以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1で通話装置(後述する子機31)の外観構成、図2で通話装置のハードウェア構成、図3で通話装置の前面のキー配列の一例、図4〜図5で通話装置の表示更新処理を説明する。
図1は、本発明の通話装置の一例である子機31と、その子機31の親機を有する多機能周辺装置(以下、「MFP(Multi Function Peripheral)」と称す)1との外観構成を示した斜視図である。本実施形態の子機31の前面には、LCD39およびタッチパネル40が配設されており、ユーザは、タッチパネル40による入力操作を行って、子機31の各種設定や各種制御を行う。
この子機31は、待機中(着信や発信待ち)から通話中となったら、タッチパネル40の検出領域のうち、ユーザが手で保持したり、顔が接触する可能性が高い領域での入力操作を無効とし、更に、通話に関する入力操作の入力位置を誤操作の可能性が低いマイクロフォン41付近に変更するものである。
MFP1および子機31は、それぞれ無線通信300(図2参照)可能に構成されており、互いに通話が行えるように構成されている。また、子機31は、ユーザが子機31を手で持たなくても通話が行えるスピーカホンモード(ハンズフリーモード)を有している。
まず、MFP1(親機)の外観構成について説明する。MFP1は、電話機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、スキャナ機能、及び、コピー機能などの各種機能を有しており、電話機能による通話やファクシミリ機能によるデータ送信を行うために電話回線網100(図2参照)と接続されている。MFP1の上部には、ファクシミリ機能、スキャナ機能、又は、コピー機能の実行時に原稿を読み取るためのスキャナ21が配置されている。
MFP1の筐体内部には記録用紙に画像を印刷する装置として、所謂インクジェットプリンタで構成されたプリンタ22が内蔵されている。プリンタ22は、インクを吐出する印刷ヘッド、紙送り装置、回復装置を備えカラー印刷を行うものである。
MFP1の上面には、操作パネル6が設けられており、操作キー15と、LCD16と、マイクロフォン23(図2参照)と、スピーカ24(図2参照)とを具備する。操作キー15には、電話番号を入力するための数字ボタンなどの各種ボタンが設けられている。
MFP1が電話回線網100(図2参照)を介して外部装置(非図示)と通話可能に接続されている場合、ユーザから発せられる音声は、このマイクロフォン23によって音信号に変換され、電話回線網100を介して外部装置(非図示)へと送信される。また、スピーカ24からは、エラー発生時の注意音や、電話回線網100を介した外部装置(非図示)からの着呼に応じた呼出音や、外部装置(非図示)から送信されてくる音信号に基づく音声などが発音される。
次に、子機31の外観構成について説明する。子機31の筐体49の前面には、LCD39が設けられており、このLCD39の表示面には、入力装置の一種であるタッチパネル40が配設されている。LCD39には、子機31の操作手順や、通話の状態や、電話番号を入力するための数字ボタンなどが表示される。
LCD39に表示されている画像(例えば、画像で形成されたキー(以後、「画像キー」と称する))が、ユーザによって指で触れられると、LCD39の表示面に配設されたタッチパネル40が指で触れられることになる。タッチパネル40では、指の接触(又は接近)が検出されたら、その触れられた(接近された)位置が特定される。CPU32(図2参照)は、タッチパネル40により検出された指の位置に応じて、その指の位置に表示されている画像(例えば、画像キー)に対応する各処理を実行する。
上述した通り、本実施形態の子機31の前面には、一般的な押しボタン式のキーを設けておらず、その変わりに、画像キーをLCD39に表示して、その画像キーが押下されたか否かをタッチパネル40で検出している。よって、待機中や通話中などの状態や、ユーザによる入力操作などに応じて、容易に画像キーの表示位置や、画像キーの名称およびその機能を容易に変更することができる。
