図柄当否判定に用いられる。普通図柄当否判定用乱数には、予め当り値が設定されており、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したタイミングで取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、普通図柄当否判定で当りと判定された場合には、普通図柄表示部51で停止表示される普通図柄は、当り普通図柄の表示態様に決定される。一方、外れと判定された場合(取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致しない場合)には、普通図柄表示部51で停止表示される普通図柄は外れ普通図柄の表示態様に決定される。
ここで、普通図柄の保留について説明する。普図保留表示部52には普通図柄保留数が表示され、普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球の数を最大保留数(本実施例では4個)まで保留可能となっている。そして、次回の普通図柄当否判定が行われ普通図柄の変動表示が開始する毎に、未始動回数(保留数)が消化され、普通図柄保留数が1個ずつ減少する。普図保留表示部52は2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、4個を上限として保留数を表示することができる。普通図柄の保留に伴って、普通図柄当否判定用乱数が主制御部200のRAMの所定領域に記憶される。
なお、普通図柄当否判定、普通図柄の停止図柄の決定、普通図柄の変動パターンの設定、普通図柄の保留記憶および保留消化は、後述の主制御部200によって行われる。
次に、特別図柄について説明する。本実施例では、第1特別図柄および第2特別図柄の2つの特別図柄が設けられており、それに伴い、第1特別図柄を表示する第1特別図柄表示部61と、第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示部62とが設けられている。なお、以下の説明において「特別図柄」と記載する場合、特段の断りがない限り、その記載は「第1特別図柄」および「第2特別図柄」の何れにも対応するものとする。
各特別図柄表示部61,62は、それぞれ7個のLEDから構成されており、これらのLEDにより、それぞれ特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)が表示される。この各特別図柄表示部61,62を構成する各LEDは、点灯および消灯が可能となっており、これら各LEDの点灯および消灯の組合せにより、それぞれの特別図柄について複数の表示態様を表示できる。そして、第1特別図柄表示部61および第2特別図柄表示部62において、それぞれ7個のLEDの点灯および消灯の組合せで表示される特別図柄の組合せのうち特定の組合せが大当り図柄として設定されており、その大当り図柄以外の組合せが外れ図柄として設定されている。本実施例では、特別図柄の変動表示を各LEDが点灯と消灯を繰り返す点滅表示で行うものとしている。
第1始動口28aに遊技球が入球することにより、第1特別図柄表示部61で第1特別図柄が変動表示が開始され、所定時間経過後に第1特別図柄が大当り図柄あるいは外れ図柄のいずれかで停止表示される第1特別図柄の図柄変動遊技が行われる。また、第2始動口28bに遊技球が入球することにより、第2特別図柄表示部62で第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間経過後に第2特別図柄が大当り図柄あるいは外れ図柄のいずれかで停止表示される第2特別図柄の図柄変動遊技が行われる。
本実施例では、遊技球が第1始動口28aに入球した際に取得される第1特別図柄用乱数と、遊技球が第2始動口28bに入球した際に取得される第2特別図柄用乱数とが設けられている。第1特別図柄用乱数には、大当り遊技を実行するか否かの第1特別図柄当否判定に用いられる第1特別図柄当否判定用乱数と、第1特別図柄の停止図柄を決定するための第1大当り種別決定用乱数(第1特別図柄決定用乱数)と、リーチ演出を行うか否かを決定するためのリーチ乱数とが含まれている。同様に、第2特別図柄用乱数には、大当り遊技を実行するか否かの第2特別図柄当否判定に用いられる第2特別図柄当否判定用乱数と、第2特別図柄の停止図柄を決定するための第2大当り種別決定用乱数(第2特別図柄決定用乱数)と、リーチ演出を行うか否かを決定するためのリーチ乱数とが含まれている。
第1始動口28aへの遊技球の入球に伴って、第1特別図柄当否判定用乱数と第1大当り種別決定用乱数が取得され、この取得された第1特別図柄当否判定用乱数と第1大当り種別決定用乱数は、主制御部200のRAMの所定領域(第1保留記憶領域)に保留(第1特別図柄保留)として記憶される。また、第2始動口28bへの遊技球の入球に伴って、第2特別図柄当否判定用乱数と第2大当り種別決定用乱数が取得され、主制御部200のRAMの所定領域(第2保留記憶領域)に保留(第2特別図柄保留)として記憶される。
ここで、特別図柄の保留について説明する。第1特別図柄保留表示部53と第2特別図柄保留表示部54はそれぞれ2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、それぞれ4個を上限として保留数を表示することができる。
第1始動口28aに入球した遊技球の数は、第1特別図柄保留数として最大保留数(本実施例では4個)に達するまで保留可能となっている。第1特別図柄保留数は、第1始動口28aへの遊技球の入球が発生する度に取得されて主制御部200のRAMの所定領域(第1保留記憶領域)に記憶される第1特別図柄用乱数(第1特別図柄当否判定用乱数、第1大当り種別決定用乱数、リーチ乱数)の個数(記憶数)に相当する。本実施例では、第1始動口28aへの遊技球の入球に伴い、第1特別図柄当否判定用乱数とともに第1大当り種別決定用乱数も取得されるので、第1特別図柄保留数は、第1大当り種別決定用乱数の記憶個数にも相当する。そして、第1特別図柄保留数は、第1特別図柄当否判定が行われ第1特別図柄の変動表示が開始される毎に消化され、1個ずつ減少する。
第2始動口28bに入球した遊技球の数は、第2特別図柄保留数として最大保留数(本実施例では4個)に達するまで保留可能となっている。第2特別図柄保留数は、第2始動口28bへの遊技球の入球が発生する度に取得されて主制御部200のRAMの所定領域(第2保留記憶領域)に記憶される第2特別図柄用乱数(第2特別図柄当否判定用乱数、第2大当り種別決定用乱数、リーチ乱数)の個数(記憶数)に相当する。本実施例では、第2始動口28bへの遊技球の入球に伴い、第2特別図柄当否判定用乱数とともに第2大当り種別決定用乱数も取得されるので、第2特別図柄保留数は、第2大当り種別決定用乱数の記憶個数にも相当する。そして、第2特別図柄保留数は、第2特別図柄当否判定が行われ第2特別図柄の変動表示が開始される毎に消化され、1個ずつ減少する。第1、第2特別図柄の保留記憶および保留消化は、後述の主制御部200によって行われる。
