本発明に係る携帯端末装置の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る携帯端末装置の一例である折り畳み式の携帯電話機1の外観の構成を示す図である。図1(A)は、携帯電話機1を約180度に開いた開状態のときの正面から見た外観の構成を示し、図1(B)は、携帯電話機1を開状態としたときの側面から見た外観の構成を示す。
図1(A)および(B)に示されるように、携帯電話機1は、中央のヒンジ部11を境に第一の筐体12と第二の筐体13とがヒンジ結合されており、ヒンジ部11を介して矢印X方向に折り畳み可能に形成される。携帯電話機1の内部の所定の位置には、送受信用のアンテナ(後述する図3のアンテナ31)が設けられており、内蔵されたアンテナを介して基地局(図示せず)との間で電波を送受信する。
第一の筐体12には、その表面に操作キー14が設けられる。操作キー14は、特に、「0」から「9」の数字や「あ」行から「わ」行のかな、「A」から「Z」のアルファベットの入力が可能な数字キー15や、上下左右方向キーを備えた十字キー16、確定キー17、左ソフトキー18、右ソフトキー19などで構成される。
十字キー16は、上下左右方向に操作されることによりメインディスプレイ23に表示されたカーソルなどを上下左右方向に移動させることができる。また、確定キー17が押下されることにより、種々の処理の確定処理が実行される。確定キー17には、メインディスプレイ23の下部に設けられた確定キー機能表示部23aに表示される処理も割り当てられる。
さらに、第一の筐体12の十字キー16および確定キー17の上部には、左ソフトキー18および右ソフトキー19が設けられる。第一の筐体12の側面には、携帯電話機1の操作を行うサイドキー20が設けられる。左ソフトキー18、右ソフトキー19およびサイドキー20は、第一の筐体12の内部方向に押下されることによって、それぞれ所定の処理が割り当てられている。特に左ソフトキー18および右ソフトキー19は、メインディスプレイ23の下部に設けられた左ソフトキー機能表示部23bおよび右ソフトキー機能表示部23cに表示される処理が割り当てられる。
第一の筐体12には、操作キー14の下部にマイクロフォン24が設けられており、マイクロフォン24によって通話時のユーザの音声を集音する。
なお、第一の筐体12は、背面側に図示しないバッテリパックが挿着されており、終話・電源キーが押下されてオン状態になると、バッテリパックから各回路部に対して電力が供給されて動作可能な状態に起動する。
一方、第二の筐体13には、その大部分の面積を占めるメインディスプレイ23が設けられており、電波の受信状態、電池残量の他、電子メールの内容、簡易ホームページなどを表示することができる。なお、メインディスプレイ23は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイ、無機ELディスプレイにより構成されるディスプレイである。メインディスプレイ23は、表示手段として機能する。
第二の筐体13のメインディスプレイ23の上部の所定の位置にはレシーバ(受話器)25が設けられており、これにより、ユーザは音声通話することが可能である。なお、携帯電話機1の所定の位置には、レシーバ25以外の音声出力部としてのスピーカ(図3のスピーカ46)も設けられている。さらに、第二の筐体13のレシーバ25上部には、内部CCDカメラ26が設けられており、これにより、所望の撮影対象を撮影することができる。
図2は、本発明に係る携帯端末装置の一例である折り畳み式の携帯電話機1の他の外観の構成を示す図である。図2の携帯電話機1は、図1の携帯電話機1の状態から矢印X方向に回動させた閉状態を構成する。図2(A)は、携帯電話機1が閉状態のときの正面から見た外観の構成を示し、図2(B)は、携帯電話機1が閉状態のときの側面から見た外観の構成を示す。
第二の筐体13の上部には、外部CCDカメラ27が設けられており、これにより、所望の撮影対象を撮影することができる。本実施形態における内部CCDカメラ26は撮影手段として機能する。外部CCDカメラ27の下部には、例えばLCDで構成されるサブディスプレイ28が設けられており、現在のアンテナの感度のレベルを示すアンテナピクト、携帯電話機1の現在の電池残量を示す電池ピクト、現在の時刻などが表示される。
