JP5157905B2 - 光学フィルム、その製造方法、それを用いた偏光板 - Google Patents

光学フィルム、その製造方法、それを用いた偏光板 Download PDF

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Description

光学フィルム、その製造方法、それを用いた偏光板に関し、更に詳しくは、光学フィルム同士のブロッキング耐性を高めた光学フィルム、その製造方法、それを用いた偏光板に関するものである。
尚、本発明において光学フィルムとは、液晶表示装置、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、電子ペーパーディスプレイ等の各種表示装置に用いられる機能フィルムのことであり、偏光板用保護フィルム、位相差板、反射板、視野角拡大フィルム、光学補償フィルム、防眩フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム、色補正フィルター、色分解フィルム、紫外線又は赤外線カットフィルム、帯電防止フィルムあるいは導電性フィルム等を含む。
各種表示装置の一つである液晶表示装置(以下、LCDとも称す)は、昨今、自動車搭載ディスプレイ、大型テレビ、携帯電話、ノートパソコン等の普及から需要が増えてきている。LCDは、従来のCRT表示装置に比べて、省スペース、省エネルギーであることからモニターとして広く使用されている。更にTV用としても普及が進んできている。このようなLCDには、偏光フィルムや位相差フィルムなどの種々な光学フィルムが使用されている。
このLCDの基本的な構成としては液晶セルの両側に偏光板を設けたものである。偏光板は、一定方向の偏波面の光だけを通すものである。従って、液晶表示装置においては、電界による液晶の配向の変化を可視化させる重要な役割を偏光板が担っている。即ち、偏光板の性能によって液晶表示装置の性能が大きく左右される。偏光板の一般的な構成は偏光子の両側に保護フィルムが積層されている。保護フィルムは場合によっては位相差補正機能を持つ場合もある。この様な構成の偏光板を液晶セルに対して積層することで、LCDが構成されている。保護フィルムは、偏光子の耐久性を向上させる目的から設けられ、従来、偏光板に用いられる保護フィルムとしては、透明で優れた物理的、機械的性質を持ち、温湿度に対する寸度変化が小さい光学フィルムが使用されている。
近年、各種表示装置の需要が増加し、これに使用される光学フィルムの生産性向上が要望されている。光学フィルムの生産性を向上させるためには、光学フィルムの広幅化や、製造工程の高速化が必要となる。また、各種表示装置を薄くするために、光学フィルムについても薄膜化、軽量化が要望されている。更に、各種表示装置の大画面化に伴い、光学フィルムも広幅化が求められている。また、生産性向上のために、長尺巻き化も進められている。
また、光学フィルムの機械的強度を中心とする膜特性、保存性、光学特性等を改善するために、光学フィルムに各種添加剤(例えば、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、マット剤、導電性物質、帯電防止剤、難燃剤、滑剤等)を添加することが必須となっている。
従来、この様な光学フィルムは、樹脂と各種添加剤とを溶剤に溶解したドープを無端支持体上に流延し、乾燥工程で溶剤を除去してフィルムを巻き取る溶液流延製膜法で製造されている。溶液流延製膜法で光学フィルムを製造する場合、製膜後にテンターにより延伸することで、光学特性や平面性を調整する場合もある。
ところが、光学フィルムの薄膜化、広幅化、生産性向上のための高速化及び長尺巻き化に伴い、従来の製品では見られなかった故障(例えば、巻取り状態でのフィルムの凸状故障、保存時のクッツキ等)が顕在化する様になってきた。これらの故障は、偏光板加工、パネル加工後に、欠陥故障となるので避けなければならない故障である。尚、「凸状故障」とは、フィルム製造時の巻き取り時にフィルム間に入り込んだ空気が抜けずに残ったり、異物が入り込んで発生した際の「浮き」を意味する。
特に広幅化した場合、巻き体の自重により中央が撓み、中央部に荷重の集中することで経時(保管)で貼り付き故障、局所的なフィルム摩擦によるフィルムの盛り上がりによる凸状故障が発生する危険が高い。
これら薄膜化に伴い顕在化する故障に対してこれまでに検討が成されてきた。例えば、固体微粒子を添加することでフィルムの一方の面と他方の面との動摩擦係数を調整する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。又、巻き芯に巻き取られたセルロースエステルフィルムを透湿度1g/m2以下の包装材料で包装することで、経時保管中における異物故障やフィルム同士の貼り付き故障の発生を抑制する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特許文献1、特許文献2に記載の方法は、従来の幅の光学フィルムの場合は効果は認められる。しかしながら、近年進められている、光学フィルムの薄膜化、広幅化、生産性向上のための高速化及び長尺巻き化に伴い顕在化した故障(例えば、巻取り状態でのフィルムの凸状故障、保存時のクッツキ等)には不十分な対策となっている。
この様な状況から、薄膜・広幅化し、長尺巻の状態で経時(保管)でクッツキ故障、局所的なフィルム摩擦によるフィルムの盛り上がりに伴う凸状故障が発生する危険がない光学フィルム、光学フィルムの製造方法、この光学フィルムを使用した偏光板の開発が望まれている。
特開2004−168981号公報 特開2005−104556号公報
本発明は上記状況に鑑みなされたものであり、その目的は、薄膜・広幅化した光学フィルムを長尺巻の状態で経時(保管)で貼り付き故障、局所的なフィルム摩擦によるフィルムの盛り上がりに伴う凸状故障が発生する危険がない光学フィルム、光学フィルムの製造方法、この光学フィルムを使用した偏光板を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成された。
1.原料樹脂を溶媒に溶解したドープを無端支持体の上に流延し、ウェブを形成し、前記ウェブを前記無端支持体より剥離した後、乾燥し、巻き取り、ロール状形態として製造された少なくとも1種の可塑剤を含有する光学フィルムであって、前記光学フィルムの全幅が1500mm〜4000mmであり、前記光学フィルムの表面側の中央部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析法(Time of flight secondary ion mass spectrometry))で測定した値Aと、裏面側の中央部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値Bとから、式1により求めた値Xと、前記光学フィルムの表面側の端部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値A′と、裏面側の端部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値B′とから、式2により求めた値X′とが異なり、
且つ、前記値Xは前記値X′よりも小さいことを特徴とする光学フィルム。
式1 X={A/(A+B)}×100
式2 X′={A′/(A′+B′)}×100
2.前記値Xが20〜49で、且つA≦Bであることを特徴とする前記1に記載の光学フィルム。
3.前記値X′がXより5〜30大きく、且つA′≦B′であることを特徴とする前記1又は2に記載の光学フィルム。
4.前記ロール状形態の光学フィルムは、全長が1500m〜10000mを有し、巻き芯側の該光学フィルムの動摩擦係数に対する、巻き外側の該光学フィルムの摩擦係数の比が0.95〜1.05であることを特徴とする前記1乃至3の何れか1項に記載の光学フィルム。
5.前記端部の幅は、端辺を基準点として光学フィルムの全幅に対して10%〜40%にある任意の位置との間で決まる間隔であることを特徴とする前記1乃至4の何れか1項に記載の光学フィルム。
6.前記原料樹脂がセルロースエステルであることを特徴とする前記1乃至5の何れか1項に記載の光学フィルム。
7.前記光学フィルムは、温度30℃、相対湿度80%で、7日間放置した後の伸縮率を下記式3、式4で表した時、その何れも−0.10%〜+0.10%であることを特徴とする前記1乃至6の何れか1項に記載の光学フィルム。
式3 (処理後のMD方向の長さ−処理前のMD方向の長さ)/処理前のMD方向の長さ×100=MD方向伸縮率
式4 (処理後のTD方向の長さ−処理前のTD方向の長さ)/処理前のTD方向の長さ×100=TD方向伸縮率
8.原料樹脂を溶媒に溶解したドープを無端支持体の上に流延し、ウェブを形成し、前記ウェブを前記無端支持体より剥離した後、乾燥し、巻き取りロール状形態として製造する少なくとも1種の可塑剤を含有する前記1乃至7の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法において、前記ドープを無端支持体の上に流延し、前記無端支持体より前記ウェブを剥離する間、前記ウェブの幅手方向の中央部と両側の端部とを異なった温度で加熱し、且つ、前記無端支持体の前半部においては、中央部の加熱温度が前記端部の加熱温度よりも高くし、前記無端支持体の後半部においては、中央部の加熱温度が前記端部の加熱温度よりも低くすることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
9.前記無端支持体の前半部における中央部の加熱温度は両側の端部の加熱温度よりも1℃〜20℃高いことを特徴とする前記8に記載の光学フィルムの製造方法。
10.前記無端支持体の後半部における中央部の加熱温度は両側の端部の加熱温度よりも1℃〜20℃低いことを特徴とする前記8又は9に記載の光学フィルムの製造方法。
11.前記端部の幅は、両側の端辺を基準点としてウェブの全幅に対して10%〜40%にある任意の位置との間で決まる間隔であることを特徴とする前記8乃至10の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
12.前記ロール状形態の光学フィルムは、長さが1500m〜10000mであることを特徴とする前記8乃至11の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
13.前記1乃至7の何れか1項に記載の光学フィルムを用いたことを特徴とする偏光板。
