JP5158634B2 - 無電解ニッケルめっき液の処理方法 - Google Patents

無電解ニッケルめっき液の処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、鉄イオン等の不純物金属イオンが蓄積した無電解ニッケルめっき液の再生処理方法、該処理方法によって生じた廃液からのニッケルイオンの回収方法、及び回収されたニッケルイオンの再利用方法に関する。
一般に、無電解ニッケルめっき処理においては、めっき処理によって消耗した成分を定期的に補給しつつめっき処理が行われている。しかしながら、長期間連続してめっき処理を行うと、還元剤が酸化生成物となってめっき液中に蓄積し、これが無電解ニッケルめっきの析出性や物性等に悪影響を及ぼす原因となる。このため、一定期間めっきを行うと、めっき液を廃液として処分しており、建浴時の無電解ニッケルめっき液中に含まれるニッケル量に相当する金属ニッケルが析出するまでめっき処理を行うことを1ターンとすると、通常、5〜6ターン程度が無電解ニッケルめっき液の寿命とされている。
亜鉛置換皮膜を形成したアルミニウム系材料を被めっき物とする場合には、被めっき物から溶出した亜鉛イオンやアルミニウムイオンが無電解ニッケルめっき液中に蓄積して、形成されるニッケルめっき皮膜の外観や密着性の低下が生じる。例えば、亜鉛イオン濃度が50mg/l程度以上になると、形成されるニッケルめっき皮膜の外観や密着性の低下が生じる。通常、亜鉛置換皮膜を形成したアルミニウム系材料を被めっき物として無電解ニッケルめっき処理を行う場合には、2〜3ターン程度のめっき処理を行うと廃棄処分が必要な亜鉛イオン濃度である30〜50mg/l程度となり、通常の寿命である5〜6ターン程度と比べると大幅に寿命が短くなる。このため、コストが大きく増加し、廃液が多量に発生するという問題がある。特に、寿命に達した無電解ニッケルめっき液中には、リン化合物、錯化剤等が多量に含まれており、この影響で廃液処理が非常に困難である。
磁気ディスク用アルミニウム又はアルミニウム合金基板処理における無電解ニッケルめっき液の寿命を延長する方法として、前処理工程の亜鉛置換処理の時間を変更することで亜鉛イオンの溶出を遅らせる方法が報告されている(下記特許文献1参照)。この方法によれば、無電解ニッケルめっき液の寿命を伸ばすことができるとされているが、無電解ニッケルめっき液中に亜鉛やアルミニウムが蓄積した場合に、これを除去する方法については、何も開示していない。
その他、現在めっき業界で行われている方法としては、亜鉛置換皮膜を形成した後、電気ニッケルめっき又は電気青化銅めっきによるストライクめっき処理を行い、その後、無電解ニッケルめっきを行う方法がある。しかしながら、ストライクめっき処理は、低電部への付き廻りや均一電着性が劣り、更に、処理工程数の増加、整流器や電気めっき用治具が必要になるなどの問題があるため、一般的な方法と言うことはできない。
一方、鉄鋼系材料を被めっき物とする場合には、被めっき物から溶出した鉄イオンが無電解ニッケルめっき液中に蓄積し、鉄イオン濃度が50mg/l程度以上になると、形成されるニッケルめっき皮膜の外観や耐食性が低下する。通常、3〜6ターン程度のめっき処理を行うと、鉄イオンの影響で外観及び耐食性の低下が起こり、品質の低下しためっき皮膜となる。めっき皮膜の品質低下を避けるには、鉄イオンの影響が出る前にめっき液を廃棄すればよいが、廃液が多量に発生するために、通常は、そのまま5〜6ターン程度まで使用されている。
無電解ニッケルめっき液から不要成分を選択的に除去する方法としては、電気透析によって還元剤の酸化生成物等を分離して除去する方法が知られている(下記特許文献2参照)。しかしながら、この方法では、亜リン酸塩などの還元剤の酸化物を減少させることは可能であるが、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、鉄イオン等の金属イオンが蓄積した無電解ニッケルめっき液から、これらの金属イオンを選択的に除去することはできない。
特許第3033455号公報 特公平5−83635号公報 特開2001−49448号公報
本発明は、上記した如き従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、鉄イオン等の不純物金属イオンやその他の不純物が蓄積した無電解ニッケルめっき液について、不純物の影響を低減して、無電解ニッケルめっき液の液寿命を延長するために有効な無電解ニッケルめっき液の処理方法を提供することである。本発明のその他の目的は、無電解ニッケルめっき液の再生処理を行うことによって発生した処理廃液からニッケルイオンを回収して有効に再利用する方法を提供することである。
本発明者は、上記した目的を達成すべく、鋭意研究を重ねてきた。その結果、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、鉄イオン等の不純物金属イオンが蓄積した無電解ニッケルめっき液を、アミノリン酸基という特定の官能基を有するキレート樹脂と接触させることによって、ニッケルイオンの吸着を抑制して、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、鉄イオン等の不純物金属イオンのみを優先的に吸着除去して、無電解ニッケルめっき液の液寿命を大きく延長できることを見出した。特に、上記したキレート樹脂による不純物金属イオンの選択的除去と、電気透析法による処理を併用する場合には、不純物金属イオンの除去に加えて、還元剤の酸化生成物等も除去することができ、無電解ニッケルめっき液の液寿命を大幅に延長できることを見出した。また、上記したキレート樹脂による不純物金属イオンの吸着処理の際に該キレート樹脂には少量のニッケルイオンが吸着されるが、吸着した金属イオンを酸溶液によって溶離し、該溶離液のpH調整を行った後、イミノジ酢酸基を有するキレート樹脂によって吸着処理を行うことによって、ニッケルイオンのみを選択性良く吸着して、その他の金属イオンから分離することができ、ニッケル源として有効に再利用できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて鋭意研究を重ねた結果完成されたものである。
