JP2896271B2 - 変動入賞装置の制御回路及び開閉制御方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、パチンコ機等の遊技機
に設けられるチューリップやアタッカー等の変動入賞装
置における開閉片の開閉制御に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】パチンコ機等の変動入力装置としてのチ
ューリップやアタッカー等における開閉片の開閉制御
は、今日では、マイクロコンピュータにより所定の条件
が達成された時から次の条件が揃うまで開閉制御ソレノ
イドに通電して開閉片の開放を持続させるものがあり、
図５に示す様に、マイクロコンピュータ１０の特定出力
をインターフェース１３に入力し、インターフェース１
３の出力をスイッチングトランジスタ１８等のドライバ
ー１５に制御信号として入力し、ドライバー１５を介し
て電源１９からの電圧を開閉制御ソレノイド５０に印加
し、以て可動鉄心５３をソレノイド５０内に吸引して可
動棒５５をスプリング等の弾性体５８に抗して押圧移動
させ、リンクバー５７を作動させることによりリンク機
構を介して変動入賞装置の開閉片を押し開き、又、ドラ
イバー１５により開閉制御ソレノイド５０への通電を遮
断することにより、弾性体５８の復元力によって開閉片
を閉じる様にしている。

【０００３】尚、インターフェース１３から出力される
開放信号としての制御信号がＨレベルかＬレベルかによ
り、又、スイッチングトランジスタ１８の形式により、
図７に示した様にドライバー１５としてはスイッチング
トランジスタ１８の他、インバータ１６や制限抵抗器１
７を適宜に組み込んでいる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記開閉制御ソレノイ
ドは、弾性体を変形させて開閉片を押し開き、又、遊技
球が開閉片に衝突した場合でも、衝撃によって開閉片が
閉じない様に開放を維持する為に可動鉄心を強力に引き
付けなければならず、開閉制御ソレノイドに流す電流値
が大きくなり、小型のソレノイドでは発熱によりソレノ
イドの取付部や取付部周辺のプラスチックを変形させる
ことが有った。

【０００５】特に、近年変動入賞装置はデザインや量産
性に優れたプラスチック製のものが多用され、上記欠点
を排除する為には開閉制御ソレノイドを大型化しなけれ
ばならず、スペースを確保しなければならない問題が生
じる欠点が有った。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

【０００７】請求項１に記載した本発明は、ソレノイド
によりリンク機構を介して開閉制御される開閉片を有す
る変動入賞装置の制御回路であって、条件の達成により
開放信号を出力するマイクロコンピュータと、電圧の異
なる第１電源及び第２電源と、前記第１電源と前記ソレ
ノイドとの間に挿入され、前記開放信号が入力されたと
き、開放信号の入力中は、短時間だけ高電圧の第１電源
電圧を前記ソレノイドに印加することを周期的に繰り返
す第１ドライバーと、前記第２電源と前記ソレノイドと
の間に挿入され、前記開放信号が入力されたとき、開放
信号の入力中は低電圧の第２電源電圧を前記ソレノイド
に印加する第２ドライバーと、を有する遊技機における
変動入賞装置の制御回路とし、第２電源電圧の印加中
に、第１電源電圧を周期的に畳重するものである。

【０００８】又、請求項２に記載した発明も、第２電源
電圧の印加中に、第１電源電圧を周期的に畳重するもの
であって、遊技機における変動入賞装置の開閉片を開閉
制御するに際し、開放信号に基づいて開閉制御ソレノイ
ドに電圧を印加することにより開閉制御ソレノイドの可
動棒を作動させて開閉片を開放する制御方法において、
開放信号出力開始時に開閉制御ソレノイドに印加する電
圧を、開放信号の出力開始直後に低下させ、降下させた
電圧を開放信号出力開始時の電圧へ短時間だけ戻すこと
を周期的に繰り返して開閉片の開放を開放信号の出力終
了迄持続させる変動入賞装置の開閉制御方法とするもの
である。