薄膜・広幅化した長尺巻の状態での経時(保管)で貼り付き故障、局所的なフィルム摩擦によるフィルムの盛り上がりに伴う凸状故障が発生する危険がない光学フィルム、光学フィルムの製造方法、この光学フィルムを使用した偏光板を提供することが出来、高生産効率化が可能となった。
溶液流延製膜法による光学フィルムの製造装置の概略図である。 溶液流延製膜法による光学フィルムの他の製造装置の模式図である。 図1(a)のB−B′に沿った概略拡大断面図である。 図1(b)のPで示す部分の拡大概略断面図である。 図4のQで示される部分の拡大概略平面図である。 本発明の光学フィルムを使用した偏光板の概略断面図である。
符号の説明
1a〜1d 製造装置
101 溶液流延製膜工程
101a 鏡面帯状金属流延ベルト
101b ダイス
101c 加熱装置
101c1 外箱
101d1〜101d6 加熱風供給管
101d7 排気管
101e1 第1加熱風吹付用ヘッダ
101e11 加熱風吹付口
101e2 第2加熱風吹付用ヘッダ
101e21 加熱風吹付口
101e3 第3加熱風吹付用ヘッダ
101e31 加熱風吹付口
101e4 第4加熱風吹付用ヘッダ
101e41 加熱風吹付口
101e5 第5加熱風吹付用ヘッダ
101e51 加熱風吹付口
101e6 第6加熱風吹付用ヘッダ
101e61 加熱風吹付口
102 延伸工程
103 乾燥工程
104 巻き取り回収工程
2 ドープ
4 光学フィルム
5 偏光板
501 偏光子
502 保護フィルム
E、F、G 幅
本発明の実施の形態を、図1〜図6を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は溶液流延製膜法による光学フィルムの製造装置の概略図である。図1(a)は流延後、テンター搬送し、その後乾燥工程で乾燥を行う場合の溶液流延製膜法による光学フィルムの製造装置の概略斜視図である。図1(b)は図1(a)のA−A′に沿った概略断面図である。
図中、1aは溶液流延製膜法による光学フィルムの製造装置を示す。製造装置1aは溶液流延製膜工程101と、延伸工程102と、乾燥工程103と、巻き取り回収工程104とを有している。
溶液流延製膜工程101はエンドレスで走行する無端支持体の鏡面帯状金属流延ベルト(以下、ベルトという)101aと、光学フィルム形成用の樹脂を溶媒に溶解したドープ2(図4を参照)を、ベルト101aに流延するダイス101bと、ベルト101aの上に流延されたドープ2(図4を参照)をベルト101aから剥離出来る状態に溶媒を除去する加熱装置101cとを有している。101c1は乾燥箱を示し、101d1〜101d7は乾燥101c1に配設された加熱風供給管を示し、101d7は排気管を示す。ベルト101aは保持ロール101a1と保持ロール101a2とにより保持され、保持ロールの回転に伴い保持ロール101a1と保持ロール101a2の間を回転移動(図中の矢印方向)する様になっている。3はベルト101aに流延されたドープから溶媒が除去されベルト101aから剥離出来る状態になり固化したウェブを剥離する剥離点を示し、4は剥離された光学フィルムを示す。溶液流延製膜工程101に関しては図3〜図5で詳細に説明する。
延伸工程102は、乾燥風取り入れ口102bと排出口102cとを有する外箱102aと、外箱102aの中に入れられたテンター延伸装置102dとを有している。テンター延伸装置102dに使用するテンターは特に限定はなく、例えば、クリップテンター、ピンテンター等が挙げられ、必要に応じて選択し使用することが可能である。尚、乾燥風取り入れ口102bと排出口102cとは逆であってもよい。延伸工程102で必要とする幅に延伸し、光学フィルムに含まれる溶剤量を、スリキズ、収縮率、変形等を考慮し、5質量%〜30質量%にすることが好ましい。
乾燥工程103は、乾燥風取り入れ口103bと排出口103cとを有する乾燥箱103aと、光学フィルム4を搬送する上部の搬送ロール103dと下部の搬送ロール103eとを有している。上部の搬送ロール103dと下部の搬送ロール103eとは上下で一組で、複数組から構成されている。103fは延伸工程102から出てくる光学フィルム4を乾燥工程103に搬送する搬送ロールを示す。乾燥工程103に配設される搬送ロールの数は、乾燥条件、方法、製造される光学フィルムの長さ等により異なり適宜設定している。上部の搬送ロール103dと下部の搬送ロール103eとは駆動源によって回転駆動されない自由回転ロールとなっている。又、乾燥工程から巻き取り工程までの間には、全て自由回転する搬送ロールが用いられるわけではなく、通常、1本〜数本の搬送用駆動ロール(駆動源によって回転駆動するロール)の設置を必要とする。基本的に、搬送用駆動ロールは、その駆動で光学フィルムを搬送するのが目的であるので、ニップやサクション(エアの吸引)などにより、光学フィルムの搬送と、駆動ロールの回転とを同期させる機構が付いている。
巻き取り回収工程104は、巻き取り装置(不図示)を有し、乾燥終了した光学フィルム4を必要量の長さに巻き芯に巻き取る。104aは巻き芯に巻き取られたロール状の光学フィルムを示す。尚、巻き取る際の温度は、巻き取り後の収縮によるスリキズ、巻き緩み等を防止するために室温まで冷却することが好ましい。図2(a)〜図2(c)に示される溶液流延製膜法による光学フィルムの製造装置の概略断面図の場合も同じである。使用する巻き取り機は、一般的に使用されているものでよく、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法などの巻き取り方法で巻き取ることが出来る。
図2は溶液流延製膜法による光学フィルムの他の製造装置の模式図である。図2(a)は流延後、乾燥工程で予備乾燥し、その後テンター搬送し、その別の後乾燥工程で最終的な乾燥を行う場合の溶液流延製膜法による光学フィルムの製造装置の模式図である。図2(b)は流延後、乾燥工程で予備乾燥し、その後別の乾燥工程で最終的な乾燥を行う場合の溶液流延製膜法による光学フィルムの製造装置の模式図である。図2(c)は流延後、乾燥工程で乾燥を行う場合の溶液流延製膜法による光学フィルムの製造装置の模式図である。
図2(a)に示される溶液流延製膜法による光学フィルムの製造装置の模式図を説明する。図中、1bは溶液流延製膜法による光学フィルムの製造装置を示す。製造装置1bは、流延工程101と、第1乾燥工程105と、延伸工程102と、第2乾燥工程106と、巻き取り回収工程104とを有している。図1(a)に示される製造装置との違いは、延伸工程102で延伸する前に、ベルト101aから剥離した光学フィルム4を、一旦第1乾燥工程105で乾燥することである。他の工程は図1(a)に示される製造装置1aと同じである。
第1乾燥工程105は、乾燥風取り入れ口105bと排出口105cとを有する乾燥箱105aと、光学フィルム4を搬送する上部の搬送ロール105dと下部の搬送ロール105eとを有している。上部の搬送ロール105dと下部の搬送ロール105eとは上下で一組で、複数組から構成されている。延伸工程102(図1(a)の延伸工程と同じ)に入る前の光学フィルム4に含まれる溶剤量の調整が第1乾燥工程105で行うことが可能となっている。
第2乾燥工程106は、乾燥風取り入れ口106bと排出口106cとを有する乾燥箱106aと、光学フィルム4を搬送する上部の搬送ロール106dと下部の搬送ロール106eとを有している。上部の搬送ロール106dと下部の搬送ロール106eとは上下で一組で、複数組から構成されている(図1(a)に示される乾燥工程105と同じ構成となっている)。他の符号は図1(a)と同じである。
図2(b)に示される溶液流延製膜法による光学フィルムの製造装置の模式図を説明する。図中、1cは溶液流延製膜法による光学フィルムの製造装置を示す。製造装置1cは、流延工程101と、第1乾燥工程105と、第2乾燥工程107と、巻き取り回収工程104とを有している。第2乾燥工程107は、乾燥風取り入れ口107bと排出口107cとを有する乾燥箱107aと、光学フィルム4を搬送する上部の搬送ロール107dと下部搬送ロール107eとを有している。上部の搬送ロール107dと下部の搬送ロール107eとは上下で一組で、複数組から構成されている(図1(a)に示される乾燥工程105と同じ構成となっている)。図2(a)に示される製造装置との違いは、延伸工程を有していないことである。このため、図2(a)の延伸工程で乾燥する分も第2乾燥工程107で行うため、第2乾燥工程107は図2(a)で示される第2乾燥工程106よりも長くすることが好ましい。ベルトから剥離した光学フィルム4は、第1乾燥工程105と第2乾燥工程107とで乾燥され、巻き取り回収工程104で巻き取られ回収される。他の符号は図1(a)、(b)と同じである。
図2(c)に示される溶液流延製膜法による光学フィルムの製造装置の模式図を説明する。図中、1dは溶液流延製膜法による光学フィルムの製造装置を示す。製造装置1dは、流延工程101と、乾燥工程108と、巻き取り回収工程104とを有している。図2(b)に示される製造装置との違いは、第1乾燥工程を有していないことである。ベルトから剥離した光学フィルム4は、乾燥工程108で乾燥され、巻き取り回収工程104で巻き取られ回収される。乾燥工程108は、乾燥風取り入れ口108bと排出口108cとを有する乾燥箱108aと、光学フィルム4を搬送する上部の搬送ロール108dと下部の搬送ロール108eとを有している。上部の搬送ロール108dと下部の搬送ロール108eとは上下で一組で、複数組から構成されている(図2(a)に示される乾燥工程106と同じ構成となっているが、第1乾燥工程105(図2(a)を参照)の機能も有するため全体が長くなっている)。他の符号は図1(a)と同じである。
次に図1、図2(a)〜図2(c)に示される各工程における光学フィルムの残留溶媒量に付いて説明する。
図1の場合、流延工程101で流延後、ベルト101aから剥離された光学フィルムの残留溶媒量は、ベルトから剥離する時の残留応力の均一性、延伸性、寸法安定性、乾燥時の収縮性等を考慮し、50質量%〜250質量%であり、好ましくは80〜140質量%である(図2(a)〜図2(c)の場合も同じである)。
延伸工程102でテンター延伸装置102dで処理後の光学フィルムの残留溶媒量は、乾燥部での光学フィルムの伸縮率の調整、スリキズ等を考慮し、5質量%〜30質量%が好ましく、より好ましくは6質量%〜25質量%である。
乾燥工程103での乾燥処理後の光学フィルムの残留溶媒量は、乾燥工程の負荷、保存時の寸法安定性伸縮率等を考慮し、0.1質量%〜15質量%が好ましい。