即ち、本発明は、下記の無電解ニッケルめっき液の再生処理方法、該処理方法によって生じた廃液からのニッケルイオンの回収方法、及び回収されたニッケルイオンの再利用方法を提供するものである。
1. 亜鉛イオン、アルミニウムイオン及び鉄イオンからなる群から選ばれた少なくとも一種の不純物金属イオンを含む無電解ニッケルめっき液を、アミノリン酸基を有するキレート樹脂と接触させて、該無電解ニッケルめっき液中の不純物金属イオン量を低減させることを特徴とする無電解ニッケルめっき液の再生処理方法。
2. 上記項1に記載の方法によって無電解ニッケルめっき液中の不純物金属イオン量を低減させる工程の前又は後に、電気透析法によって無電解ニッケルめっき液を処理する工程を含む無電解ニッケルめっき液の再生処理方法。
3. 電気透析法による無電解ニッケルめっき液の処理が、陽極と陰極の間に陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を交互に配列した電気透析槽を用いて処理対象の無電解ニッケルめっき液を該電気透析槽の脱塩室に供給して電気透析を行う方法である上記項2に記載の無電解ニッケルめっき液の再生処理方法。
4. 下記(1)〜(5)の工程を含む無電解ニッケルめっき液の処理廃液からのニッケルイオンの回収方法:
(1)亜鉛イオン、アルミニウムイオン及び鉄イオンからなる群から選ばれた少なくとも一種の不純物金属イオンを含む無電解ニッケルめっき液を、アミノリン酸基を有するキレート樹脂と接触させる工程、
(2)上記(1)工程で用いたキレート樹脂を酸溶液と接触させて、該キレート樹脂に吸着した金属イオンを溶離する工程、
(3)上記(2)工程で得られた溶離液のpHを1〜6に調整する工程、
(4)上記(3)工程でpH調整した溶離液を、イミノジ酢酸基を有するキレート樹脂に接触させる工程。
(5)上記(4)工程で用いたキレート樹脂を酸溶液と接触させて、該キレート樹脂に吸着したニッケルイオンを溶離する工程。
5. 上記項4のニッケルイオンの回収方法において、(3)工程におけるpH調整を、無電解ニッケルめっき液を電気透析して得られる電気透析排液を用いて行うニッケルイオンの回収方法。
6. 上記項4又は5の方法で回収したニッケルイオンを、無電解ニッケルめっき液の調製又は無電解ニッケルめっき液に対するニッケルイオンの補給に用いるニッケルイオンの再利用方法。
以下、本発明の無電解ニッケルめっき液の処理方法、及び処理廃液からのニッケルイオンの回収方法について、具体的に説明する。
処理対象物
本発明方法では、亜鉛イオン、アルミニウムイオン及び鉄イオンからなる群から選ばれた少なくとも一種の不純物金属イオンを含有する無電解ニッケルめっき液を処理対象とすることができる。
亜鉛イオンやアルミニウムイオンを含む無電解ニッケルめっき液として代表的なものは、亜鉛置換皮膜を形成したアルミニウム、アルミニウム合金等のアルミニウム系材料を被めっき物として無電解ニッケルめっき処理を行うことによって、被めっき物から溶出した亜鉛イオン、アルミニウムイオンなどが蓄積した無電解ニッケルめっき液である。また、鉄イオンを含む無電解ニッケルめっき液として代表的なものは、鉄鋼系材料を被めっき物として無電解ニッケルめっき処理を行うことによって、被めっき物から溶出した鉄イオンが蓄積した無電解ニッケルめっき液である。
処理対象とする無電解ニッケルめっき液の組成については、特に限定はなく、通常の還元剤を含有する自己触媒性の無電解ニッケルめっき液であれば、いずれも処理対象とすることができる。
この様な無電解ニッケルめっき液としては、金属ニッケルの供給源として、硫酸ニッケル、塩化ニッケル等の水溶性ニッケル塩を含有し、更に、還元剤として、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸アンモニウム等の次亜リン酸塩を含有し、錯化剤として、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、コハク酸等のカルボン酸を含有するめっき液が代表的なものである。
本発明の処理方法を行う際の無電解ニッケルめっき液中の亜鉛イオン、アルミニウムイオン、及び鉄イオンの濃度は、特に限定的ではなく、通常は、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、鉄イオン等の蓄積によって析出皮膜の特性に悪影響が生じる前に処理を行えばよい。一般的には、亜鉛イオン濃度については、析出皮膜の密着性や外観に悪影響を及ぼすとされている、30〜50mg/l程度となっためっき液について処理を行えばよい。アルミニウムイオンについては、析出皮膜の外観や液の濁りに悪影響を及ぼすとされている、30〜50mg/l程度となっためっき液について処理を行えばよい。鉄イオン濃度については、析出皮膜の外観や耐食性に悪影響を及ぼすとされている、50〜100mg/l程度となっためっき液について処理を行えばよい。
無電解ニッケルめっき液の再生処理
本発明の無電解ニッケルめっき液の再生処理方法では、処理対象とする無電解ニッケルめっき液を、アミノリン酸基を有するキレート樹脂に接触させる。