本実施例の遊技機1では、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示より優先的に実行する第2特別図柄優先変動処理が行われるように構成されている。つまり、第1特別図柄保留数と第2特別図柄保留数の双方が「1以上」である場合には、第1特別図柄より第2特別図柄が優先的に変動表示を開始し、第2特別図柄の保留が優先的に消化される。そして、第1特別図柄保留数が「1以上」で、かつ、第2特別図柄保留数が「ゼロ」となった場合に、第1特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄当否判定用乱数には、当否判定用の当り値(大当り値)が設定されており、遊技球が第1始動口28aまたは第2始動口28bに入球したタイミングで取得された特別図柄当否判定用乱数が大当り値と一致する場合に、第1特別図柄当否判定で大当りと判定される。第1特別図柄当否判定は第1特別図柄が変動表示を開始する際に行われ、第2特別図柄当否判定は第2特別図柄が変動表示を開始する際に行われる。
第1特別図柄当否判定用乱数が大当り値と一致する場合に大当りと判定され、第1特別図柄表示部61で停止表示される第1特別図柄が大当り図柄に決定される。そして、第1特別図柄当否判定用乱数が大当り値と一致しない場合には、外れであり、第1特別図柄表示部61で停止表示される第1特別図柄が外れ図柄に決定される。同様に、第2特別図柄当否判定用乱数が大当り値と一致する場合に大当りと判定され、第2特別図柄表示部62で停止表示される第2特別図柄が大当り図柄に決定される。そして、第2特別図柄当否判定用乱数が大当り値と一致しない場合には、外れであり、第2特別図柄表示部62で停止表示される第2特別図柄が外れ図柄に決定される。
特別図柄は、所定の変動パターンにしたがって変動表示するように構成されている。この変動パターンは、特別図柄の変動時間や、その変動におけるリーチ演出の有無(演出内容)を規定するものである。特別図柄の変動パターンは、特別図柄当否判定が実行される際に、複数の変動パターンが格納された変動パターンテーブルから変動パターン乱数を用いた抽選により選択される。
特別図柄の変動パターンテーブルは複数用意されており、それぞれ遊技状態(特別図柄の変動モード)応じて選択されて用いられる。また、遊技状態に応じて選択される各変動パターンテーブルには、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に選択される当り変動パターンテーブルと、特別図柄当否判定の結果が外れの場合に選択される外れ変動パターンテーブルとが含まれている。
なお、第1特別図柄当否判定、第2特別図柄当否判定、第1特別図柄の変動態様(変動パターン)の決定、第2特別図柄の変動態様(変動パターン)の決定、第1特別図柄の停止図柄の決定、第2特別図柄の停止図柄の決定、第1特別図柄の変動表示および停止表示、第2特別図柄の変動表示および停止表示、第2特別図柄の優先変動は、後述の主制御部200によって行われるように構成されている。
次に、大当り遊技について説明する。第1特別図柄表示部61または第2特別図柄表示部62で停止表示された特別図柄が前述した大当り図柄であった場合(特別図柄当否判定の結果が大当りだった場合)に、主制御部200は遊技者に相対的に有利な大当り遊技(特別遊技)を開始する。大当り遊技は、大当り遊技フラグをオンに設定することで開始するもので、大入賞装置33を作動させる、換言すると大入賞口33aを複数回開閉させることで、大入賞口33aへの遊技球の入球に関して遊技者に利益(賞球)を付与するものである。大当り遊技は、後述の主制御部200による大当り遊技処理が繰り返し実行されることによって実現される。
大当り遊技中は、大入賞装置33が作動し、大入賞口33aへの遊技球の入球に応じて、所定数の賞球(本実施例では15個)が払い出される。つまり、大入賞口33aに入球した遊技球が、大入賞口33a内に配設される大入賞口入球検知スイッチ33s(図示省略)にて遊技球の通過を検出することで、賞球が払い出される。
そして、大当り遊技の開始により、大入賞装置33を連続して作動させ、大入賞口33aを開放状態と閉鎖状態とに切り替える大入賞口開閉動作が複数回連続して行われる。大入賞装置33の作動開始により、大入賞口33aが開放状態となる。この開放状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口33aが閉鎖状態となる。所定の終了条件として、大入賞口33aの開放時間が規定時間(本実施例では30秒)に達したとき、もしくは開放状態の大入賞口33aに入球した遊技球数が規定数(本実施例では10個)に達したときとすることができる。この大入賞口33aの開放状態の開始から終了までを1回のラウンド遊技とした場合、大当り遊技が継続可能な最高継続ラウンド数(本実施例では15ラウンド)が設定されている。
本実施例の遊技機では、大当り遊技の終了後、変動時間短縮機能や開放時間延長機能、確率変動機能の作動する特定遊技状態(後述する「電サポあり非確変状態」や「電サポあり確変状態」など)が開始される。変動時間短縮機能、開放時間延長機能、確率変動機能の各機能は、それぞれ変動短縮フラグ、開放延長フラグ、確変フラグをオンに設定することで作動する。なお、変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、それぞれ同時に作動を開始するとともに同時に作動を終了する。以下、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動状態に関する説明について、何れか一方の機能だけを挙げて説明している場合には、もう一方の機能も対になっているものとする。例えば、以下の説明で「変動時間短縮機能が作動している」と記載する場合、この記載は「開放時間延長機能も作動している」と解することができ、逆に、「開放時間延長機能が作動している」と記載する場合、この記載は「変動時間短縮機能が作動している」と解することができる。
本実施例の遊技機1では、特別図柄当否判定の結果が通常大当り(特別図柄の停止図柄が通常大当り図柄)の場合には、大当り遊技の終了後、確率変動機能を作動させることなく、変動時間短縮機能および開放時間延長機能を作動させて、「電サポあり非確変状態」が開始される。電サポあり非確変状態は、主制御部200の制御により実現されるものである。開放時間延長機能の作動により、第2始動口28bの開放時間が、通常時の設定時間である第1開放時間(例えば0.2秒)から第2開放時間(例えば5秒)に延長される。これにより、第2始動口28bへの遊技球入球頻度が、通常時(開放時間延長機能非作動時)に比べて高くなる。電サポあり非確変状態は、大当り遊技終了後、特別図柄の変動回数が所定回数(本例では100回)に到達するまで継続するように構成されている。