図2(a)の場合、第1乾燥工程105の乾燥処理後の光学フィルムの残留溶媒量は、延伸工程102での乾燥負荷、延伸工程の延伸性等を考慮し、5質量%〜40質量%が好ましく、より好ましくは10〜35質量%である。延伸工程102終了後の残留溶媒量は図1の場合と同じであり、第2乾燥工程106で乾燥終了後の残留溶媒量は図1の乾燥工程103での乾燥終了時の場合と同じである。
図2(b)の場合、第1乾燥工程105での乾燥処理後の光学フィルムの残留溶媒量は、図2(a)の場合と同じである。第2乾燥工程107で乾燥終了後の残留溶媒量は図1の乾燥工程103での乾燥終了時の場合と同じである。
図2(c)の場合、乾燥工程108での乾燥終了時の場合の光学フィルムの残留溶媒量は図1の乾燥工程103での乾燥終了時の場合と同じである。
本発明における残留溶媒量(質量%)の値は一定の大きさの光学フィルムを115℃で1時間乾燥した時の樹脂フィルムの質量をFとし、乾燥前の光学フィルムの質量をEとした時、((E−F)/F)×100=残留溶媒量(質量%)で求めた値である。
図1、図2(a)に示される延伸工程後の乾燥工程、図2(b)、図2(c)に示される乾燥工程では加熱空気、赤外線等単独又は加熱空気と赤外線乾燥を併用しても構わない。簡便さの点で加熱空気で行うのが好ましい。乾燥温度は、乾燥工程に入る時の樹脂フィルムの残留溶剤量により異なるが、乾燥時間、収縮ムラ、伸縮量の安定性等を考慮し、30℃〜180℃の範囲で残留溶媒量により適宜選択して決めればよく、一定の温度で乾燥してもよいし、数段階の温度に分けて乾燥しても構わない。
図1、図2(a)〜図2(c)に示される溶液流延製膜法により製造される光学フィルムの膜厚は、使用目的によって異なるが、図7に示される偏光板に保護フィルムとして使用する場合、20μm〜120μm、望ましくは40μm〜100μmである。
図3は図1(a)のB−B′に沿った概略拡大断面図である。
加熱装置101cは、乾燥箱101c1と、第1加熱風吹付用ヘッダ101e1と、第2加熱風吹付用ヘッダ101e2と、第3加熱風吹付用ヘッダ101e3と、第4加熱風吹付用ヘッダ101e4と、第5加熱風吹付用ヘッダ101e5と、第6加熱風吹付用ヘッダ101e6と、排気管101d7(図1を参照)と、加熱風供給管101d1〜101d6とを有している。101e11は第1加熱風吹付用ヘッダ101e1の加熱風吹付口を示す。101e21は第2加熱風吹付用ヘッダ101e2の加熱風吹付口を示す。101e31は第3加熱風吹付用ヘッダ101e3の加熱風吹付口を示す。101e41は第4加熱風吹付用ヘッダ101e4の加熱風吹付口を示す。101e51は第5加熱風吹付用ヘッダ101e5の加熱風吹付口を示す。101e61は第6加熱風吹付用ヘッダ101e6の加熱風吹付口を示す。
第1加熱風吹付用ヘッダ101e1と第3加熱風吹付用ヘッダ101e3とはベルト101aの前半部の上に流延されたドープの両端を乾燥するために配設されており、第2加熱風吹付用ヘッダ101e2は、ベルト101aの前半部の上に流延されたドープの中央部を乾燥するために配設されている。
第4加熱風吹付用ヘッダ101e4と第6加熱風吹付用ヘッダ101e6とはベルト101aの後半部の上に流延されたドープの両端を乾燥するために配設されており、第5加熱風吹付用ヘッダ101e5は、ベルト101aの後半部の上に流延されたドープの中央部を乾燥するために配設されている。
図4は図1(b)のPで示す部分の拡大概略断面図である。
ベルト101aの上に流延されたドープ2は、ベルト101aの回転移動(図中の矢印方向)に伴い順次、各加熱風吹付口から加熱風を吹き付けられることでドープ中の溶媒が除去されウェブを形成し、ベルト101aから剥離出来る状態の固化した光学フィルム4となり、次工程に搬送される。
本発明でベルト101aの前半部とは、保持ロール101a1と保持ロール101a2との間に保持されたベルト101aの上側の部分を言い、ベルト101aの後半部とは、保持ロール101a1と保持ロール101a2との間に保持されたベルト101aの下側の部分を言う。
第2加熱風吹付用ヘッダ101e2は、ベルト101aの前半部のほぼ全長に加熱風を吹き付ける様に配設されている。第1加熱風吹付用ヘッダ101e1(図3を参照)、第3加熱風吹付用ヘッダ101e3(図3を参照)も第2加熱風吹付用ヘッダ101e2と同じように配設されている。
第5加熱風吹付用ヘッダ101e5は、ベルト101aの後半部のほぼ全長に加熱風を吹き付ける様に配設されている。第4加熱風吹付用ヘッダ101e4(図3を参照)、第6加熱風吹付用ヘッダ101e6(図3を参照)も第5加熱風吹付用ヘッダ101e5と同じように配設されている。
尚、図3、図4に示される例では、ドープを加熱する加熱手段として加熱風吹付用ヘッダが、ドープに加熱風を吹き付けるように配設されているが、加熱手段はこの例に限られるものではない。例えば、ベルトの裏側を加熱するために保持ロールで保持されたベルトの間に同じような加熱風吹付用ヘッダを配設しても構わないし、加熱風以外の方法で加熱する手段でも良い。
図5は図4のQで示される部分の拡大概略平面図である。
図中、E(G)はベルト101aの上に流延されたドープ2の端部の幅を示し、Fは中央部の幅を示す。端部の幅Eはドープ2の端辺201aを基準点としてドープ2の全幅に対して端部と中央部とに存在する可塑剤の量のTOF−SIMSによる検出値を考慮し、10%〜40%にある任意の位置との間で決まる間隔が好ましい。端部の幅Gはドープ2の端辺201bを基準点としてドープ2の全幅に対して、端部と中央部とに存在する可塑剤の量のTOF−SIMSによる検出値を考慮し、10%〜40%にある任意の位置との間で決まる間隔が好ましい。尚、図1、図2に示される製造装置により製造された光学フィルムの端部の幅に対しても本図に示される端部の幅E(G)の定義が適用される。尚、本発明において端部とは、本図に示される幅E(G)で示される両側の端部の少なくとも一方を言う。
図1〜図5に示される製造装置を使用して、原料樹脂を溶媒に溶解したドープをベルトの上に流延し、ウェブを形成する時、ウェブの幅手方向の中央部と両側の端部とを異なった温度の加熱風で加熱し、ベルトの前半部においては、中央部の加熱温度を端部の加熱温度よりも高くし、ベルトの後半部においては、中央部の加熱温度を端部の加熱温度よりも低くして製造する。
ベルトの前半部においては、中央部の加熱温度が端部の加熱温度と同じかあるいは低い場合は、幅方向の端部と中央部とに存在する可塑剤の量のTOF−SIMSによる検出値が所望の値と異なってくることにより、ロール状の光学フィルムを保管する時、経時でクッツキ、凸状故障が発生するため好ましくない。
ベルトの前半部においては、中央部の加熱温度は端部の加熱温度よりも、設計した幅方向の端部と中央部とに存在する可塑剤の量のTOF−SIMSによる検出値等を考慮し、1℃〜20℃高いことが好ましい。
ベルトの後半部においては、中央部の加熱温度が端部の加熱温度と同じかあるいは高い場合は、幅方向の端部と中央部とに存在する可塑剤の量のTOF−SIMSによる検出値が所望の値と異なってくることにより、ロール状の光学フィルムを保管する時、経時でクッツキ、凸状故障が発生するため好ましくない。
ベルトの後半部においては、中央部の加熱温度は端部の加熱温度よりも、設計した幅方向の端部と中央部とに存在する可塑剤の量のTOF−SIMSで得られる値等を考慮し、1℃〜20℃低いことが好ましい。
図1〜図5に示される製造装置を使用して、製造する光学フィルムの幅は1500mm〜4000mmである。幅が1500mm未満の場合は、生産効率の低下、LCDの大画面化に対する対応が取れないのため好ましくない。4000mmを超える場合は、取り扱いが困難になる、ロール状の光学フィルムの自重に伴う故障の発生の危険が大きくなる、装置の巨大化に伴う維持管理の負担が増加する、等のため好ましくない。
図1〜図5に示される製造装置を使用して、本発明の製造方法で製造し、全長1500m〜10000mを巻き芯に巻き取られたロール状形態の光学フィルムは、巻き芯側の光学フィルムの動摩擦係数に対する、巻き外側の光学フィルムの動摩擦係数の比は、ロール状の光学フィルムの保管時の経時での凸状故障の発生を考慮し、0.95〜1.05であることが好ましい。尚、巻き芯側とは、巻き始めから100mまでを言い、巻き外側とは、終端から100m内側までの長さを言う。
動摩擦係数は、テスター産業(株)製の摩擦測定器を使用し、温度23℃、湿度55%RHの環境条件で、巻き芯側と巻き外側とからそれぞれ10m部分の箇所を、全幅で長さ50cmを採取した試料の中央部(幅中点から200mmで挟まれる部分)と、端部(両端辺から200mmの部分)とを、100mm/minの測定速度、300gの荷重を掛けて測定した。その他の条件はJISK−7125に準拠して行った。
動摩擦係数の求め方
上記によって得られる動摩擦抵抗力を測定時の荷重で除した値が動摩擦係数であり、これを測定回数に応じた平均値を示す。
図1〜図5に示される製造装置を使用して、本発明の製造方法で製造した光学フィルムは、光学フィルムの表面側の中央部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値Aと、裏面側の中央部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値Bとから、式1により求めた値Xと、光学フィルムの表面側の端部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値A′と、裏面側の端部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値B′とから、式2により求めた値X′とが異なり、且つ、値Xは値X′よりも小さくなっている。尚、TOF−SIMSで測定する端部とは、両側の端部の少なくとも一方の端部をいう。
式1 X={A/(A+B)}×100
式2 X′={A′/(A′+B′)}×100
値Xと値X′とが同じの場合、片面側に可塑剤が局在化しておらず、貼り付き防止の効果が現れないことにより、本発明の効果が得られないため好ましくない。
値Xが値X′よりも大きい場合、貼り付き防止の効果が現れないことにより、本発明の効果が得られないためため好ましくない。
尚、ベルトに接している側を裏面側といい、ベルトに接していない側を表面側という。
値Xは、フィルムの物理特性、特にカール性、貼り付き耐性、偏光板加工性、塗布性等を考慮し、20〜49、且つA≦Bであることが好ましい。
値X′は、フィルムの物理特性、特に貼り付き耐性等を考慮し、Xより5〜30大きく、且つA′≦B′であることが好ましい。