また、本実施形態では、各種方式(抵抗膜方式や、赤外線方式など)があるタッチパネルの中で、投影型静電容量方式のタッチパネル40を用いている。静電容量方式のタッチパネルとは、指先とタッチパネルとが接近(又は接触)した場合に、指とタッチパネルとが静電結合して、指とタッチパネルとの間の静電容量が変化することを利用したものである。静電容量方式のタッチパネルでは、この静電容量の変化を検出するので、指がタッチパネルに接触しているかに加えて、指がタッチパネルに接近していることも検出できる。
また、投影型とは、タッチパネル40内で静電容量の変化を複数箇所で同時に検出するために、指などの接触(又は接近)を検出する領域を、例えば碁盤の目のように細かく区分けし、各領域毎に指の接近(又は接触)を検出する電極パターンを配設したものである。なお、区分けされた各領域のことをそれぞれ検出領域と称する。
子機31の筐体49の前面であって、LCD39,タッチパネル40の下方には、マイクロフォン41(マイクロフォン41の集音口)が設けられている。MFP1が電話回線網100(図2参照)を介して外部装置(非図示)と通話可能に接続されている場合、ユーザから発せられる音声は、このマイクロフォン41によって音信号に変換され、MFP1および電話回線網100を介して外部装置(非図示)へと送信される。
また、子機31の筐体49の前面であって、LCD39,タッチパネル40の上方には、スピーカ42(スピーカ42の放音口)が設けられている。スピーカ42は、入力された音信号を音に変換して発音するものであり、エラー発生時の注意音や、電話回線網100を介した外部装置(非図示)からの着呼に応じた呼出音や、外部装置(非図示)から送信されてくる音信号に基づく音声などが発音される。よって、ユーザは子機31を用いて外部装置(非図示)との間で通話を行うことができる。
次に、図2を参照して、MFP1(親機)および子機31の電気的構成について説明する。図2は、MFP1および子機31の電気的構成を示すブロック図である。まず、MFP1について説明する。
MFP1は、CPU11、ROM12、RAM13、操作キー15、LCD16、無線通信制御回路19、スキャナ21、プリンタ22、マイクロフォン23、スピーカ24、NCU26、モデム27とを主に有している。
CPU11、ROM12、RAM13は、バスライン28を介して互いに接続されている。また、操作キー15、LCD16、無線通信制御回路19、スキャナ21、プリンタ22、マイクロフォン23、スピーカ24、NCU26、モデム27、バスライン28は、入出力ポート29を介して互いに接続されている。
CPU11は、ROM12やRAM13に記憶される固定値やプログラム或いは、無線通信制御回路19またはNCU26を介して送受信される各種信号に従って、MFP1が有している各機能の制御や、入出力ポート29と接続された各部を制御するものである。
ROM12は、MFP1で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能なメモリである。RAM13は、書換可能な揮発性のメモリであり、MFP1の各操作の実行時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリである。
無線通信制御回路19は、無線通信用アンテナ20を有しており、子機31の無線通信制御回路37との間で無線通信300を実行し、子機31との間でデータ通信や、音信号などの送受信を可能にする既知の回路である。
NCU26は、電話回線網100と接続されており、電話回線網100へのダイヤル信号の送出や、電話回線網100からの呼出信号の応答などの制御を行うものである。モデム27は、ファクシミリ機能により送信が指示された画像データを、電話回線網100に伝送可能な信号に変調してNCU26を介して送信したり、電話回線網100からNCU26を介して入力された信号を受信し、LCD16に表示したりプリンタ22で記録可能な画像データに復調するものである。