また、特別図柄当否判定の結果が確変大当り(特別図柄の停止図柄が確変大当り図柄)の場合には、大当り遊技の終了後、確率変動機能、変動時間短縮機能および開放時間延長機能を作動させて、「電サポあり確変状態」が開始される。確変大当りによって開始する大当り遊技を「確変大当り遊技」ともいう。電サポあり確変状態は、主制御部200の制御により実現されるものであり、この状態では、変動時間短縮機能および開放時間延長機能とともに、特別図柄当否判定の結果が大当りとなる確率、すなわち特別図柄が大当り図柄で停止表示する確率を変更(向上)させる確率変動機能が作動する。電サポあり確変状態は、大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が開始されるまで継続するように構成されている。
確率変動機能の作動中は、特別図柄当否判定用の大当り当選値が増加することで、特別図柄当否判定の結果が大当りとなる確率が向上する。具体的には、大当り当選値が設定された抽選テーブルとして、低確率抽選テーブルと、低確率抽選テーブルより大当り当選値の数が多く設定されている高確率抽選テーブルとが用意されている。そして、確率変動機能の非作動時には、低確率抽選テーブルを用いて特別図柄当否判定を行うことで、特別図柄当否判定用乱数が大当り当選値と一致する確率が低確率(本実施例では1/200)となり、確率変動機能の作動時には、高確率抽選テーブルを用いて特別図柄当否判定を行うことで、特別図柄当否判定用乱数が大当り当選値と一致する確率が高確率(本実施例では1/20)となる。
本実施例の遊技機1では、第1特別図柄表示部61または第2特別図柄表示部62を用いて行われる特別図柄の図柄変動遊技に付随して、演出表示装置25にて図柄変動演出が行われる。図柄変動演出としては、例えば第1特別図柄表示部61での第1特別図柄または第2特別図柄表示部62での第2特別図柄の変動表示に連動して、数字図柄からなる演出図柄を変動表示させる変動表示演出や、演出図柄の変動表示中に行われるリーチ演出などが挙げられる。なお、これらの演出内容は複数種類存在し、演出画像データは演出表示制御部280のROMに記憶されている。
ここで、後述のサブ制御部260および演出表示制御部280の制御下で実現される図柄変動演出について説明する。図2に示すように、演出表示装置25の表示領域Vには、演出図柄を表示する演出図柄表示部25aが設けられている。この演出図柄は、第1特別図柄表示部61での第1特別図柄または第2特別図柄表示部62での第2特別図柄の変動表示および停止表示に連動して表示される。また、演出表示装置25の表示領域Vのうち、演出図柄表示部25aを除く部位は、文字、図形、記号、キャラクタ等を含む種々の背景図柄が表示される背景表示領域となっている。上述のように、演出表示装置25は、遊技盤20(遊技領域21)の中央に配置されているので、遊技者は通常、演出表示装置25の表示領域Vでの表示内容(特に演出図柄)に注目して遊技を行うこととなる。
本実施例では、演出図柄として「1」〜「9」からなる3桁の数字図柄を用いており、演出図柄表示部25aは、左図柄が表示される右図柄表示部、中図柄が表示される中図柄表示部、右図柄が表示される左図柄表示部からなる3つの図柄表示領域から構成される。演出図柄表示部25aは、各図柄表示部の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向(縦方向)に図柄変動方向が設定されている。
演出図柄は、第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示を開始することにより変動表示を開始し、第1特別図柄または第2特別図柄が何れかの図柄で停止表示されると、演出図柄は第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄に応じた図柄で停止表示される。演出図柄では、3桁同一の図柄組合せが特別図柄の大当り図柄に対応し、それ以外の図柄組合せが特別図柄の外れ図柄に対応している。
演出図柄の変動態様(変動パターン)および停止図柄の決定は、主制御部200から送信される変動パターン指定コマンドおよび特別図柄情報指定コマンドに基づいてサブ制御部260によって行われるように構成されている。ここで、主制御部200からサブ制御部260に向けて送信される変動パターン指定コマンドは、特別図柄の変動パターンを示すもので、具体的には、特別図柄の変動時間や、リーチ演出の有無等の演出内容を示している。主制御部200は、特別図柄の当否判定結果に応じて特別図柄の変動パターンをランダムに(乱数抽選により)決定する。そして、主制御部200により決定された特別図柄の変動パターンに基づき、サブ制御部260が、演出図柄表示部25aで表示される演出図柄の演出パターンを決定する。また、主制御部200からサブ制御部260に向けて送信される特別図柄情報指定コマンドは特別図柄の停止図柄を示すもので、主制御部200は、特別図柄の当否判定結果に応じて特別図柄の停止図柄をランダムに(乱数抽選により)決定する。そして、主制御部200により決定された特別図柄の停止図柄を示す特別図柄情報指定コマンドに基づき、サブ制御部260が、演出図柄表示部25aで停止表示される演出図柄の停止図柄を決定する。
また、演出表示装置25の表示領域Vでは、特別図柄保留数を表示する保留表示演出、大当り遊技開始時に実行される大当り遊技開始演出(ファンファーレ演出)、大当り遊技中に実行されるラウンド演出(大当り遊技演出)、大当り遊技終了時に実行される大当り遊技終了演出(エンディング演出)、確率変動機能の作動状態を報知する確変報知演出等が行われる。本実施例では、次回継続状態では確変報知演出を実行し、回数切り状態では確変報知演出を実行しないように構成されている。これにより、回数切り状態では、開放延長状態の終了後、確率変動機能の作動状態が不明となる確変非報知状態(確変の場合には潜伏確変状態)とすることができる。これにより、遊技者は、開放延長状態が終了したとしても遊技を終了し難くなるので(確変状態を放置するのは不利益であるため)、遊技機の稼働率の向上を図ることができる。なお、これらの各種演出は、遊技の進行に伴って主制御部200から送信されるコマンドに基づいてサブ制御部260が実行する。
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図3に基づいて説明する。図3は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図3に示すように、電子制御装置は、主制御部200と、その主制御部200に接続された副制御部230、260、280とを含んで構成されている。副制御部は、払出制御部(賞球制御部)230、サブ制御部260及び演出表示制御部280から構成される。主制御部200は主制御基板200aを備え、副制御部230、260及び280は周辺制御基板として払出制御基板230a、サブ制御基板260a及び演出表示制御基板280aをそれぞれ備えている。これらの各制御基板や、その他の基板(電源基板、中継基板、駆動基板、装飾基板、アンプ基板、演出ボタン基板など)は、遊技機1の裏面側に配置される。