図1〜図5に示される製造装置を使用して、本発明の製造方法で製造した光学フィルムは、温度30℃、相対湿度80%で、7日間放置した後の伸縮率は、ロール状の光学フィルムの保管時の経時での凸状故障の発生を考慮し、−0.10%〜+0.10%が好ましい。
図6は本発明の光学フィルムを使用した偏光板の概略断面図である。
図中、5は偏光板を示す。偏光板5は、偏光子501と、偏光子501の両側に保護フィルム502が積層されている。保護フィルムは場合によっては位相差補正機能を持つ場合もある。この様な構成の偏光板を液晶セルに対して積層することで、LCDが構成されている。本図に示す保護フィルム502が本発明の光学フィルムである。
図1〜図5に示される製造装置を使用して、本発明の製造方法で薄膜・広幅化した長尺巻き光学フィルムを製造することにより次の効果が挙げられる。
1.薄膜・広幅化した光学フィルムでの長尺巻き化が可能となり生産効率の向上が可能となり、LCDの大画面化への対応、及びLCDの需要増加への対応が可能となった。
2.保管時の経時でのクッツキ、凸状故障がなくなったことで、良品率が上がり生産効率の向上が可能となった。
以下に本発明に係わる光学フィルムに使用する樹脂に付き説明する。光学フィルムに使用する樹脂としては、透明で優れた物理的、機械的性質を持ち、温湿度に対する寸度変化が小さい樹脂が使用され、例えば、セルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ノルボルネン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。これら樹脂の中で特に、セルロースエステル樹脂が好ましく用いられている。以下、セルロースエステル樹脂に付き説明する。
本発明のフィルムの製造に用いられるセルロースエステル樹脂としては、セルロースの低級脂肪酸エステル樹脂であることが好ましい。セルロースの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは炭素原子数が6以下の脂肪酸が好ましく、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等がセルロースの低級脂肪酸エステルの特に好ましい例として挙げられる。
又、上記以外にも、特開平10−45804号、同8−231761号、米国特許第2,319,052号等に記載のセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレート等の混合脂肪酸エステルを用いることが出来る。上記記載の中でも、最も好ましく用いられるセルロースの低級脂肪酸エステルとしてはセルローストリアセテート(以下、TACという)、セルロースアセテートプロピオネートである。
本発明に係るセルロースエステルの数平均分子量は、70,000〜250,000が、成型した場合の機械的強度が強く、適度なドープ粘度となり好ましく、更に好ましくは、80,000〜150,000である。
本発明で用いられるセルロースエステルとしては、アセチル基及び/又はプロピオニル基を置換基として有し、アセチル基の置換度をX、又プロピオニル基の置換度をYとした時、下記式(I)及び(II)を同時に満たすセルロースエステルが好ましい。
(I)2.3≦X+Y≦3.0
(II)0≦X≦2.5
特に下記式(III)及び(IV)(V)を同時に満たすセルロースエステルが特に好ましい。
(III)2.3≦X+Y≦2.85
(IV)1.5≦X≦2.5
(V)0.1≦Y≦1.0
アシル基の置換度の測定方法はASTM−D817−96の規定に準じて測定することが出来る。
これまで、置換度が2.85未満のセルロースエステルを用いると寸法安定性が低下することがあったが、本発明の製造方法を適用することによって置換度が低いセルロースエステルを用いても優れた寸法安定性を有するフィルムを得ることが可能となった。
セルロースエステルは綿花リンターから合成されたセルロースエステルと木材パルプから合成されたセルロースエステルのどちらかを単独あるいは混合して用いることが出来る。支持体やドラムからの剥離性がもし問題になれば、支持体やドラムからの剥離性がよい綿花リンターから合成されたセルロースエステルを多く使用すれば生産性が高く好ましい。木材パルプから合成されたセルロースエステルを混合し用いた場合、綿花リンターから合成されたセルロースエステルの比率が40質量%以上で、剥離性の効果が顕著になるため好ましく、60質量%以上が更に好ましく、単独で使用することが最も好ましい。
ドープを作製する際に使用される溶媒としては、セルロースエステルを溶解出来る溶媒であれば何でもよく、又単独で溶解出来ない溶媒であっても他の溶媒と混合することにより、溶解出来るものであれば使用することが出来る。一般的には良溶媒であるメチレンクロライドとセルロースエステルの貧溶媒からなる混合溶媒を用い、且つ混合溶媒中には貧溶媒を4〜30質量%含有するものが好ましく用いられる。
この他、使用出来る良溶媒としては、例えばメチレンクロライド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン等を挙げることが出来るが、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物、ジオキソラン誘導体、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン等が好ましい有機溶媒(即ち、良溶媒)として挙げられる。
セルロースエステルの貧溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等の炭素原子数1〜8のアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸プロピル、モノクロルベンゼン、ベンゼン、シクロヘクサン、テトラヒドロフラン、メチルセルソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることが出来、これらの貧溶媒は単独もしくは2種以上を適宜組み合わせて用いることが出来る。
本発明で用いることの出来る可塑剤としては特に限定しないが、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤などを好ましく用いることが出来る。
リン酸エステル系では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等、トリメリット酸系可塑剤として、トリブチルトリメリテート、トリフェニルトリメリテート、トリエチルトリメリテート等、ピロメリット酸エステル系可塑剤として、テトラブチルピロメリテート、テトラフェニルピロメリテート、テトラエチルピロメリテート等、グリコール酸エステル系では、トリアセチン、トリブチリン、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等、クエン酸エステル系可塑剤として、トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリ−n−(2−エチルヘキシル)シトレート等を好ましく用いることが出来る。ポリエステル系可塑剤として脂肪族二塩基酸、脂環式二塩基酸、芳香族二塩基酸等の二塩基酸とグリコールの共重合ポリマーを用いることが出来る。脂肪族二塩基酸としては特に限定されないが、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸などを用いることが出来る。
グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコールなどを用いることが出来る。これらの二塩基酸及びグリコールはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。ポリエステルの分子量は重量平均分子量で500〜2000の範囲にあることが、セルロースエステルとの相溶性の点から好ましい。
又、本発明では特に200℃における蒸気圧が1333Pa未満の可塑剤を用いることが好ましく、より好ましくは蒸気圧666Pa以下、更に好ましくは1〜133Paの化合物である。不揮発性を有する可塑剤は特に限定されないが、例えばアリーレンビス(ジアリールホスフェート)エステル、リン酸トリクレシル、トリメリット酸トリ(2−エチルヘキシル)、上記ポリエステル可塑剤等が挙げられる。これらの可塑剤は単独あるいは2種以上併用して用いることが出来る。
可塑剤の使用量は寸法安定性、加工性の点を考慮すると、セルロースエステルに対して、1〜40質量%添加させることが出来、3〜20質量%の範囲で添加することが好ましく、更に好ましくは4〜15質量%である。3質量%未満の場合は、スリット加工や打ち抜き加工した際、滑らかな切断面を得ることが出来ず、切り屑の発生が多くなる。
本発明のフィルムには酸化防止剤や紫外線吸収剤などを添加することが好ましい。上記酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等が挙げられる。特に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。又、例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。これらの化合物の添加量は、セルロースエステルに対して質量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜1000ppmが更に好ましい。
又、この他、カオリン、タルク、ケイソウ土、石英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナ等の無機微粒子、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩などの熱安定剤を加えてもよい。
本発明の製造方法で製造された光学フィルムは、その高い寸法安定性から、偏光板又は液晶表示用部材等に使用することが可能であり、この場合、偏光板又は液晶等の劣化防止のため、紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、且つ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。具体的には380nmの透過率が10%未満であることが好ましく、特に5%未満であることがより好ましい。