上記した通り、本発明方法における処理対象とする無電解ニッケルめっき液は、長期間使用して亜鉛イオン、アルミニウムイオン及び鉄イオンからなる群から選ばれた少なくとも一種の不純物金属イオンが蓄積した無電解ニッケルめっき液である。本発明者の研究によれば、これらの不純物金属イオンを含む無電解ニッケルめっき液については、アミノリン酸基という特定の官能基を有するキレート樹脂と接触させることによって、亜鉛イオン、アルミニウムイオン及び鉄イオンからなる不純物金属イオンが優先的に吸着され、ニッケルイオンの吸着は大きく抑制されることが明らかとなった。
従って、亜鉛イオン、アルミニウムイオン及び鉄イオンからなる群から選ばれた少なくとも一種の不純物金属イオンを含む無電解ニッケルめっき液を、アミノリン酸基を有するキレート樹脂に接触させる方法によれば、該無電解ニッケルめっき液中のニッケルイオン濃度を大きく低下させることなく、無電解ニッケルめっき液中に蓄積した亜鉛イオン、アルミニウムイオン及び鉄イオンからなる不純物金属イオンのみを選択的に除去することができる。これにより、上記した亜鉛イオンやアルミニウムイオンが無電解ニッケルめっき液中に蓄積することによるニッケルめっき皮膜の外観や密着性の低下や液の濁り、鉄イオンが蓄積することによる外観及び耐食性の低下を抑制して、無電解ニッケルめっき液の液寿命を大きく延長することができる。
本発明の無電解ニッケルめっき液の処理方法で用いるアミノリン酸基を有するキレート樹脂については特に限定的ではなく、例えば、官能基として、−CHNHCHPO(ONa)、−CHNHCHPO(OH)等のアミノリン酸基を有するキレート樹脂を用いることができる。該キレート樹脂の総交換容量については、特に限定的ではないが、例えば、樹脂1リットル当たりのFe3+イオンの交換容量として0.4mol程度以上のキレート樹脂を用いることができる。また、樹脂骨格の種類についても特に限定的ではなく、例えば、スチレン系、フェノール系、アクリル系、エポキシ系などの各種の樹脂骨格を有するキレート樹脂を用いることができる。キレート樹脂の形状についても特に限定的ではないが、例えば、見掛密度が700〜800g/l程度の球状の樹脂を用いることができる。通常は、アミノリン酸基を有するイオン交換樹脂として市販されているキレート樹脂を用いることができる。この様なキレート樹脂としては、例えば、商標名:ピュロライト(ピュロライト・インターナショナル(株)製)、商標名:ユニセレック(ユニチカ(株)製)、商標名:レバチット(ランクセス(株)製)、商標名:エポラス(ミヨシ油脂(株)製)等として市販されているキレート樹脂を用いることができる。
無電解ニッケルめっき液をアミノリン酸基を有するキレート樹脂に接触させる方法については特に限定的ではなく、無電解ニッケルめっき液と該キレート樹脂とが十分に接触できる方法であればよい。通常は、適度な粒度のキレート樹脂を充填した吸着用カラムを用い、処理対象の無電解ニッケルめっき液を該カラムに通液させればよい。具体的な無電解ニッケルめっき液の通液条件については、吸着用カラムの形状、キレート樹脂の形状、キレート樹脂の充填方法などに応じて、無電解ニッケルめっき液中の不純物金属イオンが十分に吸着除去されるように決めればよい。
例えば、処理時の無電解ニッケルめっき液の温度については、温度が低い場合には、吸着速度が遅くなり、逆に温度が高すぎる場合には吸着用カラムを耐熱性にする等、特殊な装置が必要であるため好ましくない。このため、通常は、無電解ニッケルめっき液の液温は20〜50℃程度、特に25〜30℃程度が適当である。また無電解ニッケルめっき液の流量については、例えば、空間速度(SV)で0.5〜3hr-1程度とすることができる。
上記した方法によって、処理対象の無電解ニッケルめっき液中の亜鉛イオン、アルミニウムイオン、鉄イオン等の不純物金属イオンを選択性良く吸着除去できる。無電解ニッケルめっき液中のニッケルイオンについては、これらの不純物金属イオンと比較すると高濃度であるにもかかわらず吸着が抑制されており、キレート樹脂への吸着による減少量は少なく抑えられる。従って、処理後の無電解ニッケルめっき液は、そのまま再使用が可能であるが、更に、必要に応じて、ニッケル化合物やその他の添加剤を加えて、液組成を調整すればよい。
本発明では、更に、上記したキレート樹脂による不純物金属イオンの吸着除去処理に加えて、電気透析処理を行うことが好ましい。電気透析処理によれば、無電解ニッケルめっき液中に含まれる還元剤の酸化生成物等の不純物を効果的に分離することができる。
従って、キレート樹脂による不純物金属イオンの除去と電気透析による還元剤の酸化生成物の除去を併用することによって、無電解ニッケルめっき皮膜の物性や析出速度に悪影響を及ぼす還元剤の酸化生成物などを除去することが可能であり、その後、必要に応じて各成分を補給することによって、めっき皮膜の析出性や耐食性を更に改善して、無電解ニッケルめっき液の寿命を著しく延長することができる。
電気透析処理としては、例えば、陽極と陰極の間に陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を交互に配列した電気透析槽を用い、処理対象の無電解ニッケルめっき液を該電気透析槽の脱塩室に供給して電気透析を行えば良い。
電気透析の条件については、特に限定はなく、例えば、特公平5−83635号公報に記載されている方法に従って電気透析を行えばよい。例えば、陽イオン交換膜としては、陽イオン交換基としてスルホン酸基又はカルボン酸基を有し、イオン交換容量が1〜3meq/g(乾燥樹脂)程度、膜抵抗が0.1〜4Ω・cm程度の膜を用い、陰イオン交換膜としては、イオン交換容量が1〜4meq/g(乾燥樹脂)程度、膜抵抗が0.1〜4Ω・cm程度であって、4mol/lのNaCl水溶液に対する25℃における拡散定数が1×10−6〜5×10−5cm/秒程度の膜を用いて、電流密度0.1〜10A/dm程度、液温60℃程度以下で電気透析を行うことによって、還元剤の酸化生成物である亜リン酸塩を効率よく除去することができる。
