JP2008194928A - 光学用フィルムの製造方法、光学用フィルム、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

光学用フィルムの製造方法、光学用フィルム、偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ドラム支持体を使用した溶液流延法により広幅、薄膜の光学用フィルムを製造する際、特別な装置を設置することなく、端部のカールを防止し、端部の強度を上げることでことで搬送不良を防止し、ツレ、シワの発生がない広幅、薄膜の光学用フィルムの製造方法、この方法により製造した光学用フィルム、偏光板及び液晶表示装置の提供。
【解決手段】原料の樹脂を溶媒に溶解したドープをダイスよりドラム支持体の上に流延しウェブを形成する流延工程と、前記ウェブを前記ドラム支持体より剥離した後、少なくとも延伸工程と、乾燥工程と、巻き取り工程とを有する溶液流延製造装置により薄膜の光学用フィルムを製造する光学用フィルムの製造方法において、前記ドラム支持体より剥離する時から延伸工程での延伸開始時までの前記ウェブの幅手方向の残留溶媒量を、端部よりも中央部を低くすることを特徴とする光学用フィルムの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学用フィルムの製造方法、光学用フィルム、偏光板及び液晶表示装置に関する。
厚さが70μm以下の薄膜の樹脂フィルムを製膜する一つの方法として、溶液流延法が知られている。溶液流延法は、原料の樹脂を溶媒に溶解し、これに必要に応じて可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤等の各種の添加剤を加えて調製したドープを、水平式のエンドレスの金属ベルト、又は回転するドラムなどの無端支持体の上に、ダイスより吐出し、流延した後、無端支持体上である程度まで溶媒を除去した後、無端支持体支持体から剥離し、次いで各種の搬送手段により乾燥部を通過させて溶媒を除去し製造する方法である。
最近では、樹脂フィルムの製造効率を向上させるために製膜ライン速度を上げることが行われており、溶液(ドープ)の流延による製膜ラインでは、金属支持体をドラムとする方式が、エンドレスベルトを用いる方式よりも製造効率がよいとされている。
これらの方法で製造された薄膜の樹脂フィルムの用途の一つとして光学用フィルムが挙げられる。本発明では、液晶表示装置(LCD)に使用する偏光板の保護フィルム、液晶表示装置(LCD)等に用いられる位相差フィルム、視野角拡大フィルム、プラズマディスプレイに用いられる反射防止フィルム等の各種機能フィルム、又有機ELディスプレイ等で使用される各種機能フィルム、プラスチック基板、写真用支持体、或いは動画用セルや光学フィルタ、更にはOHPフィルムを含め光学用フィルムと言う。
光学用フィルムは用途により求められる機能は異なるが、例えば、偏光板保護フィルムとしては、透明で優れた物理的、機械的性質を持ち、温湿度に対する寸度変化が小さいことが求められている。
光学用フィルムの用途の一つである液晶液晶表示装置は、低電圧、低消費電力で、IC回路への直結が可能であり、特に薄型化が可能であることから、液晶TVやパーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、携帯用端末、テレビジョン、更にはデジタルスチルカメラやムービーカメラ等の表示装置として広く採用されている。この液晶表示装置は、基本的な構成としては、例えば液晶セルの両側に偏光板を設けたものである。
そして、液晶表示装置の品質の向上に合わせて、偏光板の品質向上が要求され、それと共に偏光板の保護フィルムも、より高品質であることが要望されている。更に、近年では液晶TVの大型化、薄軽化に伴い液晶画面が大きくなるに従って、光学用フィルムも広幅化、薄膜化と合わせますます高品質であることが要望されている。
光学用フィルムとして求められている薄膜で広幅の光学用フィルムをドラムを使用した溶液流延法で製造する場合、次の問題点が挙げられる。
1.ドラム支持体の上に流延され形成されたウェブをドラム支持体から剥離する時、流延から剥離する時までの時間が短いためウェブ中の残留溶媒量が多くなる。
2.乾燥工程において端部のカールが大きくなり、乾燥中の端部の折れ、搬送安定性が劣ることによるツレ、擦り傷等の故障が発生する。
3.残留溶媒量が多くなることに伴いTD(Transverse Direction)方向の収縮量が大きくなるので端部の強度が不足し、特にテンター延伸装置で延伸する時、把持部がちぎれ搬送不良となりツレ、シワが発生する。
4.強度が低下し搬送安定性が劣り、生産効率を上げるための高速搬送適性に欠ける。
これらの問題点に対してこれまでに検討がなされてきた。例えば、セルロースエステルを含むドープを支持体上に流延し厚さ20〜60μmのセルロースエステルフィルムを製造する際、支持体から剥離したウェブの端部にカールが発生するのを防止するためテンター延伸装置に入る前にカール発生防止用ガイド板を設置することでテンターでの把持適性をよくする方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、端部のカール対策としては効果があるが、広幅になった場合、端部の強度不足に伴うテンター延伸装置での端部のちぎれ対策にはならないため、テンター延伸装置で把持部の端部がちぎれ搬送不良、ツレ、シワの発生する危険が高い。
ポリマーと溶媒とを含むドープを流延ダイから回転ドラムに流延し、回転ドラムから自己支持性を有するゲル膜を剥ぎ取った軟膜をテンター式乾燥機に搬送する時、発生したカールをニップローラにより矯正する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、特許文献2に記載の技術は、残留溶媒が多い状態の軟膜をニップローラにより矯正することでニップローラの表面の粗さ、ニップ厚等の制御を怠ると軟膜の面にニップローラの形状が転写してしまう危険があり煩雑な管理を必要とする。
溶液製膜方法によりポリマーフィルムを製造する時、テンター装置に入る前に、側端部が中央部よりも小さい乾燥速度となるように乾燥風を吹き付けることでツレ、シワ、カール等の面状故障がない薄いフィルムを製造する方法が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、特許文献3に記載の技術は、側端部に残留溶媒が多くなるため側端部の強度が不足し、テンター装置で延伸する際、側端部がちぎれ搬送不良、ツレ、シワの発生する危険が高い。特に広幅の場合、危険が高い。
セルロースアシレートドープを流延してフィルムを製造する時、支持体の上に、端部の厚さを中央部より厚くセルロースアシレートドープを流延することで、支持体から剥離した時の端部のカールを防止し、テンタークリップに両側端部が良好に把持されることでテンター装置で延伸する際、側端部がちぎれ搬送不良、ツレ、シワの発生を防止する方法が知られている(例えば、特許文献4参照。)。
しかしながら、特許文献4に記載の技術は、最終的には端部は削除されるため端部の削除幅が多くなり収率の低下及び原料を余分に使用するため製造コストが上がることが懸念される。
これらの状況から、ドラム支持体を使用した溶液流延法により広幅、薄膜の光学用フィルムを製造する際、特別な装置を設置することなく、端部のカールを防止し、端部の強度を上げることでことで搬送不良を防止し、ツレ、シワの発生がない広幅、薄膜の光学用フィルムの製造方法、この方法により製造した光学用フィルム、偏光板及び液晶表示装置の開発が望まれている。
特開2003−33933号公報 特開2004−174743号公報 特開2005−271233号公報 特開2006−272958号公報
本発明は、上記状況を鑑みなされたものであり、その目的は、ドラム支持体を使用した溶液流延法により広幅、薄膜の光学用フィルムを製造する際、特別な装置を設置することなく、端部のカールを防止し、端部の強度を上げることでことで搬送不良を防止し、ツレ、シワの発生がない広幅、薄膜の光学用フィルムの製造方法、この方法により製造した光学用フィルム、偏光板及び液晶表示装置を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成された。
1.原料の樹脂を溶媒に溶解したドープをダイスよりドラム支持体の上に流延しウェブを形成する流延工程と、前記ウェブを前記ドラム支持体より剥離した後、少なくとも延伸工程と、乾燥工程と、巻き取り工程とを有する溶液流延製造装置により薄膜の光学用フィルムを製造する光学用フィルムの製造方法において、前記ドラム支持体より剥離する時から延伸工程での延伸開始時までの前記ウェブの幅手方向の残留溶媒量を、端部よりも中央部を低くすることを特徴とする光学用フィルムの製造方法。
2.前記ウェブをドラム支持体より剥離する時の残留溶媒量は幅手で分布を有し、該ウェブの中央部が端部よりも5質量%〜50質量%低いことを特徴とする前記1に記載の光学用フィルムの製造方法。
3.前記ウェブをドラム支持体より剥離する時の全残留溶媒量は、130質量%〜250質量%であり、該全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率が5%〜70%であることを特徴とする前記1又は2の何れか1項に記載の光学用フィルムの製造方法。
4.前記延伸開始時のウェブの残留溶媒量は幅手で分布を有し、該ウェブの中央部が端部よりも2質量%〜20質量%低いことを特徴とする前記1に記載の光学用フィルムの製造方法。
5.前記延伸開始時の全残留溶媒量は、15質量%〜50質量%であり、該全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率が5%〜50%であることを特徴とする前記1又は4に記載の光学用フィルムの製造方法。
6.前記ドラム支持体の表面は、幅手方向の中央部の温度が幅手方向の端部の温度よりも高く設定されていることを特徴とする前記1〜5の何れか1項に記載の光学用フィルムの製造方法。
7.前記ドラム支持体の表面のドラム支持体の幅手方向の中央部の温度は、幅手方向の端部の温度よりも1℃〜30℃高いことを特徴とする前記1〜6の何れか1項に記載の光学用フィルムの製造方法。
8.前記ドラム支持体よりウェブを剥離した時から延伸開始時までの該ウェブの表面温度は、幅手方向の中央部が端部よりも1℃〜20℃高いことを特徴とする前記1〜7の何れか1項に記載の光学用フィルムの製造方法。
9.前記1〜8の何れか1項に記載の光学用フィルムの製造方法により製造されたことを特徴とする光学用フィルム。
10.偏光子の少なくとも一方の面に、前記9に記載の光学用フィルムを配置したことを特徴とする偏光板。
11.前記10に記載の偏光板を用いたことを特徴とする液晶表示装置。
ドラム支持体を使用した溶液流延法により広幅、薄膜の光学用フィルムを製造する際、特別な装置を設置することなく、端部のカールを防止し、端部の強度を上げることでことで搬送不良を防止し、ツレ、シワの発生がない広幅、薄膜の光学用フィルムの製造方法、この方法により製造した光学用フィルム、偏光板及び液晶表示装置を提供することが出来、広幅・薄膜の樹脂フィルムの生産効率の向上、大型化に対応した偏光板及び液晶表示装置の品質性能の向上が可能となった。
本発明の実施の形態を図1〜図3を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は光学用フィルムのドラム支持体を使用した溶液流延法の製造装置の模式図である。図1(a)は流延後、乾燥工程で予備乾燥し、その後テンター搬送した後、乾燥工程で乾燥を行う場合の光学用フィルムのドラム支持体を使用した溶液流延法の製造装置の模式図である。図1(b)は流延後、テンター搬送で予備延伸、本延伸し、その後乾燥工程で乾燥を行う場合の光学用フィルムのドラム支持体を使用した溶液流延法の製造装置の模式図である。図1(c)は流延後、テンター搬送で予備延伸した後、MD延伸し、その後テンター搬送で本延伸した後、乾燥工程で乾燥を行う場合の光学用フィルムのドラム支持体を使用した溶液流延法の製造装置の模式図である。
本発明は、流延工程〜延伸工程での延伸開始までの間に発生するウェブのカールを防止し、端部の強度を上げることで搬送不良を防止し、ツレ、シワの発生がない広幅、薄膜の光学用フィルムの製造方法に関するものである。以下、本図を参照しながら本発明を具体的に説明する。
図1(a)に示される光学用フィルムのドラム支持体を使用した溶液流延法の製造装置に付き説明する。図中、1aは光学用フィルムの溶液流延法の製造装置を示す。製造装置1aは、流延工程101と、第1乾燥工程102と延伸工程103と、第2乾燥工程104と、巻き取り工程105とを有している。
流延工程101は、鏡面のドラム支持体101aと、樹脂を溶媒に溶解したドープ2を、ドラム支持体101aに流延するダイス101bとを有している。3はドラム支持体101aに流延されたドープが固化した状態のウェブを剥離する剥離ロールを示し、4は剥離されたウェブを示す。ドラム支持体101aに流延するドープの厚さ、幅は、巻き取り工程105で回収された光学用フィルムの厚さが20μm〜70μm、幅が1200mm〜1900mmになるように必要に応じて設定が可能となっている。
ドラム支持体101aの内部にはドラム支持体101aの上に流延されたドープ2が固化した状態のウェブの状態でドラム支持体101aら剥離出来る様に溶媒を除去するために表面の両端部と中央部との温度を別々に制御出来る様に加熱装置(不図示)が配設されている。加熱装置(不図示)はドラム支持体101aの表面の両端部と中央部との温度を別々に制御出来る様に配設されている。加熱装置(不図示)に使用する加熱手段としては特に限定はなく、例えば、温度調整された空気、及びその流れ、ヒータ等が挙げられ、必要に応じて適宜選択することが可能である。表示手段としては特に限定はなく、例えば液晶表示装置が挙げられ、必要に応じて適宜選択することが可能である。