【０００９】

【作 用】請求項１に記載した本発明は、条件の達成に
より開放信号を出力するマイクロコンピュータと、電圧
の異なる第１電源及び第２電源と、前記第１電源と前記
ソレノイドとの間に挿入され、開放信号の入力中は短時
間だけ高電圧の第１電源電圧を前記ソレノイドに印加す
ることを周期的に繰り返す第１ドライバーと、前記第２
電源と前記ソレノイドとの間に挿入され、開放信号の入
力中は低電圧の第２電源電圧を前記ソレノイドに印加す
る第２ドライバーと、を有する遊技機における変動入賞
装置の制御回路とするから、開閉制御ソレノイドへの通
電に際し、最初に高電圧を印加して強力に可動鉄心を吸
引して可動棒を作動させ、以後、電位の低い第２電源電
圧を周期的に印加し、開閉制御ソレノイドの作動状態を
維持しつつ、ソレノイド作動中の平均電流値を小さくす
ることができる。

【００１０】又、請求項２に記載した発明は、遊技機に
おける変動入賞装置の開閉片を開閉制御するに際し、開
放信号に基づいて開閉制御ソレノイドに電圧を印加する
ことにより開閉制御ソレノイドの可動棒を作動させて開
閉片を開放する制御方法において、開放信号出力開始時
に開閉制御ソレノイドに印加する電圧を、開放信号の出
力開始直後に低下させ、降下させた電圧を開放信号出力
開始時の電圧へ短時間だけ戻すことを周期的に繰り返し
て開閉片の開放を開放信号の出力終了迄持続させる変動
入賞装置の開閉制御方法とするから、請求項２の発明と
同様に、最初に高電圧を印加して強力に可動鉄心を吸引
して可動棒を作動させ、以後、電位の低い第２電源電圧
を周期的に印加し、開閉制御ソレノイドの作動状態を維
持しつつ、ソレノイド作動中の平均電流値を小さくする
ことができる。

【００１１】

【実施例】本発明に係る制御回路の第１実施例は、図１
に示す様に、電圧の異なる２種類の電源を用いて、開閉
制御ソレノイド５０に通電を行なうものである。この実
施例は、インターフェース１３からの信号線を発振器４
３を介して３０ボルトの第１電源６１の通電制御を行な
う第１スイッチングトランジスタ２５に接続し、且つ、
前記インターフェース１３からの信号線を１２ボルトの
第２電源６２の通電制御を行なう第２スイッチングトラ
ンジスタ３５に接続し、前記第１スイッチングトランジ
スタ２５のコレクタを第１ダイオード２７を介して開閉
制御ソレノイド５０に、又、第２スイッチングトランジ
スタ３５のコレクタも同様に第２ダイオード３７を介し
て開閉制御ソレノイド５０に接続するものである。

【００１２】尚、本実施例においてもスイッチングトラ
ンジスタの特性及び印加電圧の条件等に合わせて発振器
４３と第１スイッチングトランジスタ２５との間に第１
インバータ２１及び制限抵抗器２３を挿入し、インター
フェース１３からの信号線がリセット端子に接続される
発振器４３や第１インバータ２１及び第１スイッチング
トランジスタ２５などによる第１ドライバー２９を形成
し、又、インターフェース１３と第２スイッチングトラ
ンジスタ３５との間に第２インバータ３１及び制限抵抗
器３３を挿入して第２インバータ３１や第２スイッチン
グトランジスタ３５などによる第２ドライバー３９を形
成している。

【００１３】従ってこの回路例の作動は、図２に示す様
に、インターフェース１３の出力であるＡ信号に変動入
賞装置の開放信号が出力されると、この開放信号により
第２スイッチングトランジスタ３５が導通し、第２ダイ
オード３７の入力となるＣ信号は１２ボルトに昇圧さ
れ、この第２電源６２の電圧が第２ダイオード３７を介
して開閉制御ソレノイド５０に印加されることとなる。
そして、この第２ダイオード３７を介した第２ドライバ
ーによる第２電源電圧の印加は、開放信号の出力中持続
されるものである。