無電解ニッケルめっき液の処理廃液からのニッケルイオンの回収
上記した無電解ニッケルめっき液の処理方法によれば、アミノリン酸基を有するキレート樹脂を用いて吸着処理を行うことによって、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、鉄イオン等の不純物金属イオンを吸着除去できるが、該キレート樹脂には、少量のニッケルイオンも吸着する。
この様にして吸着した金属イオンについては、該キレート樹脂に酸溶液を接触させることによって該キレート樹脂から溶離(脱着)させることができる。通常は、キレート樹脂を充填した吸着用カラムに溶離用の酸溶液を通液させればよい。溶離には、例えば、硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸、酢酸等の有機酸等の各種の酸の水溶液を用いることができる。溶離時に用いられる酸溶液の濃度は、例えば、0.5〜4N程度とすればよい。溶離時における酸の空間速度(SV)は、例えば、0.5〜3hr-1程度とすればよい。
上記した方法で溶離を行うことによって、該キレート樹脂に吸着した金属イオンが溶離され、溶離液中にはニッケルイオンの他に、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、鉄イオン等の不純物金属イオンが含まれる。
この様な各種の金属イオンが存在する溶離液について、pHを1〜6程度の範囲に調整した後、イミノジ酢酸基を有するキレート樹脂に接触させることによって、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、鉄イオン等の不純物金属イオンの吸着を抑制して、ニッケルイオンを選択的に吸着させることができる。これにより、上記した無電解ニッケルめっき液の再生処理の際にアミノリン酸基を有するキレート樹脂に吸着されたニッケルイオンを、その他の金属イオンと分離することができる。
上記した金属イオンの溶離には酸溶液を用いており、金属イオンを含む溶離液のpH値は、通常、1を下回る値である。このため、溶離液のpHを1〜6の範囲に調整するには、水酸化ナトリウム等のアルカリを添加すればよい。
また、前述した無電解ニッケルめっき液の電気透析処理の際には、亜リン酸、ナトリウムイオン等の不要成分が濃縮した電気透析排液が発生する。この電気透析排液は、処理対象の無電解ニッケルめっきに近いpH値、例えば、次亜リン酸塩を還元剤とする無電解ニッケルめっき液では、通常、4〜10程度のpH値を有するものとなる。この電気透析排液には、通常、少量のニッケルイオンが含まれるので、これを上記した溶離液に添加して、溶離液のpH値を1〜6の範囲に調整すれば、電気透析排液に含まれるニッケルイオンについても、回収して有効利用することが可能となる。
ニッケルイオンを選択的に吸着させるために用いるイミノジ酢酸基を有するキレート樹脂については特に限定的ではなく、例えば、官能基として、−N(CHCOOH)、−N(CHCOONa)等のイミノジ酢酸基を有するキレート樹脂を用いることができる。該キレート樹脂の総交換容量については、特に限定的ではないが、例えば、樹脂1リットル当たりのCu2+イオンの交換容量として0.8mol程度以上のキレート樹脂を用いることができる。また、樹脂骨格の種類についても特に限定的ではなく、例えば、スチレン系、フェノール系などの樹脂骨格を有するキレート樹脂を用いることができる。キレート樹脂の形状についても特に限定的ではないが、例えば、見掛密度が700〜800g/l程度の球状の樹脂を用いることができる。通常は、イミノジ酢酸基を有するイオン交換樹脂として市販されているキレート樹脂を用いればよい。この様なキレート樹脂としては、例えば、商標名:ピュロライト(ピュロライト・インターナショナル(株)製)、商標名:ユニセレック(ユニチカ(株)製)、商標名:レバチット(ランクセス(株)製)、商標名:エポラス(ミヨシ油脂(株)製)等として市販されているキレート樹脂を用いることができる。
イミノジ酢酸基を有するキレート樹脂に金属イオンを含む溶離液を接触させる方法については特に限定的ではなく、該溶離液と該キレート樹脂とを十分に接触させることができる方法であればよい。通常は、適度な粒径のキレート樹脂を充填した吸着用カラムを用い、該吸着用カラムにpH1〜6に調整した溶離液を通液させればよい。具体的な通液条件については、吸着塔の形状、キレート樹脂の形状、充填方法などに応じて、溶離液中のニッケルイオンが十分に吸着除去されるように決めればよい。例えば、処理時の溶離液の温度は、20〜50℃程度とすればよく、溶離液の流量については、例えば、空間速度(SV)で0.5〜3hr-1程度とすればよい。この処理により、溶離液中に含まれる金属イオンの内で、ニッケルイオンがイミノジ酢酸基を有するキレート樹脂に選択性良く吸着される。
次いで、ニッケルイオンを吸着したイミノジ酢酸基を有するキレート樹脂に、酸溶液を接触させることによって該キレート樹脂からニッケルイオンを溶離させることができる。通常は、キレート樹脂を充填した吸着塔に溶離用の酸溶液を通液させればよい。このとき用いられる酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸、酢酸等の有機酸を挙げることができる。溶離されたニッケルイオンを無電解ニッケルめっき液の補給液として用いる場合には、特に、硫酸を用いることが好ましい。溶離時に用いられる酸溶液の濃度は、例えば、0.5〜4N程度とすればよい。溶離時における酸の空間速度(SV)は、例えば、0.5〜3hr-1程度とすればよい。