流延後、剥離までの間での時間は、作製する光学用フィルムの膜厚、使用溶媒の種類によって異なるが、ドラム支持体101aからの剥離性を考慮し、0.5分〜5分の範囲が好ましい。
使用するドラム支持体101aとしては、表面を鏡面仕上げしたものが好ましく、例えば鋳物で表面をメッキ仕上げした金属ドラムが好ましく用いられる。ドラム支持体101aの幅は1700mm〜2700mmが好ましい。流延する幅は、ドラム支持体101aの幅に対して、80%〜99%とすることが好ましい。
ドラム支持体101aより剥離する時から延伸工程103での延伸開始時までのウェブ4の残留溶媒量は、幅手で分布を有しており、ウェブ4の中央部が端部よりも低く(端部の残留溶媒量が中央部の残留溶媒量より高い)なっている。残留溶媒はドープを調製する時に使用する樹脂の溶解に使用した溶媒であり、良溶媒と、貧溶媒とからなる混合溶媒で構成されている。本発明では、使用する樹脂を単独で溶解するものを良溶媒、単独で膨潤するか又は溶解しないものを貧溶媒と言い、ドープのゲル化を促進する効果を有している。ウェブ4の中央部の残留溶媒量が端部の残留溶媒量よりも高い(端部の残留溶媒量が中央部の残留溶媒量より低い)場合、厚さが20μm〜70μm、幅が1200mm〜1900mmの光学用フィルム用のウェブ4に以下の悪影響を与えるため好ましくない。
1)ドラム支持体より剥離した時から延伸工程での延伸開始するまでにウェブの端部にカールが発生し、端部の折れ、搬送安定性が劣ることによるツレ、擦り傷等の故障が発生する。
2)中央部が重くなり延伸工程でテンター装置で把持し、TD方向に延伸する時に、端部の強度が不足し把持部がちぎれる。
3)把持部がちぎれることで、搬送不良となり、ツレ、シワ、擦り傷の発生が生じる。
本発明は、貧溶媒のドープのゲル化を促進する効果を利用し端部の残留溶媒量を中央部の残留溶媒量よりも多くすることで、薄膜・広幅のウェブであっても搬送時の中央部の自重による弛みの防止、端部のカール発生を防止し、端部の貧溶媒の量を増やし端部のゲル化を促進させることで端部の強度を付与し、テンター装置での延伸で端部の把持を安定にし、把持部のちぎれによるツレ、シワ、搬送不良に伴う擦りキズを防止している。
ウェブ4をドラム支持体101aより剥離する時のウェブ4の残留溶媒量は、端部のカール安定性、搬送安定性、テンター装置での把持適性、伸縮率等を考慮し、130質量%〜250質量%が好ましい。又、全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率は、ドラム支持体からのウェブの剥離性、端部のカール安定性、貧溶媒の残留の安定化による端部の強度安定、テンター装置での把持適性等を考慮し5%〜70%が好ましい。好ましくは5%〜60%であり、更に好ましくは5%〜30%である。尚、使用する溶媒に関しては後述する。
ドラム支持体101aより剥離する時から延伸工程103での延伸開始時までのウェブ4の中央部の好ましい残留溶媒量としては、端部のカール安定性、テンター装置での把持適性、搬送安定性、伸縮率等を考慮し、端部の残留溶媒量よりも5質量%〜50質量%低くなっていることが好ましい。
本発明において、ウェブの端部とは、ウェブの端辺を基準として中央部に向かって100〜500mmの範囲を言う。好ましくは100〜400mmの範囲であり、更に好ましくは100〜300mmの範囲である。中央部とは、ウェブの全幅から両端の端部の範囲を除いた部分を言う。
流延工程のドラム支持体101aの表面の温度は、ウェブをドラム支持体101aより剥離する時の残留溶媒量、ウェブの発泡、ウェブの平面性等を考慮し、20℃〜溶媒が沸騰して発泡しない温度以下に設定することが好ましい。
ドラム支持体101aの表面は、ドラム支持体101aより剥離する時から延伸工程103での延伸開始時までの前記ウェブの幅手方向の残留溶媒量を、端部よりも中央部を低くするために、幅手方向中央部の温度が幅手方向端部の温度よりも高く設定することが好ましい。より好ましくは、ドラム支持体101aの表面は、ドラム支持体からの剥離性、端部の残留溶媒量、中央部の残留溶媒量、剥離後の搬送性、搬送・乾燥後に出来上がるフィルムの物理特性等を考慮し、幅手方向中央部の温度が幅手方向端部の温度よりも、1℃〜30℃高く設定することが挙げられる。
本発明において、ドラム支持体101aの表面の端部とは、ドラム支持体101aの表面の端辺を基準として幅手方向に50mm〜500mmの範囲を言う。ドラム支持体101aの表面の中央部とは、ドラム支持体101aの全幅より、両端部の範囲を除いた部分を言う。
ドープ2の光学用フィルム形成用の樹脂の濃度は、濃度が高い方が金属支持体に流延した後の乾燥負荷が低減出来て好ましいが、光学用フィルム形成用の樹脂の濃度が高過ぎると濾過時の負荷が増えて、濾過精度が悪くなる。これらを両立する濃度としては、10〜35質量%が好ましく、更に好ましくは、15〜25質量%である。
ドラム支持体101aからウェブ4を剥離する際に、剥離張力及びその後の搬送張力によってウェブ4はMD(Machine Direction)方向に延伸するため、本発明においてはドラム支持体101aからウェブを剥離する際は剥離及び搬送張力は50N/m〜170N/mにすることが好ましい。
第1乾燥工程102は、乾燥風取り入れ口102bと排出口102cとを有する乾燥箱102aと、ウェブ4を搬送する上部の搬送ロール102dと下部の搬送ロール102eとを有している。上部の搬送ロール102dと下部の搬送ロール102eとは上下で一組で、複数組から構成されている。第1乾燥工程102で延伸工程103に入る前のウェブ4に含まれる溶媒量の調整及びウェブの幅方向の表面温度を、幅手方向の中央部が端部よりも1℃〜20℃高くなる様に、端部と中央部の乾燥温度を調整することが可能となっている。
乾燥温度は、延伸工程に入る時のウェブの残留溶媒量により異なるが、溶媒の蒸発に伴うウェブの表面への露結、残留溶媒量、伸縮率の調整、溶媒の発泡等を考慮し、20℃〜80℃の範囲で残留溶媒量により適宜選択して決め、且つ、延伸工程に入る時のウェブの幅手方向の中央部が端部よりも1℃〜20℃高くなる様に端部と中央部の乾燥温度を調整し乾燥することが好ましい。第1乾燥工程102では加熱空気、赤外線等単独又は加熱空気と赤外線乾燥を併用しても構わない。簡便さの点で加熱空気で行うのが好ましい。本図は加熱空気を使用した場合を示している。
延伸工程103は、乾燥風取り入れ口103aと排出口103bとを有する外箱103cと、外箱103cの中に入れられたテンター延伸装置103dとを有している。テンター延伸装置103dに使用するテンターは特に限定はなく、例えば、クリップテンター、ピンテンター等が挙げられ、必要に応じて選択し使用することが可能である。テンター延伸装置103dでは、ウェブ4の搬送方向(MD方向)、或いは搬送方向と直角方向(TD方向)に必要に応じて延伸することが可能となっている。
尚、乾燥風取り入れ口103aと排出口103bとは逆であってもよい。延伸工程103における溶媒除去手段としては加熱風を使用した場合を示しているが、溶媒除去手段としては特に限定はなく、この他に、例えば赤外線が挙げられる。
延伸工程103で延伸開始時のウェブの全残留溶媒量は、端部のカール安定性、テンター装置での把持適性、搬送安定性、伸縮率、等を考慮し、15質量%〜50質量%にすることが好ましい。又、全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率は、テンター装置での把持適性、搬送安定性、等を考慮し、5%〜50%が好ましい。好ましくは、5%〜40%である。更に好ましくは、5%〜30%である。
第1乾燥工程102における処理が終了し、延伸工程103での延伸が開始される時のウェブの残留溶媒量の幅手の分布は、テンター装置の把持適性、延伸時の端部の強度等を考慮し、ウェブの中央部の残留溶媒量が端部の残留溶媒量よりも2質量%〜20質量%低いことが好ましい。
第1乾燥工程102における処理が終了し、延伸工程103での延伸が開始される時のウェブの表面温度は、幅手方向の端部及び中央部の残留溶媒量、端部の強度等を考慮し、幅手方向の中央部が端部よりも1℃〜20℃高いことが好ましい。延伸工程での延伸開始時のウェブの表面温度の測定手段としては特に限定はなく、例えば非接触式温度計、接触式温度計等が挙げられ、必要に応じて適宜選択することが可能である。表示手段としては特に限定はなく、例えば液晶表示装置が挙げられ、必要に応じて適宜選択することが可能である。
本図に示す製造装置の場合、ドラム支持体より剥離し、延伸工程103で延伸開始時までのウェブ4のMD方向の伸縮率は、出来上がったフィルムの弾性率、出来上がったフィルムの光学特性等を考慮し1%〜15%が好ましい。又、ウェブ4のTD方向の伸縮率は、出来上がったフィルムの弾性率、出来上がったフィルムの光学特性等を考慮し、−1%〜−15%が好ましい。
第2乾燥工程104は、乾燥風取り入れ口104bと排出口104cとを有する乾燥箱104aと、ウェブ4を搬送する上部の搬送ロール104dと下部の搬送ロール104eとを有している。上部の搬送ロール104dと下部の搬送ロール104eとは上下で一組で、複数組から構成されている。乾燥工程104に配設される搬送ロールの数は、乾燥条件、方法、製造される光学用フィルムの長さ等により異なり適宜設定している。上部の搬送ロール104dと下部の搬送ロール104eとは駆動源によって回転駆動されない自由回転ロールとなっている。又、乾燥工程から巻き取り工程までの間には、全て自由回転する搬送ロールが用いられるわけではなく、通常、1本〜数本の搬送用駆動ロール(駆動源によって回転駆動するロール)の設置を必要とする。基本的に、搬送用駆動ロールは、その駆動で樹脂フィルムを搬送するのが目的であるので、ニップやサクション(エアの吸引)などにより、樹脂フィルムの搬送と、駆動ロールの回転とを同期させる機構が付いている。
第2乾燥工程104では加熱空気、赤外線等単独又は加熱空気と赤外線乾燥を併用しても構わない。簡便さの点で加熱空気で行うのが好ましい。本図は加熱空気を使用した場合を示している。乾燥温度は、乾燥工程に入る時のウェブの残留溶媒量により異なるが、乾燥時間、収縮ムラ、伸縮量の安定性等を考慮し、30℃〜180℃の範囲で残留溶媒量により適宜選択して決めればよく、一定の温度で乾燥してもよいし、3〜4段階の温度に分けて、数段階の温度に分けて乾燥しても構わない。第2乾燥工程104での乾燥処理後の光学用フィルムの残留溶媒量は、乾燥工程の負荷、保存時の寸法安定性伸縮率等を考慮し、0.01質量%〜15質量%が好ましい。尚、本発明では流延工程で形成されたウェブが乾燥工程104で除々に溶媒が除去され、全残留溶媒量が15質量%以下となったウェブを光学用フィルムと言う。
巻き取り回収工程105は、巻き取り装置(不図示)を有し、第2乾燥工程104で設定した残留溶媒量とした光学用フィルム5を必要量の長さに巻き芯に巻き取る。105aは巻き芯に巻き取られたロール状の光学用フィルムを示す。尚、巻き取る際の温度は、巻き取り後の収縮による擦り傷、巻き緩み等を防止するために室温まで冷却することが好ましい。図1(b)、図1(c)に示される巻き取り回収工程の場合も同じである。使用する巻き取り機は、一般的に使用されているものでよく、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法などの巻き取り方法で巻き取ることが出来る。
巻き取り回収工程105で回収された光学用フィルム5の伸縮率は、搬送・乾燥後に出来上がるフィルムの物理特性等を考慮し、MD方向の伸縮率が0%〜20%で、TD方向の伸縮率が−3%〜20%であることが好ましい。
図1(b)に示される光学用フィルムのドラム支持体を使用した溶液流延法の製造装置に付き説明する。図1(a)に示される製造装置との違いは、図1(a)の第1乾燥工程102がロール搬送方式に対して、図1(b)の場合はテンター搬送方式による第1乾燥工程を有していることである。他は全て図1(a)と同じである。
図中、1bは光学用フィルムの溶液流延法の製造装置を示す。製造装置1bは、流延工程101と、第1乾燥工程102′と、延伸工程103と、第2乾燥工程104と、巻き取り工程105とを有している。流延工程101と、延伸工程103と、第2乾燥工程104と、巻き取り工程105とは図1(a)に示される製造装置の場合と同じであるため説明は省略する。
第1乾燥工程102′は、乾燥風取り入れ口102′aと排出口102′bとを有する外箱102′cと、外箱102′cの中に入れられたテンター搬送装置102′dとを有している。テンター搬送装置102′dに使用するテンターは、延伸工程103に使用されるテンターと同じテンターの使用が可能である。テンター搬送装置102′dでは、ウェブ4の両端をテンターで保持して搬送するためMD方向の収縮を制御することが可能となっている。第1乾燥工程102′で延伸工程103に入る前のウェブ4に含まれる溶媒量の調整が行うことが可能となっている。
乾燥温度は、延伸工程に入る時のウェブの残留溶媒量により異なるが、溶媒の蒸発に伴うウェブの表面への露結、残留溶媒量、伸縮率の調整、溶媒の発泡等を考慮し、20℃〜80℃の範囲で残留溶媒量により適宜選択して決めればよく、一定の温度で乾燥してもよいし、数段階の温度に分けて乾燥しても構わない。その他の符号は図1(a)と同じである。
本図に示す製造装置の場合、図1(a)に示される製造装置の場合と同様に、ドラム支持体101aより剥離する時から延伸工程103での延伸開始時までのウェブ4の残留溶媒量は、幅手で分布を有しており、ウェブ4の中央部が端部よりも低く(端部の残留溶媒量が中央部の残留溶媒量より高い)なっている。