図3は、本実施形態における携帯電話機1の内部の構成を示す図である。図示せぬ基地局から送信されてきた無線信号は、アンテナ31で受信された後、アンテナ共用器(DUP)32を介して受信回路(RX)33に入力される。受信回路33は、受信された無線信号を周波数シンセサイザ(SYN)34から出力された局部発振信号とミキシングして中間周波数信号に周波数変換(ダウンコンバート)する。そして、受信回路33は、このダウンコンバートされた中間周波数信号を直交復調して受信ベースバンド信号を出力する。なお、周波数シンセサイザ34から発生される局部発振信号の周波数は、制御部41から出力される制御信号SYCによって指示される。
受信回路33からの受信ベースバンド信号は、CDMA信号処理部36に入力される。CDMA信号処理部36は、図示せぬRAKE受信機を備える。このRAKE受信機では、受信ベースバンド信号に含まれる複数のパスがそれぞれの拡散符号(すなわち、拡散された受信信号の拡散符号と同一の拡散符号)で逆拡散処理される。そして、この逆拡散処理された各パスの信号は、位相が調停された後、コヒーレントRake合成される。Rake合成後のデータ系列は、デインタリーブおよびチャネル復号(誤り訂正復号)が行われた後、2値のデータ判定が行われる。これにより、所定の伝送フォーマットの受信パケットデータが得られる。この受信パケットデータは、圧縮伸張処理部37に入力される。
圧縮伸張処理部37は、DSP(Digital Signal Processor)などにより構成され、CDMA信号処理部36から出力された受信パケットデータを図示せぬ多重分離部によりメディアごとに分離し、分離されたメディアごとのデータに対してそれぞれ復号処理を行う。例えば通話モードにおいては、受信パケットデータに含まれる通話音声などに対応するオーディオデータをスピーチコーデックにより復号する。また、例えばテレビ電話モードなどのように、受信パケットデータに動画像データが含まれていれば、この動画像データをビデオコーデックにより復号する。さらに、受信パケットデータがダウンロードコンテンツであれば、このダウンロードコンテンツを伸張した後、伸張されたダウンロードコンテンツを制御部41に出力する。
復号処理により得られたディジタルオーディオ信号はPCMコーデック38に供給される。PCMコーデック38は、圧縮伸張処理部37から出力されたディジタルオーディオ信号をPCM復号し、PCM復号後のアナログオーディオデータ信号を受話増幅器39に出力する。このアナログオーディオ信号は、受話増幅器39にて増幅された後、レシーバ25やスピーカ46により出力される。
圧縮伸張処理部37によりビデオコーデックにて復号されたディジタル動画像信号は、制御部41に入力される。制御部41は、圧縮伸張処理部37から出力されたディジタル動画像信号に基づく動画像を、図示せぬビデオRAM(例えばVRAMなど)を介してメインディスプレイ23に表示させる。なお、制御部41は、受信された動画像データだけでなく、CCDカメラ26、27(内部CCDカメラ26、外部CCDカメラ27)により撮像された動画像データに関しても、図示せぬビデオRAMを介してメインディスプレイ23に表示させることも可能である。
また、圧縮伸張処理部37は、受信パケットデータが電子メールである場合、この電子メールを制御部41に供給する。制御部41は、圧縮伸張処理部37から供給された電子メールを記憶部42に記憶させる。そして、制御部41は、ユーザによる入力部としての操作キー14の操作に応じて、記憶部42に記憶されているこの電子メールを読み出し、読み出された電子メールをメインディスプレイ23に表示させる。
一方、通話モードにおいて、マイクロフォン24に入力された話者(ユーザ)の音声信号(アナログオーディオ信号)は、送話増幅器40により適正レベルまで増幅された後、PCMコーデック38によりPCM符号化される。このPCM符号化後のディジタルオーディオ信号は、圧縮伸張処理部37に入力される。また、CCDカメラ26、27から出力される動画像信号は、制御部41によりディジタル化されて圧縮伸張処理部37に入力される。さらに、制御部41にて作成されたテキストデータである電子メールも、圧縮伸張処理部37に入力される。