上記した方法によれば、該キレート樹脂に吸着したニッケルイオンが酸溶液中に溶離される。該キレート樹脂には、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、鉄イオン等の不純物金属イオンがほとんど吸着しておらず、溶離液は、不純物金属イオンの非常に少ないニッケルイオンの純度が高い溶液となる。
上記した方法で得られた溶離液は、例えば、無電解ニッケルめっき液の調製や無電解ニッケルめっき液に対するニッケルイオンの補給用として有効に利用できる。更に、その他、ニッケル地金生成などの用途にも利用できる。
本発明の無電解ニッケルめっき液の処理方法によれば、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、鉄イオン等の不純物金属イオンが蓄積した無電解ニッケルめっき液から、不純物金属イオンを選択性良く除去することができる。このため、亜鉛イオンやアルミニウムイオンが含まれることによる弊害である外観や密着性の低下や液の濁り、鉄イオンが含まれることによる弊害である外観や耐食性の低下を抑制して、無電解ニッケルめっき液の液寿命を大きく延長することができる。特に、キレート樹脂による不純物金属イオンの吸着除去と電気透析法とを併用する場合には、めっき皮膜の析出性や耐食性を更に改善して、無電解ニッケルめっき液の寿命を著しく延長することができる。
また、上記した方法によって無電解ニッケルめっき液から不純物金属イオンを除去する際に損失するニッケルイオンについては、本発明のニッケルイオンの回収方法を適用することによって、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、鉄イオン等の不純物金属イオンから分離して、ニッケルイオン純度の高い溶液として回収して有効利用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
キレート樹脂によるZn及びAlの吸着処理による無電解ニッケルめっき液の再生
亜鉛置換皮膜を形成したアルミニウム材料を被めっき物として、3ターンのめっき処理を行った無電解ニッケルめっき液を処理対象として、下記の方法でアミノリン酸基を有するキレート樹脂による金属イオンの吸着処理を行った。吸着処理前の無電解ニッケルめっき液の組成は、下記の通りである。
金属ニッケル 5.0 g/l
次亜リン酸ナトリウム 25.0 g/l
亜リン酸ナトリウム 150.0 g/l
錯化剤 55.0 g/l
(リンゴ酸 40.0 g/l)
(コハク酸 15.0 g/l)
硫酸ナトリウム 60.0 g/l
鉛イオン 0.8mg/l
亜鉛イオン 50.0mg/l
アルミニウムイオン 50.0mg/L
pH 5.0
アミノリン酸基を有するキレート樹脂としては、ピュロライト・インターナショナル(株)製のマイクロポーラス型スチレン系キレート樹脂(商標名:ピュロライトS−950、総交換容量0.6mol/l(Ca2+)以上、見掛密度710〜745g/lの球状)を10cc用意し、直径14mmのガラス製カラムに気泡を含むことなく詰めた処理容器を用いた。
このカラムに処理対象の無電解ニッケルめっき液100mlを、液温25℃でSV=2の通液速度にて供給した。
一方、比較試験として、電解除去試験を実施した。電解処理槽としては、(株)アストム製の表面積0.5mのカチオン交換膜(商標名:ネオセプタCM−2、乾燥膜重量当たりのイオン交換容量1.6〜2.2meq/g、0.5mol/l NaCl中での電気抵抗2.0〜3.0Ω・cm)を隔膜として用いて、容量120mlの陰極室と容量120mlの陽極室とに分離された塩化ビニル製容器を用いた。
該電解槽の陰極室には表面積1dmのステンレス陰極を設置し、陽極室には表面積1dmのチタン−白金陽極を設置し、両極の極間距離は、2.5cmとした。
この電解処理槽の陰極室に処理対象の無電解ニッケルめっき液100mlを供給し、陽極室に0.5mol/lの硫酸水溶液100mlを供給して、直流安定化電源を用いて、2Aの直流電流を1時間通電して電解処理を行った。電解処理時の無電解ニッケルめっき液の液温は25℃とした。
処理後の無電解ニッケルめっき液中のニッケルイオン、亜鉛イオン及びアルミニウムイオン濃度を下記表1に示す。
Figure 0005158634
表1から明らかなように、アミノリン酸基を有するキレート樹脂による吸着処理によれば、亜鉛イオン濃度を20mg/l、アルミニウムイオン濃度を20mg/lまで低下させた際のニッケルイオン濃度は4.5g/l(Ni減少率10%)であり、亜鉛イオン及びアルミニウムイオンを選択性良く除去できたのに対して、電解処理では、亜鉛イオン濃度を30mg/lまで低下させた際のニッケルイオン濃度は4g/l(Ni減少率20%)となり、ニッケルイオンの損失が大きく、しかもアルミニウムイオンは除去されなかった。
この結果から、アミノリン酸基を有する樹脂による吸着処理を行うことによって、ニッケルイオンの損失を抑制して、亜鉛イオンを効率良く除去でき、かつ隔膜電解処理では除去されなかったアルミニウムイオンについても除去可能であることが確認できた。
更に、アミノリン酸基を有するキレート樹脂による吸着処理を行った無電解ニッケルめっき液100mlについて、硫酸ニッケルを添加してニッケルイオン濃度を5g/lとし、水酸化ナトリウムを添加してpHを5.0に調整した。その後、亜鉛置換皮膜を形成したアルミニウム合金板(合金番号5052、表面積:0.1dm)を被めっき物として、液温90℃で30分間無電解ニッケルめっき処理を行った。
形成されためっき皮膜について、目視によって外観を評価し、さらにJIS H8504記載のめっきの密着性試験(18.曲げ試験方法)により、密着性を評価した。
比較試験として、アミノリン酸基を有するキレート樹脂による吸着処理前の無電解ニッケルめっき液を用いて同様の条件で無電解ニッケルめっき処理を行い、外観及び密着性、液の濁りを評価した。