次に、子機31の電気的構成について説明する。子機31は、CPU32、ROM33、RAM34、無線通信制御回路37、LCD39、タッチパネル40、マイクロフォン41、スピーカ42とを主に有している。CPU32、ROM33、RAM34、無線通信制御回路37、LCD39、タッチパネル40、マイクロフォン41、スピーカ42は、バスライン45を介して互いに接続されている。
CPU32は、ROM33やRAM34に記憶される固定値やプログラム或いは、無線通信制御回路37を介して送受信される各種信号に従って、バスライン45により接続された各部を制御するものである。ROM33は、子機31で実行される各種の制御プログラムを記憶する書換不能なメモリである。後述する図4のフローチャートに示す表示更新処理、図5(a)のフローチャートに示す待機中キー操作実行処理、図5(b)のフローチャートに示す通話中キー操作実行処理を実行する各プログラムは、このROM33に格納されている。
また、このROM33には、キー配列メモリ33aが設けられている。キー配列メモリ33aは、待機中にLCD39に表示する各画像キーの画像、及び、各画像キーの表示位置と、通話中にLCD39に表示する各画像キーの画像、及び、各画像キーの表示位置とが格納されているメモリである。CPU32は、待機中(着信や発信待ち)であるか、又は、通話中であるかに応じて、LCD39に表示する画像キーや、その表示位置を変更する(切替える)。
RAM34は、各種のデータを一時的に記憶するための書換可能なメモリである。RAM34には、入力保留メモリ34aが設けられている。入力保留メモリ34aは、通話中にユーザにより入力操作が行われた場合に、その入力操作が行われた画像キーを示す情報(以後、「キー情報」と称する)を記憶するためのメモリである。例えば、入力保留メモリ34aには、キー情報として、画像キーの名称や、画像キーに対応づけられているキー番号(キーコード)などが記憶される。
無線通信制御回路37は、無線通信用アンテナ38を有しており、MFP1の無線通信制御回路19との間で無線通信300を実行し、MFP1との間でデータ通信や、音信号などの送受信を可能にする既知の回路である。
次に、図3を参照して、子機31のLCD39に表示される画像キーのキー配列の一例について説明する。図3(a)は、着信や発信待ち(待機中の)場合、又は、通話中にユーザが子機31から顔を離している場合に、LCD39に表示される画像キーのキー配列(以後、「通常のキー配列」と称する)の一例を示すイメージ図である。図3(b)は、通話中であって、ユーザが子機31に顔を接触(又は、接近)させている場合に、LCD39に表示される画像キーのキー配列(以後、「誤操作防止用のキー配列」と称する)の一例を示すイメージ図である。
まず、通常のキー配列について説明する。待機中の場合、又は、通話中にユーザが子機31から顔を離している場合には、図3(a)に示すように、画像キーが通常のキー配列でLCD39に表示される。
具体的には、LCD39の上端から下端に向かって順に、情報表示エリア70と、十字キー71と、外線キー72や内線キー73や切キー74と、数字および記号で構成されるダイヤルキー75と、留守電キー78や電源オフキー79とが主に表示される。
情報表示エリア70には、入力操作に応じて、操作手順や子機31の状態や、メッセージなどが表示される。十字キー71は、各種設定や各種制御を行う場合に、設定したい項目を選択するためのキーであり、外線キー72は外線発信を行ったり、着信を受けるためのキーである。内線キー73は、MFP1との間で内線通話を行うためのキーであり、切キー74は、通話を中止する場合や、各種設定を中断するためのキーである。
ダイヤルキー75は、0〜9までの数字キーと、星印(*)キー76と、番号記号(#)キー76との12のキーで構成されており、電話番号を入力したり、トーン信号を入力するためのキーである。留守電キー78は、留守番電話機能をオンまたはオフするためのキーであり、電源オフキー79は子機31の電源をオフするためのキーである。
一般的に、待機中の場合、又は、通話中にユーザが子機31を顔から離している場合には、ユーザは、LCD39の表示を確認しながら、タッチパネル40による入力操作を行うことが容易である。