ドラム支持体101aよりウェブ4を剥離する時のウェブ4の残留溶媒量、残留溶媒量の幅手の分布及び全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率は図1(a)の場合と同じである。第1乾燥工程102′における処理が終了し、延伸工程103での延伸が開始される時のウェブの残留溶媒量の幅手の分布、残留溶媒量及び全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率は図1(a)の場合と同じである。第1乾燥工程102′における処理が終了し、延伸工程103での延伸が開始される時のウェブの表面温度は、幅手方向の端部及び中央部の残留溶媒量、端部の強度等を考慮し、幅手方向の中央部が端部よりも1℃〜20℃高いことが好ましい。ウェブの表面温度の測定は図1(a)と同じ方法である。ドラム支持体より剥離し、延伸工程103で延伸開始時までのウェブ4のMD方向の伸縮率及びTD方向の伸縮率は、図1(a)の場合と同じである。巻き取り回収工程105で回収された光学用フィルム5の伸縮率は、図1(a)の場合と同じである。ドラム支持体より剥離し、延伸工程103で延伸開始時までのウェブ4のMD方向の伸縮率は、図1(a)の場合と同じである。
図1(c)に示される光学用フィルムのドラム支持体を使用した溶液流延法の製造装置に付き説明する。図1(a)に示される製造装置との違いは、図1(a)の第1乾燥工程102がロール搬送方式に対して、図1(c)の場合はテンター搬送方式による第1乾燥工程を有し、延伸工程の間にMD延伸工程を有していることである。他は全て図1(a)と同じである。
図中、1cは光学用フィルムの溶液流延法の製造装置を示す。製造装置1cは、流延工程101と、第1乾燥工程102′と、MD延伸工程103′と、延伸工程103と、第2乾燥工程104と、巻き取り工程105とを有している。流延工程101と、延伸工程103と、第2乾燥工程104と、巻き取り工程105とは図1(a)に示される製造装置の場合と同じであり、第1乾燥工程102′は図1(b)に示される製造装置の場合と同じであるため説明は省略する。
MD延伸工程103′は、搬送部103′aと、搬送部103′aを挟んで第1乾燥工程102′側にフィードロール103′bと延伸工程103側にフィードロール103′cと、加熱装置103′dとを有している。フィードロール103′bとフィードロール103′cとの周速度のバランスによりMD延伸率の調整が可能となっている。搬送部103′aは、第1乾燥工程102′から送られてくるウェブ4を搬送する上部の搬送ロール103′a1と下部の搬送ロール103′a2とを有している。上部の搬送ロール103′a1と下部の搬送ロール103′a2とは上下で一組で、複数組から構成されている。MD延伸工程103′に配設される搬送ロールの数は、MD延伸率により適宜設定が可能となっている。
加熱装置103′dは、加熱風取り入れ口103′d2と、加熱風排出口103′d3とを有する外箱103′d1とを有している。加熱装置103′dは延伸工程103で延伸を開始する時のウェブ4の幅手方向の中央部の温度を端部の温度より1℃〜20℃高くなるように、端部と中央部で加熱風の温度を変えることが好ましい。又、延伸工程103で延伸を開始する時のウェブ4に含まれる残留溶媒量を第1乾燥工程102′と合わせて調整することも可能である。加熱装置103′dでは加熱空気、赤外線等単独又は加熱空気と赤外線乾燥を併用しても構わない。簡便さの点で加熱空気で行うのが好ましい。本図は加熱空気を使用した場合を示している。
加熱温度は、第1乾燥工程102′より搬送されてくるウェブの残留溶媒量、又は延伸工程に入る時のウェブの残留溶媒量により異なるが、溶媒の蒸発に伴うウェブの表面への露結、残留溶媒量、伸縮率の調整、溶媒の発泡等を考慮し、20℃〜80℃の範囲で残留溶媒量により適宜選択して決め、且つ、延伸工程に入る時のウェブの幅手方向の中央部が端部よりも1℃〜20℃高くなる様に端部と中央部の加熱温度を調整し加熱することが好ましい。
本図に示す製造装置の場合、図1(a)に示される製造装置の場合と同様に、ドラム支持体101aより剥離する時から延伸工程103での延伸開始時までのウェブ4の残留溶媒量は、幅手で分布を有しており、ウェブ4の中央部が端部よりも低く(端部の残留溶媒量が中央部の残留溶媒量より高い)なっている。
ドラム支持体101aより剥離する時のウェブ4の残留溶媒量、残留溶媒量の幅手の分布及び全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率は図1(a)の場合と同じである。ドラム支持体より剥離し、延伸工程103で延伸開始時までのウェブ4のMD方向の伸縮率は、図1(a)の場合と同じである。第1乾燥工程102′における処理が終了し、延伸工程103での延伸が開始される時のウェブの残留溶媒量の幅手の分布、全残留溶媒量及び全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率は図1(a)の場合と同じである。ドラム支持体より剥離し、延伸工程103で延伸開始時までのウェブ4のMD方向の伸縮率及びTD方向の伸縮率は、図1(a)の場合と同じである。巻き取り回収工程105で回収された光学用フィルム5の伸縮率は、図1(a)の場合と同じである。
図1(a)〜図1(c)に示される製造装置に使用されているドラム支持体は金属ドラム支持体を使用している。
本発明における残留溶媒量(質量%)の値は一定の大きさのウェブ(光学用フィルム)を115℃で1時間乾燥した時のウェブ(光学用フィルム)の質量をBとし、乾燥前のウェブ(光学用フィルム)の質量をAとした時、((A−B)/B)×100=残留溶媒量(質量%)で求めた値である。
本発明における全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率は、一定面積の試料を採取し、良溶媒と貧溶媒との共溶媒で抽出し、測定はヘッドスペースサンプラーを接続したヒューレット・パッカード社製ガスクロマトグラフィー5890型SERISIIとヘッドスペースサンプラーHP7694型を使用し、以下の測定条件で測定した値を示す。
ヘッドスペースサンプラー加熱条件:120℃、20分
GC導入温度:150℃
昇温:40℃、5分保持→100℃(8℃/分)
カラム:J&W社製DB−WAX(内径0.32mm、長さ30m)。
本発明におけるMD方向の伸縮率は、流延時の搬送速度に対する延伸開始時の搬送速度、もしくは 流延時の搬送速度に対する巻き取り時の搬送速度により求めた値である。
又、TD方向の伸縮率は、流延時のフィルム幅に対する延伸開始時のフィルム幅、もしくは 流延時のフィルム幅に対する巻き取り時のフィルム幅により求めた値である。
本発明の溶液流延法による光学用フィルムの製造方法により製造される光学用フィルムの幅は、大型TVのように液晶画面対応、偏光板加工時のフィルムの使用効率、生産効率等を考慮し、1200mm〜2400mmが好ましい。又、膜厚は、液晶パネルの薄膜化、偏光板の薄膜化、フィルムの生産安定化の観点等を考慮し、20μm〜70μmが好ましい。膜厚は平均膜厚を示し、幅方向に20箇所〜200箇所を、ミツトヨ(株)製 接触式膜厚計により測定し、平均とした値を示す。尚、本発明では、厚さ20μm〜70μmの範囲を薄膜と定義する。
本発明のドラム支持体を使用した溶液流延法による光学用フィルムの製造方法により次の効果が挙げられる。
1.ドラム支持体から薄膜・広幅の光学用フィルム形成用のウェブを剥離した際のウェブの両端部に発生するカールを防止することが可能となり、端部の折れの危険がなくなり、テンター装置での把持適性が向上した。
2.ウェブの両端部の強度が向上したため、テンター装置での把持部分のちぎれ、把持不良に伴う搬送不良がなくなり、ツレ、シワ、擦り傷等のない薄膜・広幅の光学用フィルムの安定した製造が可能となった。
3.安定した品質の薄膜・広幅の光学用フィルムの製造に伴い、これらの薄膜・広幅の光学用フィルムを用いた偏光板及び大型化、薄軽化の液晶表示装置への対応及び品質の安定化が可能となった。
図2は本発明の製造方法で製造した光学用フィルムを保護フィルムとして用いて作製した偏光板の模式図である。
図中、6は偏光板を示す。偏光板6は偏光子601の両側に保護フィルム602を配置した構成を有している。本図に示す偏光板は一般的な方法で作製することが出来る。
保護フィルム602の裏面側をアルカリ鹸化処理し、偏光子の両面に、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせることが好ましい。偏光子とは、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光子は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムで、これはポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものがある。偏光膜は、ポリビニルアルコール水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行ったものが用いられている。本発明の偏光板は、TN、VA、OCB、HAN、IPS等の各種駆動方式を採用した液晶表示装置の視野角特性を最適化することが出来る。
図3は本発明で製造した光学用フィルムを用いて作製した偏光板を使用した液晶表示装置の模式分解構成図である。
図中、7は液晶表示装置を示す。液晶表示装置7は、液晶セル701の両側に偏光板702を有する構成となっている。偏光板702は偏光子702aの両側に保護フィルム702bを有する構成となっている。本発明の偏光板を組み込んだ液晶表示装置は、画面が30型以上、特に30型〜54型の大画面の液晶表示装置でも、コントラストが高く、特に視角による色味変化を抑制し、長時間の鑑賞でも目が疲れないという効果がある。
次に、本発明の光学用フィルムの製造方法に使用する材料に付き説明する。
(樹脂材料)
本発明の光学用フィルムの製造方法に使用する樹脂は特に限定はなく、一般に溶液流延法で使用する樹脂の使用が可能である。光学用フィルムを製造する樹脂材料としては、例えば偏光子との接着性がよいこと、光学的に透明であること等が好ましい要件として挙げられる。可視光の透過率60%以上であることを言い、好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。
上記の性質を有している光学用フィルムを形成する樹脂であれば特に限定はなく、例えば、セルロースジアセテート樹脂、セルローストリアセテート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂等のセルロースエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、セロファン、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、シンジオタクティックポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトンイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、ナイロン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、アクリル樹脂等を挙げることが出来る。中でも、セルロースエステル系樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンを含む)系樹脂が好ましく、本発明においては、特にセルロースエステル系樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリカーボネート系樹脂が、製造上、コスト面、透明性、接着性等の観点から好ましく用いられる。
本発明に係わるセルロースエステル系樹脂に付き説明する。セルロースエステル系樹脂は、セルロースアセテート樹脂、セルロースプロピオネート樹脂、セルロースブチレート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂が好ましく、中でもセルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートフタレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂が好ましく用いられる。
特にアセチル基の置換度をX、プロピオニル基又はブチリル基の置換度をYとした時、XとYが下記の範囲にあるセルロースの混合脂肪酸エステルを有するセルロースエステル系樹脂が好ましく用いられる。
式(I) 2.0≦X+Y≦2.6
式(II) 0.1≦Y≦1.2
更に2.4≦X+Y≦2.6、1.4≦X≦2.3のセルロースアセテートプロピオネート(総アシル基置換度=X+Y)樹脂が好ましい。中でも2.4≦X+Y≦2.6、1.7≦X≦2.3、0.1≦Y≦0.9のセルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート(総アシル基置換度=X+Y)樹脂が好ましい。アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在している。これらのセルロースエステル系樹脂は公知の方法で合成することが出来る。アシル基の置換度の測定方法はASTM−D817−96の規定に準じて測定することが出来る。
本発明に係わる光学用フィルムとして、セルロースエステル系樹脂を用いる場合、セルロースエステル系樹脂の原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ(針葉樹由来、広葉樹由来)、ケナフ等を挙げることが出来る。又それらから得られたセルロースエステル系樹脂はそれぞれ任意の割合で混合使用することが出来る。これらのセルロースエステル系樹脂は、アシル化剤が酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)である場合には、酢酸のような有機酸やメチレンクロライド等の有機溶媒を用い、硫酸のようなプロトン性触媒を用いてセルロース原料と反応させて得ることが出来る。