その結果、吸着処理前の無電解ニッケルめっき液では、形成されためっき皮膜は、外観及び密着性が何れも不良であり、かつめっき液の濁りが発生したのに対して、アミノリン酸基を有するキレート樹脂による吸着処理を行った無電解ニッケルめっき液によれば、外観及び密着性の良好な無電解ニッケルめっき皮膜を形成でき、めっき液の濁りも発生しなかった。
実施例2
キレート樹脂による吸着処理と電気透析処理による無電解ニッケルめっき液の再生
実施例1と同様にしてアミノリン酸基を有するキレート樹脂による吸着処理を行った後、ニッケルイオン濃度5g/l、pH5.0に調整しためっき液を用いて、無電解ニッケルめっき処理を引き続き行った。このめっき液について、1ターンのめっき処理終了後、再度、実施例1と同様にしてアミノリン酸基を有するキレート樹脂による吸着処理を行い、亜鉛イオンおよびアルミニウムイオンを減少させた。
次いで、吸着処理後の無電解ニッケルめっき液について、下記の方法で電気透析処理を行った。電気透析処理装置としては、(株)トクヤマ(アストム)製の透析槽[カチオン交換膜:CM−2(乾燥膜重量当たりのイオン交換容量1.6〜2.2meq/g、0.5mol/lNaCl中での電気抵抗2.0〜3.0Ω・cm)、アニオン交換膜:AM−1(乾燥膜重量当たりのイオン交換容量1.8〜2.2meq/g、0.5mol/lNaCl中での電気抵抗1.3〜2.0Ω・cm)、それぞれ1dm×5対]を用い、電流3Aで2.5時間通電することによって電気透析処理を行い、1ターンのめっき処理によって蓄積する量に相当する亜リン酸イオンを除去した。尚、電気透析槽の容量が2.5リットルであったので、アミノリン酸基を有するキレート樹脂にて処理を行った無電解ニッケルめっき液の液量が2.5リットルとなった段階で一括して電気透析処理を行った。
この様にして、亜鉛イオンおよびアルミニウムイオン除去のためのアミノリン酸基を有するキレート樹脂による吸着処理と、亜リン酸イオンの除去のための電気透析処理を行った無電解ニッケルめっき液について、建浴時のめっき液組成と同様の組成となるように、各成分を添加して液組成を調整した。この無電解ニッケルめっき液を用いて、引き続きめっき処理を行い、1ターンのめっき処理毎に、アミノリン酸基を有するキレート樹脂による吸着処理と電気透析処理を行い、液組成を調整することを繰り返し、処理量が10ターンとなるまで無電解ニッケルめっき処理を行った。
10ターンのめっき処理終了後、アミノリン酸基を有するキレート樹脂による処理と電気透析処理を行い、液組成を調整した無電解ニッケルめっき液100mlを用いて、亜鉛置換皮膜を形成したアルミニウム合金板(合金番号5052、表面積:0.1dm)を被めっき物として液温90℃で30分間無電解ニッケルめっき処理を行った。その結果、形成された無電解ニッケルめっき皮膜は、外観及び密着性が良好であり、めっき液の濁りも発生しなかった。
この結果から、アミノリン酸基を有するキレート樹脂による吸着処理と、電気透析処理を組み合わせて行うことによって、無電解ニッケルめっき液の寿命を大きく延長できることが確認できた。
実施例3
キレート樹脂によるFeの吸着処理と電気透析処理による無電解ニッケルめっき液の再生
冷間圧延鋼板(JIS G3141番号SPCC、表面積:0.1dm)を被めっき物として3ターンのめっき処理を行った無電解ニッケルめっき液を処理対象として、実施例1と同様の方法でアミノリン酸基を有するキレート樹脂にて金属イオンの吸着処理を行った。吸着処理前の無電解ニッケルめっき液の組成は、下記の通りである。
金属ニッケル 5.0 g/l
次亜リン酸ナトリウム 25.0 g/l
亜リン酸ナトリウム 150.0 g/l
錯化剤 55.0 g/l
(リンゴ酸 40.0 g/l)
(コハク酸 15.0 g/l)
硫酸ナトリウム 60.0 g/l
鉛イオン 0.8mg/l
鉄イオン 50.0mg/l
pH 5.0
一方、比較試験として、電解除去試験を実施した。電解処理槽としては、(株)アストム製の表面積0.5mのカチオン交換膜(商標名:ネオセプタCM−2、乾燥膜重量当たりのイオン交換容量1.6〜2.2meq/g、0.5mol/l NaCl中での電気抵抗2.0〜3.0Ω・cm)を隔膜として用いて、容量120mlの陰極室と容量120mlの陽極室とに分離された塩化ビニル製容器を用いた。
該電解槽の陰極室には表面積1dmのステンレス陰極を設置し、陽極室には表面積1dmのチタン−白金陽極を設置し、両極の極間距離は2.5cmとした。
この電解処理槽の陰極室に処理対象の無電解ニッケルめっき液100mlを供給し、陽極室に0.5mol/lの硫酸水溶液100mlを供給して、直流安定化電源を用いて、2Aの直流電流を1時間通電して電解処理を行った。電解処理時の無電解ニッケルめっき液の液温は、25℃とした。
処理後の無電解ニッケルめっき液中のニッケルイオン濃度、鉄イオン濃度及びpHを下記表2に示す。
Figure 0005158634
表2から明らかなように、アミノリン酸基を有するキレート樹脂にて処理を行った場合には、鉄イオン濃度を20mg/lまで低下させた際のニッケルイオン濃度は4.5g/l(Ni減少率10%)であったのに対して、電解処理を行った場合には、鉄イオン濃度を30mg/lまで低下させた際のニッケルイオン濃度は4g/l(Ni減少率20%)となり、ニッケルイオンの損失が大きかった。
この結果から、アミノリン酸基を有するキレート樹脂を用いる吸着処理を行うことによって、ニッケルイオンの損失を抑制して、鉄イオンを効率良く除去できることが確認できた。
実施例4
キレート樹脂による吸着処理と電気透析処理による無電解ニッケルめっき液の再生