圧縮伸張処理部37は、PCMコーデック38から出力されたディジタルオーディオ信号を所定の送信データレートに応じたフォーマットで圧縮符号化する。これにより、オーディオデータが生成される。また、圧縮伸張処理部37は、制御部41から出力されたディジタル動画像信号を圧縮符号化して動画像データを生成する。そして、圧縮伸張処理部37は、これらのオーディオデータや動画像データを図示せぬ多重分離部で所定の伝送フォーマットに従って多重化した後にパケット化し、パケット化後の送信パケットデータをCDMA信号処理部36に出力する。なお、圧縮伸張処理部37は、制御部41から電子メールが出力された場合にも、この電子メールを送信パケットデータに多重化する。
CDMA信号処理部36は、圧縮伸張処理部37から出力された送信パケットデータに対し、送信チャネルに割り当てられた拡散符号を用いてスペクトラム拡散処理を施し、スペクトラム拡散処理後の出力信号を送信回路(TX)35に出力する。送信回路35は、スペクトラム拡散処理後の信号をQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式などのディジタル変調方式を使用して変調する。送信回路35は、ディジタル変調後の送信信号を、周波数シンセサイザ34から発生される局部発振信号と合成して無線信号に周波数変換(アップコンバート)する。そして、送信回路35は、制御部41により指示される送信電力レベルとなるように、このアップコンバートにより生成された無線信号を高周波増幅する。この高周波増幅された無線信号は、アンテナ共用器32を介してアンテナ31に供給され、このアンテナ31から図示せぬ基地局に向けて送信される。また、携帯電話機1には、現在の正確な時刻や所定の時間を測定する時計回路45が設けられている。
制御部41は、CPU(central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などからなり、CPUは、ROMに記憶されているプログラムまたは記憶部42からRAMにロードされた各種のアプリケーションプログラムに従って各種の処理を実行するとともに、種々の制御信号を生成し、各部に供給することにより携帯電話機1を統括的に制御する。RAMは、CPUが各種の処理を実行する上において必要なデータなどを適宜記憶する。また、制御部41はビデオRAMも備え、メインディスプレイ23に表示される映像に関する情報が一時的に格納される。
記憶部42は、例えば、電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるフラッシュメモリ素子やHDD(Hard Disc Drive)などからなり、制御部41のCPUにより実行される種々のアプリケーションプログラムや種々のデータ群を格納している。電源回路44は、バッテリ43の出力を基に所定の動作電源電圧Vccを生成して各回路部に供給する。
ワンセグ放送受信部48は、図示せぬ放送局からの地上波ディジタルワンセグ放送波や地上波ディジタルラジオ放送波を受信し、受信された地上波ディジタルワンセグ放送波や地上波ディジタルラジオ放送波に基づくTS(Transport Stream)信号をワンセグ処理部49に供給する。ワンセグ処理部49は、ワンセグ放送受信部48にて地上波ディジタルワンセグ放送波が受信された場合、ワンセグ放送受信部48から供給された地上波ディジタルワンセグ放送波に基づくTS信号から、音声データと映像データに関するES(Elementary Stream)にそれぞれ分離し、分離された音声データをワンセグ処理部49内の音声デコーダ(図示せず)にて所定の復号化方式でデコードするとともに、分離された映像データをワンセグ処理部49内の映像デコーダ(図示せず)にて所定の復号化方式でデコードし、デコード後のディジタル音声信号とディジタル動画像信号を制御部41に供給する。