よって、ユーザが意図せずに画像キーに触れるなど、意図しない入力操作(誤操作)が行われる可能性が低いので、タッチパネル40の検出領域のうち、全領域での入力操作を有効としている。なお、タッチパネル40の検出領域のうち、入力操作を有効としている領域のことを操作有効領域と称し、タッチパネル40の検出領域であっても、入力操作を無効としている領域のことを操作無効領域と称する。
次に、誤操作防止用のキー配列について説明する。通話中であって、ユーザが子機31に顔を接触(又は接近)させている場合には、図3(b)に示すように、画像キーが誤操作防止用のキー配列でLCD39に表示される。なお、図中のタッチパネル40内において、ハッチング部分は、操作無効領域であることを示しており、それ以外は、操作有効領域であることを示している。
具体的には、LCD39の上端から下端に向かって順に、情報表示エリア70と、十字キー71と、外線キー72や内線キー73や切キー74とが、図3(a)の場合と同様に表示され、続けて、一部のキーが別のキーに変更されたダイヤルキー80と、保留キー71や切キー74と、音量大キー82や音量小キー83とが表示される。
図3(b)に示すように、この誤操作防止用のキー配列では、ダイヤルキー80は、1〜9の数字キーだけしか表示されず、0の数字キーは表示されない。また、星印(*)キー76が表示されていた位置には、星印(*)キー76の代わりに、保留キー81が表示され、番号記号(#)キー77が表示されていた位置には、番号記号(#)キー77の代わりに、切キー74が表示される。更に、留守電キー78が表示されていた位置には、留守電キー78の代わりに、音量大キー82が表示され、電源オフキー79が表示されていた位置には、電源オフキー79の代わりに、音量小キー83が表示される。
保留キー81は、通話を保留するためのキーであり、音量大キー82および音量小キー83は、受話音量を調整するためのキーである。ユーザは、音量大キー82に触れることで、受話音量を一段階大きくすることができ、音量小キー83に触れることで、受話音量を一段階小さくすることができる。
なお、タッチパネル40の操作有効領域内には、ユーザが子機31に顔を接触(又は接近)させている状態で操作する可能性が高い画像キー、即ち、通話に関するキーだけを表示している。具体的には、保留キー81と、切キー74と、音量大キー82と、音量小キー83とを表示している。一方、ユーザが子機31を顔から離した状態で操作する可能性が高い画像キー(例えば、星印(*)キー76や、番号記号(#)キー77など)や、通話中に使用しないキー(例えば、電源オフキー79など)は、操作無効領域内に表示されているか、又は表示されていない。
一般的に、通話中であって、ユーザが子機31に顔を接触(又は接近)させている場合には、ユーザは、そのままの姿勢でLCD39の表示を確認しながら、タッチパネル40による入力操作を行うことが困難である。
よって、ユーザがそのままの姿勢で入力操作を行った場合は、意図しない入力操作(誤操作)が行われる可能性が高い。また、ユーザが意図せずに画像キーに触れるなど、意図しない入力操作(誤操作)が行われる可能性も高い。そこで、この場合は、タッチパネル40の検出領域のうち、ユーザの顔が接触(又は接近)する可能性が低く、且つ、ユーザが手で保持する可能性が低いマイクロフォン41付近の領域に限って、入力操作を有効としている。言い換えると、タッチパネル40の検出領域のうち、誤操作が行われる可能性が高い領域での入力操作を無効としている。従って、通話中に誤操作が行われることを抑制でき、誤操作により意図しない処理が実行されることを抑制できる。
また、上述した通り、通話中であって、ユーザが子機31に顔を接触(又は接近)させている場合には、入力操作を有効とする領域(操作有効領域)内に、通話中に操作する可能性の高い画像キーを配置している。この操作有効領域は、マイクロフォン41付近の領域であるので、ユーザが通話中に子機31を保持した姿勢のまま、例えば目だけを動かして画像キーの位置を確認することができる。よって、通話中に、通話に関する入力操作を容易に行うことができるので、通話中に誤操作が行われることを一層抑制することができる。