【００１４】又、第１ドライバー２９における発振器４
３は、開放信号がリセット端子に入力されると発振器４
３のリセット状態が解除され、例えばパルス幅を数百ミ
リセカンドとするＨパルスを１ヘルツ乃至数ヘルツの周
期で出力するものを用いれば、第１ドライバー２９によ
って、開放信号の出力開始時に第１電源６１の電圧を印
加する他、開放信号の出力中は周期的に第１電源６１の
電圧を印加することができ、開閉制御ソレノイド５０に
流す平均電流値を小さくしつつ、遊技球が開閉片に当
り、衝撃によって開閉片が閉じる場合でも直ちに開閉片
を再度開くことができる。

【００１５】従って、Ｂ信号に３０ボルトの電圧が生じ
るとき、Ｄ信号は第１ダイオード２７及び第２ダイオー
ド３７の作用によりＢ信号と同じ３０ボルトとなって開
閉制御ソレノイド５０への印加電圧は３０ボルトとな
り、この第１電源電圧を開閉制御ソレノイド５０に印加
するに際しては、開放信号の出力中は周期的に第１電源
６１の電圧を印加することができ、開閉制御ソレノイド
５０に流す平均電流値を小さくしつつ、遊技球が開閉片
に当り、衝撃によって開閉片が閉じる場合でも直ちに開
閉片を再度開くことができる。

【００１６】尚、第１電源６１の電圧である３０ボルト
は、従来の変動入賞装置における開閉制御ソレノイド５
０にドライバー１５におけるスイッチングトランジスタ
１８を介して印加していた電圧と同じ電圧である。この
様に、本実施例は、マイクロコンピュータ１０の制御に
よりインターフェース１３から開放信号が出力された
時、開放信号の出力中は周期的に第１ドライバー２９の
第１スイッチングトランジスタ２５を導通させることに
より、従来と同じ電圧に設定した第１電源６１の電圧を
開放制御ソレノイド５０に印加し、且つ、インターフェ
ース１３からの開放信号により第２ドライバー３９の第
２スイッチングトランジスタ３５を導通させて第１電源
６１電圧よりも低い電圧に設定された第２電源６２の電
圧を開閉制御ソレノイド５０に印加するものであり、発
振器４３により発生するＨパルスの短時間だけ繰り返し
て従来と同様の３０ボルトを開閉制御ソレノイド５０に
印加し、平均電流値を小さくした電流を開閉制御ソレノ
イド５０に印加することができる。

【００１７】本実施例は、この様に第１電源６１の電圧
を印加して可動鉄心５３を吸引することにより、弾性体
５８を変形させつつ可動棒５５を移動させてリンクバー
５７を作動させることによりリンク機構を介してアタッ
カーの開閉片を開き、開閉片を開いた後は開閉制御ソレ
ノイド５０に印加する電圧を第２電源６２の電圧に降下
させて可動鉄心５３の吸引状態を持続させる制御回路と
している故、開閉制御ソレノイド５０に流れる総電流値
を従来よりも小さくし、開閉制御ソレノイド５０の発熱
を防止することができるものである。

【００１８】更に、本実施例は短時間だけ大電圧、大電
流を印加し、弾性体５８を変形させてアタッカーの開閉
片を開く時には可動鉄心５３を強力に吸引するものであ
って、開閉片の開放持続に際しては、吸引した可動鉄心
５３を弾性体５８の力に抗して吸引位置に吸引固定して
おくことは比較的小さな力で可能である故、開閉制御ソ
レノイド５０を小型化することもできる。

【００１９】又、変動入賞装置の内、チューリップの如
く開閉片を左右に開いて入賞確率を高めるものは、遊技
球が開閉片の外側に当り、衝撃で開閉片を閉じようとす
ることがあるも、開放信号の出力中は周期的に大電圧を
印加することができ、変動入賞装置の開放中に遊技球等
の衝撃により変動入賞装置の開閉片を閉じてしまうこと
がないようにすることができる。