本実施形態における携帯電話機1は、メインディスプレイ23とユーザの顔との距離に応じて、メインディスプレイ23に表示されているテキストや映像などのデータのズーム倍率を自動で制御することができるようになっている。以下、具体的なズーム倍率制御処理について説明する。
まず、ズーム倍率制御処理の前提となる基準値情報設定処理について説明する。
図4は、本実施形態における携帯電話機1の制御部41により実行される基準値情報設定処理を説明するフローチャートである。
ステップS1において、制御部41は、基準値情報設定処理を開始する指示を受け付ける。ステップS2において、制御部41は、撮影手段としての内部CCDカメラ26を起動する。ステップS3において、制御部41は、携帯電話機1のユーザに対し、通常使用時の位置で携帯電話機1を保持することを促す旨を通知する。例えば、制御部41は、「通常使用時の位置で端末を持ってください」などの記述が表示されたポップアップをメインディスプレイ23に表示させることで、通知を行う。ユーザは、この通知を受けることにより、通常使用時の位置で携帯電話機1を保持し、制御部41は、内部CCDカメラ26からユーザの顔の輪郭を撮影した画像データの供給を受けることが可能となる。
ステップS4において、制御部41は、内部CCDカメラ26で撮影された画像から、メインディスプレイ23を視認するユーザの顔の輪郭周が判断できるか否かの判断を行う。制御部41は、ユーザの顔の輪郭周が判断できないと判定した場合、処理は通知ステップS3に戻り、再度通知処理を行う。
一方、制御部41は、ユーザの顔の輪郭周が判断できると判定した場合、ステップS5において、内部CCDカメラ26で撮影された画像からユーザの顔の輪郭周を測定し、この輪郭周を基準値情報として取得する。ステップS6において、制御部41は、取得した基準値情報を記憶部42などに記憶して登録を行う。以上で基準値情報設定処理を終了する。
次に、基準値情報設定処理で設定された基準値情報をもとに実行される、ズーム倍率制御処理について説明する。
図5は、本実施形態における携帯電話機1の制御部41により実行されるズーム倍率制御処理を説明するフローチャートである。ズーム倍率制御処理は、メインディスプレイ23にテキストや映像などのデータが表示されている際に実行される処理である。具体的には、携帯電話機1でテレビ電話機能、電子メール機能、インターネット閲覧機能、ワンセグ放送視聴機能など、画像閲覧機能、動画閲覧機能などの各機能が実行されている場合において、メインディスプレイ23に表示されたテキストや映像などのデータが表示されている場合に実行される。
ステップS11において、制御部41は、ズーム倍率制御モードがオンに設定されているか否かの判定を行う。携帯電話機1は、ズーム倍率制御モードのオン・オフの設定を、例えばメニュー画面やサブメニュー画面などから受け付けるようになっている。制御部41は、ズーム倍率制御モードがオフに設定されていると判定した場合、オンに設定されるまで処理を待機する。
制御部41は、ズーム倍率制御モードがオンになっていると判定した場合、ステップS12において、内部CCDカメラ26を起動する。この後、制御部41は、携帯電話機1を保持しメインディスプレイ23に表示されたテキストや映像などのデータを視認中であるユーザの、顔の輪郭を撮影した画像データの供給を受けることが可能となる。
ステップS13において、制御部41は、内部CCDカメラ26で撮影された画像から、メインディスプレイ23を視認するユーザの顔の輪郭周が判断できるか否かの判断を行う。制御部41は、ユーザの顔の輪郭周が判断できないと判定した場合、ユーザの顔の輪郭周が判断できるまで待機する。
一方、制御部41は、ユーザの顔の輪郭周が判断できると判定した場合、ステップS14において、ユーザの顔の輪郭周を測定し、測定値情報として取得する。制御部41は、ステップS14においては、メインディスプレイ23を視認するユーザと、メインディスプレイ23との距離に関する情報に、測定されたユーザの顔の輪郭周を用い、測定値情報として取得する。