また、例えば、操作有効領域内に表示する画像キーを、ユーザ自身が設定可能に構成すれば、ユーザ自身が決めたキー配置であるので、ユーザは通話中に子機31を保持した姿勢のまま、特に目を動かさなくても操作を行うことができる。よって、通話中に、通話に関する入力操作を容易に行うことができ、通話中に誤操作が行われることを一層抑制することができる。
次に、図4を参照して、子機31のCPU32により実行される表示更新処理について説明する。図4は、子機31の表示更新処理を示すフローチャートである。この表示更新処理は、待機中や通話中に応じて、LCD39に表示する画像キーのキー配列を変更したり、タッチパネル40内における操作有効領域や操作無効領域を設定するための処理である。この表示更新処理は、子機31の主電源が投入されてから主電源が遮断されるまで繰り返し実行される処理である。
この表示更新処理では、まず、RAM34の入力保留メモリ34aをクリアする(S1)。次に、LCD39に表示する画像キーのキー配列を通常のキー配列(図3(a)参照)に設定する(S2)。そして、タッチパネル40の検出領域全体を操作有効領域と設定して、全ての画像キーのキー入力を有効とし(S3)、外部装置(非図示)との間で通話が開始されたかを判定する(S4)。
S4の処理において、通話が開始されていない場合は(S4:No)、待機中キー操作実行処理を実行し(S5)、その後、S4の処理に戻り、上述したS4〜S5の各処理を繰り返す。なお、詳細については後述するが(図5(a)参照)、待機中キー操作実行処理は、待機中の場合、又は、通話中にユーザが子機31から顔を離している場合に、ユーザによりなされる入力操作を取得すると共に、その入力操作に応じた処理を実行するための処理である。
一方、S4の処理において、通話が開始された場合は(S4:Yes)、タッチパネル40が押下されているかを判定する(S6)。具体的には、タッチパネル40の検出領域全体の中で、接触(又は接近)が検出されている領域があるかを判定し、何れかの領域で接触(又は接近)が検出されている場合は、タッチパネル40が押下されていると判定し、全く接触(又は接近)が検出されていない場合は、タッチパネル40が押下されていないと判定する。
S6の処理において、タッチパネル40が押下されていない場合は(S6:No)、通話開始後、ユーザが、まだ子機31を顔に接触(又は接近)させていない場合である。つまり、ユーザが子機31を顔から離している場合である。この場合は、S12の処理へ移行する。
一方、S6の処理において、タッチパネル40が押下されている場合は(S6:Yes)、通話開始後、ユーザが子機31に顔を接触(又は接近)させた場合であるので、LCD39に表示する画像キーのキー配列を誤操作防止用のキー配列(図3(b)参照)に設定する(S7)。次に、タッチパネル40の検出領域のうち、マイクロフォン41付近の領域だけを操作有効領域と設定し(図3(b)参照)、その他の領域は操作無効領域と設定して、通話に必要なキー入力だけを有効にする(S8)。
より具体的には、上述したS7の処理が実行されて、誤操作防止用のキー配列に設定されると、通話に関する画像キー(例えば、保留キー81や音量大キー82など)がマイクロフォン41付近に表示される。また、S8の処理が実行されると、タッチパネル40の検出領域の中で、マイクロフォン41付近の検出領域に限って、キー入力操作が有効となる。よって、S7及びS8の処理が実行されると、通話に必要な画像キーだけが有効になる。
次に、通話中キー操作実行処理を実行する(S9)。なお、詳細については後述するが(図5(b)参照)、通話中キー操作実行処理は、通話中であって、ユーザが子機31に顔を接触(又は、接近)させている場合に、ユーザによりなされる入力操作を取得すると共に、その入力操作に応じた処理を実行するための処理である。
S9の処理が終了したら、次に、タッチパネル40が押下されているかを判定し(S10)、タッチパネル40が押下されている場合は(S10:Yes)、通話が終了したかを判定する(S11)。S11の処理において、通話中である場合は(S11:No)、S9の処理に戻り、上述したS9〜S11の各処理を繰り返す。一方、通話が終了した場合は(S11:Yes)、S1の処理に戻り、上述したS1〜S11の各処理を繰り返す。