実施例3と同様にしてアミノリン酸基を有するキレート樹脂による鉄イオンの吸着処理を行った後、ニッケルイオン濃度5g/l、pH5.0に調整しためっき液を用いて、無電解ニッケルめっき処理を引き続き行った。このめっき液について、1ターンのめっき処理終了後、実施例3と同様にしてアミノリン酸基を有するキレート樹脂による吸着処理を行い、鉄イオンを減少させた。
次いで、吸着処理後の無電解ニッケルめっき液について、下記の方法で電気透析処理を行った。電気透析装置としては、(株)アストム製の透析槽[カチオン交換膜:CM−2(乾燥膜重量当たりのイオン交換容量1.6〜2.2meq/g、0.5mol/lNaCl中での電気抵抗2.0〜3.0Ω・cm)、アニオン交換膜:AM−1(乾燥膜重量当たりのイオン交換容量1.8〜2.2meq/g、0.5mol/lNaCl中での電気抵抗1.3〜2.0Ω・cm)、それぞれ1dm×5対]を用いて、電流3Aで2.5時間の条件で処理し、無電解ニッケルめっき液中に蓄積した亜リン酸イオンの1ターン分を除去した。尚、透析槽の容量が2.5リットルであったので、アミノリン酸基を有するキレート樹脂にて処理を行った無電解ニッケルめっき液の液量が2.5リットルとなった段階で一括して電気透析処理を行った。
このようにして、鉄イオン除去のためのアミノリン酸基を有するキレート樹脂による吸着処理と、亜リン酸イオンの除去のための電気透析処理を行った無電解ニッケルめっき液について、建浴時のめっき液組成と同様の組成となるように、各成分を添加して液組成を調整した。この無電解ニッケルめっき液を用いて、引き続きめっき処理を行い、1ターンのめっき処理毎に、アミノリン酸基を有するキレート樹脂による吸着処理と電気透析処理を行い、液組成を調整することを繰り返し、処理量が10ターンとなるまで無電解ニッケルめっき処理を行った。10ターンのめっき処理終了後、アミノリン酸基を有するキレート樹脂による吸着処理と電気透析処理を行い、硫酸ニッケルを添加してニッケルイオン濃度を5g/lとし、水酸化ナトリウムを添加してpHを5.0に調整した無電解ニッケルめっき液100mlを用いて、冷間圧延鋼板(JIS G3141番号SPCC、表面積:0.1dm)を被めっき物として、液温90℃で30分間無電解ニッケルめっき処理を行った。
形成されためっき皮膜について、目視によって外観を評価し、さらにJIS Z2371記載のめっきの耐食性試験(塩水噴霧試験方法)のレイティングナンバー法により、耐食性を評価した。
比較試験として、上記した方法で10ターンのめっき処理終了後、アミノリン酸基を有するキレート樹脂による処理を行う前の無電解ニッケルめっき液を用いて、同様の条件で冷間圧延鋼板を被めっき物として無電解ニッケルめっき処理を行い、外観及び耐食性を評価した。
処理前の無電解ニッケルめっき液、アミノリン酸基を有するキレート樹脂による吸着処理後の無電解ニッケルめっき液、及びアミノリン酸基を有するキレート樹脂による吸着処理と電気透析処理を行った無電解ニッケルめっき液について、液中の鉄イオン濃度とめっき皮膜の外観及び耐食性の評価結果を下記表3に示す。尚、外観及び耐食性については、各めっき液のニッケルイオン濃度を5g/l、pHを5.0に調整して評価した。
Figure 0005158634
表3から明らかなように、アミノリン酸基を有するキレート樹脂にて吸着処理を行った無電解ニッケルめっき液を用いた場合、およびアミノリン酸基を有するキレート樹脂にて処理を行い、その後、更に電気透析処理を行った無電解ニッケルめっき液を用いた場合には、形成されためっき皮膜の外観は良好であった。また、耐食性試験結果については、アミノリン酸基を有するキレート樹脂による吸着処理を行っためっき液では、塩水噴霧試験によるレイティングナンバーが9.8であり、その後更に電気透析処理を行っためっき液では、レイティングナンバーが9.9であり、いずれも良好な耐食性を示すものであった。
これに対して、アミノリン酸基を有するキレート樹脂による吸着処理を行っていない無電解ニッケルめっき液を用いた場合には、形成されためっき皮膜は、ムラが発生し、耐食性も劣るものであった。
この結果から、アミノリン酸基を有するキレート樹脂による吸着処理を行うか、或いは、この吸着処理と電気透析処理を組み合わせて行うことによって、無電解ニッケルめっき液の寿命を大きく延長できることが確認できた。
実施例5
吸着処理による排液からのニッケルイオンの回収
実施例1において、アミノリン酸基を有するキレート樹脂による無電解ニッケルめっき液中の金属イオンの吸着処理を行った後、該キレート樹脂に、1Nの硫酸水溶液50mlを、SV=2の通液速度にて供給して、該キレート樹脂に吸着した金属イオンを脱着させた。処理後の硫酸水溶液(第一溶離液)におけるニッケルイオン濃度は1.0g/l、亜鉛イオン濃度は60mg/lであった。
次いで、上記した処理後の酸溶離液(第一溶離液)に水酸化ナトリウムを添加してpH4とした後、イミノジ酢酸基を有するキレート樹脂による吸着処理を行った。イミノジ酢酸基を有するキレート樹脂としては、ピュロライト・インターナショナル(株)製のマイクロポーラス型スチレン系キレート樹脂(商標名:ピュロライトS−930/4922、総交換容量0.7mol/l(Cu2+)以上、見掛密度740〜745g/lの球状樹脂)
を10cc用意し、直径14mmのガラス製カラムに気泡を含むことなく詰めた処理容器を用いた。このカラムに、pH4に調整した酸溶離液(第一溶離液)を、SV=2の通液速度にて供給し、酸溶離液(第一溶離液)中から金属イオンを吸着させた。その後、1Nの硫酸水溶液50mlを、SV=2の通液速度にて供給して、イミノジ酢酸基を有するキレート樹脂に吸着した金属イオンを硫酸水溶液中に溶離させた。処理後の硫酸水溶液(第二溶離液)中のニッケルイオン濃度及び亜鉛イオン濃度を下記表4に示す。