ステップS15において、制御部41は、測定値情報取得ステップS14において取得した測定値情報と、図4の基準値情報設定処理の基準値情報登録ステップS6において記憶部42などに記憶された基準値情報とを比較し、差異量を取得する。制御部41は、ユーザの顔の輪郭周に関する情報である、測定値情報と基準値情報から輪郭周の比(測定値情報の輪郭周/基準値情報の輪郭周)を、差異量として取得する。
ステップS16において、制御部41は、現在実行中の機能(シーン)の判定を行う。制御部41は、現在のシーンに応じて、後述するズーム倍率制御ステップS19においては異なるズーム倍率制御を行うようになっている。
ステップS17において、制御部41は、ズーム倍率制御のうち、現在設定されているズームモードの判定を行う。ズームモードには一または複数のモードがある。これらのズームモードは、それぞれ測定値情報と基準値情報との差異量と、少なくともズーム倍率とが関連付けられたテーブルを有している。ステップS18において、制御部41は、判定されたズームモードが有するテーブルを参照する。制御部41は、該当するズームモードのテーブルのうち、差異量取得ステップS15において取得された差異量に関連付けられたズーム倍率などを参照する。ズームモードおよびズームモードが有するテーブルの詳細な説明については後述する。
ステップS19において、制御部41は、テーブル参照ステップS18において参照したズーム倍率に応じて、メインディスプレイ23に表示されたテキストや映像などのデータのズーム倍率などを制御する。このとき、制御部41は、シーン判定ステップS16で判定された現在のシーンに応じて、各シーンに適した異なるズーム倍率制御を行う。
図6は、現在のシーンがテレビ電話機能実行中であると判定された場合のズーム倍率制御例を説明する遷移図である。制御部41は、現在テレビ電話機能が実行されていると判定した場合、メインディスプレイ23に表示された全ての映像データのズーム倍率を制御するのではなく、図6に示すように、携帯電話機1のユーザの映像データが表示されたユーザ映像表示領域51のズーム倍率は維持し、通話相手の映像データが表示された通話相手映像表示領域52に表示された映像データのみズーム倍率を制御する。このように制御することで、携帯電話機1のユーザの映像が表示されているユーザ映像表示領域51が隠れることを避けることができる。
図7は、現在のシーンが、インターネット閲覧機能実行中であると判定された場合のズーム倍率制御例を説明する遷移図である。制御部41は、現在インターネット閲覧機能が実行されていると判定した場合、メインディスプレイ23に表示されたWebページのうち、フォーカスされている位置を中心にして、Webページのズーム倍率を制御する。フォーカスされている位置は、例えばカーソル53が当てられている位置が該当する。図7に示す遷移例は、インターネット閲覧機能実行中であるシーンの他にも、電子メール機能など、メインディスプレイ23に表示されたデータのフォーカスの位置が判定される場合には適用される。
また、フォーカスの位置が判定できないその他のシーンにおけるズーム倍率制御処理においては、メインディスプレイ23に表示されたデータの中心位置を中心にして、データのフォーカスを行うことができる。
ステップS20において、制御部41は、ズーム倍率制御モードがオフに設定されたか否かの判定を行う。制御部41は、ズーム倍率制御モードがオフに設定されたと判定した場合、ズーム倍率制御処理を終了する。一方、制御部41は、ズーム倍率制御モードが依然としてオンに設定されていると判定した場合、処理は測定値情報取得ステップS14に戻り、ズーム倍率制御モードがオフに設定されたと判定するまで以降の処理を繰り返す。以上でズーム倍率制御処理の説明を終了する。
図8は、ズーム倍率制御処理において設定可能なズームモードが有するテーブルの一例を示す図である。図8(A)は、スタンダードモードのテーブル、(B)は、2倍モードのテーブル、(C)は、老眼モードのテーブルの一例を示す図である。