S10の処理において、タッチパネル40が押下されていない場合は(S10:No)、通話中にユーザが子機31から顔を離した場合である。この場合は、S12の処理へ移行する。S12の処理では、通話モードをスピーカホンモードに変更して(S12)、LCD39に表示する画像キーのキー配列を通常のキー配列(図3(a)参照)に設定する(S13)。
上述した通り、スピーカホンモードとは、ユーザが子機31を手で持たなくても通話が行えるモードである。なお、子機31がスピーカホンモードに設定されると、その状態は、タッチパネル40によって再び接近(又は接触)が検出されるまで継続される。
次に、タッチパネル40の検出領域全体を操作有効領域と設定して、全ての画像キーのキー入力を有効とし(S14)、タッチパネル40が押下されているかを判定する(S15)。
S15の処理において、タッチパネル40が押下されている場合は(S15:Yes)、これまではユーザが子機31を顔から離していたが、ユーザが子機31に顔を接触(又は、接近)させた場合である。よって、この場合は、スピーカホンモードを終了して(S16)、S7の処理に移行する。
一方、S15の処理において、タッチパネル40が押下されていない場合は(S15:No)、引き続き、ユーザが子機31を顔から離している場合である。この場合は、待機中キー操作実行処理を実行して(S5)、通話が終了したかを判定する(S17)。
S17の処理において、通話中である場合は(S17:No)、S15の処理に戻り、上述したS15〜S17の各処理を繰り返す。一方、通話が終了した場合は(S17:Yes)、スピーカホンモードを終了して(S18)、S1の処理に戻り、上述したS1〜S17の各処理を繰り返す。
以上の図4のフローチャートの表示更新処理により、通話中であって、ユーザが子機31に顔を接触(又は接近)させている場合に、LCD39に表示する画像キーのキー配列を、誤操作防止用のキー配列(図3(b)参照)に設定できる。よって、マイクロフォン41付近に通話に必要な画像キーを表示できる。また、通話中は、タッチパネル40の検出領域のうち、マイクロフォン41付近の領域だけを操作有効領域とでき、その他の領域を操作無効領域とできる。
タッチパネル40の検出領域のうち、マイクロフォン41付近の領域は、通話中にユーザの顔が接触(又は接近)する可能性が低く、且つ、ユーザが手で保持する可能性が低いので、通話中に意図せずに触れられるなど、通話中に誤操作が発生するのを抑制できる。なお、タッチパネル40の検出領域のうち、マイクロフォン41付近の領域は、ユーザが通話中に子機31を保持した姿勢のまま、例えば目だけを動かして画像キーの位置を確認することができる。よって、通話中に、通話に関する入力操作を容易に行うことができるので、通話中に誤操作が行われることを一層抑制できる。
また、通話中であって、ユーザが子機31から顔を離している場合は、子機31の通話モードをスピーカホンモードに設定できる。よって、例えば、ユーザが子機31を保持する手を変えた(持ち替えた)場合には、スピーカホンモードに設定されるので、その子機31を持ち替えている期間も、漏れなく通話を継続できる。なお、通話開始後、ユーザが子機31を顔に接触(又は接近)させるまでの期間も、漏れなく通話を継続できる。
次に、図5(a)を参照して、子機31のCPU32により実行される待機中キー操作実行処理(S5)について説明する。図5(a)は、子機31の待機中キー操作実行処理(S5)を示すフローチャートである。この待機中キー操作実行処理(S5)は、待機中(着信や発信待ち)の場合、又は、通話中にユーザが子機31から顔を離している場合に、ユーザによりなされる入力操作を取得すると共に、その入力操作に応じた処理を実行するための処理である。
待機中キー操作実行処理では、まず、画像キーが押下されたかを判定する(S21)。より具体的には、タッチパネル40の検出領域のうち、指の接触(又は接近)が検出された領域が、LCD39に表示されている画像キーの表示画面上である場合に、その画像キーが押下されたと判断している。