一方、比較試験として、上記した方法と同様にしてアミノリン酸基を有するキレート樹脂に酸溶液を通液して得られた酸溶離液(第一溶離液)50mlをpH4とした後、アミノリン酸基を有するキレート樹脂(ピュロライト・インターナショナル(株)製のキレート樹脂(商標名:ピュロライトS−950))10ccを充填した直径14mmのガラス製カラムに、酸溶離液(第一溶離液)をSV=2の通液速度にて供給して、酸溶離液(第一溶離液)中の金属イオンを吸着させた。その後、1Nの硫酸水溶液50mlを、SV=2の通液速度にて供給して、アミノリン酸基を有するキレート樹脂に吸着している金属イオンを硫酸水溶液中に溶離させた。処理後の硫酸水溶液(第二溶離液)中のニッケルイオン濃度及び亜鉛イオン濃度を下記表4に示す。
Figure 0005158634
表4から明らかなように、イミノジ酢酸基を有するキレート樹脂に吸着した金属イオンの酸溶離液(第二溶離液)では、ニッケルイオン濃度が1.0g/lであり、イミノジ酢酸基を有するキレート樹脂による吸着処理を行う前の液(第一溶離液)中のニッケルイオン濃度と同一であった。亜鉛イオン濃度については、イミノジ酢酸基を有するキレート樹脂による吸着処理を行う前の液(第一溶離液)中の亜鉛濃度が60mg/lであったのに対して、イミノジ酢酸基を有するキレート樹脂による吸着した金属イオンの酸溶離液(第二溶離液)では10mg/lであり、大きく減少していた。
一方、アミノリン酸基を有するキレート樹脂による吸着した金属イオンの酸溶離液(第二溶離液)では、ニッケルイオン濃度が0.1g/lであり、吸着処理を行う前の液(第一溶離液)中のニッケルイオン濃度と比べて大きく減少していた。亜鉛イオン濃度については、吸着処理を行う前の液(第一溶離液)中の亜鉛濃度が60mg/lであったのに対して、イミノジ酢酸基を有するキレート樹脂による吸着した金属イオンの酸溶離液(第二溶離液)では50mg/lであった。
以上の結果より、無電解ニッケルめっき液中の金属イオンを吸着処理したアミノリン酸基を有するキレート樹脂については、酸溶液による金属イオンの溶離後、イミノジ酢酸基を有するキレート樹脂により吸着処理を行うことによって、ニッケルイオンを選択性良く分離できることが確認できた。
無電解ニッケルめっき液への補給試験
実施例2においてアミノリン酸基を有するキレート樹脂による吸着処理と、電気透析処理を行った無電解ニッケルめっき液2.5リットルを準備し、これに上記した方法でイミノジ酢酸基を有するキレート樹脂による吸着処理後、酸水溶液でニッケルイオンを脱着させて得られた酸溶離液(第二溶離液)50mlを添加し、水酸化ナトリウムを添加してpHを5.0に調整した。
この様にして調整された無電解ニッケルめっき液100mlを用いて、亜鉛置換皮膜を形成したアルミニウム合金板(合金番号5052、表面積:0.1dm)を被めっき物として液温90℃で30分間無電解ニッケルめっき処理を行った。その結果、形成された無電解ニッケルめっき皮膜は、外観及び密着性が良好であり、めっき液の濁りも発生しなかった。
この結果から、無電解ニッケルめっき液中の金属イオンを吸着処理したアミノリン酸基を有するキレート樹脂については、酸溶液による金属イオンの脱着処理、イミノジ酢酸基を有するキレート樹脂による金属イオンの吸着処理、及び酸溶液による金属イオンの脱着処理を順次行うことによって、アミノリン酸基を有するキレート樹脂に吸着した金属イオンから、ニッケルイオンを選択的に回収でき、無電解ニッケルめっき液に対するニッケルイオンの補給液として有効に再利用できることが確認できた。

Claims (6)

  1. 亜鉛イオン、アルミニウムイオン及び鉄イオンからなる群から選ばれた少なくとも一種の不純物金属イオンを含む無電解ニッケルめっき液を、アミノリン酸基を有するキレート樹脂と接触させて、該無電解ニッケルめっき液中の不純物金属イオン量を低減させることを特徴とする無電解ニッケルめっき液の再生処理方法。
  2. 請求項1に記載の方法によって無電解ニッケルめっき液中の不純物金属イオン量を低減させる工程の前又は後に、電気透析法によって無電解ニッケルめっき液を処理する工程を含む無電解ニッケルめっき液の再生処理方法。
  3. 電気透析法による無電解ニッケルめっき液の処理が、陽極と陰極の間に陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を交互に配列した電気透析槽を用いて処理対象の無電解ニッケルめっき液を該電気透析槽の脱塩室に供給して電気透析を行う方法である請求項2に記載の無電解ニッケルめっき液の再生処理方法。
  4. 下記(1)〜(5)の工程を含む無電解ニッケルめっき液の処理廃液からのニッケルイオンの回収方法:
    (1)亜鉛イオン、アルミニウムイオン及び鉄イオンからなる群から選ばれた少なくとも一種の不純物金属イオンを含む無電解ニッケルめっき液を、アミノリン酸基を有するキレート樹脂と接触させる工程、
    (2)上記(1)工程で用いたキレート樹脂を酸溶液と接触させて、該キレート樹脂に吸着した金属イオンを溶離する工程、
    (3)上記(2)工程で得られた溶離液のpHを1〜6に調整する工程、
    (4)上記(3)工程でpH調整した溶離液を、イミノジ酢酸基を有するキレート樹脂に接触させる工程。
    (5)上記(4)工程で用いたキレート樹脂を酸溶液と接触させて、該キレート樹脂に吸着したニッケルイオンを溶離する工程。
  5. 請求項4のニッケルイオンの回収方法において、(3)工程におけるpH調整を、無電解ニッケルめっき液を電気透析して得られる電気透析排液を用いて行うニッケルイオンの回収方法。
  6. 請求項4又は5の方法で回収したニッケルイオンを、無電解ニッケルめっき液の調製又は無電解ニッケルめっき液に対するニッケルイオンの補給に用いるニッケルイオンの再利用方法。
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