アシル化剤が酸クロライド(CH3COCl、C25COCl、C37COCl)の場合には、触媒としてアミンのような塩基性化合物を用いて反応が行われる。具体的には、特開平10−45804号に記載の方法等を参考にして合成することが出来る。又、本発明に用いられるセルロースエステル系樹脂は各置換度に合わせて上記アシル化剤量を混合して反応させたものであり、セルロースエステル系樹脂はこれらアシル化剤がセルロース分子の水酸基に反応する。セルロース分子はグルコースユニットが多数連結したものからなっており、グルコースユニットに3個の水酸基がある。この3個の水酸基にアシル基が誘導された数を置換度(モル%)と言う。例えば、セルローストリアセテートはグルコースユニットの3個の水酸基全てにアセチル基が結合している(実際には2.6〜3.0)。
本発明に係わるセルロースエステル系樹脂としては、前述のようにセルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、又はセルロースアセテートプロピオネートブチレート樹脂のようなアセチル基の他にプロピオネート基又はブチレート基が結合したセルロースの混合脂肪酸エステルが特に好ましく用いられる。尚、プロピオネート基を置換基として含むセルロースアセテートプロピオネート樹脂は耐水性に優れ、液晶画像表示装置用のフィルムとして有用である。
セルロースエステル系樹脂の数平均分子量は、40000〜200000が、成型した場合の機械的強度が強く、且つ、溶液流延法の場合は適度なドープ粘度となり好ましく、更に好ましくは、50000〜150000である。又、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.4〜4.5の範囲であることが好ましい。
本発明に係わるシクロオレフィン樹脂について説明する。本発明に用いられるシクロオレフィン樹脂は脂環式構造を含有する重合体樹脂からなるものである。好ましいシクロオレフィン樹脂は、環状オレフィンを重合又は共重合した樹脂である。環状オレフィンとしては、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、エチルテトラシクロドデセン、エチリデンテトラシクロドデセン、テトラシクロ〔7.4.0.110,13.02,7〕トリデカ−2,4,6,11−テトラエンなどの多環構造の不飽和炭化水素及びその誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン、シクロヘプテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの単環構造の不飽和炭化水素及びその誘導体等が挙げられる。これら環状オレフィンには置換基として極性基を有していてもよい。極性基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシル基、エポキシ基、グリシジル基、オキシカルボニル基、カルボニル基、アミノ基、エステル基、カルボン酸無水物基などが挙げられ、特に、エステル基、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基が好適である。
好ましいシクロオレフィン樹脂は、環状オレフィン以外の単量体を付加共重合したものであってもよい。付加共重合可能な単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテンなどのエチレン又はα−オレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどのジエン等が挙げられる。
環状オレフィンは、付加重合反応或いはメタセシス開環重合反応によって得られる。重合は触媒の存在下で行われる。付加重合用触媒として、例えば、バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる重合触媒などが挙げられる。開環重合用触媒として、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物、硝酸塩又はアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる重合触媒;或いは、チタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物又はアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる重合触媒などが挙げられる。重合温度、圧力等は特に限定されないが、通常−50℃〜100℃の重合温度、0〜490N/cm2の重合圧力で重合させる。
本発明に係わるシクロオレフィン樹脂は、環状オレフィンを重合又は共重合させた後、水素添加反応させて、分子中の不飽和結合を飽和結合に変えたものであることが好ましい。水素添加反応は、公知の水素化触媒の存在下で、水素を吹込んで行う。水素化触媒としては、酢酸コバルト/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリイソブチルアルミニウム、チタノセンジクロリド/n−ブチルリチウム、ジルコノセンジクロリド/sec−ブチルリチウム、テトラブトキシチタネート/ジメチルマグネシウムの如き遷移金属化合物/アルキル金属化合物の組み合わせからなる均一系触媒;ニッケル、パラジウム、白金などの不均一系金属触媒;ニッケル/シリカ、ニッケル/けい藻土、ニッケル/アルミナ、パラジウム/カーボン、パラジウム/シリカ、パラジウム/けい藻土、パラジウム/アルミナの如き金属触媒を担体に担持してなる不均一系固体担持触媒などが挙げられる。
或いは、シクロオレフィン樹脂として、下記のノルボルネン系樹脂も挙げられる。ノルボルネン系樹脂は、ノルボルネン骨格を繰り返し単位として有していることが好ましく、その具体例としては、例えば特開昭62−252406号公報、特開昭62−252407号公報、特開平2−133413号公報、特開昭63−145324号公報、特開昭63−264626号公報、特開平1−240517号公報、特公昭57−8815号公報、特開平5−2108号公報、特開平5−39403号公報、特開平5−43663号公報、特開平5−43834号公報、特開平5−70655号公報、特開平5−279554号公報、特開平6−206985号公報、特開平7−62028号公報、特開平8−176411号公報、特開平9−241484号公報、特開2001−277430号公報、特開2003−139950号公報、特開2003−14901号公報、特開2003−161832号公報、特開2003−195268号公報、特開2003−211588号公報、特開2003−211589号公報、特開2003−268187号公報、特開2004−133209号公報、特開2004−309979号公報、特開2005−121813号公報、特開2005−164632号公報、特開2006−72309号公報、特開2006−178191号公報、特開2006−215333号公報、特開2006−268065号公報、特開2006−299199号公報等に記載されたものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。具体的には、日本ゼオン(株)製ゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製アートン、三井化学(株)製アペル(APL8008T、APL6509T、APL6013T、APL5014DP、APL6015T)などが好ましく用いられる。
本発明に係わるるシクロオレフィンポリマーの分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法で測定したポリイソプレン又はポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常、5000〜500000、好ましくは8000〜200000、より好ましくは10000〜100000の範囲である時に、成形体の機械的強度、及び成形加工性とが高度にバランスされて好適である。
又、シクロオレフィンポリマー100質量部に対して、低揮発性の酸化防止剤を0.01〜5質量部の割合で配合すると、成形加工時のポリマーの分解や着色を効果的に防止することが出来る。
本発明に係わるポリカーボネート系樹脂に付き説明する。ポリカーボネート系樹脂としては種々があり、化学的性質及び物性の点から芳香族ポリカーボネートが好ましく、特にビスフェノールA系ポリカーボネートが好ましい。その中でも更に好ましくはビスフェノールAにベンゼン環、シクロヘキサン環、叉は脂肪族炭化水素基などを導入したビスフェノールA誘導体を用いたものが挙げられるが、特に中央炭素に対して非対称にこれらの基が導入された誘導体を用いて得られた、単位分子内の異方性を減少させた構造のポリカーボネートが好ましい。例えばビスフェノールAの中央炭素の2個のメチル基をフェニル基に置き換えたもの、ビスフェノールAのそれぞれのベンゼン環の一の水素をメチル基やフェニル基などで中央炭素に対し非対称に置換したものを用いて得られるポリカーボネート樹脂が好ましい。
具体的には、4,4′−ジヒドロキシジフェニルアルカン又はこれらのハロゲン置換体からホスゲン法又はエステル交換法によって得られるものであり、例えば4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルブタン等を挙げることが出来る。又、この他にも例えば、特開2006−215465号公報、特開2006−91836号公報、特開2005−121813号公報、特開2003−167121号公報等に記載されているポリカーボネート系樹脂が挙げられる。
本発明に使用されるポリカーボネート樹脂よりなる樹脂フィルムはポリスチレン系樹脂或いはメチルメタクリレート系樹脂或いはセルロースアセテート系樹脂等の透明樹脂と混合して使用してもよいし、又セルロースアセテート系フィルムの少なくとも一方の面にポリカーボネート樹脂を積層してもよい。
本発明において使用されるポリカーボネート系樹脂よりなる樹脂フィルムはガラス転移点(Tg)が110℃以上であって、吸水率(23℃水中、24時間の条件で測定した値)が0.3%以下のものを使用するのがよい。より好ましくはTgが120℃以上であって、吸水率が0.2%以下のものを使用するのがよい。
(ドープ)
溶液流延法に使用するドープを作製する際に使用される溶媒としては、上記樹脂を溶解出来る溶媒であれば何でもよく、又単独で溶解出来ない溶媒であっても他の溶媒と混合することにより、溶解出来るものであれば使用することが出来る。一般的には良溶媒と、貧溶媒からなる混合溶媒が用いられている。例えばセルロースエステル系樹脂の場合、セルロースエステルのアシル基置換度によっては、良溶媒、貧溶媒が変わり、例えばアセトンを溶媒として用いる時には、セルロースエステルの酢酸エステル(アセチル基置換度2.4)、セルロースアセテートプロピオネートでは良溶媒になり、セルロースの酢酸エステル(アセチル基置換度2.8)では貧溶媒となる。セルロースエステル系樹脂の場合、良溶媒と貧溶媒の混合比率の好ましい範囲は、良溶媒が70〜98質量%であり、貧溶媒が2〜30質量%である。
使用する樹脂により、良溶媒及び貧溶媒は異なってくるのでセルロースエステル系樹脂の場合に付き説明する。良溶媒としては、例えばメチレンクロライド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン等を挙げることが出来るが、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物、ジオキソラン誘導体、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン等が好ましい有機溶媒(即ち、良溶媒)として挙げられる。
貧溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等の炭素原子数1〜8のアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸プロピル、モノクロルベンゼン、ベンゼン、シクロヘクサン、テトラヒドロフラン、メチルセルソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることが出来、これらの貧溶媒は単独もしくは2種以上を適宜組み合わせて用いることが出来る。
次にセルロースエステル系樹脂を使用したドープを調製方法に付き述べる。ドープを調製する時の、セルロースエステル系樹脂の溶解方法としては、一般的な方法を用いることが出来る。加熱と加圧を組み合わせると常圧における沸点以上に加熱出来る。溶媒の常圧での沸点以上で、且つ加圧下で溶媒が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら攪拌溶解すると、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止するため好ましい。又、セルロースエステル系樹脂を貧溶媒と混合して湿潤或いは膨潤させた後、更に良溶媒を添加して溶解する方法も好ましく用いられる。
加圧は窒素ガス等の不活性気体を圧入する方法や、加熱によって溶媒の蒸気圧を上昇させる方法によって行ってもよい。加熱は外部から行うことが好ましく、例えばジャケットタイプのものは温度コントロールが容易で好ましい。