S21の処理において、画像キーが押下された場合は(S21:Yes)、画像キーが複数同時に押下されたかを判定する(S22)。画像キーが複数同時に押下された場合は(S22:Yes)、誤操作の可能性が高いので、複数同時に押下された画像キーの入力を全て無効とし(S24)、この待機中キー操作実行処理を終了する。
一方、S22の処理において、画像キーが1つだけ押下された場合は(S22:No)、その押下された画像キーに対応する処理を実行して(S23)、この待機中キー操作実行処理を終了する。例えば、留守電キー78が押下された場合なら、留守番電話機能をオンからオフへ、又は、オフからオンへ切替える。
S21の処理において、画像キーが押下されていない場合は(S21:No)、何もせずに、S22〜S24の各処理をスキップして、この待機中キー操作実行処理を終了する。
次に、図5(b)を参照して、子機31のCPU32により実行される通話中キー操作実行処理(S9)について説明する。図5(b)は、子機31の通話中キー操作実行処理を(S9)示すフローチャートである。この通話中キー操作実行処理(S9)は、通話中であって、ユーザが子機31に顔を接触(又は、接近)させている場合に、ユーザによりなされる入力操作を取得すると共に、その入力操作に応じた処理を実行するための処理である。
通話中キー操作実行処理では、まず、有効な画像キーが押下されたかを判定する(S31)。より具体的には、タッチパネル40の検出領域のうち、指の接触(又は接近)が検出された領域が操作有効領域内であり、且つ、LCD39に表示されている画像キーの表示画面上である場合に、その画像キーが有効に押下されたと判断している。
S31の処理において、有効な画像キーが押下された場合は(S31:Yes)、画像キーが複数同時に押下されたかを判定する(S32)。一方、有効な画像キーが押下されていない場合は(S31:No)、S32〜S35の各処理をスキップして、S37の処理に移行する。
S32の処理において、画像キーが複数同時に押下された場合は(S32:Yes)、誤操作の可能性が高いので、複数同時に押下された画像キーの入力を全て無効とし(S36)、S37の処理へ移行する。一方、S32の処理において、画像キーが1つだけ押下された場合は(S32:No)、その押下された画像キーが、RAM34の入力保留メモリ34aに記憶されているキー情報が示す画像キーと同一であるかを判定する(S33)。
S33の処理において、押下された画像キーが、入力保留メモリ34aに記憶されているキー情報が示す画像キーと異なる場合は(S33:No)、S31の処理で押下されたと判定された画像キーを示すキー情報を、入力保留メモリ34aに記憶して(S34)、待機時間(例えば、3秒)のカウントを開始する(S35)。
なお、この待機時間とは、画像キーが押下されてから、その画像キーに対応する処理を実行開始するまでの待機時間である。つまり、ここでは、入力保留メモリ34aにキー情報が何も記憶されていない場合に有効な画像キーが押下された場合や、有効な画像キーが押下されてから上述した待機時間が経過する前に、別の有効な画像キーが押下された場合に、その押下された画像キーのキー情報が入力保留メモリ34aに記憶される。
一方、S33の処理において、押下された画像キーが、入力保留メモリ34aに記憶されているキー情報が示す画像キーと同一である場合は(S33:Yes)、待機時間が経過するのを待たずに(S37の処理をスキップして)、S38の処理へ移行する。
次に、待機時間(例えば、3秒)が経過したかを判定し(S37)、待機時間が経過していない場合は(S37:No)、S38〜S39の処理をスキップして、この通話中キー操作実行処理を終了する。一方、待機時間が経過した場合は(S37:Yes)、入力保留メモリ34aに記憶されているキー情報が示す画像キーに対応する処理を実行する(S38)。
例えば、入力保留メモリ34aに記憶されているキー情報が示す画像キーが、音量大キー82である場合なら、受話音量を一段階大きく設定する。そして、入力保留メモリ34aをクリアして(S39)、この通話中キー操作実行処理を終了する。