好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる。例えば、特開平10−182621号、特開平8−337574号、記載の紫外線吸収剤が好ましく用いられる。又、特開平6−148430号、特開平12−273437号に記載の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いられる。あるいは特開平10−152568号に記載されている紫外線吸収剤を加えてもよい。
これらの紫外線吸収剤の中では、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましい紫外線吸として挙げられる。以下にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール(TINUVIN171、チバスペシャルティケミカルズ(株)製)、オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物(TINUVIN109、チバスペシャルティケミカルズ(株)製)
以下にベンゾフェノン系紫外線吸収剤の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)
紫外線吸収剤の添加方法は、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソランなどの有機溶媒に紫外線吸収剤を溶解してからドープに添加するか、又は直接ドープ組成中に添加してもよい。無機粉体のように有機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエステル系樹脂中にデゾルバーやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加することが好ましい。紫外線吸収剤の使用量は、紫外線吸収剤としての効果、透明性等を考慮し、0.1質量%〜2.5質量%が好ましい。更に、好ましくは、0.8質量%〜2.0質量%である。
又、セルロースエステル系樹脂フィルムには、フィルム同士の張り付きを防止したり、滑り性を付与したりして、ハンドリングしやすくするために、マット剤として微粒子を添加してもよい。微粒子としては、無機化合物の微粒子又は有機化合物の微粒子が挙げられる。無機化合物としては、珪素を含む化合物、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等が好ましく、更に好ましくは、珪素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであるが、セルロースエステル積層フィルムの濁度を低減出来るので、二酸化珪素が特に好ましく用いられる。
二酸化珪素の微粒子としては、例えばアエロジル株式会社製のAEROSIL−200、200V、300、R972、R972V、R974、R976、R976S、R202、R812,R805、OX50、TT600、RY50、RX50、NY50、NAX50、NA50H、NA50Y、NX90、RY200S、RY200、RX200、R8200、RA200H、RA200HS、NA200Y、R816、R104、RY300、RX300、R106などが挙げられる。これらのうち、分散性や粒径を制御する点では、AEROSIL−200V、R972Vが好ましい。
酸化ジルコニウムの微粒子としては、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)等の市販品が使用出来る。
有機化合物としては、例えば、シリコーン樹脂、弗素樹脂及びアクリル樹脂等のポリマーが好ましく、中でも、シリコーン樹脂が好ましく用いられる。
上記記載のシリコーン樹脂の中でも、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上東芝シリコーン(株)製)等の商品名を有する市販品が使用出来る。
本発明に係る微粒子の1次平均粒子径としては、ヘイズを低く抑えるという観点から、20nm以下が好ましく、更に好ましくは、5〜16nmであり、特に好ましくは、5〜12nmである。
微粒子の、見掛比重としては、70g/リットル以上が好ましく、更に好ましくは、90〜200g/リットルであり、特に好ましくは、100〜200g/リットルである。見掛比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましく、又、本発明のように固形分濃度の高いドープを調製する際には、特に好ましく用いられる。
1次粒子の平均径が20nm以下、見掛比重が70g/リットル以上の二酸化珪素微粒子は、例えば、気化させた四塩化珪素と水素を混合させたものを1000〜1200℃にて空気中で燃焼させることで得ることが出来る。又例えばアエロジル200V、アエロジルR972V(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、それらを使用することが出来る。
尚、見掛比重は二酸化珪素微粒子を一定量メスシリンダーに採り、この時の重さを測定し、下記式で算出した。
見掛比重(g/リットル)=二酸化珪素質量(g)÷二酸化珪素の容積(リットル)
本発明に係る微粒子の分散液を調製する方法としては、例えば以下に示すような3種類が挙げられる。
《調製方法A》
溶剤と微粒子を撹拌混合した後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とする。微粒子分散液をドープ液に加えて撹拌する。
《調製方法B》
溶剤と微粒子を撹拌混合した後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とする。別に溶剤に少量のセルロースエステルを加え、撹拌溶解する。ここで添加するセルロースエステルとして、本発明の固形物を添加することが特に好ましい。
これに前記微粒子分散液を加えて撹拌する。これを微粒子添加液とする。微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する。
《調製方法C》
溶剤に少量のセルロースエステルを加え、撹拌溶解する。これに微粒子を加えて分散機で分散を行う。これを微粒子添加液とする。微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する。
調製方法Aは二酸化珪素微粒子の分散性に優れ、調製方法Cは二酸化珪素微粒子が再凝集しにくい点で優れている。中でも、上記記載の調製方法Bは二酸化珪素微粒子の分散性と、二酸化珪素微粒子が更に再凝集しにくい等、両方に優れている好ましい調製方法である。
《分散方法》
二酸化珪素微粒子を溶剤などと混合して分散する時の二酸化珪素の濃度は5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%が更に好ましく、15〜20質量%が最も好ましい。分散濃度は高い方が、添加量に対する液濁度は低くなる傾向があり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
使用される溶剤は低級アルコール類としては、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。低級アルコール以外の溶媒としては特に限定されないが、セルロースエステルの製膜時に用いられる溶剤を用いることが好ましい。
セルロースエステルに対する二酸化珪素微粒子の添加量はセルロースエステル100質量部に対して、二酸化珪素微粒子は0.01〜0.3質量部が好ましく、0.05〜0.2質量部が更に好ましく、0.08〜0.12質量部が最も好ましい。添加量は多い方が、動摩擦係数に優れ、添加量が少ない方がヘイズが低く、凝集物も少ない点が優れている。
分散機は通常の分散機が使用出来る。分散機は大きく分けてメディア分散機とメディアレス分散機に分けられる。二酸化珪素微粒子の分散にはメディアレス分散機がヘイズが低く好ましい。
メディア分散機としてはボールミル、サンドミル、ダイノミルなどが挙げられる。
メディアレス分散機としては超音波型、遠心型、高圧型などがあるが、本発明においては高圧分散装置が好ましい。高圧分散装置は、微粒子と溶媒を混合した組成物を、細管中に高速通過させることで、高剪断や高圧状態など特殊な条件を作りだす装置である。高圧分散装置で処理する場合、例えば、管径1〜2000μmの細管中で装置内部の最大圧力条件が9.807MPa以上であることが好ましい。更に好ましくは19.613MPa以上である。又その際、最高到達速度が100m/秒以上に達するもの、伝熱速度が420kJ/時間以上に達するものが好ましい。
上記のような高圧分散装置にはMicrofluidics Corporation社製超高圧ホモジナイザ(商品名マイクロフルイダイザ)あるいはナノマイザ社製ナノマイザがあり、他にもマントンゴーリン型高圧分散装置、例えばイズミフードマシナリ製ホモジナイザ、三和機械(株)社製UHN−01等が挙げられる。
又、これらの微粒子はフィルムの厚み方向で均一に分布していてもよいが、より好ましくは主に表面近傍に存在するように分布していることが好ましく、例えば、共流延法により、2種以上のドープを用いて、微粒子を主に表層側に配置されたドープに添加することが、滑り性が高く、ヘイズが低いフィルムが得られるので好ましい。好ましくは3種のドープを使用して表層側の2つのドープに主に微粒子を添加することが望ましい。
又、本発明のフィルムには導電性を有する物質を添加することで好ましいインピーダンスを有する光学フィルムを得ることも出来る。導電性物質としては特に限定はされないが、イオン導電性物質や導電性微粒子あるいはセルロースエステルと相溶性を有する帯電防止剤などを用いることが出来る。
ここでイオン導電性物質とは電気伝導性を示し、電気を運ぶ担体であるイオンを含有する物質のことであるが、例えば、イオン性高分子化合物を挙げることが出来る。
イオン性高分子化合物としては、特公昭49−23828号、同49−23827号、同47−28937号に見られるようなアニオン性高分子化合物、例えば特公昭55−734号、特開昭50−54672号、特公昭59−14735号、同57−18175号、同57−18176号、同57−56059号などに見られるような、主鎖中に解離基を持つアイオネン型ポリマー、特公昭53−13223号、同57−15376号、特公昭53−45231号、同55−145783号、同55−65950号、同55−67746号、同57−11342号、同57−19735号、特公昭58−56858号、特開昭61−27853号、同62−9346号に見られるような、側鎖中にカチオン性解離基を持つカチオン性ペンダント型ポリマー等を挙げることが出来る。