溶媒を添加しての加熱温度は、高い方がセルロースエステルの溶解性の観点から好ましいが、加熱温度が高過ぎると必要とされる圧力が大きくなり生産性が悪くなる。好ましい加熱温度は45〜120℃であり、60〜110℃がより好ましく、70℃〜105℃が更に好ましい。又、圧力は設定温度で溶媒が沸騰しないように調整される。
もしくは冷却溶解法も好ましく用いられ、これによって酢酸メチルなどの溶媒にセルロースエステル系樹脂を溶解させることが出来る。
次に、このセルロースエステル系樹脂溶液を濾紙等の適当な濾過材を用いて濾過する。濾過材としては、不溶物等を除去するために絶対濾過精度が小さい方が好ましいが、絶対濾過精度が小さ過ぎると濾過材の目詰まりが発生しやすいという問題がある。このため絶対濾過精度0.008mm以下の濾材が好ましく、0.001〜0.008mmの濾材がより好ましく、0.003〜0.006mmの濾材が更に好ましい。
濾材の材質は特に制限はなく、通常の濾材を使用することが出来るが、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック製の濾材や、ステンレススティール等の金属製の濾材が繊維の脱落等がなく好ましい。濾過により、原料のセルロースエステルに含まれていた不純物、特に輝点異物を除去、低減することが好ましい。
輝点異物とは、2枚の偏光板をクロスニコル状態にして配置し、その間にセルロースエステルフィルムを置き、一方の偏光板の側から光を当てて、他方の偏光板の側から観察した時に反対側からの光が漏れて見える点(異物)のことであり、径が0.01mm以上である輝点数が200個/cm2以下であることが好ましい。より好ましくは100個/cm2以下であり、更に好ましくは50個/m2以下であり、更に好ましくは0〜10個/cm2以下である。又、0.01mm以下の輝点も少ない方が好ましい。
ドープの濾過は通常の方法で行うことが出来るが、溶媒の常圧での沸点以上で、且つ加圧下で溶媒が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら濾過する方法が、濾過前後の濾圧の差(差圧という)の上昇が小さく、好ましい。好ましい温度は45〜120℃であり、45〜70℃がより好ましく、45〜55℃であることが更に好ましい。
濾圧は小さい方が好ましい。濾圧は1.6MPa以下であることが好ましく、1.2MPa以下であることがより好ましく、1.0MPa以下であることが更に好ましい。
(可塑剤)
可塑剤としては特に限定しないが、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤などを好ましく用いることが出来る。リン酸エステル系では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等が挙げられる。フタル酸エステル系では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等が挙げられる。トリメリット酸系可塑剤として、トリブチルトリメリテート、トリフェニルトリメリテート、トリエチルトリメリテート等が挙げられる。ピロメリット酸エステル系可塑剤として、テトラブチルピロメリテート、テトラフェニルピロメリテート、テトラエチルピロメリテート等が挙げられる。グリコール酸エステル系では、トリアセチン、トリブチリン、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等が挙げられる。クエン酸エステル系可塑剤として、トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリ−n−(2−エチルヘキシル)シトレート等が挙げられる。ポリエステル系可塑剤として脂肪族二塩基酸、脂環式二塩基酸、芳香族二塩基酸等の二塩基酸とグリコールの共重合ポリマーを用いることが出来る。脂肪族二塩基酸としては特に限定されないが、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸などを用いることが出来る。
グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコールなどを用いることが出来る。これらの二塩基酸及びグリコールはそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いてもよい。ポリエステルの分子量は重量平均分子量で500〜2000の範囲にあることが、セルロースエステルとの相溶性の点から好ましい。
又、本発明では特に200℃における蒸気圧が1333Pa未満の可塑剤を用いることが好ましく、より好ましくは蒸気圧666Pa以下、更に好ましくは1〜133Paの化合物である。不揮発性を有する可塑剤は特に限定されないが、例えばアリーレンビス(ジアリールホスフェート)エステル、リン酸トリクレシル、トリメリット酸トリ(2−エチルヘキシル)、上記ポリエステル可塑剤等が挙げられる。これらの可塑剤は単独或いは2種以上併用して用いることが出来る。
可塑剤の使用量は寸法安定性、加工性の点を考慮すると、セルロースエステル系樹脂に対して、1〜40質量%添加させることが出来、3〜20質量%の範囲で添加することが好ましく、更に好ましくは4〜15質量%である。3質量%未満の場合は、スリット加工や打ち抜き加工した際、滑らかな切断面を得ることが出来ず、切り屑の発生が多くなる。
本発明に係わる光学用フィルムには酸化防止剤や紫外線吸収剤などを添加することが好ましい。上記酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等が挙げられる。特に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。又例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。これらの化合物の添加量は、セルロースエステルに対して質量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜1000ppmが更に好ましい。
又、この他、カオリン、タルク、けい藻土、石英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナ等の無機微粒子、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩などの熱安定剤を加えてもよい。
本発明の製造方法で製造された光学用フィルムは、その高い寸法安定性から、偏光板又は液晶表示用部材等に使用することが可能であり、この場合、偏光板又は液晶等の劣化防止のため、紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、且つ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。具体的には380nmの透過率が10%未満であることが好ましく、特に5%未満であることがより好ましい。
好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる。例えば、特開平10−182621号、特開平8−337574号、記載の紫外線吸収剤が好ましく用いられる。又、特開平6−148430号、特開平12−273437号に記載の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いられる。或いは特開平10−152568号に記載されている紫外線吸収剤を加えてもよい。
これらの紫外線吸収剤の中では、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましい紫外線吸として挙げられる。以下にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール(TINUVIN171、チバスペシャルティケミカルズ(株)製)、オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物(TINUVIN109、チバスペシャルティケミカルズ(株)製)
以下にベンゾフェノン系紫外線吸収剤の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)
紫外線吸収剤の添加方法は、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソランなどの有機溶媒に紫外線吸収剤を溶解してからドープに添加するか、又は直接ドープ組成中に添加してもよい。無機粉体のように有機溶媒に溶解しないものは、有機溶媒とセルロースエステル系樹脂中にデゾルバーやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加することが好ましい。紫外線吸収剤の使用量は、紫外線吸収剤としての効果、透明性等を考慮し、0.1質量%〜2.5質量%が好ましい。更に、好ましくは、0.8質量%〜2.0質量%%である。
又、セルロースエステル系樹脂フィルムには、フィルム同士の張り付きを防止したり、滑り性を付与したりして、ハンドリングしやすくするために、マット剤として微粒子を添加してもよい。微粒子としては、無機化合物の微粒子又は有機化合物の微粒子が挙げられる。無機化合物としては、珪素を含む化合物、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等が好ましく、更に好ましくは、珪素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであるが、セルロースエステル積層フィルムの濁度を低減出来るので、二酸化珪素が特に好ましく用いられる。
二酸化珪素の微粒子としては、例えばアエロジル株式会社製のAEROSIL−200、200V、300、R972、R972V、R974、R976、R976S、R202、R812,R805、OX50、TT600、RY50、RX50、NY50、NAX50、NA50H、NA50Y、NX90、RY200S、RY200、RX200、R8200、RA200H、RA200HS、NA200Y、R816、R104、RY300、RX300、R106などが挙げられる。これらの内、分散性や粒径を制御する点では、AEROSIL−200V、R972Vが好ましい。
酸化ジルコニウムの微粒子としては、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)等の市販品が使用出来る。
有機化合物としては、例えば、シリコーン樹脂、フッ素樹脂及びアクリル樹脂等のポリマーが好ましく、中でも、シリコーン樹脂が好ましく用いられる。
上記記載のシリコーン樹脂の中でも、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上東芝シリコーン(株)製)等の商品名を有する市販品が使用出来る。
本発明に係る微粒子の1次平均粒子径としては、ヘイズを低く抑えるという観点から、20nm以下が好ましく、更に好ましくは、5〜16nmであり、特に好ましくは、5〜12nmである。
微粒子の、見掛比重としては、70g/リットル以上が好ましく、更に好ましくは、90〜200g/リットルであり、特に好ましくは、100〜200g/リットルである。見掛比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましく、又、本発明のように固形分濃度の高いドープを調製する際には、特に好ましく用いられる。
1次粒子の平均径が20nm以下、見掛比重が70g/リットル以上の二酸化珪素微粒子は、例えば、気化させた四塩化珪素と水素を混合させたものを1000〜1200℃にて空気中で燃焼させることで得ることが出来る。又例えばアエロジル200V、アエロジルR972V(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、それらを使用することが出来る。
尚、見掛比重は二酸化珪素微粒子を一定量メスシリンダーに採り、この時の重さを測定し、下記式で算出した。
見掛比重(g/リットル)=二酸化珪素質量(g)÷二酸化珪素の容積(リットル)
本発明に係る微粒子の分散液を調製する方法としては、例えば以下に示すような3種類が挙げられる。
《調製方法A》
溶媒と微粒子を撹拌混合した後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とする。微粒子分散液をドープ液に加えて撹拌する。
《調製方法B》
溶媒と微粒子を撹拌混合した後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とする。別に溶媒に少量のセルロースエステルを加え、撹拌溶解する。ここで添加するセルロースエステルとして、本発明の固形物を添加することが特に好ましい。
これに前記微粒子分散液を加えて撹拌する。これを微粒子添加液とする。微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する。
《調製方法C》
溶媒に少量のセルロースエステルを加え、撹拌溶解する。これに微粒子を加えて分散機で分散を行う。これを微粒子添加液とする。微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する。
調製方法Aは二酸化珪素微粒子の分散性に優れ、調製方法Cは二酸化珪素微粒子が再凝集しにくい点で優れている。中でも、上記記載の調製方法Bは二酸化珪素微粒子の分散性と、二酸化珪素微粒子が更に再凝集しにくい等、両方に優れている好ましい調製方法である。
《分散方法》