以上の図5(b)のフローチャートの通話中キー操作実行処理により、通話中であって、ユーザが子機31に顔を接触(又は、接近)させている場合に、ユーザによりなされる入力操作を取得すると共に、その入力操作に応じた処理を実行することができる。また、有効な画像キーが複数同時に押下された場合に、その複数同時に押下された画像キーの入力を全て無効とすることができる。
通話中であって、ユーザが子機31に顔を接触(又は、接近)させている場合、ユーザは、そのままの姿勢でタッチパネル40による入力操作を行うことが困難であるので、画像キーを複数同時に押下するなどの誤操作が発生し易い。よって、画像キーを複数同時に押下された場合には、1つの入力が正しい操作であり、残りの入力が全て誤操作であると考えられる。このような場合には、複数同時に押下された画像キーの入力を全て無効としているので、誤操作により意図しない処理が実行されることを確実に防止できる。
また、有効な画像キーが押下されても、待機時間(例えば、3秒)が経過するまでは、その画像キーに対応する処理を実行開始しないので、誤った入力操作を行った場合には、例えば、その入力操作をキャンセルして、正しい入力操作を行うことができる。よって、誤操作により意図しない処理が実行されることを抑制できる。
なお、待機時間中に、新たに有効な画像キーが押下された場合には、直近に押下された有効な画像キーの入力を無効とし、新たに押下された画像キーの入力を有効としているので、誤った入力操作を行った場合には、入力操作をキャンセルせずに、そのまま続けて正しい入力操作を行えば良いので、ユーザの使い勝手が良い。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、本実施形態では、子機31を通話装置の一例としているが、MFP1(親機)にも受話器(有線、無線に関わらず)を設けて、その受話器にもLCDおよびタッチパネルを設け、上述した子機31と同様の制御を行って、MFP1の受話器において通話中の誤操作を抑制するように構成しても良い。
また、本実施形態では、投影型静電容量方式のタッチパネル40を用いているが、検出方式は何ら限定しない。例えば、指の接触を圧力センサで検知する方式のタッチパネルを用いても良いし、指の接近(又は接触)を赤外線や電界で検知する方式のタッチパネルを用いても良い。
また、本実施形態では、子機31の前面に、LCD39およびタッチパネル40を配設して、各種の画像キーを配置しているが、その代わりに、一般的な受話器のように子機31の前面に押しボタン式のキーを配設して、そのボタン式のキーの表面(上面)や、そのキーの周囲にタッチパネル40を配設するように構成しても良い。
また、本実施形態では、子機31の前面に、LCD39およびタッチパネル40を配設して、待機中(着信や発信待ち)であるか、又は、通話中であるかに応じて子機31のLCD39に表示する画像キーを一部変更することで、画像キーの配置を変更している。しかしながら、一般的な受話器のように子機31の前面に押しボタン式のキーが配設されている場合は、キーの配置の変更が困難であるので、このような場合は、キーの配置を変更せずに、キーに対応づけている機能だけを変更する。このようにすれば、キーの配置を変更したことに等しくなるので、子機31に設けられている各種のキーが、押しボタン式のキーの場合であっても、キーの配置を容易に変更することができる。
また、本実施形態では、有効な画像キーが複数同時に押下された場合に、その複数同時に押下された画像キーの入力を全て無効としているが、有効な画像キーが所定時間以内(例えば、0.5秒以内)に複数押下された場合には、その複数同時に押下された画像キーの入力を全て無効としても良い。有効な画像キーが順番に押下された場合でも、その入力間隔が早く、通常の入力操作では入力が困難(又は不可能)な場合は、誤操作であると考えられる。このような場合には、複数押下された画像キーの入力を全て無効とすることで、誤操作により意図しない処理が実行されることを確実に防止できる。
また、本実施形態では、通話装置をコードレス式の子機31とした場合の一例について説明したが、通話装置を子機31に限定するものではない。通話装置は通話可能に構成されているものなら何でも良く、例えば、有線でMFP1(親機)に接続される受話器でも良いし、携帯電話でも良いし、トランシーバなどの無線機でも良い。