又、導電性微粒子の例としては導電性を有する金属酸化物が挙げられる。金属酸化物の例としては、ZnO、TiO2、SnO2、Al23、In23、SiO2、MgO、BaO、MoO2、V25等、あるいはこれらの複合酸化物が好ましく、特にZnO、TiO2及びSnO2が好ましい。異種原子を含む例としては、例えばZnOに対してはAl、In等の添加、TiO2に対してはNb、Ta等の添加、又SnO2に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等の添加が効果的である。これら異種原子の添加量は0.01〜25mol%の範囲が好ましいが、0.1〜15mol%の範囲が特に好ましい。
又、これらの導電性を有する金属酸化物粉体の体積抵抗率は107Ωcm以下特に105Ωcm以下であって、1次粒子径が10nm以上0.2μm以下で、高次構造の長径が30nm以上6μm以下である特定の構造を有する粉体をフィルム内の少なくとも一部の領域に体積分率で0.01%以上20%以下含んでいることが好ましい。
特に好ましくは、特開平9−203810号に記載されているアイオネン導電性ポリマーあるいは分子間架橋を有する第4級アンモニウムカチオン導電性ポリマーなどを含有することが望ましい。
架橋型カチオン性導電性ポリマーの特徴は、得られる分散性粒状ポリマーにあり、粒子内のカチオン成分を高濃度、高密度に持たせることが出来るため、優れた導電性を有しているばかりでなく、低相対湿度下においても導電性の劣化は見られず、粒子同志も分散状態ではよく分散されているにもかかわらず、塗布後造膜過程において粒子同志の接着性もよいため膜強度も強く、又他の物質、例えば基体にも優れた接着性を有し、耐薬品性に優れている。
架橋型のカチオン性導電性ポリマーである分散性粒状ポリマーは一般に約0.01μm〜0.3μmの粒子サイズ範囲にあり、好ましくは0.05μm〜0.15μmの範囲の粒子サイズが用いられる。ここで用いている「分散性粒状ポリマー」の語は、視覚的観察によって透明又はわずかに濁った溶液に見えるが、電子顕微鏡の下では粒状分散物として見えるポリマーである。
帯電防止剤もしくはマット剤の添加は光学フィルムの表層部(表面から10μmの部分)に含まれていることが好ましく、共流延等の方法によってフィルムの表面に帯電防止剤及び/又はマット剤を含有させることが好ましい。具体的には、導電性物質及び/又はマット剤を含有するドープAと実質的にこれらを含有しないドープBを使用し、ドープBの少なくとも片側の面にドープAがあるように流延されることが好ましい。
必要に応じて、更に帯電防止剤、難燃剤、滑剤、油剤、マット剤、その他添加剤を加えてもよい。
本発明の製造方法により製造された光学フィルムは液晶ディスプレイに使用する偏光板、その他液晶表示装置に用いる反射防止用フィルムあるいは光学補償フィルムの基材としても使用することが可能である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(ドープ組成物の調製)
セルローストリアセテートプロピオネート 100質量部
(アセチル基置換度1.95、プロピオニル基置換度0.7)
トリフェニルホスフェート 10質量部
エチルフタリルエチルグリコレート 2質量部
チヌビン326(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 1質量部
AEROSIL 200V(日本アエロジル(株)製) 0.1質量部
メチレンクロライド 300質量部
エタノール 40質量部
上記材料を、順次密閉容器に投入し、容器内温度を20℃から80℃まで昇温した後、温度を80℃に保った状態で3時間攪拌を行って、完全に溶解した。その後、攪拌を停止し、液の温度を43℃まで下げた後、濾紙(安積濾紙株式会社製 安積濾紙No.244)を使用して濾過し、ドープを得た。
(セルローストリアセテートプロピオネートフィルムの製造)
図1で示される工程を用い次に示す方法でセルローストリアセテートプロピオネートフィルムを製造した。調製したドープを温度33℃で流延ダイスよりステンレス鋼製の無端支持体のベルトの上に表1に示す様に幅を変えて流延した後、図3、図4に示す加熱装置を使用し、表1に示す様にベルトの前半部と後半部のドープの両側の端部と中央部との加熱条件を変えて加熱し、ベルト上に形成されたウェブをベルトから剥離し、延伸工程での延伸処理が終了した後、搬送速度50m/minで搬送し、100℃で20分間乾燥し厚さ80μmのセルローストリアセテートプロピオネートフィルムを各5000m作製し、巻き取り工程で巻き芯に巻き取りロール状のセルローストリアセテートプロピオネートフィルムを製造し、試料No.101〜118とした。そのうち、試料No.101〜103はドープの幅が狭すぎる比較例、試料No.116〜118はドープの幅が広すぎる比較例である。尚、両側の端部及び中央部の加熱温度は、装置の表示値に基づく値を示す。この表示値は市販の標準温度計により校正した。校正方法について特に限定の方法はないが、3点校正で行った。又、両側の端部はドープの全幅に対してそれぞれ端辺を基準点として30%とした。
評価
作製した各試料No.101〜118に付き、以下に示す方法で各試料の中央部と両側の端部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定、動摩擦係数の測定、伸縮率の測定、クッツキの有無、凸状故障の有無を観察し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表2に示す。
中央部と両側の端部に存在する可塑剤の量のTOF−SIMSによる測定
装置としてフィジカルエレクトロニクス(Physiacl Electronics)社製 TFS−2100を使用し、温度23℃、湿度55%RHで試料の中央部の厚み断面と、端部の厚み断面とをそれぞれTOF−SIMSにより走査しフィルム中に含有する可塑剤に帰属する質量値のカウント数を、厚み断面の表面側から裏面側に至るまで連続的に測定した。その他の条件は装置に示されている操作方法に従って行った。尚、試料は、長さ5000mのロール状の光学フィルムから、巻き外側から5mを、全幅で長さ50cmを採取し、測定箇所は幅中心から200mmの端部で挟まれる部分を中央部とし、両端辺から200mmの部分を端部とした。
(値Xの求め方)
サンプルの中央部の厚み断面をTOF−SIMSにより走査し、セルローストリアセテートプロピオネートフィルム中に含有する可塑剤に帰属する質量値のカウント数を、厚み断面の表面側から裏面側に至るまで連続的に3回測定する。表面側から裏面側に至るカウント数をグラフ化し可塑剤の分布とし、表面側のカウント数をA、裏面側のカウント数をBとする。得られた、Aと、Bとから次式、X={A/(A+B)}×100によりXを計算で求めた。値XはTOF−SIMSで測定した3回の平均値を示す。
(値X′の求め方)
サンプルの両側の端部の厚み断面をTOF−SIMSにより走査し、セルローストリアセテートプロピオネートフィルム中に含有する可塑剤に帰属する質量値のカウント数を、厚み断面の表面側から裏面側に至るまで連続的に測定する。表面側から裏面側に至るカウント数をグラフ化し可塑剤の分布とし、表面側のカウント数をA′、裏面側のカウント数をB′とする。得られた、A′と、B′とから次式、X′={A′/(A′+B′)}×100より、X′を計算で求めた。値X′はTOF−SIMSで測定した3回の平均値を示す。
動摩擦係数の測定
テスター産業(株)製の摩擦測定器を使用し、温度23℃、湿度55%RHで、試料を荷重300g、測定速度100mm/minでその他の条件はJISK−7125に準拠して行った。得られる動摩擦抵抗力を測定時の荷重で除した値が動摩擦係数であり、これを測定回数に応じた平均値を示す。尚、試料は巻き芯側から10m部分の箇所を、全幅で長さ50cmと、巻き外側から10m部分の箇所を、全幅で長さ50cmを採取した。測定箇所は、幅中点から200mmで挟まれる部分(中央部)、両端辺から200mmの部分(端部)を3回測定した。
伸縮率の測定
巻きの外側から10mの箇所を20cm×20cmの大きさで採取し試料とし、MD方向、TD方向のそれぞれに長さ100mm間の特定の印を付け、恒温恒湿器で温度30℃、相対湿度80%で、7日間放置した後、特定の印を付けた100mm間の長さを顕微鏡型二点間測定機で測定し、MD伸縮率とTD伸縮率とを下記に示す式より計算で求めた。長さの測定は、処理前後ともに23℃55%に24時間以上放置後して行った。恒温恒湿器は、エスペック(株)製PR−2型を使用した。
MD伸縮率=(処理後のMD方向の長さ−処理前のMD方向の長さ)/処理前のMD方向の長さ×100
TD伸縮率=(処理後のTD方向の長さ−処理前のTD方向の長さ)/処理前のTD方向の長さ×100
尚、MD(Machine Direction)方向の長さは、縦方向の長さを示し、TD(Transverse Direction)方向の長さは、横方向の長さを示す。
クッツキの確認
ロール状の試料5000mを別の巻き芯に巻き変え、クッツキの有り、無しを目視にて観察した。
クッツキの評価ランク
○:巻き始めから巻き終わりまでにクッツキが確認されない
△:巻き始めから2500m当たりに実技上問題にならない微弱なクッツキが散見される。
×:巻き始めから巻き終わりまでにクッツキが頻繁に確認される
凸状故障の観察
ロール状の試料5000mを別の巻き芯に巻き変え、凸状故障の有り、無しを目視にて観察した。
凸状故障の評価ランク
○:巻き始めから巻き終わりまでに凸状故障が確認されない
△:巻き始めから2500m当たりに実技上問題にならない微弱な凸状故障が散見される。
×:巻き始めから巻き終わりまでに凸状故障が頻繁に確認される
動摩擦係数比*は巻き芯側の光学フィルムの動摩擦係数に対する、巻き外側の光学フィルムの動摩擦係数の比を示す。端部1はセルローストリアセテートプロピオネートフィルムのMD方向の右側の端部を示し、端部2は左側の端部を示す。試料No.101は本発明と同じ評価結果となったが、幅が狭く広幅化対応が取れていないため、市場の要望である大画面サイズの対応が出来ていない。試料No.116は本発明と同じ評価結果となったが、幅が広くなることで、周辺機器も大きくなり、維持管理に掛かる工数、費用が多大になり実用化は難しいと判断した。本発明の有効性が確認された。
実施例2
(ドープ組成物の調製)
実施例1と同じドープを調製した。
(セルローストリアセテートプロピオネートフィルムの製造)