二酸化珪素微粒子を溶媒などと混合して分散する時の二酸化珪素の濃度は5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%が更に好ましく、15〜20質量%が最も好ましい。分散濃度は高い方が、添加量に対する液濁度は低くなる傾向があり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
使用される溶媒は低級アルコール類としては、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。低級アルコール以外の溶媒としては特に限定されないが、セルロースエステルの製膜時に用いられる溶媒を用いることが好ましい。
セルロースエステルに対する二酸化珪素微粒子の添加量はセルロースエステル100質量部に対して、二酸化珪素微粒子は0.01〜0.3質量部が好ましく、0.05〜0.2質量部が更に好ましく、0.08〜0.12質量部が最も好ましい。添加量は多い方が、動摩擦係数に優れ、添加量が少ない方がヘイズが低く、凝集物も少ない点が優れている。
分散機は通常の分散機が使用出来る。分散機は大きく分けてメディア分散機とメディアレス分散機に分けられる。二酸化珪素微粒子の分散にはメディアレス分散機がヘイズが低く好ましい。
メディア分散機としてはボールミル、サンドミル、ダイノミルなどが挙げられる。
メディアレス分散機としては超音波型、遠心型、高圧型などがあるが、本発明においては高圧分散装置が好ましい。高圧分散装置は、微粒子と溶媒を混合した組成物を、細管中に高速通過させることで、高剪断や高圧状態など特殊な条件を作りだす装置である。高圧分散装置で処理する場合、例えば、管径1〜2000μmの細管中で装置内部の最大圧力条件が9.807MPa以上であることが好ましい。更に好ましくは19.613MPa以上である。又その際、最高到達速度が100m/秒以上に達するもの、伝熱速度が420kJ/時間以上に達するものが好ましい。
上記のような高圧分散装置にはMicrofluidics Corporation社製超高圧ホモジナイザ(商品名マイクロフルイダイザ)或いはナノマイザ社製ナノマイザがあり、他にもマントンゴーリン型高圧分散装置、例えばイズミフードマシナリ製ホモジナイザ、三和機械(株)社製UHN−01等が挙げられる。
又、これらの微粒子はフィルムの厚み方向で均一に分布していてもよいが、より好ましくは主に表面近傍に存在するように分布していることが好ましく、例えば、共流延法により、2種以上のドープを用いて、微粒子を主に表層側に配置されたドープに添加することが、滑り性が高く、ヘイズが低いフィルムが得られるので好ましい。好ましくは3種のドープを使用して表層側の2つのドープに主に微粒子を添加することが望ましい。
又、本発明のフィルムには導電性を有する物質を添加することで好ましいインピーダンスを有する光学フィルムを得ることも出来る。導電性物質としては特に限定はされないが、イオン導電性物質や導電性微粒子或いはセルロースエステルと相溶性を有する帯電防止剤などを用いることが出来る。ここでイオン導電性物質とは電気伝導性を示し、電気を運ぶ担体であるイオンを含有する物質のことであるが、例えば、イオン性高分子化合物を挙げることが出来る。
イオン性高分子化合物としては、特公昭49−23828号、同49−23827号、同47−28937号に見られるようなアニオン性高分子化合物、例えば特公昭55−734号、特開昭50−54672号、特公昭59−14735号、同57−18175号、同57−18176号、同57−56059号などに見られるような、主鎖中に解離基を持つアイオネン型ポリマー、特公昭53−13223号、同57−15376号、特公昭53−45231号、同55−145783号、同55−65950号、同55−67746号、同57−11342号、同57−19735号、特公昭58−56858号、特開昭61−27853号、同62−9346号に見られるような、側鎖中にカチオン性解離基を持つカチオン性ペンダント型ポリマー等を挙げることが出来る。
又、導電性微粒子の例としては導電性を有する金属酸化物が挙げられる。金属酸化物の例としては、ZnO、TiO2、SnO2、Al23、In23、SiO2、MgO、BaO、MoO2、V25等、或いはこれらの複合酸化物が好ましく、特にZnO、TiO2及びSnO2が好ましい。異種原子を含む例としては、例えばZnOに対してはAl、In等の添加、TiO2に対してはNb、Ta等の添加、又SnO2に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等の添加が効果的である。これら異種原子の添加量は0.01〜25mol%の範囲が好ましいが、0.1〜15mol%の範囲が特に好ましい。
又、これらの導電性を有する金属酸化物粉体の体積抵抗率は107Ωcm以下特に105Ωcm以下であって、1次粒子径が10nm以上0.2μm以下で、高次構造の長径が30nm以上6μm以下である特定の構造を有する粉体をフィルム内の少なくとも一部の領域に体積分率で0.01%以上20%以下含んでいることが好ましい。
特に好ましくは、特開平9−203810号に記載されているアイオネン導電性ポリマー或いは分子間架橋を有する第4級アンモニウムカチオン導電性ポリマーなどを含有することが望ましい。
架橋型カチオン性導電性ポリマーの特徴は、得られる分散性粒状ポリマーにあり、粒子内のカチオン成分を高濃度、高密度に持たせることが出来るため、優れた導電性を有しているばかりでなく、低相対湿度下においても導電性の劣化は見られず、粒子同志も分散状態ではよく分散されているにもかかわらず、塗布後造膜過程において粒子同志の接着性もよいため膜強度も強く、又他の物質、例えば基体にも優れた接着性を有し、耐薬品性に優れている。
架橋型のカチオン性導電性ポリマーである分散性粒状ポリマーは一般に約0.01μm〜0.3μmの粒子サイズ範囲にあり、好ましくは0.05μm〜0.15μmの範囲の粒子サイズが用いられる。ここで用いている「分散性粒状ポリマー」の語は、視覚的観察によって透明又はわずかに濁った溶液に見えるが、電子顕微鏡の下では粒状分散物として見えるポリマーである。
帯電防止剤もしくはマット剤の添加は樹脂フィルムを光学用フィルムとして使用する場合は、光学用フィルムの表層部(表面から10μmの部分)に含まれていることが好ましく、共流延等の方法によってフィルムの表面に帯電防止剤及び/又はマット剤を含有させることが好ましい。具体的には、導電性物質及び/又はマット剤を含有するドープAと実質的にこれらを含有しないドープBを使用し、ドープBの少なくとも片側の面にドープAがあるように流延されることが好ましい。必要に応じて、更に帯電防止剤、難燃剤、滑剤、油剤、マット剤、その他添加剤を加えてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
以下に示す方法によりセルロースエステルフィルムを製造した。
(ドープの調製)
〈微粒子分散液〉
微粒子(アエロジルR972V(日本アエロジル株式会社製)) 11質量部
(一次粒子の平均径16nm、見掛比重90g/リットル)
エタノール 89質量部
以上をディゾルバーで50分間攪拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。
〈微粒子添加液〉
メチレンクロライドを入れた溶解タンクに下記セルロースエステル樹脂を添加し、加熱して完全に溶解させた後、これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過した。濾過後のセルロースエステル溶液を十分に攪拌しながら、ここに上記微粒子分散液をゆっくりと添加した。更に、二次粒子の粒径が所定の大きさとなるようにアトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFで濾過し、微粒子添加液を調製した。
メチレンクロライド 99質量部
セルロースアセテートプロピオネート(アセチル基置換度1.5、プロピオニル基置換度1.0、総アシル基置換度2.5) 4質量部
微粒子分散液 11質量部
下記組成の主ドープを調製した。まず加圧溶解タンクにメチレンクロライドとエタノールを添加した。溶媒の入った加圧溶解タンクにセルロースエステル樹脂を攪拌しながら投入した。これを加熱し、攪拌しながら、完全に溶解し、更に可塑剤及び紫外線吸収剤を添加、溶解させた。これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、主ドープを調製した。
主ドープを100質量部と微粒子添加液5質量部となるように加えて、インラインミキサー(東レ静止型管内混合機 Hi−Mixer、SWJ)で十分に混合しドープとした。
〈主ドープの組成〉
メチレンクロライド 390質量部
エタノール 80質量部
セルロースアセテートプロピオネート(アセチル基置換度1.5、プロピオニル基
置換度1.0、総アシル基置換度2.5) 100質量部
可塑剤:トリフェニルホスフェート 8質量部
可塑剤:エチルフタリルエチレングレコレート 3質量部
紫外線吸収剤:チヌビン109(チバスペシャルティケミカルズ(株)製)
1質量部
紫外線吸収剤:チヌビン171(チバスペシャルティケミカルズ(株)製)
1質量部
上記、主ドープの組成において、メチレンクロライドが良溶媒、エタノールが貧溶媒となる。
(セルロースアセテートプロピオネートフィルムの製造)
準備したドープを図1(a)に示す製造装置を使用し、流延工程、第1乾燥工程、延伸工程、第2乾燥工程、巻き取り工程を経て、セルロースアセテートプロピオネートフィルムを作製する時、表1に示す様にドラム支持体より剥離する時から延伸工程での延伸開始時までのウェブの幅手方向の残留溶媒量を変化させて、幅1800mm、厚さ40μm、長さ5000m、MD方向の伸縮率が3%、TD方向の伸縮率が8%のセルロースアセテートプロピオネートフィルムを以下に示す条件で作製し試料No.101〜103とした。製造条件を以下に示す。
流延開始の条件
準備したドープを温度35℃で、幅2400mm、直径3500mmの金属ドラム支持体の上に2200mm幅で湿潤状態のドープ膜厚100μmで、引き取り速40m/minで均一に流延した。金属ドラム支持体の熱源は温水を使用した。金属ドラム支持体の表面の温度は、測定手段として非接触式温度計を使用し、表示手段として液晶表示装置を使用し表示された温度を示す。
金属ドラム支持体からの剥離条件
金属ドラム支持体からの剥離張力200N/mの設定値で行った。金属ドラム支持体より剥離したウェブの全残留溶媒量は140質量%とした。金属ドラム支持体より剥離したウェブの全残留溶媒量(質量%)の値は、全幅100mm×100mmの大きさのウェブを115℃で1時間乾燥した時のウェブの質量をBとし、乾燥前のウェブの質量をAとした時、((A−B)/B)×100=残留溶媒量(質量%)で求めた値である。
金属ドラム支持体より剥離したウェブの端部の残留溶媒量は、ウェブの端辺から100mmの箇所から切り取った50mm×50mmの大きさのウェブを115℃で1時間乾燥した時のウェブの質量をCとし、乾燥前のウェブの質量をDとした時、((D−C)/C)×100=残留溶媒量(質量%)で求めた値である。
金属ドラム支持体より剥離したウェブの中央部の残留溶媒量は、ウェブの端辺から100mmの箇所から切り取った50mm×50mmの大きさのウェブを115℃で1時間乾燥した時のウェブの質量をEとし、乾燥前のウェブの質量をFとした時、((F−E)/E)×100=残留溶媒量(質量%)で求めた値である。
全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率は、ヘッドスペースサンプラーを接続したヒューレット・パッカード社製ガスクロマトグラフィー5890型SERISIIとヘッドスペースサンプラーHP7694型を使用し、以下の測定条件で測定した値を示す。
ヘッドスペースサンプラー加熱条件:120℃、20分
GC導入温度:150℃
昇温:40℃、5分保持→100℃(8℃/分)
カラム:J&W社製DB−WAX(内径0.32mm、長さ30m)
第1乾燥工程の乾燥条件
第1乾燥工程の乾燥温度60℃、時間1分、搬送速度40m/minとした。金属ドラム支持体よりウェブを剥離する時から延伸開始時までのウェブのMD方向の伸縮率が3%で、TD方向の伸縮率が−3%とした。
MD方向の伸縮率は、流延時の搬送速度に対する延伸開始時の搬送速度より求めた値である。又、TD方向の伸縮率は、流延時のフィルム幅に対する延伸開始時のフィルム幅より求めた値である。
延伸工程の延伸条件
延伸工程での延伸開始時のウェブの表面温度は、幅手方向の中央部が端部よりも15℃高くした。テンター延伸装置はクリップテンターを使用し、温度150℃、巻き取り工程で回収したセルロースアセテートプロピオネートフィルムのTD方向の伸縮率が30%になるようにTD方向の延伸を行った。延伸工程の温度150℃、時間0.5分、搬送速度40m/minとした。延伸開始時のウェブの表面温度は、市販の非接触温度計で測定した。延伸開始時の全残留溶媒量、端部の残留溶媒量、中央部の残留溶媒量及び全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率は金属ドラム支持体から剥離したウェブの全残留溶媒量、端部の残留溶媒量、中央部の残留溶媒量及び全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率の測定方法と同じ方法で行った。
第2乾燥工程の乾燥条件
第2乾燥工程の乾燥温度120℃、時間20分、搬送速度40m/minとした。
巻き取り工程
巻き取り機は、定テンション法を使用し、張力200N/mで巻き取った。
Figure 2008194928
評価
作製した各試料No.101〜103に付き、搬送性、ツレ、シワ、擦り傷を以下に示す方法で求め、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表2に示す。
搬送性の評価方法