各制御部200、230、260、280には、図示しない主電源から電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が各制御部200、230、260、280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御部200及び払出制御部230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御部200及び払出制御部230のRAMデータが保持される。
主制御部200は、遊技の進行を司る主制御手段を構成するものであり、各副制御部230、260に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御部230、260、280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
主制御部200を構成する主制御基板200aのCPU200bは、CPUコア、内蔵RAM(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM(以下、単にROMともいう)等を備えており、ROMに格納された制御プログラムにより、RAMをワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御部200は、CPU200bが主体となって、ROMに格納された当否判定プログラムにより特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の当否判定を行う抽選手段を構成している。また、主制御部200のCPU200bは、特別図柄当否判定を実行する際に、ROMに格納された特別図柄の変動パターンテーブルから特定の変動パターンを決定する。なお、本実施例の主制御部200のCPU200bの制御周期は4msに設定されている。
主制御部200には、盤面入力中継基板201と盤面出力中継基板202とが接続されている。盤面入力中継基板201には、普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s、始動口入球検知スイッチ28s,28t、大入賞口入球検知スイッチ33sが接続されており、これらの信号が主制御部200に入力するように構成されている。盤面出力中継基板202には、普通図柄表示装置51、特別図柄表示装置61,62、始動口ソレノイド28c、大入賞口ソレノイド33cが接続されており、主制御部200からの制御信号が出力される。
払出制御部230を構成する払出制御基板230aは、主制御部200のCPU200bと同様の構成を有するCPU230bを備えている。払出制御部230には、発射制御部250、CRユニット13等が接続されている。主制御部200から払出制御部230には、賞球払出を指示する賞球指示コマンド、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。払出制御基板230aのCPU230bは、主制御部200からの賞球指示コマンドを受信すると、そのコマンドが示す賞球数に基づいて、遊技機1の裏面側に設けられた図示しない遊技球払出装置の払出モータを回転駆動することにより、指定された賞球数分の遊技球の払い出し(賞球払出)を行う。この遊技球の払い出し(賞球払出)は、遊技機1の裏面側上部に設けられた図示しない遊技球タンクに貯留された遊技球を、図示しない遊技球レールを介して遊技球払出装置に供給し、その供給された遊技球を遊技球払出装置の払出モータの回転駆動により排出することで、行われる。
サブ制御部260は、遊技の進行に伴って実行される各種演出を制御するサブ制御手段を構成しており、サブ制御基板260aにはCPU260bや図示しないROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素とサウンドジェネレータが設けられており、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。サブ制御部260は、各種ランプ類による装飾表示、スピーカ11a〜11dから出力される効果音、演出表示装置25による演出図柄の表示等を用いた演出制御を司るように構成されている。
主制御部200からサブ制御部260には、特別図柄の変動表示に関連する各種図柄制御コマンド(変動パターン指定コマンド、特別図柄情報指定コマンド、図柄停止コマンドなど)、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御部200から演出表示制御部280には、サブ制御部260を介して、演出図柄の表示制御を指示する各種図柄制御制御コマンドが送信される。そして、サブ制御部260には演出表示制御部280が接続されており、サブ制御部260から演出表示制御部280には、主制御部200からの各種図柄制御コマンドに応じた演出図柄の表示(図柄変動演出)を実現するための演出表示制御を指示する各種演出表示制御コマンドが同時に送信される。
演出表示制御部280の演出表示制御基板280aには、CPU280b、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいてサブ制御部260に接続されており、演出表示制御部280には演出表示装置25が接続されている。また、演出表示制御基板280aには、図示しない画像ROMが設けられており、その画像ROMには、演出表示装置25で表示される演出用図柄の画像データ(前述した変動演出に関する画像データなど)が複数格納されている。
その他、サブ制御部260には、装飾駆動基板261を介して各種LED・ランプ262とアンプ基板263が接続されている。各種LED・ランプ262には、枠ランプ部5cが含まれている。アンプ基板263には、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等を出力するスピーカ11a〜11dが接続されている。さらに、サブ制御部260には、演出ボタン基板264を介して演出ボタン8が接続されている。
サブ制御部260は、主制御部200や演出ボタン8からの各種入力信号(変動パターン指定コマンド、演出ボタン操作信号など)に基づいて、各種LED・ランプの点灯・点滅パターンの選択・実行処理や、スピーカ11a〜11dから出力される効果音データの選択・出力処理や、演出表示装置25での図柄変動演出の実行パターン(演出パターン)の選択処理や、その実行パターンに基づく図柄変動演出の実行処理等を行う。
次に、始動口ソレノイド28cを駆動するソレノイド駆動回路300について説明する。図4は、本実施例のソレノイド駆動回路300の回路図である。