図2(a)で示される工程を用い次に示す方法でセルローストリアセテートプロピオネートフィルムを製造した。調製したドープを温度33℃で流延ダイスよりステンレス鋼製の無端支持体のベルトの上に1800mmの幅で流延した後、図3、図4に示す加熱装置を使用し、表3に示す様にベルトの前半部と後半部のドープの両側の端部と中央部との加熱条件を変えて加熱し、ベルト上に形成されたウェブをベルトから剥離し、第1乾燥工程で50℃で5分間乾燥した後、延伸工程での延伸処理が終了した。この後、搬送速度50m/minで搬送し、第2乾燥工程で100℃で20分間乾燥し厚さ80μmのセルローストリアセテートプロピオネートフィルムを各3000m作製し、巻き取り工程で巻き芯に巻き取りロール状のセルローストリアセテートプロピオネートフィルムを製造し、試料No.201〜214とした。尚、両側の端部及び中央部の加熱温度は、装置の表示値に基づく値を示す。この表示値は市販の標準温度計により校正した。校正方法は、3点校正で行った。又、両側の端部はドープの全幅に対してそれぞれ端辺を基準点として30%とした。
評価
作製した各試料No.201〜214に付き、実施例1と同じ方法で各試料の中央部と端部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定、動摩擦係数の測定、伸縮率の測定、クッツキの有無、凸状故障の有無を観察し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表4に示す。
動摩擦係数比*は巻き芯側のセルローストリアセテートプロピオネートフィルムの動摩擦係数に対する、巻き外側のセルローストリアセテートプロピオネートフィルムの動摩擦係数の比を示す。端部1はセルローストリアセテートプロピオネートフィルムのMD方向の右側の端部を示し、端部2は左側の端部を示す。本発明の有効性が確認された。
実施例3
(ドープ組成物の調製)
実施例1と同じドープを調製した。
(セルローストリアセテートプロピオネートフィルムの製造)
図2(a)で示される工程を用い次に示す方法でセルローストリアセテートプロピオネートフィルムを製造した。調製したドープを温度33℃で流延ダイスよりステンレス鋼製の無端支持体のベルトの上に2000mmの幅で流延した後、図3、図4に示す加熱装置を使用し、表5に示す様にベルトの前半部と後半部のドープの加熱する両側の端部の幅を変えて加熱し、ベルト上に形成されたウェブをベルトから剥離し、第1乾燥工程で50℃で5分間乾燥した後、延伸工程での延伸処理が終了した。この後、搬送速度50m/minで搬送し、第2乾燥工程で100℃で20分間乾燥し厚さ80μmのセルローストリアセテートプロピオネートフィルムを各3000m作製し、巻き取り工程で巻き芯に巻き取りロール状のセルローストリアセテートプロピオネートフィルムを製造し、試料No.301〜306とした。尚、ベルト前半部の両側の端部の加熱温度55℃、中央部の加熱温度65℃とし、ベルト後半部の両側の端部の加熱温度55℃、中央部の加熱温度45℃とした。尚、両側の端部及び中央部の加熱温度は、装置の表示値に基づく値を示す。この表示値は市販の標準温度計により校正した。校正方法は、3点校正で行った。両側の端部はそれぞれ端辺を基準点としてドープの全幅に対する割合(%)を示す。
評価
作製した各試料No.301〜306に付き、実施例1と同じ方法で各試料の中央部と端部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定、動摩擦係数の測定、伸縮率の測定、クッツキの有無、凸状故障の有無を観察し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表6に示す。
動摩擦係数比*は巻き芯側のセルローストリアセテートプロピオネートフィルムの動摩擦係数に対する、巻き外側の光学フィルムの動摩擦係数の比を示す。端部1はセルローストリアセテートプロピオネートフィルムのMD方向の右側の端部を示し、端部2は左側の端部を示す。本発明の有効性が確認された。
実施例4
(ドープ組成物の調製)
実施例1と同じドープを調製した。
(セルローストリアセテートプロピオネートフィルムの製造)
準備したドープを使用し、図1に示される工程を用い表7に示すように巻き取る長さを変えた他は全て実施例1の試料No.104と同じ条件でセルローストリアセテートプロピオネートフィルムを製造し、試料No.401〜407とした。
評価
作製した各試料No.401〜407に付き、実施例1と同じ方法で各試料の中央部と端部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定、動摩擦係数の測定、伸縮率の測定、クッツキの有無、凸状故障の有無を観察し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表7に示す。
動摩擦係数比*は巻き芯側のセルローストリアセテートプロピオネートフィルムの動摩擦係数に対する、巻き外側のセルローストリアセテートプロピオネートフィルムの動摩擦係数の比を示す。端部1はセルローストリアセテートプロピオネートフィルムのMD方向の右側の端部を示し、端部2は左側の端部を示す。試料No.401は巻きが短いため、高生産化対応が不十分となる。又、試料No.407は巻きが長くなることで、取り扱いが困難となる。本発明の有効性が確認された。
実施例5
(ドープ組成物の調製)
セルローストリアセテート 100質量部
(アセチル基置換度 2.88)
トリフェニルホスフェート 10質量部
エチルフタリルエチルグリコレート 2質量部
チヌビン326(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 1質量部
AEROSIL 200V(日本アエロジル(株)製) 0.1質量部
メチレンクロライド 300質量部
エタノール 40質量部
上記材料を、順次密閉容器に投入し、容器内温度を20℃から80℃まで昇温した後、温度を80℃に保った状態で3時間攪拌を行って、完全に溶解した。その後、攪拌を停止し、液の温度を43℃まで下げた後、濾紙(安積濾紙株式会社製 安積濾紙No.244)を使用して濾過し、ドープを得た。
(セルローストリアセテートフィルムの製造)
図1で示される工程を用い、調製したドープを温度33℃で流延ダイスよりステンレス鋼製の無端支持体のベルトの上に表8に示す様に幅を変えて流延した後、図3、図4に示す加熱装置を使用し、表9に示す様にベルトの前半部と後半部のドープの両側の端部と中央部との加熱条件を変えて加熱し、ベルト上に形成されたウェブをベルトから剥離し、延伸工程での延伸処理が終了した後、乾燥し、得られたセルローストリアセテートフィルムの表面側(加熱風吹きつけ側)の中央部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値Aと、裏面側(ベルトと接触している側)の中央部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値Bとから、以下に示す式より求めた値Xと、表面側(加熱風吹きつけ側)の端部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値A′と、裏面側(ベルトと接触している側)の端部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値B′とから、以下に示す式より求めた値X′とを表8に示す様に変化したセルローストリアセテートフィルムを製造し試料No.501〜550とした。尚、搬送速度は50m/minとし、乾燥は100℃で20分間行った。
TOF−SIMSによる可塑剤の量の測定は次に示す方法で行った。試料は作製した試料5000mの終端から10m内側50cmを採取した。
(中央部の測定)
試料の表面側(加熱風吹きつけ側)の中央部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値Aと、裏面側(ベルトと接触している側)の中央部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値Bとから、次式で値Xを求めた。
X={A/(A+B)}×100
(端部の測定)
試料の表面側(加熱風吹きつけ側)の端部(片側)に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値A′と、裏面側(ベルトと接触している側)の端部(片側)に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値B′とから、次式で値X′を求めた。
X′={A′/(A′+B′)}×100
TOF−SIMSの測定条件は実施例1と同じ条件で行った。
尚、両側の端部及び中央部の加熱温度は、装置の表示値に基づく値を示す。この表示値は市販の標準温度計により校正した。校正方法について特に限定の方法はないが、3点校正で行った。又、両側の端部はドープの全幅に対してそれぞれ端辺を基準点として30%とした。
評価
作製した各試料No.501〜550に付き、実施例1と同じ方法で、動摩擦係数の測定、伸縮率の測定、クッツキの有無、凸状故障の有無を観察し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表10に示す。
動摩擦係数比*は巻き芯側のセルローストリアセテートフィルムの動摩擦係数に対する、巻き外側のセルローストリアセテートフィルムの動摩擦係数の比を示す。試料No.501〜505、507〜509は何れも良好な評価結果を得たが、幅が狭いため、広幅化対応が取れず、市場の要望である大画面サイズの対応が出来ていない。試料No.541〜545、547〜549は何れも良好な評価結果を得たが、幅が広くなることで、周辺装置も大きくなり、維持管理に掛かる工数、費用が多大になり実用化は難しいと判断した。本発明の有効性が確認された。
実施例6
(ドープ組成物の調製)
ノルボルネン樹脂(JSR社アートンG) 100質量部
トリフェニルホスフェート 10質量部
エチルフタリルエチルグリコレート 2質量部
チヌビン326(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 1質量部
AEROSIL 200V(日本アエロジル(株)製) 0.1質量部
メチレンクロライド 300質量部
エタノール 40質量部
上記材料を、順次密閉容器に投入し、容器内温度を40℃から80℃まで昇温した後、温度を70℃に保った状態で4時間攪拌を行って、完全に溶解した。その後、攪拌を停止し、液の温度を46℃まで下げた後、濾紙(安積濾紙株式会社製 安積濾紙No.244)を使用して濾過し、ドープを得た。
(ノルボルネン樹脂フィルムの製造)