作製した試料の全mの端部の状態を目視で観察した。
搬送性の評価ランク
○:端部の折れ、ちぎれ、伸びがない
△:端部の折れ、ちぎれがなく、伸びが散見される
×:端部の折れ、ちぎれの発生が随所に見られる
ツレの測定方法
作製した試料の5000mの内、巻き取り終了から5mの部分を取り出し、ツレの有無を目視で以下の測定条件で測定した。
ツレの評価ランク
○:ツレの発生がない
△:ツレの発生が僅かに目立つ
×:ツレの発生が目立つ
シワの測定方法
各試料を作成する際、シワの発生の有無を目視で確認した。
シワの評価ランク
○:シワの発生がない
△:シワの発生が僅かに目立つ
×:シワの発生が目立つ
擦り傷の測定方法
作製した試料の5000mの内、巻き取り終了から5mの部分を取り出し、擦り傷の有無を目視で確認した。
擦り傷の評価ランク
○:擦り傷の発生がない
△:擦り傷の発生が僅かに目立つ
×:擦り傷の発生が目立つ
Figure 2008194928
本発明の有効性が確認された。
実施例2
以下に示す方法によりセルロースアセテートプロピオネートフィルムを製造した。
(ドープの調製)
実施例1と同じドープを調製した。
(セルロースアセテートプロピオネートフィルムの製造)
準備したドープを図1(a)に示す生産装置を使用し、流延工程、第1乾燥工程、延伸工程、第2乾燥工程、巻き取り工程を経て、セルロースアセテートプロピオネートフィルムを作製する時、表3に示す様にウェブを金属ドラム支持体から剥離する時の残留溶媒量を幅手方向で変化させて、幅1800mm、厚さ60μm、長さ5000m、MD方向の伸縮率が3%、TD方向の伸縮率が8%のセルロースアセテートプロピオネートフィルムを以下に示す条件で作製し試料No.201〜207とした。製造条件を以下に示す。
流延開始の条件
準備したドープを温度35℃で、幅2400mm、直径3500mmの金属ドラム支持体の上に2200mm幅で湿潤状態のドープ膜厚150μmで、引き取り速40m/minで均一に流延した。金属ドラム支持体の熱源は温水を使用した。金属ドラム支持体の表面の温度は、測定手段として非接触式温度計を使用し、表示手段として液晶表示装置を使用し表示された温度を示す。
金属ドラム支持体からのウェブの剥離条件
金属ドラム支持体からの剥離張力200N/mの設定値で行った。金属ドラム支持体より剥離したウェブの全残留溶媒量は140質量%とした。剥離したウェブの全残留溶媒量、残留溶媒量に対する良溶媒量の比率、端部及び中央部の残留溶媒量は実施例1と同じ方法で測定した値を示す。
第1乾燥工程の乾燥条件
第1乾燥工程の乾燥温度60℃、時間1分、搬送速度40m/minとした。金属ドラム支持体よりウェブを剥離する時から延伸開始時までのウェブのMD方向の伸縮率が3%で、TD方向の伸縮率が−3%とした。MD方向の伸縮率、TD方向の伸縮率は実施例1と同じ方法で求めた値である。
延伸工程の延伸条件
延伸工程での延伸開始時のウェブの表面温度は、幅手方向の中央部が端部よりも15℃高くした。テンター延伸装置はクリップテンターを使用し、温度150℃、巻き取り工程で回収したセルロースアセテートプロピオネートフィルムのTD方向の伸縮率が30%になるようにTD方向の延伸を行った。延伸工程の温度150℃、時間0.5分、搬送速度40m/minとした。
延伸開始時の全残留溶媒量は、端部及び中央部の残留溶媒量は、幅手金属ドラム支持体から剥離したウェブの全残留溶媒量、端部及び中央部の残留溶媒量の測定方法と同じ方法で行った。全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率は、実施例1と同じ方法で求めた値である。延伸開始時のウェブの表面温度は、実施例1と同じ方法で測定した値である。
第2乾燥工程の乾燥条件
第2乾燥工程の乾燥温度120℃、時間20分、搬送速度40m/minとした。
巻き取り工程
巻き取り機は、定テンション法を使用し、張力200N/mで巻き取った。
Figure 2008194928
評価
作製した各試料No.201〜207に付き、搬送性、ツレ、シワ、擦り傷を実施例1と同じ方法で求め、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表4に示す。
Figure 2008194928
本発明の有効性が確認された。
実施例3
以下に示す方法によりセルロースアセテートプロピオネートフィルムを製造した。
(ドープの調製)
実施例1と同じドープを調製した。
(セルロースアセテートプロピオネートフィルムの製造)
準備したドープを図1(a)に示す生産装置を使用し、流延工程、第1乾燥工程、延伸工程、第2乾燥工程、巻き取り工程を経て、セルロースアセテートプロピオネートフィルムを作製する時、表5に示す様にウェブを金属ドラム支持体から剥離する時の全残留溶媒量と、全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率とを変化させて、幅1800mm、厚さ50μm、長さ5000m、MD方向の伸縮率が3%、TD方向の伸縮率が8%のセルロースアセテートプロピオネートフィルムを以下に示す条件で作製し試料No.301〜314とした。製造条件を以下に示す。
流延開始の条件
準備したドープを温度35℃で、幅2400mm、直径3500mmの金属ドラム支持体の上に2200mm幅で湿潤状態のドープ膜厚125μmで、引き取り速度40m/minで均一に流延した。金属ドラム支持体の熱源は温水を使用した。金属ドラム支持体の表面の温度は、測定手段として非接触式温度計を使用し、表示手段として液晶表示装置を使用し表示された温度を示す。
金属ドラム支持体からウェブの剥離条件
金属ドラム支持体からの剥離張力200N/mの設定値で行った。剥離したウェブの全残留溶媒量、残留溶媒量に対する良溶媒量の比率、端部及び中央部の残留溶媒量は実施例1と同じ方法で測定した値を示す。
第1乾燥工程の乾燥条件
第1乾燥工程の乾燥温度60℃、時間1分、搬送速度40m/minとした。金属ドラム支持体よりウェブを剥離する時から延伸開始時までのウェブのMD方向の伸縮率が3%で、TD方向の伸縮率が−3%とした。MD方向の伸縮率、TD方向の伸縮率は、実施例1と同じ方法で求めた値である。
延伸工程の延伸条件
延伸工程での延伸開始時のウェブの表面温度は、幅手方向の中央部が端部よりも15℃高くした。テンター延伸装置はクリップテンターを使用し、温度150℃、巻き取り工程で回収したセルロースアセテートプロピオネートフィルムのTD方向の伸縮率が30%になるようにTD方向の延伸を行った。延伸工程の温度150℃、時間0.5分、搬送速度40m/minとした。
延伸開始時の全残留溶媒量、端部及び中央部の残留溶媒量、幅手金属ドラム支持体から剥離したウェブの全残留溶媒量、端部及び中央部の残留溶媒量の測定方法と同じ方法で行った。全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率は、実施例1と同じ方法で求めた値である。延伸開始時のウェブの表面温度は、実施例1と同じ方法で測定した値である。
第2乾燥工程の乾燥条件
第2乾燥工程の乾燥温度120℃、時間20分、搬送速度40m/minとした。
巻き取り工程
巻き取り機は、定テンション法を使用し、張力200N/mで巻き取った。
Figure 2008194928
評価
作製した各試料No.301〜314に付き、搬送性、ツレ、シワ、擦り傷を実施例1と同じ方法で求め、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表6に示す。
Figure 2008194928
本発明の有効性が確認された。
実施例4
以下に示す方法によりセルロースアセテートプロピオネートフィルムを製造した。
(ドープの調製)
実施例1と同じドープを調製した。
(セルロースアセテートプロピオネートフィルムの製造)
準備したドープを図1(a)に示す生産装置を使用し、流延工程、第1乾燥工程、延伸工程、第2乾燥工程、巻き取り工程を経て、セルロースアセテートプロピオネートフィルムを作製する時、表7に示す様に延伸開始時のウェブの残留溶媒量を幅手方向で変化させて、幅1800mm、厚さ40μm、長さ5000m、MD方向の伸縮率が3%、TD方向の伸縮率が8%のセルロースアセテートプロピオネートフィルムを以下に示す条件で作製し試料No.401〜407とした。製造条件を以下に示す。
流延開始の条件
準備したドープを温度35℃で、幅2400mm、直径3500mmの金属ドラム支持体の上に2200mm幅で湿潤状態のドープ膜厚100μmで、引き取り速度40m/minで均一に流延した。金属ドラム支持体の熱源は温水を使用した。金属ドラム支持体の表面の温度は、測定手段として非接触式温度計を使用し、表示手段として液晶表示装置を使用し表示された温度を示す。
金属ドラム支持体からウェブの剥離条件
金属ドラム支持体からの剥離張力200N/mの設定値で行った。金属ドラム支持体より剥離したウェブの全残留溶媒量、全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率、端部及び中央部の残留溶媒量は実施例1と同じ方法で測定した値を示す。
第1乾燥工程の乾燥条件
第1乾燥工程の乾燥温度60℃、時間1分、搬送速度40m/minとした。金属ドラム支持体よりウェブを剥離する時から延伸開始時までのウェブのMD方向の伸縮率が3%で、TD方向の伸縮率が−3%とした。MD方向の伸縮率、TD方向の伸縮率は実施例1と同じ方法で求めた値である。
延伸工程の延伸条件
延伸工程での延伸開始時のウェブの表面温度は、幅手方向の中央部が端部よりも15℃高くした。テンター延伸装置はクリップテンターを使用し、温度150℃、巻き取り工程で回収したセルロースアセテートプロピオネートフィルムのTD方向の伸縮率が30%になるようにTD方向の延伸を行った。延伸工程の温度150℃、時間0.5分、搬送速度40m/minとした。
延伸開始時の全残留溶媒量、全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率、端部及び中央部の残留溶媒量は、金属ドラム支持体から剥離したウェブの全残留溶媒量、全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率、端部及び中央部の残留溶媒量の測定方法と同じ方法で行った。延伸開始時のウェブの表面温度は、実施例1と同じ方法で測定した値である。
第2乾燥工程の乾燥条件
第2乾燥工程の乾燥温度120℃、時間20分、搬送速度40m/minとした。
巻き取り工程
巻き取り機は、定テンション法を使用し、張力200N/mで巻き取った。
Figure 2008194928
評価
作製した各試料No.401〜407に付き、搬送性、ツレ、シワ、擦り傷を実施例1と同じ方法で求め、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表8に示す。
Figure 2008194928
本発明の有効性が確認された。
実施例5
以下に示す方法によりセルロースアセテートプロピオネートフィルムを製造した。
(ドープの調製)
実施例1と同じドープを調製した。
(セルロースアセテートプロピオネートフィルムの製造)
準備したドープを図1(a)に示す生産装置を使用し、流延工程、第1乾燥工程、延伸工程、第2乾燥工程、巻き取り工程を経て、セルロースアセテートプロピオネートフィルムを作製する時、表9に示す様に延伸開始時のウェブの全残留溶媒量と、全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率とを変化させて、幅1800mm、厚さ40μm、長さ5000m、MD方向の伸縮率が3%、TD方向の伸縮率が8%のセルロースアセテートプロピオネートフィルムを以下に示す条件で作製し試料No.501〜514とした。製造条件を以下に示す。
流延開始の条件
準備したドープを温度35℃で、幅2400mm、直径3500mmの金属ドラム支持体の上に2200mm幅で湿潤状態のドープ膜厚100μmで、引き取り速度40m/minで均一に流延した。金属ドラム支持体の熱源は温水を使用した。金属ドラム支持体の表面の温度は、測定手段として非接触式温度計を使用し、表示手段として液晶表示装置を使用し表示された温度を示す。
金属ドラム支持体からウェブの剥離条件
金属ドラム支持体からの剥離張力200N/mの設定値で行った。金属ドラム支持体より剥離したウェブの全残留溶媒量、全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率、端部及び中央部の残留溶媒量は実施例1と同じ方法で測定した値を示す。
第1乾燥工程の乾燥条件
第1乾燥工程の乾燥温度60℃、時間1分、搬送速度40m/minとした。金属ドラム支持体よりウェブを剥離する時から延伸開始時までのウェブのMD方向の伸縮率が3%で、TD方向の伸縮率が−3%とした。MD方向の伸縮率、TD方向の伸縮率は実施例1と同じ方法で求めた値である。
延伸工程の延伸条件
延伸工程での延伸開始時のウェブの表面温度は、幅手方向の中央部が端部よりも15℃高くした。テンター延伸装置はクリップテンターを使用し、温度150℃、巻き取り工程で回収したセルロースアセテートプロピオネートフィルムのTD方向の伸縮率が30%になるようにTD方向の延伸を行った。延伸工程の温度150℃、時間0.5分、搬送速度40m/minとした。
延伸開始時の全残留溶媒量及び全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率は、実施例1と同じ方法で求めた値である。延伸開始時のウェブの表面温度は、実施例1と同じ方法で測定した値である。
第2乾燥工程の乾燥条件
第2乾燥工程の乾燥温度120℃、時間20分、搬送速度40m/minとした。
巻き取り工程
巻き取り機は、定テンション法を使用し、張力200N/mで巻き取った。