始動口ソレノイド28cは、コイル、可動鉄心、固定鉄心を備えており、始動口ソレノイド28cに通電されると(電圧が印加されると)、コイルが励磁して可動鉄心が固定鉄心に吸引され、始動口28の翼片部が開動作する(開閉部材が閉状態から開状態に変位する)。始動口ソレノイド28cへの通電を継続することで、始動口28を開状態のまま保持することができる。始動口ソレノイド28cは、作動開始時に大きなトルク(可動鉄心の吸引力)が必要とされ、作動状態を保持するためのトルクは作動開始時の吸引力より小さいトルクでよい。始動口ソレノイド28cでは、可動鉄心の吸引力は駆動電圧によって発生するトルクの大きさに応じて変化するため、始動口ソレノイド28cの作動を開始するために必要な起動電圧によって発生する力よりも、始動口ソレノイド28cの作動状態を保持するために必要な保持電圧によって発生する力を低くすることができる。
図4に示すように、本実施例のソレノイド駆動回路300には、発振回路301、遅延回路302、NAND回路303、AND回路304、トランジスタ305、ダイオード306が設けられている。
発振回路301は、抵抗301a、インバータ301b、コンデンサ301cから構成されており、所定周期の矩形波信号(パルス信号)を出力する。本実施例では、発振回路301が出力する矩形波信号の周期は4msとなっている。このため、発振回路301が出力する矩形波信号(出力信号A)は、オンが維持されるオン期間とオフが維持されるオフ期間とが2ms毎に繰り返される。
遅延回路302は、抵抗302aとコンデンサ302bから構成されており、主制御部200から入力するソレノイド制御信号を所定時間だけ遅延させて出力する。発振回路301の出力信号Aおよび遅延回路302の出力信号Bは、NAND回路303に入力する。NAND回路303は、発振回路301の出力信号Aおよび遅延回路302の出力信号Bの否定論理積信号Cを出力する。
NAND回路303の出力信号Cおよび主制御部200からのソレノイド制御信号Dは、AND回路304に入力する。AND回路304は、NAND回路303の出力信号Cおよび主制御部200からのソレノイド制御信号Dの論理積信号Eを出力する。AND回路304の出力信号Eは、トランジスタ305のベース端子に入力する。トランジスタ305は、ベース端子にオン信号が入力することで、始動口ソレノイド28cに駆動電圧を印加させるように構成されている。つまり、AND回路304の出力信号Eがソレノイド駆動信号となっており、AND回路304の出力信号Eがオンになっている期間は、始動口ソレノイド28cに駆動電圧が印加される。ダイオード306は、トランジスタ305への逆電流を防止するために設けられている。
図5は、本実施例のソレノイド駆動回路300のタイミングチャートである。上述のように、発振回路301の出力信号Aは所定周期(本実施例では4ms)の矩形波信号となっている。主制御部200からのソレノイド制御信号Dがオフとなっている場合(ソレノイドの駆動を指示しない状態のとき)は、遅延回路302の出力信号Bはオフであり、NAND回路303の出力信号Cはオンとなる。
主制御部200からのソレノイド制御信号Dがオンになると(ソレノイドの駆動を指示する状態のとき)、ソレノイド駆動信号E(AND回路304の出力信号)はオンになる。一方、遅延回路302の出力信号Bは、ソレノイド制御信号Dがオンになってから第1所定期間が経過するまでオフのまま維持され、NAND回路303の出力信号Cはオンのまま維持される。このため、ソレノイド駆動信号E(AND回路304の出力信号)は、主制御部200からのソレノイド制御信号Dがオンになってから第1所定期間が経過するまでオンのまま維持されることとなる。第1所定期間は、ソレノイド28cが作動開始するため、すなわち翼片部を動作させる(開閉部材を変位させる)ために必要な時間として設定される。本実施例では、第1所定期間は発振回路301の矩形波信号のオン期間より長くなるように設定される。本実施例では、ソレノイド制御信号Dがオンになってからソレノイド駆動信号Eがオンのまま維持されるオン期間を「第1期間」としている。第1期間のソレノイド駆動電圧は、始動口ソレノイド28cを作動開始するのに必要な起動電圧となっている。
そして、ソレノイド制御信号Dがオンになってから第1所定期間が経過すると、遅延回路302の出力信号Bがオンになり、NAND回路303の出力信号Cは、発振回路301の出力信号Aが反転した状態の矩形波信号となる。この結果、ソレノイド駆動信号E(AND回路304の出力信号)はNAND回路303の出力信号Cと同一の矩形波信号(出力信号Aを反転させた矩形波信号と同一の矩形波信号)となる。ソレノイド駆動信号E(AND回路304の出力信号)は、ソレノイド制御信号Dがオフになるまで、オン期間とオフ期間が繰り返される矩形波信号のまま維持される。
本実施例では、ソレノイド駆動信号Eがオン期間とオフ期間とを繰り返す矩形波信号となっている期間を「第2期間」としている。第2期間のソレノイド駆動電圧(平均電圧)は、始動口ソレノイド28cの作動状態を保持するのに必要な保持電圧となっている。第2期間では、ソレノイド駆動信号Eがオン期間とオフ期間とを繰り返される矩形波信号となっており、オン期間が第1所定期間より短い第2所定期間となっている。すなわち、第1期間(起動電圧)では単位時間当りにおいて、始動口ソレノイド28cに電圧が印加される期間(駆動信号がオンの期間)が第2期間(保持電圧)と比較して長くされ、第2期間では単位時間当りにおいて、始動口ソレノイド28cに電圧が印加される期間が第1期間より短くされる。これにより、単位時間当りにおける始動口ソレノイド28cへの電圧印加期間が他の期間よりも長い第1期間を設けることによって、翼片部を変位(開閉部材を動作)するためのトルクを確保することができる。即ち、始動口ソレノイド28cを確実に作動させることができる。
また、ソレノイド駆動信号Eがオン期間とオフ期間とを繰り返すことにより、単位時間当りにおける始動口ソレノイド28cへの電圧印加期間を短くした(第1期間と比較して半減した)第2期間を設けた。これにより、第1期間よりは小さいトルクであるものの、翼片部の開状態(始動口ソレノイド28cが動作したままの状態)を維持できる程度のトルクを確保できると共に、始動口ソレノイド28cの作動時間が長くなったとしても、始動口ソレノイド28cの過熱を抑制することができる(電圧印加時間を半減したことによる)。すなわち、始動口ソレノイド28cに直接的又は間接的に接続された翼片部を確実に動作させる(開閉式始動口を確実に開状態とする)と共に、翼片部動作後には始動口ソレノイド28cの駆動信号がオンオフを繰り返すことで単位時間当りの電圧印加期間を抑えて、始動口ソレノイド28cが過剰に過熱されることを防止することができる。また、始動口ソレノイド28cに対して連続して電圧が印加される期間が長い期間を第1期間とし、始動口ソレノイド28cに対して連続して電圧が印加される期間が第1期間よりも短いが、当該短い連続印加期間とオフ期間とを間欠的に繰り返す期間を第2期間とすることができる。また、第1期間においても、連続印加期間が第2期間よりも長い連続印加期間とオフ期間とを間欠的に繰り返してもよい。