各ズームモードのテーブルには、測定値情報の輪郭周と基準値情報の輪郭周との比である、差異量としての「測定値/基準値」と、メインディスプレイ23に表示されたデータのズーム倍率である「ズーム倍率」とが関連付けられて記憶されている。また、各ズームモードのテーブルの各差異量には、メインディスプレイ23のバックライト照度レベルを示す「バックライト照度」と、メインディスプレイ23におけるデータの表示と共にスピーカ46より出力される音声レベルの出力を示す「スピーカ音量出力」とについても関連付けられて記憶されている。なお、テーブルには「ズーム倍率」のみならず、「バックライト照度」と「スピーカ音量出力」についても記憶されているが、「ズーム倍率」のみがテーブルに記憶されていてもよい。
なお、差異量としての「測定値/基準値」は飛び値として設定されている。このため、測定値情報の輪郭周と基準値情報の輪郭周との比が、図8に記載された各値(・・・1/4、1/2、1、2、4・・・)と一致しない値であった場合には、測定値情報の輪郭周と基準値情報の輪郭周との比を、最も近い小さい値に当たる「測定値/基準値」として扱い、この「測定値/基準値」と関連付けられた「ズーム倍率」、「バックライト照度」、「スピーカ音量出力」の値を参照するものとする。
例えば、測定値情報の輪郭周と基準値情報の輪郭周との比が「3.5」であった場合には、測定値情報の輪郭周と基準値情報の輪郭周との比を最も近い小さい値に当たる「2」として扱う。また、測定値情報の輪郭周と基準値情報の輪郭周との比が「1/3」であった場合には、測定値情報の輪郭周と基準値情報の輪郭周との比を最も近い小さい値に当たる「1/4」として扱う。
もちろん、測定値情報の輪郭周と基準値情報の輪郭周との比を、最も近い大きい値に当たる「測定値/基準値」として扱っても、他の方法を採用してもよい。
図8(A)に示すテーブルを有するスタンダードモードでは、測定値情報と基準値情報の比率が2、4になるにつれ、すなわちユーザの顔がメインディスプレイ23に近づくにつれ、ズーム倍率がそれぞれ4倍、8倍となるように設定されている。また、メインディスプレイ23のバックライト照度レベルおよびスピーカ46の音量出力レベルについては、測定値情報と基準値情報の比率が2、4になるにつれ、現在の設定レベルからそれぞれ1レベル、2レベル上昇させる。また、測定値情報と基準値情報の比率が1/2、1/4になるにつれ、すなわちユーザの顔がメインディスプレイ23から遠くなるにつれ、ズーム倍率が1/4倍、1/8倍となるように設定されている。また、メインディスプレイ23のバックライト照度レベルおよびスピーカ46の音量出力レベルについては、測定値情報と基準値情報の比率が1/2、1/4になるにつれ、現在の設定レベルからそれぞれ1レベル、2レベル低下させるようになっている。
図8(B)に示すテーブルを有する2倍モードは、測定値情報と基準値情報の比率に応じたズーム倍率が、スタンダードモードに対してそれぞれ2倍に制御されるようになっている。また、メインディスプレイ23のバックライト照度レベルとスピーカ46の音量出力についても、スタンダードモードに対して上昇率および低下率が大きくなっている。
2倍モードでは、測定値情報と基準値情報の比率が2、4になるにつれ、ズーム倍率がそれぞれ8倍、16倍となるように設定されている。また、メインディスプレイ23のバックライト照度レベルおよびスピーカ46の音量出力レベルについては、測定値情報と基準値情報の比率が2、4になると、現在の設定レベルからそれぞれ2レベル上昇させるようになっている。また、測定値情報と基準値情報の比率が1/2、1/4になるにつれ、すなわちユーザの顔がメインディスプレイ23から遠くなるにつれ、ズーム倍率が1/8倍、1/16倍となるように設定されている。また、メインディスプレイ23のバックライト照度レベルおよびスピーカ46の音量出力レベルについては、測定値情報と基準値情報の比率が1/2、1/4になると、現在の設定レベルからそれぞれ2レベル低下させるようになっている。
この2倍モードは、ユーザの顔とメインディスプレイ23との距離の変化に応じて、ズーム倍率、メインディスプレイ23のバックライト照度レベル、スピーカ46の音量出力レベルの制御率を(スタンダードモードに比べて)大きく変化させたいと望むユーザにとっては有効なモードである。