Figure 2008194928
評価
作製した各試料No.501〜514に付き、搬送性、ツレ、シワ、擦り傷を実施例1と同じ方法で求め、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表10に示す。
Figure 2008194928
本発明の有効性が確認された。
実施例6
以下に示す方法によりセルロースアセテートプロピオネートフィルムを製造した。
(ドープの調製)
実施例1と同じドープを調製した。
(セルロースアセテートプロピオネートフィルムの製造)
準備したドープを図1(a)に示す生産装置を使用し、流延工程、第1乾燥工程、延伸工程、第2乾燥工程、巻き取り工程を経て、セルロースアセテートプロピオネートフィルムを作製する時、表11に示す様に金属ドラム支持体の中央部と端部との表面の温度を変化させて、幅1800mm、厚さ40μm、長さ5000m、MD方向の伸縮率が3%、TD方向の伸縮率が8%のセルロースアセテートプロピオネートフィルムを以下に示す条件で作製し試料No.601〜607とした。製造条件を以下に示す。
流延開始の条件
準備したドープを温度35℃で、幅2400mm、直径3500mmの金属ドラム支持体の上に2200mm幅で湿潤状態のドープ膜厚100μmで、引き取り速度40m/minで均一に流延した。金属ドラム支持体の熱源は温水を使用した。金属ドラム支持体の表面の温度は、測定手段として非接触式温度計を使用し、表示手段として液晶表示装置を使用し表示された温度を示す。
金属ドラム支持体からウェブの剥離条件
金属ドラム支持体からの剥離張力200N/mの設定値で行った。金属ドラム支持体より剥離したウェブの全残留溶媒量、全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率、端部及び中央部の残留溶媒量は実施例1と同じ方法で測定した値を示す。
第1乾燥工程の乾燥条件
第1乾燥工程の乾燥温度60℃、時間1分、搬送速度40m/minとした。金属ドラム支持体よりウェブを剥離する時から延伸開始時までのウェブのMD方向の伸縮率が3%で、TD方向の伸縮率が−3%とした。MD方向の伸縮率、TD方向の伸縮率は実施例1と同じ方法で求めた値である。
延伸工程の延伸条件
延伸工程での延伸開始時のウェブの表面温度は、幅手方向の中央部が端部よりも15℃高くした。テンター延伸装置はクリップテンターを使用し、温度150℃、巻き取り工程で回収したセルロースアセテートプロピオネートフィルムのTD方向の伸縮率が30%になるようにTD方向の延伸を行った。延伸工程の温度150℃、時間0.5分、搬送速度40m/minとした。
延伸開始時の全残留溶媒量、全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率、端部及び中央部の残留溶媒量は、金属ドラム支持体から剥離したウェブの全残留溶媒量、全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率、端部及び中央部の残留溶媒量の測定方法と同じ方法で行った。
第2乾燥工程の乾燥条件
第2乾燥工程の乾燥温度120℃、時間20分、搬送速度40m/minとした。
巻き取り工程
巻き取り機は、定テンション法を使用し、張力200N/mで巻き取った。
Figure 2008194928
評価
作製した各試料No.501〜514に付き、搬送性、ツレ、シワ、擦り傷を実施例1と同じ方法で求め、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表12に示す。
Figure 2008194928
本発明の有効性が確認された。
実施例7
以下に示す方法によりセルロースアセテートプロピオネートフィルムを製造した。
(ドープの調製)
実施例1と同じドープを調製した。
(セルロースアセテートプロピオネートフィルムの製造)
準備したドープを図1(a)に示す生産装置を使用し、流延工程、第1乾燥工程、延伸工程、第2乾燥工程、巻き取り工程を経て、セルロースアセテートプロピオネートフィルムを作製する時、表13に示す様に、金属ドラム支持体からウェブの剥離し延伸開始までのウェブの表面温度を変えて、幅1800mm、厚さ40μm、長さ5000m、MD方向の伸縮率が3%、TD方向の伸縮率が8%のセルロースアセテートプロピオネートフィルムを以下に示す条件で作製し試料No.701〜708した。製造条件を以下に示す。
流延開始の条件
準備したドープを温度35℃で、幅2400mm、直径3500mmの金属ドラム支持体の上に2200mm幅で湿潤状態のドープ膜厚100μmで、引き取り速度40m/minで均一に流延した。金属ドラム支持体の熱源は温水を使用した。金属ドラム支持体の表面の温度は、測定手段として非接触式温度計を使用し、表示手段として液晶表示装置を使用し表示された温度を示す。
金属ドラム支持体からウェブの剥離条件
金属ドラム支持体からの剥離張力200N/mの設定値で行った。金属ドラム支持体より剥離したウェブの全残留溶媒量、全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率、端部及び中央部の残留溶媒量は実施例1と同じ方法で測定した値を示す。
第1乾燥工程の乾燥条件
第1乾燥工程の乾燥温度はウェブが延伸工程に入る時の表13に示す幅手方向の端部と中央部の温度になるように乾燥箱の端部と中央部との温度をそれぞれ調整し、時間1分、搬送速度40m/minとした。金属ドラム支持体よりウェブを剥離する時から延伸開始時までのウェブのMD方向の伸縮率が3%で、TD方向の伸縮率が−3%とした。MD方向の伸縮率、TD方向の伸縮率は実施例1と同じ方法で求めた値である。MD方向の伸縮率、TD方向の伸縮率は、実施例1と同じ方法で求めた値である。
延伸工程の延伸条件
テンター延伸装置はクリップテンターを使用し、巻き取り工程で回収したセルロースアセテートプロピオネートフィルムのTD方向の伸縮率が30%になるようにTD方向の延伸を行った。延伸工程の温度150℃、時間0.5分、搬送速度40m/minとした。延伸工程での延伸開始時のウェブの表面温度は、実施例1と同じ方法で測定した値である。延伸開始時の全残留溶媒量及び全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率は、実施例1と同じ方法で求めた値である。
第2乾燥工程の乾燥条件
第2乾燥工程の乾燥温度120℃、時間20分、搬送速度40m/minとした。
巻き取り工程
巻き取り機は、定テンション法を使用し、張力200N/mで巻き取った。
Figure 2008194928
評価
作製した各試料No.701〜706に付き、搬送性、ツレ、シワ、擦り傷を実施例1と同じ方法で求め、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表14に示す。
Figure 2008194928
本発明の有効性が確認された。
実施例8
液晶表示装置の作製
(偏光板の作製)
厚さ、120μmのポリビニルアルコールフィルムを、一軸延伸(温度110℃、延伸倍率5倍)した。これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gからなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gからなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥し偏光子を得た。
次いで、下記工程1〜5に従って偏光子と実施例1で作製したセルロースアセテートプロピオネートフィルムNo.101〜103を貼り合わせて図2に示す構成の偏光板を作製しNo.8−1、8−2、8−3とした。
工程1:50℃の1モル/Lの水酸化ナトリウム溶液に60秒間浸漬し、次いで水洗し乾燥して、偏光子と貼合する側を鹸化したセルロースアセテートプロピオネートフィルムを得た。
工程2:前記偏光子を固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒浸漬した。
工程3:工程2で偏光子に付着した過剰の接着剤を軽く拭き除き、上下側に工程1で処理したセルロースアセテートプロピオネートフィルムを積層し、配置した。
工程4:工程3で積層したセルロースアセテートプロピオネートフィルムと偏光膜とを圧力20〜30N/cm2、搬送スピードは約2m/分で貼合した後、2分間乾燥し、偏光板を作製した。
この後、市販の液晶TV(シャープ製 アクオス32AD5)の偏光板を剥離し、作製した各偏光板No.8−1、8−2、8−3をそれぞれ液晶セルのガラス面に貼合し、液晶表示装置を作製しNo.801、802、803とした。その際、上記作製した偏光板保護フィルムが液晶セル面側となるように、又偏光板の貼合の向きは予め貼合されていた偏光板と同一方向に吸収軸が向くように行った。
評価
作製した液晶表示装置No.801、802、803を23℃55%RHの環境で、作製した液晶表示装置の液晶TV表示装置のバックライトを点灯して30分そのまま放置してから以下に示す方法で視認性を目視で評価した結果を表15に示す。
画面の視認性の評価方法
作製した液晶表示装置を明るい部屋でバックライトを100時間連続点灯し、点灯初期の視認性と100時間後の視認性について目視評価した。
画面の視認性の評価ランク
○:黒がしまって見え、鮮明である
△:黒のしまりがなく、鮮明さがやや低い
×:黒のしまりがなく、鮮明さが低い
Figure 2008194928
本発明の有効性が確認された。
光学用フィルムのドラム支持体を使用した溶液流延法の製造装置の模式図である。 本発明の製造方法で製造した光学用フィルムを保護フィルムとして用いて作製した偏光板の模式図である。 本発明で製造した光学用フィルムを用いて作製した偏光板を使用した液晶表示装置の模式分解構成図である。
符号の説明
1a、1b、1c 製造装置
101 流延工程
101a ドラム支持体
101b ダイス
102、102′ 第1乾燥工程
102a、104a 乾燥箱
102′d テンター搬送装置
103 延伸工程
103′ MD延伸工程
103′a 搬送部
103′b、103′c フィードロール
103′d 加熱装置
103c、102′c、103′d1 外箱
103d テンター延伸装置
104 第2乾燥工程
105 巻き取り工程
2 ドープ
3 剥離ロール
4 ウェブ
5 光学用フィルム
6、702 偏光板
601、702a 偏光子
602、702b 保護フィルム
7 液晶表示装置
701 液晶セル

Claims (11)

  1. 原料の樹脂を溶媒に溶解したドープをダイスよりドラム支持体の上に流延しウェブを形成する流延工程と、前記ウェブを前記ドラム支持体より剥離した後、少なくとも延伸工程と、乾燥工程と、巻き取り工程とを有する溶液流延製造装置により薄膜の光学用フィルムを製造する光学用フィルムの製造方法において、
    前記ドラム支持体より剥離する時から延伸工程での延伸開始時までの前記ウェブの幅手方向の残留溶媒量を、端部よりも中央部を低くすることを特徴とする光学用フィルムの製造方法。
  2. 前記ウェブをドラム支持体より剥離する時の残留溶媒量は幅手で分布を有し、該ウェブの中央部が端部よりも5質量%〜50質量%低いことを特徴とする請求項1に記載の光学用フィルムの製造方法。
  3. 前記ウェブをドラム支持体より剥離する時の全残留溶媒量は、130質量%〜250質量%であり、該全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率が5%〜70%であることを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載の光学用フィルムの製造方法。
  4. 前記延伸開始時のウェブの残留溶媒量は幅手で分布を有し、該ウェブの中央部が端部よりも2質量%〜20質量%低いことを特徴とする請求項1に記載の光学用フィルムの製造方法。
  5. 前記延伸開始時の全残留溶媒量は、15質量%〜50質量%であり、該全残留溶媒量に対する良溶媒量の比率が5%〜50%であることを特徴とする請求項1又は4に記載の光学用フィルムの製造方法。
  6. 前記ドラム支持体の表面は、幅手方向の中央部の温度が幅手方向の端部の温度よりも高く設定されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の光学用フィルムの製造方法。
  7. 前記ドラム支持体の表面のドラム支持体の幅手方向の中央部の温度は、幅手方向の端部の温度よりも1℃〜30℃高いことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の光学用フィルムの製造方法。
  8. 前記ドラム支持体よりウェブを剥離した時から延伸開始時までの該ウェブの表面温度は、幅手方向の中央部が端部よりも1℃〜20℃高いことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の光学用フィルムの製造方法。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の光学用フィルムの製造方法により製造されたことを特徴とする光学用フィルム。
  10. 偏光子の少なくとも一方の面に、請求項9に記載の光学用フィルムを配置したことを特徴とする偏光板。
  11. 請求項10に記載の偏光板を用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114953537A (zh) * 2022-07-27 2022-08-30 三三智能科技(日照)有限公司 一种能够控制厚度的pvdf压电薄膜流延成型工艺

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