次に、本実施例の遊技機1の作動をフローチャートに基づいて説明する。図6は、主制御部200の制御下で行われるメインジョブの一例である。図6に示すメインジョブは、主制御基板200aに実装されたCPU200bが、図示しないROM(CPU200bの内蔵ROMまたは主制御基板200aに実装されるROM)に格納されたプログラムに従って実行するもので、電源投入処理(S100)の後、遊技開始処理(S200)、普通図柄遊技処理(S300)、普通電動役物遊技処理(S400)、特別図柄遊技処理(S500)、大当り遊技処理(S600)の各処理が、タイマリセットされる毎に繰り返し実行される。電源断発生処理(S50)は、停電等によって電源断が発生した場合に、使用レジスタやスタックポインタの保存、払出モータの停止等が行われ、システムリセットが発生した場合に電源投入処理(S100)に移るようになっている。
電源投入処理(S100)は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものであり、電源投入時にはRAM初期化処理等が行われ、電源断復帰時には電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定等が行われ。遊技開始処理(S200)では、各種スイッチ状態の検出、各種乱数の更新、賞球払出制御等が行われる
普通図柄遊技処理(S300)では、まず、普通図柄当否判定を行って、普通図柄表示部51(図2参照)にて普通図柄を当り普通図柄の表示態様で停止表示させるか、外れ普通図柄の表示態様で停止表示させるかを決定する。普通図柄当否判定の結果が得られたら、普通図柄の変動表示を開始する。そして、変動時間が経過すると、決定しておいた表示態様で普通図柄を停止表示させ、普通図柄が当り普通図柄の表示態様で停止表示された場合には、普通電動役物の作動を開始させる(第2始動口28bを開放状態とする)。普通図柄遊技処理では、以上のようにして、普通図柄の変動表示および停止表示を行い、普通図柄が当り普通図柄の表示態様で停止表示された場合には、第2始動口28bを作動させる処理を行う。第2始動口28bが作動すると、一対の翼片部が左右に開動作して、第2始動口28bが開放状態となる。
普通電動役物遊技処理(S400)では、第2始動口28bを開放状態に維持する開放時間が経過したか否かを判定し、開放時間が経過していない場合には、第2始動口28bに規定入賞数の入賞があったか否かを判定する。開放状態にある第2始動口28bに規定入賞数の入賞があったと判定されるか、開放状態にある第2始動口28bの開放時間が経過していると判定された場合には、一対の翼片部が閉動作して、第2始動口28bは通常状態(閉鎖状態)となる。
特別図柄遊技処理(S500)では、始動口28に遊技球が入球したか否かを判定し、入球した場合には、特別図柄保留数を増加させる。特別図柄保留数が1以上の場合には、特別図柄当否判定を行って、特別図柄を大当り図柄の表示態様で停止表示させるか、外れ図柄の表示態様で停止表示させるかを決定する。特別図柄当否判定の結果が得られたら、特別図柄の変動表示を開始する。そして、変動時間が経過すると、決定しておいた態様で特別図柄を停止表示させる。そして、特別図柄の停止図柄が大当り図柄の場合は、作動中の開放時間延長機能、変動時間短縮機能、確率変動機能を終了させ、大当り遊技を開始させる。
大当り遊技処理(S600)では、大入賞口33aを開放させ、所定時間が経過するか規定数の遊技球が大入賞口33aに入球すると、大入賞口33aを閉鎖させる。そして、大入賞口33aが開放してから閉鎖するまでのラウンド遊技を最大継続ラウンド数に到達するまで実行する。大当り遊技の終了時に、開放時間延長機能、変動時間短縮機能、確率変動機能を開始させる処理を行う。
以上説明した本実施例では、主制御部200からのソレノイド制御信号がオンとなっている期間(主制御部がソレノイドの駆動を指示する状態)において、ソレノイド駆動信号のオン期間が第1所定時間に設定される第1期間と、ソレノイド駆動信号のオン期間が第1所定時間より短い第2所定期間に設定されると共に当該オン期間とオフ期間とが交互に設定される第2期間と、を設けることができる。これにより、第1期間ではソレノイド駆動電圧の単位時間当りの印加時間を比較的長時間(起動電圧)とすることができ、第2期間ではソレノイド駆動電圧の単位時間当りの印加時間を比較的短時間(保持電圧)とすることができる。このように、ソレノイド駆動電圧の単位時間当りの印加時間が比較的長時間となる第1期間を設けることによって、比較的大きいトルクが発生する期間を設けて始動口ソレノイド28cを確実に作動開始させることができ、ソレノイド駆動電圧の単位時間当りの印加時間が比較的短時間となる第2期間を設けることによって、始動口ソレノイド28cの作動時間が長くなったとしても、始動口ソレノイド28cの過熱を抑制することができる。
また、本実施例では、ソレノイド制御回路300に、矩形波信号を出力する発振回路301と、ソレノイド制御信号がオンになってから矩形波信号の出力を所定期間だけ遅延させる遅延回路302とを設け、第1期間では、ソレノイド制御信号をソレノイド駆動信号とし、第2期間では、矩形波信号をソレノイド駆動信号としている。これにより、ハードウェア構成によって、オン期間が維持される第1期間と、オン期間およびオフ期間が交互に設定される第2期間とを設けることができる。また、ソレノイド駆動信号の出力波形として、制御信号や矩形波信号の出力波形をそのままの駆動信号としてもよいし、出力パターンの論理を反転させた波形を駆動信号としてもよい。
また、本実施例では、始動口ソレノイド28cの作動を開始させる期間として、ソレノイド駆動信号のオン期間が維持される(単位時間当りの電圧印加時間が長い)第1期間を設定することで、始動口ソレノイド28cの駆動電圧を比較的大きな起動電圧とすることができる。これにより、始動口ソレノイド28cの作動開始時に大きな起動トルクを発生させることができ、始動口28の翼片部を確実に開動作させることができる。
また、本実施例では、始動口ソレノイド28cの作動状態を維持する作動維持期間として、ソレノイド駆動信号がオン期間とオフ期間とを繰り返す矩形波信号となる第2期間を設定することで、始動口ソレノイド28cの作動維持期間には、駆動電圧を(単位時間当りの電圧印加時間が短い)保持電圧に移行することでができる。これにより、始動口28の翼片部の開状態を保持するのに充分な始動口ソレノイド28cの保持トルクを発生させることができ、さらに、始動口ソレノイド28cの作動時間が長くなったとしても、印加状態と非印加状態とを繰り返すことで冷却期間を設け、始動口ソレノイド28cの過熱を抑制することができる。
ここで、本実施例と本発明の構成要素との対応について説明しておくと、「主制御部200」が本発明の「制御手段」に対応し、「ソレノイド駆動回路300」が本発明の「駆動制御手段」に対応している。
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例について説明する。上記第1実施例と同様の部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図7は、本第2実施例のソレノイド駆動回路300の回路図であり、上記第1実施例の図4に対応している。図7に示すように、本第2実施例では、ソレノイド制御回路300には、遅延回路302に代えて、カウンタ回路307が設けられている。