【００２０】そして、周期的に開閉制御ソレノイド５０
に印加する電圧を変化させるに際しては、第１ドライバ
ー２９や第２ドライバー３９の第１スイッチングトラン
ジスタ２５及び第２スイッチングトランジスタ３５を制
御するに際し、図３に示す様に、論理回路４５，４７を
用いて開放信号の出力中は交互に第１スイッチングトラ
ンジスタ２５及び第２スイッチングトランジスタ３５を
導通させることもでき、又、図４に示す様に、マイクロ
コンピュータ１０により制御されるインターフェース１
３から直接第１スイッチングトランジスタ２５及び第２
スイッチングトランジスタ３５に開放信号を入力するこ
ととし、プログラムにより第１電源電圧の印加時間及び
印加タイミングを制御することもできる。

【００２１】尚、高電圧とされた第１電源６１の電圧遮
断を制御する第１スイッチングトランジスタ２５と開閉
制御ソレノイド５０との間に挿入する第１ダイオード２
７は省略することもあり、又、開閉制御ソレノイド５０
への過電圧を防止する保護回路を適宜に挿入することも
ある。

【００２２】

【発明の効果】請求項１及び請求項２に記載した本発明
は、パチンコ台等の変動入賞装置の開閉片を開閉制御す
るに際して、開放信号の出力開始時は開閉制御ソレノイ
ドに従来と同様の大電圧を印加するも、開放信号の出力
開始直後には印加電圧を降下させ、降下後周期的に電圧
を戻す制御回路及び開閉制御方法である故、開閉片に開
放動作をさせる時は、充分な電圧電流を開閉制御ソレノ
イドに印加し、開閉片を開放状態に維持する時は、開閉
制御ソレノイドに印加する電圧を小さくして平均消費電
流を減少させ、開閉制御ソレノイドの発熱を防止し、
又、小型のソレノイドによって変動入賞装置を作動させ
ることができる利点を有する制御回路及び制御方法であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る方法を実施する為の回路例を示す
図。

【図２】本発明に係る方法を実施する為の回路例におけ
る各信号を示すタイムチャート図。

【図３】本発明に係る方法を実施する他の回路例を示す
図。

【図４】本発明に係る方法を実施する為のその他の回路
例を示す図。

【図５】従来の変動入力装置の開閉制御を行なう回路例
を示す図。

【符号の説明】

１０ マイクロコンピュータ １３ インターフ
ェース １５ ドライバー １８，２５，３５ スイッチングトランジスタ ２９ 第１ドライバー ３９ 第２ドライバー ４１ パルス発生器 ４３ 発振器 ５０ 開閉制御ソレノイド

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ソレノイドによりリンク機構を介して開
   閉制御される開閉片を有する変動入賞装置の制御回路で
   あって、 所定の条件が達成することにより開放信号を出力するマ
   イクロコンピュータと、 電圧の異なる第１電源及び第２電源と、 前記第１電源と前記ソレノイドとの間に挿入され、前記
   開放信号が入力されたとき、開放信号の入力中は、短時
   間だけ高電圧の第１電源電圧を前記ソレノイドに印加す
   ることを周期的に繰り返す第１ドライバーと、 前記第２電源と前記ソレノイドとの間に挿入され、前記
   開放信号が入力されたとき、開放信号の入力中は低電圧
   の第２電源電圧を前記ソレノイドに印加する第２ドライ
   バーと、 を有することを特徴とする遊技機における変動入賞装置
   の制御回路。
2. 【請求項２】 遊技機における変動入賞装置の開閉片を
   開閉制御するに際し、開放信号に基づいて開閉制御ソレ
   ノイドに電圧を印加することにより開閉制御ソレノイド
   の可動棒を作動させて開閉片を開放する制御方法におい
   て、開放信号出力開始時に開閉制御ソレノイドに印加す
   る電圧を、開放信号の出力開始直後に低下させ、降下さ
   せた電圧を開放信号出力開始時の電圧へ短時間だけ戻す
   ことを周期的に繰り返して開閉片の開放を開放信号の出
   力終了迄持続させることを特徴とする変動入賞装置の開
   閉制御方法。