図8(C)に示すテーブルを有する老眼モードは、測定値情報と基準値情報の比率に応じて、携帯電話機1を近づけた場合には2倍モードと同様にズーム倍率を制御し、携帯電話機1を遠ざけたときについてもズーム倍率を上昇させる制御がなされるようになっている。具体的には、測定値情報と基準値情報の比率が1/2、1/4になるにつれ、すなわちユーザの顔がメインディスプレイ23から遠くなるにつれ、ズーム倍率が8倍、16倍となるように設定されている。また、メインディスプレイ23のバックライト照度レベルとスピーカ46の音量出力については、スタンダードモードと同様の制御率である。この老眼モードは、メインディスプレイ23に表示されたデータを、携帯電話機1をユーザの顔に近づけたとき、および遠ざけたときにズーム倍率の上昇を望むユーザにとっては有効なモードである。
携帯電話機1は、このような各ズームモードを設けることにより、ユーザの好みに合ったズーム倍率制御を自動で行うことができる。携帯電話機1は、このようにズーム倍率を自動的に制御することで、ユーザがメインディスプレイ23の表示が見にくいことを起因として、ユーザの顔とメインディスプレイ23の距離を小さくする動作を行った場合には、この動作に連動してメインディスプレイ23の表示をズームアップさせることができるため、操作性よくメインディスプレイ23の視認性を向上させることができる。
また、図示はしないが、ユーザが任意に各値を設定できるオリジナルモードをさらに設けることができる。
これらのズームモードは、ユーザの顔とメインディスプレイ23との距離により、メインディスプレイ23に表示されたズーム倍率などが制御されればよい。すなわち、ユーザの顔とメインディスプレイ23との距離が近づくにつれてメインディスプレイ23に表示されたデータのズーム倍率を上昇させ、遠くなるにつれて低下させるズームモード(例えばスタンダードモード、2倍モード)であっても、ユーザの顔とメインディスプレイ23との距離が近づいても遠くなってもズーム倍率を上昇させるズームモード(例えば老眼モード)であっても、ユーザの顔とメインディスプレイ23との距離が近づくにつれてメインディスプレイ23に表示されたデータのズーム倍率を低下させ、遠くなるにつれて上昇させるズームモードであってもよい。
この携帯電話機1によれば、ユーザとメインディスプレイ23の距離に応じて、操作性よくメインディスプレイに表示されたデータの視認性を向上させることができる。すなわち、測定されたメインディスプレイ23とユーザの顔との距離が、通常使用時の距離と差異が生じた場合には、自動的にメインディスプレイ23に表示されたデータのズーム倍率を自動的に調整することができるため、ユーザの特段の操作を要することなく、視認性を向上させることができる。
なお、ユーザの顔とメインディスプレイ23との距離を測定するために、内部CCDカメラ26で撮影されたユーザの顔の輪郭周を用いたが、レーザ光やサブカメラの焦点などを利用して距離を測定してもよい。
また、本実施形態においては、図8に示す各テーブルは、測定値情報の輪郭周と基準値情報の輪郭周との比である、差異量としての「測定値/基準値」を飛び値として設け、ズーム倍率などを調整する例を説明した。これに限らず、得られた差異量としての輪郭周と基準値情報の輪郭周との比に基づき、連続的(比例的)に調整するようにしてもよい。
ズーム倍率など調整する「測定値/基準値」を飛び値として設けて調整した場合には、少しの手ブレによってもズーム倍率が変更されない点で有効である。「測定値/基準値」を連続値として設けて調整した場合には、少しの変化でもズーム倍率などに反映させることを所望するユーザにとっては有効である。
本発明は携帯電話機以外にもPDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム機、携帯型音楽再生機、携帯型動画再生機、その他の携帯端末装置にも適用することができる。
さらに、本発明の各実施形態において説明した一連の処理は、ソフトウェアにより実行させることもできるが、ハードウェアにより実行させることもできる。
さらにまた、本実施形態では、フローチャートのステップは記載された順序に沿って時系列的に行われる処理の例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。