カウンタ回路307は、カウンタ信号を出力するためのカウンタ信号出力端子Q1〜Q10を備えている。これらのカウンタ信号出力端子Q1〜Q10のうち、カウンタ信号出力端子Q1から第1カウンタ信号(第1矩形波信号)が出力され、カウンタ信号出力端子Q10から第2カウンタ信号(第2矩形波信号)が出力される。カウンタ回路307は、クロック端子に発振回路301からの発振信号A(クロック信号)が入力することにより、クロック数のカウントを開始し、カウンタ信号出力端子Q1およびQ10からカウンタ信号を出力する。クロック数のカウントは、クロック信号の立上がりを検知することで行うことができる。
カウンタ回路307の第1カウンタ信号および第2カウンタ信号は、AND回路308に入力する。AND回路308の出力信号はインバータ回路309に入力する。インバータ回路309は、AND回路308からの入力信号を反転して出力する。インバータ回路309の出力信号Gおよび主制御部200からの制御信号Dは、第1AND回路304に入力する。
図8は、本第2実施例のソレノイド駆動回路300のタイミングチャートであり、上記第1実施例の図5に対応している。図8に示すように、第1カウンタ信号出力端子Q1から出力される第1カウンタ信号の周期は8msであり、第2カウンタ信号出力端子Q10から出力される第2カウンタ信号の周期は64msである。
まず、主制御部200からのソレノイド制御信号Dがオンになると、ソレノイド駆動信号E(第1AND回路304の出力信号)がオンになるとともに、カウンタ回路307はリセット解除され、カウントを開始する。このため、カウンタ回路307に発振回路301からのクロック信号が入力されてから(立ち上がってから)、4msが経過した時点で第1カウンタ信号がオンとなり、32msが経過した時点で第2カウンタ信号がオンとなる。
第1カウンタ信号及び第2カウンタ信号の何れか一方がオフの期間は、第2AND回路308の出力信号Fがオフとなり、インバータ回路309の出力信号Gがオンのまま維持される。このため、ソレノイド駆動信号E(AND回路304の出力信号)は、主制御部200からのソレノイド制御信号Dがオンになってから第1所定期間が経過するまでオンのまま維持されることとなる(電圧印加状態が維持される)。
また、第2カウンタ信号がオンとなっている期間は、第2AND回路308の出力信号Fは第1カウンタ信号と同一周期の矩形波信号となり、インバータ回路309の出力信号Gは第2AND回路308の出力信号Fと反転した矩形波信号となる(つまり、第1カウンタ信号を反転させた矩形波信号と同一の矩形波信号となる)。このため、第2カウンタ信号がオンとなっている期間は、ソレノイド駆動信号E(AND回路304の出力信号)は、所定周期の矩形波信号(所定周期でオン期間とオフ期間とが繰り返される期間)となる。
本実施例では、ソレノイド制御信号Dがオンになってから(主制御部がソレノイドの駆動を指示してから)、ソレノイド駆動信号Eがオンのまま維持される期間を「第1期間」としている。そして、第2カウンタ信号がオンとなって、ソレノイド駆動信号E(AND回路304の出力信号)が所定周期の矩形波信号となる期間を「第2期間」としている。第2期間では、ソレノイド駆動信号Eが所定周期の矩形波信号となってオンとオフが繰り返されるため、第2期間の単位時間当りの保持電圧印加期間は、第1期間の単位時間当りの駆動電圧印加期間よりも短くなる。本第2実施例の第2カウンタ信号は、32ms毎にオンとオフが繰り返される。このため、本第2実施例では、制御信号Dがオンになってから、第1期間と第2期間とが32ms毎に交互に繰り返されることとなる。
以上説明した本第2実施例によれば、発振回路301およびカウンタ回路307を設けることで、上記第1実施例と同様、第1期間では始動口ソレノイド28cの駆動電圧として、単位時間当りの電圧印加時間を比較的長くして起動電圧とし、第2期間では始動口ソレノイド28cの駆動電圧として、単位時間当りの電圧印加時間を起動電圧より短くして保持電圧とすることができる。これにより、本第2実施例においても、ソレノイド駆動電圧が始動口ソレノイド28cを動作(可動部材を変位)させる程度の比較的大きなトルクを発生可能な第1期間を設けることによって、始動口ソレノイド28cを確実に作動開始させることができる。また、ソレノイド駆動電圧が、始動口ソレノイド28cの作動状態を維持できる程度の比較的小さいトルクを発生可能な第2期間を設けることによって、始動口ソレノイド28cの作動時間が長くなったとしても、始動口ソレノイド28cの過熱を抑制することができる。
また、本第2実施例では、カウンタ回路307を設けることで、ソレノイド制御信号がオンとなっている期間において、第1期間および第2期間を繰り返し設けるよう構成されている。このため、ソレノイド制御信号がオンとなった直後の第1期間に、球詰り(球噛み)等の何らかの原因により、始動口28の翼片部が開動作を失敗した場合であっても、その後、第1期間が設定される毎にソレノイド駆動電圧が起動電圧となるため、始動口28の翼片部の開動作をリトライすることができ、始動口28の翼片部を確実に開動作させることができる。
また、本第2実施例においても、始動口ソレノイド28cの作動を開始させる期間として、ソレノイド駆動信号のオン期間が維持される第1期間を設定することで、始動口ソレノイド28cの駆動電圧を比較的大きな起動電圧とすることができる。これにより、始動口ソレノイド28cの作動開始時に大きな起動トルクを発生させることができ、始動口28の翼片部を確実に開動作させることができる。
(第3実施例)
次に、本発明の第3実施例について説明する。上記各実施例と同様の部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図9は、本第2実施例のソレノイド駆動回路300の回路図であり、上記第2実施例の図7に対応している。本第3実施例のカウンタ回路307では、カウンタ信号出力端子Q1からの第1カウンタ信号(第1矩形波信号)とカウンタ信号出力端子Q10からの第2カウンタ信号(第2矩形波信号)に加え、カウンタ信号出力端子Q9から第3カウンタ信号(第3矩形波信号)が出力される。
また、本第3実施例では、第2カウンタ信号および第3カウンタ信号の論理和信号Hを出力するOR回路310が設けられている。そして、第1カウンタ信号およびOR回路310の論理和信号Hが第2AND回路308に入力するように構成されている。
図10は、本第3実施例のソレノイド駆動回路300のタイミングチャートであり、上記第2実施例の図8に対応している。図10に示すように、第1カウンタ信号出力端子Q1から出力される第1カウンタ信号の周期は8msであり、第3カウンタ信号出力端子Q9から出力される第3カウンタ信号の周期は32msであり、第2カウンタ信号出力端子Q10から出力される第2カウンタ信号の周期は64msである。