図1で示される工程を用い、調製したドープを温度35℃で流延ダイスよりステンレス鋼製の無端支持体のベルトの上に表11に示す様に幅を変えて流延した後、図3、図4に示す加熱装置を使用し、表12に示す様にベルトの前半部と後半部のドープの両側の端部と中央部との加熱条件を変えて加熱し、ベルト上に形成されたウェブをベルトから剥離し、延伸工程での延伸処理が終了した後、乾燥し、得られたノルボルネン樹脂フィルムの表面側(加熱風吹きつけ側)の中央部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値Aと、裏面側(ベルトと接触している側)の中央部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値Bとから、以下に示す式より求めた値Xと、表面側(加熱風吹きつけ側)の端部に存在する可塑剤をTOF−SIMSで測定した値A′と、裏面側(ベルトと接触している側)の端部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値B′とから、以下に示す式より求めた値X′とを表11に示す様に変化したノルボルネン樹脂フィルムを製造し試料No.601〜650とした。尚、搬送速度は50m/minとし、乾燥は100℃で20分間行った。
TOF−SIMSによる測定は次に示す方法で行った。試料は作製した試料5000mの終端から10m内側50cmを採取した。
(中央部の測定)
試料の表面側(加熱風吹きつけ側)の中央部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値Aと、裏面側(ベルトと接触している側)の中央部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値Bとから、次式で値Xを求めた。
X={A/(A+B)}×100
(端部の測定)
試料の表面側(加熱風吹きつけ側)の端部(片側)に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値A′と、裏面側(ベルトと接触している側)の端部(片側)に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値B′とから、次式で値X′を求めた。
X′={A′/(A′+B′)}×100
TOF−SIMSの測定条件は実施例1と同じ条件で行った。
尚、両側の端部及び中央部の加熱温度は、装置の表示値に基づく値を示す。この表示値は市販の標準温度計により校正した。校正方法について特に限定の方法はないが、3点校正で行った。両側の端部はドープの全幅に対してそれぞれ端辺を基準点として30%とした。
評価
作製した各試料No.601〜650に付き、実施例1と同じ方法で、動摩擦係数の測定、伸縮率の測定、クッツキの有無、凸状故障の有無を観察し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表13に示す。
動摩擦係数比*は巻き芯側のノルボルネン樹脂フィルムの動摩擦係数に対する、巻き外側のノルボルネン樹脂フィルムの動摩擦係数の比を示す。試料No.601〜605、607〜609は何れも良好な評価結果を得たが、幅が狭いため、広幅化対応が取れず、市場の要望である大画面サイズの対応が出来ていない。試料No.641〜645、647〜649は何れも良好な評価結果を得たが、幅が広くなることで、周辺装置も大きくなり、維持管理に掛かる工数、費用が多大になり実用化は難しいと判断した。本発明の有効性が確認された。
実施例7
実施例1で製造したセルローストリアセテートプロピオネートフィルムNo.101〜118を使用し、図6に示す鋼製の偏光板を作製し、試料No.701〜718とした。偏光板の大きさは、200mm×300mmとした。これを液晶ディスプレイの表示パネルの偏光板部分に使用し、ディスプレイ画面の視認性を目視で評価した。
評価
作製した各試料No.701〜718に付き、画面の視認性を以下に示す方法で試験し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表14に示す。
画面の視認性の評価方法
VA型液晶表示装置である富士通製15型ディスプレイVL−150SDを用いて、予め貼合されていた視認側及びバックライト側の偏光板を剥がして、上記作製した偏光板を液晶セルのガラス面に貼合し、液晶表示装置を作製した。その際、上記作製した偏光板保護フィルムが液晶セル面側となるように、又偏光板の貼合の向きは予め貼合されていた偏光板と同一方向に吸収軸が向くように行った。
画像鑑賞時の周辺の明るさに応じて、画面の輝度を調整するとコントラスト等の視認性の変化があることが知られている。作製した液晶表示装置を明るい部屋でバックライトを100時間連続点灯し、点灯初期の視認性と100時間後の視認性について目視評価した。
画面の視認性の評価ランク
○:黒がしまって見え、鮮明である
△:黒のしまりがなく、鮮明さがやや低い
×:黒のしまりがなく、鮮明さが低い
試料No.701は本発明と同じ評価結果となったが、幅が狭く広幅化対応が取れていないため、市場の要望である大画面サイズの対応が出来ていない。試料No.716は本発明と同じ評価結果となったが、幅が広くなることで、周辺装置も大きくなり、維持管理に掛かる工数、費用が多大になり実用化は難しいと判断した。本発明の有効性が確認された。

Claims (13)

  1. 原料樹脂を溶媒に溶解したドープを無端支持体の上に流延し、ウェブを形成し、前記ウェブを前記無端支持体より剥離した後、乾燥し、巻き取り、ロール状形態として製造された少なくとも1種の可塑剤を含有する光学フィルムであって、
    前記光学フィルムの全幅が1500mm〜4000mmであり、
    前記光学フィルムの表面側の中央部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値Aと、裏面側の中央部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値Bとから、式1により求めた値Xと、前記光学フィルムの表面側の端部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値A′と、裏面側の端部に存在する可塑剤の量をTOF−SIMSで測定した値B′とから、式2により求めた値X′とが異なり、
    且つ、前記値Xは前記値X′よりも小さいことを特徴とする光学フィルム。
    式1 X={A/(A+B)}×100
    式2 X′={A′/(A′+B′)}×100
  2. 前記値Xが20〜49で、且つA≦Bであることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の光学フィルム。
  3. 前記値X′がXより5〜30大きく、且つA′≦B′であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の光学フィルム。
  4. 前記ロール状形態の光学フィルムは、全長が1500m〜10000mを有し、巻き芯側の該光学フィルムの動摩擦係数に対する、巻き外側の該光学フィルムの摩擦係数の比が0.95〜1.05であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第3項の何れか1項に記載の光学フィルム。
  5. 前記端部の幅は、端辺を基準点として光学フィルムの全幅に対して10%〜40%にある任意の位置との間で決まる間隔であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第4項の何れか1項に記載の光学フィルム。
  6. 前記原料樹脂がセルロースエステルであることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第5項の何れか1項に記載の光学フィルム。
  7. 前記光学フィルムは、温度30℃、相対湿度80%で、7日間放置した後の伸縮率を下記式3、式4で表した時、その何れも−0.10%〜+0.10%であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第6項の何れか1項に記載の光学フィルム。
    式3 (処理後のMD方向の長さ−処理前のMD方向の長さ)/処理前のMD方向の長さ×100=MD方向伸縮率
    式4 (処理後のTD方向の長さ−処理前のTD方向の長さ)/処理前のTD方向の長さ×100=TD方向伸縮率
  8. 原料樹脂を溶媒に溶解したドープを無端支持体の上に流延し、ウェブを形成し、前記ウェブを前記無端支持体より剥離した後、乾燥し、巻き取りロール状形態として製造する少なくとも1種の可塑剤を含有する請求の範囲第1項乃至第7項の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法において、
    前記ドープを無端支持体の上に流延し、前記無端支持体より前記ウェブを剥離する間、
    前記ウェブの幅手方向の中央部と両側の端部とを異なった温度で加熱し、
    且つ、前記無端支持体の前半部においては、中央部の加熱温度が前記端部の加熱温度よりも高くし、前記無端支持体の後半部においては、中央部の加熱温度が前記端部の加熱温度よりも低くすることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  9. 前記無端支持体の前半部における中央部の加熱温度は両側の端部の加熱温度よりも1℃〜20℃高いことを特徴とする請求の範囲第8項に記載の光学フィルムの製造方法。
  10. 前記無端支持体の後半部における中央部の加熱温度は両側の端部の加熱温度よりも1℃〜20℃低いことを特徴とする請求の範囲第8項又は第9項に記載の光学フィルムの製造方法。
  11. 前記端部の幅は、両側の端辺を基準点としてウェブの全幅に対して10%〜40%にある任意の位置との間で決まる間隔であることを特徴とする請求の範囲第8項乃至第10項の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
  12. 前記ロール状形態の光学フィルムは、長さが1500m〜10000mであることを特徴とする請求の範囲第8項乃至第11項の何れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
  13. 請求の範囲第1項乃至第7項の何れか1項に記載の光学フィルムを用いたことを特徴とする偏光板。
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