まず、主制御部200からのソレノイド制御信号Dがオンになると、ソレノイド駆動信号E(第1AND回路304の出力信号)がオンになるとともに、カウンタ回路307はリセット解除され、カウントを開始する。このため、カウンタ回路307に発振回路301からのクロック信号が入力されてから(立ち上がってから)、4msが経過した時点で第1カウンタ信号がオンとなり、16msが経過した時点で第3カウンタ信号がオンとなり、32msが経過した時点で第2カウンタ信号がオンとなる。
第2カウンタ信号及び第3カウンタ信号の何れもがオフの期間は、OR回路310の出力信号Hがオフとなって、第2AND回路308の出力信号Fがオフとなり、インバータ回路309の出力信号Gがオンのまま維持される。このため、ソレノイド駆動信号E(AND回路304の出力信号)は、主制御部200からのソレノイド制御信号Dがオンになってから第1所定期間が経過するまでオンのまま維持されることとなる(電圧印加状態が維持される)。
また、第2カウンタ信号及び第3カウンタ信号の何れかがオンとなっている期間は、OR回路310の出力信号Hがオンとなって、第2AND回路308の出力信号Fがオンとなり、第2AND回路308の出力信号Fは第1カウンタ信号と同一周期の矩形波信号となり、インバータ回路309の出力信号Gは第2AND回路308の出力信号Fと反転した矩形波信号となる(つまり、第1カウンタ信号を反転させた矩形波信号と同一の矩形波信号となる)。このため、第2カウンタ信号がオンとなっている期間は、ソレノイド駆動信号E(AND回路304の出力信号)は、所定周期の矩形波信号(所定周期でオン期間とオフ期間とが繰り返される期間)となる。
本実施例では、ソレノイド制御信号Dがオンになっている状態(主制御部がソレノイドの駆動を指示している状態)で、第2カウンタ信号及び第3カウンタ信号の何れもがオフとなり、ソレノイド駆動信号Eがオンのまま維持される期間を「第1期間」としている。そして、第2カウンタ信号及び第3カウンタ信号の何れかがオンとなって、ソレノイド駆動信号E(AND回路304の出力信号)が所定周期の矩形波信号となる期間を「第2期間」としている。
第2期間では、ソレノイド駆動信号Eが所定周期の矩形波信号となってオンとオフが繰り返されるため、第2期間の単位時間当りの保持電圧印加期間は、第1期間の単位時間当りの駆動電圧印加期間よりも短くなる。本第3実施例では、第3カウンタ信号は16ms毎にオンとオフが繰り返され、第2カウンタ信号は32ms毎にオンとオフが繰り返されるため、第2カウンタ信号及び第3カウンタ信号の何れもがオフとなる第1期間が16msに設定され、第2カウンタ信号及び第3カウンタ信号の何れかがオンとなる第2期間が第1期間より長い48msに設定される。このため、本第3実施例では、制御信号Dがオンになってから、第1期間(16ms)と、第1期間より長い第2期間(48ms)とが交互に繰り返されることとなる。
以上説明した本第3実施例では、ソレノイド制御信号がオンとなっている期間中に、単位時間当りの電圧印加時間が比較的長くなる第1期間および単位時間当りの電圧印加時間が比較的短くなる第2期間を繰り返し設ける構成において、第1期間を第2期間より短い期間として設定している。これにより、オン期間が維持される第1期間と第2期間とを交互に発生させて、始動口28の翼片部の開動作を確実に実行すると共に、ソレノイド駆動電圧の単位時間当りの印加時間が比較的長時間となる第1期間を第2期間より短い期間として設定することで、始動口ソレノイド28cの過熱をより確実に抑制することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上記各実施例では、本発明を始動口28を動作させる始動口ソレノイド28cを駆動するソレノイド駆動回路300に適用したが、これに限らず、本発明は始動口28とは異なる可変入賞口(大入賞装置)や可動物(液晶表示装置の周辺、遊技盤面、遊技機枠等に設けられる演出用の可動物)を動作させるためのソレノイドに適用することができる。
また、上記第1実施例では、発振回路301および遅延回路302等を用いたハードウェア構成によって、ソレノイド駆動信号がオンのまま維持される第1期間と、ソレノイド駆動信号が矩形波信号となる第2期間を設定するように構成したが、これに限らず、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成された制御装置を用い、制御用プログラムに従ったソフトウェア的な演算処理を実行することによって、第1期間および第2期間を設定するように構成してもよい。
同様に、上記第2実施例では、発振回路301およびカウンタ回路307等を用いたハードウェア構成によって、第1期間と第2期間を交互に設定するように構成したが、これに限らず、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成された制御装置を用い、制御用プログラムに従ったソフトウェア的な演算処理を実行することによって、第1期間および第2期間を交互に設定するように構成してもよい。
また、上記各実施例では、第1期間ではソレノイド駆動信号がオンのまま維持されるように構成したが、これに限らず、第1期間を矩形波信号から構成してもよい。この場合は、第2期間の1周期のオン時間が第1期間の1周期のオン時間より短くなっていればよく、第2期間の平均電圧が第1期間の平均電圧より低くなっていればよい。
また、上記各実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を「貸球」や「賞球」として利用し、遊技盤に設けられた各種入賞口(第1始動口、第2始動口、大入賞口等)への遊技球の入球に応じて所定数の賞球を払い出すことによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与する遊技機(パチンコ機)に本発明を適用した例を説明したが、「賞球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。
例えば、各種入賞口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを主制御部あるいは払出制御部のRAMに記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプの遊技機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上記実施例と同様の効果を得ることができる。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプの遊技機としては、遊技機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入賞口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成された遊技機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。